JP2012247208A - 薄膜脆性材料の引張試験方法、及び薄膜脆性材料の引張試験装置 - Google Patents
薄膜脆性材料の引張試験方法、及び薄膜脆性材料の引張試験装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】薄膜脆性材料の試験片の被挟持部を破損させることなく、破断強度を適正に測定する。
【解決手段】薄膜脆性材料からなる試験片Pの長手方向Zの両端部を2つの挟持具51,51で挟持し、当該2つの挟持具51,51を長手方向Zに沿って互いに離間させて試験片Pに引張応力を作用させる。2つの挟持具51,51と、当該2つの挟持具51,51に挟持される試験片Pの両主面との間に、紙又は樹脂基材の緩衝シートSをそれぞれ介在させる。
【選択図】図3
【解決手段】薄膜脆性材料からなる試験片Pの長手方向Zの両端部を2つの挟持具51,51で挟持し、当該2つの挟持具51,51を長手方向Zに沿って互いに離間させて試験片Pに引張応力を作用させる。2つの挟持具51,51と、当該2つの挟持具51,51に挟持される試験片Pの両主面との間に、紙又は樹脂基材の緩衝シートSをそれぞれ介在させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、薄膜脆性材料の引張試験方法、及び薄膜脆性材料の引張試験装置に関する。
従来、セラミックスやガラスなどの脆性材料の破断強度は、曲げ試験によって測定されている(例えば、特許文献1参照)。この曲げ試験では、図4に示すように、試験片Tpの下面両端を2つの支持台St,Stで支持した状態で、試験片Tpの上面中央に荷重を掛けることにより、試験片Tpの湾曲外周面に引張応力を作用させている。
しかしながら、例えば厚さ数百μm以下といった極めて薄い薄膜脆性材料の破断強度を上記のような曲げ試験によって測定する場合には、以下のような問題がある。
第一に、破断までの曲げ量が増加する(破断する曲率半径が小さくなる)ため、試験片Tpを均一の曲率で湾曲させることが困難になり、ひいては測定精度が低下してしまう。
第二に、破断までの曲げ量の増加に伴って、荷重を掛ける過程で評価面である試験片Tpの湾曲外周面が支持台St,Stと擦れやすくなるため、この擦れによって評価面に付いた傷が破断の起点になるなどして、測定精度が低下してしまう。
第三に、脆性材料においては、主に微細なクラックに応力が集中して破断に至るために、破断強度が寸法依存性を有しているところ、薄膜脆性材料の試験片Tpでは厚いものに比べて支点間距離Lが制限されるため、この支点間距離Lと実用上の長さとの乖離が大きくなる。その結果、測定結果を用いて実用上の長さでの破断強度を外挿するときに、誤差が大きくなってしまう。
第一に、破断までの曲げ量が増加する(破断する曲率半径が小さくなる)ため、試験片Tpを均一の曲率で湾曲させることが困難になり、ひいては測定精度が低下してしまう。
第二に、破断までの曲げ量の増加に伴って、荷重を掛ける過程で評価面である試験片Tpの湾曲外周面が支持台St,Stと擦れやすくなるため、この擦れによって評価面に付いた傷が破断の起点になるなどして、測定精度が低下してしまう。
第三に、脆性材料においては、主に微細なクラックに応力が集中して破断に至るために、破断強度が寸法依存性を有しているところ、薄膜脆性材料の試験片Tpでは厚いものに比べて支点間距離Lが制限されるため、この支点間距離Lと実用上の長さとの乖離が大きくなる。その結果、測定結果を用いて実用上の長さでの破断強度を外挿するときに、誤差が大きくなってしまう。
上記の問題は、何れも試験片Tpを湾曲させることに伴うものであるため、曲げ試験ではなく、引張試験により適正に破断強度を測定することができれば解決可能である。
しかし、極めて薄い薄膜脆性材料を試験片として引張試験を行う場合には、試験片両端の被挟持部が挟持具によって破損されやすく、試験の実施が困難であった。
しかし、極めて薄い薄膜脆性材料を試験片として引張試験を行う場合には、試験片両端の被挟持部が挟持具によって破損されやすく、試験の実施が困難であった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、薄膜脆性材料の試験片の被挟持部を破損させることなく、破断強度を適正に測定することができる薄膜脆性材料の引張試験方法、及び薄膜脆性材料の引張試験装置の提供を課題とする。
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
薄膜脆性材料からなる試験片の長手方向の両端部を2つの挟持具で挟持し、当該2つの挟持具を前記長手方向に沿って互いに離間させて前記試験片に引張応力を作用させる薄膜脆性材料の引張試験方法であって、
前記2つの挟持具と、当該2つの挟持具に挟持される前記試験片の両主面との間に、紙又は樹脂基材の緩衝シートをそれぞれ介在させることを特徴とする。
薄膜脆性材料からなる試験片の長手方向の両端部を2つの挟持具で挟持し、当該2つの挟持具を前記長手方向に沿って互いに離間させて前記試験片に引張応力を作用させる薄膜脆性材料の引張試験方法であって、
前記2つの挟持具と、当該2つの挟持具に挟持される前記試験片の両主面との間に、紙又は樹脂基材の緩衝シートをそれぞれ介在させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の薄膜脆性材料の引張試験方法において、
前記2つの挟持具として、それぞれ1対の挟持部材からなるものを用い、
前記1対の挟持部材のうちの少なくとも一方として、
前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿って延在するとともに、
前記試験片を挟持する挟持面が頂部を前記幅方向に沿って延在させた蒲鉾状に形成されているものを用いることを特徴とする。
前記2つの挟持具として、それぞれ1対の挟持部材からなるものを用い、
前記1対の挟持部材のうちの少なくとも一方として、
前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿って延在するとともに、
前記試験片を挟持する挟持面が頂部を前記幅方向に沿って延在させた蒲鉾状に形成されているものを用いることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の薄膜脆性材料の引張試験方法において、
前記1対の挟持部材として、
前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿ってそれぞれ延在するとともに、
前記試験片を挟持する挟持面が頂部を前記幅方向に沿って延在させた蒲鉾状にそれぞれ形成され、前記頂部の前記長手方向の位置が互いに略一致するものを用いることを特徴とする。
前記1対の挟持部材として、
前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿ってそれぞれ延在するとともに、
前記試験片を挟持する挟持面が頂部を前記幅方向に沿って延在させた蒲鉾状にそれぞれ形成され、前記頂部の前記長手方向の位置が互いに略一致するものを用いることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の薄膜脆性材料の引張試験方法において、
前記緩衝シートとして、前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿った長さが前記試験片の幅よりも短いものを用い、
当該緩衝シートを前記試験片の幅方向の中央に配置することを特徴とする。
前記緩衝シートとして、前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿った長さが前記試験片の幅よりも短いものを用い、
当該緩衝シートを前記試験片の幅方向の中央に配置することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の薄膜脆性材料の引張試験方法において、
前記緩衝シートとして、前記幅方向に沿った長さが前記試験片の幅の70〜99%であるものを用いることを特徴とする。
前記緩衝シートとして、前記幅方向に沿った長さが前記試験片の幅の70〜99%であるものを用いることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の薄膜脆性材料の引張試験方法において、
前記緩衝シートとして、表面に粘着層を有するものを用いることを特徴とする。
前記緩衝シートとして、表面に粘着層を有するものを用いることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の薄膜脆性材料の引張試験方法において、
前記緩衝シートの厚さが30〜300μmであることを特徴とする。
前記緩衝シートの厚さが30〜300μmであることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、
薄膜脆性材料からなる試験片の長手方向の両端部を挟持する2つの挟持具を備え、当該2つの挟持具を前記長手方向に沿って互いに離間させて前記試験片に引張応力を作用させる薄膜脆性材料の引張試験装置であって、
前記2つの挟持具は、当該2つの挟持具と前記試験片の両主面との間に紙又は樹脂基材の緩衝シートをそれぞれ介在させて当該両主面を挟持することを特徴とする。
薄膜脆性材料からなる試験片の長手方向の両端部を挟持する2つの挟持具を備え、当該2つの挟持具を前記長手方向に沿って互いに離間させて前記試験片に引張応力を作用させる薄膜脆性材料の引張試験装置であって、
前記2つの挟持具は、当該2つの挟持具と前記試験片の両主面との間に紙又は樹脂基材の緩衝シートをそれぞれ介在させて当該両主面を挟持することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の薄膜脆性材料の引張試験装置において、
前記2つの挟持具は、それぞれ1対の挟持部材からなり、
前記1対の挟持部材のうちの少なくとも一方は、
前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿って延在するとともに、
前記試験片を挟持する挟持面が頂部を前記幅方向に沿って延在させた蒲鉾状に形成されていることを特徴とする。
前記2つの挟持具は、それぞれ1対の挟持部材からなり、
前記1対の挟持部材のうちの少なくとも一方は、
前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿って延在するとともに、
前記試験片を挟持する挟持面が頂部を前記幅方向に沿って延在させた蒲鉾状に形成されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の薄膜脆性材料の引張試験装置において、
前記1対の挟持部材は、
前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿ってそれぞれ延在するとともに、
前記試験片を挟持する挟持面が頂部を前記幅方向に沿って延在させた蒲鉾状にそれぞれ形成され、前記頂部の前記長手方向の位置が互いに略一致することを特徴とする。
前記1対の挟持部材は、
前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿ってそれぞれ延在するとともに、
前記試験片を挟持する挟持面が頂部を前記幅方向に沿って延在させた蒲鉾状にそれぞれ形成され、前記頂部の前記長手方向の位置が互いに略一致することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項8〜10の何れか一項に記載の薄膜脆性材料の引張試験装置において、
前記緩衝シートは、前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿った長さが前記試験片の幅よりも短く、前記試験片の幅方向の中央に配置されていることを特徴とする。
前記緩衝シートは、前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿った長さが前記試験片の幅よりも短く、前記試験片の幅方向の中央に配置されていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の薄膜脆性材料の引張試験装置において、
前記緩衝シートは、前記幅方向に沿った長さが前記試験片の幅の70〜99%であることを特徴とする。
前記緩衝シートは、前記幅方向に沿った長さが前記試験片の幅の70〜99%であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項8〜12の何れか一項に記載の薄膜脆性材料の引張試験装置において、
前記緩衝シートは、表面に粘着層を有することを特徴とする。
前記緩衝シートは、表面に粘着層を有することを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項8〜13の何れか一項に記載の薄膜脆性材料の引張試験装置において、
前記緩衝シートは、厚さが30〜300μmであることを特徴とする。
前記緩衝シートは、厚さが30〜300μmであることを特徴とする。
本発明によれば、試験片の両端部を挟持する2つの挟持具と、当該2つの挟持具に挟持される試験片の両主面との間に、紙又は樹脂基材の緩衝シートをそれぞれ介在させるので、硬い挟持具が試験片に直接接触することを防ぎ、試験片の被挟持部での破損を防止することができる。また、2つの挟持具を離間させて試験片に長手方向への引張応力を作用させたときに、幅方向の応力分布の偏りに応じて、緩衝シートを介して試験片と挟持具とが僅かに滑るため、幅方向の応力分布を均等化することができ、ひいては試験片の破断強度を適正に測定することができる。
以下、本発明の実施形態について、図を参照して説明する。
図1は、本実施形態における薄膜脆性材料の引張試験装置(以下、単に引張試験装置という)1の概略構成を示す外観図である。
この図に示すように、引張試験装置1は、極めて薄い薄膜脆性材料の試験片Pに引張応力を作用させて当該試験片Pの破断強度を測定する装置であり、荷重台2と、XYテーブル3と、ロードセル4と、2つのチャック装置5,5とを備えている。
この図に示すように、引張試験装置1は、極めて薄い薄膜脆性材料の試験片Pに引張応力を作用させて当該試験片Pの破断強度を測定する装置であり、荷重台2と、XYテーブル3と、ロードセル4と、2つのチャック装置5,5とを備えている。
このうち、荷重台2は、2つの側壁21,21と、この側壁21,21に跨設された天板22と、側壁21,21の下部に固定された底板23とを備えている。天板22は、図示しない駆動源により、側壁21,21に対して上下方向へ移動可能に構成されている。
XYテーブル3は、天板22の下面に、水平面内で移動可能なように取り付けられている。
ロードセル4は、下方に突出した負荷軸41に掛かる上下方向の荷重を計測可能なものであり、XYテーブル3の下面に固定されている。
XYテーブル3は、天板22の下面に、水平面内で移動可能なように取り付けられている。
ロードセル4は、下方に突出した負荷軸41に掛かる上下方向の荷重を計測可能なものであり、XYテーブル3の下面に固定されている。
2つのチャック装置5,5は、上下方向に並設されており、このうち上側のチャック装置5が自在継手6を介してロードセル4の負荷軸41と連結され、下側のチャック装置5が底板23の上面に固定されている。これらチャック装置5,5は、互いに上下に対向する位置に、試験片Pの端部を挟持する挟持具51をそれぞれ備えている。
ここで、本実施形態における試験片Pは、厚さ200μm以下の薄膜ガラスであり、長さが約150mm、幅が20〜50mmとなっているが、本発明に係る薄膜脆性材料の引張試験方法及び引張試験装置で試験可能な試験片としては、厚さが200μm以下であればよく、長さ及び幅はこれらの範囲に限定されるものではない。
図2は、試験片Pを挟持した状態の2つの挟持具51,51を試験片Pの正面から見た図であり、図3は、試験片Pを挟持した状態の2つの挟持具51,51を試験片Pの側面から見た図である。
これらの図に示すように、2つの挟持具51,51は、試験片Pを上下方向に沿って延在させるように当該試験片Pの上下両端部を挟持するとともに、後述するように、試験片Pの長手方向Z(上下方向)に沿って互いに離間されることにより、試験片Pに長手方向Zへの引張応力を作用させるものである。より詳しくは、2つの挟持具51,51は、試験片Pの最上端又は最下端よりもやや長手方向Zの中央寄りの位置において、試験片Pの両主面を長手方向Zと直交する試験片Pの厚さ方向Xに挟持する。2つの挟持具51,51が試験片Pの最端部での挟持を避けているのは、当該最端部には試験片Pの切断時にクラックが生じている(低強度になっている)可能性があり、当該クラックでの破損を防ぐためである。これら2つの挟持具51,51は、それぞれ1対の挟持部材52,52から構成されている。
これらの図に示すように、2つの挟持具51,51は、試験片Pを上下方向に沿って延在させるように当該試験片Pの上下両端部を挟持するとともに、後述するように、試験片Pの長手方向Z(上下方向)に沿って互いに離間されることにより、試験片Pに長手方向Zへの引張応力を作用させるものである。より詳しくは、2つの挟持具51,51は、試験片Pの最上端又は最下端よりもやや長手方向Zの中央寄りの位置において、試験片Pの両主面を長手方向Zと直交する試験片Pの厚さ方向Xに挟持する。2つの挟持具51,51が試験片Pの最端部での挟持を避けているのは、当該最端部には試験片Pの切断時にクラックが生じている(低強度になっている)可能性があり、当該クラックでの破損を防ぐためである。これら2つの挟持具51,51は、それぞれ1対の挟持部材52,52から構成されている。
各対の挟持部材52,52は、試験片Pの厚さ方向X及び試験片Pの長手方向Zと直交する試験片Pの幅方向Yに沿って、試験片Pの幅Pwよりもやや長めにそれぞれ延在している。この挟持部材52,52は、試験片Pを挟持する挟持面52aが頂部を幅方向Yに沿って延在させた蒲鉾状(曲率半径150〜250mm)にそれぞれ形成されるとともに、この頂部の長手方向Zの位置が互いに略一致している。そのため、挟持部材52,52で試験片Pを挟持したときに、試験片Pの両主面の対応する部分(両主面で長手方向Zの位置が一致する部分)が幅方向Yに沿った線状に挟持される。また、挟持部材52,52は、チャック装置5の本体に連通された図示しない空気源からの空気圧によって、互いに接近する方向(厚さ方向X)へ移動されて試験片Pを挟持するように構成されている。また、Dは試験片Pを2対の挟持部材52,52で狭持した挟持点間距離を示す。
各挟持部材52の挟持面52aは、変形に対する耐久性の点から、例えばロックウェル硬さがHRC45以上であることが好ましい。但し、メッキ等の表面処理は施さない方が良い。メッキ等の表面処理が施されていたとしても、高引張力が作用する際に、高い剪断力を受けてメッキ等の表面処理が剥がれてしまうためである。なお、本実施形態では、高硬度が得られる焼入れ処理性や加工性の点から、挟持部材52の材質としてSK材を用いている。また、挟持面52aは、表面粗さが小さい方が好ましいが、算術平均粗さRa2.5μm程度で十分である。表面粗さが大きいと、その表面粗さの影響がガラス(試験片P)に直接伝わり易く、挟持の際に試験片Pを破損させてしまう虞がある。
また、各対の挟持部材52,52は、試験片Pの両主面との間に紙又は樹脂基材の緩衝シートSをそれぞれ介在させて、当該両主面を挟持している。これにより、硬い挟持部材52が試験片Pに直接接触することを防ぎ、試験片Pの被挟持部での破損を防止することができる。更に、試験片Pに長手方向Zへの引張応力を作用させたときに、幅方向Yの応力分布の偏りに応じて、緩衝シートSを介して試験片Pと挟持具51とが僅かに滑るため、幅方向Yの応力分布を均等化することができる。
緩衝シートSは、厚さが30〜300μmであることが好ましい。緩衝シートSの厚さがこの範囲内であると、試験片Pに作用する幅方向Yの応力分布を良好に均等化することができる。加えて、この厚さが30μm未満であると、試験片Pの破損を防止する効果が薄れてしまい、300μm超であると、応力作用時に試験片Pと挟持具51とが滑り過ぎて脱落する恐れがある。緩衝シートSとして樹脂基材を用いる場合には、薄く硬く剛性のあるもの、例えばポリエステル(PET)などを用いることが好ましい。また、緩衝シートSと挟持部材52の挟持面52aとの摩擦係数は、高い方が好ましく、例えば0.5以上が良い。
また、緩衝シートSは、幅方向Yに沿った長さ(幅)Swが試験片Pの幅Pwよりも短くなっており、試験片Pとの幅方向両側の隙間が均等になるように、試験片Pの幅方向Yの中央に配置されている。こうして試験片Pの両側端部に挟持部材52,52との隙間を均等幅で介在させることにより、試験片Pに作用する応力分布をより均等化することができる。但し、緩衝シートSの幅Swは、過度に短いと、引張力に対する抗力が減少したり試験片Pの破損防止効果が薄れたりするほか、試験片Pに作用する幅方向Yの応力分布がバラついてしまうため、試験片Pの幅Pwの70〜99%であることが好ましい。
また、緩衝シートSは、表面に粘着層を有するものであることが好ましい。このような緩衝シートSを用いると、試験片Pと挟持具51との脱落を抑制できるとともに、試験片Pへの緩衝シートSの貼付を容易にして試験準備時の作業効率を向上させることができる。なお、粘着層の厚さは、厚すぎると引張力により当該粘着層が剪断破壊する可能性が高くなるため、1nm以上、20μm以下とするのが良い。
以上の構成を具備する引張試験装置1では、荷重台2の天板22を上方へ移動させると、XYテーブル3及びロードセル4を介して上側のチャック装置5が上方へ持ち上げられる。すると、2つのチャック装置5,5の挟持具51,51が上下方向(長手方向Z)に沿って互いに離間し、この挟持具51,51に挟持された試験片Pに長手方向Zの引張応力が作用する。このとき、試験片Pを引っ張る荷重が上下方向に沿って適正に付与されるように、XYテーブル3及び自在継手6により自動調芯される。また、試験片Pの引張応力は、ロードセル4で計測した荷重値を、長手方向Zに直交する試験片Pの断面積で除すことにより算出され、試験片Pの破断強度は、破断時の引張応力として求められる。
以上のように、本実施形態によれば、各対の挟持部材52,52(各挟持具51)と試験片Pの両主面との間に紙又は樹脂基材の緩衝シートSをそれぞれ介在させるので、硬い挟持部材52が試験片Pに直接接触することを防ぎ、試験片Pの被挟持部での破損を防止することができる。また、2つの挟持具51を離間させて試験片Pに長手方向Zへの引張応力を作用させたときに、幅方向Yの応力分布の偏りに応じて、緩衝シートSを介して試験片Pと挟持具51とが僅かに滑るため、幅方向Yの応力分布を均等化することができ、ひいては試験片Pの破断強度を適正に測定することができる。
ここで、上述した試験片Pと挟持具51との滑りについて、図4を参照して説明する。図4は、緩衝シートS(樹脂基材:厚さ38μm、長さ10mm、幅Sw16mm)を用いた場合(実線)と用いない場合(破線)とでそれぞれ実施した引張試験における、試験片P(ガラス:厚さ100μm、長さ180mm、幅Pw20mm)に作用させた張力(引張力)と、挟持具51の長手方向Zへの変位量との関係を示した図である。なお、このときの挟持点間距離Dは150mmとした。
破線は、緩衝シートSを用いず試験片Pの滑りが発生しない系で狭持した際の弾性域でのヤング率に基づく延びを推定計算したものである。なお、ガラスのヤング率は73GPaで計算した。
図4の「滑り量」は実線と破線との挟持具の変位量の差を表し、この「滑り量」から緩衝シートSを用いることにより滑りが生じることが確認できる。
このように、緩衝シートSを用いることにより試験片Pと挟持具51との間に滑りが生じるため、当該滑りにより、試験片Pの幅方向Yの応力分布を均等化することができ、ひいては試験片Pの破断強度を適正に測定することができる。
破線は、緩衝シートSを用いず試験片Pの滑りが発生しない系で狭持した際の弾性域でのヤング率に基づく延びを推定計算したものである。なお、ガラスのヤング率は73GPaで計算した。
図4の「滑り量」は実線と破線との挟持具の変位量の差を表し、この「滑り量」から緩衝シートSを用いることにより滑りが生じることが確認できる。
このように、緩衝シートSを用いることにより試験片Pと挟持具51との間に滑りが生じるため、当該滑りにより、試験片Pの幅方向Yの応力分布を均等化することができ、ひいては試験片Pの破断強度を適正に測定することができる。
また、挟持部材52,52の挟持面52aが頂部を幅方向Yに沿って延在させた蒲鉾状にそれぞれ形成されるとともに、この頂部の長手方向Zの位置が互いに略一致しているので、挟持部材52,52で試験片Pを挟持したときに、試験片Pの両主面の対応する部分(両主面で長手方向Zの位置が一致する部分)が幅方向Yに沿った線状に挟持される。つまり、挟持部材52,52の挟持面52aと試験片Pの両主面とが、緩衝シートSを介して線接触する。したがって、挟持面を平面状にして試験片Pと面接触させた場合に比べ、挟持荷重を均等に分布しやすくすることができ、ひいては挟持荷重の偏りによる試験片Pの破損を防止することができる。
また、緩衝シートSの幅Swが試験片Pの幅Pwよりも短くなっており、当該緩衝シートSが試験片Pの幅方向Yの中央に配置されているので、試験片Pの両側端部に挟持部材52,52との隙間が均等幅で介在する結果、試験片Pに作用する応力分布をより均等化することができる。
また、緩衝シートSの厚さを30〜300μmとすることにより、試験片Pに作用する幅方向Yの応力分布を良好に均等化しつつ、試験片Pの破損をより確実に防止し、且つ、当該緩衝シートSを介した試験片Pと挟持具51との過度の滑りによる脱落をより確実に防止することができる。
また、緩衝シートSとして表面に粘着層を有するものを用いることにより、当該緩衝シートSを介した試験片Pと挟持具51との過度の滑りによる脱落をより確実に防止できるとともに、試験片Pへの緩衝シートSの貼付を容易にして試験準備時の作業効率を向上させることができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、試験片Pを薄膜ガラスとしたが、当該試験片Pは薄膜脆性材料からなるものであればよく、例えば薄膜状のセラミックスであってもよい。
また、1対の挟持部材52,52は、それぞれの挟持面52aが頂部を幅方向Yに沿って延在させた蒲鉾状に形成されることとしたが、このうちの少なくとも一方の挟持面52aが当該蒲鉾状に形成されていればよい。この場合、蒲鉾状でない他方の挟持部材52の挟持面52aは、例えば平板状でよい。但し、1対の挟持部材52,52の何れの挟持面52aも上記蒲鉾状に形成した方が、試験片Pの破損防止や応力分布の均等化の点で、より好ましい。
また、挟持部材52,52は、空気圧を受けて試験片Pを挟持するものとしたが、手締めや油圧で試験片Pを挟持するものであってもよい。
以下に、実施例を挙げることにより、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1では、緩衝シートSの材質を変えたときの試験片Pの破損有無及び応力作用時の応力分布を確認した。応力分布の確認はリタデーション応力測定器を用いて行った。
<試験片>
試験片Pとして、厚さ100μm、長さ150mm、及び幅Pw20mmの薄膜ガラスを用いた。また、試験片Pを挟持する挟持点間距離D(図2,3参照)を130mmとした。
試験片Pとして、厚さ100μm、長さ150mm、及び幅Pw20mmの薄膜ガラスを用いた。また、試験片Pを挟持する挟持点間距離D(図2,3参照)を130mmとした。
<緩衝シート>
緩衝シートSとして、ゴム,コルク,発泡材(発泡ポリエチレン),樹脂基材(PETシート)及び紙(上質紙)をそれぞれ用いた。緩衝シートSの形状は、何れも、厚さ200μm、長手方向Zに沿った長さ10mm、及び幅Sw22mmとした。
緩衝シートSとして、ゴム,コルク,発泡材(発泡ポリエチレン),樹脂基材(PETシート)及び紙(上質紙)をそれぞれ用いた。緩衝シートSの形状は、何れも、厚さ200μm、長手方向Zに沿った長さ10mm、及び幅Sw22mmとした。
<結果>
結果を表1に示す。なお、表中の「確認結果」の欄の記号は、それぞれ以下の内容を示している。
結果を表1に示す。なお、表中の「確認結果」の欄の記号は、それぞれ以下の内容を示している。
○:試験片Pに破損はなく、極めて良く均等化された応力分布を得た。
×:試験片Pが被挟持部で破損した。
×:試験片Pが被挟持部で破損した。
<まとめ>
表1の結果から、緩衝シートSとして紙又は樹脂基材を用いることで良好に引張試験を実施できることが分かる。
表1の結果から、緩衝シートSとして紙又は樹脂基材を用いることで良好に引張試験を実施できることが分かる。
実施例2では、緩衝シートSの幅方向Yに沿った長さ(幅Sw)を変えたときの試験片Pの挟持部での破損有無と応力作用時の幅手応力分布(RANGE値)を確認し、引張試験を行った。幅手応力分布(RANGE値)は、試験片Pの長手方向Zに沿って作用する引張力を幅方向Yへどれだけ均等に付与できるかの尺度となる値であり、この値が小さいほど、試験片Pに作用する引張力が幅方向Yに沿ってより均等に分布していることを示す。
<試験片及び緩衝シート>
試験片Pとして、上記実施例1と同様のものを用いた。
緩衝シートSとしては、紙(上質紙)又は樹脂基材(PETシート)のものを用いた。緩衝シートSの形状は、厚さを50μm、長手方向Zに沿った長さを10mmとし、幅Swを以下の表2に示す各長さとした。
試験片Pとして、上記実施例1と同様のものを用いた。
緩衝シートSとしては、紙(上質紙)又は樹脂基材(PETシート)のものを用いた。緩衝シートSの形状は、厚さを50μm、長手方向Zに沿った長さを10mmとし、幅Swを以下の表2に示す各長さとした。
<幅手応力分布>
幅手応力分布(RANGE値)は、2次元複屈折測定システム(株式会社フォトニックラティス製:WPA−100)を用いて、以下のように求めた。
まず、試験片Pに400Nの引張力を作用させた状態で2次元複屈折測定システムを用いることにより、リターダンス値(試験片Pの屈折率の大きさ)の変化度合に基づいて、試験片Pの面内でのそのリターダンス値の分布を可視化したビジュアル画像が得られる。リターダンス値と発生する応力とは比例関係にあることから、実質的に応力分布を可視化できていることになる。このビジュアル画像から、リターダンス値の変化度合の最も大きい領域として、試験片Pの面内で幅方向Yにおいて最もこのリターダンス値の分布(応力分布)が悪い(バラついている)領域を特定する。そして、この領域内での幅方向Yのリターダンス値のmax値及びmin値を抽出し、その差(max値−min値)をリターダンス値の平均値で除した値として、幅手応力分布(RANGE値)を求める。
幅手応力分布(RANGE値)は、2次元複屈折測定システム(株式会社フォトニックラティス製:WPA−100)を用いて、以下のように求めた。
まず、試験片Pに400Nの引張力を作用させた状態で2次元複屈折測定システムを用いることにより、リターダンス値(試験片Pの屈折率の大きさ)の変化度合に基づいて、試験片Pの面内でのそのリターダンス値の分布を可視化したビジュアル画像が得られる。リターダンス値と発生する応力とは比例関係にあることから、実質的に応力分布を可視化できていることになる。このビジュアル画像から、リターダンス値の変化度合の最も大きい領域として、試験片Pの面内で幅方向Yにおいて最もこのリターダンス値の分布(応力分布)が悪い(バラついている)領域を特定する。そして、この領域内での幅方向Yのリターダンス値のmax値及びmin値を抽出し、その差(max値−min値)をリターダンス値の平均値で除した値として、幅手応力分布(RANGE値)を求める。
<結果>
結果を表2に示す。なお、表中の「確認結果」の欄の記号は、それぞれ以下の内容を示している。また、全ての測定において試験片Pは挟持部で破損することなく、試験片Pの破断強度が適正に測定できた。
結果を表2に示す。なお、表中の「確認結果」の欄の記号は、それぞれ以下の内容を示している。また、全ての測定において試験片Pは挟持部で破損することなく、試験片Pの破断強度が適正に測定できた。
A:幅手応力分布(リターダンス分布)が0〜10%の範囲内であった。
B:幅手応力分布(リターダンス分布)が10〜15%の範囲内であった。
C:幅手応力分布(リターダンス分布)が15%以上であった。
B:幅手応力分布(リターダンス分布)が10〜15%の範囲内であった。
C:幅手応力分布(リターダンス分布)が15%以上であった。
<まとめ>
表2の結果から、緩衝シートSとして、その幅Swが試験片Pの幅Pwの70〜99%の範囲内にあるものを用いることにより、極めて良好に均等化された幅手応力分布を得られることが分かる。
表2の結果から、緩衝シートSとして、その幅Swが試験片Pの幅Pwの70〜99%の範囲内にあるものを用いることにより、極めて良好に均等化された幅手応力分布を得られることが分かる。
実施例3では、緩衝シートSの厚さを変えたときの試験片Pの破損有無と応力作用時の幅手応力分布(RANGE値)を確認し、引張試験を行った。幅手応力分布は上記実施例2と同様にして求めた。
<試験片及び緩衝シート>
試験片Pとして、上記実施例1と同様のものを用いた。
緩衝シートSとしては、紙(上質紙)又は樹脂基材(PETシート)のものを用いた。緩衝シートSの形状は、長手方向Zに沿った長さを10mm、幅Swを18mmとし、厚さを以下の表3に示す各長さとした。
試験片Pとして、上記実施例1と同様のものを用いた。
緩衝シートSとしては、紙(上質紙)又は樹脂基材(PETシート)のものを用いた。緩衝シートSの形状は、長手方向Zに沿った長さを10mm、幅Swを18mmとし、厚さを以下の表3に示す各長さとした。
<結果>
結果を表3に示す。なお、表中の「確認結果」の欄の記号は、それぞれ上記実施例2と同様の内容を示している。また、全ての測定において試験片Pは挟持部で破損することなく、試験片Pの破断強度が適正に測定できた。
結果を表3に示す。なお、表中の「確認結果」の欄の記号は、それぞれ上記実施例2と同様の内容を示している。また、全ての測定において試験片Pは挟持部で破損することなく、試験片Pの破断強度が適正に測定できた。
<まとめ>
表3の結果から、緩衝シートSとして、厚さが30〜300μmの範囲内にあるものを用いることにより、極めて良好に均等化された幅手応力分布を得られることが分かる。
表3の結果から、緩衝シートSとして、厚さが30〜300μmの範囲内にあるものを用いることにより、極めて良好に均等化された幅手応力分布を得られることが分かる。
1 引張試験装置
2 荷重台
3 XYテーブル
4 ロードセル
5 チャック装置
51 挟持具
52 挟持部材
52a 挟持面
S 緩衝シート
Sw 幅(幅方向に沿った長さ)
P 試験片
Pw 幅
X 厚さ方向
Y 幅方向
Z 長手方向
2 荷重台
3 XYテーブル
4 ロードセル
5 チャック装置
51 挟持具
52 挟持部材
52a 挟持面
S 緩衝シート
Sw 幅(幅方向に沿った長さ)
P 試験片
Pw 幅
X 厚さ方向
Y 幅方向
Z 長手方向
Claims (14)
- 薄膜脆性材料からなる試験片の長手方向の両端部を2つの挟持具で挟持し、当該2つの挟持具を前記長手方向に沿って互いに離間させて前記試験片に引張応力を作用させる薄膜脆性材料の引張試験方法であって、
前記2つの挟持具と、当該2つの挟持具に挟持される前記試験片の両主面との間に、紙又は樹脂基材の緩衝シートをそれぞれ介在させることを特徴とする薄膜脆性材料の引張試験方法。 - 前記2つの挟持具として、それぞれ1対の挟持部材からなるものを用い、
前記1対の挟持部材のうちの少なくとも一方として、
前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿って延在するとともに、
前記試験片を挟持する挟持面が頂部を前記幅方向に沿って延在させた蒲鉾状に形成されているものを用いることを特徴とする請求項1に記載の薄膜脆性材料の引張試験方法。 - 前記1対の挟持部材として、
前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿ってそれぞれ延在するとともに、
前記試験片を挟持する挟持面が頂部を前記幅方向に沿って延在させた蒲鉾状にそれぞれ形成され、前記頂部の前記長手方向の位置が互いに略一致するものを用いることを特徴とする請求項2に記載の薄膜脆性材料の引張試験方法。 - 前記緩衝シートとして、前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿った長さが前記試験片の幅よりも短いものを用い、
当該緩衝シートを前記試験片の幅方向の中央に配置することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の薄膜脆性材料の引張試験方法。 - 前記緩衝シートとして、前記幅方向に沿った長さが前記試験片の幅の70〜99%であるものを用いることを特徴とする請求項4に記載の薄膜脆性材料の引張試験方法。
- 前記緩衝シートとして、表面に粘着層を有するものを用いることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の薄膜脆性材料の引張試験方法。
- 前記緩衝シートの厚さが30〜300μmであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の薄膜脆性材料の引張試験方法。
- 薄膜脆性材料からなる試験片の長手方向の両端部を挟持する2つの挟持具を備え、当該2つの挟持具を前記長手方向に沿って互いに離間させて前記試験片に引張応力を作用させる薄膜脆性材料の引張試験装置であって、
前記2つの挟持具は、当該2つの挟持具と前記試験片の両主面との間に紙又は樹脂基材の緩衝シートをそれぞれ介在させて当該両主面を挟持することを特徴とする薄膜脆性材料の引張試験装置。 - 前記2つの挟持具は、それぞれ1対の挟持部材からなり、
前記1対の挟持部材のうちの少なくとも一方は、
前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿って延在するとともに、
前記試験片を挟持する挟持面が頂部を前記幅方向に沿って延在させた蒲鉾状に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の薄膜脆性材料の引張試験装置。 - 前記1対の挟持部材は、
前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿ってそれぞれ延在するとともに、
前記試験片を挟持する挟持面が頂部を前記幅方向に沿って延在させた蒲鉾状にそれぞれ形成され、前記頂部の前記長手方向の位置が互いに略一致することを特徴とする請求項9に記載の薄膜脆性材料の引張試験装置。 - 前記緩衝シートは、前記長手方向と直交する前記試験片の幅方向に沿った長さが前記試験片の幅よりも短く、前記試験片の幅方向の中央に配置されていることを特徴とする請求項8〜10の何れか一項に記載の薄膜脆性材料の引張試験装置。
- 前記緩衝シートは、前記幅方向に沿った長さが前記試験片の幅の70〜99%であることを特徴とする請求項11に記載の薄膜脆性材料の引張試験装置。
- 前記緩衝シートは、表面に粘着層を有することを特徴とする請求項8〜12の何れか一項に記載の薄膜脆性材料の引張試験装置。
- 前記緩衝シートは、厚さが30〜300μmであることを特徴とする請求項8〜13の何れか一項に記載の薄膜脆性材料の引張試験装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011116878A JP2012247208A (ja) | 2011-05-25 | 2011-05-25 | 薄膜脆性材料の引張試験方法、及び薄膜脆性材料の引張試験装置 |
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JP2011116878A Withdrawn JP2012247208A (ja) | 2011-05-25 | 2011-05-25 | 薄膜脆性材料の引張試験方法、及び薄膜脆性材料の引張試験装置 |
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- 2011-05-25 JP JP2011116878A patent/JP2012247208A/ja not_active Withdrawn
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