JP2004278914A - ガス機器の異常検知システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のガス機器において生じる種々の異常を各ガス機器ごとに個別に検知することができるガス機器の異常検知システムを提供する。
【解決手段】個別ガス流量把握手段23は、機器作動状態把握手段22により把握される各ガス機器5,7,9,11の作動状態の変化と、それに応じたガスメータ2による燃料ガスの検出流量の変化から、各ガス機器への燃料ガスの流量を把握する。異常検知手段25は、個別ガス流量把握手段23により把握される各ガス機器への燃料ガスの供給流量を監視し、燃料ガスの供給流量が所定流量を超えたガス機器を異常状態にあると検知する。
【選択図】 図1
【解決手段】個別ガス流量把握手段23は、機器作動状態把握手段22により把握される各ガス機器5,7,9,11の作動状態の変化と、それに応じたガスメータ2による燃料ガスの検出流量の変化から、各ガス機器への燃料ガスの流量を把握する。異常検知手段25は、個別ガス流量把握手段23により把握される各ガス機器への燃料ガスの供給流量を監視し、燃料ガスの供給流量が所定流量を超えたガス機器を異常状態にあると検知する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のガス機器の異常を個別に検知するガス機器の異常検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図6に示したように、ガス供給管50を介してこんろ51、ファンヒータ52、給湯器53等のガス機器に燃料ガスを供給するガス供給システムにおいては、ガス供給管50に対する燃料ガスの供給量を計測するガスメータ54が備えられている。
【0003】
そして、ガス供給管50には、ガスメータ54から出力される制御信号により開閉されるガス元弁55が備えられ、ガス供給管50に対する燃料ガスの供給圧の低下等の異常が検知されたときに、ガスメータ54はガス元弁55を閉弁してガス供給管50への燃料ガスの供給を遮断するようにしていた(特許文献1)。
【0004】
また、各ガス機器(こんろ51,ファンヒータ52,給湯器53)には、ガス供給管50からの燃料ガスの供給と遮断を切り換える開閉弁(こんろ開閉弁60、ファンヒータ開閉弁61、給湯器開閉弁62)と、バーナ(図示しない)の失火を検知する失火検知手段(図示しない)とが備えられており、バーナの失火が検知されたときに、該開閉弁を閉弁して燃料ガスの供給を遮断するようにしていた。
【0005】
しかし、各ガス機器に生じ得る異常としては、バーナの失火以外にも種々の要因が考えられ、これらの要因による異常も検知して、ガス供給システムにおける異常検知能力を高めることが望まれている。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−50727号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、複数のガス機器において生じる種々の異常を各ガス機器ごとに個別に検知することができるガス機器の異常検知システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、本発明の第1の態様は、ガス供給管を介して複数のガス機器に供給される燃料ガスの流量を、各ガス機器ごとに個別に把握する個別ガス流量把握手段と、該個別ガス流量把握手段により把握される各ガス機器への燃料ガスの供給流量を監視し、燃料ガスの供給流量が各ガス機器別に設定された所定流量を超えたガス機器を異常状態にあると検知する異常検知手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
かかる本発明によれば、異常運転や燃料ガスの供給系統の不良等により、燃料ガスの供給流量が増加したガス機器を、前記異常検知手段により異常状態にあるとして検知することができる。
【0010】
また、本発明の第2の態様は、ガス供給管を介して複数のガス機器に供給される燃料ガスの流量を、各ガス機器ごとに個別に把握する個別ガス流量把握手段と、該個別ガス流量把握手段により把握される各ガス機器への燃料ガスの供給流量を監視し、一定流量で燃料ガスが供給された状態が所定時間以上継続したガス機器を異常状態にあると検知する異常検知手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、ガス機器の故障や使用者がガス機器の運転を停止する操作を忘れることにより、一定流量で燃料ガスが供給された状態で長時間運転が継続されているガス機器を、前記異常検知手段により異常状態にあると検知することができる。
【0012】
また、本発明の第3の態様は、ガス供給管を介して複数のガス機器に供給される燃料ガスの流量を、各ガス機器ごとに個別に把握する個別ガス流量把握手段と、前記複数のガス機器と通信可能であって、各ガス機器から送信される各ガス機器の運転態様に応じた燃料ガスの供給流量の設定値を受信する個別ガス設定値受信手段と、前記個別ガス流量把握手段による燃料ガスの供給流量の把握値と、前記個別ガス設定値受信手段により受信された燃料ガスの供給流量の設定値との乖離度合を監視し、該乖離度合が所定レベル以上となったガス機器を異常状態にあると検知する異常検知手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
かかる本発明によれば、ガス機器側で設定された燃料ガスの供給流量と、前記個別ガス流量把握手段により把握された燃料ガスの供給流量との乖離度合が所定レベル以上となったときは、該ガス機器への燃料ガスの供給が正常に行われていないと考えられる。そこで、前記異常検知手段は、かかる状態にあるガス機器を、異常状態にあると検知することができる。
【0014】
また、前記第1の態様から前記第3の態様において、前記複数のガス機器は、各ガス機器ごとに設けられて燃料ガスの供給と遮断とを切り換えるガス開閉弁を介して前記ガス供給管に接続され、前記異常検知手段により異常が検知されたガス機器に設けられた前記ガス開閉弁を閉弁するガス開閉弁閉弁手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
かかる本発明によれば、前記異常検知手段により異常が検知されたガス機器の前記開閉弁を閉弁することにより、異常状態にあるガス機器への燃料ガスの供給のみを遮断して、他のガス機器の使用を可能とすることができる。
【0016】
また、前記ガス供給管への燃料ガスの供給と遮断とを切り換えるガス元弁と、前記ガス開閉弁閉弁手段により前記ガス開閉弁を閉弁した後も、前記異常検知手段により該ガス開閉弁が閉弁されたガス機器の異常が検知されるときには、前記ガス元弁を閉弁するガス元弁閉弁手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
かかる本発明によれば、前記ガス開閉弁の作動不良等により、異常が検知されたガス機器に対する燃料ガスの供給を遮断することができない場合に、前記ガス元弁閉弁手段により前記ガス元弁を閉弁することによって、異常が検知されたガス機器への燃料ガスの供給を確実に遮断することができる。
【0018】
また、前記ガス供給管に供給される燃料ガスの流量を検出するガス流量検出手段と、前記複数のガス機器と通信可能であって、各ガス機器から受信した信号に基づいて各ガス機器の作動状態を把握する機器作動状態把握手段とを備え、前記個別ガス流量把握手段は、前記機器作動状態把握手段により把握される各ガス機器の作動状態の変化とそれに応じた前記ガス流量検出手段による燃料ガスの検出流量の変化とに基づいて、各ガス機器への燃料ガスの供給流量を把握することを特徴とする。
【0019】
かかる本発明によれば、例えば、前記機器作動状態把握手段により前記複数のガス機器のうちのいずれかの運転開始が把握されたときに、前記ガス流量検出手段により検出される前記ガス供給管への燃料ガスの供給流量がΔFだけ増加したときには、前記個別ガス流量把握手段は、該ΔFを運転を開始したガス機器に供給される燃料ガスの流量として把握することができる。
【0020】
そして、本発明によれば、前記ガス流量検出手段を1つ設けることによって、各ガス機器に供給される燃料ガスの流量を個別に把握することができる。そのため、各ガス機器に燃料ガスの供給流量を検出するための専用のガス流量検出手段を個別に設ける必要がなく、低コストで前記個別ガス流量把握手段を構成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1〜図6を参照して説明する。図1は本発明のガス機器の異常検知システムの全体構成図、図2は本発明の第1の実施の形態における燃料ガスの供給流量の異常検知に使用する所定流量の設定態様を示したグラフ、図3は本発明の第1の実施の形態における異常検知処理のフローチャート、図4は本発明の第2の実施の形態における異常検知処理のフローチャート、図5は本発明の第3の実施の形態における異常検知処理のフローチャートである。
【0022】
先ず、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1において、ガス供給管1には、ガス供給管1に供給される燃料ガスの流量を検出するガスメータ2(本発明のガス流量検出手段に相当する)と、ガスメータ2から出力される制御信号により作動してガス供給管1を開閉するガス元弁3とが設けられている。また、ガス供給管1には、こんろ開閉弁4を介してこんろ5が接続され、ファンヒータ開閉弁6を介してファンヒータ7が接続され、給湯器開閉弁8を介して給湯器9が接続され、床暖房機開閉弁10を介して床暖房機11が接続されている。
【0023】
ここで、こんろ開閉弁4はこんろ5から出力される制御信号により開閉される。同様に、ファンヒータ開閉弁6はファンヒータ7から出力される制御信号により開閉され、給湯器開閉弁8は給湯器9から出力される制御信号により開閉され、床暖房機開閉弁10は床暖房機11から出力される制御信号により開閉される。
【0024】
また、ホームサーバ20は、CPU、メモリ等により構成された電子ユニットであり、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)との間で通信を行なうための通信インターフェース21、各ガス機器の作動状態を把握する機器作動状態把握手段22、各ガス機器に供給される燃料ガスの流量を個別に把握する個別ガス流量把握手段23、各ガス機器において運転態様に応じて設定される燃料ガスの供給流量を把握する個別ガス設定値受信手段24、各ガス機器に生じる異常を個別に検知する異常検知手段25、異常が生じたガス機器の開閉弁(こんろ開閉弁4,ファンヒータ開閉弁6,給湯器開閉弁8,床暖房機開閉弁10)を閉弁するガス開閉弁閉弁手段26、異常が生じたガス機器の開閉弁を閉弁しても該ガス機器への燃料ガスの供給流量が停止しないときにガス元弁3を閉弁するガス元弁閉弁手段27とを備えている。
【0025】
そして、ホームサーバ20は、通信ケーブル30,31,32,33,34を介して、ガスメータ2,床暖房機11,給湯器9,ファンヒータ7,こんろ5とそれぞれ通信可能に接続されている。さらに、ホームサーバ20は、ネットワーク40を介してガス会社の端末装置45と通信可能に接続されている。
【0026】
機器作動状態把握手段22は、通信インターフェース21を介して各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)から受信した信号により、各ガス機器の作動状態を把握する。
【0027】
個別ガス流量把握手段23は、ガスメータ2から受信した検出信号からガス供給管1への燃料ガスの供給流量を検知する。そして、機器作動状態把握手段22により把握される各ガス機器の作動状態の変化と、それに応じたガスメータ2による燃料ガスの検出流量の変化により、個別ガス流量把握手段23は、各ガス機器に供給される燃料ガスの流量を個別に把握する。
【0028】
具体的には、例えば、機器作動状態把握手段22によりファンヒータ7の運転開始が把握されたときに、ガスメータ2による燃料ガスの検出流量がΔFだけ増加したときには、個別ガス流量把握手段23は、該ΔFをファンヒータ7へのへの燃料ガスの供給流量として把握する。
【0029】
また、個別ガス設定値受信手段24は、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)から、各ガス機器において運転態様に応じて設定される燃料ガスの供給流量の設定値のデータを受信する。例えば、給湯器9においては、目標給湯温度での給湯を行うために必要な燃料ガスの供給流量が設定されるが、給湯器9は該供給流量の設定値のデータをホームサーバ20に送信する。そして、個別ガス設定値受信手段24は、受信した該データから給湯器9において設定されている燃料ガスの供給流量を把握する。
【0030】
また、異常検知手段25は、個別ガス流量把握手段23により把握される各ガス機器への燃料ガスの供給流量に基づいて、各ガス機器の異常を検知する。以下、図2に示したフローチャートに従って、ホームサーバ20による各ガス機器の異常検知処理について説明する。
【0031】
異常検知手段25は、図2を示したフローチャートを各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)ごとに実行して、各ガス機器の異常の有無を監視し、異常を検知したときは該異常に対処する措置を実行する。
【0032】
例えば、ファンヒータ7に対する異常の有無の監視と、異常に対する措置の実行手順について説明すると、図2のSTEP1でファンヒータ7の運転が開始されると、STEP2に進む。そして、異常検知手段25は、STEP2〜STEP3及びSTEP15を実行してファンヒータ7の異常の有無を監視する。
【0033】
異常検知手段25は、STEP2で個別ガス流量把握手段23によりファンヒータ7への燃料ガスの供給流量を把握する。そして、次のSTEP3で、異常検知手段25は、ファンヒータ7への燃料ガスの供給流量が所定流量を超えているか否かを判断する。ここで、該所定流量は、図3に示したように、各ガス機器に対して個別に設定されている。
【0034】
図3中、A1はファンヒータ7の正常運転時における燃料ガスの供給流量の変動範囲であり、ファンヒータ7に対する所定流量は、該変動範囲A1を超えたa1に設定されている。同様に、B1は給湯器9の正常運転時における燃料ガスの供給流量の変動範囲であり、給湯器9に対する所定流量は該変動範囲B1を超えたb1に設定されている。また、C1は床暖房機11の正常運転時における燃料ガスの供給流量の変動範囲であり、床暖房機11に対する所定流量は該変動範囲C1を超えたc1に設定されている。また、D1はこんろ5の正常運転時における燃料ガスの供給流量の変動範囲であり、こんろ5に対する所定流量は該変動範囲D1を超えたd1に設定されている。
【0035】
なお、図3中、as,bs,cs,dsは、それぞれ、ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11,こんろ5における通常安定時の燃料ガスの供給流量を示している。
【0036】
STEP3で、ファンヒータ7への燃料ガスの供給流量が所定流量(d1)を超えたときはSTEP4に進む。STEP4はガス開閉弁閉弁手段26による処理であり、ガス開閉弁閉弁手段26はファンヒータ7に対して「運転停止信号」を送信する。該「運転停止信号」を受信したファンヒータ7は、ファンヒータ開閉弁6を閉弁して燃焼運転を停止すると共に、ブザー及びランプ(図示しない)により異常の報知を行う。
【0037】
これにより、異常が生じたファンヒータ7の運転のみが停止され、他のガス機器(こんろ5,給湯器9,床暖房機11)は運転可能な状態に維持される。また、ホームサーバ20も、次のSTEP5で、ブザー及びディスプレイ(図示しない)により、ファンヒータ7の異常を報知する。
【0038】
なお、STEP15で機器作動状態把握手段22によりファンヒータ7の運転停止が把握されたときは、STEP1に戻る。
【0039】
次のSTEP6及びSTEP7は、ガス元弁閉弁手段27による処理であり、ガス元弁閉弁手段27は、STEP6で、ファンヒータ開閉弁6の閉弁によりファンヒータ7への燃料ガスの供給が停止したか否かを確認する。具体的には、個別ガス流量把握手段23により把握されるファンヒータ7への燃料ガスの供給流量がゼロになったか否かを確認し、ゼロとなったときはSTEP1に戻る。
【0040】
一方、STEP6でファンヒータ7への燃料ガスの供給流量がゼロにならなかったとき、すなわち、ファンヒータ7に対して「運転停止信号」を送信したにも拘わらず、ファンヒータ7への燃料ガスの供給が停止しなかったときは、ガス元弁閉弁手段27は、STEP7で、ガスメータ2に対して「ガス元弁閉弁信号」を送信する。そして、該「ガス元弁閉弁信号」を受信したガスメータ2は、ガス元弁3を閉弁する。
【0041】
これにより、例えば、ホームサーバ20とファンヒータ7間の通信不良や、ファンヒータ開閉弁6の故障等により、ファンヒータ7への燃料ガスの供給を停止することができなくなった場合に、ガス元弁3を閉弁して、異常が生じているファンヒータ7への燃料ガスの供給を遮断することができる。
【0042】
そして、ファンヒータ7の点検・修理完了後、使用者が、ホームサーバ20に対して異常復旧操作を行ったときに、STEP8からSTEP9に進んで、ホームサーバ20は、ガスメータ2に対してガス元弁3の開弁を指示する「ガス元弁開弁信号」を送信する。該「ガス元弁開弁信号」を受信したガスメータ2は、ガス元弁3を開弁し、これにより、ガス供給管1への燃料ガスの供給が再開され、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)の運転が可能となる。
【0043】
ホームサーバ20は、ファンヒータ7と同様に、こんろ5,給湯器9,及び床暖房機11に対しても図2に示した処理を行い、これにより各ガス機器において生じ得る燃料ガスの過剰供給を伴う異常を検知して、異常が検知されたガス機器への燃料ガスの供給を停止する処理を行う。
【0044】
なお、本実施の形態では、図2のSTEP6〜STEP9で、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)への燃料ガスの停止が検知できなかったときに、ガス元弁3を閉弁する処理を行ったが、該処理を行わない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
【0045】
次に、図1及び図4を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本第2の実施の形態におけるガス機器の異常検知システムの構成は、上述した第1の実施の形態における構成と同様であり、異常検知手段25による異常検知の判断処理のみが相違する。以下、図4に示したフローチャートに従って、本第2の実施の形態におけるホームサーバ20の処理について説明する。
【0046】
ホームサーバ20は、図4に示したフローチャートを各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)ごとに実行して、各ガス機器の異常の有無を監視し、異常を検知したときは該異常に対する措置を実行する。
【0047】
例えば、こんろ5に対する異常の有無の監視と、異常に対する措置の実行手順について説明すると、図4のSTEP20で機器作動状態把握手段22によりこんろ5の運転開始が把握されると、STEP21に進む。そして、異常検知手段25は、STEP21〜STEP24及びSTEP35〜STEP37を実行してこんろ5の異常の有無を監視する。
【0048】
異常検知手段25は、STEP21でタイマをスタートする。なお、該タイマの設定時間は、各ガス機器ごとに個別に設定してもよいし、各ガス機器に共通に設定してもよい。
【0049】
そして、次のSTEP22で、異常検知手段25は、個別ガス流量把握手段23によりこんろ5への燃料ガスの供給流量を把握し、STEP35でこんろ5への燃料ガスの供給流量が変動したか否かを確認し、STEP37でこんろ5から運転停止を通知する信号を受信したか否かを確認しながら、STEP23でタイマがタイムアップするのを待つ。
【0050】
なお、STEP35でこんろ5への燃料ガスの供給流量が変動したときはSTEP36に進み、異常検知手段25は、タイマを再スタートさせてSTEP22に戻る。また、STEP37で機器作動状態把握手段22によりこんろ5の運転停止が把握されたときは、STEP20に戻る。
【0051】
STEP23でタイマがタイムアップしたとき、すなわち、こんろ5への燃料ガスの供給流量が一定の状態でタイマ設定時間が経過したときは、STEP24に進む。STEP24はガス開閉弁閉弁手段26による処理であり、ガス開閉弁閉弁手段26はこんろ5に対して「運転停止信号」を送信する。そして、該「運転停止信号」を受信したこんろ5は、こんろ開閉弁4を閉弁して燃焼運転を停止すると共に、ブザー及びランプ(図示しない)により異常の報知を行う。
【0052】
これにより、異常が生じたこんろ5の運転のみが停止され、他のガス機器(ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)は運転可能な状態に維持される。また、ホームサーバ20も、次のSTEP25で、ブザー及びディスプレイ(図示しない)により、こんろ5の異常を報知する処理を行う。
【0053】
次のSTEP26及びSTEP27は、ガス元弁閉弁手段27による処理であり、ガス元弁閉弁手段27は、STEP26で、こんろ開閉弁4の閉弁によりこんろ5への燃料ガスの供給が停止したか否かを確認する。具体的には、個別ガス流量把握手段23により把握されるこんろ5への燃料ガスの供給流量がゼロになったか否かを確認し、ゼロとなったときはSTEP20に戻る。
【0054】
一方、STEP26でこんろ5への燃料ガスの供給流量がゼロにならなかったとき、すなわち、こんろ5に対して「運転停止信号」を送信したにも拘わらず、こんろ5への燃料ガスの供給が停止しなかったときは、ガス元弁閉弁手段27は、STEP29でガスメータ2に対して「ガス元弁閉弁信号」を送信する。そして、該「ガス元弁閉弁信号」を受信したガスメータ2は、ガス元弁3を閉弁する。
【0055】
これにより、例えば、ホームサーバ20とこんろ5間の通信不良や、こんろ開閉弁4の故障等により、こんろ5への燃料ガスの供給を停止することができなくなった場合に、ガス元弁3を閉弁して、異常が生じているこんろ5への燃料ガスの供給を遮断することができる。
【0056】
そして、ファンヒータ7の点検・修理を完了した使用者が、ホームサーバ20に対して異常復旧操作を行ったときに、STEP28からSTEP29に進んで、ホームサーバ20は、ガスメータ2に対して「ガス元弁開弁信号」を送信する。該「ガス元弁開弁信号」を受信したガスメータ2は、ガス元弁3を開弁し、これにより、ガス供給管1への燃料ガスの供給が再開され、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)の運転が可能となる。
【0057】
ホームサーバ20は、こんろ5と同様に、ファンヒータ7,給湯器9,及び床暖房機11に対しても図4に示した処理を行い、これにより、ガス比例弁等のガス流量調節手段の固着故障や、使用者の運転停止の操作忘れにより各ガス機器が長時間継続して運転されることを防止することができる。
【0058】
なお、本実施の形態では、図4のSTEP26〜STEP29で、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)への燃料ガスの停止が認識できなかったときに、ガス元弁3を閉弁する処理を行ったが、該処理を行わない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
【0059】
次に、図1及び図5を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、本第3の実施の形態におけるガス機器の異常検知システムの構成は、上述した第1の実施の形態における構成と同様であり、異常検知手段25による異常検知の判断処理のみが相違する。以下、図5に示したフローチャートに従って、本第3の形態におけるホームサーバ20の処理について説明する。
【0060】
ホームサーバ20は、図5に示したフローチャートを各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)ごとに実行して、各ガス機器の異常の有無を監視し、異常を検知したときは該異常に対処する措置を実行する。
【0061】
例えば、給湯器9に対する異常の有無の監視と、異常に対する措置の実行手順について説明すると、図5のSTEP40で機器作動状態把握手段22により給湯器9の運転開始が把握されると、STEP41に進む。そして、異常検知手段25は、STEP41〜STEP43及びSTEP55を実行して給湯器9の異常の有無を監視する。
【0062】
異常検知手段25は、STEP41で個別ガス流量把握手段23により給湯器9への燃料ガスの供給流量を把握すると共に、次のSTEP42で給湯器9から送信される給湯器9への燃料ガスの供給流量の設定値を受信する。ここで、給湯器9においては、目標給湯温度や給水温度等応じてバーナ(図示しない)の目標燃焼量が決定され、該目標燃焼量を得るために必要な燃料ガスの供給流量が設定される。
【0063】
そして、設定された供給燃料で燃料ガスが供給されるように、ガス比例弁等のガス流量調節手段(図示しない)が制御される。そのため、給湯器9が正常に作動していれば、STEP41で個別ガス流量把握手段23により把握される給湯器9への燃料ガスの供給流量の把握値と、STEP42で個別ガス設定値受信手段により給湯器9から受信された燃料ガスの供給流量の設定値とは、ほぼ一致する。
【0064】
しかし、ガス流量調節手段の故障が生じると、燃料ガスの供給流量の把握値と設定値との間の差(本発明の乖離度合に相当する)が生じ、該差は故障の程度が大きくなるにつれてより大きくなる。そこで、異常検知手段25は、STEP43で、給湯器9に供給される燃料ガスの供給流量の把握値と設定値とを比較し、両者の差が所定レベル以上となったときに、給湯器9が異常状態にあると検知してSTEP44に進む。
【0065】
なお、STEP43で燃料ガスの供給流量の把握値と設定値との差が所定レベルよりも小さいときは、STEP55に分岐する。そして、機器作動状態把握手段22により給湯器9の運転停止が把握されたときはSTEP40に戻り、給湯器9が運転継続中であればSTEP41に進む。また、STEP43における所定レベルは、各ガス機器ごとに別個に設定してもよいし、各ガス機器に共通に設定してもよい。また、燃料ガスの供給流量の把握値と設定値との乖離度合として、両者の差の他に、両者の比率を用いてもよい。
【0066】
STEP44はガス開閉弁閉弁手段26による処理であり、ガス開閉弁閉弁手段26は給湯器9に対して「運転停止信号」を送信する。該「運転停止信号」を受信した給湯器9は、給湯器開閉弁8を閉弁して燃焼運転を停止すると共に、ブザー及びランプ(図示しない)により異常の報知を行う。
【0067】
これにより、異常が生じた給湯器9のみの運転が停止され、他のガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,床暖房機11)は運転可能な状態に維持される。また、ホームサーバ20も、次のSTEP45で、ブザー及びディスプレイ(図示しない)により、給湯器5の異常を報知する。
【0068】
次のSTEP46及びSTEP47は、ガス元弁閉弁手段27による処理であり、ガス元弁閉弁手段27は、STEP46で、給湯器開閉弁8の閉弁により給湯器9への燃料ガスの供給が停止したか否かを確認する。具体的には、ガス元弁閉弁手段27は、個別ガス流量把握手段23により把握される給湯器9への燃料ガスの供給流量がゼロになったか否かを確認し、ゼロとなったときはSTEP40に戻る。
【0069】
一方、STEP46で給湯器9への燃料ガスの供給流量がゼロにならなかったとき、すなわち、給湯器9に対して「運転停止信号」を送信したにも拘わらず、給湯器9への燃料ガスの供給が停止しなかったときは、ガス元弁閉弁手段27は、STEP47で、ガスメータ2に対して「ガス元弁閉弁信号」を送信する。そして、該「ガス元弁閉弁信号」を受信したガスメータ2は、ガス元弁3を閉弁する。
【0070】
これにより、例えば、ホームサーバ20と給湯器9間の通信不良や、給湯器開閉弁8の故障等により、給湯器9への燃料ガスの供給を停止することができなくなった場合に、ガス元弁3を閉弁して、異常が生じている給湯器9への燃料ガスの供給を遮断することができる。
【0071】
そして、給湯器9の点検・修理の完了後、使用者がホームサーバ20に対して異常復旧操作を行ったときに、STEP48からSTEP49に進んで、ガスメータ2に対して「ガス元弁開弁信号」を送信する。該「ガス元弁開弁信号」を受信したガスメータ2はガス元弁3を開弁し、これにより、ガス供給管1への燃料ガスの供給が再開され、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)の運転が可能になる。
【0072】
ホームサーバ20は、給湯器9と同様に、こんろ5,ファンヒータ7,及び床暖房機11に対しても図5に示した処理を行い、これにより各ガス機器において生じ得るガス流量調節手段の故障による異常を検知して、該異常が検知されたガス機器への燃料ガスの供給を停止する処理を行う。
【0073】
なお、本実施の形態では、図5のSTEP46〜STEP49で、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)への燃料ガスの停止が確認できなかったときに、ガス元弁3を閉弁する処理を行ったが、該処理を行わない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
【0074】
また、上述した第1〜第3の実施の形態では、個別ガス流量把握手段23により、機器作動状態把握手段22により把握される各ガス機器の作動状態の変化とそれに応じて変動するガスメータ2による燃料ガスの供給流量の検出値とから、各ガス機器への燃料ガス供給流量を把握したが、各ガス機器に燃料ガスの供給流量を検出するガスメータを個別に設け、各ガスメータにより各ガス機器に供給される燃料ガスの供給流量を直接検出するようにしてもよい。
【0075】
また、異常検知手段25によりガス機器の異常が検知されたときに、ネットワーク40を介してガス会社やガス機器メーカの端末装置45に該異常の情報データを送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス機器の異常検知システムの全体構成図。
【図2】第1の実施の形態における燃料ガスの供給流量の異常検知に使用する所定流量の設定態様を示したグラフ。
【図3】第1の実施の形態における異常検知処理のフローチャート。
【図4】第2の実施の形態における異常検知処理のフローチャート。
【図5】第3の実施の形態における異常検知処理のフローチャート。
【図6】従来のガス供給システムの構成図。
【符号の説明】
1…ガス供給管、2…ガスメータ、3…ガス元弁、4…こんろ開閉弁、5…こんろ、6…ファンヒータ開閉弁、7…ファンヒータ、8…給湯器開閉弁、9…給湯器、10…床暖房機開閉弁、11…床暖房機、20…ホームサーバ、22…機器作動状態把握手段、23…個別ガス流量把握手段、24…個別ガス設定値受信手段、25…異常検知手段、26…ガス開閉弁閉弁手段、27…ガス元弁閉弁手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のガス機器の異常を個別に検知するガス機器の異常検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図6に示したように、ガス供給管50を介してこんろ51、ファンヒータ52、給湯器53等のガス機器に燃料ガスを供給するガス供給システムにおいては、ガス供給管50に対する燃料ガスの供給量を計測するガスメータ54が備えられている。
【0003】
そして、ガス供給管50には、ガスメータ54から出力される制御信号により開閉されるガス元弁55が備えられ、ガス供給管50に対する燃料ガスの供給圧の低下等の異常が検知されたときに、ガスメータ54はガス元弁55を閉弁してガス供給管50への燃料ガスの供給を遮断するようにしていた(特許文献1)。
【0004】
また、各ガス機器(こんろ51,ファンヒータ52,給湯器53)には、ガス供給管50からの燃料ガスの供給と遮断を切り換える開閉弁(こんろ開閉弁60、ファンヒータ開閉弁61、給湯器開閉弁62)と、バーナ(図示しない)の失火を検知する失火検知手段(図示しない)とが備えられており、バーナの失火が検知されたときに、該開閉弁を閉弁して燃料ガスの供給を遮断するようにしていた。
【0005】
しかし、各ガス機器に生じ得る異常としては、バーナの失火以外にも種々の要因が考えられ、これらの要因による異常も検知して、ガス供給システムにおける異常検知能力を高めることが望まれている。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−50727号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、複数のガス機器において生じる種々の異常を各ガス機器ごとに個別に検知することができるガス機器の異常検知システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、本発明の第1の態様は、ガス供給管を介して複数のガス機器に供給される燃料ガスの流量を、各ガス機器ごとに個別に把握する個別ガス流量把握手段と、該個別ガス流量把握手段により把握される各ガス機器への燃料ガスの供給流量を監視し、燃料ガスの供給流量が各ガス機器別に設定された所定流量を超えたガス機器を異常状態にあると検知する異常検知手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
かかる本発明によれば、異常運転や燃料ガスの供給系統の不良等により、燃料ガスの供給流量が増加したガス機器を、前記異常検知手段により異常状態にあるとして検知することができる。
【0010】
また、本発明の第2の態様は、ガス供給管を介して複数のガス機器に供給される燃料ガスの流量を、各ガス機器ごとに個別に把握する個別ガス流量把握手段と、該個別ガス流量把握手段により把握される各ガス機器への燃料ガスの供給流量を監視し、一定流量で燃料ガスが供給された状態が所定時間以上継続したガス機器を異常状態にあると検知する異常検知手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、ガス機器の故障や使用者がガス機器の運転を停止する操作を忘れることにより、一定流量で燃料ガスが供給された状態で長時間運転が継続されているガス機器を、前記異常検知手段により異常状態にあると検知することができる。
【0012】
また、本発明の第3の態様は、ガス供給管を介して複数のガス機器に供給される燃料ガスの流量を、各ガス機器ごとに個別に把握する個別ガス流量把握手段と、前記複数のガス機器と通信可能であって、各ガス機器から送信される各ガス機器の運転態様に応じた燃料ガスの供給流量の設定値を受信する個別ガス設定値受信手段と、前記個別ガス流量把握手段による燃料ガスの供給流量の把握値と、前記個別ガス設定値受信手段により受信された燃料ガスの供給流量の設定値との乖離度合を監視し、該乖離度合が所定レベル以上となったガス機器を異常状態にあると検知する異常検知手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
かかる本発明によれば、ガス機器側で設定された燃料ガスの供給流量と、前記個別ガス流量把握手段により把握された燃料ガスの供給流量との乖離度合が所定レベル以上となったときは、該ガス機器への燃料ガスの供給が正常に行われていないと考えられる。そこで、前記異常検知手段は、かかる状態にあるガス機器を、異常状態にあると検知することができる。
【0014】
また、前記第1の態様から前記第3の態様において、前記複数のガス機器は、各ガス機器ごとに設けられて燃料ガスの供給と遮断とを切り換えるガス開閉弁を介して前記ガス供給管に接続され、前記異常検知手段により異常が検知されたガス機器に設けられた前記ガス開閉弁を閉弁するガス開閉弁閉弁手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
かかる本発明によれば、前記異常検知手段により異常が検知されたガス機器の前記開閉弁を閉弁することにより、異常状態にあるガス機器への燃料ガスの供給のみを遮断して、他のガス機器の使用を可能とすることができる。
【0016】
また、前記ガス供給管への燃料ガスの供給と遮断とを切り換えるガス元弁と、前記ガス開閉弁閉弁手段により前記ガス開閉弁を閉弁した後も、前記異常検知手段により該ガス開閉弁が閉弁されたガス機器の異常が検知されるときには、前記ガス元弁を閉弁するガス元弁閉弁手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
かかる本発明によれば、前記ガス開閉弁の作動不良等により、異常が検知されたガス機器に対する燃料ガスの供給を遮断することができない場合に、前記ガス元弁閉弁手段により前記ガス元弁を閉弁することによって、異常が検知されたガス機器への燃料ガスの供給を確実に遮断することができる。
【0018】
また、前記ガス供給管に供給される燃料ガスの流量を検出するガス流量検出手段と、前記複数のガス機器と通信可能であって、各ガス機器から受信した信号に基づいて各ガス機器の作動状態を把握する機器作動状態把握手段とを備え、前記個別ガス流量把握手段は、前記機器作動状態把握手段により把握される各ガス機器の作動状態の変化とそれに応じた前記ガス流量検出手段による燃料ガスの検出流量の変化とに基づいて、各ガス機器への燃料ガスの供給流量を把握することを特徴とする。
【0019】
かかる本発明によれば、例えば、前記機器作動状態把握手段により前記複数のガス機器のうちのいずれかの運転開始が把握されたときに、前記ガス流量検出手段により検出される前記ガス供給管への燃料ガスの供給流量がΔFだけ増加したときには、前記個別ガス流量把握手段は、該ΔFを運転を開始したガス機器に供給される燃料ガスの流量として把握することができる。
【0020】
そして、本発明によれば、前記ガス流量検出手段を1つ設けることによって、各ガス機器に供給される燃料ガスの流量を個別に把握することができる。そのため、各ガス機器に燃料ガスの供給流量を検出するための専用のガス流量検出手段を個別に設ける必要がなく、低コストで前記個別ガス流量把握手段を構成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1〜図6を参照して説明する。図1は本発明のガス機器の異常検知システムの全体構成図、図2は本発明の第1の実施の形態における燃料ガスの供給流量の異常検知に使用する所定流量の設定態様を示したグラフ、図3は本発明の第1の実施の形態における異常検知処理のフローチャート、図4は本発明の第2の実施の形態における異常検知処理のフローチャート、図5は本発明の第3の実施の形態における異常検知処理のフローチャートである。
【0022】
先ず、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1において、ガス供給管1には、ガス供給管1に供給される燃料ガスの流量を検出するガスメータ2(本発明のガス流量検出手段に相当する)と、ガスメータ2から出力される制御信号により作動してガス供給管1を開閉するガス元弁3とが設けられている。また、ガス供給管1には、こんろ開閉弁4を介してこんろ5が接続され、ファンヒータ開閉弁6を介してファンヒータ7が接続され、給湯器開閉弁8を介して給湯器9が接続され、床暖房機開閉弁10を介して床暖房機11が接続されている。
【0023】
ここで、こんろ開閉弁4はこんろ5から出力される制御信号により開閉される。同様に、ファンヒータ開閉弁6はファンヒータ7から出力される制御信号により開閉され、給湯器開閉弁8は給湯器9から出力される制御信号により開閉され、床暖房機開閉弁10は床暖房機11から出力される制御信号により開閉される。
【0024】
また、ホームサーバ20は、CPU、メモリ等により構成された電子ユニットであり、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)との間で通信を行なうための通信インターフェース21、各ガス機器の作動状態を把握する機器作動状態把握手段22、各ガス機器に供給される燃料ガスの流量を個別に把握する個別ガス流量把握手段23、各ガス機器において運転態様に応じて設定される燃料ガスの供給流量を把握する個別ガス設定値受信手段24、各ガス機器に生じる異常を個別に検知する異常検知手段25、異常が生じたガス機器の開閉弁(こんろ開閉弁4,ファンヒータ開閉弁6,給湯器開閉弁8,床暖房機開閉弁10)を閉弁するガス開閉弁閉弁手段26、異常が生じたガス機器の開閉弁を閉弁しても該ガス機器への燃料ガスの供給流量が停止しないときにガス元弁3を閉弁するガス元弁閉弁手段27とを備えている。
【0025】
そして、ホームサーバ20は、通信ケーブル30,31,32,33,34を介して、ガスメータ2,床暖房機11,給湯器9,ファンヒータ7,こんろ5とそれぞれ通信可能に接続されている。さらに、ホームサーバ20は、ネットワーク40を介してガス会社の端末装置45と通信可能に接続されている。
【0026】
機器作動状態把握手段22は、通信インターフェース21を介して各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)から受信した信号により、各ガス機器の作動状態を把握する。
【0027】
個別ガス流量把握手段23は、ガスメータ2から受信した検出信号からガス供給管1への燃料ガスの供給流量を検知する。そして、機器作動状態把握手段22により把握される各ガス機器の作動状態の変化と、それに応じたガスメータ2による燃料ガスの検出流量の変化により、個別ガス流量把握手段23は、各ガス機器に供給される燃料ガスの流量を個別に把握する。
【0028】
具体的には、例えば、機器作動状態把握手段22によりファンヒータ7の運転開始が把握されたときに、ガスメータ2による燃料ガスの検出流量がΔFだけ増加したときには、個別ガス流量把握手段23は、該ΔFをファンヒータ7へのへの燃料ガスの供給流量として把握する。
【0029】
また、個別ガス設定値受信手段24は、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)から、各ガス機器において運転態様に応じて設定される燃料ガスの供給流量の設定値のデータを受信する。例えば、給湯器9においては、目標給湯温度での給湯を行うために必要な燃料ガスの供給流量が設定されるが、給湯器9は該供給流量の設定値のデータをホームサーバ20に送信する。そして、個別ガス設定値受信手段24は、受信した該データから給湯器9において設定されている燃料ガスの供給流量を把握する。
【0030】
また、異常検知手段25は、個別ガス流量把握手段23により把握される各ガス機器への燃料ガスの供給流量に基づいて、各ガス機器の異常を検知する。以下、図2に示したフローチャートに従って、ホームサーバ20による各ガス機器の異常検知処理について説明する。
【0031】
異常検知手段25は、図2を示したフローチャートを各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)ごとに実行して、各ガス機器の異常の有無を監視し、異常を検知したときは該異常に対処する措置を実行する。
【0032】
例えば、ファンヒータ7に対する異常の有無の監視と、異常に対する措置の実行手順について説明すると、図2のSTEP1でファンヒータ7の運転が開始されると、STEP2に進む。そして、異常検知手段25は、STEP2〜STEP3及びSTEP15を実行してファンヒータ7の異常の有無を監視する。
【0033】
異常検知手段25は、STEP2で個別ガス流量把握手段23によりファンヒータ7への燃料ガスの供給流量を把握する。そして、次のSTEP3で、異常検知手段25は、ファンヒータ7への燃料ガスの供給流量が所定流量を超えているか否かを判断する。ここで、該所定流量は、図3に示したように、各ガス機器に対して個別に設定されている。
【0034】
図3中、A1はファンヒータ7の正常運転時における燃料ガスの供給流量の変動範囲であり、ファンヒータ7に対する所定流量は、該変動範囲A1を超えたa1に設定されている。同様に、B1は給湯器9の正常運転時における燃料ガスの供給流量の変動範囲であり、給湯器9に対する所定流量は該変動範囲B1を超えたb1に設定されている。また、C1は床暖房機11の正常運転時における燃料ガスの供給流量の変動範囲であり、床暖房機11に対する所定流量は該変動範囲C1を超えたc1に設定されている。また、D1はこんろ5の正常運転時における燃料ガスの供給流量の変動範囲であり、こんろ5に対する所定流量は該変動範囲D1を超えたd1に設定されている。
【0035】
なお、図3中、as,bs,cs,dsは、それぞれ、ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11,こんろ5における通常安定時の燃料ガスの供給流量を示している。
【0036】
STEP3で、ファンヒータ7への燃料ガスの供給流量が所定流量(d1)を超えたときはSTEP4に進む。STEP4はガス開閉弁閉弁手段26による処理であり、ガス開閉弁閉弁手段26はファンヒータ7に対して「運転停止信号」を送信する。該「運転停止信号」を受信したファンヒータ7は、ファンヒータ開閉弁6を閉弁して燃焼運転を停止すると共に、ブザー及びランプ(図示しない)により異常の報知を行う。
【0037】
これにより、異常が生じたファンヒータ7の運転のみが停止され、他のガス機器(こんろ5,給湯器9,床暖房機11)は運転可能な状態に維持される。また、ホームサーバ20も、次のSTEP5で、ブザー及びディスプレイ(図示しない)により、ファンヒータ7の異常を報知する。
【0038】
なお、STEP15で機器作動状態把握手段22によりファンヒータ7の運転停止が把握されたときは、STEP1に戻る。
【0039】
次のSTEP6及びSTEP7は、ガス元弁閉弁手段27による処理であり、ガス元弁閉弁手段27は、STEP6で、ファンヒータ開閉弁6の閉弁によりファンヒータ7への燃料ガスの供給が停止したか否かを確認する。具体的には、個別ガス流量把握手段23により把握されるファンヒータ7への燃料ガスの供給流量がゼロになったか否かを確認し、ゼロとなったときはSTEP1に戻る。
【0040】
一方、STEP6でファンヒータ7への燃料ガスの供給流量がゼロにならなかったとき、すなわち、ファンヒータ7に対して「運転停止信号」を送信したにも拘わらず、ファンヒータ7への燃料ガスの供給が停止しなかったときは、ガス元弁閉弁手段27は、STEP7で、ガスメータ2に対して「ガス元弁閉弁信号」を送信する。そして、該「ガス元弁閉弁信号」を受信したガスメータ2は、ガス元弁3を閉弁する。
【0041】
これにより、例えば、ホームサーバ20とファンヒータ7間の通信不良や、ファンヒータ開閉弁6の故障等により、ファンヒータ7への燃料ガスの供給を停止することができなくなった場合に、ガス元弁3を閉弁して、異常が生じているファンヒータ7への燃料ガスの供給を遮断することができる。
【0042】
そして、ファンヒータ7の点検・修理完了後、使用者が、ホームサーバ20に対して異常復旧操作を行ったときに、STEP8からSTEP9に進んで、ホームサーバ20は、ガスメータ2に対してガス元弁3の開弁を指示する「ガス元弁開弁信号」を送信する。該「ガス元弁開弁信号」を受信したガスメータ2は、ガス元弁3を開弁し、これにより、ガス供給管1への燃料ガスの供給が再開され、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)の運転が可能となる。
【0043】
ホームサーバ20は、ファンヒータ7と同様に、こんろ5,給湯器9,及び床暖房機11に対しても図2に示した処理を行い、これにより各ガス機器において生じ得る燃料ガスの過剰供給を伴う異常を検知して、異常が検知されたガス機器への燃料ガスの供給を停止する処理を行う。
【0044】
なお、本実施の形態では、図2のSTEP6〜STEP9で、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)への燃料ガスの停止が検知できなかったときに、ガス元弁3を閉弁する処理を行ったが、該処理を行わない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
【0045】
次に、図1及び図4を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本第2の実施の形態におけるガス機器の異常検知システムの構成は、上述した第1の実施の形態における構成と同様であり、異常検知手段25による異常検知の判断処理のみが相違する。以下、図4に示したフローチャートに従って、本第2の実施の形態におけるホームサーバ20の処理について説明する。
【0046】
ホームサーバ20は、図4に示したフローチャートを各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)ごとに実行して、各ガス機器の異常の有無を監視し、異常を検知したときは該異常に対する措置を実行する。
【0047】
例えば、こんろ5に対する異常の有無の監視と、異常に対する措置の実行手順について説明すると、図4のSTEP20で機器作動状態把握手段22によりこんろ5の運転開始が把握されると、STEP21に進む。そして、異常検知手段25は、STEP21〜STEP24及びSTEP35〜STEP37を実行してこんろ5の異常の有無を監視する。
【0048】
異常検知手段25は、STEP21でタイマをスタートする。なお、該タイマの設定時間は、各ガス機器ごとに個別に設定してもよいし、各ガス機器に共通に設定してもよい。
【0049】
そして、次のSTEP22で、異常検知手段25は、個別ガス流量把握手段23によりこんろ5への燃料ガスの供給流量を把握し、STEP35でこんろ5への燃料ガスの供給流量が変動したか否かを確認し、STEP37でこんろ5から運転停止を通知する信号を受信したか否かを確認しながら、STEP23でタイマがタイムアップするのを待つ。
【0050】
なお、STEP35でこんろ5への燃料ガスの供給流量が変動したときはSTEP36に進み、異常検知手段25は、タイマを再スタートさせてSTEP22に戻る。また、STEP37で機器作動状態把握手段22によりこんろ5の運転停止が把握されたときは、STEP20に戻る。
【0051】
STEP23でタイマがタイムアップしたとき、すなわち、こんろ5への燃料ガスの供給流量が一定の状態でタイマ設定時間が経過したときは、STEP24に進む。STEP24はガス開閉弁閉弁手段26による処理であり、ガス開閉弁閉弁手段26はこんろ5に対して「運転停止信号」を送信する。そして、該「運転停止信号」を受信したこんろ5は、こんろ開閉弁4を閉弁して燃焼運転を停止すると共に、ブザー及びランプ(図示しない)により異常の報知を行う。
【0052】
これにより、異常が生じたこんろ5の運転のみが停止され、他のガス機器(ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)は運転可能な状態に維持される。また、ホームサーバ20も、次のSTEP25で、ブザー及びディスプレイ(図示しない)により、こんろ5の異常を報知する処理を行う。
【0053】
次のSTEP26及びSTEP27は、ガス元弁閉弁手段27による処理であり、ガス元弁閉弁手段27は、STEP26で、こんろ開閉弁4の閉弁によりこんろ5への燃料ガスの供給が停止したか否かを確認する。具体的には、個別ガス流量把握手段23により把握されるこんろ5への燃料ガスの供給流量がゼロになったか否かを確認し、ゼロとなったときはSTEP20に戻る。
【0054】
一方、STEP26でこんろ5への燃料ガスの供給流量がゼロにならなかったとき、すなわち、こんろ5に対して「運転停止信号」を送信したにも拘わらず、こんろ5への燃料ガスの供給が停止しなかったときは、ガス元弁閉弁手段27は、STEP29でガスメータ2に対して「ガス元弁閉弁信号」を送信する。そして、該「ガス元弁閉弁信号」を受信したガスメータ2は、ガス元弁3を閉弁する。
【0055】
これにより、例えば、ホームサーバ20とこんろ5間の通信不良や、こんろ開閉弁4の故障等により、こんろ5への燃料ガスの供給を停止することができなくなった場合に、ガス元弁3を閉弁して、異常が生じているこんろ5への燃料ガスの供給を遮断することができる。
【0056】
そして、ファンヒータ7の点検・修理を完了した使用者が、ホームサーバ20に対して異常復旧操作を行ったときに、STEP28からSTEP29に進んで、ホームサーバ20は、ガスメータ2に対して「ガス元弁開弁信号」を送信する。該「ガス元弁開弁信号」を受信したガスメータ2は、ガス元弁3を開弁し、これにより、ガス供給管1への燃料ガスの供給が再開され、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)の運転が可能となる。
【0057】
ホームサーバ20は、こんろ5と同様に、ファンヒータ7,給湯器9,及び床暖房機11に対しても図4に示した処理を行い、これにより、ガス比例弁等のガス流量調節手段の固着故障や、使用者の運転停止の操作忘れにより各ガス機器が長時間継続して運転されることを防止することができる。
【0058】
なお、本実施の形態では、図4のSTEP26〜STEP29で、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)への燃料ガスの停止が認識できなかったときに、ガス元弁3を閉弁する処理を行ったが、該処理を行わない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
【0059】
次に、図1及び図5を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、本第3の実施の形態におけるガス機器の異常検知システムの構成は、上述した第1の実施の形態における構成と同様であり、異常検知手段25による異常検知の判断処理のみが相違する。以下、図5に示したフローチャートに従って、本第3の形態におけるホームサーバ20の処理について説明する。
【0060】
ホームサーバ20は、図5に示したフローチャートを各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)ごとに実行して、各ガス機器の異常の有無を監視し、異常を検知したときは該異常に対処する措置を実行する。
【0061】
例えば、給湯器9に対する異常の有無の監視と、異常に対する措置の実行手順について説明すると、図5のSTEP40で機器作動状態把握手段22により給湯器9の運転開始が把握されると、STEP41に進む。そして、異常検知手段25は、STEP41〜STEP43及びSTEP55を実行して給湯器9の異常の有無を監視する。
【0062】
異常検知手段25は、STEP41で個別ガス流量把握手段23により給湯器9への燃料ガスの供給流量を把握すると共に、次のSTEP42で給湯器9から送信される給湯器9への燃料ガスの供給流量の設定値を受信する。ここで、給湯器9においては、目標給湯温度や給水温度等応じてバーナ(図示しない)の目標燃焼量が決定され、該目標燃焼量を得るために必要な燃料ガスの供給流量が設定される。
【0063】
そして、設定された供給燃料で燃料ガスが供給されるように、ガス比例弁等のガス流量調節手段(図示しない)が制御される。そのため、給湯器9が正常に作動していれば、STEP41で個別ガス流量把握手段23により把握される給湯器9への燃料ガスの供給流量の把握値と、STEP42で個別ガス設定値受信手段により給湯器9から受信された燃料ガスの供給流量の設定値とは、ほぼ一致する。
【0064】
しかし、ガス流量調節手段の故障が生じると、燃料ガスの供給流量の把握値と設定値との間の差(本発明の乖離度合に相当する)が生じ、該差は故障の程度が大きくなるにつれてより大きくなる。そこで、異常検知手段25は、STEP43で、給湯器9に供給される燃料ガスの供給流量の把握値と設定値とを比較し、両者の差が所定レベル以上となったときに、給湯器9が異常状態にあると検知してSTEP44に進む。
【0065】
なお、STEP43で燃料ガスの供給流量の把握値と設定値との差が所定レベルよりも小さいときは、STEP55に分岐する。そして、機器作動状態把握手段22により給湯器9の運転停止が把握されたときはSTEP40に戻り、給湯器9が運転継続中であればSTEP41に進む。また、STEP43における所定レベルは、各ガス機器ごとに別個に設定してもよいし、各ガス機器に共通に設定してもよい。また、燃料ガスの供給流量の把握値と設定値との乖離度合として、両者の差の他に、両者の比率を用いてもよい。
【0066】
STEP44はガス開閉弁閉弁手段26による処理であり、ガス開閉弁閉弁手段26は給湯器9に対して「運転停止信号」を送信する。該「運転停止信号」を受信した給湯器9は、給湯器開閉弁8を閉弁して燃焼運転を停止すると共に、ブザー及びランプ(図示しない)により異常の報知を行う。
【0067】
これにより、異常が生じた給湯器9のみの運転が停止され、他のガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,床暖房機11)は運転可能な状態に維持される。また、ホームサーバ20も、次のSTEP45で、ブザー及びディスプレイ(図示しない)により、給湯器5の異常を報知する。
【0068】
次のSTEP46及びSTEP47は、ガス元弁閉弁手段27による処理であり、ガス元弁閉弁手段27は、STEP46で、給湯器開閉弁8の閉弁により給湯器9への燃料ガスの供給が停止したか否かを確認する。具体的には、ガス元弁閉弁手段27は、個別ガス流量把握手段23により把握される給湯器9への燃料ガスの供給流量がゼロになったか否かを確認し、ゼロとなったときはSTEP40に戻る。
【0069】
一方、STEP46で給湯器9への燃料ガスの供給流量がゼロにならなかったとき、すなわち、給湯器9に対して「運転停止信号」を送信したにも拘わらず、給湯器9への燃料ガスの供給が停止しなかったときは、ガス元弁閉弁手段27は、STEP47で、ガスメータ2に対して「ガス元弁閉弁信号」を送信する。そして、該「ガス元弁閉弁信号」を受信したガスメータ2は、ガス元弁3を閉弁する。
【0070】
これにより、例えば、ホームサーバ20と給湯器9間の通信不良や、給湯器開閉弁8の故障等により、給湯器9への燃料ガスの供給を停止することができなくなった場合に、ガス元弁3を閉弁して、異常が生じている給湯器9への燃料ガスの供給を遮断することができる。
【0071】
そして、給湯器9の点検・修理の完了後、使用者がホームサーバ20に対して異常復旧操作を行ったときに、STEP48からSTEP49に進んで、ガスメータ2に対して「ガス元弁開弁信号」を送信する。該「ガス元弁開弁信号」を受信したガスメータ2はガス元弁3を開弁し、これにより、ガス供給管1への燃料ガスの供給が再開され、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)の運転が可能になる。
【0072】
ホームサーバ20は、給湯器9と同様に、こんろ5,ファンヒータ7,及び床暖房機11に対しても図5に示した処理を行い、これにより各ガス機器において生じ得るガス流量調節手段の故障による異常を検知して、該異常が検知されたガス機器への燃料ガスの供給を停止する処理を行う。
【0073】
なお、本実施の形態では、図5のSTEP46〜STEP49で、各ガス機器(こんろ5,ファンヒータ7,給湯器9,床暖房機11)への燃料ガスの停止が確認できなかったときに、ガス元弁3を閉弁する処理を行ったが、該処理を行わない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
【0074】
また、上述した第1〜第3の実施の形態では、個別ガス流量把握手段23により、機器作動状態把握手段22により把握される各ガス機器の作動状態の変化とそれに応じて変動するガスメータ2による燃料ガスの供給流量の検出値とから、各ガス機器への燃料ガス供給流量を把握したが、各ガス機器に燃料ガスの供給流量を検出するガスメータを個別に設け、各ガスメータにより各ガス機器に供給される燃料ガスの供給流量を直接検出するようにしてもよい。
【0075】
また、異常検知手段25によりガス機器の異常が検知されたときに、ネットワーク40を介してガス会社やガス機器メーカの端末装置45に該異常の情報データを送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス機器の異常検知システムの全体構成図。
【図2】第1の実施の形態における燃料ガスの供給流量の異常検知に使用する所定流量の設定態様を示したグラフ。
【図3】第1の実施の形態における異常検知処理のフローチャート。
【図4】第2の実施の形態における異常検知処理のフローチャート。
【図5】第3の実施の形態における異常検知処理のフローチャート。
【図6】従来のガス供給システムの構成図。
【符号の説明】
1…ガス供給管、2…ガスメータ、3…ガス元弁、4…こんろ開閉弁、5…こんろ、6…ファンヒータ開閉弁、7…ファンヒータ、8…給湯器開閉弁、9…給湯器、10…床暖房機開閉弁、11…床暖房機、20…ホームサーバ、22…機器作動状態把握手段、23…個別ガス流量把握手段、24…個別ガス設定値受信手段、25…異常検知手段、26…ガス開閉弁閉弁手段、27…ガス元弁閉弁手段
Claims (6)
- ガス供給管を介して複数のガス機器に供給される燃料ガスの流量を、各ガス機器ごとに個別に把握する個別ガス流量把握手段と、
該個別ガス流量把握手段により把握される各ガス機器への燃料ガスの供給流量を監視し、燃料ガスの供給流量が所定流量を超えたガス機器を異常状態にあると検知する異常検知手段とを備えたことを特徴とするガス機器の異常検知システム。 - ガス供給管を介して複数のガス機器に供給される燃料ガスの流量を、各ガス機器ごとに個別に把握する個別ガス流量把握手段と、
該個別ガス流量把握手段により把握される各ガス機器への燃料ガスの供給流量を監視し、一定流量で燃料ガスが供給された状態が所定時間以上継続したガス機器を異常状態にあると検知する異常検知手段とを備えたことを特徴とするガス機器の異常検知システム。 - ガス供給管を介して複数のガス機器に供給される燃料ガスの流量を、各ガス機器ごとに個別に把握する個別ガス流量把握手段と、
前記複数のガス機器と通信可能であって、各ガス機器から送信される各ガス機器の運転態様に応じた燃料ガスの供給流量の設定値を受信する個別ガス設定値受信手段と、
前記個別ガス流量把握手段による燃料ガスの供給流量の把握値と、前記個別ガス設定値受信手段により受信された燃料ガスの供給流量の設定値との乖離度合をを監視し、該乖離度合が所定レベル以上となったガス機器を異常状態にあると検知する異常検知手段を備えたことを特徴とするガス機器の異常検知システム。 - 前記複数のガス機器は、各ガス機器ごとに設けられて燃料ガスの供給と遮断とを切り換えるガス開閉弁を介して前記ガス供給管に接続され、
前記異常検知手段により異常が検知されたガス機器に設けられた前記ガス開閉弁を閉弁するガス開閉弁閉弁手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項記載のガス機器の異常検知システム。 - 前記ガス供給管への燃料ガスの供給と遮断とを切り換えるガス元弁と、
前記ガス開閉弁閉弁手段により前記ガス開閉弁を閉弁した後も、前記異常検知手段により該ガス開閉弁が閉弁されたガス機器の異常が検知されるときに、前記ガス元弁を閉弁するガス元弁閉弁手段とを備えたことを特徴とする請求項4記載のガス機器の異常検知システム。 - 前記ガス供給管に供給される燃料ガスの流量を検出するガス流量検出手段と、前記複数のガス機器と通信可能であって、各ガス機器から受信した信号に基づいて各ガス機器の作動状態を把握する機器作動状態把握手段とを備え、
前記個別ガス流量把握手段は、前記機器作動状態把握手段により把握される各ガス機器の作動状態の変化とそれに応じた前記ガス流量検出手段による燃料ガスの検出流量の変化とに基づいて、各ガス機器への燃料ガスの供給流量を把握することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項記載のガス機器の異常検知システム。
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- 2003-03-17 JP JP2003071150A patent/JP2004278914A/ja active Pending
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