JP2003321299A - 酸化亜鉛針状結晶及びその製造方法、並びにそれを用いた光電変換装置 - Google Patents

酸化亜鉛針状結晶及びその製造方法、並びにそれを用いた光電変換装置

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JP2003321299A
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に垂直方向に成長するウイスカー膜
(酸化亜鉛針状結晶)の製造方法を提供する。また、こ
の酸化亜鉛針状結晶膜を電極として用いる光電変換装置
を提供する。 【解決手段】 基体が亜鉛板もしくは基体表面に亜鉛膜
を形成し、基体を酸化性雰囲気ガスの下で熱処理する事
により、基体表面に酸化亜鉛針状結晶を成長させて酸化
亜鉛針状結晶を製造する。また、光電変換装置のn型電
荷輸送層として、この酸化亜鉛針状結晶を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化亜鉛針状結晶
の製造方法、酸化亜鉛針状結晶及びそれを用いた光電変
換装置に関するものである。
【0002】酸化亜鉛針状結晶は、先端の先鋭性や単結
晶性、大表面積を有する事から多方面の分野に適用可能
である。特に、本発明の製造方法による酸化亜鉛針状結
晶は光電変換装置に好適に用いることが可能である。
【0003】
【従来の技術】従来、酸化亜鉛は、古くから顔料、塗
料、印刷インキ、化粧品、医薬品、歯科材料等として使
用され、更に半導体性、光導電性、圧電性、発光性や界
面的性質を利用して電子写真用感光剤、半導体レーザ
ー、UVカット材料、光触媒、センサー、表面弾性波フィ
ルター、カメラ露出計、光電変換装置等の幅広い分野に
使用されている。
【0004】一般的に基板上に酸化亜鉛膜を製造する方
法としては、スパッタ法、蒸着法、CVD法、めっき等の
様々な方法が知られている。例えば、伊崎氏らが導電性
基板上に酸化亜鉛膜を均一に作製した事を報告している
(Appl. Phys. Lett., Vol.68, No.17, 1996 2439、 J.
Electrochem. Soc., 146, 4517 (1999)、J. Electroch
em. Soc., 147(1), 210 (2000)、特開平8-217443、特開
平8-260175)。
【0005】また、酸化亜鉛針状結晶を作製する手段も
あって、例えば、"J. Crystal Growth, 102, 965, (199
0)"に、金属亜鉛の気相酸化を用いてテトラポッド状の
酸化亜針状鉛結晶を920℃で製造した事が報告されてい
る。更に、"Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.38(1999)pp.L586"
に、大気開放型のCVD法を用いて直径1.5μmで、長さが
100μmに達する酸化亜鉛の針状結晶が製造できる事を報
告している。
【0006】また、基板上に亜鉛膜を形成してから加熱
処理を行う事により酸化亜鉛膜を形成する事も可能であ
る。亜鉛等の金属膜の基板上への形成方法については、
抵抗加熱等による真空蒸着法、スパッタ法、めっき等が
挙げられるが、この中で特に亜鉛や錫や銅等の金属膜か
ら金属ウィスカーを成長させた事が報告されている。電
気回路中の錫めっき層から錫ウィスカーが生じ、別のめ
っき層に付着、接触した原因で電気回路が短絡したり誤
動作した事が報告されている。
【0007】電気回路に用いるめっきとしては、亜鉛、
錫等の低融点重金属が多く用いられるが、温度、湿度等
の環境の影響、めっき及び電気回路部品の残留応力の影
響によって、めっき表面から針状結晶、つまりウィスカ
ーが生じる事がある。このきっかけで、1952年頃か
ら本格的に金属ウィスカーに関連した研究が色々となさ
れてきた。他に、真空蒸着やスパッタ等により形成した
亜鉛や錫等の金属膜から高い温度や湿度等を有する環境
の下でウィスカーが生じた事も報告されている(結晶工
学ハンドブック 共立出版株式会社 P.217、特開平1
0−244217号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の金属を加熱して気相中で酸化凝集させる方法で
は、針状結晶粉は合成されるが、基板上に針状結晶を成
長させる事は出来なかった。又、上記有機物原料を用い
た大気型開放型CVD法では、配向性を有する針状結晶
膜を作製することはできるが、この製法で得られるのは
基板がサファイア基板の場合で、直径が数μm程度の酸
化亜鉛針状結晶膜のみであり、又有機物原料を用いるの
でコストが高いという問題点があった。
【0009】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たもので、その目的は、多種類の基板上に酸化亜鉛針状
結晶を成長させることができ、しかも、低コストで製造
できる酸化亜鉛針状結晶の製造方法を提供することにあ
る。
【0010】又、本発明の別の目的は、成長密度や成長
方向を制御させた酸化亜鉛針状結晶の製造方法を提供す
ることにある。
【0011】更に、本発明の別の目的は、酸化亜鉛針状
結晶、及びそれを用いた光電変換装置を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の酸化亜鉛針状結
晶は、上記課題を解決するため、亜鉛板又は表面に亜鉛
膜が形成された基体上に成長していることを特徴とす
る。
【0013】また、本発明の酸化亜鉛針状結晶の製造方
法は、基体上に酸化亜鉛針状結晶を成長させて酸化亜鉛
針状結晶を製造する製造方法において、前記基体は亜鉛
もしくは基体表面に亜鉛膜が形成され、前記基体を酸化
性雰囲気ガスの下で熱処理する事により、前記基体表面
に酸化亜鉛針状結晶を成長させる事を特徴とする。
【0014】更に、本発明の光電変換装置は、一対の基
板間に、n型の電荷輸送層、光吸収層、p型の電荷輸送
層を有する光電変換装置において、上記酸化亜鉛針状結
晶が、前記n型の電荷輸送層として用いられていること
を特徴とする。
【0015】上記酸化亜鉛針状結晶において、針状結晶
の直径が5nm以上1μm以下であり、アスペクト比が
10以上である酸化亜鉛針状結晶が好ましい。又、70
%以上の針状結晶の軸が基板に対して60°以上立って
いる酸化亜鉛針状結晶が好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明におけ
る酸化亜鉛針状結晶の製造方法の主な特徴は、亜鉛を酸
化させる雰囲気ガス中で亜鉛板又は亜鉛膜を形成した基
体の熱処理を行う事により、亜鉛板の表面又は亜鉛膜の
表面から酸化亜鉛針状結晶を成長させることである。ま
た、本発明における光電変換装置の主な特徴は、電子や
ホールの授受及び移動がスムーズに行うことが可能な酸
化亜鉛針状結晶を電子移動型の電荷輸送層に用いる事で
ある。
【0017】まず、本発明の酸化亜鉛針状結晶について
説明する。針状結晶とは所謂ウィスカーであり、欠陥の
無い針状単結晶もしくは螺旋転移等を含んだ針状結晶の
事を指す。更に、図1(a)に示すように針状結晶はテ
トラポッド状を含む1点より多数の針状結晶が成長した
もの、図1(b)に示すように樹枝状に形成されたも
の、或いは図1(c)に示すように折れ線状に成長した
ものも含まれる。
【0018】また、針状結晶は円柱及び円錐、円錐で先
端が平坦なものや先端が尖っているもの等全て含まれ
る。更に、三角錐、四角錐、六角錐、それ以外の多角錐
状やその多角錐の先端が平坦なもの、又、三角柱、四角
柱、六角柱、それ以外の多角柱状、あるいは先端が尖っ
た三角柱、四角柱、六角柱、それ以外の多角柱状やその
先端が平坦なもの等も含まれ、更に、これらの折れ線状
構造も含まれるが、酸化亜鉛針状結晶の断面の形状は六
角形になりやすい傾向がある。
【0019】更に、生成された酸化亜鉛針状結晶のアス
ペクト比は光電変換装置等のラフネスファクターの大き
いものや、より細いものが好まれる場合に10以上、更に
100以上が好ましく、針状結晶の横切断面の重心を通る
最小長さも1μm以下である事、出来れば100nm以
下、更に50nm以下が好ましい。更に、結晶性を高める
ために針状結晶をc軸配向させる事が好ましい。ここ
で、アスペクト比とは針状結晶の横切断面が円形又は円
形に近い状態の形状の場合は直径に対する長さの比率を
いい、針状結晶の横切断面が六角形等の角形の場合は切
断面の重心を通る最小長さに対する長さの比率をいうも
のとする。
【0020】次に、酸化亜鉛針状結晶を成長させる場合
に用いる亜鉛膜の形成方法について説明する。本実施形
態における亜鉛膜を形成する方法としては色々とある
が、ここでは亜鉛膜を形成するのに適するめっきの亜鉛
膜の形成方法を挙げて、以下に詳しく説明する。
【0021】亜鉛めっきについては、電気めっき法、溶
融めっき法、シエラダイジング法等が挙げられるが、本
実施形態における亜鉛めっきについては、十分な膜厚の
ある亜鉛膜を形成するのに適する電気めっき法を採用す
る。これは、2電極を使用して、少なくとも亜鉛イオン
が含有された電解液に電極基板を浸して電位を印加する
事により亜鉛膜を作製するものである。この場合のめっ
き浴としては、例えば、シアンイオンを取り除いたジン
ケート俗やシアン化物のアルカリ性浴や酸性塩化亜鉛浴
等が挙げられる。
【0022】図2は2電極でめっきを行う作製装置の例
を示す。この作製装置は、アノード極21、カソード極
22をビーカー24中の電解液(めっき浴)23に浸し
て定電流を流す事により、カソード極22である導電性
基板上に亜鉛膜を形成する。この作製条件としては、少
なくとも亜鉛塩が含有された電解質及びその電解質濃
度、IPAや水等の電解溶媒、電解電流密度、電解液の
温度、電気めっき時間、電解液の対流条件等を変えれば
良い。
【0023】例えば、シアン化物浴を電解液に用いて亜
鉛膜を作製する場合は、そのめっき浴の組成として、例
えば、酸化亜鉛は0.455mol/L〜0.577mol/L、亜鉛は0.45
9mol/L〜0.573mol/L、シアン化ナトリウムは1.53mol/L
〜2.14mol/L、水酸化ナトリウムは1.87mol/L〜2.25mol/
Lが好ましい。pHは13〜15に調整するのが好ましい。
又、電気めっきの条件としては、電解電流密度は5mA/c
m2〜80mA/cm2が好ましい。更に、電解溶媒として水を用
いた場合、電解液温度はマントルヒーター25を用いて
25℃〜30℃に設定する事が好ましい。作製条件によって
亜鉛膜の表面上に100nm以下の径の亜鉛突起が存在す
る事もあるが、これは酸化亜鉛針状結晶の成長開始点と
なる事がある。
【0024】次に、酸化亜鉛針状結晶を成長させるため
の亜鉛膜(又は亜鉛板)の熱処理方法について説明す
る。図3は熱処理による酸化亜鉛針状結晶の製造装置の
一例を示す。本実施形態の亜鉛板又は亜鉛膜を酸化させ
る雰囲気ガス中で熱処理を行う熱処理方法を図3を用い
て詳しく説明する。まず、電気炉17に石英菅等の反応
菅13を差し込み、更にその反応菅13の中に基板11
を保持する基板ホルダー12を設置する。また、反応菅
13の左側の端に二本のガス導入ライン14、15を設
置し、右側の端にガス排気ライン16を設置する。基板
11は亜鉛板又は基板上に亜鉛膜が形成されたものであ
る。
【0025】また、図3では図示していないが、反応菅
13から排気を行う真空排気系、温度を制御する制御装
置、熱電対、酸化性ガス、不活性ガス等を反応菅13に
流入させるガスボンベ等を備えている。ガス導入ライン
A14は酸素等の酸化性ガスを、ガス導入ラインB15
はアルゴンや窒素等の不活性ガスを流入させるのに用い
るものである。まず、反応菅13中のガスをガス排気ラ
イン16より真空排気を行う。
【0026】次に、ガス導入ラインA14を通して、例
えば、酸素ガスを流入させ、そのキャリアガスの流入量
を数ml/min〜数l/minに設定する。この条件で反応菅
13内の所望通りの酸素分圧に保持出来るようにガス排
気ライン16より真空排気を行う。この状態で、ガス導
入ラインB15を通して、例えば、アルゴンガスを反応
菅13に流入し、そのキャリアガスの流入量を数ml/mi
n〜数l/minに設定する。この条件で反応菅13内の酸
素分圧を含めた総圧力を1気圧に保持出来るようにガス
排気ライン16より真空排気を行う。
【0027】次いで、電気炉17を用いて基板11を熱
処理する事により酸化亜鉛針状結晶を成長させる方法に
ついて説明するが、本実施形態においては、同一温度に
おける熱処理を行う成長、低温度且つ低酸素圧における
熱処理と高温度における熱処理を順次に行う二段階成長
の2種類の製造方法を挙げて説明する。まず、同一温度
における熱処理の酸化亜鉛針状結晶の成長については、
亜鉛板もしくは亜鉛膜が形成された基板から酸化亜鉛針
状結晶を成長させるのに最適な酸素分圧、熱処理温度を
設定する。
【0028】また、酸素以外のガス種類を選択し、反応
菅13に1気圧まで流入させるが、ここでは特にアルゴ
ンガス等の不活性ガスが好ましい。又、この場合は酸素
分圧が0.01Pa以上10000Pa以下である事が好ましいが、
特に10Pa以上1000Pa以下である事が好ましい。次に、電
気炉17を用いて加熱する事により、亜鉛板もしくは亜
鉛膜が形成された基板13を400℃以上800℃以下に保持
し、基板11から酸化亜鉛針状結晶を成長させる事が可
能であるが、この成長温度は特に450℃以上600℃以下が
好ましい。この熱処理を数分〜数時間行い、その後、温
度を下げて基板11を取り出す。以上の方法で図4
(a)或いは図4(b)に示す様な酸化亜鉛針状結晶が
基板11から高密度に細長く成長する。
【0029】次に、前述のように低温度且つ低酸素圧に
おける熱処理(以下、一段階目の熱処理と記載する)と
高温度における熱処理(以下、二段階目の熱処理と記載
する)を順次に行う二段階成長について説明する。一段
階目の熱処理とは、低温度且つ低酸素圧の条件の下で酸
化亜鉛針状結晶の成長開始部位を作製する目的で行う熱
処理の事であり、二段階目の熱処理とは高温度の条件の
下で前記成長開始部位から酸化亜鉛針状結晶を成長させ
る目的で行う熱処理の事である。
【0030】更に、二段階成長の条件についてである
が、亜鉛板もしくは亜鉛膜が形成された基板から酸化亜
鉛針状結晶を成長させるのに最適な酸素分圧、熱処理温
度を設定する。又、酸素以外のガス種類を選択し、反応
菅に1気圧まで流入させるが、ここでは特にアルゴンガ
ス等の不活性ガスが好ましい。一段階目の熱処理におい
ては、亜鉛板もしくは亜鉛膜が形成された基板11を50
0℃以上550℃以下に保持し、酸素分圧は0.01Pa以上10Pa
以下に保持する。この条件の下で一段階目の熱処理を数
分〜数時間行う事により、基板11から直径が数10nm
以上50nm以下であり、アスペクト比が10以上である酸
化亜鉛針状結晶が成長し、本発明における酸化亜鉛針状
結晶の成長開始部位となる。
【0031】続いて、二段階目の熱処理を行う。熱処理
過程においては、反応菅13内の雰囲気ガスは一段階目
と同様にアルゴンガス等の不活性ガスを用いて1気圧に
設定し、酸素分圧は100Pa以上10000Pa以下の範囲に設定
する。熱処理温度については、500℃以上600℃以下に保
持し、数分〜数時間熱処理を行う。この方法で図4
(a)、(b)に示す様な酸化亜鉛針状結晶が基板11
から高密度に基板から細長く成長する。数10〜数10
0nm径の酸化亜鉛針状結晶を高密度に成長させるに
は、結晶成長の開始部位の表面密度が108/cm2以上、
且つ1012/cm2以下である事が好ましい。
【0032】又、基板としては加熱に耐えられるものな
らば特に制限はなく、目的に応じて選択可能である。例
えば、ガラスやSi等の半導体基板、MgOやサファイ
ア等の酸化物単結晶、もしくは焼結基板等が使用可能で
あり、勿論その上に導電層を設けた基板でも良い。ま
た、基板形状は板状に限るものではなく、円筒状のもの
やカプトンの様なテープ状のものでも構わない。
【0033】次に、酸化亜鉛針状結晶を用いた光電変換
装置について説明する。図5は本実施形態における光電
変換装置の構成例を示す。図5において、54は電極付
き基板、51は酸化亜鉛針状結晶、52は酸化亜鉛針状
結晶51の表面に隣接して形成された光吸収層、53は
p型の電荷輸送層、55は電極付き基板である。電極付
き基板54、55は、例えば、透明電極が設けられたガ
ラス基板からなる。酸化亜鉛針状結晶51は前述のよう
な製造方法で製造したものであり、n型の電荷輸送層と
して用いたものである。
【0034】ここで、本発明による酸化亜鉛針状結晶5
1とGraetzel型セルの微粒子結晶層を比較すると、酸化
亜鉛針状結晶51の方が光励起により生成した電子やホ
ールが集電極へ移動するまでに粒界により散乱される確
率が少ない。また、亜鉛膜から酸化亜鉛針状結晶51が
成長した為に粒界が生じにくく、電子やホールの授受や
移動がスムーズになっている。更に、最小径が細くてア
スペクト比が大きい為に、単結晶状態においても酸化亜
鉛針状結晶51の表面積が大きくなる。
【0035】また、酸化亜鉛針状結晶51の空隙が比較
的直線的であるので、p型の電荷輸送層53として機能
する電解質やp型半導体を充填するのに都合が良い。即
ち、電解質の場合にはヨウ素イオン等の拡散が速く、酸
化亜鉛針状結晶51の空隙への染み込みが早い。又、p
型の電荷輸送層53がCuIやCu2O等の様な固体の場合で
も、酸化亜鉛針状結晶51の空隙の深くまで素早く充填
する事が出来る。又、酸化亜鉛針状結晶51の最小径は
50nm以下であり、且つアスペクト比は100以上である
事が好ましい。又、この酸化亜鉛針状結晶の70%以上が
基板に対して60度以上立っている事が好ましい。
【0036】更に、本発明による酸化亜鉛針状結晶を電
気を流す素子に用いる場合には、基板表面に導電層があ
った方が良い。特に、光電変換素子に用いる場合には基
板及び基板表面の導電層は透明であった方が好ましい。
この場合の導電層としてはITOやn型にドープされた酸
化錫や酸化亜鉛等が好ましい。
【0037】また、p型の電荷輸送層については、酸化
亜鉛針状結晶51をn型の電荷輸送層に用いた場合、色
素等の光吸収層52を挟んでp型の電荷輸送層53を作
製する必要がある。p型の電荷輸送層53には湿式太陽
電池と同様にI-/I3 -やBr-/Br 3 -等のレドックス対を
利用するのが好ましい。又、レドックスを用いる場合で
も単純な溶液系のみでなく、カーボンパウダーを保持材
にしたり、電解質をゲル化する方法がある。更に、溶融
塩やイオン伝導性ポリマーを用いる方法もある。また、
電子(ホール)を輸送する方法として電界重合有機ポリ
マーやCuI、CuSCN、Cu2O、NiO等のp型半導体を用いる
事も出来る。
【0038】p型の電荷輸送層53は表面上に光吸収層
52が形成された酸化亜鉛針状結晶51中の空隙に入り
込む必要がある為、電荷輸送層53を作製する際に、液
体や高分子等に利用できる浸透法や、固体の電荷輸送層
53に利用できる電着、CVD法等が適している。
【0039】電極については、p型電荷輸送層53、酸
化亜鉛針状結晶51に隣接するように電極が設けられ
る。電極はこれらの層の外側の全面に設けてもよいし、
一部に設けてもよい。p型電荷輸送層53が固体でない
場合、p型電荷輸送層53を保持するという観点から全
面に電極を設けた方がよい。電荷輸送層に隣接する電極
の表面には、例えば、レドックス対の還元を効率よく行
わせる為にPt、C等の触媒を設けておく事が好ましい。
【0040】光入射側の電極としては、インジウム−ス
ズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等か
らなる透明電極を好適に用いることができる。光入射側
の電極に接する電荷輸送層の抵抗が十分低い場合には、
光入射側の電極として部分的な電極、例えばフィンガー
電極等を設ける事も可能である。光入射側とはならない
電極は、Cu、Ag、Al等からなる金属電極を好適に用いる
ことができる。
【0041】また、基板については、基板の材質、厚さ
は、光起電力装置に要求される耐久性に応じて適宜設計
する事が出来る。光入射側の基板は透光性である限り、
ガラス基板、プラスチック基板等を好適に用いることが
できる。光入射側とはならない基板としては、金属基
板、セラミック基板等を適宜用いる事が出来る。光入射
側の基板の表面には、SiO2等からなる反射防止膜を設け
る事が好ましい。
【0042】なお、前述した電極に基板としての機能を
兼ねさせる事により、電極とは別部材の基板を設けない
ようにしても良い。
【0043】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。実
施例1〜3では酸化亜鉛針状結晶を作製し、実施例4で
は光電変換装置を作製した。
【0044】(実施例1)実施例1では、図3の装置を
用いて熱処理により亜鉛板から酸化亜鉛針状結晶を成長
させた例を説明する。まず、図3に示す製造装置におい
て電気炉17に反応菅13を差し込み、更にその反応菅
13の中に基板(亜鉛板)11を保持する基板ホルダー
12を設置した。反応菅13の左側の端に二本のガス導
入ラインを設置し、右側の端にガス排気ライン16を設
置した。また、ガス導入ラインA14は酸素ガスを、ガ
ス導入ラインB15はアルゴンガスを流入させるのに用
い、反応菅13中のガスをガス排気ライン16より排気
し、反応菅13内の総圧力を1Pa以下まで真空排気し
た。
【0045】次に、ガス導入ラインA14を通して酸素
ガスを流入させ、そのキャリアガスの流入量を100ml/m
inに設定した。この条件で反応菅13内の酸素分圧を10
0Paに保持出来るようにガス排気ライン16より真空排
気を行いながら調整した。更に、この状態でガス導入ラ
インB15を通してアルゴンガスも反応菅13に流入さ
せ、反応菅13内の酸素分圧を含めた総圧力を1気圧に
保持出来るようにガス導入ラインB15のキャリアガス
流量を調整した。
【0046】次いで、電気炉17を用いて亜鉛板11を
600℃に保持し、この状態で熱処理を1時間行った。この
後、その温度を下げて亜鉛板11を反応菅13から取り
出した。
【0047】取り出した亜鉛板11をFE-SEM(Field Em
ission - Scanning Electron Microscope : 電界放出走
査型電子顕微鏡)で観察したところ、亜鉛板11の表面
に図4(a)、(b)に示す様な酸化亜鉛針状結晶が成
長していた。この時の針状結晶の直径は20〜200n
mであり、根元付近の方が先端付近より針状結晶の太さ
は若干太かった。又、酸化亜鉛針状結晶の長さは5〜2
0μmであり、その酸化亜鉛針状結晶の70%以上は基板
11に対して60度以上立っていた。
【0048】また、この条件を元にして基板温度、酸素
分圧、反応菅内圧力を変化させた結果、基板温度は400
℃以上800℃以下、基板近傍での酸素分圧は100Pa以上10
000Pa以下、反応菅の全圧力は1000 Pa以上100000 Pa以
下で、直径200nm以下でアスペクト比が10以上の良
好な酸化亜鉛針状結晶が得られた。又、その酸化亜鉛針
状結晶の70%以上は基板11に対して60度以上立ってい
た。
【0049】(実施例2)実施例2では、亜鉛膜が亜鉛
めっきにより形成された基板を熱処理する事により酸化
亜鉛針状結晶を成長させた例について説明する。実施例
2における亜鉛めっきについては、図2の作製装置を用
いて十分な膜厚のある亜鉛膜を形成するのに適する電気
めっき法を採用した。これは、2電極を使用して、少な
くとも亜鉛イオンが含有された電解液に電極基板を浸し
て電位を印加する事により亜鉛膜を作製する方法であ
る。
【0050】図2の作製装置では、前述のようにアノー
ド極21、カソード極22をビーカー24中の電解液2
3に浸して定電流を流す事により、カソード極22であ
る導電性基板上に亜鉛膜が形成する。この作製条件とし
て、少なくとも亜鉛塩が含有された電解質及びその電解
質濃度、IPAや水等の電解溶媒、電解電流密度、電解
液の温度、電気めっき時間、電解液の対流条件等を変え
れば良い。
【0051】本実施例では、めっき浴の組成として、0.
577mol/Lの酸化亜鉛、0.573mol/Lの亜鉛、2.14mol/Lの
シアン化ナトリウムの混合液に2.25mol/Lの水酸化ナト
リウムを添加し、pHは13〜15に調整した。この電解液2
3をマントルヒーター24を用いて25℃〜30℃に設定
し、導電性ガラス基板(FドープSnO2、10Ω/□)をカ
ソード極22、亜鉛板をアノード極21としてその電解
液23に浸した。更に、60mA/cm2の電解電流を800秒間
流し、導電性ガラス基板上に膜厚約20μmの亜鉛膜を形
成した。その亜鉛膜表面上には100nm以下の径の突起
が多く存在していた。
【0052】続いて、実施例1と同様に図3に示す熱処
理による酸化亜鉛針状結晶の製造装置を用いて熱処理を
行った。まず、電気炉17に差し込んだ反応菅13の中
に亜鉛膜を形成した基板11を保持した基板ホルダー1
2を設置し、ガス導入ラインA14は酸素ガスを、ガス
導入ラインB15はアルゴンガスを流入させるのに用い
た。まず、反応菅13中のガスをガス排気ライン16よ
り排気し反応菅13内の総圧力を1Pa以下まで真空排気
した。
【0053】次に、ガス導入ラインA14を通して酸素
ガスを流入させ、そのキャリアガスの流入量を100ml/m
inに設定した。この条件で反応菅13内の酸素分圧を10
0Paに保持出来るようにガス排気ライン16より真空排
気を行いながら調整した。この状態で、ガス導入ライン
B15を通してアルゴンガスも反応菅13に流入させ、
反応菅13内の酸素分圧を含めた総圧力を1気圧に保持
出来るようにガス導入ラインB15のキャリアガス流量
を調整した。次に、電気炉17を用いて前記基板11を
600℃に保持し、この状態で熱処理を1時間行った。こ
の後、その温度を下げて基板11を反応菅13から取り
出した。
【0054】取り出した基板11をFE-SEMで観察したと
ころ、基板11表面上に図4(a)、(b)に示す様な
酸化亜鉛針状結晶が成長していたが、開始点である100
nm以下の径の突起から成長していた酸化亜鉛針状結晶
もみられた。この時の針状結晶の直径は20〜200nmで
あり、根元付近の方が先端付近より針状結晶の太さは若
干太かった。又、その酸化亜鉛針状結晶の長さは10〜30
μmであり、その70%以上は基板11に対して60度以上
立っていた。
【0055】又、この条件を元にして基板温度、酸素分
圧、反応菅内圧力を変化させた結果、基板温度は400℃
以上650℃以下、基板近傍での酸素分圧は100Pa以上1000
0Pa以下、反応容器の圧力は1000 Pa以上100000 Pa以下
で、直径200nm以下でアスペクト比が10以上の良好な
酸化亜鉛針状結晶が得られた。又、その酸化亜鉛針状結
晶の70%以上は基板11に対して60度以上立っていた。
【0056】(実施例3)実施例3では、二段階成長を
用いた熱処理により亜鉛板から酸化亜鉛針状結晶を成長
させた例について説明する。図3の製造装置において電
気炉17に反応菅13を差し込み、更にその反応菅13
の中に亜鉛板11を保持した基板ホルダー12を設置し
た。反応菅13の左側の端に二本のガス導入ラインを設
置し、右側の端にガス排気ライン16を設置した。
【0057】また、図3では図示していないが、反応菅
13から排気を行う真空排気系、温度を制御する制御装
置、熱電対、酸化性ガス、不活性ガス等を反応菅13に
流入させるガスボンベ等を備えている。ガス導入ライン
A14は酸素ガスを、ガス導入ラインB15はアルゴン
ガスを流入させるのに用いた。まず、反応菅13中のガ
スをガス排気ライン16より排気し反応菅13内の総圧
力を1Pa以下まで真空排気した。
【0058】続いて、ガス導入ラインA14を通して酸
素ガスを流入させ、そのキャリアガスの流入量を100ml
/minに設定し、この条件で反応菅13内の酸素分圧を1
Paに保持出来るようにガス排気ライン16より真空排気
を行いながら調整した。この状態で、ガス導入ラインB
15を通してアルゴンガスも反応菅13に流入させ、反
応菅内の酸素分圧を含めた総圧力を1気圧に保持出来る
ようにガス導入ラインB15のキャリアガス流量を調整
した。
【0059】この条件の下で、まず、亜鉛板11を500
℃まで加熱し、一段階目の熱処理を10分間行った。この
時、基板11から直径が10nm以上50nm以下でアスペ
クト比が10以上である酸化亜鉛針状結晶が成長してい
た。これを本発明における酸化亜鉛針状結晶の開始部位
にした。この時は、結晶成長の開始部位の表面密度が1
8/cm2であった。
【0060】続いて、二段階目の熱処理を行う為に亜鉛
板11の温度を下げてから、再び反応菅13中のガスを
ガス排気ライン16より排気し、反応菅13内の総圧力
を1Pa以下まで真空排気した。又、ガス導入ラインA1
4を通して酸素ガスを流入させ、そのキャリアガスの流
入量を100ml/minに設定し、この条件で反応菅13内の
酸素分圧を1000Paに保持出来るようにガス排気ライン1
6より真空排気を行いながら調整した。
【0061】この状態で、ガス導入ラインB15を通し
てアルゴンガスも反応菅13に流入させ、反応菅13内
の酸素分圧を含めた総圧力を1気圧に保持出来るように
ガス導入ラインB15のキャリアガス流量を調整した。
この条件の下で亜鉛板11を600℃に保持し、二段階目
の熱処理を1時間行った。この後、その温度を下げて亜
鉛板11を反応菅13から取り出した。
【0062】取り出した亜鉛板11をFE-SEMで観察した
ところ、亜鉛板11表面には図4(a)、(b)に示す
様な酸化亜鉛針状結晶が成長していた。この時の針状結
晶の直径は20〜200nmであり、根元付近の方が先端付
近より針状結晶の太さは若干太かった。又、その酸化亜
鉛針状結晶の長さは5〜20μmであり、その70%以上は
基板11に対して60度以上立っていた。この時は、結晶
成長の開始部位の表面密度が108/cm2であった。
【0063】又、この条件を元にして一段階目の熱処理
における基板温度、酸素分圧、反応菅内圧力を変化させ
た結果、基板温度は500℃以上550℃以下、基板近傍での
酸素分圧は1Pa以上10Pa以下、反応容器の圧力は1000 Pa
以上100000 Pa以下で、直径が10nm以上50nm以下で
アスペクト比が10以上の良好な酸化亜鉛針状結晶が得ら
れ、この酸化亜鉛針状結晶の密度は108/cm2以上10
12/cm2以下であった。
【0064】続いて、二段階目の熱処理も行った結果、
直径200nm以下でアスペクト比が10以上の良好な酸化
亜鉛針状結晶が得られた。この時、その密度は108/cm
2以上1012/cm2以下であった。又、その酸化亜鉛針状
結晶の70%以上は基板11に対して60度以上立ってい
た。但し、二段階目の熱処理における条件は全て最初の
二段階目の熱処理条件と同じである。
【0065】(実施例4)実施例4では、本発明よる酸
化亜鉛針状結晶を図5のGraetzel型の光電変換装置に用
いて光電変換装置を作製した例について説明する。ま
ず、実施例2と同様に導電性ガラス基板(FドープSn
O2、10Ω/□)にめっきにより亜鉛膜を形成し、その
後、実施例2と同様に熱処理により酸化亜鉛針状結晶を
成長させた。導電性ガラス基板とは、光電変換装置の一
方のセル基板に相当し、例えば、図5の電極付き基板5
4に対応する。この基板を酸素ガスを100sccm流しなが
ら450℃、1時間アニールを行い80℃まで降温した。
【0066】この基板を取り出し温度があまり下がらな
い内にRu錯体であるRu((bipy)(COOH)2)2(SCN)2を溶解さ
せた蒸留エタノール中に浸して30分間保持した。その結
果、酸化亜鉛針状結晶表面には色素が吸着した。この色
素は図5の光吸収層52に相当する。
【0067】一方、対極として、導電性ガラス(Fドー
プSnO2、10Ω/□)上に白金を1nmスパッタ成膜した
ものを用い、レドックス対はI-/I3 -を用いてセル作製
を行った。この場合、対極としての導電性ガラスは、光
電変換装置の他方側のセル基板に相当し、例えば、図5
の電極付き基板55に対応する。レドックスの溶質はte
trapropylammonium iodide (0.46M)とヨウ素(0.06
M)、溶媒はethylene carbonate(80vol%)とacetonitr
ile(20vol%)の混合液(図5の電荷輸送層53に相
当)を用いた。この混合液を酸化亜鉛針状結晶が成長し
た基板と対極で挟んで図5に示す光電変換装置を作製し
た。
【0068】又、比較例として粒径約20nmのアナター
ゼ型を主成分としたTiO2粉末を塗布、焼結させたものを
用いて同様にセルを組み立てた。そして、紫外線カット
フィルターを取り付けた500Wのキセノンランプ光を照射
して光電変換反応による光電流の値を測定したところ、
実施例4のセルの方が比較例に比べて単位色素量当たり
の光電変換量が15%程度増加していた。
【0069】なお、本発明の酸化亜鉛針状結晶及びその
製造方法は、光電変換装置以外にも例えば、エレクトロ
クロミック素子や電子源等の多方面に使用することが可
能である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、酸
化亜鉛針状結晶を多種類の基板上に成長させることがで
き、低コストで酸化亜鉛針状結晶を作製することができ
る。また、成長密度や成長方向を制御することができ
る。更に、本発明の酸化亜鉛針状結晶を光電変換装置に
用いることにより、光電変換効率を向上でき、性能を向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る酸化亜鉛針状結晶の例を示す図で
ある。
【図2】本発明に係る亜鉛めっきの作製装置の一例を示
す図である。
【図3】本発明の酸化亜鉛針状結晶の製造方法に用いる
製造装置の例を示す図である。
【図4】本発明の製造方法で製造した酸化亜鉛針状結晶
の例を示す図である。
【図5】本発明の酸化亜鉛針状結晶を用いた光電変換装
置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
11 基板 12 基板ホルダー 13 反応管 14 ガス導入ラインA 15 ガス導入ラインB 16 ガス排気ライン 21 アノード極 22 カソード極 23 電解液(めっき浴) 24 ビーカー 25 マントルヒーター 41 酸化亜鉛針状結晶 51 酸化亜鉛針状結晶 52 光吸収層 53 電荷輸送層 54 電極付き基板 55 電極付き基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA04 BB07 CA04 CA07 CA09 ED06 HA05 JA05 JB07 5F051 AA14

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛板又は表面に亜鉛膜が形成された基
    体上に成長していることを特徴とする酸化亜鉛針状結
    晶。
  2. 【請求項2】 前記酸化亜鉛針状結晶の70%以上の軸
    が基体に対して60°以上立っている請求項1に記載の
    酸化亜鉛針状結晶。
  3. 【請求項3】 前記酸化亜鉛針状結晶は、直径が5nm
    以上1μm以下、アスペクト比が10以上であることを
    特徴とする請求項1〜2に記載の酸化亜鉛針状結晶。
  4. 【請求項4】 前記基体と前記酸化亜鉛針状結晶との間
    に導電層を有する事を特徴とする請求項1〜3に記載の
    酸化亜鉛針状結晶。
  5. 【請求項5】 前記導電層は透明電極であることを特徴
    とする請求項4に記載の酸化亜鉛針状結晶。
  6. 【請求項6】 基体上に酸化亜鉛針状結晶を成長させて
    酸化亜鉛針状結晶を製造する製造方法において、前記基
    体は亜鉛もしくは基体表面に亜鉛膜が形成され、前記基
    体を酸化性雰囲気ガスの下で熱処理する事により、前記
    基体表面に酸化亜鉛針状結晶を成長させる事を特徴とす
    る酸化亜鉛針状結晶の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記亜鉛板又は前記亜鉛膜を酸化させる
    雰囲気ガスにおいて、前記雰囲気ガス中に酸素を0.01Pa
    以上、10000Pa以下の分圧で含む事を特徴とする請求項
    6に記載の酸化亜鉛針状結晶の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記酸素分圧の範囲は10Pa以上、1000Pa
    以下である事を特徴とする請求項7に記載の酸化亜鉛針
    状結晶の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記亜鉛板もしくは前記亜鉛膜の熱処理
    温度は、400℃以上、800℃以下である事を特徴と
    する請求項6〜8に記載の酸化亜鉛針状結晶の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記亜鉛板もしくは前記亜鉛膜の熱処
    理温度は450℃以上、600℃以下である事を特徴と
    する請求項6〜9に記載の酸化亜鉛針状結晶の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記亜鉛膜は、めっきにより前記基体
    上に形成されている事を特徴とする請求項6〜10に記
    載の酸化亜鉛針状結晶の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記亜鉛膜は、表面に100nm以下
    の径の亜鉛の突起を含む事を特徴とする請求項6〜11
    に記載の酸化亜鉛針状結晶の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記酸化亜鉛針状結晶は、直径が5n
    m以上1μm以下、アスペクト比が10以上であること
    を特徴とする請求項6〜12に記載の酸化亜鉛針状結晶
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記酸化亜鉛針状結晶の70%以上の
    軸が基板に対して60°以上立っていることを特徴とす
    る請求項6〜13に記載の酸化亜鉛針状結晶の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 前記熱処理は、同一温度で行うことを
    特徴とする請求項6〜14に記載の酸化亜鉛針状結晶の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 前記熱処理は、低温度と高温度の2段
    階で行うことを特徴とする請求項6〜14に記載の酸化
    亜鉛針状結晶の製造方法。
  17. 【請求項17】 一対の基板間に、n型の電荷輸送層、
    光吸収層、p型の電荷輸送層を有する光電変換装置にお
    いて、請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸化亜鉛針
    状結晶が、前記n型の電荷輸送層として用いられている
    ことを特徴とする光電変換装置。
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