JP5293225B2 - ガス遮断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス遮断装置に関し、器具の使用監視を並行して行い、器具の異常使用を検出すると確実にガスを遮断し、事故を防止するガス遮断装置に関するものである。
従来この種のガス遮断装置は図3に示すように、ガスメータ103を中心に、ガスの供給管101、メータコック102、緊急遮断弁104等からなり、電力消費を避ける為、瞬時流量で閉弁する。流量測定装置105は、ガスメーターに取り付けられた流量センサで、例えばパルスのようなディジタル信号を発信する。制御装置106は、ガスの供給管に取り付けられた流量測定装置105と、ガスの供給管に取り付けられた緊急遮断弁104と、個々のガス器具のガス消費量及びこれに対応する継続使用安全時間を記憶させるガス器具記憶手段と、流量測定装置105により一定の時間間隔毎の供給ガスの全体流量を測定し、この全体流量に変化が認められた場合、この増加分に相当する1台のガス器具がその使用を開始したと判断して、このガス器具の消費量を順次登録し、全体流量に減少が認められた場合、この減少分に相当するガス消費量のガス器具が停止したと判断してガス器具の使用状況を登録する器具別ガス流量記憶手段と、流量測定装置により測定している供給ガスの全体流量に変化が検出されると時間の計測を開始し、次に変化が検出される迄時間計測を続行し、この続行時間が器具別ガス流量記憶手段に記憶されている現在使用中のガス器具の消費量のうち最も大きい消費量のものに対応する継続使用安全時間を超えたとき、緊急遮断弁104を閉止する信号を送る判定手段とからなる。制御装置106の電源107は電池を使用する。なお緊急遮断弁用の電池108を備える。この構成により、制御装置106にマイコン等を使用し、供給ガスの流れを監視し異常と判定されるとき供給ガスの停止を指示し緊急遮断弁104を作動させるものである(例えば特許文献1参照)。
一般的にガス器具のガス消費量が決まっており、通常家庭内で使われるガス器具は次のような範囲である。例えば6Bガスの場合、大型器具の口火は0.02〜0.06m/h、炊飯器は0.2〜0.4m3/h、ストーブは0.3〜0.7m/h、湯沸器は1.5〜6.0m/h、風呂釜は1.2〜2.2m/hである。一方それぞれの器具が連続的に使用される時間はストーブのように10時間程度使用されるものから湯沸器のように長くても15〜30分程度しか使われないものもある。やはり器具の種類によっておおよその範囲が決まっている。従って例えば全体で3m/hの流量が計測されていると通常それは湯沸器であると判断される為、なんらの流量変化がなく15〜30分流れている場合は正常であるが、60分を超えて流れている場合は器具が正常に使用されておらずガス栓からガスが流出しているような異常が発生しているのでガスを遮断すべきと判断する。3m/h程度の流量が計測されていてもその流量に変動が観察される場合、他の器具が使用開始、或いは使用停止されたことを意味する為正常な家庭生活が営まれていると判断し遮断する必要がない。
2台以上の器具が同時に使用される場合、例えば2m/hの風呂釜と0.5m/hのストーブを2台、計3台の器具を同時に1時間以上使用する場合、合計流量が3m/hのガス流量が計測される為、湯沸器の異常使用と判断して遮断する可能性がある。制御装置のガス器具記憶手段にはガス器具毎に想定されるガス消費量と継続使用安全時間を予め記憶しておく。例えば表1の流量区分と継続使用安全時間とが記憶させておく。
制御装置には流量計測装置105、即ち流量センサが接続され流量計測するが、発信信号を受け平均流量を計算する。平均流量が変化せず何分継続するかを追跡し平均流量を構成している個別器具の流量と、制御装置106内に予め記憶させておいた流量区分ごとの定められた継続時間とを比較し、オーバーした場合、異常使用と判定して緊急遮断弁104に閉止信号を発する。
今ガスが流れていない状態(流量が零)が計測されていたものが、ある時刻T1において流量Q1が計測されたとする。この時器具が1台使用され、流量はQ1と判断し最大流量器具の流量としてQ1を器具別ガス流量記憶手段の第1位に登録し、同時に継続使用安全時間の測定を開始する。次に時刻T2において、流量の増加が計測され、その増加量がQ2であり、Q1<Q2であったとすると、制御装置106は最大器具流量としてQ2を器具別ガス流量記憶手段の第1位に、Q1を第2位に登録しなおし、継続使用安全時間を再度計測開始する。更に時刻T3で流量の増加が計測され、増加量がQ3で、Q1<Q3<Q2であったとする。同様に器具別ガス流量記憶手段には第1位にQ2、第2位にQ3、第3位にQ1が登録され、継続使用安全時間が又計測開始される。次に時刻T4で流量減少が計測され変化後流量がQ4であり、Q3<Q4<Q2であったとすると、制御装置106はガス流量Q2の器具は停止したと判断し、器具別ガス流量記憶手段には第1位にはQ3を、第2位にはQ1を繰り上げ、継続使用安全時間の測定を開始する。
例えば時刻T3からT4において、第1位の流量Q2が、対応する表1の流量区分別継続使用安全時間が50分であったとすると、時刻T3からT4の間に50分が経過すると異常と判定して緊急遮断弁104が作動する。
又一定の時間パルス信号の発信がないことの確認ができ、常時内管からのガスの漏洩状況を監視できる。ガス器具の正常使用時の諸現象をガスの流量変化でとらえ、異常時と区別する。
特開昭61−59423号公報
しかしながら、上記従来の構成では、器具が使用されると全体流量を測定し全体流量の増加流量分を器具別ガス流量記憶手段に登録され、継続使用安全時間を計測しガス流量記憶手段に記憶されている消費量に対応した継続使用安全時間を超えるとガス通路の遮断を行うという機能は有しているものの、例えば給湯器等はシャワー等を使用する場合設定湯温に到達するようにガス流量をさまざまに制御し、又衣類乾燥機等は衣類乾燥の為に設定温度付近の温風に出すようにガス流量の制御を行うため常に瞬時流量が変化し、器具別ガス流量記憶手段という名称であるが、実際はひとつの器具であるのに器具別ガス機能流量記憶手段には複数のガス流量に分割されて登録されるという流量登録手段であり、合算流量が本来の器具流量であり、その流量に対応した継続使用安全時間をもとに監視されるは
ずが、分割されている為少ない消費量区分の継続使用安全時間で監視されることがあり、本来の監視時間以上に長い時間ガス器具が使用されることになり、特に使用流量の大きな器具を使用する場合等は安全性の面で課題を有していた。
本発明は、上記課題を解決するもので、器具使用開始後流量計測し使用流量を求め使用監視すると共に、並行して使用器具の流量等の特徴を検出しどの器具を使用しているかを特定識別し、特定すると器具に適した監視を行うことにより、誤遮断がなく、安全性の高いガス遮断装置を提供するものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明のガス遮断装置は、流量監視し異常判定を行う第1の保安判定手段と、使用流量パターンより器具推定し異常判定を行う第2の保安判定手段とを備え、並行して異常判定監視するガス遮断装置であって、ガス流量を計測する流量検出手段と、瞬時流量を演算する流量演算手段と、前記流量演算手段で求めた瞬時流量を時系列的に憶する流量格納手段と、求めた瞬時流量値より平均流量を求める平均流量演算手段と、前記平均流量演算手段で求めた平均流量と過去の平均流量とから流量変化有無を判定する流量変化判定手段と、前記流量変化判定手段で使用した平均流量を記憶する流量記憶手段と、流量変化判定時変化流量を登録或いは削除する流量登録手段と、使用状態の異常を監視する判定値を記憶する監視値記憶手段と、前記流量登録手段の登録流量と監視値記憶手段の判定値とを比較し異常判定を行う第1の異常判定手段と、器具毎の流量パターンを予め記憶している特徴記憶手段と、前記流量格納手段に時系列的に記憶された瞬時流量と前記特徴記憶手段に記憶された流量パターンを比較し使用器具を推定する器具推定手段と、器具毎の異常判定値を記憶する器具監視値記憶手段と、前記器具監視値記憶手段に記憶された器具毎の異常判定値の内、前記器具推定手段で使用と推定された器具に該当する異常判定値で使用器具毎の異常判定を行第2の異常判定手段と、前記第1或いは前記第2の異常判定手段で異常判定成立時ガスの供給を遮断する遮断手段とを備え、器具の使用が開始されると、まず、前記第1の異常判定手段による監視を開始し、その後、前記器具推定手段で器具が推定されたら、前記第1の異常判定手段よりも前記第2の異常判定手段の異常判定を優先すると共に、器具推定手段で器具推定不能となった場合には前記第1の異常判定手段により異常判定を行うことを特徴とするものである。
上記発明によれば、器具を使用開始すると変化流量を検出し器具流量として登録し監視すると共に、並行して流量格納手段に記憶された流量と特徴記憶手段に格納された流量パターンとを器具推定手段で比較判定し器具を特定し、器具特定できたら器具監視値記憶手段の器具毎の監視値に基づき第2の異常判定手段で監視するので、器具使用途中の流量変化で流量登録手段のデータが変化し第1の異常判定手段で、例えば安全継続時間の監視時間がかわり、監視のやり直しが発生しても、第2の異常判定手段で器具特定し安全時間監視しているので、第2の異常判定手段で器具の異常使用を停止することができ、本来複数の器具使用中であるのに一つの器具と間違って使用時間監視し早期に使用時間遮断し、ガス事業者の不要な出動回数が増大したり、暖房器具のように本来長時間使用可能であるのに短時間で停止し使い勝手の低下するのを防止することができ、かつ安全性の高いガス遮断装置を提供することができる。
本発明のガス遮断装置は、器具使用開始すると流量検出し使用流量を求め流量登録手段に登録し使用監視すると共に、並行して流量の時系列信号を格納し器具使用開始/停止或いは制御中の特徴を求め器具推定を行い、器具推定が確定したならば、器具毎の監視判定に切替えるので、本来単一の器具使用中であるのに複数の器具と間違って使用時間監視し早期に使用時間遮断し、ガス事業者の不要な出動回数が増大したり、暖房器具のように本来長時間使用可能であるのに短時間で停止し使い勝手の低下するのを防止することができる。
本発明は、流量監視し異常判定を行う第1の保安判定手段と、使用流量パターンより器具推定し異常判定を行う第2の保安判定手段とを備え、並行して異常判定監視するガス遮断装置であって、ガス流量を計測する流量検出手段と、瞬時流量を演算する流量演算手段と、前記流量演算手段で求めた瞬時流量を時系列的に憶する流量格納手段と、求めた瞬時流量値より平均流量を求める平均流量演算手段と、前記平均流量演算手段で求めた平均流量と過去の平均流量とから流量変化有無を判定する流量変化判定手段と、前記流量変化判定手段で使用した平均流量を記憶する流量記憶手段と、流量変化判定時変化流量を登録或いは削除する流量登録手段と、使用状態の異常を監視する判定値を記憶する監視値記憶手段と、前記流量登録手段の登録流量と監視値記憶手段の判定値とを比較し異常判定を行う第1の異常判定手段と、器具毎の流量パターンを予め記憶している特徴記憶手段と、前記流量格納手段に時系列的に記憶された瞬時流量と前記特徴記憶手段に記憶された流量パターンを比較し使用器具を推定する器具推定手段と、器具毎の異常判定値を記憶する器具監視値記憶手段と、前記器具監視値記憶手段に記憶された器具毎の異常判定値の内、前記器具推定手段で使用と推定された器具に該当する異常判定値で使用器具毎の異常判定を行第2の異常判定手段と、前記第1或いは前記第2の異常判定手段で異常判定成立時
ガスの供給を遮断する遮断手段とを備え、器具の使用が開始されると、まず、前記第1の異常判定手段による監視を開始し、その後、前記器具推定手段で器具が推定されたら、前記第1の異常判定手段よりも前記第2の異常判定手段の異常判定を優先すると共に、器具推定手段で器具推定不能となった場合には前記第1の異常判定手段により異常判定を行うことを特徴とするものである。
そして、器具を使用開始するとその流量変化を検出し、検出した流量を流量登録手段に登録し使用監視すると共に、並行して流量の時系列的に格納し器具使用開始/停止或いは制御中の特徴を求め器具推定を行い、器具推定が確定したならば、器具毎の異常監視値に基づく使用監視判定に切替えるので、本来単一の器具使用中であるのに複数の器具と間違って使用時間監視し早期に使用時間遮断し、ガス事業者の不要な出動回数が増大したり、暖房器具のように本来長時間使用可能であるのに短時間で停止し使い勝手の低下するのを防止することができ、かつ安全性が高い。
また本発明は、前記ガス遮断装置の手段の全てもしくは一部をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
そして、プログラムであるのでマイコン等を用いて本発明のガス遮断装置の一部あるいは全てを容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置とガス器具の設置形態を示す構成図、図2は同ガス遮断装置の制御ブロック図である。
各家庭のガス供給管1の入口部分にガス遮断装置2が設置され、このガス遮断装置2を経由した後のガス配管3から分岐して家庭で使用する種々のガス器具が設置された場所まで配管されガスが供給される。例えば、屋外にはガス給湯器4が設置され、このガス給湯器4で生成される湯が水配管を介して台所の給湯栓5、浴槽やシャワー装置が設置された風呂6、リビング等に設置された床暖房7に供給され、種々の使用形態を形成している。また、屋内にあっては、台所に設置されたガステーブル8、リビングや寝室等に設置されたガスファンヒータ9にガスが供給され、必要に応じて適宜使用される。
そして、ガス遮断装置2には、ガス入口とガス出口を有したガス流路が形成され、ガス流量を計測する流量検出手段10と異常時にガスを遮断する遮断手段19等で構成される。なお、流量検出手段10としては種々の方式があり、本実施の形態で示す流路内に設置された一対の超音波センサで超音波信号を一方から他方に発信しその伝搬時間より使用ガス流量を検出するものや、流路内に熱線式センサを設け流れにより変化するインピーダンスより流量を求めるもの、さらには計量膜によりガス量を検出し計量膜の機械的動作を磁石とリードスイッチあるいは磁気抵抗素子等により電気的パルス信号として流量を検出するものがある。
そこで、超音波センサを用いた流量検出手段10について簡単に説明すると、超音波を送信または受信する第1送受信器と受信または送信する第2送受信器が流れ方向に対抗し
て配置され、送受信の切り換えにより、ガス等の流体の流れ状態を検出している。この第1送受信器と第2送受信器の信号を処理して流量を計測するもので、上流から下流に超音波を送信する。そして第2送受信器で受信しタイマカウンタのような計時手段で計測する。切換手段で下流から上流に向かって超音波信号を送信し、伝搬時間を計測する。そして、第1送受信器と第2送受信器との超音波の伝搬時間差から流路の大きさや流体の流れ状態を考慮して流量演算手段11で瞬時流量を求める。瞬時流量は予め定めた周期毎に求められる。求めた瞬時流量は時系列的に流量格納手段12に格納される。
そして、所定周期で求められる瞬時流量は平均流量演算手段13に入力され、ここで所定個数の瞬時流量値を集合して平均化され平均流量として算出される。求めた平均流量を流量記憶手段14に時系列に記憶する。流量変化判定手段15では、平均流量演算手段12で求めた今回の平均流量値と流量記憶手段14に格納された前回演算時、或いはN回前演算時の平均流量とを比較して、予め定めた変化値以上の変化があるか否かを判定し、器具の使用開始有無を流量変化有無として判断する。例えば、需要家が給湯器4を使用すると流量値はゼロから所定の流量まで変化、あるいはガステーブル等の器具を使用中に給湯器4等が使用されると求めた平均流量と流量記憶手段14の過去の平均流量記憶値とから流量変化率あるいは流量変化量が所定以上あったか否かで器具の使用/停止、或いは流量変化の有無を判断する。
そして、流量変化判定手段15で流量変化を検出すると、器具の使用開始、あるいは使用停止と判定して、流量登録手段16に登録流量値として登録したり、或いは停止と判定して同相当の流量を削除する。例えば、増加流量の変化が検出される度に器具が追加使用されたと判断して、都度流量変化分を器具流量値として新規登録する。反対に、器具の使用が停止された場合は、流量減少側の変化が検出されるが、流量登録手段16に登録されている登録流量値のうち流量変化量に近い登録流量値をその器具が停止されたと判断し削除する。
そして、監視値記憶手段17は、流量域に対応した連続使用制限時間、あるいは使用最大流量の監視判定値などが記憶されている。例えばストーブ等へガスを供給するホースが何らかの原因で外れた時、異常な大流量が発生するが、そのような状態を監視するための合計流量遮断値や、器具の通常使用する最大使用時間よりはるかに長く使用された場合に対応して使用時間の制限時間を規定した使用時間遮断制限時間を設定した監視値を記憶している。第1の異常判定手段18は、監視値記憶手段17の設定値と流量登録手段16の登録流量値とを比較判定することで、登録流量値が使用最大流量値を超えていないか、あるいは器具使用時間が登録流量値に対応した器具連続使用制限時間を超えていないか等判定する。この第1の異常判定手段18で異常を判定したとき遮断手段19に遮断信号を送ってガスの供給を停止する。また、遮断状態や遮断内容を液晶表示素子等に表示すると共にガスの安全監視を行っているセンターに通信手段20などを通じて通報する。
流量記憶手段13、流量変化検出手段14、流量登録手段15、監視値記憶手段17、第1の異常判定手段18は第一の保安判定手段21を構成している。
一方、特徴記憶手段22は、器具毎の瞬時流量の時系列的な流量パターンを予め記憶している。器具推定手段23は、流量格納手段12の時系列的に格納した流量パターンと特徴記憶手段22の記憶している流量パターンの時系列信号とを比較し、どの器具を使用開始されたかを推定する。器具監視値記憶手段24は、器具毎の異常判定値を記憶する。第2の異常判定手段25は、器具監視値と推定した器具とを比較し使用器具毎の異常判定を行う。第1の異常判定手段18と第2の異常判定手段25は、異常判定を並行して行っているが、第2の異常判定手段25が異常監視成立すると、第1の異常判定手段18に優先して異常判定を行い、異常成立時遮断手段19に停止信号を出力し、ガスの供給を遮断す
る。流量格納手段12、特徴記憶手段22、器具推定手段23、器具監視値記憶手段24、第2の異常判定手段25とから第2の保安判定手段26を構成する。
次に、以上のように構成されたガス遮断装置の動作を説明する。需要家宅で保有しているガス器具、例えばガスストーブ9や給湯器4等が使用されるとその流量を流量検出手段10で検出する。例えば超音波センサを用いた場合は超音波信号の伝搬時間が検出値として計測され、この信号が流量演算手段11に送られて瞬時流量値として算出され、平均流量演算手段13で所定個数の瞬時流量より平均流量値として演算され、求められた平均流量は流量記憶手段14に定期的に、かつ時系列的に複数個記憶される。この流量記憶手段14に記憶された過去の平均流量とから流量変化の有無を求める。つまり、所定間隔で出力される平均流量値を用いてその変化状態から器具の使用あるいは器具の停止を判断するとともに、その変化時の流量変化分をもって使用器具の登録流量とし、流量登録手段16に新規登録したり、既に登録済みの登録流量を削除したりすることで、変化時点の使用器具に対応した変化流量を登録する。
そして、第1の異常判定手段18はこの設定された登録流量の最大流量値で監視値記憶手段17内の該当の使用時間制限時間を参照して使用器具を監視する。
また並行して、流量演算手段11で求めた瞬時流量は流量格納手段12に時系列的格納される。器具推定手段23は、特徴記憶手段22に予め時系列的に記憶された流量パターンや判定流量パラメータ等を用いて、流量格納手段12に格納されている時系列的な流量信号とから、使用されているガス器具を推定する。この時、器具流量の立上り流量の変化や、検出された絶対流量値の大きさや、器具内部の制御による流量変化パターン等より、給湯器4であるのか、ガステーブル8か、ガスファンヒータ9かを推定し、確定すると例えば器具A、器具B、器具C等のコード信号で第2の異常判定手段24に出力される。
そして、第2の異常判定手段24は器具推定手段23より器具特定されたコード信号を基に器具監視値記憶手段24の器具毎の監視判定値をもとに監視開始する。同時に第1の異常判定手段18に器具推定完了信号を送信する。第1の異常判定手段18は器具推定完了信号を受信すると異常判定は継続するが、異常判定は第2の異常判定手段25が優先となる。即ち並行して第1の異常判定手段18による監視と第2の異常判定手段25による器具監視とが行われるが、器具推定手段23による器具特定が完了すると、器具毎の異常監視が優先される。第1の異常判定手段18が先に異常判定しても器具推定完了している場合、第2の異常判定手段25が優先判定し、異常成立時に遮断手段19に遮断信号が出力される。途中で器具推定手段23により器具推定不能となった場合、第2の異常判定手段25に器具推定不能信号が出力され、直ちに第1の異常判定手段18に送信され、第1の異常判定手段18で流量監視を行う。
例えば、ガステーブル8やガスファンヒータ9を使用中に給湯器4の使用形態において、特に床暖房等に使用した場合は運転初期の負荷が大きい場合と安定状態の負荷が小さい場合においては燃焼量が大きく変化する。このような場合、流量登録手段15にガステーブル8やガスファンヒータ9の流量が登録され、更に給湯器4の流量が登録される。給湯器4の運転初期に流量変化がありとして給湯器4の使用が判定され、この時点の平均流量値が登録流量として流量登録手段15に登録されることになる。そして、運転が継続されると暖房負荷が徐々に減少していき、燃焼量すなわちガス流量が比例制御により減少方向に制御される。流量変化判定手段14により、このときの変化量によって、ガステーブル8やガスファンヒータ9の流量が、実際は使用しているが、流量登録を削除される場合がある。そして給湯器4の使用を停止するとガステーブル8とガスファンヒータ9の合計流量が1つの器具として流量登録手段15に残る場合がある。
つまり、給湯器4使用中に給湯器の流量変化量とガステーブル8やガスファンヒータ9の流量と同じ流量の流量変化が発生することがある。結果ガステーブル8やガスファンヒータ9が停止したと判定して、流量登録手段15より流量登録値を削除する。この状態で暖房負荷が飽和して給湯器4が停止すると流量変化判定手段15で流量変化ありと判断して、このときの流量変化分を流量登録手段15に登録された登録流量から削除される。しかし、給湯器4が停止した時、既にガステーブル8やガスファンヒータ9の流量がなくなっているので、合計流量が一つの器具として流量登録手段15に残っている。実際に使用していない1つの器具流量として、第1の異常判定手段18で監視値記憶手段17の設定値と比較する場合の登録流量の対象となってしまう。つまり、実際に使用している器具の流量よりも大きな値の登録流量で使用器具の監視が行われることになり、連続使用制限時間が短縮されたりして予想外の短時間で遮断手段19が誤遮断してしまうという使い勝手の悪さが想定される。
しかし、並行して流量格納手段12に器具A、器具Bが使用される毎瞬時流量が格納され、時系列的に記憶している。器具推定手段23使用器具がファンヒータと判定すると器具信号Aが第2の異常判定手段24に出力され、かつ第1の異常判定手段18に送信され、器具監視値記憶手段24よりファンヒータに該当する最大監視流量や使用時間の制限値が第2の異常判定手段25に入力され判定される。その結果第1の異常判定手段18で誤った異常判定をしても第2の異常判定手段25が優先的に異常判定を行い、使用器具を監視する。監視時間が経過し異常発生時、遮断手段19を作動させてガスの供給を停止することで安全性を確保するようにしている。
なお、本実施の形態に使用した数値限定は一例であり、又使用形態も本実施の形態に限定されるものではない。
以上のように、第1の保安判定手段21と第2の保安判定手段26とが並行して使用器具の監視を行い、第2の保安判定手段26で器具推定成立すると第1の保安判定手段21に器具推定完了信号を出力し、第2の保安判定手段26で器具監視するので、使用器具に対応した適切な使用制限機能を確保することで誤遮断を防止することができ、かつ使い勝手の高いガス遮断装置を提供することができる。
以上のように、本発明に係るガス遮断装置は、使用器具の安全監視を適切に確保できるものであり、都市ガス、プロパンガス、水素ガス等による各種事故の発生を未然に防止する器具監視装置全般に適用できるものである。
本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置とガス器具の設置形態を示す構成図 同ガス遮断装置の制御ブロック図 従来のガス遮断装置の構成図
10 流量検出手段
11 流量演算手段
12 流量格納手段
13 平均流量演算手段
14 流量記憶手段
15 流量変化判定手段
16 流量登録手段
17 監視値記憶手段
18 第1の異常判定手段
19 遮断手段
20 通信手段
21 第1の保安判定手段
22 特徴記憶手段
23 器具推定手段
24 器具監視値記憶手段
25 第2の異常判定手段
26 第2の保安判定手段

Claims (2)

  1. 流量監視し異常判定を行う第1の保安判定手段と、使用流量パターンより器具推定し異常判定を行う第2の保安判定手段とを備え、並行して異常判定監視するガス遮断装置であって、
    ガス流量を計測する流量検出手段と、
    瞬時流量を演算する流量演算手段と、
    前記流量演算手段で求めた瞬時流量を時系列的に記憶する流量格納手段と、
    求めた瞬時流量値より平均流量を求める平均流量演算手段と、
    前記平均流量演算手段で求めた平均流量と過去の平均流量とから流量変化有無を判定する流量変化判定手段と、
    前記流量変化判定手段で使用した平均流量を記憶する流量記憶手段と、
    流量変化判定時変化流量を登録或いは削除する流量登録手段と、
    使用状態の異常を監視する判定値を記憶する監視値記憶手段と、
    前記流量登録手段の登録流量と監視値記憶手段の判定値とを比較し異常判定を行う第1の異常判定手段と、
    器具毎の流量パターンを予め記憶している特徴記憶手段と、
    前記流量格納手段に時系列的に記憶された瞬時流量と前記特徴記憶手段に記憶された流量パターンを比較し使用器具を推定する器具推定手段と、
    器具毎の異常判定値を記憶する器具監視値記憶手段と、
    前記器具監視値記憶手段に記憶された器具毎の異常判定値の内、前記器具推定手段で使用と推定された器具に該当する異常判定値で使用器具毎の異常判定を行第2の異常判定手段と、
    前記第1或いは前記第2の異常判定手段で異常判定成立時ガスの供給を遮断する遮断手段とを備え
    器具の使用が開始されると、まず、前記第1の異常判定手段による監視を開始し、その後、前記器具推定手段で器具が推定されたら、前記第1の異常判定手段よりも前記第2の異常判定手段の異常判定を優先すると共に、器具推定手段で器具推定不能となった場合には前記第1の異常判定手段により異常判定を行うことを特徴とするガス遮断装置。
  2. 請求項1項記載のガス遮断装置の手段の全てもしくは一部としてコンピュータを機能させ
    るためのプログラム。
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