JP2004280966A - 磁気ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数本のネジによる締め付け力のばらつきに因る磁気ディスクの変形や歪みの分布を低減すること。
【解決手段】磁気ディスクを回転駆動させるスピンドルモーターと、サスペンションの端部に設けられた磁気ヘッドを磁気ディスクの任意の位置に回転支持するキャリッジと、を備えた磁気ディスク装置において、磁気ディスク100を押圧するクランプがスピンドルモータのハブ102に複数のネジで取り付けられ、クランプは、ネジ101で締め付けられる円環状の第一クランプ104と、外周側の端部を前記磁気ディスクに押圧する円環状の第二クランプ105と、からなり、第一クランプと第二クランプは互いの内周側でのみ接触面200を形成し、ネジの締め付け軸力は、ネジ、第一クランプ、接触面、第二クランプ、第二クランプの外周側端部、磁気ディスクの順に伝達されること。
【選択図】 図2
【解決手段】磁気ディスクを回転駆動させるスピンドルモーターと、サスペンションの端部に設けられた磁気ヘッドを磁気ディスクの任意の位置に回転支持するキャリッジと、を備えた磁気ディスク装置において、磁気ディスク100を押圧するクランプがスピンドルモータのハブ102に複数のネジで取り付けられ、クランプは、ネジ101で締め付けられる円環状の第一クランプ104と、外周側の端部を前記磁気ディスクに押圧する円環状の第二クランプ105と、からなり、第一クランプと第二クランプは互いの内周側でのみ接触面200を形成し、ネジの締め付け軸力は、ネジ、第一クランプ、接触面、第二クランプ、第二クランプの外周側端部、磁気ディスクの順に伝達されること。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速回転のスピンドルモーターに装着される磁気ディスクを押圧固定するクランプ機構を備えた磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気ディスク装置は、図5に示すように、高速回転可能なスピンドルモーターに、単数又は複数枚の磁気ディスク400と単数又は複数のスペーサー404を交互に積層させて、磁気ディスク400を固定支持するクランプ機構を有している。図5に示すクランプ機構は、スピンドルモーターのハブ402に磁気ディスク400を装着し、更に、複数枚の磁気ディスク400を装着可能とするために、磁気ディスク400の間にスペーサー404を装着し、磁気ディスク400とスペーサー404が積層状態となるようにする。このような積層状態にある磁気ディスク400の上部にクランプ401を装着し、このクランプ401を複数のネジ403(例えば、6個のネジ)によりスピンドルモーターのハブ402に固定する構造となっている。図5で例示する流体軸受け(FDB)のスピンドルモータにおいては、ベース405にプレート406と軸受部407が組み込まれてこれらが固定関係となっており、シャフト408とハブ402は連結されていて回転部材を構成している。
【0003】
また、従来技術として、上述したクランプ構造に加えて、磁気ディスクの円周方向の変形低減のために、磁気ディスクとクランプの間にトップスペーサーをクランプ外周側に接するように介し、複数のネジで固定するクランプ構成を有する磁気ディスク装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
更に、玉軸受け構造を用いた内輪回転のスピンドルモーターでは、回転軸に1本のネジによってクランプを固定する方式もある。
【0005】
また、玉軸受け構造を用いた外輪回転のスピンドルモータで、スピンドルモーター高さを薄くして装置の薄型化を考慮したクランプ機構において、1本のネジに相当するクランプボルトを用い、このクランプボルトによって磁気ディスク押圧用のクランプ板を固定するような構成が知られている(例えば、特許文献2を参照)。この特許文献2によれば、軸受け中心の固定軸の周りに1本のクランプボルトを設け、このクランプボルトを螺入することで、クランプ板を介して磁気ディスクをスピンドルハブに固定している。このような構成によって、磁気ディスクの回転を高精度にするとともに装置薄型化を図っている。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−121962号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平5−258437号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に云えることであるが、従来の磁気ディスク装置に用いられるクランプ機構は、磁気ディスクが高速で回転する時に発生する遠心力によってズレが生じるのを防ぎ、且つ磁気ディスク装置に対して衝撃がかかった時に磁気ディスクがズレ無いように支持固定し、更に、熱変動の際に生じる熱変形による磁気ディスクズレなどを防ぐことが求められる。そのために、クランプの締め付け力は、前述した様々な磁気ディスクズレを発生させないようなクランプ締め付け力が必要とされ、特に、サーバー用磁気ディスク装置では、固定する磁気ディスク枚数が多いために、クランプ締め付け力を一層大きくする必要がある。
【0009】
磁気ディスクのズレ防止のために、複数本のネジにより固定されるクランプ機構を開示した図5に示す従来技術では、複数本のネジの軸力をなるべく大きくする必要があって、その必要性が増す程にクランプ部材中に応力の不均一分布が発生し、その応力不均一分布が磁気ディスクに伝達されて磁気ディスクに歪分布を発生させていた。その結果、RRO(Repeatable Run Out:繰り返し回転振れ)の悪化につながり、磁気ヘッドの位置決め精度の低下となっていた。
【0010】
また、上記特許文献2に記載された構成は、スピンドルの外輪が回転するスピンドルモータを前提にした構成であり、スピンドルモータの中心軸の周囲をめぐる1本のクランプボルトを使用するものであって、スピンドルモータの構成が本発明と明らかに相違するものが発明対象となっている。
【0011】
本発明の目的は、複数本のネジによる締め付け力のばらつき(ネジ毎のばらつきやネジ箇所とネジ不在箇所とのばらつき)に因る磁気ディスクの変形や歪みの分布を低減することのできる磁気ディスク装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
情報を記録する磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転駆動させるスピンドルモーターと、サスペンションの端部に設けられた磁気ヘッドを磁気ディスクの任意の位置に回転支持するキャリッジと、前記キャリッジを回転駆動するVCMと、備えた磁気ディスク装置において、
前記磁気ディスクを押圧するクランプが前記スピンドルモータのハブに複数のネジで取り付けられ、
前記クランプは、前記ネジで締め付けられる円環状の第一クランプと、外周側の端部を前記磁気ディスクに押圧する円環状の第二クランプと、からなり、
前記第一クランプと前記第二クランプは互いの内周側でのみ接触面を形成し、
前記ネジの締め付け軸力は、前記ネジ、前記第一クランプ、前記接触面、前記第二クランプ、前記第二クランプの外周側端部、前記磁気ディスクの順に伝達される構成とする。
【0013】
また、前記磁気ディスク装置において、前記第一クランプは剛性体又は弾性体の材料からなり、前記第二クランプは弾性体の材料からなる構成とする。
【0014】
また、前記磁気ディスク装置において、前記第一クランプは前記第二クランプよりヤング率が高い材料である構成とする。更に、前記第一クランプの材料がセラミックである構成とする。
【0015】
このような構成を採用することにより、本発明は、複数本のネジによる締め付け力のばらつきに因る磁気ディスクの変形や歪みの分布を低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置について、図1〜図4を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置におけるクランプ機構を示す図であり、図2は図1に示すクランプ機構の拡大図とネジ軸力の伝達経路図であり、図3は図1に示す磁気ディスク装置の実装組立図である。図4は本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置における他のクランプ機構を示す図である。
【0017】
図1において、本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置は、情報を記録する磁気ディスク100と、磁気ディスク100を回転駆動させるハブ102、シャフト103、軸受部109、プレート108、磁気回路部107からなる流体軸受けのスピンドルモーターと、磁気ディスク100に対して情報の記録再生を行う磁気ヘッド(図1では不図示)と、前記磁気ヘッドが端部に具備されたサスペンション(図1では不図示)と、前記サスペンションを固定して前記磁気ヘッドを磁気ディスク100の任意の位置に回転支持するキャリッジ(図1では不図示)と、前記キャリッジを回転駆動するためのVCM(ボイスコイルモーター:図1では不図示)と、前記磁気ヘッドを磁気ディスクへロード又はアンロードさせ且つ磁気ヘッドを停止位置に支持するランプ(図1では不図示)と、磁気ディスク装置内を密封するカバー(図1では不図示)と、から構成されている。
【0018】
図1に示す本実施形態においては、高速回転可能なスピンドルモーターのハブ102に磁気ディスク100を装着し、複数枚の磁気ディスク100を装着可能とするために磁気ディスク100の間にスペーサー106を装着し、磁気ディスク100とスペーサー106を積層状態として磁気ディスク100を固定支持するように、クランプ機構が存在する。
【0019】
本実施形態に関するクランプ機構の概要は、第一クランプ104と第二クランプ105の2つの構成要素(部品)から構成され、上述した積層状態にある磁気ディスク100及びハブ102の上方部に第一クランプ104と第二クランプ105を装着し、第一クランプ104と第二クランプ105を複数のネジ101の締め付け力によって各クランプの内周側を連係させ、且つ第二クランプ105の外周部で磁気ディスク100を押圧する構造となっている。
【0020】
本実施形態に関するクランプ機構について、図1のクランプ機構の拡大図である図2、図1のクランプ機構の組立図である図3を用いて詳細に説明する。まず、図3を用いて第一クランプ104と第二クランプ105の関連構造を説明すると、それぞれのクランプには複数のネジ穴が設けられ(図示の例では12個のネジ穴)、例えば、1つ置きのネジ穴にネジ101を挿通してハブ102に螺合する構造が1つの構成例である。また、図3に示すように、それぞれのクランプ104,105は、ハブ102の中央凸部に嵌合するように内周空洞部を設けていて、第二クランプ105はその内周空洞部から若干外周方向に向けた箇所に円環状凸部が形成され、この円環状凸部が第一クランプ104との接触面、即ち第一クランプ−第二クランプ接触面200を形成している。また、図3を参照して、ハブ102には12個のネジタップを設ける構成例が図示されている。
【0021】
そして、第二クランプ105の最外周部が磁気ディスク100に向いた凸形状が形成され、この凸形状部分が磁気ディスク100を押圧してクランプしている。複数のネジ101によるばらつきのある締め付け力(各ネジ毎の締め付け力のばらつき、ネジ箇所に因る強い締め付け力とネジ間の箇所に因る弱い締め付け力のばらつき等が含まれる)は、図2の(2)に示すように第一クランプ、第二クランプを介する軸力伝達経路を経ることで、締め付け力のばらつきが吸収されて、磁気ディスク100に均等なクランプ力が印加されることとなる。
【0022】
具体例で敷衍すると、クランプ104,105の12個のネジ穴の1つ置きに6個のネジを挿通して図1のようにネジ締め付けを行うと、少なくとも第一クランプ上にはその円周方向に6つの山及び谷特性のネジ軸力による応力分布が生じる。山特性についても各ネジの軸力によって山の高さや波形が異なり得る。また、ネジ穴のうちでネジの挿通していない箇所ではネジ軸力の影響がそれ程及ばずに谷特性を生じる。このように、第一クランプのみで磁気ディスクをクランプすれば、磁気ディスクに応力の変形や歪みの分布が生じることとなるのである。
【0023】
本実施形態では、結論的に云えば、図2の(2)に示すように、第一クランプの内周側で第二クランプと連係させてネジ軸力の長い伝達経路を形成させることによって、更に、第一クランプからの軸力を第二クランプとの接触面200で受けることによって、ディスクへの応力の不均一をできるだけ無くして均等に磁気ディスクにクランプ力を印加しようとするものである。換言すると、複数のネジの締め付け力に起因して磁気ディスクに多少の変形や歪み分布が生じることは当然に起こり得るが、変形や歪みの程度を第二クランプ−ディスク接触面の円環上で成る可く少なくする、即ち、このディスク円環上での変形や歪みの分布レベルを低減して均一化分布とすることが本発明の趣旨である。
【0024】
図2を参照して、積層された磁気ディスク100の上方部に第二クランプ105を装着し、第二クランプ105は第二クランプ−ディスク接触面201で磁気ディスク100に接触している。第二クランプ105は、ネジ101を締めることによって図2に示しているような締め付け位置となるように、調整し成形されている(第二クランプの最外周部が円環状を形成していてこの円環状部が磁気ディスクに当接しており、第二クランプの内周部はディスクと略面一のハブ上面から離隔するような構造である)。
【0025】
第二クランプ105を装着後、第一クランプ104を第二クランプ105の上部に装着する。さらに、第一クランプ104と第二クランプ105にネジ101が貫通するように位置決めを行い、複数本のネジ101をハブ102にネジ止めし、第一クランプ104と第二クランプ105を固定する。これによって、磁気ディスク100がハブ102に対して支持固定される。
【0026】
第一クランプ104は複数本のネジ101の軸力をネジ−第一クランプ接触面203で受け、ネジ軸力は第一クランプ105の内周側における第一クランプ−第二クランプ接触面200で第二クランプに対して均一になるように印加する。図2の(1)から明らかなように、第一クランプ104は第二クランプ105に対して第一クランプ−第二クランプ接触面200でしか接触しておらず、且つ第二クランプ105はネジ101とは接触していない。
【0027】
図2の(2)に示すように、ネジ軸力は、ネジ−第一クランプ接触面、第一クランプ104を通して第一クランプ−第二クランプ接触面200に伝わり、さらに、第二クランプ105中を伝達し、第二クランプ−ディスク接触面201で磁気ディスク100に加えられ、磁気ディスクが押圧されクランプされる。
【0028】
また、第一クランプと第二クランプの材質について説明すると、第一クランプ104はネジ軸力を第二クランプ105に与えるためのものであって、基本的には剛性体でもばね性体でも良く、第二クランプ105はネジ軸力に因る応力の不均一性を無くするために弾性体が適している。即ち、第一クランプ104にSUS440やセラミック等のヤング率の高い(剛性の高い)材質を用いることによって、ネジ101の軸力を第一クランプ104で減衰させることなく第二クランプ105に伝達させることが可能である。そして、第二クランプ105には、皿バネによく使用されるSUS410等の材料を用いプレス成形したものを用いると、第一クランプ104から伝えられたネジ軸力を磁気ディスク100にたわみを少なく伝達して、磁気ディスクを固定することができる。また、第二クランプ105に剛体材を使用しても良く、この場合には、第一クランプ104に大きなネジ軸力を加えても、たわみ量が少なくて済み、ネジ軸力を強くしたい場合(例えば、磁気ディスクの積層枚数が多い場合)において効果的である。
【0029】
このように、第一クランプと第二クランプについて、機械加工(削り加工)したりプレス成形したり、金型成形したものを自由に組み合わせることによって、更に材質を適宜に選択することによって、磁気ディスクの変形や歪みの分布を低減する(分布を成る可く均一化する)ための、ネジ軸力の設定範囲を拡げることができる。なお、図1の実施形態は流体軸受けのスピンドルモーターを例示したが、玉軸受けのスピンドルモーターの場合にも本実施形態は当然に適用可能であり、この場合には外輪回転のスピンドルモーターが対象となる。
【0030】
図4には本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置における他のクランプ機構を示す。図示するクランプ500は、図2に示すクランプ104,105と同様に円環形状を構成しており、単一の構成要素500からなる。ハブ102の中央凸部に嵌合するようにクランプ500は折り返し部を形成しており、折り返し部のそれぞれの外側にネジ101を挿通させるネジ穴が設けられている。図4の(2)は、ネジ101をハブ102に螺合したディスククランプ状態を示しており、ネジの締め付け力は、ネジ101、ネジ−クランプ接触面502、上方片部(短径部)、折り返し部近傍のクランプ同士接触面503、下方辺部(長径部)、クランプ−ディスク接触面501を通して磁気ディスク100に伝達され、その伝達経路で複数ネジによる締め付け力のばらつきが吸収されて均等なクランプ力がディスクに印加されるようになる。図4に示すクランプ500は、図1に示すクランプに比べて単一の構成要素で構成することができて、同等の機能乃至作用を奏するものである。
【0031】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置は、次のような構成と機能乃至作用を奏することを特徴とする。即ち、情報を記録する磁気ディスクと、この磁気ディスクを回転駆動させるスピンドルモーターと、磁気ディスクに対して情報の記録再生を行う磁気ヘッドと、磁気ヘッドが端部に具備されたサスペンションと、サスペンションが固定されて磁気ヘッドを磁気ディスクの任意の位置に回転支持するキャリッジと、キャリッジを回転駆動するためのVCM(ボイスコイルモーター)と、磁気ヘッドを磁気ディスクへロード又はアンロードさせ、且つ磁気ヘッドを停止位置に支持しているランプと、備え、磁気ディスクを保持固定するクランプが、第一クランプと第二クランプより構成されており、第一クランプはネジ締め付け力を受け、第二クランプは第二クランプの内周に第一クランプの軸力を受け、且つ第一クランプは内周の軸力を伝達させる領域以外に第二クランプと接触しておらず、且つ第二クランプはその軸力を磁気ディスクに伝達させて磁気ディスク固定する構成とする。
【0032】
このような構成を採用することにより、第一クランプに対してはネジ軸力を受けることによって応力の不均一分布が発生するが、第二クランプに対しては第一クランプの軸力が、第二クランプの内周に均一に伝達するように、第一クランプと第二クランプとは内周面で接している。磁気ディスクに伝達される伝達経路が長いと、クランプの軸力の分布特性はなだらかになるため、磁気ディスクの変形分布を抑え、RROの低減を防ぐこととなる。したがって、磁気ディスクの変形、歪みの分布を均一化し、高記録密度を可能とする磁気ディスク装置を実現することができる。
【0033】
また、クランプ機構において、第一クランプが第二クランプよりヤング率が高い材料を用いると、第一クランプ中での応力の不均一分布が発生しにくくなり、磁気ディスクへの変形分布を更に小さく抑えることが可能となる。第一クランプと第二クランプの材質、成形乃至加工方法を組み合わせることによって、磁気ディスクの変形、歪みの分布をできるだけ均一化し、高密度記録の可能な磁気ディスク装置を実現することができる。また、クランプ機構を図4に示すように単一の構成要素としても図1に示すクランプ機構と同様の機能乃至作用を奏させることができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、磁気ディスクに直接に当接する第二クランプに応力の不均一分布が生じにくくなるため、磁気ディスクに変形又は歪みの分布を発生させにくくすることができる。したがって、複数本のネジによる応力不均一分布によって磁気ディスクのRROの悪化を防ぐことが可能となり、高記録密度を実現するための位置決め精度を向上させることができる。その結果、磁気ディスク装置の性能向上を実現させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置におけるクランプ機構を示す図である。
【図2】図1に示すクランプ機構の拡大図とネジ軸力の伝達経路図である。
【図3】図1に示す磁気ディスク装置の実装組立図である。
【図4】本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置における他のクランプ機構を示す図である。
【図5】従来技術に関する磁気ディスク装置におけるクランプ機構を示す図である。
【符号の説明】
100 磁気ディスク
101 ネジ
102 ハブ
103 シャフト
104 第一クランプ
105 第二クランプ
106 スペーサー
107 磁気回路部
108 プレート
109 軸受
110 ベース
200 第一クランプ−第2クランプ接触面
201 第二クランプ−ディスク接触面
203 ネジ−第一クランプ接触面
400 磁気ディスク
401 クランプ
402 ハブ
403 ネジ
404 スペーサー
405 ベース
406 プレート
407 軸受部
408 シャフト
500 クランプ
501 クランプ−ディスク接触面
502 ネジ−クランプ接触面
503 クランプ接触面
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速回転のスピンドルモーターに装着される磁気ディスクを押圧固定するクランプ機構を備えた磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気ディスク装置は、図5に示すように、高速回転可能なスピンドルモーターに、単数又は複数枚の磁気ディスク400と単数又は複数のスペーサー404を交互に積層させて、磁気ディスク400を固定支持するクランプ機構を有している。図5に示すクランプ機構は、スピンドルモーターのハブ402に磁気ディスク400を装着し、更に、複数枚の磁気ディスク400を装着可能とするために、磁気ディスク400の間にスペーサー404を装着し、磁気ディスク400とスペーサー404が積層状態となるようにする。このような積層状態にある磁気ディスク400の上部にクランプ401を装着し、このクランプ401を複数のネジ403(例えば、6個のネジ)によりスピンドルモーターのハブ402に固定する構造となっている。図5で例示する流体軸受け(FDB)のスピンドルモータにおいては、ベース405にプレート406と軸受部407が組み込まれてこれらが固定関係となっており、シャフト408とハブ402は連結されていて回転部材を構成している。
【0003】
また、従来技術として、上述したクランプ構造に加えて、磁気ディスクの円周方向の変形低減のために、磁気ディスクとクランプの間にトップスペーサーをクランプ外周側に接するように介し、複数のネジで固定するクランプ構成を有する磁気ディスク装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
更に、玉軸受け構造を用いた内輪回転のスピンドルモーターでは、回転軸に1本のネジによってクランプを固定する方式もある。
【0005】
また、玉軸受け構造を用いた外輪回転のスピンドルモータで、スピンドルモーター高さを薄くして装置の薄型化を考慮したクランプ機構において、1本のネジに相当するクランプボルトを用い、このクランプボルトによって磁気ディスク押圧用のクランプ板を固定するような構成が知られている(例えば、特許文献2を参照)。この特許文献2によれば、軸受け中心の固定軸の周りに1本のクランプボルトを設け、このクランプボルトを螺入することで、クランプ板を介して磁気ディスクをスピンドルハブに固定している。このような構成によって、磁気ディスクの回転を高精度にするとともに装置薄型化を図っている。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−121962号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平5−258437号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に云えることであるが、従来の磁気ディスク装置に用いられるクランプ機構は、磁気ディスクが高速で回転する時に発生する遠心力によってズレが生じるのを防ぎ、且つ磁気ディスク装置に対して衝撃がかかった時に磁気ディスクがズレ無いように支持固定し、更に、熱変動の際に生じる熱変形による磁気ディスクズレなどを防ぐことが求められる。そのために、クランプの締め付け力は、前述した様々な磁気ディスクズレを発生させないようなクランプ締め付け力が必要とされ、特に、サーバー用磁気ディスク装置では、固定する磁気ディスク枚数が多いために、クランプ締め付け力を一層大きくする必要がある。
【0009】
磁気ディスクのズレ防止のために、複数本のネジにより固定されるクランプ機構を開示した図5に示す従来技術では、複数本のネジの軸力をなるべく大きくする必要があって、その必要性が増す程にクランプ部材中に応力の不均一分布が発生し、その応力不均一分布が磁気ディスクに伝達されて磁気ディスクに歪分布を発生させていた。その結果、RRO(Repeatable Run Out:繰り返し回転振れ)の悪化につながり、磁気ヘッドの位置決め精度の低下となっていた。
【0010】
また、上記特許文献2に記載された構成は、スピンドルの外輪が回転するスピンドルモータを前提にした構成であり、スピンドルモータの中心軸の周囲をめぐる1本のクランプボルトを使用するものであって、スピンドルモータの構成が本発明と明らかに相違するものが発明対象となっている。
【0011】
本発明の目的は、複数本のネジによる締め付け力のばらつき(ネジ毎のばらつきやネジ箇所とネジ不在箇所とのばらつき)に因る磁気ディスクの変形や歪みの分布を低減することのできる磁気ディスク装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
情報を記録する磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転駆動させるスピンドルモーターと、サスペンションの端部に設けられた磁気ヘッドを磁気ディスクの任意の位置に回転支持するキャリッジと、前記キャリッジを回転駆動するVCMと、備えた磁気ディスク装置において、
前記磁気ディスクを押圧するクランプが前記スピンドルモータのハブに複数のネジで取り付けられ、
前記クランプは、前記ネジで締め付けられる円環状の第一クランプと、外周側の端部を前記磁気ディスクに押圧する円環状の第二クランプと、からなり、
前記第一クランプと前記第二クランプは互いの内周側でのみ接触面を形成し、
前記ネジの締め付け軸力は、前記ネジ、前記第一クランプ、前記接触面、前記第二クランプ、前記第二クランプの外周側端部、前記磁気ディスクの順に伝達される構成とする。
【0013】
また、前記磁気ディスク装置において、前記第一クランプは剛性体又は弾性体の材料からなり、前記第二クランプは弾性体の材料からなる構成とする。
【0014】
また、前記磁気ディスク装置において、前記第一クランプは前記第二クランプよりヤング率が高い材料である構成とする。更に、前記第一クランプの材料がセラミックである構成とする。
【0015】
このような構成を採用することにより、本発明は、複数本のネジによる締め付け力のばらつきに因る磁気ディスクの変形や歪みの分布を低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置について、図1〜図4を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置におけるクランプ機構を示す図であり、図2は図1に示すクランプ機構の拡大図とネジ軸力の伝達経路図であり、図3は図1に示す磁気ディスク装置の実装組立図である。図4は本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置における他のクランプ機構を示す図である。
【0017】
図1において、本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置は、情報を記録する磁気ディスク100と、磁気ディスク100を回転駆動させるハブ102、シャフト103、軸受部109、プレート108、磁気回路部107からなる流体軸受けのスピンドルモーターと、磁気ディスク100に対して情報の記録再生を行う磁気ヘッド(図1では不図示)と、前記磁気ヘッドが端部に具備されたサスペンション(図1では不図示)と、前記サスペンションを固定して前記磁気ヘッドを磁気ディスク100の任意の位置に回転支持するキャリッジ(図1では不図示)と、前記キャリッジを回転駆動するためのVCM(ボイスコイルモーター:図1では不図示)と、前記磁気ヘッドを磁気ディスクへロード又はアンロードさせ且つ磁気ヘッドを停止位置に支持するランプ(図1では不図示)と、磁気ディスク装置内を密封するカバー(図1では不図示)と、から構成されている。
【0018】
図1に示す本実施形態においては、高速回転可能なスピンドルモーターのハブ102に磁気ディスク100を装着し、複数枚の磁気ディスク100を装着可能とするために磁気ディスク100の間にスペーサー106を装着し、磁気ディスク100とスペーサー106を積層状態として磁気ディスク100を固定支持するように、クランプ機構が存在する。
【0019】
本実施形態に関するクランプ機構の概要は、第一クランプ104と第二クランプ105の2つの構成要素(部品)から構成され、上述した積層状態にある磁気ディスク100及びハブ102の上方部に第一クランプ104と第二クランプ105を装着し、第一クランプ104と第二クランプ105を複数のネジ101の締め付け力によって各クランプの内周側を連係させ、且つ第二クランプ105の外周部で磁気ディスク100を押圧する構造となっている。
【0020】
本実施形態に関するクランプ機構について、図1のクランプ機構の拡大図である図2、図1のクランプ機構の組立図である図3を用いて詳細に説明する。まず、図3を用いて第一クランプ104と第二クランプ105の関連構造を説明すると、それぞれのクランプには複数のネジ穴が設けられ(図示の例では12個のネジ穴)、例えば、1つ置きのネジ穴にネジ101を挿通してハブ102に螺合する構造が1つの構成例である。また、図3に示すように、それぞれのクランプ104,105は、ハブ102の中央凸部に嵌合するように内周空洞部を設けていて、第二クランプ105はその内周空洞部から若干外周方向に向けた箇所に円環状凸部が形成され、この円環状凸部が第一クランプ104との接触面、即ち第一クランプ−第二クランプ接触面200を形成している。また、図3を参照して、ハブ102には12個のネジタップを設ける構成例が図示されている。
【0021】
そして、第二クランプ105の最外周部が磁気ディスク100に向いた凸形状が形成され、この凸形状部分が磁気ディスク100を押圧してクランプしている。複数のネジ101によるばらつきのある締め付け力(各ネジ毎の締め付け力のばらつき、ネジ箇所に因る強い締め付け力とネジ間の箇所に因る弱い締め付け力のばらつき等が含まれる)は、図2の(2)に示すように第一クランプ、第二クランプを介する軸力伝達経路を経ることで、締め付け力のばらつきが吸収されて、磁気ディスク100に均等なクランプ力が印加されることとなる。
【0022】
具体例で敷衍すると、クランプ104,105の12個のネジ穴の1つ置きに6個のネジを挿通して図1のようにネジ締め付けを行うと、少なくとも第一クランプ上にはその円周方向に6つの山及び谷特性のネジ軸力による応力分布が生じる。山特性についても各ネジの軸力によって山の高さや波形が異なり得る。また、ネジ穴のうちでネジの挿通していない箇所ではネジ軸力の影響がそれ程及ばずに谷特性を生じる。このように、第一クランプのみで磁気ディスクをクランプすれば、磁気ディスクに応力の変形や歪みの分布が生じることとなるのである。
【0023】
本実施形態では、結論的に云えば、図2の(2)に示すように、第一クランプの内周側で第二クランプと連係させてネジ軸力の長い伝達経路を形成させることによって、更に、第一クランプからの軸力を第二クランプとの接触面200で受けることによって、ディスクへの応力の不均一をできるだけ無くして均等に磁気ディスクにクランプ力を印加しようとするものである。換言すると、複数のネジの締め付け力に起因して磁気ディスクに多少の変形や歪み分布が生じることは当然に起こり得るが、変形や歪みの程度を第二クランプ−ディスク接触面の円環上で成る可く少なくする、即ち、このディスク円環上での変形や歪みの分布レベルを低減して均一化分布とすることが本発明の趣旨である。
【0024】
図2を参照して、積層された磁気ディスク100の上方部に第二クランプ105を装着し、第二クランプ105は第二クランプ−ディスク接触面201で磁気ディスク100に接触している。第二クランプ105は、ネジ101を締めることによって図2に示しているような締め付け位置となるように、調整し成形されている(第二クランプの最外周部が円環状を形成していてこの円環状部が磁気ディスクに当接しており、第二クランプの内周部はディスクと略面一のハブ上面から離隔するような構造である)。
【0025】
第二クランプ105を装着後、第一クランプ104を第二クランプ105の上部に装着する。さらに、第一クランプ104と第二クランプ105にネジ101が貫通するように位置決めを行い、複数本のネジ101をハブ102にネジ止めし、第一クランプ104と第二クランプ105を固定する。これによって、磁気ディスク100がハブ102に対して支持固定される。
【0026】
第一クランプ104は複数本のネジ101の軸力をネジ−第一クランプ接触面203で受け、ネジ軸力は第一クランプ105の内周側における第一クランプ−第二クランプ接触面200で第二クランプに対して均一になるように印加する。図2の(1)から明らかなように、第一クランプ104は第二クランプ105に対して第一クランプ−第二クランプ接触面200でしか接触しておらず、且つ第二クランプ105はネジ101とは接触していない。
【0027】
図2の(2)に示すように、ネジ軸力は、ネジ−第一クランプ接触面、第一クランプ104を通して第一クランプ−第二クランプ接触面200に伝わり、さらに、第二クランプ105中を伝達し、第二クランプ−ディスク接触面201で磁気ディスク100に加えられ、磁気ディスクが押圧されクランプされる。
【0028】
また、第一クランプと第二クランプの材質について説明すると、第一クランプ104はネジ軸力を第二クランプ105に与えるためのものであって、基本的には剛性体でもばね性体でも良く、第二クランプ105はネジ軸力に因る応力の不均一性を無くするために弾性体が適している。即ち、第一クランプ104にSUS440やセラミック等のヤング率の高い(剛性の高い)材質を用いることによって、ネジ101の軸力を第一クランプ104で減衰させることなく第二クランプ105に伝達させることが可能である。そして、第二クランプ105には、皿バネによく使用されるSUS410等の材料を用いプレス成形したものを用いると、第一クランプ104から伝えられたネジ軸力を磁気ディスク100にたわみを少なく伝達して、磁気ディスクを固定することができる。また、第二クランプ105に剛体材を使用しても良く、この場合には、第一クランプ104に大きなネジ軸力を加えても、たわみ量が少なくて済み、ネジ軸力を強くしたい場合(例えば、磁気ディスクの積層枚数が多い場合)において効果的である。
【0029】
このように、第一クランプと第二クランプについて、機械加工(削り加工)したりプレス成形したり、金型成形したものを自由に組み合わせることによって、更に材質を適宜に選択することによって、磁気ディスクの変形や歪みの分布を低減する(分布を成る可く均一化する)ための、ネジ軸力の設定範囲を拡げることができる。なお、図1の実施形態は流体軸受けのスピンドルモーターを例示したが、玉軸受けのスピンドルモーターの場合にも本実施形態は当然に適用可能であり、この場合には外輪回転のスピンドルモーターが対象となる。
【0030】
図4には本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置における他のクランプ機構を示す。図示するクランプ500は、図2に示すクランプ104,105と同様に円環形状を構成しており、単一の構成要素500からなる。ハブ102の中央凸部に嵌合するようにクランプ500は折り返し部を形成しており、折り返し部のそれぞれの外側にネジ101を挿通させるネジ穴が設けられている。図4の(2)は、ネジ101をハブ102に螺合したディスククランプ状態を示しており、ネジの締め付け力は、ネジ101、ネジ−クランプ接触面502、上方片部(短径部)、折り返し部近傍のクランプ同士接触面503、下方辺部(長径部)、クランプ−ディスク接触面501を通して磁気ディスク100に伝達され、その伝達経路で複数ネジによる締め付け力のばらつきが吸収されて均等なクランプ力がディスクに印加されるようになる。図4に示すクランプ500は、図1に示すクランプに比べて単一の構成要素で構成することができて、同等の機能乃至作用を奏するものである。
【0031】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置は、次のような構成と機能乃至作用を奏することを特徴とする。即ち、情報を記録する磁気ディスクと、この磁気ディスクを回転駆動させるスピンドルモーターと、磁気ディスクに対して情報の記録再生を行う磁気ヘッドと、磁気ヘッドが端部に具備されたサスペンションと、サスペンションが固定されて磁気ヘッドを磁気ディスクの任意の位置に回転支持するキャリッジと、キャリッジを回転駆動するためのVCM(ボイスコイルモーター)と、磁気ヘッドを磁気ディスクへロード又はアンロードさせ、且つ磁気ヘッドを停止位置に支持しているランプと、備え、磁気ディスクを保持固定するクランプが、第一クランプと第二クランプより構成されており、第一クランプはネジ締め付け力を受け、第二クランプは第二クランプの内周に第一クランプの軸力を受け、且つ第一クランプは内周の軸力を伝達させる領域以外に第二クランプと接触しておらず、且つ第二クランプはその軸力を磁気ディスクに伝達させて磁気ディスク固定する構成とする。
【0032】
このような構成を採用することにより、第一クランプに対してはネジ軸力を受けることによって応力の不均一分布が発生するが、第二クランプに対しては第一クランプの軸力が、第二クランプの内周に均一に伝達するように、第一クランプと第二クランプとは内周面で接している。磁気ディスクに伝達される伝達経路が長いと、クランプの軸力の分布特性はなだらかになるため、磁気ディスクの変形分布を抑え、RROの低減を防ぐこととなる。したがって、磁気ディスクの変形、歪みの分布を均一化し、高記録密度を可能とする磁気ディスク装置を実現することができる。
【0033】
また、クランプ機構において、第一クランプが第二クランプよりヤング率が高い材料を用いると、第一クランプ中での応力の不均一分布が発生しにくくなり、磁気ディスクへの変形分布を更に小さく抑えることが可能となる。第一クランプと第二クランプの材質、成形乃至加工方法を組み合わせることによって、磁気ディスクの変形、歪みの分布をできるだけ均一化し、高密度記録の可能な磁気ディスク装置を実現することができる。また、クランプ機構を図4に示すように単一の構成要素としても図1に示すクランプ機構と同様の機能乃至作用を奏させることができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、磁気ディスクに直接に当接する第二クランプに応力の不均一分布が生じにくくなるため、磁気ディスクに変形又は歪みの分布を発生させにくくすることができる。したがって、複数本のネジによる応力不均一分布によって磁気ディスクのRROの悪化を防ぐことが可能となり、高記録密度を実現するための位置決め精度を向上させることができる。その結果、磁気ディスク装置の性能向上を実現させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置におけるクランプ機構を示す図である。
【図2】図1に示すクランプ機構の拡大図とネジ軸力の伝達経路図である。
【図3】図1に示す磁気ディスク装置の実装組立図である。
【図4】本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置における他のクランプ機構を示す図である。
【図5】従来技術に関する磁気ディスク装置におけるクランプ機構を示す図である。
【符号の説明】
100 磁気ディスク
101 ネジ
102 ハブ
103 シャフト
104 第一クランプ
105 第二クランプ
106 スペーサー
107 磁気回路部
108 プレート
109 軸受
110 ベース
200 第一クランプ−第2クランプ接触面
201 第二クランプ−ディスク接触面
203 ネジ−第一クランプ接触面
400 磁気ディスク
401 クランプ
402 ハブ
403 ネジ
404 スペーサー
405 ベース
406 プレート
407 軸受部
408 シャフト
500 クランプ
501 クランプ−ディスク接触面
502 ネジ−クランプ接触面
503 クランプ接触面
Claims (7)
- 情報を記録する磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転駆動させるスピンドルモーターと、サスペンションの端部に設けられた磁気ヘッドを磁気ディスクの任意の位置に回転支持するキャリッジと、前記キャリッジを回転駆動するVCMと、備えた磁気ディスク装置において、
前記磁気ディスクを押圧するクランプが前記スピンドルモータのハブに複数のネジで取り付けられ、
前記クランプは、前記ネジで締め付けられる円環状の第一クランプと、外周側の端部を前記磁気ディスクに押圧する円環状の第二クランプと、からなり、
前記第一クランプと前記第二クランプは互いの内周側でのみ接触面を形成し、
前記ネジの締め付け軸力は、前記ネジ、前記第一クランプ、前記接触面、前記第二クランプ、前記第二クランプの外周側端部、前記磁気ディスクの順に伝達される
ことを特徴とする磁気ディスク装置。 - 請求項1において、
前記スピンドルモーターが玉軸受け構造である場合に、前記クランプは外輪回転のスピンドルモーターに適用されることを特徴とする磁気ディスク装置。 - 請求項1又は2において、
前記第一クランプは剛性体又は弾性体の材料からなり、前記第二クランプは弾性体の材料からなることを特徴とする磁気ディスク装置。 - 請求項1又は2において、
前記第一クランプは前記第二クランプよりヤング率が高い材料であることを特徴とする磁気ディスク装置。 - 請求項4において、
前記第一クランプの材料がセラミックであることを特徴とする磁気ディスク装置。 - 請求項3、4又は5において、
前記第一クランプと前記第二クランプは、機械加工又はプレス成形により製造されたものであることを特徴とする磁気ディスク装置。 - 情報を記録する磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転駆動させるスピンドルモーターと、サスペンションの端部に設けられた磁気ヘッドを磁気ディスクの任意の位置に回転支持するキャリッジと、前記キャリッジを回転駆動するVCMと、備えた磁気ディスク装置において、
前記磁気ディスクを押圧するクランプが前記スピンドルモータのハブに複数のネジで取り付けられ、
前記クランプは、前記ハブの内周側で折り返し部を有する短径部と長径部からなる円環状を形成した単一構成要素であり、
前記短径部が前記ネジで締め付けられ、前記長径部の外周側端部が前記磁気ディスクを押圧し、
前記ネジの締め付け軸力は、前記ネジ、前記短径部、前記折り返し部近傍の短径部−長径部接触面、前記長径部、前記長径部の外周側端部、前記磁気ディスクの順に伝達される
ことを特徴とする磁気ディスク装置。
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JP2003072086A JP2004280966A (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | 磁気ディスク装置 |
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JP2009080876A (ja) * | 2007-09-25 | 2009-04-16 | Nhk Spring Co Ltd | ディスク回転駆動装置のクランプ及びクランプ製造方法 |
JP2009080877A (ja) * | 2007-09-25 | 2009-04-16 | Nhk Spring Co Ltd | ディスク回転駆動装置のクランプ及びクランプ製造方法 |
WO2014136878A1 (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-12 | 日本発條株式会社 | 締付構造および締付方法 |
-
2003
- 2003-03-17 JP JP2003072086A patent/JP2004280966A/ja active Pending
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