JP2004277197A - 酸化亜鉛針状結晶及びその形成方法、並びに光電変換素子 - Google Patents

酸化亜鉛針状結晶及びその形成方法、並びに光電変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2004277197A
JP2004277197A JP2003068261A JP2003068261A JP2004277197A JP 2004277197 A JP2004277197 A JP 2004277197A JP 2003068261 A JP2003068261 A JP 2003068261A JP 2003068261 A JP2003068261 A JP 2003068261A JP 2004277197 A JP2004277197 A JP 2004277197A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zinc oxide
crystal
tin
needle
photoelectric conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003068261A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Okura
央 大倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2003068261A priority Critical patent/JP2004277197A/ja
Publication of JP2004277197A publication Critical patent/JP2004277197A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

【課題】電子のホールや授受及び移動がスムーズで、内部抵抗や再結合確率が低く、変換効率が高いことに加えて、色素等の光吸収層や電解液等のp型の電荷輸送層とコンタクトが良好で物質移動速度の速い光電変換素子を提供する。
【解決手段】透明基板14上に形成した導電性透明電極上に、n型の電荷輸送層、光吸収層18、p型の電荷輸送層17を順次に積層形成した光電変換素子であって、前記n型の電荷輸送層は酸化亜鉛針状結晶11を含み、前記酸化亜鉛針状結晶11の先端部位12に錫又は錫を含む化合物13を有する。酸化亜鉛針状結晶はアスペクト比が10以上である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化亜鉛針状結晶及びその形成方法に関する。また、本発明は、酸化亜鉛針状結晶を用いた光電変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
多種多様の用途を持っている物質として従来より注目されている酸化亜鉛は、古くは顔料、塗料、印刷インキ、化粧品、医薬品、歯科材料等として使用され、近年になり半導性、光半導性、圧電性、発光性や界面的性質を利用して電子写真用感光剤、半導体レーザ、UVカット材料、光触媒、センサ、表面弾性波フィルタ、カメラ露出計、光電変換素子等幅広い分野に使用されている。
【0003】
一般的に酸化亜鉛膜を形成する手段としては、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、電着法等様々な方法で現在形成可能である。
【0004】
例えば、下記特許文献1において、高温難酸化性金属である金、銀、白金、ロジウムを酸化亜鉛針状結晶の先端に有する構造体とその製造方法について報告している。
【0005】
一方、グレッツェル(Graetzel)らは色素と半導体電極をさらに改善してシリコン太陽電池並みの性能が得られたことを報告している(下記非特許文献1、及び特許文献2参照)。ここでは色素にルテニウム系色素を用い、n型の電荷移動層としてはアナターゼ型の多孔質酸化チタン(TiO)微粒子を用いている。さらに、酸化亜鉛微粒子と酸化錫微粒子の混合体をn型の電荷移動層として用いることにより高効率のセルを作製したこともテンナコーン(Tennakone)等によって報告されている(下記非特許文献2参照)。
【0006】
この様な半導体電極に微粒子を用いるグレッツェル型セルがシリコン太陽電池にとって代わるためには今まで以上に高いエネルギ変換効率や、さらに高い短絡電流、開放電圧、形状因子、耐久性が必要になってくる。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−206800号公報
【特許文献2】
米国特許第5350644号明細書
【非特許文献1】
J.Am.Chem.Soc.115(1993)6382
【非特許文献2】
J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,15(1999)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記文献に記載の酸化亜鉛針状結晶の組成及び形成技術では、高価で入手及び取り扱いが比較的困難である高温難酸化性金属しか用いることができなかった。また、上記した従来方法である微粒子膜によって形成された半導体膜をグレッツェル型セルとして使用した場合、結晶粒界や電解液等の染み込み、さらに基板との密着性等に問題があり、光電流が減少していた。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、電子のホールや授受及び移動がスムーズで、内部抵抗や再結合確率が低く、変換効率が高いことに加えて、色素等の光吸収層や電解液等のp型の電荷輸送層とコンタクトが良好で電荷移動速度の速い光電変換素子を提供すること、及び前記光電変換素子の電極に用いられるアスペクト比の大きい酸化亜鉛針状結晶を安易且つ低コストで形成する方法を提供することが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の酸化亜鉛針状結晶は、酸化亜鉛針状結晶の先端部位に錫又は錫を含む化合物を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の酸化亜鉛針状結晶の形成方法は、酸化亜鉛針状結晶の先端部位に錫又は錫を含む化合物を有する酸化亜鉛針状結晶の形成方法において、少なくとも一部分に錫又は錫を含む化合物を設置した基体を準備する工程と、亜鉛又は亜鉛を含む化合物を有する原料を第1の温度で加熱することにより気化させ、前記原料から気化した結晶構成材料を、第2の温度に加熱された前記基体に付着させる工程を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の酸化亜鉛針状結晶の形成方法は、酸化亜鉛針状結晶の先端部位に錫又は錫を含む化合物を有する酸化亜鉛針状結晶の形成方法において、基体を準備する工程と、亜鉛又は亜鉛を含む化合物と錫又は錫を含む化合物を有する原料を第1の温度で加熱することにより気化させ、前記原料から気化した結晶構成材料を、第2の温度に加熱された前記基体に付着させる工程を含むことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の光電変換素子は、透明基板上に形成した導電性透明電極上に、n型の電荷輸送層、光吸収層、p型の電荷輸送層を順次に積層形成した光電変換素子であって、前記n型の電荷輸送層は酸化亜鉛針状結晶を含み、前記酸化亜鉛針状結晶の先端部位に錫又は錫を含む化合物を有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る酸化亜鉛針状結晶及びその形成方法における主たる特徴は、先端部位に錫又は錫を含む化合物を有するアスペクト比の大きい酸化亜鉛針状結晶及びその酸化亜鉛針状結晶を気相成長法を用いて形成することである。また、本発明にかかる光電変換素子の製造方法における主たる特徴は、先端部位に錫又は錫を含む化合物を有しアスペクト比の大きい酸化亜鉛針状結晶を、n型の電荷輸送層とすることである。この酸化亜鉛針状結晶及びその形成方法、並びに光電変換素子に関する構成等を以下に説明する。
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
[酸化亜鉛針状結晶について]
図1は、本発明の酸化亜鉛針状結晶を用いて製造された光電変換素子の概略構成を示す模式的な断面図、
図2は、本発明に適応可能な酸化亜鉛針状結晶の種類を示す概略図、
図3は、酸化亜鉛針状結晶の先端部位の概略図である。
【0017】
本発明における酸化物亜鉛針状結晶は、図1の酸化亜鉛針状結晶11で示されるものである。
【0018】
針状結晶とは所謂ウィスカであり、欠陥の無い針状単結晶もしくは螺旋転移等を含んだ針状結晶から成っている。さらに、針状結晶とは図2(a)、(b)及び(c)に示したようにテトラポッド状を含む1点より多数の針状結晶が成長したものや、樹枝状に形成されたものや、折れ線状に成長した1つ、又は2つ以上の結晶から形成されるものも含む。
【0019】
また、針状結晶は円柱及び円錐、円錐で先端が平坦なものや先端が大きくなっているもの、円柱で先端が尖っているものや先端が平坦なものや先端が大きくなっているもの等すべて含む。さらに、三角錐、四角錐、六角錐、それ以外の多角錐状やその多角錐の先端が平坦なものや先端が大きくなっているもの、また三角柱、四角柱、六角柱、それ以外の多角柱状、あるいは先端が尖った又は先端が大きくなっている三角柱、四角柱、六角柱、それ以外の多角柱状やその先端が平坦なものや先端が大きくなっているもの等も含まれ、さらに、これらの折れ線状構造も含まれる。
【0020】
また、本発明の光電変換素子に用いられる酸化亜鉛針状結晶のアスペクト比は10以上、特に100以上が好ましく、針状結晶の横切断面の重心を通る最小長さも10μm以下、特に500nm以下が好ましく、さらに100nm以下が好ましい。ここでアスペクト比とは針状結晶の横切断面が円形又は円形に近い状態の形状の場合は径に対する長さの比率をいい、針状結晶の横切断面が六角形等の角形の場合は切断面の重心を通る最小長さに対する長さの比率をいうものとする。
【0021】
本発明に用いられる酸化亜鉛針状結晶11は図1に示すように、酸化亜鉛針状結晶の先端部位12に錫又は錫を含む化合物13を有している。先端部位12の形状は図3(a)のような球状体や図3(b)の微粒子積層体等、どのような形状ものでも良い。
【0022】
次にこの酸化亜鉛針状結晶の形成方法について説明する。
【0023】
図1において、基板14は後述する酸化亜鉛針状結晶形成プロセスに耐え得るものであれば、どんな材料でも適用可能である。例えば、ガラス板、Si等の半導体基板、MgO,Al等の酸化物基板、これらの表面に導電膜を形成したもの、SUS等の金属板等を用いることができる。後述する光電変換素子に使用する場合は、基板14上に導電性物質(アノード)15を設置した基体を使用する。導電性物質15は例示すると、インジウム−錫複合酸化物、酸化錫にフッ素をドープしたもの等から成る透明電極材料が好適に用いられる。さらに、導電性物質15上に酸化物半導体層16を設置することによりp型の電荷輸送層17との短絡が防止できる。例示すると、酸化亜鉛、酸化チタン、又は酸化錫等が好適に用いられる。この時、入射光側の基板は透明であることが好ましく、ガラス等が好適に用いられる。ここで、これら酸化亜鉛針状結晶を成長させるための物質を基体と総称する。
【0024】
本発明の酸化亜鉛針状結晶を形成する原料は、少なくとも亜鉛又は亜鉛を含む化合物で有り、原料の加熱温度は原料の融点以上であれば良く、例えば亜鉛を使用した場合には400℃以上である。この原料加熱方法としては抵抗加熱法、レーザ加熱法、高周波誘導加熱法等の方法が挙げられる。
【0025】
本発明における、先端部位に錫又は錫を含む化合物13を有する酸化亜鉛針状結晶11は、上記基体及び原料を用いて次の2つの方法で形成される。一つは、基体上に錫又は錫を含む化合物を設置し、前記錫又は錫を含む化合物上で酸化亜鉛針状結晶を成長させる方法であり、もう一つは、少なくとも亜鉛又は亜鉛を含む化合物である原料と共に錫を共存させて基体上で成長させて形成する方法である。
【0026】
まず、前者の形成方法から説明する。
【0027】
基体上に錫又は錫を含む化合物を設置する方法は、任意の方法が用いられる。例えば、蒸着法やめっき法等である。使用する材質としては、多種の製法が既知且つ扱いが容易である錫が最も好適に用いられるが、これに限定されるものではない。この時、錫の膜厚としては200nm以下、特に100nm以下が好ましい。この錫又は錫を含む化合物を設置した基体を炉中に保持する。そして、酸化亜鉛針状結晶11の原料となる亜鉛又は亜鉛を含む化合物をるつぼ等に入れ、同じ炉中で加熱する。この条件で、基体上に酸化亜鉛針状結晶を形成することができる。
【0028】
図4は、るつぼ型の抵抗加熱機構を備えた酸化亜鉛針状結晶の形成装置の概略図である。
【0029】
反応容器107内に配置した電極106に抵抗加熱体であるるつぼ105を接続し、電流印加によりるつぼ105を加熱させると、るつぼ105内の原料104が蒸発し、対向した基体ホルダ102に付けた錫又は錫を含む化合物を有する基体101に付着できるように設計してある。またガスは反応容器107下部のガス導入ライン108から入れられ、反応容器107の中を上昇して反応容器107上部のガス排気ライン109から排気される。基体101は適度な温度に保持できるように基体ホルダ102の裏には基体ヒータ103が設けられている。
【0030】
基体101上に酸化亜鉛針状結晶を成長させるには、まずガス導入ライン108からキャリアガス及び酸化性ガスを導入して反応容器107を適度な圧力に保持する。このときキャリアガスは不活性ガスであるHeやAr、窒素等が好ましく、酸化性ガスには酸素が好ましい。場合によっては空気や水も使用可能な場合がある。反応容器の圧力は普通100〜100,000Pa程度が用いられるが、その限りではない。次に基体ヒータ103により基板温度を酸化亜鉛針状結晶作製に適当な温度に設定する。そのために図示はしていないが、基板近傍に熱電対を設置させておくことが好ましい。基体温度は成長させる酸化物や圧力にも依存するが400から1000℃程度が一般的である。
【0031】
そして、電極106から電流を流し、原料104が入っているるつぼ105を加熱する。このるつぼ105には普通タングステン線にアルミナるつぼを接合したものが使用されるが、その他のものも勿論使用可能である。このるつぼ105の温度も制御可能なようにるつぼ105近傍にも熱電対を設置させておくことが好ましい。るつぼ105が加熱され、原料104が蒸発を始めると、蒸気は表面に錫又は錫を含む化合物を形成した基体上で酸化亜鉛針状結晶を形成する。一般的にはこの蒸発から付着までの過程で原料の酸化が進行するが、どこの時点で酸化が進行するかは圧力、酸素濃度、温度等に依存する。
【0032】
これらの反応機構は、基体上の錫がナノスケールの液滴となっており、これに酸化亜鉛が供給されると初めは錫に酸化亜鉛が溶解しているが、やがて溶解しきれなくなり、酸化亜鉛の析出が始まるというVLS(Vapor Liquid Solid)成長機構であることが考察される。
【0033】
次に、後者の形成方法について説明する。
【0034】
任意の基体を準備し、この基体を炉中に保持する。そして、酸化亜鉛針状結晶11の原料となる亜鉛又は亜鉛を含む化合物に錫又は錫を含む化合物を混合したものを原料としてるつぼ等に入れ、同じ炉中で加熱する。前者と同様の装置が使用可能であり、加熱された原料である亜鉛又は亜鉛を含む化合物と錫又は錫を含む化合物が同時に基体上に付着し、前者と同様に成長すると考察される。
【0035】
上記2つの形成方法は、双方とも好ましいが、その用途によって使い分けることが可能である。
【0036】
また、図5は、環状炉でるつぼを加熱することによる酸化亜鉛針状結晶の形成装置の概略図である。
【0037】
反応装置111において、るつぼ105は、石英管110内に有り周囲の環状のヒータ112により加熱される。
【0038】
導入されるガスの流れに対して、基体を原料の下流側に置いた構成の形成装置とし、前記両形成方法とも実施することができる。
【0039】
[本発明の光電変換素子の構成について]
本発明における酸化亜鉛針状結晶の光電変換素子の構成について説明する。
【0040】
まず、従来のグレッツェル型の光電変換素子について説明する。
【0041】
図7は、従来のグレッツェル型の色素増感半導体電極を用いた光化学電池(以下、本明細書中ではグレッツェル型セルという)の概略構成を示す模式的な断面図である。
【0042】
図7中44はガラス基板であり、45,46はその表面に形成した透明電極層であり、それぞれアノード、カソードを示している。41はアナターゼ型TiO微粒子層であり酸化チタン微粒子同士が接合したポーラス状の接合体から成っている。また、42はその酸化チタン微粒子表面に接合させた色素であり光吸収層として作用する。
【0043】
このグレッツェル型セルの動作原理について説明する。図7の左側から光を入射させる。すると、入射光により光吸収層42を構成する色素中の電子が励起され、酸化チタンの伝導帯に移動する。電子を失って酸化状態にある色素は迅速にp型の電荷輸送層43、例えば電解液のヨウ素イオンから電子を受け取って還元され元の状態に戻る。アナターゼ型TiO微粒子層41に注入された電子は、酸化チタン微粒子の間をホッピング伝導等の機構により移動しアノード45に到達する。また、色素に電子を供給して酸化状態(I )になったヨウ素イオンはカソード46から電子を受け取って還元され、元の状態(I)に戻る。
【0044】
上記動作原理から推測できるように、色素で生成した電子とホールが効率良く分離、移動するためには、色素の励起状態の電子のエネルギ準位はTiOの伝導帯より高い必要があり、色素のホールのエネルギ準位はレドックス準位より低い必要性がある。
【0045】
前述したグレッツェル型セルを始めとする色素増感型セルでは、色素1層の光吸収率が十分ではないために、表面積を大きくして実質的な光吸収量を大きくしている。本発明は色素増感に限らず、光吸収率が十分ではないために表面積を大きくする構成の光電変換素子一般に広く利用可能である。この表面を大きくする方法には上記グレッツェル型セルの様に微粒子を分散、接合させる方法が簡単ではあるが、電子の移動が十分効率的ではない問題がある。例えば上記グレッツェル型セルにおいてアナターゼ型TiO微粒子層41を有するアノード45側から光入射を行った場合と、カソード46側から光入射を行った場合を比較すると、前者の方が光電変換効率が良い場合が多い。これは単なる色素による光吸収量の差だけではなく、光吸収により励起された電子がアナターゼ型TiO微粒子層41を移動してアノード45に到達する確率が、透明電極から光励起位置が離れるに従って低下していくことを示唆している。
【0046】
即ち、結晶粒界が多いグレッツェル型セルでは十分効率的な電子移動が達成されていないことを示唆している。また、p型の電荷輸送層内においても電解質を用いる場合ではヨウ素等のイオンの拡散が律速になり、電流を大きくするためには電荷を十分輸送できなくなる問題がある。またp型の電荷輸送層を固体化する場合においても微粒子間のスペースに十分にp型の電荷輸送層を充填するのは困難である。
【0047】
本発明の酸化亜鉛針状結晶11をn型の電荷輸送層として用いた場合には、酸化亜鉛針状結晶11が細くてアスペクト比が大きいために単結晶状態においても表面積が大きくなる。さらに表面積を大きくするには、針状結晶表面に半導体微粒子を付着させることも有効である。
【0048】
図6は、本発明の酸化亜鉛針状結晶上に半導体微粒子を付着させた基体を用いて製造された光電変換素子の概略構成を示す模式的な断面図である。
【0049】
この半導体微粒子は、n型のワイドギャップ半導体であることが好ましく、具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、又は酸化錫等が好適に用いられる。このとき、酸化亜鉛微粒子と酸化錫微粒子の混合体をn型の電荷移動層として用いたときに、相互作用の発現による電子移動効率の増加がテンナコーン等によって報告されており、先端部位等に含まれる錫が酸化錫の状態で存在し、その周りに酸化錫の微粒子を付着させた時には、表面積増加以上の光電流値の増加に有効となり得る。
【0050】
本発明にかかる光電変換素子では、酸化亜鉛針状結晶11はn型のワイドギャップ半導体であるため、色素の様な光吸収層18を挟んでp型のワイドギャップ半導体やレドックス対を含んだ電解液、高分子導電体等のp型の電荷輸送層17が必要である。
【0051】
本発明の光電変換素子においては、空隙が比較的直線的であるので、p型の電荷輸送層17として機能する電解質やp型半導体を充填する場合にも都合が良い。すなわち、電解質の場合にはヨウ素イオン等の拡散が速く、また形成の際にも染み込みが早い。またp型の電解輸送層がCuIの様な固体の場合にも、作製の際にポーラスなn型層の深くまで素早く充填することができ、且つコンタクトが良好になり好都合である。
【0052】
本発明の酸化亜鉛針状結晶を光電変換素子に用いる場合には特に針状結晶の最小径が50nm以下であり、且つアスペクト比が100以上である酸化亜鉛針状結晶が好ましい。また、この針状結晶の70%以上が基体に対して60度以上立っていることが好ましい。これは針状結晶を高密度にできること、p型の電荷輸送層を浸透させ易いことによる。
【0053】
図1において、基体は例えば酸化亜鉛である酸化物半導体層16、透明電極である導電性物質(アノード)15が順次設けられたガラスである基板14から成り、n型の電荷輸送層として酸化亜鉛針状結晶11とその表面上に形成された光吸収層18とから成る。酸化亜鉛針状結晶11とp型の電荷輸送層17との間に光吸収層18が設けられることになる。
【0054】
本発明の酸化亜鉛針状結晶層と微粒子結晶層を比較すると、酸化亜鉛針状結晶層の方が光励起により生成した電子又はホールが集電極へ移動するまでに粒界により散乱される確率が少なくなる。図1に示したように、酸化亜鉛針状結晶の一端が電極に接合された状態で構成されている場合には、電子又はホールの移動において、従来の微粒子を用いたグレッツェル型セルと比較すると、粒界の影響はほとんど解消される。
【0055】
光の照射面はどの面に透明電極を用いるかによって決まる。図1に示したように、n型の電荷輸送層側からでも、p型の電荷輸送層側からでも光吸収層までの照射光の吸収や反射が少なければどちらの構成でも良い。また、双方の面からの光照射でも利用可能にできる。これらの構成は組み合わせる電荷輸送層の製法や組成に依存する。
【0056】
本発明の光電変換素子の光吸収層18としては、各種の半導体や色素が利用可能である。半導体としてはi型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体が好ましい。色素としては金属錯体色素及び/又はポリメチン色素、ペリレン色素、ローズベンガル、エオシンY、マーキュロクロム、サンタリン(Santalin)色素、シアニン(Cyanin)色素等の有機色素や天然色素が好ましい。前記色素は電荷移動層の表面に対する適当な結合基を有していることが好ましい。好ましい結合基としては、COOH基、シアノ基、PO基、又は、オキシム、ジオキシム、ヒドロキシキノリン、サリチレート及びαケトエノレートのようなπ伝導性を有するキレート化基が挙げられる。この中でもCOOH基、PO基が特に好ましい。本発明に使用する色素が金属錯体色素の場合、ルテニウム錯体色素
{Ru(dcbpy)(SCN)、(dcbpy=2,2−bipyridine−4,4’−dicarboxylic acid)等}が利用できるが、酸化・還元体が安定であることが重要である。これらの光吸収層の材質は、光電変換の電気化学反応が滞りなく進行するような材料が選択される。
【0057】
p型の電荷輸送層には湿式太陽電池同様レドックス系が利用可能である。レドックスを用いる場合でも単純な溶液系のみでなく、カーボンパウダを保持材にしたり、電解質をゲル化する方法がある。また、溶融塩やイオン伝導性ポリマを用いる方法もある。さらに電子(ホール)を輸送する方法として電解重合有機ポリマやCuI、CuSCN、NiO等のp型半導体を用いることもできる。上記輸送層は酸化亜鉛針状結晶間に入り込む必要があるため、作製には液体や高分子等に利用できる浸透法や、固体の輸送層に利用できる電着、CVD法等が適している。
【0058】
p型の電荷輸送層17に隣接するように導電性物質(カソード)20が設けられる。導電性物質20はこれらの層の外側の全面に設けても良いし一部に設けても良い。p型の電荷輸送層が固体でない場合、電荷輸送層を保持するという観点から基板19の全面に導電性物質20を設けたほうが良い。p型の電荷輸送層17に隣接する導電性物質20の表面には、例えばレドックス対の還元を効率よく行わせる為にPt、C等の触媒層21を設けておくことが好ましい。この触媒層21の膜厚は、光照射を図1の酸化亜鉛針状結晶側からのみ行うときには光が透過しない程度に成膜しても良いが、p型の電荷輸送層側から光照射を行う場合は、触媒機能と透過光との兼ね合いにより膜厚を設定することが好ましい。
【0059】
なお、前述した導電性物質20に基板としての機能を兼ねさせることにより、導電性物質20とは別部材の基板を設けない様にしても良い。特に、p型の電荷輸送層17が固体の時には、直接その上部にAuやAg等の導電性物質20を設置させることが好適に用いられる。
【0060】
また、図示してはないが、本発明において光電変換素子の湿式のものは少なくとも基板以外の部分を封止することが、耐候性を高める観点から好ましい。封止材としては接着剤や樹脂を用いることができる。なお、光入射側を封止する場合、封止材は透光性であることが好ましい。
【0061】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。
【0062】
[実施例1]
図4の酸化亜鉛針状結晶の形成装置を用いて、基体上に設置した錫から酸化亜鉛針状結晶を形成した実施例について詳述する。
【0063】
まずWワイヤーに取り付けられたアルミナるつぼ105内に表面酸化されたZn粉を原料104として入れ、電極106に接続した。基体には厚み0.5mmのアルミナ基板に50nmのSnを成膜したものを用い、450−550℃に設定した。次に反応容器内に1%の酸素が混合されたアルゴンガスを100sccm流し30000Paに保持した。そしてるつぼ105の温度を650−750℃に加熱して原料を徐々に約30分間蒸発させた。
【0064】
作製した試料をFE−SEM(電界走査型電子顕微鏡)で観察した結果、基体上には平均径が50nm且つ平均長さが10μmで配向性を有する多数の酸化亜鉛針状結晶膜が成長していた。この先端部位をEDXによる定性分析を行ったところ亜鉛と錫が含まれていることを確認した。
【0065】
本実施例により、従来に比べて非常に安価な原料である錫を用いて、良好な酸化亜鉛針状結晶構造体を形成できることが示された。
【0066】
[実施例2]
図5の酸化亜鉛針状結晶の形成装置を用いて、錫を原料中に共存させることによって酸化亜鉛針状結晶を形成した実施例について詳述する。
【0067】
まずアルミナるつぼ105内にZn粉とSn粉の混合物を原料104として入れ、装置内に設置した。基体には厚み10mmの導電性ガラス(FドープSnO、10Ω/□)を用い、るつぼ105加熱時に450−550℃になるように設置した。次に反応容器内に2%の酸素が混合されたアルゴンガスを100sccm流し100000Paに保持した。そしてヒータ112を加熱することによりるつぼ105の温度を650−750℃にして原料を徐々に約30分間蒸発させた。
【0068】
作製した試料をFE−SEM(電界走査型電子顕微鏡)で観察した結果、基体上には平均径が50nm且つ平均長さが10μmで配向性を有する多数の酸化亜鉛針状結晶膜が成長していた。この先端部位をEDXによる定性分析を行ったところ亜鉛と錫が含まれていることを確認した。
【0069】
本実施例により、従来に比べて非常に安価な原料である錫を用いて、良好な酸化亜鉛針状結晶構造体を形成できることが示された。
【0070】
[実施例3]
図5の酸化亜鉛針状結晶の形成装置を用いて酸化亜鉛針状結晶を形成し、前記酸化亜鉛針状結晶を用いて光電変換素子を製造した実施例について詳述する。
【0071】
まずアルミナるつぼ105内に表面酸化されたZn粉を原料104として入れ、装置内に設置した。基体には厚み10mmの導電性ガラス(FドープSnO、10Ω/□)に200nmの酸化亜鉛、30nmの錫を順次成膜したものを用い、るつぼ105加熱時に450−550℃になるように設置した。次に反応容器内に0.5%の酸素が混合されたアルゴンガスを100sccm流し100000Paに保持した。そしてるつぼ105の温度を650−750℃に加熱して表面酸化されたZn粉を徐々に約120分間蒸発させた。
【0072】
作製した試料をFE−SEM(電界走査型電子顕微鏡)で観察した結果、基板上には平均径が30nm且つ平均長さが10μmで配向性を有する多数の酸化亜鉛針状結晶膜が成長していた。この先端部位をEDXによる定性分析を行ったところ亜鉛と錫が含まれていることを確認した。
【0073】
色素はRu錯体であるRu((dcbpy)(COOH)(SCN)を用いた。色素を蒸留エタノールに溶解し、この中に酸化亜鉛針状結晶電極を24時間浸して色素を電極に吸着させた後取り出し、80℃で乾燥させた。また、導電性ガラス(FドープSnO、10Ω/□)上に白金を10nm厚にスパッタ成膜した対極を用い、レドックス対はI/I を用いた。溶質はテトラプロピルアンモニウムヨウ化物(tetrapropylammonium iodide)(0.46mol/L)とヨウ素(0.06mol/L)、溶媒はエチレンカルボナート(ethylene carbonate)(80vol%)とアセトニトリル(acetonitrile)(20vol%)の混合液を用いた。この混合液を酸化亜鉛針状結晶上に滴下し、対極で挟んでセルとした。
【0074】
また、比較のために平均径100nmの酸化亜鉛微粒子を用いてn型の電荷輸送層を形成し、それを用いて同様にセルを組み立てた。
【0075】
そして紫外線カットフィルタを取り付けた500Wのキセノンランプ光をp型の電荷輸送層側から照射した。この測定結果を酸化亜鉛微粒子膜と比較すると、本発明のセルの方が短絡電流値、光電変換効率ともに10%程度大きかった。これは酸化亜鉛針状結晶電極を用いたことによってn型の電荷輸送層の内部抵抗が減少したことに起因すると考えられる。
【0076】
本実施例によって、従来よりはるかに安価な原料である錫を用いて作製された酸化亜鉛針状結晶を使用して構成された光電変換素子が、従来のものと比較して良好な特性を示すことが示された。
【0077】
[実施例4]
図5の酸化亜鉛針状結晶の形成装置を用いて酸化亜鉛針状結晶を形成し、前記酸化亜鉛針状結晶上に酸化錫半導体微粒子を付着させ、その基板を用いて光電変換素子を製造した実施例について詳述する。
【0078】
まず実施例3と同様に酸化亜鉛針状結晶を形成した。その基体を、酸化錫コロイド溶液に浸漬させ、さらに550℃で1時間焼成を行い、図6に示したように酸化錫吸着結晶を形成した。
【0079】
形成した試料をFE−SEM(電界走査型電子顕微鏡)で観察した結果、基体上には平均径が30nm且つ平均長さが10μmで配向性を有する多数の酸化亜鉛針状結晶膜が成長しており、その酸化亜鉛針状結晶上に径5−10nmの酸化錫が付着していた。
【0080】
色素はRu錯体であるRu((dcbpy)(COOH)(SCN)を用いた。色素を蒸留エタノールに溶解し、この中に酸化亜鉛針状結晶電極を24時間浸して色素を電極に吸着させた後取り出し、80℃で乾燥させた。また、導電性ガラス(FドープSnO、10Ω/□)上に白金を10nm厚にスパッタ成膜した対極を用い、レドックス対はI/I を用いた。溶質はテトラプロピルアンモニウムヨウ化物(tetrapropylammonium iodide)(0.46mol/L)とヨウ素(0.06mol/L)、溶媒はエチレンカルボナート(ethylene carbonate)(80vol%)とアセトニトリル(acetonitrile)(20vol%)の混合液を用いた。この混合液を酸化亜鉛針状結晶上に滴下し、対極で挟んでセルとした。
【0081】
また、比較のために平均径100nmの酸化亜鉛微粒子と平均径10nmの酸化錫微粒子を混合した微粒子膜を用いてn型の電荷輸送層を形成し、それを用いて同様にセルを組み立てた。
【0082】
そして紫外線カットフィルタを取り付けた500Wのキセノンランプ光をp型の電荷輸送層側から照射した。この測定結果を酸化亜鉛微粒子膜と比較すると、本発明のセルの方が短絡電流値、光電変換効率ともに10%程度大きかった。これは酸化亜鉛針状結晶電極を用いたことによってn型の電荷輸送層の内部抵抗が減少したことに起因すると考えられる。
【0083】
本実施例によって、従来よりはるかに安価な原料である錫を用いて作製された酸化亜鉛針状結晶を使用して構成された光電変換素子が、従来のものと比較して良好な特性を示すことが示された。
【0084】
以上、本発明の実施の形態、実施例について説明したが、本発明の好適な実施の態様を以下のとおり列挙する。
【0085】
[実施態様1] 酸化亜鉛針状結晶の先端部位に錫又は錫を含む化合物を有することを特徴とする酸化亜鉛針状結晶。
[実施態様2] 前記酸化亜鉛針状結晶の径が5nm以上10μm以下であり、前記径に対する長さの比が10以上であることを特徴とする実施態様1に記載の酸化亜鉛針状結晶。
[実施態様3] 前記酸化亜鉛針状結晶の径が5nm以上500nm以下であり、前記径に対する長さの比が10以上であることを特徴とする実施態様1又は2に記載の酸化亜鉛針状結晶。
[実施態様4] 酸化亜鉛針状結晶の先端部位に錫又は錫を含む化合物を有する酸化亜鉛針状結晶の形成方法において、少なくとも一部分に錫又は錫を含む化合物を設置した基体を準備する工程と、亜鉛又は亜鉛を含む化合物を有する原料を第1の温度で加熱することにより気化させ、前記原料から気化した結晶構成材料を、第2の温度に加熱された前記基体に付着させる工程を含むことを特徴とする酸化亜鉛針状結晶の形成方法。
[実施態様5] 酸化亜鉛針状結晶の先端部位に錫又は錫を含む化合物を有する酸化亜鉛針状結晶の形成方法において、基体を準備する工程と、亜鉛又は亜鉛を含む化合物と錫又は錫を含む化合物を有する原料を第1の温度で加熱することにより気化させ、前記原料から気化した結晶構成材料を、第2の温度に加熱された前記基体に付着させる工程を含むことを特徴とする酸化亜鉛針状結晶の形成方法。
[実施態様6] 透明基板上に形成した導電性透明電極上に、n型の電荷輸送層、光吸収層、p型の電荷輸送層を順次に積層形成した光電変換素子であって、前記n型の電荷輸送層は酸化亜鉛針状結晶を含み、前記酸化亜鉛針状結晶の先端部位に錫又は錫を含む化合物を有することを特徴とする光電変換素子。
[実施態様7] 前記p型の電荷輸送層上に隣接して他の電極としての導電性物質を設けたことを特徴とする実施態様6に記載の光電変換素子。
[実施態様8] 前記酸化亜鉛針状結晶の径が5nm以上10μm以下であり、該径に対する長さの比が10以上であることを特徴とする実施態様6又は7に記載の光電変換素子。
[実施態様9] 前記酸化亜鉛針状結晶の径が5nm以上500nm以下であり、該径に対する長さの比が10以上であることを特徴とする実施態様6〜8のいずれかに記載の光電変換素子。
[実施態様10] 前記n型の電荷輸送層は、前記酸化亜鉛針状結晶と共に酸化物半導体層を含み、前記酸化物半導体層は前記導電性透明電極層に接していることを特徴とする実施態様6〜9のいずれかに記載の光電変換素子。
[実施態様11] 前記酸化亜鉛針状結晶上に半導体微粒子が形成されていることを特徴とする実施態様6〜10のいずれかに記載の光電変換素子。
[実施態様12] 前記半導体微粒子が酸化チタン、酸化亜鉛、又は酸化錫であることを特徴とする実施態様11に記載の光電変換素子。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、アスペクト比の大きい酸化亜鉛針状結晶を安易且つ低コストで生成する酸化亜鉛針状結晶及びその形成方法を提供することができる。
【0087】
また本発明により、電子のホールや授受及び移動がスムーズで、内部抵抗や再結合確率が低く、変換効率が高いことに加えて、色素等の光吸収層や電解液等のp型の電荷輸送層とコンタクトが良好で物質移動速度の速い光電変換素子を提供すること、及び前記光電変換素子の電極に用いられるアスペクト比の大きい酸化亜鉛針状結晶を安易且つ低コストで形成する方法を提供ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化亜鉛針状結晶を用いて製造された光電変換素子の概略構成を示す模式的な断面図
【図2】本発明に適応可能な酸化亜鉛針状結晶の種類を示す概略図
【図3】酸化亜鉛針状結晶の先端部位の概略図
【図4】るつぼ型の抵抗加熱機構を備えた酸化亜鉛針状結晶の形成装置の概略図
【図5】環状炉でるつぼを加熱することによる酸化亜鉛針状結晶の形成装置の概略図
【図6】本発明の酸化亜鉛針状結晶上に半導体微粒子を付着させた基体を用いて製造された光電変換素子の概略構成を示す模式的な断面図
【図7】従来例のグレッツェル型セルの概略構成を示す模式的な断面図
【符号の説明】
11 酸化亜鉛針状結晶
12 先端部位
13 錫又は錫を含む化合物
14 基板
15 導電性物質(アノード)
16 酸化物半導体層
17 p型の電荷輸送層
18 光吸収層
19 基板
20 導電性物質(カソード)
21 触媒層
22 半導体微粒子
101 基体
102 基体ホルダ
103 基体ヒータ
104 原料
105 るつぼ
106 電極
107 反応容器
108 ガス導入ライン
109 ガス排気ライン
110 石英管
111 反応装置
112 ヒータ

Claims (1)

  1. 酸化亜鉛針状結晶の先端部位に錫又は錫を含む化合物を有することを特徴とする酸化亜鉛針状結晶。
JP2003068261A 2003-03-13 2003-03-13 酸化亜鉛針状結晶及びその形成方法、並びに光電変換素子 Pending JP2004277197A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003068261A JP2004277197A (ja) 2003-03-13 2003-03-13 酸化亜鉛針状結晶及びその形成方法、並びに光電変換素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003068261A JP2004277197A (ja) 2003-03-13 2003-03-13 酸化亜鉛針状結晶及びその形成方法、並びに光電変換素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004277197A true JP2004277197A (ja) 2004-10-07

Family

ID=33285652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003068261A Pending JP2004277197A (ja) 2003-03-13 2003-03-13 酸化亜鉛針状結晶及びその形成方法、並びに光電変換素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004277197A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010050575A1 (ja) 2008-10-29 2010-05-06 富士フイルム株式会社 色素、これを用いた光電変換素子、光電気化学電池、および色素の製造方法
EP2302650A2 (en) 2009-09-28 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
EP2306479A2 (en) 2009-09-28 2011-04-06 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010050575A1 (ja) 2008-10-29 2010-05-06 富士フイルム株式会社 色素、これを用いた光電変換素子、光電気化学電池、および色素の製造方法
EP2845882A2 (en) 2008-10-29 2015-03-11 Fujifilm Corporation Dye, Photoelectric Conversion Element and Photoelectrochemical Cell
EP2302650A2 (en) 2009-09-28 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
EP2306479A2 (en) 2009-09-28 2011-04-06 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7087831B2 (en) Photoelectric conversion device and method of production thereof
JP4880597B2 (ja) 針状結晶の配列体を含む複合体およびその製造方法、ならびに光電変換素子、発光素子およびキャパシタ
US6860982B2 (en) Zinc oxide with acicular structure, process for its production, and photoelectric conversion device
US6653701B1 (en) Semiconductor device and production method thereof
JP3715911B2 (ja) 酸化物針状結晶の製造方法、酸化物針状結晶および光電変換装置
WO2005020335A1 (ja) 光電変換素子
TWI299577B (ja)
JP5258420B2 (ja) 多孔質半導体電極およびそれを用いた色素増感太陽電池とそのセル構造
JP3740331B2 (ja) 光電変換装置及びその製造方法
JP4317381B2 (ja) 光電変換用酸化物半導体電極の製造方法
JP4620838B2 (ja) 光電変換装置
JP2003289151A (ja) 光電変換装置の製造方法
JP2003243053A (ja) 光電変換装置の製造方法
JP2003282164A (ja) 光電変換装置及びその製造方法
JP2004277197A (ja) 酸化亜鉛針状結晶及びその形成方法、並びに光電変換素子
JP2002141115A (ja) 光電変換装置、その製造方法及び太陽電池システム
JP2003321299A (ja) 酸化亜鉛針状結晶及びその製造方法、並びにそれを用いた光電変換装置
JP2002093471A (ja) 光電変換装置、その製造方法及び太陽電池システム
JP2004210605A (ja) 酸化亜鉛針状結晶
Tenkyong et al. Effect of the length of anodically grown titania nanotubes on the efficiency of a moisture-stable hole transport material (HTM)-free perovskite solar cell
JP2003217689A (ja) 多孔質半導体層を用いた色素増感型太陽電池およびその製造方法
JP2002280084A (ja) 光電変換装置およびその製造方法
JP4672832B2 (ja) 光電変換装置
JP5332739B2 (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP4289823B2 (ja) 色素増感太陽電池の製造方法