JP3651829B2 - ガスメータおよびガス漏洩検知方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流路を流れるガスの漏洩を検知する機能を備えたガスメータおよびガス漏洩検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、膜式流量計やフルイディック流量計等の流量計を用いたガスメータが実用化されているが、最近では、流路を流れるガスの流量の状態を監視し、所定の条件に該当したときにガス漏れ異常発生と判断してガス流路を遮断する安全機能を有するマイクロコンピュータ搭載のガスメータが知られている。この種のガスメータによれば、ガスメータに接続された各種のガス燃焼機器や配管におけるガス漏れ等の異常を発見することが可能であり、安全性を高めることができる。
【0003】
ここで、図15および図16を参照して、従来の膜式流量計におけるガス漏れ検知方法について説明する。ここで、図15は、ガス漏れ無しと判定される場合の一例を示し、図16は、ガス漏れ有りと判定される場合の一例を示す。これらの図で、横軸は時間の経過を表し、縦軸はガスの流量を表す。
【0004】
周知のように、膜式流量計は、ガスの流れによる膜室の回転に伴って流量パルスが出力されるように構成されたものであり、この流量パルスをカウントすることにより、ガス流量を計測することができるようになっている。この流量パルスの出力間隔は、ガス流量の大小に依存する。このような膜式流量計を用いて構成されたガスメータでは、例えば次のようにしてガス漏れ検知を行うようになっている。すなわち、ガスメータに搭載されたマイクロコンピュータは、ある時点を起点として、一定の時間単位(例えば1時間単位)で流量パルスPの出力の有無を監視する。そして、少なくとも1つの流量パルスPを含む時間単位が連続して30日間続いた場合に、ガス漏れ有りと判断して、安全弁を遮断するようになっている。
【0005】
例えば図15に示した例では、ガス機器の使用によるガス流量Qa ,Qb の発生に伴って流量パルスPが出力されているが、この図に示した30日間の中には、流量パルスPが出力されない区間(時間単位)も存在するので、ガス漏れ有りとは判定されない。
【0006】
これに対して、例えば図16に示した例では、ガス機器の使用によるガス流量Qa の発生に伴って流量パルスPが出力されているほかに、口火等やガス漏れ等による微小なガス流量の発生に伴って流量パルスPが出力され、流量パルスPが出力されている区間が30日間にわたって継続しているので、ガス漏れ有りの判定がなされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したガス漏れ検知方法では、単位時間以下の一定または不定間隔で間欠的に駆動されるようなガス機器には対応することができない。すなわち、図17に示したように、単位時間(ここでは1時間)以下の間隔でガス機器が間欠的に駆動されると、ガス流量Qa の発生に伴って流量パルスPが出力される。したがって、結果的に、流量パルスPが出力された区間が30日間にわたって継続し、図16の場合と同様に、ガス漏れ有りの判定がなされる場合が生ずる。
【0008】
このように、従来のガスメータおよびガス漏れ検知方法では、間欠的に駆動されるガス機器の運転が正常であるにもかかわらず、誤ってガス漏れ判定がなされ、ガス流路が遮断されてしまう場合があり、利用者にとって不便であった。また、ガス漏れ有りとの判定をなすまでに、上記したように例えば30日という長い時間がかかり、早期にガス漏れ検知を行うことが困難であった。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、早期のガス漏れ検知を可能にすると共に、誤ったガス漏れ検知を防止できるガスメータおよびガス漏洩検知方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のガスメータは、ガス流路を流れるガスの流量を検知する流量検知手段と、流量検知手段により検知されたガス流量が所定のしきい値以下であるか否かを判定する流量判定手段と、時間を計測する時間計測手段と、流量判定手段による判定結果および時間計測手段による時間計測の結果、しきい値以下のガス流量の状態が所定の長さの期間にわたって継続したときに、ガス流路に漏洩箇所があるものと判定する漏洩判定手段と、ガス流量と、連続してガスを使用することができる時間を表す使用許容時間とを対応付けた使用許容時間テーブルとを備え、漏洩判定手段が、さらに、流量検知手段により検知されたガス流量がしきい値を超えている場合に、使用許容時間テーブルを参照してそのガス流量に対応する使用許容時間を取得し、ガス流量の相対変化量がその取得した使用許容時間にわたって所定の範囲内にあることを条件としてガス流路に漏洩箇所があるとの判定を行う機能を有している。
【0011】
本発明のガス漏洩検知方法は、ガス流路を流れるガスの流量を検知し、検知されたガス流量が所定のしきい値以下であるか否かを判定し、しきい値以下のガス流量の状態の継続時間を計測し、しきい値以下のガス流量の状態が所定の長さの期間にわたって継続したときにガス流路に漏洩箇所があると判定するようにし、さらに、ガス流量と、連続してガスを使用することができる時間を表す使用許容時間とを対応付け、検知されたガス流量がしきい値を超えている場合に、そのガス流量に対応する使用許容時間を取得し、ガス流量の相対変化量がその取得した使用許容時間にわたって所定の範囲内にあることを条件としてガス流路に漏洩箇所があるとの判定を行うようにしたものである。
【0012】
本発明のガスメータまたはガス漏洩検知方法では、所定のしきい値以下のガス流量の状態の継続時間が計測され、この状態が所定の長さの期間にわたって継続したときに、ガス流路に漏洩箇所があるとの判定がなされる。さらに、ガス流量と使用許容時間とが対応付けられ、検知されたガス流量がしきい値を超えている場合には、そのガス流量に対応する使用許容時間が取得され、ガス流量の相対変化量がその取得した使用許容時間にわたって所定の範囲内にあることを条件として、ガス流路に漏洩箇所があるとの判定がなされる。
【0013】
本発明のガスメータまたはガス漏洩検知方法においては、所定のしきい値がガス流路に接続されたガス機器によって消費される最小流量と等しく設定されるようにしてもよい。また、流量判定手段は、流量検知手段により検知されたガス流量に基づいて、ガス機器が使用状態にあるか否かを判定し、ガス機器が使用状態にあると判定したときに、時間計測手段の動作を一時停止させたり、あるいは、時間計測手段の動作を初期化させる機能を有するものであってもよい。
【0014】
本発明のガスメータでは、さらに、漏洩判定手段によりガス流路に漏洩箇所があるとの判定がなされたときにガス流路を遮断する流路遮断手段を備えるように構成してもよい。
【0015】
本発明のガスメータまたはガス漏洩検知方法では、所定のしきい値を変更可能に設定できるようにしたり、あるいは、所定の長さの期間を変更可能に設定できるようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態に係るガスメータの要部の概略構成を表すものである。本実施の形態では、フローセンサを用いた計量機構とフルイディック素子を用いた計量機構とを併設して構成したガスメータについて説明する。なお、本発明の実施の形態に係るガス漏洩検知方法は、このガスメータによって具現化されるので、以下、併せて説明する。
【0019】
図1に示したように、本実施の形態のガスメータは、圧電膜センサ101およびフローセンサ102を有する計量機構部100と、ガス漏れ等の異常が発生した場合に警報を表示するための警報表示部110と、流量積算値を表示するための表示部120と、必要に応じてこのガスメータ内のガス流路(本図では図示せず)を遮断するための遮断弁140と、この遮断弁140を駆動するための弁駆動部150と、以上の各部と直接または間接的に接続され、このガスメータ全体の制御を行う制御部160とを備えている。圧電膜センサ101は、大流量域の流量検出を担当するフルイディック素子(本図では図示せず)のフルイディック発振(後述)を検出するためのものであり、フローセンサ102は、低流量域の流量検出を担当するためのものである。
【0020】
制御部160は、弁駆動部150および警報表示部110の各入力端に接続された漏洩判定制御部161と、計量機構部100の圧電膜センサ101およびフローセンサ102に接続された流量演算部162と、入力端が流量演算部162の出力端に接続されると共に出力端が表示部120に接続された積算部163とを有している。流量演算部162の出力端は、漏洩判定制御部161の入力端の1つにも接続されている。
【0021】
漏洩判定制御部161は、このガスメータの下流側の流路(本図では図示せず)におけるガス漏れの有無を判定するほか、この判定の結果に応じて、遮断弁140の駆動制御および警報表示部110の表示制御等を行う機能を有している。より具体的には、漏洩判定制御部161は、流量演算部162からの流量値166に基づいて、ガス漏れが生じているか否かを判定し、その結果、ガス漏れ有りと判定した場合に、漏洩検知信号165を弁駆動部150および警報表示部110に出力し、遮断弁140を閉じさせると共に、警報表示部110にガス漏れ警報を表示させるようになっている。また、漏洩判定制御部161には、図示しない操作部または通信回線等を介して、後述する幾種類かの設定データ167を入力可能になっている。
【0022】
流量演算部162は、計量機構部100の圧電膜センサ101およびフローセンサ102からの流量信号を2値化し、これらの信号のいずれか一方または双方に基づいて流量値166を演算して、積算部163および漏洩判定制御部161に出力するようになっている。積算部163は、流量演算部162からの流量値166を積算して表示部120に出力するという機能を有している。
【0023】
制御部160は例えばマイクロコンピュータを用いて構成され、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納されたプログラムを実行することによって動作するようになっている。ここで、主として計量機構部100および流量演算部162が本発明における「流量検知手段」に対応し、主として遮断弁140および弁駆動部150が本発明における「流路遮断手段」に対応する。
【0024】
警報表示部110は、例えば液晶表示器(LCD)を用いて構成され、漏洩判定制御部161からの漏洩検知信号165に応じて、ガス漏れ警報を表示するようになっている。表示部120もまた、例えば液晶表示器(LCD)を用いて構成され、制御部160の積算部163から出力された流量積算値等を表示するようになっている。なお、本実施の形態では、警報表示部110を表示部120とは別個に設けるようにしているが、表示部120に警報表示機能をもたせるようにしてもよい。
【0025】
図2は図1における漏洩判定制御部161の概略構成を表すものである。この図に示したように、漏洩判定制御部161は、流量演算部162からの流量値166および外部からの設定データ167が入力されるコントロール部161aと、このコントロール部161aによって必要に応じて参照される使用許容時間テーブル161bと、使用許容タイマ161cと、入力された設定データ167を保持するメモリ161dと、漏洩許容タイマ161eとを有している。ここで、主としてコントロール部161aが本発明における「流量判定手段」および「漏洩判定手段」に対応し、漏洩許容タイマ161eが本発明における「時間計測手段」に対応する。
【0026】
コントロール部161aは、流量値166を監視し、使用許容時間テーブル161b、使用許容タイマ161c、メモリ161dおよび漏洩許容タイマ161eから得られる情報に基づいて、後述する所定の条件が満たされた場合にガス漏洩の可能性ありと判定するようになっている。そして、コントロール部161aは、ガス漏洩の可能性ありと判定した場合に、漏洩検知信号165を弁駆動部150および警報表示部110に供給して、遮断弁140の駆動と警報表示とを行わせるという機能を有している。コントロール部161aはまた、入力された設定データ167をメモリ161dの所定の領域に書き込む処理をも行うようになっている。
【0027】
使用許容時間テーブル161bは、例えば図3に示したように、個別流量Qd の範囲ごとに使用許容時間Tu を対応付けて設定したもので、後述する一定の場合に、コントロール部161aによって参照されるものである。
【0028】
ここで、個別流量Qd とは、流量演算部162からの流量値166を一定時間τ(例えば30秒)ずつ積算して得られる値が、所定の流量変動範囲(例えば3%)を超えて変化した場合に、前回の積算値と今回の積算値との差から演算で得られる単位時間当たり流量の変化分であり、例えば図4に示した例においてΔQ1,ΔQ2,ΔQ3で示した量が該当する。なお、この図4は、一定時間τごとの流量積算値を基に単位時間当たりの平均流量を求めて時間τごとに表したものであって、流量の実時間変化を表すものではない。なお、図4において、横軸は時間、縦軸は一定時間τごとの平均流量を示す。
【0029】
また、図3において、使用許容時間Tu とは、連続したガス使用が許容される時間であり、その長さは個別流量Qd の大きさに応じて異なる値に設定されている。より具体的には、新たな個別流量Qd が発生し、それが所定の流量変動範囲(例えば3%以下)を超えないように連続的に使用された場合において、その個別流量Qd となったときから流路が遮断されるまでの時間が使用許容時間である。図3に示した例では、個別流量Qd の範囲は、0〜50リットル/時、50〜500リットル/時、500〜1000リットル/時、および、1,000リットル/時以上、の4つに区分されている。使用許容時間Tu は、上記の4つの範囲に対応して、それぞれ、無制限、720分、360分、および100分に設定されている。ここで、使用許容時間テーブル161bが本発明における「使用許容時間テーブル」に対応する。
【0030】
使用許容タイマ161cは、ガスの総流量が所定の流量変動範囲(例えば3%以下)を超えて変化した場合(すなわち、新たな個別流量Qd が発生した場合)に、その変化の時点を起点とした経過時間(流量変動範囲内でのガス使用継続時間)を計測するためのものである。この使用許容タイマ161cは、コントロール部161aからのタイマスタート信号によって計時動作を開始すると共に、時々刻々の時刻データをコントロール部161aに送出するという機能を有する。
【0031】
メモリ161dは、図2に示したように、設定データ167として入力されたガス機器最小流量Qmin および漏洩許容時間Tm 等のパラメータを記憶するためのもので、例えば、EEPROM(電気的消去可能型プログラマブルROM)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、またはバッテリでバックアップされたRAM(Random Access Memory)等を用いて構成される。
【0032】
ここで、ガス機器最小流量Qmin は、ガスメータの監視対象である流量系に配置されたガス機器の正常運転状態での最小ガス消費量である。例えば、ガスファンヒータを例にとると、ガス機器最小流量Qmin は40リットル/時程度である。このガス機器最小流量Qmin が本発明における「所定のしきい値」に対応する。
【0033】
また、漏洩許容時間Tm は、ガスの総流量(すなわち、ガスメータによって検出される全ガス流量。以下、単にガス流量という。)がガス機器最小流量Qmin を超えない範囲で推移する場合に、そのような流量状態の継続が許容される時間であり、その長さは、例えば6時間程度に設定される。より具体的には、ガス機器最小流量Qmin を超えない範囲のガス流量が検出されてから流路が遮断されるまでの時間が漏洩許容時間Tm である。ここで、漏洩許容時間Tm が本発明における「所定の長さの期間」に対応する。
【0034】
漏洩許容タイマ161eは、ガス流量がガス機器最小流量Qmin を超えない範囲で推移する場合に、その実際の推移時間の長さを計測するためのものである。この漏洩許容タイマ161eは、コントロール部161aからのタイマスタート信号によって計時動作を開始すると共に、時々刻々の時刻データをコントロール部161aに送出するという機能を有する。
【0035】
図5は、図1に示した計量機構部100の断面構造を表すものである。この計量機構部100は、ガスを受け入れる入口部11とガスを排出する出口部12とを有する本体10を備えている。本体10内には隔壁13が設けられ、この隔壁13と入口部11との間に第1のガス流路14が形成され、隔壁13と出口部12との間に第2のガス流路15が形成されている。隔壁13には開口部16が設けられ、第1のガス流路14内には、上記した遮断弁140(図1)が開口部16を閉塞可能に設けられている。また、本体10の外側にはソレノイド等からなる弁駆動部150(図1)が固定され、この弁駆動部150のプランジャ19が、本体10の側壁を貫通して遮断弁140に連結されている。また、遮断弁140と本体10との間におけるプランジャ19の周囲には、ばね20が設けられ、このばね20が遮断弁140を開口部16側へ付勢している。正常使用時においては、弁駆動部150のソレノイドが通電状態に保たれており、遮断弁140は開口部16から離反している。
【0036】
第2のガス流路15内には、入口部11から受け入れたガスを通過させて噴流を発生させるノズル21が設けられている。このノズル21の上流側にはガスの流れを整えるための整流部材22が設けられている。ノズル21の下流側には、拡大された流路を形成する一対の側壁23、24が設けられている。この側壁23、24の間には、所定の間隔を開けて、上流側に第1ターゲット25、下流側に第2ターゲット26がそれぞれ配設されている。また、側壁23、24の外側には、ノズル21を通過したガスを各側壁23、24の外周部に沿ってノズル21の噴出口側へ帰還させる一対のフィードバック流路27、28を形成するリターンガイド29が配設されている。また、フィードバック流路27、28の各出口部分と出口部12との間には、リターンガイド29の背面と本体10とによって、一対の排出路31、32が形成されている。また、ノズル21の噴出口の近傍には、ノズル21を通過したガスの流れる方向の切り替わりを検出するための圧電膜センサに通じる導圧孔33、34が設けられている。
【0037】
ノズル21の通路内には、フローセンサ102が設けられている。このフローサンサ102は、例えば、発熱部と、この発熱部の前後に配置された2つの温度センサとを有する熱式流速センサとして構成されている。
【0038】
図6は図5における導圧孔33、34を含む本体10の断面を拡大して表すものである。この図に示すように、本体10の底部の外側には、圧電膜センサ101が設けられている。また、導圧孔33、34には、それぞれ導圧管51、52の一端が接続されている。これらの導圧管51、52の各他端は、圧電膜センサ101の各圧力導入口に接続されている。そして、この圧電膜センサ101によって、導圧孔33と導圧孔34における差圧を検出し、この差圧の変化に基づいてフルイディック発振を検出するようになっている。なお、導圧管51、52および圧電膜センサ101は、本体10の底部の外側に固定されたケース55によって覆われている。
【0039】
次に、以上のような構成のガスメータの動作を説明する。
【0040】
まず、このガスメータの基本的な流量計測および表示に係る動作を説明する。図5において、計量機構部100の入口部11から受け入れられたガスは、第1のガス流路14、開口部16、第2のガス流路15、整流部材22を順に経て、ノズル21に入る。ノズル21を通過したガスは、噴流となって噴出口より噴出される。噴出口より噴出されたガスは、コアンダ効果により一方の側壁に沿って流れる。ここでは、まず側壁23に沿って流れるものとする。側壁23に沿って流れたガスは、更にフィードバック流路27を経て、ノズル21の噴出口側へ帰還され、排出路31を経て出口部12より排出される。このとき、ノズル21より噴出されたガスは、フィードバック流路27を流れてきたガスによって方向を変えられ、今度は他方の側壁24に沿って流れるようになる。このガスは、さらにフィードバック流路28を経て、ノズル21の噴出口側へ帰還され、排出路32を経て出口部12より排出される。すると、ノズル21より噴出されたガスは、今度は、フィードバック流路28を流れてきたガスによって方向が変えられ、再び側壁23、フィードバック流路27に沿って流れるようになる。以上の動作を繰り返すことにより、ノズル21を通過したガスは一対のフィードバック流路27、28を交互に流れるフルイディック発振を行う。このフルイディック発振の周波数および周期は流量と対応関係があり、圧電膜センサ101(図6)によって検出されて流量信号として出力され、制御部160の流量演算部162(図1)に入力される。
【0041】
一方、フローセンサ102は、一定電流または一定電力で発熱部(図示せず)を発熱させたときにそこを流れるガスの流速に応じて2つの図示しない温度センサ間に生じた温度差に対応したパルス電圧を流量信号として出力し、流量演算部162に入力する。
【0042】
図1において、流量演算部162は、流量がフルイディック素子による計測に適した大流量域にあるときは圧電膜センサ101からの流量信号を用い、流量がフローセンサ102による計測に適した小流量域にあるときはフローセンサ102からの流量信号を用いて流量を演算する。具体的には、流量演算部162は、圧電膜センサ101を用いる場合は、圧電膜センサ101からの流量信号を基にパルスを生成し、単位時間当たりのパルスの数をカウントして、フルイディック発振の周波数を求め、この周波数を流量に換算する。一方、フローセンサ102を用いる場合は、フローセンサ102からの流量信号の単位時間当たりのパルス数をカウントして、流量を求める。なお、流量が大流量域と小流量域の交錯する領域にあるときは、流量演算部162は、いずれか一方の出力から流量を求めるようにしてもよいし、両者の出力を用いた演算(例えば平均値をとる等)によって流量を求めるようにしても良い。あるいは特開平3−96817号公報に示されるように、圧電膜センサ101からの出力による測定値に基づいてフローセンサ102による測定値を較正するようにしてもよい。こうして得られた流量は、流量値166として出力される。なお、この段階の流量値166は、積算流量や平均流量ではなく、生のままの瞬時流量である。
【0043】
次に、このガスメータのガス漏れ検知に係る動作を説明する。流量演算部162によって得られた流量値166は、積算部163に送られると共に、漏洩判定制御部161にも送られる。積算部163は、流量値166を積算して流量積算値を求め、これを表示部120に送って表示させる。一方、漏洩判定制御部161は、入力された流量値166を監視し、次のいずれかの条件が満たされたときに、ガス漏れの可能性があると判定する。
▲1▼流量値166によって示されるガス流量qがガス機器最小流量Qmin を超えない微少流量Qx である場合において、そのような流量状態の継続時間が漏洩許容時間Tm (例えば6時間)に達したとき。
▲2▼流量値166によって示されるガス流量qがガス機器最小流量Qmin を超えている場合において、演算により得られた個別流量Qd の状態の継続時間が、使用許容時間テーブル161bから得られた、対応する使用許容時間Tu に達したとき。
【0044】
図7は、ガス流量qの推移状態と漏洩許容タイマ161eの計時動作との関係を表すものである。この図で、(a)は、ガス流量q、すなわち、図1および図2における流量値166の推移を示し、(b)は漏洩許容タイマ161eの計時動作を示す。なお、横軸は時間を示し、縦軸はガス流量を示す。この図の例では、ガス機器最小流量Qmin 以下の微少流量Qx が検出された時点Ts で漏洩許容タイマ161eが計時動作を開始し、微少流量Qx の状態の継続時間が漏洩許容時間Tm (この図の例では6時間)に達した時点Tr で漏洩判定制御部161によってガス漏れの可能性ありとの判定がなされ、漏洩許容タイマ161eがリセットされる。
【0045】
漏洩判定制御部161は、ガス漏洩の可能性があると判定した場合に、漏洩検知信号165を出力し、弁駆動部150および警報表示部110に供給する。この漏洩検知信号165を受けた弁駆動部150および警報表示部110は、それぞれ、遮断弁140を閉じてガス流路を遮断すると共に、警報表示部110にガス漏れ警報を表示する。
【0046】
なお、本実施の形態では、図8に示したように、ガス機器最小流量Qmin 以下の微少流量Qx の状態の継続中に、ガス機器の実際の使用によってガス機器最小流量Qmin を超える流量Qy が発生したとしても、漏洩許容タイマ161eをリセットせずに監視を継続するものとする。したがって、漏洩許容タイマ161eがリセットされるのは、ガス機器最小流量Qmin 以下の微少流量Qx の状態の継続時間が漏洩許容時間Tm に達した場合か、もしくは、ガス流量qがゼロになった場合のみである。
【0047】
次に、図9を参照して、このガスメータにおけるガス漏れ検知に係る全体動作を、より詳細に説明する。なお、この図9は、主として漏洩判定制御部161におけるコントロール部161a(図2)の制御動作を表すものである。
【0048】
図9において、漏洩許容タイマ161eは予めリセットされているものとする。漏洩判定制御部161のコントロール部161aは、流量演算部162からの流量値166、すなわち、ガス流量qを常時監視して、ガスの使用状態を調べる(図9ステップS101)。この結果、ガスが使用されているとき、すなわち、ガス流量qがゼロでないときには(ステップS101;Y)、コントロール部161aは、さらに、ガス流量qがガス機器最小流量Qmin 以下であるか否かを調べる(ステップS102)。ガス流量qがガス機器最小流量Qmin 以下であったときは(ステップS102;Y)、タイマスタート信号を出力して、漏洩許容タイマ161eの計時動作をスタートさせる(ステップS103)。
【0049】
こののち、ガス流量qがゼロになったときは(ステップS104;Y)、コントロール部161aは、漏洩許容タイマ161eをリセットし、ステップS101に戻って処理を繰り返す。これに対し、ガス流量qがゼロにならず(ステップS104;N)、かつ、ガス機器最小流量Qmin 以下の状態の期間(以下、微少流量継続時間tm という。)が漏洩許容時間Tm に達したときは(ステップS105;Y)、コントロール部161aは、ガス漏洩の可能性ありと判定し、漏洩許容タイマ161eをリセットすると共に、漏洩検知信号165を出力する(ステップS106)。
【0050】
一方、ステップS102において、ガス流量qがガス機器最小流量Qmin を超えていた場合には(ステップS102;N)、コントロール部161aは、そのときのガス流量qの変化量が所定の流量変動範囲(直前の流量に対して例えば3%以内)を超えたか否かを判定する(ステップS107)。この結果、ガス流量qの変化量が上記の流量変動範囲を超えていなかったときには(ステップS107;N)、ステップS101に戻ってそれ以降の処理を繰り返す。これに対し、ガス流量qの変化量が上記の流量変動範囲を超えていたときには(ステップS107;Y)、コントロール部161aは、図10に示したガス使用許容時間処理ルーチンを実行する(ステップS108)。
【0051】
次に、図10に示したガス使用許容時間処理ルーチンについて説明する。なお、本実施の形態において、使用許容タイマ161cは既にリセットされているものとする。図10に示したように、コントロール部161aは、まず、個別流量Qd を算出する(ステップS110)。この個別流量Qd の算出は、図4で説明したように、流量演算部162からの流量値166の一定時間τごとの積算値を求め、前回の積算値と今回の積算値との差から単位時間当たり平均流量の変化分を求めることで行う。例えば、ガス使用を開始した当初においては、図4におけるΔQ1が個別流量となる。
【0052】
次に、コントロール部161aは、ステップS110で求めた個別流量Qd を基に、使用許容時間テーブル161b(図3)を参照し、対応する使用許容時間Tu を取得する(ステップS111)。そして、コントロール部161aは、使用許容タイマ161cにタイマスタート信号を送って計時動作を開始させる(ステップS112)。
【0053】
こののち、コントロール部161aは、流量演算部162からの流量値166と、使用許容タイマ161cからのタイムカウント値である使用継続時間tu とを監視する(ステップS113,S114)。そして、流量値166の一定時間τごとの積算値が上記の流量変動範囲(ここでは3%)内にある状態が上記の使用許容時間Tu にわたって続いたとき、すなわち、使用継続時間tu が使用許容時間Tu に達したとき(ステップS113;N,ステップS114;Y)、コントロール部161aは、この個別流量Qd がガス機器の使用によるものではなくガス漏れやガス栓開放等の異常発生によるものと判断し、漏洩検知信号165を出力する(図9ステップS106)。これに対し、流量値166の一定時間τごとの積算値が上記の流量変動範囲を超えた場合には(ステップS113;Y)、ステップS110に戻って、再び個別流量Qd を算出し、それ以降の処理を繰り返す。
【0054】
以上のように、本実施の形態に係るガスメータによれば、ガス流量qがガス機器最小流量Qmin に満たない大きさであったときは、漏洩許容時間Tm の経過をもってガス漏れの可能性ありと判定するようにしたので、微少なガス漏れ等の異常に対しても、従来よりも早期に、かつ、誤りなく、ガス漏れ判定を行うことができ、確実にガス流路を遮断することが可能となる。ガス機器最小流量Qmin に満たないガス流量qがガス漏れ以外の原因で生じることは考えにくいことから、漏洩許容時間Tm を比較的短く設定しても、誤ったガス漏れの判定が生じる可能性は少ないからである。
【0055】
また、本実施の形態によれば、ガス流量qがガス機器最小流量Qmin を超えるものである場合には、個別流量Qd を算出すると共に、この個別流量Qd に対応する使用許容時間Tu を使用許容時間テーブル161bから取得し、取得した使用許容時間Tu にわたってガス流量qが所定の流量変動範囲内にあったことが検出されたときにガス漏れ可能性ありと判定するようにしたので、ガス機器の運転によって生ずるような比較的大きい流量が長く継続した場合においても、大きなガス漏れ等の異常が発生したとみなして確実にガス流路を遮断することができる。
【0056】
なお、ガス機器最小流量Qmin および漏洩許容時間Tm のパラメータ値は、使用されるガス機器の種類、型式、設置状況あるいは使用状況等に応じて、適宜に変更可能である。これらのパラメータの変更は、設定データ167として入力することで行うことができる。例えば、常時口火を保持するようなガス器具がガス流路に接続されている場合には、その口火によるガス消費量より小さな流量をガス機器最小流量Qmin として設定すればよい。
【0057】
[第2の実施の形態]
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0058】
上記第1の実施の形態では、図8に示したように、ガス機器最小流量Qmin 以下の微少流量Qx の状態が継続している最中にガス機器最小流量Qmin を超える流量Qy が発生したとしても、漏洩許容タイマ161eを停止させたりリセットすることなく、そのまま流量監視を継続するようにした。これに対して、本実施の形態では、図11に示したように、微少流量Qx の状態が継続している最中にガス機器最小流量Qmin を超える流量Qy が発生した場合には、漏洩許容タイマ161eを一時停止させ、元の微少流量Qx の状態に復帰した時点で漏洩許容タイマ161eを再スタートさせるようにしている。そして、漏洩許容タイマ161eによる計測時間の累計が漏洩許容時間Tm に達した時点Tr においてガス漏れ可能性有りと判定して、漏洩許容タイマ161eをリセットし、漏洩検知信号165を出力する。その他の点は、上記第1の実施の形態の場合と同様であるので、その説明を省略し、本実施の形態の特徴部分のみを説明するものとする。
【0059】
図12は、本実施の形態のガスメータにおける、主として漏洩判定制御部161のコントロール部161a(図2)の制御動作を表すものである。なお、この図のステップS201〜S203の処理は、上記第1の実施の形態における図9のステップS101〜S103の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0060】
本実施の形態において、コントロール部161aは、漏洩許容タイマ161eの計時動作をスタートさせたのち(ステップS203)、ガス流量qの変化量が所定の流量変動範囲(3%以内)を超えたか否かを判定する(ステップS204)。この結果、ガス流量qの変化量が上記の流量変動範囲を超えておらず(ステップS204;N)、かつ、微少流量継続時間tm が漏洩許容時間Tm に達したときは(ステップS205;Y)、コントロール部161aは、ガス漏洩の可能性ありと判定し、漏洩許容タイマ161eをリセットすると共に、漏洩検知信号165を出力する(ステップS206)。
【0061】
一方、ガス流量qの変化量が上記の流量変動範囲を超えた場合には(ステップS204;Y)、コントロール部161aは、図10に示したガス使用許容時間処理ルーチンを実行する(ステップS208)と共に、漏洩許容タイマ161eを一時停止させる(ステップS209)。こののち、ガス流量qがゼロになったときは(ステップS210;Y)、コントロール部161aは、漏洩許容タイマ161eをリセットし(ステップS213)、ステップS201に戻って処理を繰り返す。また、ガス流量qはゼロではないが、ガス流量qが元の微少流量Qx に復帰しないときには(ステップS211;N)、漏洩許容タイマ161eの停止状態をそのまま保持し(ステップS209)、それ以降の処理を繰り返す。そして、ガス流量qが元の微少流量Qx に復帰したときには(ステップS211;Y)、漏洩許容タイマ161eを再スタートさせる(ステップS212)。なお、ガス使用許容時間処理ルーチンの処理内容は第1の実施の形態で説明した内容と同じであるので、説明を省略する。
【0062】
[第3の実施の形態]
次に本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0063】
本実施の形態は、上記第1および第2の実施の形態と異なり、図13に示したように、微少流量Qx の状態が継続している最中にガス機器最小流量Qmin を超える流量Qy が発生した場合には、その時点で漏洩許容タイマ161eをリセットし、ガス流量qが元の微少流量Qx に復帰した時点で、最初から計時動作を開始させるようにしたものである。具体的には、図13に示したように、微少流量Qx を検知したタイミングTs1のほか、ガス流量qが流量Qy から微少流量Qx に復帰するタイミングTs2,Ts3,…において、それぞれ、漏洩許容タイマ161eの計時動作が最初からスタートする。また、ガス流量qが微少流量Qx から流量Qy に変化したタイミングTr1,Tr2,…において、それぞれ、漏洩許容タイマ161eの計時動作がリセットされる。そして、漏洩許容タイマ161eによる計測時間が漏洩許容時間Tm に達した時点で、ガス漏れ可能性有りと判定して、漏洩許容タイマ161eをリセットし、漏洩検知信号165を出力する。その他の点は、上記第1の実施の形態の場合と同様であるので、その説明を省略し、本実施の形態の特徴部分のみを説明するものとする。
【0064】
図14は、本実施の形態のガスメータにおける、主として漏洩判定制御部161のコントロール部161a(図2)の制御動作を表すものである。なお、この図のステップS301〜S306の処理は、上記第2の実施の形態における図12のステップS201〜S206の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0065】
本実施の形態において、コントロール部161aは、漏洩許容タイマ161eの計時動作をスタートさせたのち(ステップS303)、ガス流量qの変化量が所定の流量変動範囲(3%以内)を超えたことを検知すると(ステップS304;Y)、図10に示したガス使用許容時間処理ルーチンを実行する(ステップS308)と共に、漏洩許容タイマ161eを直ちにリセットする(ステップS309)。そして、こののち、コントロール部161aは、ステップS301に戻って処理を繰り返す。その他の処理内容は、上記第2の実施の形態(図12)の場合と同様である。
【0066】
以上のように、本実施の形態に係るガスメータによれば、微少流量Qx の状態が継続している最中に、ガス機器の使用によるガス機器最小流量Qmin を超える流量Qy が検知された時点で、無条件に漏洩許容タイマ161eをリセットするようにしたので、誤ったガス漏れ判定を防止し得る可能性が高くなる。仮に、ガス機器の使用によってガス機器最小流量Qmin を超える流量Qy になっている期間中に微少流量Qx がゼロに変化したというケースを想定すると、本実施の形態のようにすることにより、本来なら微少流量Qx のゼロへの変化と同時に漏洩許容タイマ161eがリセットされてしかるべきものが看過されて微少流量継続時間tm が漏洩許容時間Tm に達してしまう、という事態を回避できるからである。
【0067】
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、フルイディック素子とフローセンサの双方を用いたガスメータとして説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、フルイディック素子のみを用いたものや、フローセンサのみを用いたものにも適用可能である。さらに、本発明は、フルイディック素子やフローセンサのような瞬時流量を計測可能な素子を用いたガスメータには限定されず、膜式流量計やその他のタイプの流量計を用いたガスメータにも適用可能である。
【0068】
また、上記各実施の形態では、ガス機器最小流量Qmin および漏洩許容時間Tm のパラメータ値が適宜に変更可能であるようにしたが、これらのパラメータ値を固定するようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項7のいずれか1に記載のガスメータ、または請求項8ないし請求項13のいずれか1に記載のガス漏洩検知方法によれば、ガス流路を流れるガスの流量を検知し、検知されたガス流量が所定のしきい値以下であるか否かを判定し、しきい値以下のガス流量の状態の継続時間を計測し、しきい値以下のガス流量の状態が所定の長さの期間にわたって継続したときにガス流路に漏洩箇所があると判定するようにしたので、比較的簡単な構成によって容易にガス漏れ検知機能を実現することができる。また、間欠的に運転されるガス機器にも対応して、誤りなくガス漏れ検知を行うことができるという効果を奏する。さらに、ガス流量と使用許容時間とを対応付け、検知されたガス流量がしきい値を超えている場合に、そのガス流量に対応する使用許容時間を取得し、ガス流量の相対変化量がその取得した使用許容時間にわたって所定の範囲内にあることを条件としてガス漏れありと判定するようにしたので、ガス機器の使用による流量に相当するような、しきい値を超える流量が検出されている場合においても、その検出されているガス流量が本当にガス機器の使用によるものなのか、あるいはガス漏れによるものなのかを判別できるという効果を奏する。
【0070】
特に、請求項2記載のガスメータまたは請求項9記載のガス漏洩検知方法によれば、ガス機器によって消費される最小流量値をしきい値として設定するようにしたので、しきい値に満たない流量がガス漏れ以外の原因で生じることは稀であることから、所定の長さの期間を比較的短く設定したとしても、誤ったガス漏れの判定が生じる可能性は少ない。したがって、微少なガス漏れ等の異常に対しても、従来よりも早期に、かつ、誤りなく、ガス漏れ判定を行うことができるという効果を奏する。
【0071】
また、請求項5記載のガスメータによれば、さらに、漏洩判定手段によりガス流路に漏洩箇所があるとの判定がなされたときに、ガス流路を遮断する流路遮断手段を備えるようにしたので、ガス漏れの可能性が生じた時点で確実にガス流路を遮断でき、安全性を保つことができるという効果を奏する。
【0072】
また、請求項6記載のガスメータまたは請求項12記載のガス漏洩検知方法によれば、しきい値を変更可能に設定できるようにしたので、使用されるガス機器の種類、型式、設置状況あるいは使用状況等に応じてしきい値を最適化することが可能となり、環境や状況に応じてガス漏洩検知を適切に行うことが可能になるという効果を奏する。
【0073】
また、請求項7記載のガスメータまたは請求項13記載のガス漏洩検知方法によれば、所定の長さの期間を変更可能に設定できるようにしたので、使用されるガス機器の種類、型式、設置状況あるいは使用状況等に応じてガス漏れ判定までに要する期間を最適化することが可能となり、状況や環境に応じてガス漏洩検知を適切に行うことが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るガスメータの概略構成を表すブロック図である。
【図2】図1に示したガスメータの漏洩判定制御部の概略構成を表すブロック図である。
【図3】図2に示した漏洩判定制御部における使用許容時間テーブルの一例を表す図である。
【図4】個別流量の意義を説明するための説明図である。
【図5】図1に示した計量機構部の要部構造を表す断面図である。
【図6】図5に示した計量機構部の要部構造の一部を表す拡大断面図である。
【図7】このガスメータのガス漏洩検知動作を説明するためのタイミング図である。
【図8】このガスメータのガス漏洩検知動作を説明するための他のタイミング図である。
【図9】このガスメータのガス漏洩検知動作を説明するための流れ図である。
【図10】図9に示したガス使用許容時間処理ルーチンの内容を説明するための流れ図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るガスメータのガス漏洩検知動作を説明するためのタイミング図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るガスメータのガス漏洩検知動作を説明するための流れ図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係るガスメータのガス漏洩検知動作を説明するためのタイミング図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係るガスメータのガス漏洩検知動作を説明するための流れ図である。
【図15】従来のガスメータにおけるガス漏洩検知方法を説明するためのタイミング図である。
【図16】従来のガスメータにおけるガス漏洩検知方法を説明するための他のタイミング図である。
【図17】従来のガスメータにおけるガス漏洩検知方法の問題点を説明するためのタイミング図である。
【符号の説明】
100…計量機構部、101…圧電膜センサ、102…フローセンサ、110…警報表示部、140…遮断弁、150…弁駆動部、160…制御部、161…漏洩判定制御部、161a…コントロール部、161b…使用許容時間テーブル、161c…使用許容タイマ、161d…メモリ、161e…漏洩許容タイマ、162…流量演算部、163…積算部、165…漏洩検知信号、166…流量値、167…設定データ、Tm …漏洩許容時間、tm …微少流量継続時間、Tu …使用許容時間、tu …使用継続時間、Qmin …ガス機器最小流量、Qx …微少流量、Qy …ガス機器使用による流量、Qd …個別流量
Claims (13)
- ガス流路を流れるガスの流量を検知する流量検知手段と、
前記流量検知手段により検知されたガス流量が所定のしきい値以下であるか否かを判定する流量判定手段と、
時間を計測する時間計測手段と、
前記流量判定手段による判定結果および前記時間計測手段による時間計測の結果、前記しきい値以下のガス流量の状態が所定の長さの期間にわたって継続したときに、ガス流路に漏洩箇所があるものと判定する漏洩判定手段と、
ガス流量と、連続してガスを使用することができる時間を表す使用許容時間とを対応付けた使用許容時間テーブルと
を備え、
前記漏洩判定手段は、さらに、前記流量検知手段により検知されたガス流量が前記しきい値を超えている場合に、前記使用許容時間テーブルを参照してそのガス流量に対応する使用許容時間を取得し、ガス流量の相対変化量がその取得した使用許容時間にわたって所定の範囲内にあることを条件として前記ガス流路に漏洩箇所があるとの判定を行う機能を有する
ことを特徴とするガスメータ。 - 前記所定のしきい値は、前記ガス流路に接続されたガス機器によって消費される最小流量と等しく設定される
ことを特徴とする請求項1記載のガスメータ。 - 前記流量判定手段は、さらに、前記流量検知手段により検知されたガス流量に基づいて、前記ガス機器が使用状態にあるか否かを判定し、前記ガス機器が使用状態にあると判定したときに前記時間計測手段の動作を一時停止させる機能を有する
ことを特徴とする請求項2記載のガスメータ。 - 前記流量判定手段は、さらに、前記流量検知手段により検知されたガス流量に基づいて、前記ガス機器が使用状態にあるか否かを判定し、前記ガス機器が使用状態にあると判定したときに前記時間計測手段の動作を初期化させる機能を有する
ことを特徴とする請求項2記載のガスメータ。 - さらに、
前記漏洩判定手段により前記ガス流路に漏洩箇所があるとの判定がなされたときに、前記ガス流路を遮断する流路遮断手段を備えた
ことを特徴とする請求項1記載のガスメータ。 - 前記所定のしきい値は、変更可能に設定され得るものである
ことを特徴とする請求項1記載のガスメータ。 - 前記所定の長さの期間は、変更可能に設定され得るものである
ことを特徴とする請求項1記載のガスメータ。 - ガス流路を流れるガスの流量を検知し、
検知されたガス流量が所定のしきい値以下であるか否かを判定し、
前記しきい値以下のガス流量の状態の継続時間を計測し、
前記しきい値以下のガス流量の状態が所定の長さの期間にわたって継続したときに、ガス流路に漏洩箇所があるものと判定し、
さらに、
ガス流量と、連続してガスを使用することができる時間を表す使用許容時間とを対応付け、
検知されたガス流量が前記しきい値を超えている場合に、そのガス流量に対応する使用許容時間を取得し、ガス流量の相対変化量がその取得した使用許容時間にわたって所定の範囲内にあることを条件として前記ガス流路に漏洩箇所があるとの判定を行う
ことを特徴とするガス漏洩検知方法。 - 前記所定のしきい値を、前記ガス流路に接続されたガス機器によって消費される最小流量と等しく設定した
ことを特徴とする請求項8記載のガス漏洩検知方法。 - さらに、
検知されたガス流量に基づいて、前記ガス機器が使用状態にあるか否かを判定し、
前記ガス機器が使用状態にあると判定したときに、前記しきい値以下のガス流量の継続時間の計測を一時停止させる
ことを特徴とする請求項9記載のガス漏洩検知方法。 - さらに、
検知されたガス流量に基づいて、前記ガス機器が使用状態にあるか否かを判定し、
前記ガス機器が使用状態にあると判定したときに、前記しきい値以下のガス流量の継続時間の計測動作を初期化させる
ことを特徴とする請求項9記載のガス漏洩検知方法。 - 前記所定のしきい値が、変更可能に設定され得るものであるようにした
ことを特徴とする請求項8記載のガス漏洩検知方法。 - 前記所定の長さの期間が、変更可能に設定され得るものであるようにした
ことを特徴とする請求項8記載のガス漏洩検知方法。
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