JP2004278413A - 可変容量型斜板式油圧ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】フィードバック機構を構成するフィードバックリンクが斜板から伝わる振動によって破損するのを抑えると共に、ケーシング内の作動油の流れによってフィードバックリンクが変形するのを抑制する
【解決手段】レギュレータ21と斜板14との間に設けられたフィードバック機構41のうち、斜板14に連結されるフィードバックリンク45を、斜板14から伝わる振動を減衰するために板ばね部45Bを有する構成とすると共に、シリンダブロック8の回転に伴ってケーシング本体2内の作動油の流れが板ばね部45Bに直接作用することを抑制する円筒部材50を設けた。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械に搭載された油圧機器の油圧源として好適に用いられる可変容量型斜板式油圧ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械には、油圧源として可変容量型斜板式油圧ポンプが設けられている。前記可変容量型斜板式油圧ポンプは、エンジンにより駆動されて、作業用の油圧シリンダ、走行用及び旋回用の油圧モータ等の各油圧機器に向けて圧油を供給するものである。
【0003】
ここで、可変容量型斜板式油圧ポンプは、中空なケーシングと、ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、複数のシリンダが穿設され回転軸と一体に回転するシリンダブロックと、シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、各ピストンの端部に装着されたシューが摺動する摺動面を有し、ケーシング内に傾転可能に設けられた斜板と、傾転制御用の圧油が給排されることにより斜板を傾転させる傾転アクチュエータと、傾転アクチュエータに対する圧油の給排を制御するレギュレータと、レギュレータと斜板との間に設けられたフィードバック機構とにより大略構成される。
【0004】
そして、この可変容量型斜板式油圧ポンプは、傾転アクチュエータによって斜板の傾転角を適宜に変化させることにより、油圧ポンプからの圧油の吐出量(ポンプ容量)を可変とすることができ、斜板の傾転角がフィードバック機構を介してレギュレータに伝達されることにより、レギュレータによる圧油の給排を斜板の傾転角に応じてフィードバック制御する構成となっている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
発明協会公開技報公技番号2001−685号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による可変容量型斜板式油圧ポンプにおいては、斜板の傾転角をレギュレータに伝えるフィードバック機構のうち、斜板に連結されるフィードバックリンクが棒鋼材等を用いて形成されている。このため、例えば油圧ポンプの吐出脈動等によって斜板が高周波振動を発生すると、この斜板の振動がフィードバックリンクに伝わり、傾転方向に向けて微小振動を繰り返すことになる結果、該フィードバックリンクが破損してしまい、斜板の傾転角をフィードバック機構を介してレギュレータに正確に伝えることができなくなるという問題点がある。
【0007】
また、フィードバックリンクが破損するに至らなかったとしても、斜板の高周波振動がフィードバック機構を介してレギュレータに伝わることにより、該レギュレータが誤動作を生じてしまい、斜板の傾転角に応じたフィードバック制御を精度良く行うことができなくなるという問題がある。
【0008】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、フィードバック機構による斜板の傾転角制御を高精度に、しかも高感度に行えるようになし、かつフィードバックリンクの耐久性を向上させるようにした可変容量型斜板式油圧ポンプを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、中空なケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダが穿設され前記ケーシング内で該回転軸と一体に回転するシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューが摺動する摺動面を有し、前記ケーシング内に傾転可能に設けられた斜板と、傾転制御用の圧油が給排されることにより該斜板を傾転させる傾転アクチュエータと、該傾転アクチュエータに対する圧油の給排を制御するレギュレータと、該レギュレータと前記斜板との間に設けられレギュレータによる圧油の給排を前記斜板の傾転角に応じてフィードバック制御するフィードバック機構とからなる可変容量型斜板式油圧ポンプであって、前記フィードバック機構は、支持ピンを介して前記ケーシングに揺動可能に支持されたフィードバックレバーと、前記支持ピンを挟んで該フィードバックレバーの長さ方向一側に設けられ前記レギュレータに連結されるフィードバックピンと、前記支持ピンを挟んで前記フィードバックレバーの長さ方向他側に設けられ前記斜板に連結されるフィードバックリンクとにより構成し、前記フィードバックリンクには、前記斜板から伝わる振動を減衰するために、該斜板の傾転方向に弾性力を有する板ばね部が形成され、前記シリンダブロックの回転により生ずる前記ケーシング内の作動油の回転流が前記フィードバックリンクの板ばね部の平面部分に直接作用するのを抑制する遮蔽手段を設けたことをその特徴とするものである。
【0010】
このように構成したことにより、例えば油圧ポンプの吐出脈動等によって斜板が高周波振動を生じ、この振動が斜板からフィードバックリンクに伝わったとしても、フィードバックリンクにおける板ばね部が自らの弾性によって振動を吸収することができると共に、シリンダブロックの回転によりケーシング内に満たされた作動油に回転流が生じても、この回転流は遮蔽部材にブロックされて、フィードバックリンクの板ばね部が撓んだり、湾曲したりすることがなくなる。これにより、フィードバックリンクに作用する高周波振動を有効に除去するのに十分な弾性を板ばね部に持たせることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可変容量型斜板式油圧ポンプの実施の形態を、図1乃至図12を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
まず、図1乃至図8は本発明の第1の実施の形態を示し、図中、1は油圧ポンプの外殻をなす中空なケーシングで、該ケーシング1は、段付き筒状のケーシング本体2と、該ケーシング本体2の前側を施蓋するフロントケーシング3と、ケーシング本体2の後側を施蓋するリアケーシング4とにより構成されている。ここで、ケーシング本体2内には、後述のシリンダブロック8が収容されるシリンダブロック収容部2Aと、後述の斜板14が収容される斜板収容部2Bとを有しており、ケーシング本体2の内面とシリンダブロック収容部2Aの外面との間には概略円環状の隙間が形成されている。
【0013】
5はケーシング1内に回転可能に設けられた回転軸で、該回転軸5は、軸方向の一側が軸受6によりフロントケーシング3に回転可能に支持され、軸方向の他側が軸受7でリアケーシング4に回転可能に支持されている。そして、回転軸5の一端側はフロントケーシング3から外部に突出し、この突出端側がエンジン(図示せず)に連結されることにより、当該エンジンによって回転軸5が回転駆動される構成となっている。
【0014】
8はケーシング1のシリンダブロック収容部2A内に回転可能に設けられたシリンダブロックで、該シリンダブロック8は、回転軸5の軸方向中間部にスプライン結合され、該回転軸5と一体的に回転するものである。そして、シリンダブロック8には、周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダ9,9,…が回転軸5を取囲むように穿設されている。
【0015】
10はリアケーシング4とシリンダブロック8との間に位置し、リアケーシング4に固定された弁板で、該弁板10は、シリンダブロック8の各シリンダ9と間欠的に連通する眉形状をなす一対の給排ポート10A,10Bを有し、該各給排ポート10A,10Bは、リアケーシング4に形成された給排通路(図示せず)に連通している。
【0016】
11,11,…はシリンダブロック8の各シリンダ9内にそれぞれ摺動可能に挿嵌された複数のピストンで、該各ピストン11は、シリンダブロック8が回転することによりシリンダ9内を往復動し、たとえば弁板10の一方の給排ポート10Aを通じてシリンダ9内に吸込んだ作動油を加圧し、弁板10の他方の給排ポート10Bを通じて外部に吐出するものである。
【0017】
12,12,…はシリンダ9から突出した各ピストン11の端部に揺動可能に設けられたシューで、該各シュー12は、後述する斜板14の摺動面14Aに摺接することにより、シリンダブロック8の回転時にピストン11をシリンダ9内で往復動させるものである。13は各シュー12を保持する環状のシュー押えで、該シュー押え13は、各シュー12を斜板14の摺動面14Aに押し付けるものである。
【0018】
14はケーシング本体2の斜板収容部2B内に傾転可能に設けられた斜板、15は斜板支持部材であって、斜板14の裏面側は斜板支持部材15と当接しており、この斜板支持部材15に沿って斜板14を摺動させることにより、傾転動作が行われる。ただし、斜板14はこの傾転方向以外の動きは斜板支持部材15により規制される。このために、斜板支持部材15の両側部に支持ガイド面部15A,15Aが形成されており、斜板14の両側部14D,14Dはこの支持ガイド面部15A,15Aと摺動するようにして傾転動作が行われる。また、斜板14の表面側(シリンダブロック8側)には、各シュー12が摺接する環状の摺動面14Aと、後述の各傾転ピストン16B,17Bが当接するピストン当接面14B,14Cとが設けられている。
【0019】
そして、斜板14は、傾転ピストン16B,17Bに押圧されることにより傾転中心Pを中心として傾転し、回転軸5に対する傾転角θが変化する。これにより、各ピストン11のストローク量が調整され、油圧ポンプからの圧油の吐出量(ポンプ容量)が傾転角θの大きさに応じて可変に制御される構成となっている。
【0020】
16,17は斜板14を傾転駆動する一対の傾転アクチュエータで、該各傾転アクチュエータ16,17は、シリンダブロック8の径方向外側に位置してケーシング本体2に形成された有底の傾転シリンダ16A,17Aと、該傾転シリンダ16A,17A内に摺動可能に挿嵌された傾転ピストン16B,17Bと、該傾転ピストン16B,17Bを斜板14側に向けて付勢するばね16C,17Cとにより構成されている。また、傾転ピストン16Bの先端部は斜板14のピストン当接面14Bに常時当接し、傾転ピストン17Bの先端部は斜板14のピストン当接面14Cに常時当接している。
【0021】
そして、傾転アクチュエータ16は、各ピストン11の下死点側と対応する位置に配置され、傾転アクチュエータ17は、各ピストン11の上死点側と対応する位置に配置されている。また、傾転ピストン17Bは傾転ピストン16Bよりも大径に形成され、傾転ピストン17Bの受圧面積は、傾転ピストン16Bの受圧面積よりも大きく設定されている。
【0022】
ここで、図4に示すように、傾転アクチュエータ16の傾転シリンダ16Aは、油通路18を介して外部油圧源19に接続されている。そして、傾転アクチュエータ16は、外部油圧源19から傾転シリンダ16内に供給される傾転制御用の圧油により、傾転ピストン16Bによって斜板14(ピストン当接面14B)を押圧し、該斜板14を傾転角θが大きくなる方向(図4,7中の矢示A方向)に傾転させるものである。
【0023】
一方、傾転アクチュエータ17の傾転シリンダ17Aは、油通路20、レギュレータ21等を介して外部油圧源19に接続されている。そして、傾転アクチュエータ17は、外部油圧源19の圧油がレギュレータ21を介して傾転シリンダ17A内に供給されることにより,傾転ピストン17Bによって斜板14(ピストン当接面14C)を押圧し、該斜板14を傾転角θが小さくなる方向(図4,7中の矢示B方向)に傾転させるものである。
【0024】
レギュレータ21は傾転アクチュエータ17の傾転シリンダ17Aに対する圧油の給排を制御するためのものであり、該レギュレータ21は、ケーシング本体2の外周面にボルト等を用いて取付けられた弁ハウジング22と、該弁ハウジング22内に設けられた後述の容量制御弁23,28とにより大略構成されている。
【0025】
23はレギュレータ21の弁ハウジング22内に設けられた手動操作式の容量制御弁で、該容量制御弁23は、図3及び図4に示すように、弁ハウジング22内に軸方向に摺動可能に設けられた円筒状のスリーブ24と、該スリーブ24内に摺動可能に挿嵌されたスプール25とを有している。そして、スリーブ24の端部には後述のフィードバックピン44が係合する係合溝24Aが形成され、スプール25には、斜板14の傾転角θを作業者等の手動操作によって設定するための操作レバー26が連結されている。
【0026】
ここで、弁ハウジング22と容量制御弁23との間には、外部油圧源19に接続されたポンプポート22A、後述の容量制御弁28を介して傾転アクチュエータ17の傾転シリンダ17Aに接続された給排ポート22B、タンク27に接続されたタンクポート22Cが設けられている。
【0027】
そして、容量制御弁23は、操作レバー26によって中立位置(a)から切換位置(b)または(c)に切換えられ、切換位置(b)に切換えられたときには、傾転アクチュエータ17の傾転シリンダ17Aをタンク27に連通させ、斜板14を傾転角θが大きくなる方向(矢示A方向)に傾転させる。一方、切換位置(c)に切換えられたときには、傾転アクチュエータ17の傾転シリンダ17Aを外部油圧源19に連通させ、傾転アクチュエータ16の押圧力に抗して斜板14を傾転角θが小さくなる方向(矢示B方向)に傾転させる構成となっている。
【0028】
28はレギュレータ21の弁ハウジング22内に設けられたフィードバック制御用の容量制御弁で、該容量制御弁28は、弁ハウジング22内に軸方向に摺動可能に設けられた円筒状のスリーブ29と、該スリーブ29内に摺動可能に挿嵌されたスプール30とを有している。そして、スリーブ29の端部には後述のフィードバックピン44が係合する係合溝29Aが形成され、スプール30には、弁ばね31と油圧パイロット部32とが設けられ、該油圧パイロット部32は、パイロット通路33を介して油圧ポンプの吐出側に接続されている。
【0029】
ここで、弁ハウジング22と容量制御弁28との間には、外部油圧源19に接続されたポンプポート22D、傾転アクチュエータ17の傾転シリンダ17Aに接続された給排ポート22E、容量制御弁23を介してタンク27に接続されたタンクポート22Fが設けられている。
【0030】
そして、容量制御弁28は、油圧ポンプから油圧パイロット部32に供給されるポンプ吐出圧に応じて中立位置(d)から切換位置(e)または(f)に切換えられ、傾転アクチュエータ17の傾転シリンダ17Aに対する圧油の給排を制御する。これにより、ポンプ吐出圧に応じて油圧ポンプからの圧油の吐出量(ポンプ容量)を制限し、エンジン等に過負荷が作用するのを抑えることができる構成となっている。
【0031】
41はレギュレータ21と斜板14との間に設けられたフィードバック機構で、該フィードバック機構41は、図3に示すように、ケーシング本体2に設けられた開口部2C内に揺動可能に配設され、傾転アクチュエータ17に対してレギュレータ21が行う圧油の給排動作を、斜板14の傾転角θに応じてフィードバック制御するものである。フィードバック機構41は、図5に示すように、支持ピン42、フィードバックレバー43、フィードバックピン44、フィードバックリンク45等により構成されている。
【0032】
また、42はフィードバックレバー43をケーシング本体2に揺動可能に支持する支持ピンで、該支持ピン42は、例えば棒鋼材等を用いて円柱状に形成されている。ここで、支持ピン42の軸方向両端部には、その外周面を切削することにより形成された平行な2面の平面部42A,42Aがそれぞれ設けられている。そして、支持ピン42は、図3及び図6に示すように、その軸方向両端部に設けられた各平面部42Aを、開口部2Cを挟んでケーシング本体2に設けられた凹溝2D,2Dに嵌合させることにより、ケーシング本体2に対して回り止め状態に取付けられるものである。
【0033】
43は支持ピン42に揺動可能に支持されたフィードバックレバーで、該フィードバックレバー43は、例えば鋼材等を用いてほぼ直方体状に形成されている。そして、フィードバックレバー43の長さ方向中央部には、支持ピン42が回転可能に挿通されるピン挿通孔43Aが穿設され、フィードバックレバー43の長さ方向両端側には、フィードバックピン44が挿通されるピン挿通孔43Bと、フィードバックリンク45が挿通されるリンク挿通孔43Cとが穿設されている。
【0034】
フィードバックピン44は例えば棒鋼材等を用いて円柱状に形成されており、フィードバックレバー43の長さ方向一端側に固定されている。ここで、フィードバックピン44の軸方向中央部は、フィードバックレバー43のピン挿通孔43Bに固定的に挿通され、軸方向両端側はフィードバックレバー43から突出している。そして、図3及び図6に示すように、フィードバックピン44の軸方向一端側は、レギュレータ21を構成する容量制御弁23のスリーブ24に設けた係合溝24Aに摺動可能に係合し、フィードバックピン44の軸方向他端側は、レギュレータ21を構成する容量制御弁28のスリーブ29に設けた係合溝29Aに摺動可能に係合する構成となっている。
【0035】
フィードバックリンク45は、例えばばね鋼材等の弾性材料を用いて形成されて、フィードバックレバー43の長さ方向他端側に固定されている。そして、フィードバックリンク45の基端側はフィードバックレバー43のリンク挿通孔43Cに固定的に挿通された基部45Aと、該基部45Aから先に形成され撓み方向が薄肉な板ばね状となった板ばね部45Bと、該板ばね部45Bの先端に設けられた球状突起45Cとにより構成されている。フィードバックリンク45は、斜板14が傾転されたときの傾転位置をフィードバックレバー43に伝えるためのものである。
【0036】
フィードバック機構41を構成する上述の支持ピン42、フィードバックピン44、フィードバックリンク45は、フィードバックレバー43の長さ方向に沿って直線状に配置され、支持ピン42の軸中心とフィードバックピン44の軸中心との間の距離L1と、支持ピン42の軸中心とフィードバックリンク45の軸中心との間の距離L2とはほぼ等しい長さに設定されている。そして、図2,図3及び図7に示すように、フィードバックリンク45は、斜板14の傾転方向と直交する方向の一側面に設けられた係合溝46にフィードバックリンク45の球状突起45Cが係合されるように配置されており、ケーシング本体2から内側に突出して、回転軸5の方向にはシリンダブロック収容部2Aと斜板収容部2Bのほぼ中間位置に設けられている。
【0037】
46は斜板14の側面に固着されたフィードバック用の係合溝で、該係合溝46は、図3及び図7に示すように、斜板14の側面からフィードバックリンク45の球状突起45Cに向けて突出し、その突出端部は二又状の凹溝部46Aとなっている。そして、係合溝46の凹溝部46Aには、フィードバックリンク45の球状突起45Cが隙間なく摺動可能に係合し、斜板14の傾転動作は係合溝46を介してフィードバックリンク45に伝えられる構成となっている。
【0038】
斜板14が傾転すると、この斜板14の傾転動作が係合溝46を介してフィードバックリンク45に伝えられ、フィードバックレバー43は、支持ピン42を支点として図6中の矢示C方向に揺動変位する。そして、この支持ピン42を支点としたフィードバックレバー43の揺動が、フィードバックピン44を介して容量制御弁23,28のスリーブ24,29に伝えられ、これら各スリーブ24,29が軸方向に摺動変位することにより、レギュレータ21に対するフィードバック制御を行うことができる構成となっている。
【0039】
ところで、フィードバックリンク45は係合溝46を介して斜板14に常時連結されている。その結果、油圧ポンプの吐出脈動等の影響で斜板14が高周波振動を発生すると、この斜板14の振動がフィードバックリンク45に伝わる。斜板14は傾転方向に可動となっているが、この斜板14の左右両側の斜板スライド面14Dは斜板支持部材15の支持ガイド面部15Aに当接して、この方向には動かないように規制されるので、斜板14の振動方向はその傾転方向に限定されることになる。フィードバックリンク45の中間部に板ばね部45Bを設けたのは、その弾性力によってこの方向の高周波振動を減衰または吸収するためである。従って、フィードバックリンク45による高周波振動の方向に弾性を持たせればよく、このためにフィードバックリンク45を弾性部材で形成して、切削等によって薄肉化するという簡単な構成により振動吸収機能を発揮させ、もってその耐久性を向上させることができる。
【0040】
次に、上述のような構成を有する可変容量型斜板式油圧ポンプの動作について説明する。まず、エンジンによって回転軸5を回転駆動すると、シリンダブロック8が回転軸5と一体に回転することにより、各ピストン11の端部に設けられたシュー12は、シュー押え13によって斜板14の摺動面14Aに押付けられた状態で、該摺動面14A上を環状の軌跡を描くように滑動する。
【0041】
これにより、各ピストン11はシリンダブロック8の各シリンダ9内で往復動し、各ピストン11が上死点側から下死点側へと移動する間に作動油がシリンダ9内に吸入され、各ピストン11が下死点側から上死点側へと移動する間にシリンダ9内の作動油が加圧されることにより、油圧ポンプから圧油が吐出する。
【0042】
ここで、例えば油圧ポンプからの圧油の吐出量(ポンプ容量)を小さくする場合には、作業者等がレギュレータ21を構成する容量制御弁23の操作レバー26を操作することにより、この容量制御弁23を中立位置(a)から切換位置(c)に切換える。これにより、外部油圧源19から傾転アクチュエータ17の傾転シリンダ17Aに傾転制御用の圧油が供給され、傾転ピストン17Bが斜板14を押圧する。このため、斜板14は、傾転アクチュエータ16(傾転ピストン16B)からの押圧力に抗して傾転角θが小さくなる方向(矢示B方向)に傾転される。この結果、各ピストン11のストローク量が小さくなり、ポンプ容量を小さくすることができる。
【0043】
そして、上述の如く傾転アクチュエータ17によって斜板14の傾転角θが変化するときに、フィードバック機構41のフィードバックリンク45は、その球状突起45Cを斜板14の係合溝46に係合させることにより、斜板14の傾転動作に追従する。これにより、フィードバックレバー43は、斜板14の傾転角θに応じて支持ピン42を支点として矢示C方向に揺動する。そして、このフィードバックレバー43の揺動変位が、フィードバックピン44を介して容量制御弁23のスリーブ24に伝達され、該スリーブ24が軸方向に摺動変位することにより、傾転アクチュエータ17(傾転シリンダ17A)に対する圧油の供給を、操作レバー6によって設定した斜板14の傾転角θ(目標傾転角)に応じてフィードバック制御することができる。
【0044】
一方、油圧ポンプから吐出した圧油は、パイロット通路33を通じ、レギュレータ21を構成する容量制御弁28の油圧パイロット部32に容量制御用のパイロット圧として供給される。これにより、容量制御弁28は、図8に示すポンプ出力馬力の特性線47に沿って、ポンプ容量(圧油の吐出量)Qをポンプ吐出圧Pに応じて可変に制御する。
【0045】
即ち、ポンプ吐出圧Pが上昇すると、容量制御弁28の油圧パイロット部32に供給されるパイロット圧が上昇することにより、スプール30が弁ばね31に抗して中立位置(d)から切換位置(f)に切換わる。これにより、外部油圧源19からの傾転制御用の圧油が、傾転アクチュエータ17の傾転シリンダ17Aに供給され、傾転アクチュエータ17の傾転ピストン17Bが斜板14を押圧する。このため、斜板14は、傾転アクチュエータ16からの押圧力に抗して傾転角θが小さくなる方向(矢示B方向)に傾転されるので、ポンプ容量Qを小さくすることができる。
【0046】
そして、このときの斜板14の傾転動作は、係合溝46を介してフィードバック機構41のフィードバックリンク45に伝えられ、フィードバックレバー43は、支持ピン42を支点として矢示C方向に揺動する。そして、このフィードバックレバー43の揺動変位が、フィードバックピン44を介して容量制御弁28のスリーブ29に伝達され、該スリーブ29が軸方向に摺動変位することにより、傾転アクチュエータ17に対する圧油の供給を、ポンプ吐出圧Pによって設定された斜板14の傾転角θ(目標傾転角)に応じてフィードバック制御することができる。
【0047】
そして、斜板14の傾転角θ(ポンプ容量Q)がポンプ吐出圧Pに対応した状態となると、容量制御弁28の油圧パイロット部32に供給されるパイロット圧と弁ばね31とがバランスすることにより、容量制御弁28は中立位置(d)へと復帰する。このようにして、ポンプ吐出圧Pとポンプ容量Qとの関係を、図8に示す特性線47に沿って制御し、エンジン馬力を示す特性線48よりも小さく抑えることにより、エンジンに過負荷が作用してエンジンストールが発生するのを防止することができる。
【0048】
ここで、上述の如きレギュレータ21によるフィードバック制御を行うため、フィードバック機構41のフィードバックリンク45(球状突起45C)は、斜板14に設けた係合溝46に常時係合している。このため、油圧ポンプの吐出脈動等によって斜板14が高周波振動を生じると、この斜板14の振動が係合溝46を介してフィードバックリンク45に作用するようになる。しかし、フィードバックリンク45に板ばね部45Bを設けることにより、該フィードバックリンク45を弾性体として構成しているので、斜板14が高周波振動を生じたとしても、この振動をフィードバックリンク45の板ばね部45Bが弾性変形することによって減衰することができる。
【0049】
これにより、フィードバックリンク45が破損するのを抑え、その耐久性を高めることができる。また、斜板14の振動がフィードバック機構41を介して容量制御弁23,28のスリーブ24,29に伝わるのを抑えることにより、容量制御弁23,28の誤動作を防止することができるので、斜板14の傾転角θに応じたフィードバック制御を精度良く行なうことができ、油圧ポンプの信頼性を高めることができる。
【0050】
また、フィードバック機構41のフィードバックレバー43を支持ピン42に対して回転可能に取付け、この支持ピン42をケーシング本体2に設けた凹溝2Dに固定する構成としている。このため、フィードバックレバー43は、支持ピン42を支点として円滑に揺動しつつ斜板14の傾転動作に適正に追従することができ、フィードバック45に伝えられた斜板14の傾転動作を、フィードバックレバー43、フィードバックピン44を介してレギュレータ21の容量制御弁23,28(スリーブ24,29)に的確に伝えることができる。これにより、レギュレータ21は、斜板14の傾転角θに応じて精度良くフィードバック制御を行うことができる。
【0051】
また、フィードバックリンク45の先端には球状突起45Cを、斜板14に設けた係合溝46の凹溝部46Aに摺動可能に係合させる構成としたので、フィードバックリンク45と斜板14との間を隙間なく連結することができ、斜板14の傾転角θをフィードバックリンク45に正確に伝えることができ、フィードバック制御の精度を高めることができる。
【0052】
ところで、ケーシング本体2におけるシリンダブロック収容部2A及び斜板収容部2B内には作動油を充満させて、各摺動部の摺動性を良好にしている。したがって、ケーシング本体2の内部において、シリンダブロック8及びピストン11等との間には環状の作動油充満隙間が形成され、シリンダブロック8が回転することから、ケーシング本体2の内面とシリンダブロック8等との間に充満している作動油は回転方向に向けて流れるようになる。そして、この作動油の回転流速はシリンダブロック8の回転数が大きくなればなるほど高速になる。
【0053】
一方、ケーシング本体2内にはフィードバック機構41を構成するフィードバックリンク45が配設されている。しかも、フィードバックリンク45は斜板14の振動の減衰乃至吸収を図るために、板ばね部45Bを設け、この板ばね部45Bの撓み方向は平坦面としている。斜板14の振動方向は傾転方向と一致していることから、板ばね部45Bの平坦面は、シリンダブロック8の回転による作動油の回転流と概略直交する方向に向いていることになる。このために、板ばね部45Bは作動油の回転流を直接受けることになる。
【0054】
ここで、斜板14の高周波振動をより確実に吸収しようとすると、板ばね部45Bの弾性をより高くする必要がある。しかしながら、シリンダブロック8の回転時に、斜板14の角度が変化しない限りフィードバックリンク45は静止状態に保持されるから、その板ばね部45Bの弾性をより高くすると、前述したケーシング本体2内での作動油の回転流の作用で板ばね部45Bが湾曲するように撓むことになり、その結果フィードバック機能が不安定になり、また誤動作が生じることにもなる。
【0055】
ただし、シリンダブロック8はケーシング本体2内で回転するが、ケーシング本体2は固定されていることから、その間において作動油の回転流に流速分布が生じることになり、シリンダブロック8の直近位置では、作動油の回転速度が速いが、固定的に保持されているケーシング本体2の内面に近い側では回転速度も遅くなる。従って、フィードバックリンク45をケーシング本体2の内面に近い位置に配設すれば、作動油の流れの影響を最小限に抑制することができる。ただし、そうすると、フィードバック機構41を構成する支持ピン42とフィードバックリンク45との距離L2が短くしなければならない。このように、フィードバックレバー43のフィードバックリンク45から支持ピン42までの長さが短縮されると、斜板14の傾転角分解能なり、感度なりが低下する。したがって、フィードバックリンク45を無闇にケーシング本体2の内面に近い位置に配置することはできず、フィードバック機能の向上という観点からは、できるだけシリンダブロック8に近い位置に配置する方が望ましい。
【0056】
以上のことから、本発明においては、シリンダブロック8の回転によるケーシング本体2内のシリンダブロック収容部2A及び斜板収容部2B内部で作動油の回転流がフィードバックリンク45、特にその板ばね部45Bに作用しないようにするために、遮蔽手段として円筒部材50を設けている。該円筒部材50は、フィードバックリンク45の板ばね部45Bが振動吸収する機能を損なわない空間を有する中空円筒状に形成されている。そして、円筒部材50の一端側は開口部50Aとなっており、この開口部50Aからフィードバックリンク45の突起部45Cが延在されている。また、円筒部材50の他端側は嵌合部50Bとなり、該嵌合部50Bは、フィードバックリンク45の基部45Aが挿通固定される側のフィードバックレバー43のボス部に設けた凸型嵌合部43Dに嵌合させるようにして固定する。なお、円筒部材50は、フィードバックレバー43の長さ方向他端側のフィードバックリンク45が固定される側のボス部に鋳造等により一体的に形成してもよい。
【0057】
このように構成することにより、シリンダブロック8等の回転に伴ってケーシング本体2内の作動油が回転し、しかも高速回転しても、その流れが板ばね部45Bに直接作用して変形させるおそれはない。このために、該板ばね部45Bに必要な振動吸収能力を発揮させるのに十分な程度にまで弾性を持たせることができ、しかもフィードバックレバー43のフィードバックリンク45から支持ピン42までに必要な長さを取ることができる。したがって、斜板14の傾転角θに応じたフィードバック制御を高精度に行うことができ、かつその傾転角分解能なり、感度なりが向上する。
【0058】
次に、図9及び図10は本発明における第2の実施の形態を示すものであって、これら図9及び図10は第1の実施の形態における図3及び図6に対応するものである。これらの図中、52は遮蔽手段としての遮蔽壁であって、該遮蔽壁52は、フィードバックリンク45の板ばね部45Bに向けて作動油が流れる回転流の上流側であって、該板ばね部45Bとは干渉しない位置にケーシング本体2の内面から内向きに突出するようにして設けられている。このように構成することによっても、シリンダブロック8等の回転により生じるケーシング本体2内での作動油の回転流の影響でフィードバックリンク45の板ばね部45Bが作動油の流れの影響で撓んだり、湾曲したりするおそれはない。そして、この遮蔽壁52はケーシング本体2と一体的に形成することができる。ただし、同様の壁状部材を溶接等によりケーシング本体2の内面に固着するようにしてもよい。
【0059】
さらに、図11,12は本発明における第3の実施の形態を示すものであって、この実施の形態では、ケーシング本体2内において、シリンダブロック8との間に形成される環状の隙間内の作動油が、シリンダブロック8の回転時に生じる流れに乱流が発生するのを抑制するように構成している。即ち、前述した第1の実施の形態における円筒部材50や、第2の実施の形態における遮蔽壁52によって、作動油の回転流が部分的にブロックされることになり、その結果作動油の回転流が円滑に流れず、乱流が発生することになる。そして、この乱流によりシリンダブロック8等の回転に対する抵抗となることもある。そこで、この回転流をできるだけ乱さないようにするには、第1の実施の形態における遮蔽手段としての円筒部材50に代えて、中空な流線型筒部材51を用いるようにしている。流線型筒部材51は、シリンダブロック8が回転する接線方向に長く法線方向に短い流線型の断面形状に形成したものである。
【0060】
そして、図12に示すように、流線型筒部材51の一端側はフィードバックリンク45の球状突起45C側に向かって開口部51Aを有し、他端側はフィードバックレバー43のフィードバックリンク45が固定される側のボス部に一体的に形成された結合部51Bとなっている。なお、流線型筒部材51の断面形状は、流線型の他、菱形あるいは楕円形等、油の流動抵抗を少なくする断面形状を用いることができる。
【0061】
このように構成することにより、ケーシング本体2内に満たされた作動油が流動しても、板ばね部45Bに直接作用することを抑制できると共に、遮蔽手段自身の下流側に乱流が発生するのを抑制でき、シリンダブロック8等の回転エネルギーロスが少なくなる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明によれば、レギュレータと斜板との間に設けられたフィードバック機構のうち、斜板に連結されるフィードバックリンクを、斜板から伝わる振動を減衰するために板ばね部を有する構成とすると共に、この板ばね部に対し、ケーシング内の油が流動してもその流動が直接作用することを抑制する遮蔽手段を設けたので、例えば油圧ポンプの吐出脈動等によって斜板が高周波振動を生じ、この脈動が斜板からフィードバックリンクに伝わったとしても、フィードバックリンクは自らの弾性よって振動を減衰することができると共に、ケーシング内の作動油がフィードバックリンクに直接作用するのを抑制したので、フィードバックリンクが変形することを防止することができ、フィードバックリンクが振動によって破損するのを抑え、該フィードバックリンクの耐久性を高めることができると共に、斜板の振動及び作動油の流動による影響がレギュレータに伝わるのを抑えることができるので、レギュレータの誤動作を防止し、斜板の傾転角に応じたフィードバック制御を高感度で、正確に行える等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による可変容量型斜板式油圧ポンプを示す断面図である。
【図2】図1中の矢示S−S方向からみた断面図である。
【図3】図2中のレギュレータ、フィードバック機構等を拡大して示す拡大断面図である。
【図4】傾転アクチュエータ、レギュレータ等の油圧系統を示す油圧回路図である。
【図5】フィードバック機構及び遮蔽手段の一部を断面で示す斜視図である。
【図6】フィードバック機構、レギュレータを構成する容量制御弁のスリーブ等を図3中の矢示T−T方向からみた拡大断面図である。
【図7】フィードバック機構のフィードバックリンク、斜板の係合部材等を図3中の矢示V−V方向からみた断面図である。
【図8】可変容量型斜板式油圧ポンプの吐出圧とポンプ容量との関係を示す特性線図である。
【図9】第2の実施の形態による遮蔽手段を示す図3同様の拡大断面図である。
【図10】図9中の矢示W−W方向からみた図6同様の拡大断面図である。
【図11】第3の実施の形態による遮蔽手段を示し、図6と同様の拡大断面図である。
【図12】図11中の矢示Y−Y方向からみた断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 ケーシング本体
5 回転軸
8 シリンダブロック
9 シリンダ
11 ピストン
12 シュー
14 斜板
14A 摺動面
16,17 傾転アクチュエータ
21 レギュレータ
23,28 容量制御弁
41 フィードバック機構
42 支持ピン
43 フィードバックレバー
44 フィードバックピン
45 フィードバックリンク
45B 板ばね部
45C 球状突起
46 係合溝
50 円筒状部材
50A 開口部
50B 嵌合部
51 流線型状部材
51A 開口部
51B 結合部
52 ブロック状部

Claims (4)

  1. 中空なケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダが穿設され前記ケーシング内で該回転軸と一体に回転するシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューが摺動する摺動面を有し、前記ケーシング内に傾転可能に設けられた斜板と、傾転制御用の圧油が給排されることにより該斜板を傾転させる傾転アクチュエータと、該傾転アクチュエータに対する圧油の給排を制御するレギュレータと、該レギュレータと前記斜板との間に設けられて、レギュレータによる圧油の給排を前記斜板の傾転角に応じてフィードバック制御するフィードバック機構とからなる可変容量型斜板式油圧ポンプにおいて、
    前記フィードバック機構は、支持ピンを介して前記ケーシングに揺動可能に支持されたフィードバックレバーと、前記支持ピンを挟んで該フィードバックレバーの長さ方向一側に設けられ前記レギュレータに連結されるフィードバックピンと、前記支持ピンを挟んで前記フィードバックレバーの長さ方向他側に設けられ前記斜板に連結されるフィードバックリンクとにより構成し、
    前記フィードバックリンクには、前記斜板から伝わる振動を減衰するために、該斜板の傾転方向に弾性力を有する板ばね部が形成され、
    前記シリンダブロックの回転により生ずる前記ケーシング内の作動油の回転流が前記フィードバックリンクの板ばね部の平面部分に直接作用するのを抑制する遮蔽手段を備える構成としたことを特徴とする可変容量型斜板式油圧ポンプ。
  2. 前記遮蔽手段は、前記フィードバックリンクの板ばね部を外側から覆う中空筒部材で形成し前記フィードバックレバーに固定する構成としたことを特徴とする請求項1記載の可変容量型斜板式油圧ポンプ。
  3. 前記遮蔽手段は、前記ケーシング内に該ケーシングと一体的に突出して設けた遮蔽壁で構成したことを特徴とする請求項1記載の可変容量型斜板式油圧ポンプ。
  4. 前記遮蔽手段は、前記フィードバックリンクの板ばね部を外側から覆う中空筒部材であって、該中空筒部材の断面形状が前記回転軸の接線方向には長く法線方向には短い流線型で構成したことを特徴とする請求項1記載の可変容量型斜板式油圧ポンプ。
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