JP2004277566A - 光輝性塗料組成物、光輝性塗膜形成方法および塗装物 - Google Patents

光輝性塗料組成物、光輝性塗膜形成方法および塗装物 Download PDF

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Abstract

【課題】キラキラ感とゴールド輝度感をバランスよく発現することができる光輝性塗料組成物、光輝性塗膜形成方法および塗装物を提供すること。
【解決手段】ガラスフレーク基板と、当該ガラスフレーク基板を被覆する第1層と、前記第1層を被覆する第2層と、を有するガラスフレーク顔料と、ビヒクルと、を含有する光輝性塗料組成物であって、前記第1層および前記第2層が、それぞれ個別に、銀又は金のいずれか一方を主に含有する光輝性塗料組成物。基材に前記光輝性塗料組成物を塗装して光輝性ベース塗膜として形成した後、クリヤー塗料を用いてクリヤートップ塗膜を形成する塗膜形成方法。この方法により塗装された塗装物。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光輝性塗料組成物、光輝性塗膜形成方法およびこの方法により塗装された塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体などの高い意匠性が必要とされる分野においては、光輝性塗料が使用されるが、光輝性塗料に用いるメタリック顔料としては、例えば特開平3−239769号公報に記載されている、ガラスフレークの表面を銀で被覆してなる鱗片状粒子が挙げられる。(特許文献1を参照。)
【0003】
また、特開平5−1248号公報には、ガラスフレークの表面をニッケルで被覆してなる鱗片状粒子をメタリック顔料として含有せしめてなるメタリック塗料が記載されている。(特許文献2を参照。)
【0004】
さらに、特開平5−17710号公報には、ガラスフレークの表面を銀およびニッケルの順で複層被覆してなる鱗片状粒子をメタリック顔料として含有せしめてなるメタリック塗料が記載されている。(特許文献3を参照。)
【0005】
しかしながら、上記特許文献1は、ガラスフレークの表面を銀で被覆してなる鱗片状粒子を用いているため、キラキラ感を得られるものの、ゴールド輝度感は得られなかった。
【0006】
また、上記特許文献2は、ガラスフレークの表面をニッケルで被覆してなる鱗片状粒子を用いているため、キラキラ感が十分には得られなかった。
【0007】
さらに、上記特許文献3は、ガラスフレークの表面を銀およびニッケルの順で複層被覆してなる鱗片状粒子を用いているため、上記の特許文献2に記載のガラスフレークの表面をニッケルで被覆してなる鱗片状粒子を用いる場合よりは、キラキラ感は得られるものの、ゴールド輝度感は得られなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開平3−239769号公報
【特許文献2】
特開平5−1248号公報
【特許文献3】
特開平5−17710号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、キラキラ感とゴールド輝度感をバランスよく発現することができる光輝性塗料組成物、光輝性塗膜形成方法および塗装物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上述の課題に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。
【0011】
(1) ガラスフレーク基板と、当該ガラスフレーク基板を被覆する第1層と、前記第1層を被覆する第2層と、を有するガラスフレーク顔料と、ビヒクルと、を含有する光輝性塗料組成物であって、前記第1層及び前記第2層が、それぞれ個別に、銀又は金のいずれか一方を主に含有する光輝性塗料組成物。
【0012】
(2) 前記第1層が銀主含有層であり、前記第2層が金主含有層である上記の光輝性塗料組成物。
【0013】
(3) 前記第1層が金主含有層であり、前記第2層が銀主含有層である上記の光輝性塗料組成物。
【0014】
(4) 上記ガラスフレーク顔料を、塗料固形分に対する固形分質量割合で、0.001〜30%含有する上記の光輝性塗料組成物。
【0015】
(5) 上記ガラスフレーク顔料とその他の光輝性顔料とを1/99〜99/1の固形分質量比で含有する上記の光輝性塗料組成物。
【0016】
(6) 基材に、上記の光輝性塗料組成物を用いて光輝性ベース塗膜を形成した後、クリヤー塗料を用いてクリヤートップ塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法。
【0017】
(7) 上記クリヤー塗料が、カルボキシル基含有ポリマーおよびエポキシ基含有ポリマーを含有する上記の光輝性塗膜形成方法。
【0018】
(8) 上記の光輝性塗膜形成方法により得られた塗装物。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0020】
[光輝性塗料組成物]
本発明の光輝性塗料組成物に用いる光輝性顔料は、ガラスフレーク基板と、当該ガラスフレーク基板を被覆する第1層と、前記第1層を被覆する第2層と、を有するガラスフレーク顔料であって、前記第1層及び第2層が、それぞれ個別に、銀又は金のいずれか一方を主に含有するガラスフレーク顔料(以下、「銀・金被覆ガラスフレーク顔料」ともいう。)である。
【0021】
上記のガラスフレーク顔料は、前記第1層が銀主含有層である場合には、前記第2層が金主含有層であり、前記第1層が金主含有層である場合には、前記第2層が銀主含有層である。
【0022】
前記銀主含有層における銀含有量は、固形分質量割合で、50%以上であることが好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
【0023】
前記金主含有層における金含有量は、固形分質量割合で、50%以上であることが好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
【0024】
前記第1層が銀主含有層であり、前記第2層が金主含有層である場合には、キラキラ感と高ゴールド輝度感を発現する光輝感を得ることができ、また、前記第1層が金主含有層であり、前記第2層が銀主含有層である場合には、高キラキラ感とゴールド輝度感を発現する光輝感を得ることができる。
【0025】
上記ガラスフレーク基板に銀主含有層および金主含有層を被覆する方法としては、無電解めっき法、スパッタリング法等の常用の方法により行われる。上記銀・金被覆ガラスフレーク顔料は、上記銀主含有層および金主含有層が複層被覆された状態でのD50が、3〜100μm、好ましくは3〜25μmである。なお、本発明でのD50は、長径の粒子径分布において、相対累積粒子径分布曲線における累積量が50%のときの粒子径を意味する。D50が3μm未満では、光輝感が低下する恐れがあり、100μmを超えると塗膜外観不良を生じる恐れがある。
【0026】
さらに、上記銀・金被覆ガラスフレーク顔料の厚みは、0.2〜5μmが好ましく、0.2〜2μmがさらに好ましい。厚みが0.2μm未満では、塗料サーキュレーション時に、過大のシェアがかかり、上記銀・金被覆ガラスフレーク顔料に変形・破壊が発生し経時的に塗料が変色する不具合が生じ、5μmを超えると塗膜外観が低下する恐れがある。
【0027】
本発明の光輝性塗料組成物における銀・金被覆ガラスフレーク顔料の含有量(塗料固形分100質量部に対する顔料の固形分質量割合:PWC)は、塗料固形分に対する固形分質量割合で、0.001〜30%が好ましく、0.01〜15%がより好ましい。0.001%未満ではキラキラ感とゴールド輝度感をバランスよく発現することができ難く、30%を超えると塗膜外観が低下する恐れがある。
【0028】
また、本発明の光輝性塗料組成物において、上記銀・金被覆ガラスフレーク顔料とその他の光輝性顔料とを1/99〜99/1の固形分質量比で混合することが好ましい。この比率が、1/99未満である(上記銀・金被覆ガラスフレーク顔料が少ない場合)と、キラキラ感とゴールド輝度感をバランスよく発現することができない恐れがあり、またこの比率が、99/1を超える(上記銀・金被覆ガラスフレーク顔料が多い場合)と、併用するその他の光輝性顔料の併用効果を発揮できない恐れがある。上記比率のより好ましい範囲は、50/50〜99/1である。
【0029】
また、本発明の光輝性塗料組成物において、上記銀・金被覆ガラスフレーク顔料とその他の光輝性顔料との総含有量(PWC%)は、30%未満に設定することが好ましく、25%未満がより好ましい。30%を超えると塗膜外観が低下する。
【0030】
上記その他の光輝性顔料として、アルミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、グラファイト顔料、干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料、金属チタンフレーク顔料、ステンレスフレーク顔料、板状酸化鉄顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料からなる群より選ばれた少なくとも一種の顔料が好ましい。
【0031】
また、必要により着色顔料、体質顔料を用いることができる。上記着色顔料としては、有機系としてはアゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げることができる。また、無機系としては黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等が挙げられる。また、上記体質顔料としてはタルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、シリカ等も挙げられる。
【0032】
一方、本発明の光輝性塗料組成物に含まれるビヒクルは、上記顔料を分散するものであって、塗膜形成用樹脂と必要に応じて架橋剤とから構成される。
【0033】
上記ビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂としては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、これらは、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
【0034】
上記(a)アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体を挙げることができる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、アクリル酸またはメタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルなどがある。これらと共重合可能な上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニルなどがある。
【0035】
上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、飽和多塩基酸、不飽和多塩基酸が挙げられ、飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール、三価アルコール等が挙げられ、二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0036】
上記(c)アルキド樹脂としては、上記多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて変性させることによって得られたアルキド樹脂を用いることができる。
【0037】
上記(d)フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂のいずれかまたはこれらの混合体、フルオロオレフィンとヒドロキシ基含有の重合性化合物およびその他の共重合可能なビニル系化合物からなる単量体を共重合させて得られる各種フッ素系共重合体からなる樹脂を挙げることができる。
【0038】
上記(e)エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等を挙げることができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、F等が挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも商品名、シェルケミカル社製)等が挙げられ、また、これらを適当な鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることができる。
【0039】
上記(f)ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物との反応によって得られるウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(4,4’−MDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等を挙げることができる。
【0040】
上記(g)ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、もしくはポリオキシブチレン系ポリエーテル、またはビスフェノールAもしくはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂が挙げられる。また、上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、または、これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂が挙げられる。
【0041】
また、上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプがあるが、通常硬化性を有するタイプのものが使用される。硬化性を有するタイプの場合には、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸等の架橋剤と混合して用いられ、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないラッカータイプの塗膜形成用樹脂と硬化性を有するタイプとを併用することも可能である。
【0042】
上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜形成用樹脂が90〜50質量%、架橋剤が10〜50質量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量%未満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下するとともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
【0043】
本発明の光輝性塗料組成物は、上記成分の他に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加して含有することができる。これらの添加剤は、通常、上記ビヒクル100質量部(固形分基準)に対して例えば、それぞれ15質量部以下の割合で配合することにより、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0044】
本発明の光輝性塗料組成物は、上記構成成分を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供される。溶剤としては、ビヒクルを溶解または分散するものであればよく、有機溶剤および/または水を使用し得る。有機溶剤としては、塗料分野において通常用いられるものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエテルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示できる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されている場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
【0045】
[光輝性塗膜形成方法]
本発明の光輝性塗膜形成方法は、基材に、上記の光輝性塗料組成物を用いて光輝性ベース塗膜を形成した後、クリヤー塗料を用いてクリヤートップ塗膜を形成するものである。
【0046】
上記基材としては、限定されるものではなく、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等の金属類;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック材料;木材、繊維材料(紙、布等)等の天然または合成材料等が挙げられる。
【0047】
本発明の光輝性塗膜形成方法においては、上記基材に直接または下地塗膜を介して本発明の光輝性塗料組成物を塗装するが、本発明の塗膜形成方法により塗装された塗装物が自動車の車体および部品の場合は、予め上記基材に化成処理、電着塗装等による下塗り塗装、中塗り塗装等による下地塗装を施しておくのが好ましい。
【0048】
本発明の光輝性塗膜形成方法においては、まず、上記基材に上記光輝性塗料組成物を光輝性ベース塗膜として塗装する。上記基材が下塗り、中塗り塗料等により下地塗装をした物である場合には、下地塗膜の上にウェットオンウェット(W/W)法、またはウェットオンドライ(W/D)法により光輝性塗料組成物を塗装することができる。上記W/W法とは下地塗装をした後、風乾等により乾燥し、未硬化状態または半硬化状態の下地塗膜に塗装する方法である。これに対して、上記W/D法とは下地塗膜を焼き付けて硬化させた後、その硬化した下地塗膜上に塗装する方法である。光輝性塗料組成物を基材上に塗装する方法は特に限定されないが、スプレー法、ロールコーター法等が好ましく、また、複数回塗装することも可能である。上記光輝性塗料組成物を塗装したベースコート層の乾燥膜厚は、1コートにつき5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
【0049】
このようにして形成された光輝性ベース塗膜上にクリヤートップ塗膜として、クリヤー塗膜を少なくとも1層形成する。上記光輝性ベース塗膜中に光輝性顔料が多く含まれる場合に、クリヤー塗料を2層以上塗装すると、表面の光輝感を向上させることができる。
【0050】
本発明の光輝性塗膜形成方法で用いられる上記クリヤー塗料としては、上塗り用として一般に使用されているものを用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの変性樹脂等から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂と前述の架橋剤とを混合したものを用いることができる。特公平8−19315号公報に記載されたカルボシキル基含有ポリマーおよびエポキシ基含有ポリマーを含有するクリヤー塗料が、耐酸性雨対策の観点、およびW/W法でベースコート層に塗装した際にベースコート層との溶解性の差を大きくし、ベースコート層における光輝性顔料の配向を乱さないという観点から好ましく用いられる。また、これらのクリヤー塗料は、必要に応じて、その透明性を損なわない範囲で、着色顔料、体質顔料、改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を配合することが可能である。
【0051】
本発明の光輝性塗膜形成方法におけるクリヤー塗料の塗装は、上記光輝性ベース塗膜を硬化させてから行うことができるが、未硬化状態または半硬化状態の上記光輝性ベース塗膜に対して行う、上記W/W法を用いることが好ましい。また、クリヤー塗料を複数回塗装する場合には、最終のクリヤー塗料を塗装した後で同時に焼き付ければよく、初期にクリヤー塗料を塗装した段階では完全に硬化させなくてもよい。このように、クリヤー塗料を用いてW/W法により形成したトップコート層は、ベースコート層、および必要に応じて、下地塗膜とともに120〜160℃で所定時間焼き付けられ、塗膜を得ることができる。クリヤー塗料の塗装は、硬化状態の上記光輝性ベース塗膜に対して、上記W/D法で行ってもよい。なお、クリヤートップ塗膜の乾燥膜厚は1コートにつき10〜80μmが好ましく、20〜50μmより好ましい。
【0052】
[塗装物]
本発明の塗装物は、上記光輝性塗膜形成方法により塗装されたものであり、上記光輝性塗料組成物による光輝性ベース塗膜の上に、クリヤートップ塗膜として少なくとも一層のクリヤー塗膜からなる複層塗膜が形成されている。
【0053】
【実施例】
次に、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのないかぎり質量部を表す。
【0054】
[実施例1〜10、比較例1〜3]
[基材の調製]
ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(商品名:「サーフダインSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した後、カチオン電着塗料(商品名:「パワートップU−50」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付けた後、中塗り塗料(商品名:「オルガS−90シーラー」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が40μmとなるようにエアースプレー塗装し、140℃で30分間焼き付け、中塗り塗膜を形成し、基材を得た。
【0055】
[光輝性塗料組成物の調製]
アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20,000、水酸基価45、酸価15、固形分50質量%)と、メラミン樹脂(商品名:「ユーバン20SE」、三井化学社製、固形分60質量%)とを80:20の固形分質量比で配合して得たビヒクルに対し、表1に示された銀・金被覆ガラスフレーク顔料、および必要により、表1の欄外に表示した顔料を、表1に示す割合で配合した。次いで、有機溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの質量比=70/15/10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度になるように攪拌混合し、光輝性塗料組成物を調製した。
【0056】
[クリヤー塗料]
クリヤー塗料は、以下の塗料を使用した。クリヤー塗料Aとしては、アクリル樹脂系溶剤型クリヤー塗料(商品名:「スーパーラックO−150クリヤー」、日本ペイント社製)を使用した。また、クリヤー塗料Bとしては、カルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーのブレンドからなる溶剤型クリヤー塗料(商品名:「マックフローO−520クリヤー」、日本ペイント社製)を使用した。このように、この2種類を使用した。
【0057】
[複層塗膜が形成された塗装物]
基材の被塗面に、表1に示す光輝性塗料組成物により光輝性ベース塗膜層を乾燥膜厚が20μmとなるよう塗装し形成した。次いでW/W法で、クリヤー上塗り塗膜層を乾燥膜厚が40μmとなるように塗装し、複層塗膜を形成した。焼付条件は、140℃で、20分であった。得られた塗膜の下記評価項目について、下記評価方法で評価した。結果を表1に示す。
【0058】
[評価方法]
キラキラ感については、形成された塗装物のキラキラ感を目視で評価した。
【0059】
3・・・キラキラ感が強く発現。
2・・・キラキラ感が発現。
1・・・キラキラ感なし。
【0060】
ゴールド輝度感については、形成された塗装物のゴールド調の発色程度を目視で評価した。
【0061】
3・・・ゴールド調が強く発現。
2・・・ゴールド調が発現。
1・・・ゴールド調がなし。
【0062】
【表1】
Figure 2004277566
【0063】
表1の結果から明らかなように、本実施例1〜10は、本発明の光輝性塗料組成物を用いた塗膜形成方法により複層塗膜が形成された塗装物であり、キラキラ感とゴールド輝度感をバランスよく発現した塗装物が得られた。
【0064】
一方、比較例では、上記実施例で得られたような塗装物は得られなかった。
【0065】
【発明の効果】
本発明の光輝性塗料組成物は、銀・金被覆ガラスフレーク顔料を含有しているため、この塗料により形成された複層塗膜からなる塗装物は、キラキラ感とゴールド輝度感をバランスよく発現することが可能である。
【0066】
なお、本発明により得られる塗膜は上記光輝感を呈するため、自動車、二輪車等の乗物外板、自動車部品(ホイール、バンパー等)、容器外面、コイルコーティング、家電業界等の光輝性が要求される分野において好ましく使用される。

Claims (8)

  1. ガラスフレーク基板と、当該ガラスフレーク基板を被覆する第1層と、前記第1層を被覆する第2層と、を有するガラスフレーク顔料と、
    ビヒクルと、
    を含有する光輝性塗料組成物であって、
    前記第1層及び前記第2層が、それぞれ個別に、銀又は金のいずれか一方を主に含有する光輝性塗料組成物。
  2. 前記第1層が銀主含有層であり、前記第2層が金主含有層である請求項1記載の光輝性塗料組成物。
  3. 前記第1層が金主含有層であり、前記第2層が銀主含有層である請求項1記載の光輝性塗料組成物。
  4. 前記ガラスフレーク顔料を、塗料固形分に対する固形分質量割合で、0.001〜30%含有する請求項1から3のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物。
  5. 前記ガラスフレーク顔料とその他の光輝性顔料とを1/99〜99/1の固形分質量比で含有する請求項1から4のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物。
  6. 基材に、請求項1から5のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物を用いて光輝性ベース塗膜を形成した後、クリヤー塗料を用いてクリヤートップ塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法。
  7. 前記クリヤー塗料が、カルボキシル基含有ポリマーおよびエポキシ基含有ポリマーを含有する請求項6に記載の光輝性塗膜形成方法。
  8. 請求項6または7記載の光輝性塗膜形成方法により得られた塗装物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009044861A1 (ja) * 2007-10-05 2009-04-09 Nippon Sheet Glass Company, Limited 車両用電磁波透過性塗装樹脂部品
WO2012061461A1 (en) * 2010-11-03 2012-05-10 Fisker Automotive, Inc. Systems and methods of creating sparkle effect in exterior vehicle paint using glass flakes

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