JP2004279235A - フィルム状試験片の引張り弾性率測定方法 - Google Patents

フィルム状試験片の引張り弾性率測定方法 Download PDF

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和夫 田中
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Abstract

【課題】比較的高い引張り弾性率有する薄いフィルムについても、効率的に高精度な測定が可能であるという優れた特徴を有するフィルム状試験片の引張り弾性率測定方法を提供する。
【解決手段】フィルム状試験片の引張り弾性率測定法であって、フィルム状試験片をつかみ具に挟持する際、同一試験片を収束し、上部つかみ具に設けた当て板に沿って挟持させることにより、試験片の主軸がつかみ具の中心線を通り、引張り方向に沿って鉛直に短時間で正確に挟持する方法と、つかみ具のフェース面に特定の粒度粗さをもったシート状研磨材を貼り付けたつかみ具を用いるフィルム状試験片の引張り弾性率の測定方法。
好ましい具体例として、同一フィルム試験片を、最低5枚を1組として収束し、長手方向の片方端部を熱融着し一体化させ、上部つかみ具の当て板に沿って挟持させる場合をあげることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム状試験片の引張り弾性率測定方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、比較的高い引張り弾性率を有するフィルムについて、効率的に高精度な測定が可能なフィルム状試験片の引張り弾性率測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種フィルムについて、引張り弾性率は重要な物性のひとつである。引張り弾性率の測定は、JISK7127の「プラスチックフィルム及びシートの引張り試験方法」に準拠し、引張り試験機により測定する。これは短冊型のフィルム状試験片を引張り試験機のつかみ具に挟持させ、一定速度のもとに引張り、弾性変形域内の規定するひずみに達するときまでの荷重−伸び曲線の初期の弾性勾配から求める方法である。ところが従来の方法によると、厚みが薄くて自立性がないフィルム状試験片を1枚づつ、試験片の主軸がつかみ具の中心線を通り、かつ引張り方向に沿って鉛直に正確に挟持するのは非常に厄介で時間がかかり、大変効率が悪く、また二軸延伸ポリプロフィルムのように薄くて腰の強いフィルムは、試験片を挟持させて引張る際に試験片が滑り、弾性勾配が小さくなったり、直線性でなくなったりして正確な引張り弾性率を得難いという問題があった。
【0003】
たとえば、特許文献1には、滑り止めのためのサンドペーパーを貼り付けた例が報告されているが、サンドペーパーの粒度粗さを特定しないと正確な測定値が得られない。すなわち、粒度の粗いものは、フィルム状試験片の締め付けが不均一になり、挟持力が低下する。締め付けをきつくしても、つかみ具近傍に縦皺がはいり、正確な測定値が得られない。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−264830号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状において、本発明が解決しようとする課題は、引張り弾性率に関するものである。更に詳しくは、本発明は、比較的高い引張り弾性率を有するフィルムについても効率的に高精度の測定が可能であるという優れた特徴を有する引張り弾性率測定方法を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、フィルム状試験片の引張り弾性率測定法であって、フィルム状試験片をつかみ具に挟持する際、試験片の主軸がつかみ具の中心線を通り引張り方向に沿って鉛直に短時間で正確に挟持する方法と、つかみ具のフェース面に特定の粒度粗さをもったシート状研磨材を貼り付けたつかみ具を用いるフィルム状試験片の引張り弾性率の測定方法に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
フィルム状試験片の引張り弾性率を測定する装置としての引張り試験機は、公知であり、市販されている(たとえば、安田精機製作所製「オートストレイン No.216YZタイプ」等)。本発明においても、つかみ具フェース面以外の部分は、該市販品を用いることができる。
【0008】
本発明のフィルム状試験片の引張り弾性率測定において、フィルム状試験片を試験片の主軸がつかみ具の中心を通り、引張り方向に沿って鉛直に短時間で正確に挟持する方法として、同一フィルム試験片を、最低5枚を1組として形状を揃えて収束し、試験片の長手方向の片方端部を熱融着し一体化させる。一方上部つかみ具には、試験片の主軸がつかみ具の中心線を通るように、つかみ具の片側端部から一定距離を計測した当て板を、つかみ部の上側・下側面面にそれぞれ貼りつけ、それに沿って、収束したフィルム試験片の短部の片方を、縦皺が入らないよう静かに当てて挟持すると、試験片の主軸がつかみ具の中心を通り、引張り方向に沿って鉛直に短時間で正確に挟持することができる。当て板は軽量のものが好ましく、厚さ0.3mm以上の紙等が適当である。
【0009】
従来のつかみ具フェース面は、試験中に試験片が滑りをおこさないように、フェース面に切り込みを入れたり、やすり状に加工したりして、試験片を確実につかむための対策がなされている。またフェース面にラバーや布を貼り付け、さらに挟持力を強化したものも市販されている。
【0010】
ところが、つかみ具フェース面に切り込み等を入れたつかみ具で直接挟持しても、締め付けが弱いとフィルム試験片が滑り、また締め付け過ぎるとつかみ具近傍の試験片に縦皺が入り、締め付け力が変わると値が変わるという欠点があった。また本測定用には比較的荷重容量の小さい検出器を用いるため、つかみ具も軽い金属製のものを使用している。本事例ではアルミ製を使用しており、長期に繰り返し使用していくと、表面が滑らかになったり、つかみ具自体が変形したりして本来の挟持力の低下をきたす。
【0011】
つかみ具にラバーを貼り付けたものは、締め付け力が一定となり、ばらつきが小さくなるが、引張り時にラバーの変形により応力が緩和され値が小さくなるという欠点がある。
【0012】
また、前記特許文献1には、滑り止めのためのサンドペーパーを貼り付けた例が報告されているが、サンドペーパーの粒度粗さを特定しないと正確な測定値が得られない。すなわち、粒度の粗いものは、フィルム状試験片の締め付けが不均一になり、挟持力が低下する。締め付けをきつくしても、つかみ具近傍に縦皺がはいり、正確な測定値が得られない。
【0013】
一方、本発明の特定の粒度を持ったシート状研磨材を貼り付けたものは、締め付け力の変化に対し一定力で締め付けられ、かつフィルムの滑りもなく、比較的高い引張り弾性率を有するフィルム状試験片においても、測定値のばらつきが小さく、高精度の引張り弾性率の測定が可能である。シート状研磨材の粒度粗さは150以上が好ましい。なお、測定に際しては、つかみ具のフェース面に貼り付け、その上からフィルムを挟持する。
【0014】
測定方法は、通常の引張り弾性率の場合と同様である。詳細は実施例1に記載するとおりである。
【0015】
本発明が対象とするフィルムとしては、特に制限はないが、例えば、食品包装用フィルム、繊維包装用フィルム、タバコ包装用フィルム、電気コンデンサー用フィルム等を例示することができる。
【0016】
また、本発明が対象とするフィルムの製法は、特に限定されるものではなく、公知の方法、例えば、二軸延伸フィルム法、一軸延伸フィルム法、インフレーション法やキャスト法による共押出積層法、押出しラミネーション法、サンドラミネーション法、ドライラミネーション法等を用いることができる。
【0017】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
フィルム状試験片として、ポリプロピレン二軸延伸フィルム(東洋紡製、商品名パイレンP2241、厚さ20μm)から、幅20mm長さ120mmの試験片を縦方向(MD)および横方向(TD)を5枚採取した。それをそれぞれ1組として長手方向の端部を電動シーラー(富士インパルス社製 形式M300−4型)を用いて、試験片がカールしないように、加熱調整時間2.5秒、冷却時間10秒の条件で片方端部のみシールし、他をフリーとした。
測定は、シールした5枚1組のフィルム状試験片のシール部を上側にして、試験片の短部の片方を上側(固定側)つかみ具の当て板に縦皺が入らないように静かに当てて挟持した。下側(移動側)つかみ具には、一試験片毎にフリーの状態の試験片を1枚づつ、試験片の主軸がつかみ具の中心線を通り、引張り方向に沿って鉛直に挟時し測定した。下側つかみ具に挟持する際、試験片に皺やたるみが生じないように、JISK7161−1「プラスチック−引張特性の試験方法 第1部:通則」の9.4に記載の試験開始時の残留応力を超えない範囲内で、わずかに試験片を引張って挟持した。
【0018】
測定後の試験片は、他の試験片を傷つけぬようはさみで切断し廃棄した。上記操作をMD方向、TD方向とも5回づつ繰り返した。
引張り試験機のつかみ具は、フェース面にシート状研磨材(永塚工業製 商品名 王冠印研磨布AA240 粒度240 厚み500μm)を紙両面テープ(ニチバン製 商品名 ナイスタックNW−20)で貼り付けたものを使用した。
上記試験片をチャック間隔60mm、引張り速度5mm/分で引張り、荷重−伸び曲線の初期の直線から,コンピュータにより引張り弾性率を計算した。データ処理ソフトは、オリエンテックのテンシロン多機能型データ処理(TY−NM−047)を使用した。伸びの0.01mmを開始点とし、伸びが0.5mmまで、0.01mm間隔毎の荷重を求め、測定間隔毎の荷重差から傾きを求め、傾きの最大値から2,3,4番目を元データとして、最小二乗法により直線化し求めた。縦方向(MD)および横方向(TD)であわせて、測定時間は12分であった。得られたの評価結果を表1に示す。
【0019】
比較例1
つかみ具は、当て板を貼り付けないものを使用し、試験片を1枚づつ挟持させて測定した他は、実施例1と同じ方法で行った。測定時間は25分であった。結果を表1に示した。
【0020】
比較例2
つかみ具のフェース板に粒度の粗いシート状研磨材(永塚工業製 商品名 王冠印研磨布粒度AA100 粒度100 厚み500μm)を貼り付けたものを使用した他は、すべて実施例1と同じ方法で行った。結果を表1に示した。
【0021】
比較例3
つかみ具のフェース面には研磨材を貼り付けず、他は実施例1と同じ方法で行った。結果を表1に示した。
【0022】
【表1】
フィルム引張り弾性率測定結果
Figure 2004279235
引張り弾性率はn=5の平均値
【0023】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、比較的高い引張り弾性率有する薄いフィルムについても、効率的に高精度な測定が可能であるという優れた特徴を有するフィルム状試験片の引張り弾性率測定方法を提供することができた。

Claims (3)

  1. フィルム状試験片の引張り弾性率測定法であって、フィルム状試験片をつかみ具に挟持する際、同一試験片を収束し、上部つかみ具に設けた当て板に沿って挟持させることにより、試験片の主軸がつかみ具の中心線を通り、引張り方向に沿って鉛直に短時間で正確に挟持する方法と、つかみ具のフェース面に特定の粒度粗さをもったシート状研磨材を貼り付けたつかみ具を用いるフィルム状試験片の引張り弾性率の測定方法。
  2. 同一フィルム試験片を、最低5枚を1組として収束し、長手方向の片方端部を熱融着し一体化させ、上部つかみ具の当て板に沿って挟持させる請求項1記載の試験方法。
  3. 粒度が150以上の粗さをもったシート状研磨材を、つかみ具のフェース面に貼り付けた請求項1記載の試験方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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