JP2004279593A - 放射線画像情報読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄積性蛍光体シートの先端位置を確実に検出することができるとともに、画像品質の良好な高精度な放射線画像情報を得ることができる放射線画像情報読取装置を提供する。
【解決手段】集光ミラー106は、蓄積性蛍光体シートIP側の一方の面に、輝尽発光光Rを反射させて集光ガイド84、98に導くとともに、蓄積性蛍光体シートIPで反射した励起光Lを透過させるダイクロイックフィルタ108を有し、他方の面に励起光Lの反射を防止する励起光反射防止フィルタ109を有する。蓄積性蛍光体シートIPによって反射された励起光L1は、集光ミラー106を透過し、励起光反射防止フィルタ109によって反射が阻止された状態で励起光検出センサ111に導かれる。
【選択図】図6
【解決手段】集光ミラー106は、蓄積性蛍光体シートIP側の一方の面に、輝尽発光光Rを反射させて集光ガイド84、98に導くとともに、蓄積性蛍光体シートIPで反射した励起光Lを透過させるダイクロイックフィルタ108を有し、他方の面に励起光Lの反射を防止する励起光反射防止フィルタ109を有する。蓄積性蛍光体シートIPによって反射された励起光L1は、集光ミラー106を透過し、励起光反射防止フィルタ109によって反射が阻止された状態で励起光検出センサ111に導かれる。
【選択図】図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により走査し、前記蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光を集光ガイドを介して光電変換器に導いて読み取る放射線画像情報読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)を照射すると、この放射線エネルギの一部が蓄積され、その後、可視光やレーザ光等の励起光を照射すると、蓄積されたエネルギ強度に応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被写体の放射線画像情報をシート状の蓄積性蛍光体層を備えてなる蓄積性蛍光体シートに一旦記録し、この蓄積性蛍光体シートに前記励起光を照射して得られる輝尽発光光を光電的に読み取って得られた画像信号を写真感光材料等の記録媒体、CRT等の表示装置に被写体の放射線画像の可視像として出力させる放射線画像情報記録読取システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、輝尽発光光は、蓄積性蛍光体シートから放射状に発散するようにして出力される。そこで、例えば、特許文献2に開示された従来技術では、この輝尽発光光を効率的に光電変換器に導くため、蓄積性蛍光体シートの励起光の照射位置近傍に集光ガイドおよび集光ミラーを配設し、輝尽発光光を集光ガイドによって直接光電変換器に導くとともに、発散した輝尽発光光を集光ミラーによって反射して集光ガイドに導くようにしている。
【0004】
また、特許文献2では、集光ミラーによる集光機能に加えて、例えば、蓄積性蛍光体シートから得られる放射線画像情報のサブトラクション処理を行うため、集光ミラーをダイクロイックミラーとし、蓄積性蛍光体シートによって反射された励起光をダイクロイックミラーを透過させてセンサに導くことにより、蓄積性蛍光体シートの先端位置を検出するように構成している。サブトラクション処理とは、同一被写体の放射線画像情報を異なる蓄積性蛍光体シートに蓄積記録し、得られた複数の放射線画像情報の差を電気的に求めることにより、所望の部位における放射線画像情報の経時的変化等を把握するための処理である。この場合、前記センサを用いて蓄積性蛍光体シートの先端位置を検出し、その検出タイミングに基づいて放射線画像情報の読み取りを行うことにより、相互の位置関係が一致した放射線画像情報を得ることができる。
【0005】
しかしながら、ダイクロイックミラーを介して励起光をセンサに導くことで先端位置の検出を行う構成とした場合、ダイクロイックミラーにより生じる励起光のフレア光の影響により、読み取った放射線画像情報に筋むら等のアーチファクトが発生するおそれがある。
【0006】
すなわち、ダイクロイックミラーに入射した励起光は、ダイクロイックミラーのセンサ側の面で一部が反射され、フレア光として再び蓄積性蛍光体シートに戻される。この場合、フレア光は、蓄積性蛍光体シートから放射線画像情報を輝尽発光光として読み出すことになるため、所望の励起光によって得られた輝尽発光光に対してかぶりが生じることになる。このかぶりは、筋むら等のアーチファクトとして出現し、放射線画像情報の画像品質を低下させる要因となる。特に、高エネルギの励起光を用いて輝尽発光光を効率的に得るように構成した放射線画像情報読取装置においては、フレア光の影響も増大する。
【0007】
一方、特許文献3には、集光ミラーによる励起光の反射光が蓄積性蛍光体シートに再度照射されないよう、集光ミラーに励起光を吸収する励起光吸収フィルタを設けた放射線画像情報読取装置が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭55−12429号公報
【特許文献2】
特開平11−84551号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平4−3148号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献3に開示された放射線画像情報読取装置は、蓄積性蛍光体シートの先端位置を検出する構成としたものではない。従って、特許文献3の集光ミラーを介して励起光を検出する構成とした場合、励起光吸収フィルタによって励起光が吸収されてしまうため、センサに十分な光量の励起光が供給されず、適切な先端位置の検出を行うことはできない。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、蓄積性蛍光体シートの先端位置を確実に検出することができるとともに、画像品質の良好な高精度な放射線画像情報を得ることができる放射線画像情報読取装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により走査し、前記蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光を集光ガイドを介して光電変換器に導いて読み取る放射線画像情報読取装置において、
前記蓄積性蛍光体シート側の一方の面に、輝尽発光光を反射させて前記集光ガイドに導くとともに前記蓄積性蛍光体シートで反射した励起光を透過させるダイクロイックフィルタを有し、他方の面に励起光の反射を防止する励起光反射防止フィルタを有する光学部材と、
前記励起光反射防止フィルタを透過した前記励起光を検出する励起光検出センサと、
を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、蓄積性蛍光体シートによって反射され、光学部材に入射した励起光は、光学部材を透過して励起光検出センサに入射し、これによって蓄積性蛍光体シートの先端位置が検出される。この場合、光学部材の励起光検出センサ側の面には、励起光の反射を防止する励起光反射防止フィルタが設けられているため、入射した励起光の一部が反射されて蓄積性蛍光体シートに再度照射されることがない。従って、蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光にかぶりが生じることがなく、筋むら等のアーチファクトのない高精度な放射線画像情報を得ることができる。
【0013】
また、本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により走査し、前記蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光を集光ガイドを介して光電変換器に導いて読み取る放射線画像情報読取装置において、
前記蓄積性蛍光体シート側の一方の面に、輝尽発光光を反射させて前記集光ガイドに導くとともに前記蓄積性蛍光体シートで反射した励起光を透過させるダイクロイックフィルタを有する光学部材と、
前記光学部材の他方の面を透過した前記励起光を検出する励起光検出センサと、
前記光学部材の前記他方の面に一体に形成され、前記励起光検出センサに指向する面が、前記光学部材を透過して入射する前記励起光を前記蓄積性蛍光体シート側に反射しない傾斜角度に設定される光透過部材と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、光学部材の励起光検出センサ側に一体に形成した光透過部材を透過した励起光は、励起光検出センサに入射して蓄積性蛍光体シートの先端位置の検出が行われる。この場合、光透過部材の励起光検出センサ側の面は、蓄積性蛍光体シート側に励起光を反射しない傾斜角度に設定されているため、この面によって反射された励起光が蓄積性蛍光体シートに再度照射されることがない。従って、蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光にかぶりが生じることがなく、筋むら等のアーチファクトのない高精度な放射線画像情報を得ることができる。
【0015】
なお、光透過部材は、マウントに光学部材を接着する接着剤とし、励起光検出センサ側の接着剤の面を所定の傾斜角度に設定することにより、励起光のフレア光が蓄積性蛍光体シートに再度照射される事態を回避することができる。また、光透過部材を前記光学部材の一部によって構成すれば、光学部材と光透過部材との間に屈折率の差による反射面が形成されることがないため、フレア光の発生を一層好適に回避することができる。
【0016】
さらに、本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により走査し、前記蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光を集光ガイドを介して光電変換器に導いて読み取る放射線画像情報読取装置において、
前記蓄積性蛍光体シート側の一方の面に、輝尽発光光を反射させて前記集光ガイドに導くとともに前記蓄積性蛍光体シートで反射した励起光を透過させるダイクロイックフィルタを有し、他方の面に入射した励起光の一部を拡散反射する拡散面を有する光学部材と、
前記拡散面を透過した前記励起光を検出する励起光検出センサと、
を備えることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、光学部材の励起光検出センサ側の拡散面を透過した励起光は、励起光検出センサに入射して蓄積性蛍光体シートの先端位置の検出が行われる。この場合、励起光の一部は、光透過部材の励起光検出センサ側の面によって反射されるが、この面が拡散面であるため、蓄積性蛍光体シートに再度照射される励起光の強度は、著しく減衰される。従って、蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光に殆どかぶりが生じることがなく、筋むら等のアーチファクトのない高精度な放射線画像情報を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施形態の放射線画像情報読取装置20の構成を示す。放射線画像情報読取装置20を構成する筐体30の上部には、操作部およびモニタの機能を有するタッチパネル32が設けられ、タッチパネル32の下方には、複数の、例えば、4つのカセッテ34を着脱自在なカセッテ装填部36a〜36dが設けられる。
【0019】
カセッテ34は、蓄積性蛍光体シートIPを収容するケース40と、ケース40の開口部42を開閉自在とする蓋体44とを有する。なお、本実施形態で用いる蓄積性蛍光体シートIPは、図2に示すように、透明な支持体12上に放射線画像情報が蓄積記録される蓄積性蛍光体層14を形成したものとする。なお、支持体12は、透明な樹脂あるいは透明なガラス材で作製することができる。
【0020】
カセッテ装填部36a〜36dには、カセッテ34を載置するための支持台46が設けられるとともに、筐体30の内部を遮光するためのシャッター部材48が開閉自在に配置される。また、カセッテ装填部36a〜36dには、カセッテ34の位置を固定するカセッテ位置固定機構(図示せず)と、カセッテ34の蓋体44を開閉させる蓋体開閉機構(図示せず)とが組み込まれる。さらに、カセッテ装填部36a〜36dの内部には、カセッテ装填部36a〜36dの任意の1つに対応して配置され、任意のカセッテ34から蓄積性蛍光体シートIPを取り出す一方、読み取り消去後の蓄積性蛍光体シートIPをカセッテ34内に戻す昇降枚葉部50が装着される。昇降枚葉部50は、蓄積性蛍光体シートIPを枚葉するシート体枚葉機構52と、シート体枚葉機構52を上下方向(矢印A方向)に進退自在な昇降機構54とを備える。
【0021】
昇降枚葉部50を構成するシート体枚葉機構52には、蓄積性蛍光体シートIPを搬送するメイン搬送路60が連設される。メイン搬送路60は、昇降枚葉部50から下方向に延在した後、筐体30の下部において湾曲し、水平方向に延在して読取搬送路70に至る。なお、読取搬送路70を構成する第1および第2ローラ対80、82は、蓄積性蛍光体シートIPを挟持して矢印Y方向に副走査搬送する。
【0022】
読取搬送路70は、湾曲して上方向に延在した後、水平方向に延在する退避搬送路94に連設する。また、読取搬送路70と退避搬送路94との間には、消去搬送路96が連設される。消去搬送路96は、メイン搬送路60に連設しており、退避搬送路94から搬送された蓄積性蛍光体シートIPをメイン搬送路60に供給する。
【0023】
上方向に湾曲する読取搬送路70の内周側上部には、励起光走査ユニット64および上部読取ユニット66が配設される。また、読取搬送路70の外周側下部には、下部読取ユニット68が配設される。
【0024】
励起光走査ユニット64は、図示しないレーザ光源から出力された励起光Lを、ポリゴンミラー等によって矢印Y方向と直交する方向に偏向して蓄積性蛍光体シートIPに導いて走査する走査光学系72を有する。励起光Lが照射された蓄積性蛍光体シートIPからは、放射線画像情報を含む輝尽発光光R(図2参照)が出力される。
【0025】
上部読取ユニット66は、下端部の入射面が第1および第2ローラ対80、82間に近接して配置されるアクリル板等の透明体からなる集光ガイド84と、集光ガイド84の上端部の出射面に接続されるフォトマルチプライア等からなる光電変換器86とから構成される。光電変換器86は、集光ガイド84を介して導入された輝尽発光光Rを電気信号に変換する。
【0026】
下部読取ユニット68は、アクリル板等の透明体からなる集光ガイド98と、フォトマルチプライア等からなる光電変換器100とから構成される。集光ガイド98は、蓄積性蛍光体シートIPを透過した輝尽発光光Rを集光して光電変換器100に導く。
【0027】
上部読取ユニット66を構成する集光ガイド84の入射面に近接して、輝尽発光光Rを入射面に効率的に導く集光ユニット102が配設される。集光ユニット102は、図2〜図5に示すように構成される。
【0028】
集光ユニット102は、蓄積性蛍光体シートIPに対する励起光Lの走査方向に沿って長尺に形成されたミラーマウント104を有する。ミラーマウント104の集光ガイド84、98に指向した下部面105には、集光ミラー106(光学部材)が装着される。
【0029】
集光ミラー106は、蓄積性蛍光体シートIP側の一方の面(表面ともいう)に、輝尽発光光Rの波長域である400〜500nmの波長域の光を反射させて集光ガイド84、98に導くとともに、蓄積性蛍光体シートIPで反射した励起光Lの波長域である600〜700nmの波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ108を有し、他方の面(裏面ともいう)に励起光Lの波長域である600〜700nmの波長域の光の反射を防止する励起光反射防止フィルタ109を有する。
【0030】
ミラーマウント104の下部面105の一端寄りの部位には、背面部に貫通する長孔110が形成される。また、ミラーマウント104は、背面部側が中空状態に形成されており、この背面部には、集光ミラー106を透過した励起光Lを検出する励起光検出センサ111を備えたプリント基板112が収容される。励起光検出センサ111は、周囲が黒色の樹脂部材114によって囲繞され、ミラーマウント104に形成された長孔110に対応する位置に配設される。なお、励起光検出センサ111の入射面に対して励起光反射防止フィルタを形成するようにしてもよい。
【0031】
この場合、長孔110は、ミラーマウント104の長手方向に沿って長尺となるように形成されており、これにより、励起光検出センサ111の長孔110に対する取り付け位置の調整が容易となり、また、ミラーマウント104を、例えば、樹脂で成形する場合、成形時における樹脂の流れ方向に長尺であるため、長孔110の成形精度が向上する。なお、長孔110の長手方向の幅と短手方向の幅との比を、例えば、1.5:1、3:1、あるいは、長手方向の幅=8mm、短手方向の幅=4mmに設定すると好適である。
【0032】
プリント基板112には、励起光検出センサ111によって検出された励起光Lに係る信号を送信するための信号線であるフレキシブルケーブル116の一端部が接続される。フレキシブルケーブル116の他端部は、筐体30の内部に配設した壁部117に形成した孔部119を介してプリント基板121に接続される。なお、フレキシブルケーブル116のプリント基板121側の部位は、プリント基板121に対するフレキシブルケーブル116の接続面の表裏を間違えることのないよう、保持部材123によって壁部117に保持される。
【0033】
ミラーマウント104の中空の背面部には、両端部に回転軸118a、118bを有するブラケット120が装着される。なお、回転軸118bには、集光ミラー106が装着されたミラーマウント104を回転軸118a、118bを中心として回転させるためのモータ122が連結される。ブラケット120は、ミラーマウント104の上面部に形成した凹部124a、124bに係合する突片126a、126bを有する。凹部124a、124bには、長孔128a、128bが形成されており、ねじ130a、130bを突片126a、126bを介して長孔128a、128bに螺合することにより、ブラケット120とミラーマウント104との位置が調整された状態で結合される。
【0034】
さらに、ブラケット120には、放射線画像情報の読み取り時において上方向に指向して起立して配置され、必要に応じて上部読取ユニット66を構成する集光ガイド84、および、下部読取ユニット68を構成する集光ガイド98の入射面に付着した塵埃を除去する集光ガイド用ブラシ132が配設される。
【0035】
一方、集光ユニット102の上部には、下方向に垂下された状態で基板134に固定され、集光ユニット102を構成する集光ミラー106の反射面に付着した塵埃を除去する集光ミラー用ブラシ136が配設される。なお、放射線画像情報の読み取り時においては、集光ガイド用ブラシ132および集光ミラー用ブラシ136が接触可能な状態に配置される。
【0036】
さらにまた、基板134の上部には、ガイド板138が配設される。このガイド板138は、集光ユニット102から導出されてプリント基板121に接続されるフレキシブルケーブル116が、集光ユニット102の上部に配設された励起光走査ユニット64から出力された励起光Lの光路内に入ることを阻止するためのものである。
【0037】
退避搬送路94と消去搬送路96との間には、放射線画像情報読取装置20の全体の制御を行う制御回路92と、放射線画像情報の読み取られた蓄積性蛍光体シートIPに残存する放射線エネルギを消去する消去ユニット95とが配設される。消去ユニット95は、ケース97内に冷陰極蛍光管等からなる複数の消去光源99を収容して構成される。
【0038】
本実施形態の放射線画像情報読取装置20は、基本的には、以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0039】
先ず、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートIPを収容したカセッテ34をカセッテ装填部36a〜36dに装填する。カセッテ装填部36a〜36dに装填されたカセッテ34は、カセッテ34の位置を固定する機構によってその位置が固定された後、カセッテ34の蓋体44が開かれ、昇降枚葉部50によって蓄積性蛍光体シートIPがカセッテ34から枚葉される。枚葉された蓄積性蛍光体シートIPは、メイン搬送路60を介して読取搬送路70に供給される。
【0040】
読取搬送路70の第1および第2ローラ対80、82間には、励起光走査ユニット64の図示しないレーザ光源から出力された励起光Lがポリゴンミラー等によって主走査方向に偏向走査されており、励起光Lが蓄積性蛍光体シートIPの先端部に照射され、その先端位置が集光ユニット102によって検出されることにより、放射線画像情報の読み取りが開始される。なお、集光ユニット102の作用効果の詳細については、後述する。
【0041】
読取搬送路70に供給された蓄積性蛍光体シートIPは、第1および第2ローラ対80、82によって挟持され、矢印Y方向に副走査搬送される。一方、励起光走査ユニット64から出力された励起光Lは、蓄積性蛍光体シートIPを主走査する。
【0042】
励起光Lが照射された蓄積性蛍光体シートIPは、放射線画像情報を含む輝尽発光光Rを出力する。蓄積性蛍光体シートIPの上面側から出力された輝尽発光光Rは、図5に示すように、集光ガイド84の入射面に直接入射するとともに、集光ミラー106に形成されたダイクロイックフィルタ108よって反射されて集光ガイド84の入射面に入射した後、出射面から光電変換器86に導かれ、電気信号に変換される。また、蓄積性蛍光体シートIPを透過して下面側に出力された輝尽発光光Rは、集光ガイド98の入射面に入射して光電変換器100に導かれ、電気信号に変換される。光電変換器86および100によって得られた放射線画像情報に係る電気信号は、制御回路92によって処理された後、ネットワークを介して外部の画像情報処理装置に転送される。
【0043】
読み取りが終了した蓄積性蛍光体シートIPは、読取搬送路70から一旦退避搬送路94に搬送された後、消去搬送路96に供給される。なお、読み取りが終了した蓄積性蛍光体シートIPを一旦退避搬送路94に搬送する間、次の蓄積性蛍光体シートIPを読取搬送路70に供給して読取処理を行うことができる。
【0044】
消去搬送路96に供給された蓄積性蛍光体シートIPには、消去ユニット95を構成する消去光源99から消去光が照射され、残存する放射線画像情報が消去される。消去後の蓄積性蛍光体シートIPは、メイン搬送路60を介して昇降枚葉部50まで搬送された後、所望のカセッテ34に戻される。
【0045】
次に、集光ユニット102の作用効果について詳細に説明する。
【0046】
本実施形態の放射線画像情報読取装置20では、集光ユニット102に励起光検出センサ111を収容し、この励起光検出センサ111を用いて蓄積性蛍光体シートIPの先端位置の検出を行うことにより、異なる蓄積性蛍光体シートIPからの放射線画像情報の読取開始タイミングを高精度に一致させることができる。
【0047】
すなわち、図5に示すように、蓄積性蛍光体シートIPが矢印Y方向に搬送され、その先端部が励起光Lの光路に進入すると、励起光Lの一部が蓄積性蛍光体シートIPの先端部の表面によって反射される。蓄積性蛍光体シートIPによって反射された励起光L1は、集光ミラー106の表面に形成されたダイクロイックフィルタ108および集光ミラー106の裏面に形成された励起光反射防止フィルタ109を透過し、ミラーマウント104に形成された長孔110を介して励起光検出センサ111に入射する。励起光検出センサ111は、励起光L1を電気信号に変換し、フレキシブルケーブル116を介してプリント基板121に送信する。
【0048】
プリント基板121に接続された制御回路92は、励起光検出センサ111が励起光L1を検出したタイミングを読取開始タイミングとして光電変換器86および100を制御し、蓄積性蛍光体シートIPから得られた輝尽発光光Rの処理を開始する。この場合、異なる蓄積性蛍光体シートIPに記録された放射線画像情報の読み取りを同一の位置から開始することができるため、例えば、同一の被写体の放射線画像情報を異なる蓄積性蛍光体シートIPから取得してサブトラクション処理を行う際、放射線画像情報同士の読取位置を高精度に一致させることができる。
【0049】
一方、集光ユニット102は、蓄積性蛍光体シートIPの先端位置を検出した後、不要な輝尽発光光Rの発生を回避し、蓄積性蛍光体シートIPから得られる必要な輝尽発光光Rを集光ガイド84、98を介して光電変換器86、100に導くため、高精度な放射線画像情報を得ることができる。
【0050】
すなわち、図6に示すように、励起光Lが照射されることにより、蓄積性蛍光体シートIPのP点近傍から出力された輝尽発光光Rは、集光ガイド84、98の入射面に直接入射するとともに、集光ミラー106に形成されたダイクロイックフィルタ108よって反射されて集光ガイド84の入射面に入射する。
【0051】
この場合、蓄積性蛍光体シートIPの表面によって反射された励起光L1が集光ミラー106の裏面で反射され、励起光L2として蓄積性蛍光体シートIPに再照射されると、例えば、蓄積性蛍光体シートIPのP1点近傍から出力された不要な輝尽発光光R1が集光ガイド84、98に導かれてしまう。
【0052】
しかしながら、集光ミラー106の裏面には、励起光L1の反射を防止する励起光反射防止フィルタ109が形成されているため、励起光L1の殆どが集光ミラー106を透過し、蓄積性蛍光体シートIPに再度入射することがない。従って、集光ガイド84、98には正規の読取位置であるP点からの輝尽発光光Rのみが入射するため、輝尽発光光Rにかぶりが生じることがなく、筋むら等のアーチファクトのない高精度な放射線画像情報を得ることができる。
【0053】
図7は、図6に示す励起光反射防止フィルタ109に代えて、集光ミラー106をミラーマウント104に接着するために使用した接着剤150(光透過部材)を、集光ミラー106に密着させた状態で長孔110の一部に注入して構成した実施形態を示す。この場合、接着剤150における励起光検出センサ111側の面154の蓄積性蛍光体シートIPに対する傾斜角度θは、面154によって反射された励起光L2が蓄積性蛍光体シートIPに再度入射しない角度に設定する。すなわち、面154の傾斜角度θは、蓄積性蛍光体シートIPによって反射された励起光L2の蓄積性蛍光体シートIPに対する反射角度をαとして、θ>90°−α/2となるように設定する。なお、接着剤150は、透明で且つ集光ミラー106の屈折率と略同等の屈折率を有するものを選択することが望ましい。
【0054】
集光ユニット102をこのように構成することにより、集光ミラー106の裏面の反射面が実質上消失し、また、接着剤150の面154によって反射された励起光L2は、蓄積性蛍光体シートIPに再度入射することがないため、不要な輝尽発光光R1の発生が回避され、必要な輝尽発光光Rのみを得ることができる。
【0055】
図8は、図7に示す接着剤150を長孔110に注入する代わりに、集光ミラー113の裏面の一部を突出させて長孔110に挿入形成し、その突出部115における励起光検出センサ111側の面157の蓄積性蛍光体シートIPに対する傾斜角度θを、面157によって反射された励起光L2が蓄積性蛍光体シートIPに再度入射しない角度に設定した実施形態を示す。なお、面157の傾斜角度θは、図7に示す接着剤150の面154と同様にして設定する。
【0056】
集光ユニット102をこのように構成することにより、集光ミラー113の突出部115の面157によって反射された励起光L2は、蓄積性蛍光体シートIPに再度入射することがないため、不要な輝尽発光光R1の発生が回避され、必要な輝尽発光光Rのみを得ることができる。
【0057】
さらに他の実施形態として、集光ミラー106の裏面に励起光反射防止フィルタ109を形成する代わりに裏面を拡散面とし、あるいは、接着剤150の面154や突出部115の面157を拡散面とし、入射した励起光L1を拡散して反射させるように構成することにより、蓄積性蛍光体シートIPに再度照射される励起光L2の強度を著しく減衰させ、不要な輝尽発光光R1の発生を回避することができる。
【0058】
なお、以上説明した集光ミラー106、113は、透明な樹脂あるいは透明なガラス材で作製することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、蓄積性蛍光体シートによって反射された励起光を用いて蓄積性蛍光体シートの先端位置を確実に検出することができるとともに、前記励起光が蓄積性蛍光体シートに再度照射される事態を回避し、必要な輝尽発光光のみを読み取って画像品質の良好な高精度な放射線画像情報を得ることが可能な放射線画像情報読取装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の放射線画像情報読取装置の構成図である。
【図2】図1に示す集光ユニット近傍の一部断面図である。
【図3】図1に示す集光ユニットの分解斜視図である。
【図4】図1に示す集光ユニットの一部の構成斜視図である。
【図5】蓄積性蛍光体シートの先端位置検出時における集光ユニットの要部拡大断面説明図である。
【図6】蓄積性蛍光体シートからの放射線画像情報読取時における集光ユニットの要部拡大断面説明図である。
【図7】蓄積性蛍光体シートからの放射線画像情報読取時における他の実施形態の集光ユニットの要部拡大断面説明図である。
【図8】蓄積性蛍光体シートからの放射線画像情報読取時におけるさらに他の実施形態の集光ユニットの要部拡大断面説明図である。
【符号の説明】
20…放射線画像情報読取装置 64…励起光走査ユニット
66…上部読取ユニット 68…下部読取ユニット
72…走査光学系 84、98…集光ガイド
86、100…光電変換器 92…制御回路
102…集光ユニット 104…ミラーマウント
106、113…集光ミラー 108…ダイクロイックフィルタ
109…励起光反射防止フィルタ 110…長孔
111…励起光検出センサ 115…突出部
150…接着剤 154、157…面
IP…蓄積性蛍光体シート L、L1、L2…励起光
R、R1…輝尽発光光
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により走査し、前記蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光を集光ガイドを介して光電変換器に導いて読み取る放射線画像情報読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)を照射すると、この放射線エネルギの一部が蓄積され、その後、可視光やレーザ光等の励起光を照射すると、蓄積されたエネルギ強度に応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被写体の放射線画像情報をシート状の蓄積性蛍光体層を備えてなる蓄積性蛍光体シートに一旦記録し、この蓄積性蛍光体シートに前記励起光を照射して得られる輝尽発光光を光電的に読み取って得られた画像信号を写真感光材料等の記録媒体、CRT等の表示装置に被写体の放射線画像の可視像として出力させる放射線画像情報記録読取システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、輝尽発光光は、蓄積性蛍光体シートから放射状に発散するようにして出力される。そこで、例えば、特許文献2に開示された従来技術では、この輝尽発光光を効率的に光電変換器に導くため、蓄積性蛍光体シートの励起光の照射位置近傍に集光ガイドおよび集光ミラーを配設し、輝尽発光光を集光ガイドによって直接光電変換器に導くとともに、発散した輝尽発光光を集光ミラーによって反射して集光ガイドに導くようにしている。
【0004】
また、特許文献2では、集光ミラーによる集光機能に加えて、例えば、蓄積性蛍光体シートから得られる放射線画像情報のサブトラクション処理を行うため、集光ミラーをダイクロイックミラーとし、蓄積性蛍光体シートによって反射された励起光をダイクロイックミラーを透過させてセンサに導くことにより、蓄積性蛍光体シートの先端位置を検出するように構成している。サブトラクション処理とは、同一被写体の放射線画像情報を異なる蓄積性蛍光体シートに蓄積記録し、得られた複数の放射線画像情報の差を電気的に求めることにより、所望の部位における放射線画像情報の経時的変化等を把握するための処理である。この場合、前記センサを用いて蓄積性蛍光体シートの先端位置を検出し、その検出タイミングに基づいて放射線画像情報の読み取りを行うことにより、相互の位置関係が一致した放射線画像情報を得ることができる。
【0005】
しかしながら、ダイクロイックミラーを介して励起光をセンサに導くことで先端位置の検出を行う構成とした場合、ダイクロイックミラーにより生じる励起光のフレア光の影響により、読み取った放射線画像情報に筋むら等のアーチファクトが発生するおそれがある。
【0006】
すなわち、ダイクロイックミラーに入射した励起光は、ダイクロイックミラーのセンサ側の面で一部が反射され、フレア光として再び蓄積性蛍光体シートに戻される。この場合、フレア光は、蓄積性蛍光体シートから放射線画像情報を輝尽発光光として読み出すことになるため、所望の励起光によって得られた輝尽発光光に対してかぶりが生じることになる。このかぶりは、筋むら等のアーチファクトとして出現し、放射線画像情報の画像品質を低下させる要因となる。特に、高エネルギの励起光を用いて輝尽発光光を効率的に得るように構成した放射線画像情報読取装置においては、フレア光の影響も増大する。
【0007】
一方、特許文献3には、集光ミラーによる励起光の反射光が蓄積性蛍光体シートに再度照射されないよう、集光ミラーに励起光を吸収する励起光吸収フィルタを設けた放射線画像情報読取装置が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭55−12429号公報
【特許文献2】
特開平11−84551号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平4−3148号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献3に開示された放射線画像情報読取装置は、蓄積性蛍光体シートの先端位置を検出する構成としたものではない。従って、特許文献3の集光ミラーを介して励起光を検出する構成とした場合、励起光吸収フィルタによって励起光が吸収されてしまうため、センサに十分な光量の励起光が供給されず、適切な先端位置の検出を行うことはできない。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、蓄積性蛍光体シートの先端位置を確実に検出することができるとともに、画像品質の良好な高精度な放射線画像情報を得ることができる放射線画像情報読取装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により走査し、前記蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光を集光ガイドを介して光電変換器に導いて読み取る放射線画像情報読取装置において、
前記蓄積性蛍光体シート側の一方の面に、輝尽発光光を反射させて前記集光ガイドに導くとともに前記蓄積性蛍光体シートで反射した励起光を透過させるダイクロイックフィルタを有し、他方の面に励起光の反射を防止する励起光反射防止フィルタを有する光学部材と、
前記励起光反射防止フィルタを透過した前記励起光を検出する励起光検出センサと、
を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、蓄積性蛍光体シートによって反射され、光学部材に入射した励起光は、光学部材を透過して励起光検出センサに入射し、これによって蓄積性蛍光体シートの先端位置が検出される。この場合、光学部材の励起光検出センサ側の面には、励起光の反射を防止する励起光反射防止フィルタが設けられているため、入射した励起光の一部が反射されて蓄積性蛍光体シートに再度照射されることがない。従って、蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光にかぶりが生じることがなく、筋むら等のアーチファクトのない高精度な放射線画像情報を得ることができる。
【0013】
また、本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により走査し、前記蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光を集光ガイドを介して光電変換器に導いて読み取る放射線画像情報読取装置において、
前記蓄積性蛍光体シート側の一方の面に、輝尽発光光を反射させて前記集光ガイドに導くとともに前記蓄積性蛍光体シートで反射した励起光を透過させるダイクロイックフィルタを有する光学部材と、
前記光学部材の他方の面を透過した前記励起光を検出する励起光検出センサと、
前記光学部材の前記他方の面に一体に形成され、前記励起光検出センサに指向する面が、前記光学部材を透過して入射する前記励起光を前記蓄積性蛍光体シート側に反射しない傾斜角度に設定される光透過部材と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、光学部材の励起光検出センサ側に一体に形成した光透過部材を透過した励起光は、励起光検出センサに入射して蓄積性蛍光体シートの先端位置の検出が行われる。この場合、光透過部材の励起光検出センサ側の面は、蓄積性蛍光体シート側に励起光を反射しない傾斜角度に設定されているため、この面によって反射された励起光が蓄積性蛍光体シートに再度照射されることがない。従って、蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光にかぶりが生じることがなく、筋むら等のアーチファクトのない高精度な放射線画像情報を得ることができる。
【0015】
なお、光透過部材は、マウントに光学部材を接着する接着剤とし、励起光検出センサ側の接着剤の面を所定の傾斜角度に設定することにより、励起光のフレア光が蓄積性蛍光体シートに再度照射される事態を回避することができる。また、光透過部材を前記光学部材の一部によって構成すれば、光学部材と光透過部材との間に屈折率の差による反射面が形成されることがないため、フレア光の発生を一層好適に回避することができる。
【0016】
さらに、本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により走査し、前記蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光を集光ガイドを介して光電変換器に導いて読み取る放射線画像情報読取装置において、
前記蓄積性蛍光体シート側の一方の面に、輝尽発光光を反射させて前記集光ガイドに導くとともに前記蓄積性蛍光体シートで反射した励起光を透過させるダイクロイックフィルタを有し、他方の面に入射した励起光の一部を拡散反射する拡散面を有する光学部材と、
前記拡散面を透過した前記励起光を検出する励起光検出センサと、
を備えることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、光学部材の励起光検出センサ側の拡散面を透過した励起光は、励起光検出センサに入射して蓄積性蛍光体シートの先端位置の検出が行われる。この場合、励起光の一部は、光透過部材の励起光検出センサ側の面によって反射されるが、この面が拡散面であるため、蓄積性蛍光体シートに再度照射される励起光の強度は、著しく減衰される。従って、蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光に殆どかぶりが生じることがなく、筋むら等のアーチファクトのない高精度な放射線画像情報を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施形態の放射線画像情報読取装置20の構成を示す。放射線画像情報読取装置20を構成する筐体30の上部には、操作部およびモニタの機能を有するタッチパネル32が設けられ、タッチパネル32の下方には、複数の、例えば、4つのカセッテ34を着脱自在なカセッテ装填部36a〜36dが設けられる。
【0019】
カセッテ34は、蓄積性蛍光体シートIPを収容するケース40と、ケース40の開口部42を開閉自在とする蓋体44とを有する。なお、本実施形態で用いる蓄積性蛍光体シートIPは、図2に示すように、透明な支持体12上に放射線画像情報が蓄積記録される蓄積性蛍光体層14を形成したものとする。なお、支持体12は、透明な樹脂あるいは透明なガラス材で作製することができる。
【0020】
カセッテ装填部36a〜36dには、カセッテ34を載置するための支持台46が設けられるとともに、筐体30の内部を遮光するためのシャッター部材48が開閉自在に配置される。また、カセッテ装填部36a〜36dには、カセッテ34の位置を固定するカセッテ位置固定機構(図示せず)と、カセッテ34の蓋体44を開閉させる蓋体開閉機構(図示せず)とが組み込まれる。さらに、カセッテ装填部36a〜36dの内部には、カセッテ装填部36a〜36dの任意の1つに対応して配置され、任意のカセッテ34から蓄積性蛍光体シートIPを取り出す一方、読み取り消去後の蓄積性蛍光体シートIPをカセッテ34内に戻す昇降枚葉部50が装着される。昇降枚葉部50は、蓄積性蛍光体シートIPを枚葉するシート体枚葉機構52と、シート体枚葉機構52を上下方向(矢印A方向)に進退自在な昇降機構54とを備える。
【0021】
昇降枚葉部50を構成するシート体枚葉機構52には、蓄積性蛍光体シートIPを搬送するメイン搬送路60が連設される。メイン搬送路60は、昇降枚葉部50から下方向に延在した後、筐体30の下部において湾曲し、水平方向に延在して読取搬送路70に至る。なお、読取搬送路70を構成する第1および第2ローラ対80、82は、蓄積性蛍光体シートIPを挟持して矢印Y方向に副走査搬送する。
【0022】
読取搬送路70は、湾曲して上方向に延在した後、水平方向に延在する退避搬送路94に連設する。また、読取搬送路70と退避搬送路94との間には、消去搬送路96が連設される。消去搬送路96は、メイン搬送路60に連設しており、退避搬送路94から搬送された蓄積性蛍光体シートIPをメイン搬送路60に供給する。
【0023】
上方向に湾曲する読取搬送路70の内周側上部には、励起光走査ユニット64および上部読取ユニット66が配設される。また、読取搬送路70の外周側下部には、下部読取ユニット68が配設される。
【0024】
励起光走査ユニット64は、図示しないレーザ光源から出力された励起光Lを、ポリゴンミラー等によって矢印Y方向と直交する方向に偏向して蓄積性蛍光体シートIPに導いて走査する走査光学系72を有する。励起光Lが照射された蓄積性蛍光体シートIPからは、放射線画像情報を含む輝尽発光光R(図2参照)が出力される。
【0025】
上部読取ユニット66は、下端部の入射面が第1および第2ローラ対80、82間に近接して配置されるアクリル板等の透明体からなる集光ガイド84と、集光ガイド84の上端部の出射面に接続されるフォトマルチプライア等からなる光電変換器86とから構成される。光電変換器86は、集光ガイド84を介して導入された輝尽発光光Rを電気信号に変換する。
【0026】
下部読取ユニット68は、アクリル板等の透明体からなる集光ガイド98と、フォトマルチプライア等からなる光電変換器100とから構成される。集光ガイド98は、蓄積性蛍光体シートIPを透過した輝尽発光光Rを集光して光電変換器100に導く。
【0027】
上部読取ユニット66を構成する集光ガイド84の入射面に近接して、輝尽発光光Rを入射面に効率的に導く集光ユニット102が配設される。集光ユニット102は、図2〜図5に示すように構成される。
【0028】
集光ユニット102は、蓄積性蛍光体シートIPに対する励起光Lの走査方向に沿って長尺に形成されたミラーマウント104を有する。ミラーマウント104の集光ガイド84、98に指向した下部面105には、集光ミラー106(光学部材)が装着される。
【0029】
集光ミラー106は、蓄積性蛍光体シートIP側の一方の面(表面ともいう)に、輝尽発光光Rの波長域である400〜500nmの波長域の光を反射させて集光ガイド84、98に導くとともに、蓄積性蛍光体シートIPで反射した励起光Lの波長域である600〜700nmの波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ108を有し、他方の面(裏面ともいう)に励起光Lの波長域である600〜700nmの波長域の光の反射を防止する励起光反射防止フィルタ109を有する。
【0030】
ミラーマウント104の下部面105の一端寄りの部位には、背面部に貫通する長孔110が形成される。また、ミラーマウント104は、背面部側が中空状態に形成されており、この背面部には、集光ミラー106を透過した励起光Lを検出する励起光検出センサ111を備えたプリント基板112が収容される。励起光検出センサ111は、周囲が黒色の樹脂部材114によって囲繞され、ミラーマウント104に形成された長孔110に対応する位置に配設される。なお、励起光検出センサ111の入射面に対して励起光反射防止フィルタを形成するようにしてもよい。
【0031】
この場合、長孔110は、ミラーマウント104の長手方向に沿って長尺となるように形成されており、これにより、励起光検出センサ111の長孔110に対する取り付け位置の調整が容易となり、また、ミラーマウント104を、例えば、樹脂で成形する場合、成形時における樹脂の流れ方向に長尺であるため、長孔110の成形精度が向上する。なお、長孔110の長手方向の幅と短手方向の幅との比を、例えば、1.5:1、3:1、あるいは、長手方向の幅=8mm、短手方向の幅=4mmに設定すると好適である。
【0032】
プリント基板112には、励起光検出センサ111によって検出された励起光Lに係る信号を送信するための信号線であるフレキシブルケーブル116の一端部が接続される。フレキシブルケーブル116の他端部は、筐体30の内部に配設した壁部117に形成した孔部119を介してプリント基板121に接続される。なお、フレキシブルケーブル116のプリント基板121側の部位は、プリント基板121に対するフレキシブルケーブル116の接続面の表裏を間違えることのないよう、保持部材123によって壁部117に保持される。
【0033】
ミラーマウント104の中空の背面部には、両端部に回転軸118a、118bを有するブラケット120が装着される。なお、回転軸118bには、集光ミラー106が装着されたミラーマウント104を回転軸118a、118bを中心として回転させるためのモータ122が連結される。ブラケット120は、ミラーマウント104の上面部に形成した凹部124a、124bに係合する突片126a、126bを有する。凹部124a、124bには、長孔128a、128bが形成されており、ねじ130a、130bを突片126a、126bを介して長孔128a、128bに螺合することにより、ブラケット120とミラーマウント104との位置が調整された状態で結合される。
【0034】
さらに、ブラケット120には、放射線画像情報の読み取り時において上方向に指向して起立して配置され、必要に応じて上部読取ユニット66を構成する集光ガイド84、および、下部読取ユニット68を構成する集光ガイド98の入射面に付着した塵埃を除去する集光ガイド用ブラシ132が配設される。
【0035】
一方、集光ユニット102の上部には、下方向に垂下された状態で基板134に固定され、集光ユニット102を構成する集光ミラー106の反射面に付着した塵埃を除去する集光ミラー用ブラシ136が配設される。なお、放射線画像情報の読み取り時においては、集光ガイド用ブラシ132および集光ミラー用ブラシ136が接触可能な状態に配置される。
【0036】
さらにまた、基板134の上部には、ガイド板138が配設される。このガイド板138は、集光ユニット102から導出されてプリント基板121に接続されるフレキシブルケーブル116が、集光ユニット102の上部に配設された励起光走査ユニット64から出力された励起光Lの光路内に入ることを阻止するためのものである。
【0037】
退避搬送路94と消去搬送路96との間には、放射線画像情報読取装置20の全体の制御を行う制御回路92と、放射線画像情報の読み取られた蓄積性蛍光体シートIPに残存する放射線エネルギを消去する消去ユニット95とが配設される。消去ユニット95は、ケース97内に冷陰極蛍光管等からなる複数の消去光源99を収容して構成される。
【0038】
本実施形態の放射線画像情報読取装置20は、基本的には、以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0039】
先ず、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートIPを収容したカセッテ34をカセッテ装填部36a〜36dに装填する。カセッテ装填部36a〜36dに装填されたカセッテ34は、カセッテ34の位置を固定する機構によってその位置が固定された後、カセッテ34の蓋体44が開かれ、昇降枚葉部50によって蓄積性蛍光体シートIPがカセッテ34から枚葉される。枚葉された蓄積性蛍光体シートIPは、メイン搬送路60を介して読取搬送路70に供給される。
【0040】
読取搬送路70の第1および第2ローラ対80、82間には、励起光走査ユニット64の図示しないレーザ光源から出力された励起光Lがポリゴンミラー等によって主走査方向に偏向走査されており、励起光Lが蓄積性蛍光体シートIPの先端部に照射され、その先端位置が集光ユニット102によって検出されることにより、放射線画像情報の読み取りが開始される。なお、集光ユニット102の作用効果の詳細については、後述する。
【0041】
読取搬送路70に供給された蓄積性蛍光体シートIPは、第1および第2ローラ対80、82によって挟持され、矢印Y方向に副走査搬送される。一方、励起光走査ユニット64から出力された励起光Lは、蓄積性蛍光体シートIPを主走査する。
【0042】
励起光Lが照射された蓄積性蛍光体シートIPは、放射線画像情報を含む輝尽発光光Rを出力する。蓄積性蛍光体シートIPの上面側から出力された輝尽発光光Rは、図5に示すように、集光ガイド84の入射面に直接入射するとともに、集光ミラー106に形成されたダイクロイックフィルタ108よって反射されて集光ガイド84の入射面に入射した後、出射面から光電変換器86に導かれ、電気信号に変換される。また、蓄積性蛍光体シートIPを透過して下面側に出力された輝尽発光光Rは、集光ガイド98の入射面に入射して光電変換器100に導かれ、電気信号に変換される。光電変換器86および100によって得られた放射線画像情報に係る電気信号は、制御回路92によって処理された後、ネットワークを介して外部の画像情報処理装置に転送される。
【0043】
読み取りが終了した蓄積性蛍光体シートIPは、読取搬送路70から一旦退避搬送路94に搬送された後、消去搬送路96に供給される。なお、読み取りが終了した蓄積性蛍光体シートIPを一旦退避搬送路94に搬送する間、次の蓄積性蛍光体シートIPを読取搬送路70に供給して読取処理を行うことができる。
【0044】
消去搬送路96に供給された蓄積性蛍光体シートIPには、消去ユニット95を構成する消去光源99から消去光が照射され、残存する放射線画像情報が消去される。消去後の蓄積性蛍光体シートIPは、メイン搬送路60を介して昇降枚葉部50まで搬送された後、所望のカセッテ34に戻される。
【0045】
次に、集光ユニット102の作用効果について詳細に説明する。
【0046】
本実施形態の放射線画像情報読取装置20では、集光ユニット102に励起光検出センサ111を収容し、この励起光検出センサ111を用いて蓄積性蛍光体シートIPの先端位置の検出を行うことにより、異なる蓄積性蛍光体シートIPからの放射線画像情報の読取開始タイミングを高精度に一致させることができる。
【0047】
すなわち、図5に示すように、蓄積性蛍光体シートIPが矢印Y方向に搬送され、その先端部が励起光Lの光路に進入すると、励起光Lの一部が蓄積性蛍光体シートIPの先端部の表面によって反射される。蓄積性蛍光体シートIPによって反射された励起光L1は、集光ミラー106の表面に形成されたダイクロイックフィルタ108および集光ミラー106の裏面に形成された励起光反射防止フィルタ109を透過し、ミラーマウント104に形成された長孔110を介して励起光検出センサ111に入射する。励起光検出センサ111は、励起光L1を電気信号に変換し、フレキシブルケーブル116を介してプリント基板121に送信する。
【0048】
プリント基板121に接続された制御回路92は、励起光検出センサ111が励起光L1を検出したタイミングを読取開始タイミングとして光電変換器86および100を制御し、蓄積性蛍光体シートIPから得られた輝尽発光光Rの処理を開始する。この場合、異なる蓄積性蛍光体シートIPに記録された放射線画像情報の読み取りを同一の位置から開始することができるため、例えば、同一の被写体の放射線画像情報を異なる蓄積性蛍光体シートIPから取得してサブトラクション処理を行う際、放射線画像情報同士の読取位置を高精度に一致させることができる。
【0049】
一方、集光ユニット102は、蓄積性蛍光体シートIPの先端位置を検出した後、不要な輝尽発光光Rの発生を回避し、蓄積性蛍光体シートIPから得られる必要な輝尽発光光Rを集光ガイド84、98を介して光電変換器86、100に導くため、高精度な放射線画像情報を得ることができる。
【0050】
すなわち、図6に示すように、励起光Lが照射されることにより、蓄積性蛍光体シートIPのP点近傍から出力された輝尽発光光Rは、集光ガイド84、98の入射面に直接入射するとともに、集光ミラー106に形成されたダイクロイックフィルタ108よって反射されて集光ガイド84の入射面に入射する。
【0051】
この場合、蓄積性蛍光体シートIPの表面によって反射された励起光L1が集光ミラー106の裏面で反射され、励起光L2として蓄積性蛍光体シートIPに再照射されると、例えば、蓄積性蛍光体シートIPのP1点近傍から出力された不要な輝尽発光光R1が集光ガイド84、98に導かれてしまう。
【0052】
しかしながら、集光ミラー106の裏面には、励起光L1の反射を防止する励起光反射防止フィルタ109が形成されているため、励起光L1の殆どが集光ミラー106を透過し、蓄積性蛍光体シートIPに再度入射することがない。従って、集光ガイド84、98には正規の読取位置であるP点からの輝尽発光光Rのみが入射するため、輝尽発光光Rにかぶりが生じることがなく、筋むら等のアーチファクトのない高精度な放射線画像情報を得ることができる。
【0053】
図7は、図6に示す励起光反射防止フィルタ109に代えて、集光ミラー106をミラーマウント104に接着するために使用した接着剤150(光透過部材)を、集光ミラー106に密着させた状態で長孔110の一部に注入して構成した実施形態を示す。この場合、接着剤150における励起光検出センサ111側の面154の蓄積性蛍光体シートIPに対する傾斜角度θは、面154によって反射された励起光L2が蓄積性蛍光体シートIPに再度入射しない角度に設定する。すなわち、面154の傾斜角度θは、蓄積性蛍光体シートIPによって反射された励起光L2の蓄積性蛍光体シートIPに対する反射角度をαとして、θ>90°−α/2となるように設定する。なお、接着剤150は、透明で且つ集光ミラー106の屈折率と略同等の屈折率を有するものを選択することが望ましい。
【0054】
集光ユニット102をこのように構成することにより、集光ミラー106の裏面の反射面が実質上消失し、また、接着剤150の面154によって反射された励起光L2は、蓄積性蛍光体シートIPに再度入射することがないため、不要な輝尽発光光R1の発生が回避され、必要な輝尽発光光Rのみを得ることができる。
【0055】
図8は、図7に示す接着剤150を長孔110に注入する代わりに、集光ミラー113の裏面の一部を突出させて長孔110に挿入形成し、その突出部115における励起光検出センサ111側の面157の蓄積性蛍光体シートIPに対する傾斜角度θを、面157によって反射された励起光L2が蓄積性蛍光体シートIPに再度入射しない角度に設定した実施形態を示す。なお、面157の傾斜角度θは、図7に示す接着剤150の面154と同様にして設定する。
【0056】
集光ユニット102をこのように構成することにより、集光ミラー113の突出部115の面157によって反射された励起光L2は、蓄積性蛍光体シートIPに再度入射することがないため、不要な輝尽発光光R1の発生が回避され、必要な輝尽発光光Rのみを得ることができる。
【0057】
さらに他の実施形態として、集光ミラー106の裏面に励起光反射防止フィルタ109を形成する代わりに裏面を拡散面とし、あるいは、接着剤150の面154や突出部115の面157を拡散面とし、入射した励起光L1を拡散して反射させるように構成することにより、蓄積性蛍光体シートIPに再度照射される励起光L2の強度を著しく減衰させ、不要な輝尽発光光R1の発生を回避することができる。
【0058】
なお、以上説明した集光ミラー106、113は、透明な樹脂あるいは透明なガラス材で作製することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、蓄積性蛍光体シートによって反射された励起光を用いて蓄積性蛍光体シートの先端位置を確実に検出することができるとともに、前記励起光が蓄積性蛍光体シートに再度照射される事態を回避し、必要な輝尽発光光のみを読み取って画像品質の良好な高精度な放射線画像情報を得ることが可能な放射線画像情報読取装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の放射線画像情報読取装置の構成図である。
【図2】図1に示す集光ユニット近傍の一部断面図である。
【図3】図1に示す集光ユニットの分解斜視図である。
【図4】図1に示す集光ユニットの一部の構成斜視図である。
【図5】蓄積性蛍光体シートの先端位置検出時における集光ユニットの要部拡大断面説明図である。
【図6】蓄積性蛍光体シートからの放射線画像情報読取時における集光ユニットの要部拡大断面説明図である。
【図7】蓄積性蛍光体シートからの放射線画像情報読取時における他の実施形態の集光ユニットの要部拡大断面説明図である。
【図8】蓄積性蛍光体シートからの放射線画像情報読取時におけるさらに他の実施形態の集光ユニットの要部拡大断面説明図である。
【符号の説明】
20…放射線画像情報読取装置 64…励起光走査ユニット
66…上部読取ユニット 68…下部読取ユニット
72…走査光学系 84、98…集光ガイド
86、100…光電変換器 92…制御回路
102…集光ユニット 104…ミラーマウント
106、113…集光ミラー 108…ダイクロイックフィルタ
109…励起光反射防止フィルタ 110…長孔
111…励起光検出センサ 115…突出部
150…接着剤 154、157…面
IP…蓄積性蛍光体シート L、L1、L2…励起光
R、R1…輝尽発光光
Claims (5)
- 放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により走査し、前記蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光を集光ガイドを介して光電変換器に導いて読み取る放射線画像情報読取装置において、
前記蓄積性蛍光体シート側の一方の面に、輝尽発光光を反射させて前記集光ガイドに導くとともに前記蓄積性蛍光体シートで反射した励起光を透過させるダイクロイックフィルタを有し、他方の面に励起光の反射を防止する励起光反射防止フィルタを有する光学部材と、
前記励起光反射防止フィルタを透過した前記励起光を検出する励起光検出センサと、
を備えることを特徴とする放射線画像情報読取装置。 - 放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により走査し、前記蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光を集光ガイドを介して光電変換器に導いて読み取る放射線画像情報読取装置において、
前記蓄積性蛍光体シート側の一方の面に、輝尽発光光を反射させて前記集光ガイドに導くとともに前記蓄積性蛍光体シートで反射した励起光を透過させるダイクロイックフィルタを有する光学部材と、
前記光学部材の他方の面を透過した前記励起光を検出する励起光検出センサと、
前記光学部材の前記他方の面に一体に形成され、前記励起光検出センサに指向する面が、前記光学部材を透過して入射する前記励起光を前記蓄積性蛍光体シート側に反射しない傾斜角度に設定される光透過部材と、
を備えることを特徴とする放射線画像情報読取装置。 - 請求項2記載の装置において、
前記光透過部材は、マウントに前記光学部材を接着する接着剤からなることを特徴とする放射線画像情報読取装置。 - 請求項2記載の装置において、
前記光透過部材は、前記光学部材の一部により構成され、前記他方の面が前記傾斜角度だけ傾斜してなる傾斜面を形成することを特徴とする放射線画像情報読取装置。 - 放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により走査し、前記蓄積性蛍光体シートから得られた輝尽発光光を集光ガイドを介して光電変換器に導いて読み取る放射線画像情報読取装置において、
前記蓄積性蛍光体シート側の一方の面に、輝尽発光光を反射させて前記集光ガイドに導くとともに前記蓄積性蛍光体シートで反射した励起光を透過させるダイクロイックフィルタを有し、他方の面に入射した励起光の一部を拡散反射する拡散面を有する光学部材と、
前記拡散面を透過した前記励起光を検出する励起光検出センサと、
を備えることを特徴とする放射線画像情報読取装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003068722A JP2004279593A (ja) | 2003-03-13 | 2003-03-13 | 放射線画像情報読取装置 |
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JP2013517472A (ja) * | 2010-01-12 | 2013-05-16 | ランダウアー インコーポレイテッド | 線量計リーダー用光学システム |
JP2016218385A (ja) * | 2015-05-26 | 2016-12-22 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 光走査装置及び画像形成装置 |
-
2003
- 2003-03-13 JP JP2003068722A patent/JP2004279593A/ja active Pending
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