JP2004278791A - 円錐円盤巻掛け伝動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】並列に接続された2つの巻掛け手段により駆動力伝達式に互いに接続されている、駆動側の2つの円錐円盤対と被動側の2つの円錐円盤対とを備えた、無段階に調節可能な円錐円盤巻掛け伝動装置を改良して、迅速かつ確実に調節可能であって、必要とされる構成スペースに関して最適化されている円錐円盤巻掛け伝動装置を提供する。
【解決手段】非対称的に円錐角が配置されているようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動側の2つの円錐円盤対と被動側の2つの円錐円盤対とを備えた、無段階に調節可能な円錐円盤巻掛け伝動装置であって、該円錐円盤対が、並列に接続された2つの巻掛け手段により駆動力伝達式に互いに接続されている形式のものに関する。
従来慣用の、無段階に調節可能な円錐円盤巻掛け伝動装置はしばしば複雑な調節機構を有しており、それに加えて調節機構は比較的に大きな構成スペースを必要とする。利用可能な駆動装置のサイズ次第では、利用可能な構成スペースに関して問題が存在し得る。
したがって本発明の課題は、並列に接続された2つの巻掛け手段により駆動力伝達式に互いに接続されている、駆動側の2つの円錐円盤対と被動側の2つの円錐円盤対とを備えた、無段階に調節可能な円錐円盤巻掛け伝動装置を改良して、迅速かつ確実に調節可能であって、必要とされる構成スペースに関して最適化されている円錐円盤巻掛け伝動装置を提供することである。
上記課題を解決した本発明の構成によれば、駆動側の2つの円錐円盤対と被動側の2つの円錐円盤対とを備えた、無段階に調節可能な円錐円盤巻掛け伝動装置であって、該円錐円盤対が、並列に接続された2つの巻掛け手段により駆動力伝達式に互いに接続されている形式のものにおいて、非対称的に円錐角が配置されているようにした。
本発明によれば、非対称的な円錐角配置は、円錐円盤間の間隔の調節に関して特に有利である。
円錐円盤巻掛け伝動装置の有利な実施例は、駆動側の2つの円錐円盤対と被動側の2つの円錐円盤対とが、その都度2つの、外側に配置された軸方向で定置の円錐円盤を有しているという特徴を有している。有利には、内側に配置された円錐円盤は軸方向で可動に形成されている。この配置は両巻掛け手段の有利かつ均等な圧着(押し付け)、ひいては均等な荷重分配につながる。
円錐円盤巻掛け伝動装置の別の有利な実施例は、外側に配置された、軸方向で定置の円錐円盤が、小さな円錐角、特に最大で1°までの円錐角を有しているという特徴を有している。軸方向で定置の円錐円盤の小さな角度により、巻掛け手段の斜行は可能な限り小さく維持されることができる。理想的な角度は0°であろう。
円錐円盤巻掛け伝動装置の別の有利な実施例は、外側に配置された、軸方向で定置の円錐円盤の間に、軸方向で摺動可能な2つの円錐円盤が配置されており、該円錐円盤が相対的に大きな円錐角、特に10°〜30°、有利には約15°〜20°、特に有利には約17°の円錐角を有しているという特徴を有している。軸方向で摺動可能な円錐円盤の、相対的に大きな円錐角により、円錐円盤の内側で比較的長い案内が生ぜしめられる。全円錐角を上記の形式で、軸方向で定置の円錐円盤と軸方向で可動な円錐円盤との間で分配することは短くてコンパクトな構成形状につながる。
円錐円盤巻掛け伝動装置の別の有利な実施例は、軸方向で摺動可能な円錐円盤の間に、2つのアクチュエータ、特に2つのピストン・シリンダユニットが形成されているという特徴を有している。例えば液圧シリンダとして形成されていることができる両アクチュエータは、必要な圧着ならびに調節力を準備するために役立つ。ダブルピストン原理は、中央に配置された軸方向で摺動可能な円錐円盤との組み合わせで、特に有利であると認められる。圧着用シリンダを中央に配置したことは、両巻掛け手段の均等な圧着、ひいては均等な荷重分配につながる。
円錐円盤巻掛け伝動装置の別の有利な実施例は、軸方向で摺動可能な両円錐円盤が軸方向で互いに相対的に案内されているという特徴を有している。この案内により、互いに相対的な両円錐円盤の傾動は確実に阻止される。
円錐円盤巻掛け伝動装置の別の有利な実施例は、軸方向で摺動可能な両円錐円盤が、形状結合(形状による束縛)式の結合部、特に噛み合い部を介して、相対回動不能に互いに結合されているという特徴を有している。これにより、トルクが確実に駆動軸から被動軸に伝達され得ることが保証される。
円錐円盤巻掛け伝動装置の別の有利な実施例は、軸方向で摺動可能な円錐円盤の間に、複数のフライウエイトと1つの伝達ディスクとが配置されており、該伝達ディスクには螺旋状に延びる溝が設けられており、該溝が、半径方向外側へのフライウエイトの運動を、伝達ディスクの回転運動に変換するために役立ち、さらに、伝達ディスクの内径にはねじ山が設けられており、該ねじ山が、伝達ディスクの回転運動を、互いに軸方向で摺動可能な円錐円盤の軸方向運動に変換するために役立つという特徴を有している。これにより、確実な機械的な遠心油補償が提供される。フライウエイトは、所属の円錐円盤の周囲にわたって均等に分配配置されている。有利には、フライウエイトにピンが備え付けられており、ピンは軸方向で、伝達ディスクに設けられた溝内に係入する。対向して位置する側で、フライウエイトは有利には、所属の円錐円盤に設けられた真っ直ぐに半径方向で延びる溝に支持されている。伝達ディスクの内径には、有利には螺旋ねじ山(Steilgewinde)が設けられている。機械的な遠心油補償装置は、軸方向で摺動可能な両円錐円盤が遠心油圧に抗して引き寄せられて、遠心油圧をそれにより補償することを生ぜしめる。機械的な遠心油補償装置は対称的な円錐角配置との関連でも有利に使用されることができる。
上記課題は、駆動側の2つの円錐円盤対と被動側の2つの円錐円盤対とを備えた、無段階に調節可能な円錐円盤巻掛け伝動装置であって、該円錐円盤対が、並列に接続された2つの巻掛け手段により駆動力伝達式に互いに接続されており、かつ対称的な円錐角を有している形式のものにおいて、駆動側の2つの円錐円盤対と、被動側の2つの円錐円盤対とがその都度唯一の、軸方向で定置の円錐円盤を有していることにより解決されている。このことが有する利点は、非対称的な円錐角配置の、ネガティブな作用が回避され得る点にある。
円錐円盤巻掛け伝動装置の有利な実施例は、駆動側の円錐円盤対の、中央の両円錐円盤が一体的に互いに結合されているという特徴を有している。その際、圧着は有利には、軸方向で可動な円錐円盤が配置されている側から実施される。
円錐円盤巻掛け伝動装置の別の有利な実施例は、被動側の円錐円盤対の、軸方向で可動な3つの円錐円盤の内の2つが軸方向で互いに連結されているという特徴を有している。この連結は例えば、内側に位置するねじ山付ロッドを介して実現されることができる。
円錐円盤巻掛け伝動装置の別の有利な実施例は、被動側の円錐円盤対の、軸方向で可動な2つの円錐円盤がねじ山付スリーブを介して互いに連結されているという特徴を有している。ねじ山付スリーブを介して、軸方向で可動な円錐円盤を互いに確実に支持することが保証され得る。
円錐円盤巻掛け伝動装置の別の有利な実施例は、被動側の円錐円盤対の、軸方向で可動な2つの円錐円盤の間のスペースが半径方向外側に向かってテレスコープ形シリンダによりシールされているという特徴を有している。このことは、本発明による円錐円盤巻掛け伝動装置の寸法を小さく維持することに貢献する。
上記課題は、駆動側の2つの円錐円盤対と被動側の2つの円錐円盤対とを備えた、無段階に調節可能な円錐円盤巻掛け伝動装置であって、該円錐円盤対が、並列に接続された2つの巻掛け手段により駆動力伝達式に互いに接続されている形式のものにおいて、異なる巻掛け手段と協働する2つの円錐円盤の間で、その内の一方の円錐円盤に、複数のねじ山付スピンドルが、半径方向で放射状に分配されて回転可能に支承されており、該ねじ山付スピンドルには、その都度1つのフライウエイトが摺動可能に案内されており、ねじ山付スピンドルがその都度ラックに連結されており、それにより、ねじ山付スピンドルの、所属のフライウエイトの半径方向での摺動に帰因する回転運動が、他方の円錐円盤に連結されている、所属のラックの軸方向での摺動に変換されるようになっていることによっても解決されている。これにより、遠心油圧を補償するための、確実な装置が提供される。
駆動側の2つの円錐円盤対と被動側の2つの円錐円盤対とを備えた、無段階に調節可能な円錐円盤巻掛け伝動装置であって、該円錐円盤対が、並列に接続された2つの巻掛け手段により駆動力伝達式に互いに接続されている形式のものにおいて、上記課題は、異なる巻掛け手段と協働する2つの円錐円盤が、少なくとも1つのフライウエイトを備え付けたナックルレバー装置により互いに連結されており、それにより、フライウエイトが半径方向外側に向かって運動すると、両円錐円盤が互いに閉運動を実施することによっても解決されている。これにより、遠心油圧を補償するための、別の確実な装置が提供される。
上記課題は、駆動ユニット、特に自動車のための駆動ユニットにおいて、前記伝動装置の使用により解決されている。
本発明の別の利点、特徴、および詳細は、図面を参照しながら種々の実施例について詳説する以下の説明から得られる。その際、「特許請求の範囲」および「発明を実施するための最良の形態」で言及される特徴はその都度、個別的にでもまたは任意の組み合わせでも、本発明の本質を成すものであることができる。
以下に図面を参照しながら本発明の実施例について詳説する。
円錐円盤(コニカルプーリ)巻掛け伝動装置の、図1に示された実施形態は、駆動側の2つの、駆動軸1に相対回動不能に取り付けられた円錐円盤対2,3と、2つの、被動軸5に相対回動不能に配置された円錐円盤対6,7とを有している。駆動側の円錐円盤対2,3と被動側の円錐円盤対6,7とはその都度並列に接続されている。
駆動側の円錐円盤対2と被動側の円錐円盤対6との間には、プル式手段またはプッシュ式手段であるような巻掛け手段が設けられている。引っ張りにより力を伝達するプル式手段としては、例えばチェーンが考慮されることができる。これに対して平行に、駆動側の円錐円盤対3と被動側の円錐円盤対7との間には、別個の巻掛け手段が設けられている。
駆動側の円錐円盤対2は外側に、軸方向で定置の円錐円盤8と、内側に、軸方向で可動な円錐円盤9とを有している。駆動側の円錐円盤対3は外側に、軸方向で定置の円錐円盤10と、内側に、軸方向で可動な円錐円盤11とを有している。被動側の円錐円盤対6は外側に、軸方向で定置の円錐円盤12と、内側に、軸方向で可動な円錐円盤13とを有している。被動側の円錐円盤対7は外側に、軸方向で定置の円錐円盤14と、内側に、軸方向で可動な円錐円盤15とを有している。
軸方向で定置の円錐円盤8,10;12,14は最大で1°という小さな円錐角を有している。この小さな円錐角により、巻掛け手段の斜行(Schraeglauf)は可能な限り小さく維持されることができる。
軸方向で摺動可能な両円錐円盤9,11;13,15は中央でその都度、所属の軸方向で定置の円錐円盤の間に配置されており、約17°という相対的に大きな円錐角を有している。
円錐円盤9はキーとも呼ばれる噛み合い部16を介して相対回動不能に、ただし軸方向では摺動可能に駆動軸1に結合されている。円錐円盤11は噛み合い部17を介して相対回動不能に、ただし軸方向では摺動可能に円錐円盤9に結合されている。円錐円盤13は噛み合い部18を介して相対回動不能に、ただし軸方向では摺動可能に被動軸5に結合されている。円錐円盤15は噛み合い部19を介して相対回動不能に、ただし軸方向では摺動可能に円錐円盤13に結合されている。
その都度軸方向で定置の円錐円盤8,10;12,14に対して相対的な、軸方向で移動可能な円錐円盤9,11;13,15の適当な軸方向での移動は、並列に接続された円錐円盤対に関する巻掛け手段の走行半径の変更につながるので、これにより、伝動装置の変速比の変更が実施され得る。伝動装置は、低速方向での伝動装置の最大の変速比(アンダードライブ)から高速方向での最大の変速比(オーバードライブ)まで、思いのまま無段階に変速比の点で制御されることができる。
円錐円盤8,9;10,11の間の間隔は、2つのピストン・シリンダユニット20,21を備えたアクチュエータを介して調節可能である。相応に、円錐円盤12,13;14,15の間の間隔は、2つのピストン・シリンダユニット24,25を備えたアクチュエータを介して調節可能である。圧力室とも呼ばれ得るアクチュエータ20,21;24,25の圧力負荷時に、駆動側に符号28,29で暗示されている巻掛け手段は軸方向で緊締される。
ピストン・シリンダユニット20,21;24,25のチャンバは相互に、要求される変速比に応じて圧力媒体によって充填されたり排出されたりすることができる、すなわち圧力負荷または放圧されることができる。圧力室20;24は、軸方向の円錐円盤の、所属の巻掛け手段に対する基本圧着、つまり押し付けを保証するために役立つ。圧力室21;25は、変速比の調節を圧力負荷もしくは圧力除去によって生ぜしめるために役立つ。
変速比を調節するための基本圧着を生ぜしめるために圧力室20,21;24,25内に圧力を供給することは、流体力学的なトルクフィーラ31を備えた弁装置30により制御される。圧力の制御は公知のものと前提して、それゆえ、この明細書ではこれ以上の説明はしない。
被動側の、軸方向で可動な円錐円盤13,15は遠心油補償装置を装備している。この目的のために、円錐円盤13と円錐円盤15との間には、8個から12個までのフライウエイト(遠心重錘)33が周囲にわたって分配配置されている。円錐円盤15には、半径方向溝36が設けられており、半径方向溝36内に、フライウエイト33に形成されているピンが係入する。半径方向溝36はフライウエイト33の、半径方向での運動を可能にする。フライウエイト33の他面にも、やはりピンが設けられており、ピンは伝達ディスク34に形成されている螺旋溝35内に係入する。螺旋溝35とフライウエイト33との協働は結果的に、半径方向でのフライウエイト33の運動が伝達ディスク34の回転運動に変換されることにつながる。さらに、伝達ディスク34の内径には螺旋ねじ山(螺旋状のスプライン)37が備え付けられており、螺旋ねじ山37は、円錐円盤13に形成されている相補的なねじ山と協働する。螺旋ねじ山37は、伝達ディスク34の回転運動が円錐円盤15に対して相対的な円錐円盤13の軸方向運動に変換されて、軸方向で可動な両円錐円盤13,15が遠心油圧に抗して引き合わされる、つまり締め付けられるように働く。
円錐円盤15には、実質的に円筒外被形状の中間壁39が形成されており、中間壁39は相補的に円錐円盤13に形成された切欠き40内に軸方向で案内されている。つまり、両円錐円盤13,15が互いに相対的に軸方向で摺動する際に、中間壁39は切欠き40内に進入したり切欠き40から進出したりする。約17°という円錐円盤13,15の比較的に大きな円錐角により、円錐円盤の内側で、比較的に長い案内が生ぜしめられる。
駆動軸1は軸受装置45,46の助けを借りて回転可能に支承されている。被動軸2は可動軸受47および固定軸受48の助けを借りて回転可能に支承されている。円錐円盤8はワンピースで、つまり一体的に駆動軸1に形成されている。円錐円盤10はプレスばめならびに引き続いてのレーザ溶接により固く駆動軸1に結合されている。
図2の上半分には、駆動側の円錐円盤対が、下半分には被動側の円錐円盤対が断面図で示されている。駆動側には外側に、軸方向で定置の円錐円盤50が配置されている。中央には、軸方向で可動な2つの円錐円盤51が一体的に互いに結合されている。別の側には外側に、軸方向で可動な円錐円盤52が配置されている。円錐円盤50〜52は相対回動不能に駆動軸53に結合されている。
図2の下半分には、被動軸54の半分が断面図で示されている。軸方向で定置の円錐円盤55は相対回動不能に被動軸54に結合されている。別の円錐円盤56,57,58はやはり相対回動不能に、ただし軸方向では可動に被動軸54に結合されている。軸方向で可動な両円錐円盤56,58は内側に位置するねじ山付ロッド59を介して互いに連結されている。さらに、内側の円錐円盤55,57はねじ山付スリーブ60,61,62を介して互いに連結されている。さらに、円錐円盤55と円錐円盤57との間の圧力室は半径方向外側に向かってテレスコープ形シリンダ64によりシールされている。
図2に示した円錐円盤巻掛け伝動装置は対称的な円錐角を有している。このことにより、非対称的な配置の否定的な影響は回避される。圧着もしくは押し付けは駆動側では左側から、被動側では円錐円盤55と円錐円盤57との間の、中央に配置されたシリンダにより実施される。
図3および図4には、機械的な遠心油補償の別の構成変化形が示されている。駆動側では、軸方向で定置の円錐円盤70が軸方向で可動な2つの円錐円盤71,72と組み合わされている。円錐円盤71には2つの円錐円盤が統合されている。円錐円盤70は一体的に駆動軸73に形成されている。円錐円盤71,72は相対回動不能に、ただし軸方向では摺動可能に駆動軸73に結合されている。
図3の下半分には、被動軸74の半分が概略的に示されている。被動軸74には、軸方向で定置の円錐円盤76が配置されている。円錐円盤76は図示の例では一体的に被動軸74に形成されている。軸方向で可動な円錐円盤77,78,79は相対回動不能に、ただし軸方向では可動に被動軸74に結合されている。
被動側には、円錐円盤76と円錐円盤78との間の中間室内にフライウエイト81が、半径方向で配置されたねじ山付スピンドル82の助けを借りて摺動可能に支承されている。この目的のために、ねじ山付スピンドル82は回転可能に、軸方向で定置の円錐円盤76に支承されている。フライウエイト81が円錐円盤76に関して半径方向で運動すると、ねじ山付スピンドル82は回転させられる。半径方向内側で、ねじ山付スピンドル82は円錐円盤78に連結されているラック83と協働する。ねじ山付スピンドル82の回転は、円錐円盤78がラック83を介して、軸方向で定置の円錐円盤76に引き寄せられることを生ぜしめる。
図4に、12個のフライウエイト81が均等に円錐円盤76の周囲にわたって分配配置されていることが見て取れる。所属のねじ山付スピンドル82は放射状に、互いに均等な角度間隔で配置されている。所属のラック83は軸方向で延びている。
図5には、機械的な遠心油補償の別の変化形が概略的に断面図で示されている。軸方向で定置の円錐円盤90は、軸方向で可動な円錐円盤91および軸方向で可動な円錐円盤92と組み合わされている。円錐円盤91には、2つの円錐円盤91が一体的に統合されている。円錐円盤90は一体的に駆動軸93に結合されている。円錐円盤91,92は相対回動不能に、ただし軸方向では可動に駆動軸93に結合されている。
図5の下半分には、被動軸94の半分が断面図で示されている。軸方向で定置の円錐円盤95は一体的に被動軸94に結合されている。軸方向で可動な円錐円盤96,97,98は相対回動不能に、ただし軸方向では可動に被動軸94に結合されている。遠心補償は、図5に暗示してあるように、アクチュエータ100を介して行われ、このアクチュエータ100は矢状部位でもって、軸方向で可動な円錐円盤98に当て付けられており、部分的に圧力室101を有している。圧力室101内の圧力が増加すると、アクチュエータ100は円錐円盤95に向かって閉運動し、その際に、軸方向で運動可能な円錐円盤98を連行する。
ただし遠心油補償は、アクチュエータ100の代わりに、トグル装置を形成するナックルレバー103,104により生ぜしめられてもよく、ナックルレバー103,104を介して円錐円盤95,97は互いに連結されている。この目的のために、両ナックルレバー103,104はヒンジ状に互いに結合されている。リンク箇所にはフライウエイト106が取り付けられている。フライウエイト106が半径方向外側に向かって運動すると、円錐円盤97は軸方向で定置の円錐円盤95に向かって閉運動を行う。
図6には、非対称的な円錐角を備えた本発明による円錐円盤巻掛け伝動装置のためのチェーンのロッカーピンの、特別な幾何学的な構成が示されている。所属の円錐円盤の円錐面には符号111,112を付与した。多数の個別リンクから成るチェーンには符号114を付与した。ピン中心点とも呼ばれる面積重心点には符号116を付与した。円錐面111と円錐面112との間の角度二等分線には符号117を付与した。接触面の中心点には符号119および120を付与した。
チェーン114のロッカーピンの当接面は、接触面の中心に立てられた面法線が円錐角の角度二等分線117と1つの共通の交点を形成するように中心からずらされている。チェーンの面積重心点116に関して、対称的な構成の場合と同様に、均等な軸方向力関係が実現されている。それにより、チェーンの傾倒(Verkippen)は接触点の適当な選択によりアクティブに対処され得る。非対称的な構成の場合、両ロッカーピン側面の間で、不均等な周方向力分配も起こるので、接触点を外方にさらにずらすことは付加的な補償を生ぜしめることができる。
非対称的に円錐角が配置されている円錐円盤巻掛け伝動装置の、概略的な断面図である。 対称的な円錐円盤を有しておりかつ一方の側から圧着を行う円錐円盤巻掛け伝動装置の、概略的な断面図である。 螺旋ねじ山とラックとを備えた機械的な遠心油補償を有する円錐円盤巻掛け伝動装置の、概略的な断面図である。 図3に示した線IV−IVに沿った断面図である。 遠心油補償のためのナックルレバー装置を備えた円錐円盤巻掛け伝動装置の、概略的な断面図である。 本発明による円錐円盤巻掛け伝動装置のチェーン幾何学形状の断面図である。
符号の説明
1 駆動軸、 2 円錐円盤対、 3 円錐円盤対、 5 被動軸、 6 円錐円盤対、 7 円錐円盤対、 8 軸方向で定置の円錐円盤、 9 軸方向で可動な円錐円盤、 10 軸方向で定置の円錐円盤、 11 軸方向で可動な円錐円盤、 12 軸方向で定置の円錐円盤、 13 軸方向で可動な円錐円盤、 14 軸方向で定置の円錐円盤、 15 軸方向で可動な円錐円盤、 16 噛み合い部、 17 噛み合い部、 18 噛み合い部、 19 噛み合い部、 20 第1のアクチュエータ(ピストン・シリンダユニット)、 21 第2のアクチュエータ(ピストン・シリンダユニット)、 24 第1のアクチュエータ、 25 第2のアクチュエータ、 28 駆動側、 29 駆動側、 30 弁、 31 流体力学的なトルクフィーラ、 33 フライウエイト、 34 伝達ディスク、 35 螺旋溝、 36 半径方向溝、 37 螺旋ねじ山、 39 中間壁、 40 切欠き(案内部)、 42 半径方向の閉鎖壁、 43 半径方向の閉鎖壁、 45 軸受装置、 46 軸受装置、 47 可動軸受、 48 固定軸受、 50 軸方向で定置の円錐円盤、 51 軸方向で可動な円錐円盤、 52 軸方向で可動な円錐円盤、 53 駆動軸、 54 被動軸、 55 軸方向で定置の円錐円盤、 56 軸方向で可動な円錐円盤、 57 軸方向で可動な円錐円盤、 58 軸方向で可動な円錐円盤、 59 ねじ山付ロッド、 60 ねじ山付スリーブ、 61 ねじ山付スリーブ、 62 ねじ山付スリーブ、 64 テレスコープ形シリンダ、 70 軸方向で定置の円錐円盤、 71 軸方向で可動な円錐円盤、 72 軸方向で可動な円錐円盤、 73 駆動軸、 74 被動軸、 76 軸方向で定置の円錐円盤、 77 軸方向で可動な円錐円盤、 78 軸方向で可動な円錐円盤、 79 軸方向で可動な円錐円盤、 81 フライウエイト、 82 ねじ山付スピンドル、 83 ラック、 85 テレスコープ形シリンダ、 90 軸方向で定置の円錐円盤、 91 軸方向で可動な円錐円盤、 92 軸方向で可動な円錐円盤、 93 駆動軸、 94 被動軸、 95 軸方向で定置の円錐円盤、 96 軸方向で可動な円錐円盤、 97 軸方向で可動な円錐円盤、 98 軸方向で可動な円錐円盤、 100 アクチュエータ、 101 圧力室、 103 ナックルレバー、 104 ナックルレバー、 106 フライウエイト、 111 円錐面、 112 円錐面、 114 チェーン、 116 ピン中心点(面積重心点)、 117 角度二等分線、 119 接触面の中心点、 120 接触面の中心点

Claims (16)

  1. 駆動側の2つの円錐円盤対(2,3)と被動側の2つの円錐円盤対(6,7)とを備えた、無段階に調節可能な円錐円盤巻掛け伝動装置であって、該円錐円盤対が、並列に接続された2つの巻掛け手段により駆動力伝達式に互いに接続されている形式のものにおいて、非対称的に円錐角が配置されていることを特徴とする円錐円盤巻掛け伝動装置。
  2. 駆動側の2つの円錐円盤対(2,3)と被動側の2つの円錐円盤対(6,7)とが、その都度2つの、外側に配置された軸方向で定置の円錐円盤(8,10;12,14)を有している、請求項1記載の円錐円盤巻掛け伝動装置。
  3. 外側に配置された、軸方向で定置の円錐円盤(8,10,12,14)が、小さな円錐角、特に最大で1°までの円錐角を有している、請求項2記載の円錐円盤巻掛け伝動装置。
  4. 外側に配置された、軸方向で定置の円錐円盤(8,10;12,14)の間に、軸方向で摺動可能な2つの円錐円盤(9,11;13,15)が配置されており、該円錐円盤(9,11;13,15)が相対的に大きな円錐角、特に10°〜30°、有利には約15°〜20°、特に有利には約17°の円錐角を有している、請求項2または3記載の円錐円盤巻掛け伝動装置。
  5. 軸方向で摺動可能な円錐円盤(9,11;13,15)の間に、2つのアクチュエータ(20,21;24,25)、特に2つのピストン・シリンダユニットが形成されている、請求項4記載の円錐円盤巻掛け伝動装置。
  6. 軸方向で摺動可能な両円錐円盤(9,11;13,15)が互いに相対的に案内されている、請求項4または5記載の円錐円盤巻掛け伝動装置。
  7. 軸方向で摺動可能な両円錐円盤(9,11;13,15)が、形状結合式の結合部(16,17;26,27)、特に噛み合い部を介して、相対回動不能に互いに結合されている、請求項4から6までのいずれか1項記載の円錐円盤巻掛け伝動装置。
  8. 軸方向で摺動可能な円錐円盤(13,15)の間に、複数のフライウエイト(33)と1つの伝達ディスク(34)とが配置されており、該伝達ディスク(34)には螺旋状に延びる溝が設けられており、該溝が、半径方向外側へのフライウエイトの運動を、伝達ディスク(34)の回転運動に変換するために役立ち、さらに、伝達ディスクの内径にはねじ山(37)が設けられており、該ねじ山(37)が、伝達ディスク(34)の回転運動を、互いに軸方向で摺動可能な円錐円盤(13,15)の軸方向運動に変換するために役立つ、請求項4から7までのいずれか1項記載の円錐円盤巻掛け伝動装置。
  9. 駆動側の2つの円錐円盤対と被動側の2つの円錐円盤対とを備えた、無段階に調節可能な円錐円盤巻掛け伝動装置であって、該円錐円盤対が、並列に接続された2つの巻掛け手段により駆動力伝達式に互いに接続されており、かつ対称的な円錐角を有している形式のものにおいて、駆動側の2つの円錐円盤対と、被動側の2つの円錐円盤対とがその都度唯一の、軸方向で定置の円錐円盤(50,55)を有していることを特徴とする円錐円盤巻掛け伝動装置。
  10. 駆動側の円錐円盤対の、中央の両円錐円盤(51)が一体的に互いに結合されている、請求項9記載の円錐円盤巻掛け伝動装置。
  11. 被動側の円錐円盤対の、軸方向で可動な3つの円錐円盤の内の2つ(55,57)が軸方向で互いに連結されている、請求項9または10記載の円錐円盤巻掛け伝動装置。
  12. 被動側の円錐円盤対の、軸方向で可動な2つの円錐円盤(55,57)がねじ山付スリーブ(60,61,62)を介して互いに連結されている、請求項11記載の円錐円盤巻掛け伝動装置。
  13. 被動側の円錐円盤対の、軸方向で可動な2つの円錐円盤(55,57)の間のスペースが半径方向外側に向かってテレスコープ形シリンダ(64)によりシールされている、請求項11または12記載の円錐円盤巻掛け伝動装置。
  14. 特に請求項1から13までのいずれか1項記載の、駆動側の2つの円錐円盤対と被動側の2つの円錐円盤対とを備えた、無段階に調節可能な円錐円盤巻掛け伝動装置であって、該円錐円盤対が、並列に接続された2つの巻掛け手段により駆動力伝達式に互いに接続されている形式のものにおいて、異なる巻掛け手段と協働する2つの円錐円盤(76,78)の間で、その内の一方の円錐円盤(76)に、複数のねじ山付スピンドル(82)が、半径方向で放射状に分配されて回転可能に支承されており、該ねじ山付スピンドル(82)には、その都度1つのフライウエイト(81)が摺動可能に案内されており、ねじ山付スピンドル(82)がその都度ラック(83)に連結されており、それにより、ねじ山付スピンドル(82)の、所属のフライウエイト(81)の半径方向での摺動に帰因する回転運動が、他方の円錐円盤(78)に連結されている、所属のラック(83)の軸方向での摺動に変換されるようになっていることを特徴とする円錐円盤巻掛け伝動装置。
  15. 特に請求項1から14までのいずれか1項記載の、駆動側の2つの円錐円盤対と被動側の2つの円錐円盤対とを備えた、無段階に調節可能な円錐円盤巻掛け伝動装置であって、該円錐円盤対が、並列に接続された2つの巻掛け手段により駆動力伝達式に互いに接続されている形式のものにおいて、異なる巻掛け手段と協働する2つの円錐円盤(95,97)が、少なくとも1つのフライウエイト(106)を取り付けてあるナックルレバー装置(103,104)により互いに連結されており、それにより、フライウエイト(106)が半径方向外側に向かって運動すると、両円錐円盤が互いに閉運動を実施することを特徴とする円錐円盤巻掛け伝動装置。
  16. 駆動ユニット、特に自動車のための駆動ユニットにおいて、請求項1から15までのいずれか1項記載の伝動装置が設けられていることを特徴とする駆動ユニット。
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