JP2004279693A - 導電性ローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された導電性弾性層、およびその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる導電性ローラにおいては、他の部材を長期間押しつけられた状態で圧縮固定された場合、導電性ローラに接触痕が残り、高画質な画像を得ることが難しいことがあった。
【解決手段】金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された導電性弾性層、および、その外周面上に形成された1層以上の表面層からなる導電性ローラにおいて、厚さ150μmのブレードを線圧40g/cmで導電性ローラ表面に押し当てた状態で、40℃、95%RHの環境に28日間放置後、導電性ローラ表面に生じた歪みの歪み量が3μm以下であることを特徴とする導電性ローラ。
【選択図】 なし
【解決手段】金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された導電性弾性層、および、その外周面上に形成された1層以上の表面層からなる導電性ローラにおいて、厚さ150μmのブレードを線圧40g/cmで導電性ローラ表面に押し当てた状態で、40℃、95%RHの環境に28日間放置後、導電性ローラ表面に生じた歪みの歪み量が3μm以下であることを特徴とする導電性ローラ。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は導電性ローラに関する。さらに詳しくは、例えば電子写真方式を採用した画像記録装置に組み込まれるローラとして用いられる導電性ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真方式を採用する電子写真装置では、静電気潜像担持体へ電荷を一様に供給する帯電ローラ、トナーを静電潜像担持体へ供給する現像ローラ、トナー像を記録用紙に転写させる転写ローラなどの各種ローラが配置されている。
【0003】
各種ローラのうち、帯電ローラや現像ローラ、転写ローラの基本構造は同じである。すなわち、これらローラは、金属支持部材の外周面上に導電性弾性層を形成し、場合によっては上記弾性層の外周面上に1層以上の表面層を被覆して構成される。上記弾性層には、適度な弾力変形が必要とされる。例えば、帯電ローラの場合、その表面の電荷を静電気潜像担持体へ供給するためには、帯電ローラと静電気潜像担持体との周方向に適度な接触幅がなければならない。十分な接触幅を確保するために、低硬度なローラ等が用いられている。また、現像ローラの場合、現像ローラ表面に担持されたトナーを、トナーへのストレスを軽減した状態で静電気潜像担持体へ効率良く供給させるには、現像ローラと静電気潜像担持体との周方向における接触幅が必要である。また、転写ローラの場合も、トナー像を中間転写体を介して、または直接用紙等の記録媒体に静電的に効率良く転写するためには、周方向における接触幅を確保することが重要となる。
【0004】
また、上記3種のローラは十分な接触幅を確保できる程度に軟らかく、電子写真装置内で駆動後、弾性変形した導電性ローラ表面が速やかに回復させる必要がある。導電性ローラ表面の弾性変形が残っていた場合、良好な画像を得ることが難しいことがある。
【0005】
例えば、特許文献1と特許文献2では圧縮永久歪みの小さい導電性ローラが提案されている。確かに圧縮永久歪みの小さい導電性ローラであれば、導電性ローラ表面の弾性変形が回復し、ある程度良好な画像を得ることができる。しかし、他の部材を長期間押しつけられた状態で圧縮固定された場合、上記特許文献に示されている圧縮永久歪みでは、導電性ローラに接触痕が残り、高画質な画像を得ることが難しいことがあった。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−70835 (段落番号0006)
【0007】
【特許文献2】
特開2002−257130 (段落番号0012)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状を鑑みてなされたものであり、導電性ローラに発生する歪みを小さくし、歪み由来の画像不良を軽減するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ね、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された導電性弾性層、および、その外周面上に形成された1層以上の表面層からなる導電性ローラにおいて、厚さ150μmのブレードを導電性ローラ表面に押し当てて発生する歪みの歪み量に着目し、本発明をなすに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された導電性弾性層、および、その外周面上に形成される、少なくとも1層以上からなる表面層より構成される導電性ローラにおいて、厚さ150μmのブレードを線圧40g/cmで導電性ローラ表面に押し当てた状態で、40℃、95%RHの環境に28日間放置後、導電性ローラ表面に生じた歪みの歪み量が3μm以下にすることにより、他の部材を長期間押し当てた状態で圧縮固定されていても圧縮残留歪みの小さく、該残留歪みによる画像不良が小さな導電性ローラに関するものである。
【0011】
1つの実施態様では、前記導電性ローラ表面に生じた歪みの歪み量が、レーザスポットの形が楕円である反射型レーザ変位測定機、ローラ固定部、ローラ回転機構部およびローラ軸方向駆動部で構成される歪み測定装置を用いて測定することが好ましい。
【0012】
1つの実施態様では、前記導電性弾性層の動的粘弾性における0.1Hzでのせん断貯蔵弾性率が1×105Pa以上6×106Paであり、かつ、tanδが0.1以下であることが好ましい。
【0013】
1つの実施態様では、ローラの抵抗が1×104Ω〜1×108Ωであることが好ましい。
【0014】
1つの実施態様では、前記弾性層が、
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物
(C)ヒドロシリル化触媒
(D)導電性付与剤
を必須成分として含有する硬化性組成物を金属支持部材のまわりに硬化させて得られることが好ましい。
【0015】
1つの実施態様では、前記(A)成分の有機重合体中のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が、該重合体の末端に存在することが好ましい。
【0016】
1つの実施態様では、前記(B)成分が、平均して1分子中に少なくとも2個以上のヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンであることが好ましい。
【0017】
1つの実施態様では、前記(D)成分が、カーボンブラックであることが好ましい。
【0018】
1つの実施態様では、表面層がウレタン樹脂組成物であることが好ましい。
【0019】
1つの実施態様では、前記導電性ローラが感光体に接触して用いられることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
弾性層ローラ表面の歪みの発生方法と画像評価方法、歪みの測定方法については最後に説明する。
【0021】
図1は本発明の導電性ローラを模式的に表した図である。本発明の導電性ローラは、金属支持部材1上に導電性弾性層2が形成され、さらに導電性弾性層2の上に表面層3が形成されている。
【0022】
本発明の導電性ローラの金属支持部材としては、直径が1mm〜20mm程度であり、ステンレス鋼、鉄にメッキを施したものあるいはアルミニウムシャフト、円筒形状のアルミニウム素管を機械加工により仕上げたドラムや、ステンレス板を円筒形状に曲げて作製しこれらのつなぎ部分をレーザ加工により溶接したシームレスロールとしたものを例として挙げることができる。金属支持部材に要求される機能は、導電性弾性層および表面層を支持し所定の形状を維持することであり、旋盤加工・研磨加工等の機械加工及び引き抜き加工・絞り加工などの賦形加工により、容易に加工できる材料であれば、その材質や加工方法に制限を受けるものではない。
【0023】
導電性弾性層は、0.1Hzでの動的粘弾性におけるせん断貯蔵弾性係数が1×105Pa以上6×106Pa以下であり、かつ、0.1Hzでの動的粘弾性におけるtanδが0.1以下であることが好ましいが、tanδが0.08以下であることがより好ましく、0.07以下がさらに好ましい。ここで用いているせん断貯蔵弾性係数とtanδは別途作製した試験片を用い、DMS110(セイコー電子工業製)で、JIS K7244−6:1998に準じた測定方法により定義される。
【0024】
また、表面層の厚さは、用いる材料、組成および用途などにより適切な値に設定するものであり、とくに限定されないが、通常1〜100μmが好ましい。さらに好ましくは5〜50μmである。1μmより薄くなると耐磨耗性が低下し、長期間の耐久性が低下する傾向がある。また、100μmより厚いと、弾性層との線膨張率の差に起因してしわが発生しやすくなるまたは圧縮歪みが大きくなるなどの問題が発生する傾向がある。
【0025】
本発明における表面層の形成方法としては特に制限はないが、導電性弾性層の上から、表面層を構成する樹脂組成物をスプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させることにより、該導電性弾性層の表面層を形成することができる。
【0026】
具体的には、上記の表面層として使用される樹脂を溶剤に溶かして固形分を5〜20%にしてスプレーあるいはディッピング塗布する方法が簡便である。使用する溶剤としては用いる表面層の主成分である樹脂が相溶すれば特に制限はなく、具体的には、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン等が例示される。特に、ウレタン樹脂を用いて表面層を形成する場合、N,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジメチルアセトアミドが相溶性の観点から好ましい。ここで、表面層の乾燥温度としては、70〜200℃が好ましい。乾燥温度が70℃より低いと乾燥が不十分になる場合があり、200℃より高いと、下層の導電性弾性層の劣化を招く恐れがある。
【0027】
本発明においては、表面層溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。本発明における導電性ローラは、必要に応じて、導電性弾性層の外側に1層以上の表面層を設けてもよい。
【0028】
ここで、導電性弾性層と表面層との間に、導電性弾性層と表面層の接着性を向上させるため、および導電性ローラの抵抗制御を行うためにプライマー塗布を便宜行っても良い。プライマー塗布方法として、例えば、スプレー法やディッピング法、スポンジ法などの方法で導電性弾性層の外周上に塗布し、乾燥させて表面処理を実施する方法があるが、均一に導電性弾性層の外周上に塗布し、導電性弾性層と表面層の接着性の向上、および、導電性ローラの抵抗制御ができる方法であれば特に制限されるものではない。
【0029】
ローラの抵抗が1×104Ω〜1×108Ωであることが好ましい。ローラの抵抗が1×104Ω以下である場合、トナーのかぶりが発生することがあり、ローラの抵抗が1×108Ω以上である場合、白抜けが発生することがあった。ここでの導電性ローラの抵抗とは10rpmで回転している円筒電極上にローラをのせ、対電極を片方のシャフト部分に接触させて、印加電圧50Vで測定した値のことである。
【0030】
本発明における導電性弾性層の材料としては、広く一般に導電性ローラの弾性層材料して知られるものを使用することができるが、より好ましい例として、
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物
(C)ヒドロシリル化触媒
(D)導電性付与剤
を必須成分として含有する硬化性組成物を硬化させて得られるゴム材料が例示される。この硬化性組成物を金属支持部材のまわりに硬化させることで好適な導電性弾性層を得ることが可能となる。ここで(A)成分の重合体は、(C)成分の存在下、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化する。前記硬化性組成物は硬化前には低粘度液体であり、また、ヒドロシリル化反応を利用するため硬化性に非常に優れ、生産性および加工性の観点からより好ましい。前記硬化性組成物を熱硬化させる温度は、80℃〜180℃の範囲内が好ましい。80℃以上になると、急激にヒドロシリル化反応が進行し、短い時間で硬化させることができる。
【0031】
ここで、上記(A)成分におけるアルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではなく、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、メタクリル基等が挙げられる。オキシプロピレン系重合体のアルケニル基の数は、硬化剤である(B)成分とヒドロシリル化反応するために少なくとも1個必要であるが、良好なゴム弾性を得る観点からは、直鎖上分子の場合は、分子の両末端に2個のアルケニル基を有し、分岐のある分子の場合は、分子末端に2個以上のアルケニル基を有することが好ましい。本発明における(A)成分は、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を重合体末端に導入されていることが望ましい。このようにアルケニル基が重合体末端にあるときは、ローラのゴム弾性層を低硬度に設定しやすくなる、高強度化しやすくなるなどの点から好ましい。
【0032】
前記(A)成分のオキシプロピレン系重合体とは、主鎖を構成する繰り返し単位のうち50%を超える単位がオキシプロピレン単位からなる重合体をいい、オキシプロピレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位やエチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる共重合性単位であってもよい。
【0033】
上記オキシプロピレン系重合体の分子量としては、数平均分子量(Mn)で1000〜50000であることが好ましい。数平均分子量が1000未満の場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量があまり大きくなりすぎると、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
【0034】
本発明における(B)成分は、硬化剤として使用されるものであり、分子内に2個以上のケイ素原子結合水素原子を含有するものであれば、制限はない。ここで、ヒドロシリル基とはSi−H結合を有する基を表わすが、本発明においては、同一ケイ素原子(Si)に水素原子(H)が2個結合している場合は、ヒドロシリル基2個と計算する。
【0035】
(B)成分としては、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましいものの一つとして挙げられる。ここで言うポリオルガノハイドロジェンシロキサンとは、ケイ素原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有するシロキサン化合物を指す。その構造について具体的に示すと、
【0036】
【化1】
【0037】
(2<m+n≦50、2<m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
【0038】
【化2】
【0039】
(0<m+n≦50、0<m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
【0040】
【化3】
【0041】
(3≦m+n≦20、2<m≦19、0≦n<18、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
などで示される鎖状、環状のものや、これらのユニットを2個以上有する
【0042】
【化4】
【0043】
(1≦m+n≦50、1≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
【0044】
【化5】
【0045】
(0≦m+n≦50、0≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
【0046】
【化6】
【0047】
(3≦m+n≦50、1≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
などで示されるものが挙げられる。
【0048】
またこれら(B)成分の使用にあたっては、(A)成分や(C)成分、(D)成分との相溶性、あるいは系中における分散安定性がよいものが好ましい。特に系全体の粘度が低い場合には、(B)成分として上記各成分との相溶性の低いものを使用すると、相分離が起こり硬化不良を引き起こすことがある。また、分散性助剤として、微粉末シリカ等の粒径の小さいフィラーを配合してもよい。
【0049】
(A)成分、(C)成分、(D)成分との相溶性、あるいは分散安定性が比較的良好なものとして具体的に示すと、
【0050】
【化7】
【0051】
(nは6〜12)
【0052】
【化8】
【0053】
(2<k<35、0<l<10、Rは炭素数8以上の炭化水素基)
などが挙げられる。
【0054】
また、本発明における(B)成分の使用量としては、(A)成分のアルケニル基の総量に対して、(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.8〜5.0当量となるように使用することが好ましい。上記(A)成分のアルケニル基総量に対して(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.8に満たない場合、架橋が不十分となることがある。また、5.0を越える場合には、硬化後に残留するケイ素原子結合水素原子の影響により物性が大きく変化することが問題となる。特にこの影響を抑制したい場合には1.0〜2.0当量となるように(B)成分を用いることが好ましい。
【0055】
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金ービニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4〕m};白金ーホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4};白金ーホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)3〕4、Pt〔P(OBu)3〕4}(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。
【0056】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。触媒量としては特に制限はないが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10−1〜10−8molの範囲で用いるのがよい。好ましくは10−2〜10−6molの範囲で用いるのがよい。また、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので10−1mol以上用いない方がよい。
【0057】
本発明の(D)成分の導電性付与剤としては、カーボンブラックや金属酸化物、金属微粉末、さらには、第4級アンモニウム塩、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルイミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの帯電防止剤といった化合物などがあげられる。本発明における(D)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記カーボンブラックの例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、オイルブラックなどがあげられる。これらカーボンブラックの種類、粒径等に制限はない。
【0058】
(D)成分の添加量は、所望の導電特性に応じて調整して添加され、(A)成分の重合体100重量部に対し、0.01〜100重量部、さらには0.1〜50重量部用いることが好ましい。添加量が少なすぎると、発現される導電付与能が不十分であり、また、添加量が多すぎると硬化性組成物の粘度の上昇が大きく作業性が悪くなる恐れがある。また、用いる導電性付与剤の種類あるいは添加量によっては、ヒドロシリル化反応を阻害するものがあるため、導電性付与物質のヒドロシリル化反応に対する影響を考慮しなければならない。
【0059】
また、本発明における硬化性組成物には、粘度や硬度を調整する目的で軟化剤、可塑剤を添加してもよい。軟化剤、可塑剤の使用量は(A)成分100重量部に対して、100重量部以下が好ましい。それ以上の添加量になると、ブリード等の問題を生じる可能性がある。
【0060】
また、本発明における硬化性組成物には、組成物の貯蔵安定性を改良する目的で、貯蔵安定性改良剤を使用することができる。この貯蔵安定性改良剤としては、本発明の(B)成分の保存安定剤として知られている通常の安定剤であり、所期の目的を達成するものであればよく、特に限定されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、エチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−3−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0061】
本発明における導電性ローラの導電性弾性層の形成方法は,特に限定されず、従来公知の各種ローラの成形方法を用いることができる。例えば、中心にSUS製などの金属支持部材を設置した金型に、組成物を押出成形、プレス成形、射出成形、反応射出成形(RIM)、液状射出成形(LIM)、注型成形などの各種成形法により成形し、適切な温度および時間で加熱硬化させてシャフトのまわりに導電性弾性層を成形する。ここで、本発明における導電性ローラの製造方法としては、弾性層を形成するための導電性組成物が液状である場合、生産性、加工性の点で液状射出成形が好ましい。この場合、硬化性組成物は、半硬化させた後に、別途後硬化させるプロセスを設けて完全硬化させてもよい。
【0062】
次に、本発明の導電性ローラにおいて、導電性弾性層の外周面上に形成される表面層について説明する。
【0063】
表面層の材料としては、特に制限はないが、導電特性と耐摩耗性の観点からはウレタン結合を含有し、また柔軟性等の観点からはポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート骨格を有する樹脂を主な組成とするウレタン樹脂組成物からなっていればよく、ウレタン樹脂と、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートとのブレンド樹脂、1分子中にウレタン結合とポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサンからなる群において選ばれる少なくとも1つの骨格を含有するウレタン樹脂組成物であってもよい。
【0064】
また、表面層を構成する樹脂組成物には抵抗調整、表面形状の調整あるいは導電性弾性層に対する接着性等の観点から、導電性付与剤、各種フィラー等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
【0065】
本発明の導電性ローラは、具体的には、例えば、電子写真装置用の帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、給紙ローラ、クリーニングローラ、定着用の加圧ローラ、転写ドラム等に好適である。導電性ローラは上記ローラの中でも、良好な画像を得るのに特に重要な感光体に接触して用いられるローラに用いることが好ましく、特に現像ローラに用いられることが好ましい。
【0066】
<歪みの発生方法>
図2は歪み発生治具の模式図である。4−1は厚み150μm、長さ20cmのケイ素青銅製のブレードであり、0.5mmのSUS304の板4−2に取り付け、ブレードが12mm、SUS304の板からでるようにした。該SUS304の板は4−3の金属棒を支点に回転することができ、4−4に適当な重りを吊るすことでブレードを導電性ローラ表面に押し当てることができた。ブレードが20cmの幅で導電性ローラ表面に均一に接するように、上記金属棒と導電性ローラの金属支持部材が平行になる位置に設定した。ブレードは導電性ローラの頂点に均一に直線として当たるようにした。またブレードと導電性ローラの位置は、ブレードと導電性ローラの接点における、導電性ローラ外周円の接線方向の位置となるようにした。重りは、ブレードが導電性ローラ表面を線圧40g/cmで押さえつけることができるように調整した。
【0067】
上記、導電性ローラを取り付けた歪み発生治具を40℃、95%RHの環境に28日間放置した。
【0068】
<画像評価方法>
上記<歪みの発生方法>で用いた導電性ローラを歪み発生治具から取り出し、23℃、55%RHに2時間放置した。その後LASER SHOT LBP−2510専用のブラックカートリッジに組み込み画像を出力した。評価にはモノクロ、50%ハーフトーン画像を用い、(歪みの発生方法)で発生させた歪み由来の画像不良の度合いにより評価した。
【0069】
<歪み測定方法>
図3は歪み測定装置の概要図である。該装置はレーザスポットの形が楕円である反射型レーザ変位測定機5、ローラ固定部6、ローラ回転機構部7、ローラ軸方向駆動部8とで構成される。
【0070】
レーザスポットの形が楕円である反射型レーザ変位測定機としてはLK−035(キーエンス製)を用いた。また、導電性ローラの金属支持部材をローラ固定部で固定した。レーザ変位測定機と導電性ローラの位置はレーザ変位測定機のレーザスポットが導電性ローラの頂点に当たる位置、つまりレーザ変位測定機のレーザ発光部が、導電性ローラの金属支持部材の中心軸に対して鉛直方向に当たる位置に設定した。図4はローラ固定部を模式的に表した図である。6−1はベアリングであり、6−2は導電性ローラの金属支持部材である。金属支持部材をベアリングで4点固定した。ここで言う固定とは、導電性ローラの金属支持部材が上下左右には動かないが、回転可能な部品を金属支持部材に接触させることで、金属支持部材を回転させることを可能とさせることである。また導電性ローラをローラ回転機構部で回転させた。ローラ回転機構部としては連続的に回転させることが可能であるモータを用い、回転速度は1rpmに設定した。導電性ローラの金属支持部材の先端に取り付けたギアと、モータの回転軸先端に取り付けたギアを噛み合わせることで導電性ローラを回転させた。
【0071】
導電性ローラ表面の歪み量は、導電性ローラを回転させながらレーザ変位測定機で測定した導電性ローラ表面の変位の変化から算出した。レーザ変位測定機から出力されたデータをNR−2000(キーエンス製)内で128点平均し、10ms毎に測定データとして取り込んだ。歪み量は3点平均で求めた。測定点は、導電性ローラのブレード押し当て痕の中心点とその両端5cmの部分の3点であった。
【0072】
測定データからグラフの横軸に測定した時間、縦軸には測定値をプロットしたグラフを作成し、導電性ローラ表面の歪みを算出した。
【0073】
歪みの算出方法は被測定体の表面の状態によって様々であるが、表面粗さを持つ導電性ローラを測定した場合、上記測定データに表面粗さ成分が含まれるため、フーリエ変換を用い、ある一定周期の波を除いたり、移動平均または単純平均を実施したりして測定データのスムージング処理を行った。上記スムージング処理を行う際、表面粗さ成分の最大値と最小値の差が0.2μm以下にし、かつ、歪み量が最大となるように最適化を行った。
【0074】
【実施例】
以下の実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0075】
(実施例1)
(A)成分としてのアリル末端ポリオキシプロピレンACX003(鐘淵化学工業製)500gに対して、(D)成分としてカーボンブラック#3030B(三菱化学製)70gを3本ロールで混練した混合物に、ついで、(B)成分としてポリオルガノハイドロジェンシロキサンCR−100(鐘淵化学工業製)を16g、(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3wt%、キシレン溶液)を350μL、そして貯蔵安定性改良剤としてジメチルマレートを170μL秤取し、均一混合した。該組成物を真空脱泡撹拌装置(シーテック(株)製)で90分間脱泡を行ったあと、得られた導電性組成物をローラ成形用金型に射出圧1MPaで注入し、140℃で30分加熱の条件で直径8mmのSUS製のシャフトの周りに厚さ4mmの導電性弾性層を設けた導電性ローラを作成した。同時に該導電性組成物をポリテトラフルオロエチレンシートを敷いたアルミの金型枠に充填した後、140℃、30分間加熱の条件でプレス成形し、約4mmの動的粘弾性評価用シート状硬化物を得た。上記硬化物から10mm×10mm×約4mmのブロックを2個切り出し、動的粘弾性評価用ブロックを得た。
【0076】
弾性層ローラ表面に下記表面層塗布液を塗布した。ポリエーテル系ウレタン樹脂ハイムレンY258(大日精化製)50gを溶剤(N,N−ジメチルホルムアミド)325gに溶解させた後、一次粒径が20〜50nmのカーボンブラック25gとウレタン粒子UP−0904(大日精化製)3gを溶剤(メチルエチルケトン)125gに分散させたカーボンブラック分散液を混合して表面層塗布液を調合した。上記表面層塗布液をディッピング法により塗布し、160℃で90分の条件で乾燥させ、導電性ローラを完成させた。
【0077】
このようにして作成されたローラを、温度23℃/相対湿度55%の条件下で24時間養生したのちに、ローラの抵抗を測定したところ、1.4×106Ωとなった。
【0078】
動的粘弾性評価用ブロックを用い、DMS110(セイコー電子工業製)で動的粘弾性測定(測定温度22℃)を実施した。その結果、0.1Hzにおけるせん断貯蔵係数(G´)は5.4×105Paであり、tanδは0.092となった。
【0079】
また、<歪み発生方法>で用いた導電性ローラを<画像評価方法>で評価し、結果を表1にまとめた。
【0080】
<歪み測定方法>にて上記導電性ローラの歪みを測定した。導電性ローラ表面に表面粗さがあるため、下記の<歪み量算出方法>にて歪み量を算出したところ、2.7μmであった。
【0081】
<歪み量算出方法>
歪み測定装置を用いて得られた測定データを横軸に測定時間、縦軸に変位となるようにプロットした。プロットした図をフーリエ変換で1.5Hz以下の波を全て除去し、得られたデータを128点の移動平均でスムージング処理した。スムージング処理をして得られたデータを再び横軸に測定時間、縦軸に変位となるようにプロットし、歪み幅をローラ周の6%であると仮定し、歪み量を算出した。
【0082】
(実施例2)
(A)成分としてのアリル末端ポリオキシプロピレンACX003(鐘淵化学工業製)280gとアリル末端ポリオキシプロピレンS810ALP(鐘淵化学工業製)220gの合計500gに対して、(D)成分としてカーボンブラック#3030B(三菱化学製)70gを3本ロールで混練した混合物に、ついで、(B)成分としてポリオルガノハイドロジェンシロキサンCR−100(鐘淵化学工業製)を16g、(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3wt%、キシレン溶液)を350μL、そして貯蔵安定性改良剤としてジメチルマレートを170μL秤取し、均一混合した。該組成物を真空脱泡撹拌装置(シーテック(株)製)で90分間脱泡を行ったあと、得られた導電性組成物をローラ成形用金型に射出圧1MPaで注入し、140℃で30分加熱の条件で直径8mmのSUS製のシャフトの周りに厚さ4mmの導電性弾性層を設けた導電性ローラを作成した。同時に該導電性組成物をポリテトラフルオロエチレンシートを敷いたアルミの金型枠に充填した後、140℃、30分間加熱の条件でプレス成形し、約4mmの動的粘弾性評価用シート状硬化物を得た。
【0083】
以下、表面層の形成方法、導電性ローラの抵抗測定方法、動的粘弾性測定方法、画像評価は(実施例1)と同様の方法で実施した。
【0084】
その結果、ローラの抵抗は2.3×106Ω、動的粘弾性における貯蔵せん断弾性率は7.7×105Pa、tanδは0.068となった。画像評価は表1にまとめた。また歪み量は2.2μmとなった。
【0085】
(比較例1)
(A)成分としてのアリル末端ポリオキシプロピレンACX003(鐘淵化学工業製)500gに対して、補強剤ニップシールSS−50A(日本シリカ製)5g、(D)成分としてカーボンブラック#3030B(三菱化学製)70gを3本ロールで混練した混合物に、ついで、(B)成分としてポリオルガノハイドロジェンシロキサンCR−100(鐘淵化学工業製)を16g、(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3wt%、キシレン溶液)を350μL、そして貯蔵安定性改良剤としてジメチルマレートを170μL秤取し、均一混合した。該組成物を真空脱泡撹拌装置(シーテック(株)製)で90分間脱泡を行ったあと、得られた導電性組成物をローラ成形用金型に射出圧1MPaで注入し、140℃で30分加熱の条件で直径8mmのSUS製のシャフトの周りに厚さ4mmの導電性弾性層を設けた導電性ローラを作成した。同時に該導電性組成物をポリテトラフルオロエチレンシートを敷いたアルミの金型枠に充填した後、140℃、30分間加熱の条件でプレス成形し、約4mmの動的粘弾性評価用シート状硬化物を得た。
【0086】
以下、表面層の形成方法、導電性ローラの抵抗測定方法、動的粘弾性測定方法、画像評価は(実施例1)と同様の方法で実施した。
【0087】
その結果、ローラの抵抗は9.5×105Ω、動的粘弾性における貯蔵せん断弾性率は6.4×105Pa、tanδは0.111となった。画像評価は表1にまとめた。また歪み量は4.2μmとなった。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】
本発明により、 導電性ローラの導電性弾性層、または導電性ローラに発生する歪みを小さくし、歪み由来の画像不良を軽減少する導電性ローラを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電性ローラを模式的に表した図
【図2】歪み発生治具の模式図
【図3】歪み測定装置の模式図
【図4】ローラ固定部の模式図
【符号の説明】
1 支持部材
2 導電性弾性層
3 表面層
4−1 ケイ素青銅製のブレード
4−2 SUS304の板
4−3 金属棒
4−4 重り
5 反射型レーザ変位測定機
6 ローラ固定部
7 ローラ回転機構部
8 ローラ軸方向駆動部
6−1 ベアリング
6−2 支持部材
【発明の属する技術分野】
本発明は導電性ローラに関する。さらに詳しくは、例えば電子写真方式を採用した画像記録装置に組み込まれるローラとして用いられる導電性ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真方式を採用する電子写真装置では、静電気潜像担持体へ電荷を一様に供給する帯電ローラ、トナーを静電潜像担持体へ供給する現像ローラ、トナー像を記録用紙に転写させる転写ローラなどの各種ローラが配置されている。
【0003】
各種ローラのうち、帯電ローラや現像ローラ、転写ローラの基本構造は同じである。すなわち、これらローラは、金属支持部材の外周面上に導電性弾性層を形成し、場合によっては上記弾性層の外周面上に1層以上の表面層を被覆して構成される。上記弾性層には、適度な弾力変形が必要とされる。例えば、帯電ローラの場合、その表面の電荷を静電気潜像担持体へ供給するためには、帯電ローラと静電気潜像担持体との周方向に適度な接触幅がなければならない。十分な接触幅を確保するために、低硬度なローラ等が用いられている。また、現像ローラの場合、現像ローラ表面に担持されたトナーを、トナーへのストレスを軽減した状態で静電気潜像担持体へ効率良く供給させるには、現像ローラと静電気潜像担持体との周方向における接触幅が必要である。また、転写ローラの場合も、トナー像を中間転写体を介して、または直接用紙等の記録媒体に静電的に効率良く転写するためには、周方向における接触幅を確保することが重要となる。
【0004】
また、上記3種のローラは十分な接触幅を確保できる程度に軟らかく、電子写真装置内で駆動後、弾性変形した導電性ローラ表面が速やかに回復させる必要がある。導電性ローラ表面の弾性変形が残っていた場合、良好な画像を得ることが難しいことがある。
【0005】
例えば、特許文献1と特許文献2では圧縮永久歪みの小さい導電性ローラが提案されている。確かに圧縮永久歪みの小さい導電性ローラであれば、導電性ローラ表面の弾性変形が回復し、ある程度良好な画像を得ることができる。しかし、他の部材を長期間押しつけられた状態で圧縮固定された場合、上記特許文献に示されている圧縮永久歪みでは、導電性ローラに接触痕が残り、高画質な画像を得ることが難しいことがあった。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−70835 (段落番号0006)
【0007】
【特許文献2】
特開2002−257130 (段落番号0012)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状を鑑みてなされたものであり、導電性ローラに発生する歪みを小さくし、歪み由来の画像不良を軽減するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ね、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された導電性弾性層、および、その外周面上に形成された1層以上の表面層からなる導電性ローラにおいて、厚さ150μmのブレードを導電性ローラ表面に押し当てて発生する歪みの歪み量に着目し、本発明をなすに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された導電性弾性層、および、その外周面上に形成される、少なくとも1層以上からなる表面層より構成される導電性ローラにおいて、厚さ150μmのブレードを線圧40g/cmで導電性ローラ表面に押し当てた状態で、40℃、95%RHの環境に28日間放置後、導電性ローラ表面に生じた歪みの歪み量が3μm以下にすることにより、他の部材を長期間押し当てた状態で圧縮固定されていても圧縮残留歪みの小さく、該残留歪みによる画像不良が小さな導電性ローラに関するものである。
【0011】
1つの実施態様では、前記導電性ローラ表面に生じた歪みの歪み量が、レーザスポットの形が楕円である反射型レーザ変位測定機、ローラ固定部、ローラ回転機構部およびローラ軸方向駆動部で構成される歪み測定装置を用いて測定することが好ましい。
【0012】
1つの実施態様では、前記導電性弾性層の動的粘弾性における0.1Hzでのせん断貯蔵弾性率が1×105Pa以上6×106Paであり、かつ、tanδが0.1以下であることが好ましい。
【0013】
1つの実施態様では、ローラの抵抗が1×104Ω〜1×108Ωであることが好ましい。
【0014】
1つの実施態様では、前記弾性層が、
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物
(C)ヒドロシリル化触媒
(D)導電性付与剤
を必須成分として含有する硬化性組成物を金属支持部材のまわりに硬化させて得られることが好ましい。
【0015】
1つの実施態様では、前記(A)成分の有機重合体中のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が、該重合体の末端に存在することが好ましい。
【0016】
1つの実施態様では、前記(B)成分が、平均して1分子中に少なくとも2個以上のヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンであることが好ましい。
【0017】
1つの実施態様では、前記(D)成分が、カーボンブラックであることが好ましい。
【0018】
1つの実施態様では、表面層がウレタン樹脂組成物であることが好ましい。
【0019】
1つの実施態様では、前記導電性ローラが感光体に接触して用いられることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
弾性層ローラ表面の歪みの発生方法と画像評価方法、歪みの測定方法については最後に説明する。
【0021】
図1は本発明の導電性ローラを模式的に表した図である。本発明の導電性ローラは、金属支持部材1上に導電性弾性層2が形成され、さらに導電性弾性層2の上に表面層3が形成されている。
【0022】
本発明の導電性ローラの金属支持部材としては、直径が1mm〜20mm程度であり、ステンレス鋼、鉄にメッキを施したものあるいはアルミニウムシャフト、円筒形状のアルミニウム素管を機械加工により仕上げたドラムや、ステンレス板を円筒形状に曲げて作製しこれらのつなぎ部分をレーザ加工により溶接したシームレスロールとしたものを例として挙げることができる。金属支持部材に要求される機能は、導電性弾性層および表面層を支持し所定の形状を維持することであり、旋盤加工・研磨加工等の機械加工及び引き抜き加工・絞り加工などの賦形加工により、容易に加工できる材料であれば、その材質や加工方法に制限を受けるものではない。
【0023】
導電性弾性層は、0.1Hzでの動的粘弾性におけるせん断貯蔵弾性係数が1×105Pa以上6×106Pa以下であり、かつ、0.1Hzでの動的粘弾性におけるtanδが0.1以下であることが好ましいが、tanδが0.08以下であることがより好ましく、0.07以下がさらに好ましい。ここで用いているせん断貯蔵弾性係数とtanδは別途作製した試験片を用い、DMS110(セイコー電子工業製)で、JIS K7244−6:1998に準じた測定方法により定義される。
【0024】
また、表面層の厚さは、用いる材料、組成および用途などにより適切な値に設定するものであり、とくに限定されないが、通常1〜100μmが好ましい。さらに好ましくは5〜50μmである。1μmより薄くなると耐磨耗性が低下し、長期間の耐久性が低下する傾向がある。また、100μmより厚いと、弾性層との線膨張率の差に起因してしわが発生しやすくなるまたは圧縮歪みが大きくなるなどの問題が発生する傾向がある。
【0025】
本発明における表面層の形成方法としては特に制限はないが、導電性弾性層の上から、表面層を構成する樹脂組成物をスプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させることにより、該導電性弾性層の表面層を形成することができる。
【0026】
具体的には、上記の表面層として使用される樹脂を溶剤に溶かして固形分を5〜20%にしてスプレーあるいはディッピング塗布する方法が簡便である。使用する溶剤としては用いる表面層の主成分である樹脂が相溶すれば特に制限はなく、具体的には、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン等が例示される。特に、ウレタン樹脂を用いて表面層を形成する場合、N,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジメチルアセトアミドが相溶性の観点から好ましい。ここで、表面層の乾燥温度としては、70〜200℃が好ましい。乾燥温度が70℃より低いと乾燥が不十分になる場合があり、200℃より高いと、下層の導電性弾性層の劣化を招く恐れがある。
【0027】
本発明においては、表面層溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。本発明における導電性ローラは、必要に応じて、導電性弾性層の外側に1層以上の表面層を設けてもよい。
【0028】
ここで、導電性弾性層と表面層との間に、導電性弾性層と表面層の接着性を向上させるため、および導電性ローラの抵抗制御を行うためにプライマー塗布を便宜行っても良い。プライマー塗布方法として、例えば、スプレー法やディッピング法、スポンジ法などの方法で導電性弾性層の外周上に塗布し、乾燥させて表面処理を実施する方法があるが、均一に導電性弾性層の外周上に塗布し、導電性弾性層と表面層の接着性の向上、および、導電性ローラの抵抗制御ができる方法であれば特に制限されるものではない。
【0029】
ローラの抵抗が1×104Ω〜1×108Ωであることが好ましい。ローラの抵抗が1×104Ω以下である場合、トナーのかぶりが発生することがあり、ローラの抵抗が1×108Ω以上である場合、白抜けが発生することがあった。ここでの導電性ローラの抵抗とは10rpmで回転している円筒電極上にローラをのせ、対電極を片方のシャフト部分に接触させて、印加電圧50Vで測定した値のことである。
【0030】
本発明における導電性弾性層の材料としては、広く一般に導電性ローラの弾性層材料して知られるものを使用することができるが、より好ましい例として、
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物
(C)ヒドロシリル化触媒
(D)導電性付与剤
を必須成分として含有する硬化性組成物を硬化させて得られるゴム材料が例示される。この硬化性組成物を金属支持部材のまわりに硬化させることで好適な導電性弾性層を得ることが可能となる。ここで(A)成分の重合体は、(C)成分の存在下、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化する。前記硬化性組成物は硬化前には低粘度液体であり、また、ヒドロシリル化反応を利用するため硬化性に非常に優れ、生産性および加工性の観点からより好ましい。前記硬化性組成物を熱硬化させる温度は、80℃〜180℃の範囲内が好ましい。80℃以上になると、急激にヒドロシリル化反応が進行し、短い時間で硬化させることができる。
【0031】
ここで、上記(A)成分におけるアルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではなく、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、メタクリル基等が挙げられる。オキシプロピレン系重合体のアルケニル基の数は、硬化剤である(B)成分とヒドロシリル化反応するために少なくとも1個必要であるが、良好なゴム弾性を得る観点からは、直鎖上分子の場合は、分子の両末端に2個のアルケニル基を有し、分岐のある分子の場合は、分子末端に2個以上のアルケニル基を有することが好ましい。本発明における(A)成分は、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を重合体末端に導入されていることが望ましい。このようにアルケニル基が重合体末端にあるときは、ローラのゴム弾性層を低硬度に設定しやすくなる、高強度化しやすくなるなどの点から好ましい。
【0032】
前記(A)成分のオキシプロピレン系重合体とは、主鎖を構成する繰り返し単位のうち50%を超える単位がオキシプロピレン単位からなる重合体をいい、オキシプロピレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位やエチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる共重合性単位であってもよい。
【0033】
上記オキシプロピレン系重合体の分子量としては、数平均分子量(Mn)で1000〜50000であることが好ましい。数平均分子量が1000未満の場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量があまり大きくなりすぎると、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
【0034】
本発明における(B)成分は、硬化剤として使用されるものであり、分子内に2個以上のケイ素原子結合水素原子を含有するものであれば、制限はない。ここで、ヒドロシリル基とはSi−H結合を有する基を表わすが、本発明においては、同一ケイ素原子(Si)に水素原子(H)が2個結合している場合は、ヒドロシリル基2個と計算する。
【0035】
(B)成分としては、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましいものの一つとして挙げられる。ここで言うポリオルガノハイドロジェンシロキサンとは、ケイ素原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有するシロキサン化合物を指す。その構造について具体的に示すと、
【0036】
【化1】
【0037】
(2<m+n≦50、2<m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
【0038】
【化2】
【0039】
(0<m+n≦50、0<m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
【0040】
【化3】
【0041】
(3≦m+n≦20、2<m≦19、0≦n<18、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
などで示される鎖状、環状のものや、これらのユニットを2個以上有する
【0042】
【化4】
【0043】
(1≦m+n≦50、1≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
【0044】
【化5】
【0045】
(0≦m+n≦50、0≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
【0046】
【化6】
【0047】
(3≦m+n≦50、1≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
などで示されるものが挙げられる。
【0048】
またこれら(B)成分の使用にあたっては、(A)成分や(C)成分、(D)成分との相溶性、あるいは系中における分散安定性がよいものが好ましい。特に系全体の粘度が低い場合には、(B)成分として上記各成分との相溶性の低いものを使用すると、相分離が起こり硬化不良を引き起こすことがある。また、分散性助剤として、微粉末シリカ等の粒径の小さいフィラーを配合してもよい。
【0049】
(A)成分、(C)成分、(D)成分との相溶性、あるいは分散安定性が比較的良好なものとして具体的に示すと、
【0050】
【化7】
【0051】
(nは6〜12)
【0052】
【化8】
【0053】
(2<k<35、0<l<10、Rは炭素数8以上の炭化水素基)
などが挙げられる。
【0054】
また、本発明における(B)成分の使用量としては、(A)成分のアルケニル基の総量に対して、(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.8〜5.0当量となるように使用することが好ましい。上記(A)成分のアルケニル基総量に対して(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.8に満たない場合、架橋が不十分となることがある。また、5.0を越える場合には、硬化後に残留するケイ素原子結合水素原子の影響により物性が大きく変化することが問題となる。特にこの影響を抑制したい場合には1.0〜2.0当量となるように(B)成分を用いることが好ましい。
【0055】
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金ービニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4〕m};白金ーホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4};白金ーホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)3〕4、Pt〔P(OBu)3〕4}(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。
【0056】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。触媒量としては特に制限はないが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10−1〜10−8molの範囲で用いるのがよい。好ましくは10−2〜10−6molの範囲で用いるのがよい。また、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので10−1mol以上用いない方がよい。
【0057】
本発明の(D)成分の導電性付与剤としては、カーボンブラックや金属酸化物、金属微粉末、さらには、第4級アンモニウム塩、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルイミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの帯電防止剤といった化合物などがあげられる。本発明における(D)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記カーボンブラックの例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、オイルブラックなどがあげられる。これらカーボンブラックの種類、粒径等に制限はない。
【0058】
(D)成分の添加量は、所望の導電特性に応じて調整して添加され、(A)成分の重合体100重量部に対し、0.01〜100重量部、さらには0.1〜50重量部用いることが好ましい。添加量が少なすぎると、発現される導電付与能が不十分であり、また、添加量が多すぎると硬化性組成物の粘度の上昇が大きく作業性が悪くなる恐れがある。また、用いる導電性付与剤の種類あるいは添加量によっては、ヒドロシリル化反応を阻害するものがあるため、導電性付与物質のヒドロシリル化反応に対する影響を考慮しなければならない。
【0059】
また、本発明における硬化性組成物には、粘度や硬度を調整する目的で軟化剤、可塑剤を添加してもよい。軟化剤、可塑剤の使用量は(A)成分100重量部に対して、100重量部以下が好ましい。それ以上の添加量になると、ブリード等の問題を生じる可能性がある。
【0060】
また、本発明における硬化性組成物には、組成物の貯蔵安定性を改良する目的で、貯蔵安定性改良剤を使用することができる。この貯蔵安定性改良剤としては、本発明の(B)成分の保存安定剤として知られている通常の安定剤であり、所期の目的を達成するものであればよく、特に限定されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、エチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−3−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0061】
本発明における導電性ローラの導電性弾性層の形成方法は,特に限定されず、従来公知の各種ローラの成形方法を用いることができる。例えば、中心にSUS製などの金属支持部材を設置した金型に、組成物を押出成形、プレス成形、射出成形、反応射出成形(RIM)、液状射出成形(LIM)、注型成形などの各種成形法により成形し、適切な温度および時間で加熱硬化させてシャフトのまわりに導電性弾性層を成形する。ここで、本発明における導電性ローラの製造方法としては、弾性層を形成するための導電性組成物が液状である場合、生産性、加工性の点で液状射出成形が好ましい。この場合、硬化性組成物は、半硬化させた後に、別途後硬化させるプロセスを設けて完全硬化させてもよい。
【0062】
次に、本発明の導電性ローラにおいて、導電性弾性層の外周面上に形成される表面層について説明する。
【0063】
表面層の材料としては、特に制限はないが、導電特性と耐摩耗性の観点からはウレタン結合を含有し、また柔軟性等の観点からはポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート骨格を有する樹脂を主な組成とするウレタン樹脂組成物からなっていればよく、ウレタン樹脂と、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートとのブレンド樹脂、1分子中にウレタン結合とポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサンからなる群において選ばれる少なくとも1つの骨格を含有するウレタン樹脂組成物であってもよい。
【0064】
また、表面層を構成する樹脂組成物には抵抗調整、表面形状の調整あるいは導電性弾性層に対する接着性等の観点から、導電性付与剤、各種フィラー等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
【0065】
本発明の導電性ローラは、具体的には、例えば、電子写真装置用の帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、給紙ローラ、クリーニングローラ、定着用の加圧ローラ、転写ドラム等に好適である。導電性ローラは上記ローラの中でも、良好な画像を得るのに特に重要な感光体に接触して用いられるローラに用いることが好ましく、特に現像ローラに用いられることが好ましい。
【0066】
<歪みの発生方法>
図2は歪み発生治具の模式図である。4−1は厚み150μm、長さ20cmのケイ素青銅製のブレードであり、0.5mmのSUS304の板4−2に取り付け、ブレードが12mm、SUS304の板からでるようにした。該SUS304の板は4−3の金属棒を支点に回転することができ、4−4に適当な重りを吊るすことでブレードを導電性ローラ表面に押し当てることができた。ブレードが20cmの幅で導電性ローラ表面に均一に接するように、上記金属棒と導電性ローラの金属支持部材が平行になる位置に設定した。ブレードは導電性ローラの頂点に均一に直線として当たるようにした。またブレードと導電性ローラの位置は、ブレードと導電性ローラの接点における、導電性ローラ外周円の接線方向の位置となるようにした。重りは、ブレードが導電性ローラ表面を線圧40g/cmで押さえつけることができるように調整した。
【0067】
上記、導電性ローラを取り付けた歪み発生治具を40℃、95%RHの環境に28日間放置した。
【0068】
<画像評価方法>
上記<歪みの発生方法>で用いた導電性ローラを歪み発生治具から取り出し、23℃、55%RHに2時間放置した。その後LASER SHOT LBP−2510専用のブラックカートリッジに組み込み画像を出力した。評価にはモノクロ、50%ハーフトーン画像を用い、(歪みの発生方法)で発生させた歪み由来の画像不良の度合いにより評価した。
【0069】
<歪み測定方法>
図3は歪み測定装置の概要図である。該装置はレーザスポットの形が楕円である反射型レーザ変位測定機5、ローラ固定部6、ローラ回転機構部7、ローラ軸方向駆動部8とで構成される。
【0070】
レーザスポットの形が楕円である反射型レーザ変位測定機としてはLK−035(キーエンス製)を用いた。また、導電性ローラの金属支持部材をローラ固定部で固定した。レーザ変位測定機と導電性ローラの位置はレーザ変位測定機のレーザスポットが導電性ローラの頂点に当たる位置、つまりレーザ変位測定機のレーザ発光部が、導電性ローラの金属支持部材の中心軸に対して鉛直方向に当たる位置に設定した。図4はローラ固定部を模式的に表した図である。6−1はベアリングであり、6−2は導電性ローラの金属支持部材である。金属支持部材をベアリングで4点固定した。ここで言う固定とは、導電性ローラの金属支持部材が上下左右には動かないが、回転可能な部品を金属支持部材に接触させることで、金属支持部材を回転させることを可能とさせることである。また導電性ローラをローラ回転機構部で回転させた。ローラ回転機構部としては連続的に回転させることが可能であるモータを用い、回転速度は1rpmに設定した。導電性ローラの金属支持部材の先端に取り付けたギアと、モータの回転軸先端に取り付けたギアを噛み合わせることで導電性ローラを回転させた。
【0071】
導電性ローラ表面の歪み量は、導電性ローラを回転させながらレーザ変位測定機で測定した導電性ローラ表面の変位の変化から算出した。レーザ変位測定機から出力されたデータをNR−2000(キーエンス製)内で128点平均し、10ms毎に測定データとして取り込んだ。歪み量は3点平均で求めた。測定点は、導電性ローラのブレード押し当て痕の中心点とその両端5cmの部分の3点であった。
【0072】
測定データからグラフの横軸に測定した時間、縦軸には測定値をプロットしたグラフを作成し、導電性ローラ表面の歪みを算出した。
【0073】
歪みの算出方法は被測定体の表面の状態によって様々であるが、表面粗さを持つ導電性ローラを測定した場合、上記測定データに表面粗さ成分が含まれるため、フーリエ変換を用い、ある一定周期の波を除いたり、移動平均または単純平均を実施したりして測定データのスムージング処理を行った。上記スムージング処理を行う際、表面粗さ成分の最大値と最小値の差が0.2μm以下にし、かつ、歪み量が最大となるように最適化を行った。
【0074】
【実施例】
以下の実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0075】
(実施例1)
(A)成分としてのアリル末端ポリオキシプロピレンACX003(鐘淵化学工業製)500gに対して、(D)成分としてカーボンブラック#3030B(三菱化学製)70gを3本ロールで混練した混合物に、ついで、(B)成分としてポリオルガノハイドロジェンシロキサンCR−100(鐘淵化学工業製)を16g、(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3wt%、キシレン溶液)を350μL、そして貯蔵安定性改良剤としてジメチルマレートを170μL秤取し、均一混合した。該組成物を真空脱泡撹拌装置(シーテック(株)製)で90分間脱泡を行ったあと、得られた導電性組成物をローラ成形用金型に射出圧1MPaで注入し、140℃で30分加熱の条件で直径8mmのSUS製のシャフトの周りに厚さ4mmの導電性弾性層を設けた導電性ローラを作成した。同時に該導電性組成物をポリテトラフルオロエチレンシートを敷いたアルミの金型枠に充填した後、140℃、30分間加熱の条件でプレス成形し、約4mmの動的粘弾性評価用シート状硬化物を得た。上記硬化物から10mm×10mm×約4mmのブロックを2個切り出し、動的粘弾性評価用ブロックを得た。
【0076】
弾性層ローラ表面に下記表面層塗布液を塗布した。ポリエーテル系ウレタン樹脂ハイムレンY258(大日精化製)50gを溶剤(N,N−ジメチルホルムアミド)325gに溶解させた後、一次粒径が20〜50nmのカーボンブラック25gとウレタン粒子UP−0904(大日精化製)3gを溶剤(メチルエチルケトン)125gに分散させたカーボンブラック分散液を混合して表面層塗布液を調合した。上記表面層塗布液をディッピング法により塗布し、160℃で90分の条件で乾燥させ、導電性ローラを完成させた。
【0077】
このようにして作成されたローラを、温度23℃/相対湿度55%の条件下で24時間養生したのちに、ローラの抵抗を測定したところ、1.4×106Ωとなった。
【0078】
動的粘弾性評価用ブロックを用い、DMS110(セイコー電子工業製)で動的粘弾性測定(測定温度22℃)を実施した。その結果、0.1Hzにおけるせん断貯蔵係数(G´)は5.4×105Paであり、tanδは0.092となった。
【0079】
また、<歪み発生方法>で用いた導電性ローラを<画像評価方法>で評価し、結果を表1にまとめた。
【0080】
<歪み測定方法>にて上記導電性ローラの歪みを測定した。導電性ローラ表面に表面粗さがあるため、下記の<歪み量算出方法>にて歪み量を算出したところ、2.7μmであった。
【0081】
<歪み量算出方法>
歪み測定装置を用いて得られた測定データを横軸に測定時間、縦軸に変位となるようにプロットした。プロットした図をフーリエ変換で1.5Hz以下の波を全て除去し、得られたデータを128点の移動平均でスムージング処理した。スムージング処理をして得られたデータを再び横軸に測定時間、縦軸に変位となるようにプロットし、歪み幅をローラ周の6%であると仮定し、歪み量を算出した。
【0082】
(実施例2)
(A)成分としてのアリル末端ポリオキシプロピレンACX003(鐘淵化学工業製)280gとアリル末端ポリオキシプロピレンS810ALP(鐘淵化学工業製)220gの合計500gに対して、(D)成分としてカーボンブラック#3030B(三菱化学製)70gを3本ロールで混練した混合物に、ついで、(B)成分としてポリオルガノハイドロジェンシロキサンCR−100(鐘淵化学工業製)を16g、(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3wt%、キシレン溶液)を350μL、そして貯蔵安定性改良剤としてジメチルマレートを170μL秤取し、均一混合した。該組成物を真空脱泡撹拌装置(シーテック(株)製)で90分間脱泡を行ったあと、得られた導電性組成物をローラ成形用金型に射出圧1MPaで注入し、140℃で30分加熱の条件で直径8mmのSUS製のシャフトの周りに厚さ4mmの導電性弾性層を設けた導電性ローラを作成した。同時に該導電性組成物をポリテトラフルオロエチレンシートを敷いたアルミの金型枠に充填した後、140℃、30分間加熱の条件でプレス成形し、約4mmの動的粘弾性評価用シート状硬化物を得た。
【0083】
以下、表面層の形成方法、導電性ローラの抵抗測定方法、動的粘弾性測定方法、画像評価は(実施例1)と同様の方法で実施した。
【0084】
その結果、ローラの抵抗は2.3×106Ω、動的粘弾性における貯蔵せん断弾性率は7.7×105Pa、tanδは0.068となった。画像評価は表1にまとめた。また歪み量は2.2μmとなった。
【0085】
(比較例1)
(A)成分としてのアリル末端ポリオキシプロピレンACX003(鐘淵化学工業製)500gに対して、補強剤ニップシールSS−50A(日本シリカ製)5g、(D)成分としてカーボンブラック#3030B(三菱化学製)70gを3本ロールで混練した混合物に、ついで、(B)成分としてポリオルガノハイドロジェンシロキサンCR−100(鐘淵化学工業製)を16g、(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3wt%、キシレン溶液)を350μL、そして貯蔵安定性改良剤としてジメチルマレートを170μL秤取し、均一混合した。該組成物を真空脱泡撹拌装置(シーテック(株)製)で90分間脱泡を行ったあと、得られた導電性組成物をローラ成形用金型に射出圧1MPaで注入し、140℃で30分加熱の条件で直径8mmのSUS製のシャフトの周りに厚さ4mmの導電性弾性層を設けた導電性ローラを作成した。同時に該導電性組成物をポリテトラフルオロエチレンシートを敷いたアルミの金型枠に充填した後、140℃、30分間加熱の条件でプレス成形し、約4mmの動的粘弾性評価用シート状硬化物を得た。
【0086】
以下、表面層の形成方法、導電性ローラの抵抗測定方法、動的粘弾性測定方法、画像評価は(実施例1)と同様の方法で実施した。
【0087】
その結果、ローラの抵抗は9.5×105Ω、動的粘弾性における貯蔵せん断弾性率は6.4×105Pa、tanδは0.111となった。画像評価は表1にまとめた。また歪み量は4.2μmとなった。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】
本発明により、 導電性ローラの導電性弾性層、または導電性ローラに発生する歪みを小さくし、歪み由来の画像不良を軽減少する導電性ローラを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電性ローラを模式的に表した図
【図2】歪み発生治具の模式図
【図3】歪み測定装置の模式図
【図4】ローラ固定部の模式図
【符号の説明】
1 支持部材
2 導電性弾性層
3 表面層
4−1 ケイ素青銅製のブレード
4−2 SUS304の板
4−3 金属棒
4−4 重り
5 反射型レーザ変位測定機
6 ローラ固定部
7 ローラ回転機構部
8 ローラ軸方向駆動部
6−1 ベアリング
6−2 支持部材
Claims (10)
- 金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された導電性弾性層、および、その外周面上に形成される、少なくとも1層以上からなる表面層より構成される導電性ローラにおいて、厚さ150μmのブレードを線圧40g/cmで導電性ローラ表面に押し当てた状態で、40℃、95%RHの環境に28日間放置後、導電性ローラ表面に生じた歪みの歪み量が3μm以下であることを特徴とする導電性ローラ。
- 前記導電性ローラ表面に生じた歪みの歪み量が、レーザスポットの形が楕円である反射型レーザ変位測定機、ローラ固定部、ローラ回転機構部およびローラ軸方向駆動部で構成される歪み測定装置を用いて測定することを特徴とする請求項1に記載の導電性ローラ。
- 前記導電性弾性層の動的粘弾性における0.1Hzでのせん断貯蔵弾性率が1×105Pa以上6×106Paであり、かつ、tanδが0.1以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電性ローラ。
- ローラの抵抗が1×104Ω〜1×108Ωであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 前記弾性層が、
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物
(C)ヒドロシリル化触媒
(D)導電性付与剤
を必須成分として含有する硬化性組成物を金属支持部材のまわりに硬化させて得られることを特徴とする導電性ローラに用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性ローラ。 - 前記(A)成分の有機重合体中のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が、該重合体の末端に存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 前記(B)成分が、平均して1分子中に少なくとも2個以上のヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 前記(D)成分が、カーボンブラックである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 表面層がウレタン樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 前記導電性ローラが感光体に接触して用いられることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
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JP2011141375A (ja) * | 2010-01-06 | 2011-07-21 | Canon Inc | ガラス製中空フィラー含有弾性ローラの製造方法 |
-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003070442A patent/JP2004279693A/ja active Pending
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