JP5245867B2 - ガス遮断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス遮断装置に関し、需要家宅の漏洩流量監視を複数の保安判定手段で並行して行い、確実に設備の異常使用を検出すると警告或いは遮断を行い、事故を未然に防止するガス遮断装置に関するものである。
従来この種のガス遮断装置としては、図3の構成になっていた(例えば特許文献1参照)。
この従来のガス遮断装置について図3を用いて簡単に説明すると、101はガスの供給管、102はメータコック、103はガスメータ、104は緊急遮断弁で、電力消費を避ける為瞬時流量で閉弁する。105は流量測定装置で、ガスメーターに取り付けられた流量センサで、例えばパルスのようなディジタル信号を発信する。106は制御装置で、ガスの供給管に取り付けられた流量測定装置105と、ガスの供給管に取り付けられた緊急遮断弁104と、個々のガス器具のガス消費量及びこれに対応する継続使用安全時間を記憶させるガス器具記憶手段と、流量測定装置105により一定の時間間隔毎の供給ガスの全体流量を測定し、この全体流量に変化が認められた場合、この増加分に相当する1台のガス器具がその使用を開始したと判断して、このガス器具の消費量を順次登録し、全体流量に減少が認められた場合、この減少分に相当するガス消費量のガス器具が停止したと判断してガス器具の使用状況を登録する器具別ガス流量記憶手段と、流量測定装置により測定している供給ガスの全体流量に変化が検出されると時間の計測を開始し、次に変化が検出される迄時間計測を続行し、この続行時間が器具別ガス流量記憶手段に記憶されている現在使用中のガス器具の消費量のうち最も大きい消費量のものに対応する継続使用安全時間を超えたとき、緊急遮断弁104を閉止する信号を送る判定手段とからなる。107は制御装置106の電源で、電池を使用する。108は緊急遮断弁用の電池である。
次に従来例の構成の動作を説明する。制御装置106にマイコン等を使用し、供給ガスの流れを監視し異常と判定されるとき供給ガスの停止を指示し緊急遮断弁104を作動させるものである。
一般的にガス器具のガス消費量が決まっており、通常家庭内で使われる器具は次のような範囲である。例えば6Bガスの場合、大型器具の口火は0.02〜0.06m/h、炊飯器は0.2〜0.4m/h、ストーブは0.3〜0.7m/h、湯沸器は1.5〜6.0m/h、風呂釜は1.2〜2.2m/hである。一方それぞれの器具が連続的に使用される時間はストーブのように10時間程度使用されるものから湯沸器のように長くても15〜30分程度しか使われないものもある。やはり器具の種類によっておおよその範囲が決まっている。従って例えば全体で3m/hの流量が計測されていると通常それは湯沸器であると判断される為、なんらの流量変化がなく15〜30分流れている場合は正常であるが、60分を超えて流れている場合は器具が正常に使用されておらずガス栓からガスが流出しているような異常が発生しているのでガスを遮断すべきと判断する。3m/h程度の流量が計測されていてもその流量に変動が観察される場合、他の器具が使用開始、或いは使用停止されたことを意味する為正常な家庭生活が営まれていると判断し遮断する必要がない。
2台以上の器具が同時に使用される場合、例えば2m/hの風呂釜と0.5m/hのストーブを2台、計3台の器具を同時に1時間以上使用する場合、合計流量が3m/hのガス流量が計測される為、湯沸器の異常使用と判断して遮断する可能性がある。制御
装置のガス器具記憶手段にはガス器具毎に想定されるガス消費量と継続使用安全時間を予め記憶しておく。例えば表1の流量区分と継続使用安全時間とが記憶させておく。
制御装置には流量計測装置105、即ち流量センサが接続され流量計測するが、発信信号を受け平均流量を計算する。平均流量が変化せず何分継続するかを追跡し平均流量を構成している個別器具の流量と、制御装置106内に予め記憶させておいた流量区分ごとの定められた継続時間とを比較し、オーバーした場合、異常使用と判定して緊急遮断弁104に閉止信号を発する。
今ガスが流れていない状態(流量が零)が計測されていたものが、ある時刻T1において流量Q1が計測されたとする。この時器具が1台使用され、流量はQ1と判断し最大流量器具の流量としてQ1を器具別ガス流量記憶手段の第1位に登録し、同時に継続使用安全時間の測定を開始する。次に時刻T2において、流量の増加が計測され、その増加量がQ2であり、Q1<Q2であったとすると、制御装置106は最大器具流量としてQ2を器具別ガス流量記憶手段の第1位に、Q1を第2位に登録しなおし、継続使用安全時間を再度計測開始する。更に時刻T3で流量の増加が計測され、増加量がQ3で、Q1<Q3<Q2であったとする。同様に器具別ガス流量記憶手段には第1位にQ2、第2位にQ3、第3位にQ1が登録され、継続使用安全時間が又計測開始される。次に時刻T4で流量減少が計測され変化後流量がQ4であり、Q3<Q4<Q2であったとすると、制御装置106はガス流量Q2の器具は停止したと判断し、器具別ガス流量記憶手段には第1位にはQ3を、第2位にはQ1を繰り上げ、継続使用安全時間の測定を開始する。
例えば時刻T3からT4において、第1位の流量Q2が、対応する表1の流量区分別継続使用安全時間が50分であったとすると、時刻T3からT4の間に50分が経過すると異常と判定して緊急遮断弁104が作動する。
又一定の時間パルス信号の発信がないことの確認ができ、常時内管からのガスの漏洩状況を監視できる。ガス器具の正常使用時の諸現象をガスの流量変化でとらえ、異常時と区別する。
特開昭61−59423号公報
しかしながら、上記従来の構成では、器具が使用されると流量を測定し流量の増加流量分を器具別ガス流量記憶手段に登録され、継続使用安全時間を計測しガス流量記憶手段に記憶されている消費量に対応した継続使用安全時間を超えるとガス通路の遮断を行うという機能は有しているが、何らかのトラブルで配管よりガス漏洩が生じているときに例えば給湯器やガステーブル等を使用されると継続使用時間がリセットされ、大きな漏洩流量があるのに遮断されず、最悪ガスが部屋中に充満し火災或いは爆発等の人体生命に関わる問題があり、本来の監視時間以上に長い時間ガス器具が使用されることになり、特に使用流
量の大きな器具を使用する場合等は安全性の面で課題を有していた。
本発明は、上記課題を解決するもので、器具使用開始しても漏洩監視を継続して行い、並行して使用器具の流量等の特徴を検出しどの器具を使用しているかを特定識別し、器具以外の流量を検出時漏洩有りとして早期に特定監視を行うことにより、継続して使用されることなく、安全性の高いガス遮断装置を提供するものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明のガス遮断装置は、ガス流量を計測する流量検出手段と、瞬時流量を演算する流量演算手段と、求めた瞬時流量値より平均流量を求める平均流量演算手段と、前記平均流量を監視し異常判定を行う第1の保安判定手段と、使用流量パターンより器具を推定し異常判定を行う第2の保安判定手段と、ガスの供給を遮断する遮断手段と、警告表示或いは遮断表示を行う報知手段と、を備え、前記第1の保安判定手段は、漏洩流量や、流量域に対応した連続使用制限時間、あるいは使用最大流量の監視判定値などを記憶した監視値記憶手段と、前記平均流量演算手段で求めた平均流量が所定流量未満かを監視し漏洩流量か否かを検出する漏洩流量判定手段と、前記監視値記憶手段に記憶された監視値に基づいて異常監視を行うと共に、前記漏洩流量判定手段で所定流量以上と判定時漏洩タイマ計時を開始し所定時間に到達しか否かを判定する第1の異常判定手段とを有し、前記第2の保安判定手段は、前記流量演算手段で求めた瞬時流量を時系列的に記憶する流量格納手段と、器具毎の異常判定値を記憶する器具監視値記憶手段と、器具毎の流量パターンを予め記憶している特徴記憶手段と、前記流量格納手段と前記特徴記憶手段の出力信号を比較し器具流量を推定する器具推定手段と、前記器具推定手段で器具以外と推定時、漏洩監視タイマの計時を開始して漏洩判定を行う漏洩識別判定手段と、前記器具監視値記憶手段に記憶されている前記器具判定手段で推定した器具に対応した異常判定値で器具を監視する第2の異常判定手段と、を有し、前記漏洩識別判定手段で漏洩と判定された場合には、第1の保安判定手段よりも、第2の保安判定手段における判定を優先するようにし、前記第1の異常判定手段及び漏洩識別判定手段で異常判定成立時、前記遮断手段でガスを遮断すると共に、前記第1の異常判定手段或いは前記漏洩識別判定手段より漏洩と判定時、前記報知手段で警告表示或いは遮断表示を行うものである。
上記発明によれば、第1の保安判定手段で器具を使用の有無に関わらず流量を検出し何らかの流量有として監視すると共に、並行して第2の保安判定手段では流量格納手段に記憶された流量と特徴記憶手段に格納された流量パターンとを器具推定手段で比較判定し器具以外と判定時あるいは器具の流量パターンにはない漏洩流量と推定すると第1の保安判定手段に優先して第2の保安判定手段によって、その後何らかの器具が使用されても漏洩識別判定手段で漏洩流量として監視し続け、所定時間経過すると漏洩有りとして報知手段に警告通知、或いは遮断設定時は遮断手段を駆動しガスの供給を停止するので、本来漏洩があるのに器具使用により使用時間監視が解除され漏洩警告もしくは漏洩遮断しないという不具合を防止することができ、かつ安全性の高いガス遮断装置を提供することができる。
本発明のガス遮断装置は、ガス配管、或いはガス器具のトラブル等により誤って漏洩流量が発生すると、或いは器具使用開始すると流量検出し使用流量を求め第1の保安判定手段、特に漏洩流量判定手段や第1の異常判定手段で監視すると共に、並行して第2の保安判定手段で流量の時系列信号を格納し器具使用開始/停止或いは制御中の特徴を求め器具流量か或いは漏洩流量化の推定を行い、器具流量ではなく漏洩流量と確定したならば、その後器具に使用停止/開始が発生しても漏洩流量の監視を継続して行うので、早期に漏洩警告或いは漏洩遮断としてガス事業者やガス需要家に通知できるので、大流量器具使用が優先され、漏洩警告や漏洩遮断が遅れ、ガス中毒やガス漏れ火災といった危険に陥るのを防止することができる。
本発明は、ガス流量を計測する流量検出手段と、瞬時流量を演算する流量演算手段と、求めた瞬時流量値より平均流量を求める平均流量演算手段と、前記平均流量を監視し異常判定を行う第1の保安判定手段と、使用流量パターンより器具を推定し異常判定を行う第2の保安判定手段と、ガスの供給を遮断する遮断手段と、警告表示或いは遮断表示を行う報知手段と、を備え、前記第1の保安判定手段は、漏洩流量や、流量域に対応した連続使用制限時間、あるいは使用最大流量の監視判定値などを記憶した監視値記憶手段と、前記平均流量演算手段で求めた平均流量が所定流量未満かを監視し漏洩流量か否かを検出する漏洩流量判定手段と、前記監視値記憶手段に記憶された監視値に基づいて異常監視を行うと共に、前記漏洩流量判定手段で所定流量以上と判定時漏洩タイマ計時を開始し所定時間に到達しか否かを判定する第1の異常判定手段とを有し、前記第2の保安判定手
段は、前記流量演算手段で求めた瞬時流量を時系列的に記憶する流量格納手段と、器具毎の異常判定値を記憶する器具監視値記憶手段と、器具毎の流量パターンを予め記憶している特徴記憶手段と、前記流量格納手段と前記特徴記憶手段の出力信号を比較し器具流量を推定する器具推定手段と、前記器具推定手段で器具以外と推定時、漏洩監視タイマの計時を開始して漏洩判定を行う漏洩識別判定手段と、前記器具監視値記憶手段に記憶されている前記器具判定手段で推定した器具に対応した異常判定値で器具を監視する第2の異常判定手段と、を有し、前記漏洩識別判定手段で漏洩と判定された場合には、第1の保安判定手段よりも、第2の保安判定手段における判定を優先するようにし、前記第1の異常判定手段及び漏洩識別判定手段で異常判定成立時、前記遮断手段でガスを遮断すると共に、前記第1の異常判定手段或いは前記漏洩識別判定手段より漏洩と判定時、前記報知手段で警告表示或いは遮断表示を行うものである
そして、第1の保安判定手段で器具を使用の有無に関わらず何らかの流量を検出すると流量有として監視すると共に、並行して第2の保安判定手段では流量格納手段に記憶された流量と特徴記憶手段に格納された流量パターンとを器具推定手段で比較判定し器具以外と判定時あるいは器具の流量パターンにはない漏洩流量と推定すると第1の保安判定手段に優先して第2の保安判定手段によって、その後何らかの器具が使用されても漏洩識別判定手段で漏洩流量として監視し続け、所定時間経過すると漏洩有りとして報知手段に警告通知、或いは遮断設定時は遮断手段を駆動しガスの供給を停止するので、本来漏洩があるのに器具使用により使用時間監視が解除され漏洩警告もしくは漏洩遮断しないという不具合を防止することができ、かつ安全性が高い。
また本発明は、上記ガス遮断装置の手段の全てもしくは一部をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
そして、プログラムであるのでマイコン等を用いて本発明の遮断装置の一部あるいは全てを容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置とガス器具の設置形態を示す構成図、図2は同ガス遮断装置の制御ブロック図である。
各家庭のガス供給管1の入口部分にガス遮断装置2が設置され、このガス遮断装置2を経由した後のガス配管3から分岐して家庭で使用する種々のガス器具が設置された場所まで配管されガスが供給される。例えば、屋外にはガス給湯器4が設置され、このガス給湯器4で生成される湯が水配管を介して台所の給湯栓5、浴槽やシャワー装置が設置された風呂6、リビング等に設置された床暖房7に供給され、種々の使用形態を形成している。また、屋内にあっては、台所に設置されたガステーブル8、リビングや寝室等に設置されたガスファンヒータ9にガスが供給され、必要に応じて適宜使用される。
そして、ガス遮断装置2には、ガス入口とガス出口を有したガス流路が形成され、ガス流量を計測する流量検出手段10と異常時にガスを遮断する遮断手段24等で構成される。なお、流量検出手段10としては種々の方式があり、本実施の形態で示す流路内に設置された一対の超音波センサで超音波信号を一方から他方に発信しその伝搬時間より使用ガス流量を検出するものや、流路内に熱線式センサを設け流れにより変化するインピーダンスより流量を求めるもの、さらには計量膜によりガス量を検出し計量膜の機械的動作を磁石とリードスイッチあるいは磁気抵抗素子等により電気的パルス信号として流量を検出するものがある。
そこで、超音波センサを用いた流量検出手段10について簡単に説明すると、超音波を送信または受信する第1送受信器と受信または送信する第2送受信器が流れ方向に対抗して配置され、送受信の切り換えにより、ガス等の流体の流れ状態を検出している。この第
1送受信器と第2送受信器の信号を処理して流量を計測するもので、上流から下流に超音波を送信する。そして第2送受信器で受信しタイマカウンタのような計時手段で計測する。切換手段で下流から上流に向かって超音波信号を送信し、伝搬時間を計測する。そして、第1送受信器と第2送受信器との超音波の伝搬時間差から流路の大きさや流体の流れ状態を考慮して流量演算手段11で瞬時流量を求める。瞬時流量は予め定めた周期毎に求められる。そして、所定周期で求められる瞬時流量は平均流量演算手段12に入力され、ここで所定個数の瞬時流量値を集合して平均化され平均流量として算出される。
ここで第1の保安判定手段13は、平均流量演算手段12に接続された、漏洩流量判定手段14、第1の異常判定手段16、監視値記憶手段15とからなる。第2の保安判定手段17は、流量演算手段11の出力信号をもとに、流量格納手段18、特徴記憶手段19、器具推定手段20、漏洩識別判定手段21と第2の異常判定手段22とからなる。
そして求めた平均流量を漏洩流量判定手段14に入力される。漏洩流量判定手段14は、平均流量が器具とみなす流量以下かどうかを判定する。通常器具流量の場合、例えば、需要家がガス給湯器4を使用すると流量値はゼロから所定の流量まで変化、あるいはガステーブル等の器具を使用中にガス給湯器4等が使用されると求めた平均流量を流量登録手段(図示せず)等に登録し、使用時間監視対象となる。
監視値記憶手段15は、漏洩流量や、流量域に対応した連続使用制限時間、あるいは使用最大流量の監視判定値などが記憶されている。例えばストーブ等へガスを供給するホースが何らかの原因で外れた時、異常な大流量が発生するが、そのような状態を監視するための合計流量遮断値や、器具の通常使用する最大使用時間よりはるかに長く使用された場合に対応して使用時間の制限時間を規定した使用時間遮断制限時間を設定した監視値を記憶している。
また、求めた平均流量は第1の異常判定手段16にも入力される。監視値記憶手段15
の設定値と登録流量値とを比較判定することで、所定流量以上の器具流量とはみなせない漏洩流量かどうか、或いは流量登録流量値が使用最大流量値を超えていないか、あるいは器具使用時間が登録流量値に対応した器具連続使用制限時間を超えていないか等判定する。この第1の異常判定手段16で異常を判定したとき遮断手段24に遮断信号を送ってガスの供給を停止する。また、遮断状態や遮断内容を液晶表示素子等に表示すると共にガスの安全監視を行っているセンターに報知手段25などを通じて通報する。
求めた瞬時流量は時系列的に流量格納手段18に格納される。一方、特徴記憶手段19は、器具毎の瞬時流量の時系列的な流量パターンを予め記憶している。器具推定手段20は、流量格納手段18の時系列的に格納した流量パターンと特徴記憶手段19の記憶している流量パターンの時系列信号とを比較し、どの器具を使用開始されたかを推定すると共に、どの器具にも該当しない漏洩流量かどうかを判定する。例えば漏洩流量の場合、器具の様なオーバーシュート流量もなく、制御的な流量変化もなく、一定流量で流れ続ける特徴があり、予め特徴記憶手段19に漏洩流量の特徴量が記憶されており、器具推定手段20で推定される。
そして器具推定手段20の出力信号は、漏洩識別判定手段21と第2の異常判定手段22とはいる。器具監視値記憶手段23は、器具毎の異常判定値を記憶する。第2の異常判定手段22は、器具監視値と推定した器具とを比較し使用器具毎の異常判定を行うと共に、漏洩識別判定手段21より漏洩流量を検出すると漏洩信号が入力され、大きな器具流量が検出されても、漏洩監視タイマをスタートし漏洩監視を行う。第1の異常判定手段16と第2の異常判定手段22は、異常判定を並行して行っているが、第2の異常判定手段22が漏洩タイマスタート等の異常監視成立すると、第1の異常判定手段16に優先して異常判定を行い、異常成立時遮断手段24に停止信号を出力し、ガスの供給を遮断する。また、遮断状態や遮断内容を液晶表示素子等に表示すると共にガスの安全監視を行っているセンターに報知手段25などを通じて通報する。
次に、以上のように構成されたガス遮断装置の動作を説明する。需要家宅で保有しているガス器具、例えばガスファンヒータ9への接続ホースが何らかの原因でひび割れが入ったり、やガス給湯器4等へのガス配管が何らかの原因でひびが入り、ガス漏れが発生するがその流量を流量検出手段10で検出する。例えば超音波センサを用いた場合は超音波信号の伝搬時間が検出値として計測され、この信号が流量演算手段11に送られて瞬時流量値として算出され、平均流量演算手段12で所定個数の瞬時流量より平均流量値として演算され、求められた平均流量は漏洩流量判定手段14及び第1の異常判定手段16に送られる。
配管等に何らかのひびが入ると微少な流量が流れるが、流量検出手段10で検出し求めた瞬時流量を平均化し、漏洩流量判定手段14ではその流量値が所定値(例えば3L/h等)以上かどうかを監視する。漏洩流量判定手段14で所定流量以上の場合、第1の異常判定手段16に流量有信号が出力され、第1の異常判定手段16では漏洩タイマのカウント開始を行い、所定日数超えたかの監視を行う。一方第1の異常判定手段16は平均流量演算手段12で求めた平均流量を基に使用器具の流量を求め、継続使用時間監視等も行う。
即ち、第1の異常判定手段16はこの設定された登録流量の最大流量値で監視値記憶手段15内の該当の使用時間制限時間を参照して使用器具を監視する。
また並行して、流量演算手段11で求めた瞬時流量は流量格納手段18に時系列的格納される。器具推定手段20は、特徴記憶手段19に予め時系列的に記憶された流量パターンや判定流量パラメータ等を用いて、流量格納手段18に格納されている時系列的な流量信号とから、使用されているガス器具を推定する。この時、器具流量の立上り流量の変化や、検出された絶対流量値の大きさや、器具内部の制御による流量変化パターン等より、
ガス給湯器4であるのか、ガステーブル8か、ガスファンヒータ9かを推定し、確定すると例えば器具A、器具B、器具C等のコード信号で、漏洩識別判定手段21及び第2の異常判定手段22に出力される。
そして、配管等に何らかのひびが入ると微少な流量が流れ始めると、器具推定手段20では流量格納手段18の瞬時流量の時系列信号や特徴記憶手段19の器具流量パターンと比較し、例えば相関係数が所定以内に入る器具が見つからない場合、器具以外の流量、即ち漏洩流量と判定し、第2の異常判定手段22は器具推定手段20より漏洩信号を受信する。器具特定できなかった場合のコード信号(漏洩)を基に器具監視値記憶手段23の漏洩監視値をもとに監視開始する。同時に第1の異常判定手段16に漏洩識別信号を送信する。第1の異常判定手段16は漏洩識別信号を受信すると異常判定は継続するが、異常判定は第2の異常判定手段22が優先となる。即ち並行して第1の異常判定手段16による監視と第2の異常判定手段22による器具監視とが行われるが、器具推定手段20による漏洩流量識別が完了すると、第2の異常判定手段22の異常監視が優先される。第1の異常判定手段16が先に異常判定しても漏洩識別完了している場合、第2の異常判定手段22が優先判定し、異常成立時に遮断手段24に遮断信号が出力される。途中で器具推定手段20により漏洩推定不能となった場合、第2の異常判定手段22に漏洩推定不能信号が出力され、直ちに第1の異常判定手段16に送信され、第1の異常判定手段16で流量監視を行う。
つまり、流量演算手段11で求めた瞬時流量よりその流量が漏洩と器具推定手段20で確定時、その後ガス給湯器4使用されて異常に大きな流量が流れ、検出し、第1の異常判定手段16がガス給湯器4の流量監視に移行しても、第2の異常判定手段22では、更にガス給湯器4の器具流量監視が開始され、内部で並行して漏洩識別後の漏洩異常時間監視が継続して行われている。つまり、実際に漏洩している流量より大きな器具使用による流量が発生しても器具の使用時間監視がスタートしても確実に漏洩識別による警告表示を報知手段25に表示することができ、ガス事業者のセンターにも通知できる。一方、漏洩遮断設定時は、遮断手段24を駆動しガス供給を停止できる。
なお、本実施の形態に使用した数値限定は一例であり、又使用形態も本実施の形態に限定されるものではない。
以上のように、第1の保安判定手段13と第2の保安判定手段17とが並行して使用器具の監視を行い、第2の保安判定手段17で器具推定成立すると第1の保安判定手段13に漏洩識別完了信号を出力し、第2の保安判定手段17で器具監視するので、使用器具の流量変化に影響受けることなく、漏洩に対応した適切な使用制限機能を確保することで安全を確保し、かつ使い勝手の高いガス遮断装置を提供することができる。
以上のように、本発明に係るガス遮断装置は、使用器具の安全監視を適切に確保できるものであり、都市ガス、プロパンガス、水素ガス等による爆発事故、中毒事故の発生を未然に防止する器具監視装置全般に適用できるものである。
本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置とガス器具の設置形態を示す構成図 同ガス遮断装置の制御ブロック図 従来のガス遮断装置の構成図
10 流量検出手段
11 流量演算手段
12 平均流量演算手段
13 第1の保安判定手段
14 漏洩流量判定手段
15 監視値記憶手段
16 第1の異常判定手段
17 第2の保安判定手段
18 流量格納手段
19 特徴記憶手段
20 器具推定手段
21 漏洩識別判定手段
22 第2の異常判定手段
24 遮断手段
25 報知手段

Claims (2)

  1. ガス流量を計測する流量検出手段と、
    瞬時流量を演算する流量演算手段と、
    求めた瞬時流量値より平均流量を求める平均流量演算手段と、
    前記平均流量を監視し異常判定を行う第1の保安判定手段と、
    使用流量パターンより器具を推定し異常判定を行う第2の保安判定手段と、
    ガスの供給を遮断する遮断手段と、
    警告表示或いは遮断表示を行う報知手段と、を備え、
    前記第1の保安判定手段は、
    漏洩流量や、流量域に対応した連続使用制限時間、あるいは使用最大流量の監視判定値などを記憶した監視値記憶手段と、
    前記平均流量演算手段で求めた平均流量が所定流量未満かを監視し漏洩流量か否かを検出する漏洩流量判定手段と、
    前記監視値記憶手段に記憶された監視値に基づいて異常監視を行うと共に、前記漏洩流量判定手段で所定流量以上と判定時漏洩タイマ計時を開始し所定時間に到達しか否かを判定する第1の異常判定手段とを有し、
    前記第2の保安判定手段は、
    前記流量演算手段で求めた瞬時流量を時系列的に記憶する流量格納手段と、
    器具毎の異常判定値を記憶する器具監視値記憶手段と、
    器具毎の流量パターンを予め記憶している特徴記憶手段と、
    前記流量格納手段と前記特徴記憶手段の出力信号を比較し器具流量を推定する器具推定手段と、
    前記器具推定手段で器具以外と推定時、漏洩監視タイマの計時を開始して漏洩判定を行う漏洩識別判定手段と、
    前記器具監視値記憶手段に記憶されている前記器具判定手段で推定した器具に対応した異常判定値で器具を監視する第2の異常判定手段と、を有し、
    前記漏洩識別判定手段で漏洩と判定された場合には、第1の保安判定手段よりも、第2の保安判定手段における判定を優先するようにし、
    前記第1の異常判定手段及び漏洩識別判定手段で異常判定成立時、前記遮断手段でガスを遮断すると共に、前記第1の異常判定手段或いは前記漏洩識別判定手段より漏洩と判定時
    、前記報知手段で警告表示或いは遮断表示を行うガス遮断装置。
  2. 請求項1項記載のガス遮断装置の手段の全てもしくは一部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
JP2009017559A 2009-01-29 2009-01-29 ガス遮断装置 Active JP5245867B2 (ja)

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