JP2004277151A - 揺動制御方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】物体を移動体で移動する際に発生する物体の揺動を物体の位置や速度を検出せずに制御することが可能な揺動制御方法及びその装置を提供する。
【解決手段】移動体14に連結部材11を用いて弾性的に連結された物体12を目的場所に移動させるときの物体12の加速度パターンを加速度パターン設定器15で設定する第1工程と、加速度パターンに基づいて物体12の移動量を移動距離演算器16で演算し、揺れ量を揺れ量演算器17で演算する第2工程と、位置指示設定器18で揺れ量及び移動量の和を求めこの和に相当する位置に移動体14を移動する第3工程とを有する揺動制御方法により、移動時に発生する物体12の揺動を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】移動体14に連結部材11を用いて弾性的に連結された物体12を目的場所に移動させるときの物体12の加速度パターンを加速度パターン設定器15で設定する第1工程と、加速度パターンに基づいて物体12の移動量を移動距離演算器16で演算し、揺れ量を揺れ量演算器17で演算する第2工程と、位置指示設定器18で揺れ量及び移動量の和を求めこの和に相当する位置に移動体14を移動する第3工程とを有する揺動制御方法により、移動時に発生する物体12の揺動を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体に弾性的に連結された物体を移動体で移動する際に物体に発生する揺動を制御する揺動制御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クレーン等の移動体に弾性的に連結された物体、例えば、吊り下げられた吊り荷を移動させる場合、一定加速度で移動体を所定の速度まで加速し、所定の速度で移動させた後、一定加速度で移動体の減速を開始して目的位置で停止させていた。この場合、吊り荷は移動体の運動に完全に追従できないため、吊り荷には移動中に自由振動(揺れ)が発生していた。このため、移動体が目的位置で停止した際、吊り荷には振動が残存しており、荷役作業に支障をきたしていた。
【0003】
このため、移動体の加速度を一定加速度で増加させて所定速度に保持し、次いで一定加速度で減少させて停止させる場合、例えば、吊り荷の揺れ周期を予め求めておいて、この周期の半分の周期で加速減速を行うことで吊り荷に対して振動とは逆方向の力を作用させて、加速完了時及び減速完了時(停止時)の吊り荷の残存振動の低減を図っていた(例えば、特許文献1参照)。
また、移動体で移動させる際に発生した吊り荷の振動角度と振動加速度(角速度)を速度センサ及び位置センサで求めて吊り荷の制振に必要な速度を演算し、この速度になるように移動体を移動させることで、移動体の停止時における残存振動を抑制していた(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−30776号公報
【特許文献2】
特開平11−240687号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載の発明では、加速度の増加及び減少の各タイミングが吊り荷の振動周期に依存し、加速及び減速に要する時間が少なくとも吊り荷の周期の1周期分必要になっていた。そのため、吊り荷の迅速な加速及び減速が不可能であるという問題が存在した。更に、吊り荷を移動中に昇降させると、吊り荷の振動周期が変化して、加速度の増加及び減少の各タイミングが不明になるという問題が存在していた。
また、特許文献2記載の発明では、特許文献1記載の発明と比較して加速及び減速の各時間の短縮が可能になるが、速度センサ及び位置センサの調整が難しいために移動体の操作を効率的に行うことが困難になると共に、各センサが高価であるため、吊り荷の移動作業のコストが上昇するという問題があった。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、連結部材を用いて弾性的に移動体に連結された物体を移動体で移動する際に発生する物体の揺動を物体の位置や速度を検出せずに制御することが可能な揺動制御方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る揺動制御方法は、連結部材を用いて移動体に連結された物体を該移動体で移動する際に発生する該物体の揺動を制御する揺動制御方法であって、前記物体を目的場所に移動させるときの該物体の加速度パターンを設定する第1工程と、前記加速度パターンに基づいて前記物体の移動量及び揺れ量を演算する第2工程と、前記移動体を前記揺れ量及び前記移動量の和として求まる位置に移動する第3工程とを有する。
【0008】
図7に示すように、移動体に自然長L0 、弾性係数Kの連結部材により質量Mの物体が弾性的に連結されている場合を考える。
いま、物体に加速度αを与えることは、物体に力を作用させることと等価である。このため、物体には連結部材の弾性変形に伴う揺れが発生すると共に、移動が生じる。
ここで、物体に加速度αを与えたときに物体に作用する力をF、物体の揺れ量をX2 、物体の移動量をX3 とすると、
F=K・X2 (1)
F=M・α (2)
の関係が成立する。
なお、物体の移動量X3 は加速度αを時間で2回積分することにより得られる。また、物体と移動体とは連結された状態となっているので、物体に揺れと移動が生じると、物体の揺れ量X2 及び物体の移動量X3 と移動体の位置X1 との間には、次の関係が成立する。
X1 =L0 +X2 +X3 (3)
【0009】
上記(1)式及び(2)式から力Fを消去して揺れ量X2 を求めると、
X2 =α・(M/K) (4)
となる。
ここで、物体が特定されると、物体の質量Mは一義的に決まり、連結部材が特定されれば弾性係数Kは一義的に決定される。
また、(4)式は、加速度αと揺れ量X2 が比例関係にあることを示している。このため、物体と連結部材が特定されれば(4)式から、物体の揺れ量X2 は加速度αで自由に調整可能であることが判る。
従って、物体を目的場所に移動させるときの物体の加速度パターンを設定し、設定した加速度パターンに基づいて移動体を(3)式で求まる位置X1 に移動させると、移動体が位置X1 に到達したときに生じている物体の揺れ量を(4)式で求まる揺れ量X2 にすることが可能であると考えることができる。
【0010】
本発明に係る揺動制御方法において、前記加速度パターンに前記物体の移動を開始させる加速部と、前記物体の移動を停止させる減速部を設け、該減速部を調整して前記物体が前記目的場所に到達したときの該物体の移動速度及び加速度をそれぞれ零にすることが好ましい。
【0011】
減速部を設けることで、物体を目的場所で停止させる際に、移動開始時とは逆の方向の力を作用させることができる。このため、物体の揺れを減少させることができる。そして、物体を減速する際にも、物体の運動は加速時と同様に記述することができるので、減速時の物体の揺れ量X2 は加速度αで調整することが可能である。
従って、物体が目的場所に到達したときの物体の移動速度と加速度αをそれぞれ零に設定すると、物体が目的場所に到達したときに物体を停止させて、しかも物体の揺れ量X2 を零にすることができる。なお、物体の移動速度は加速度αを時間で1回積分することにより得られる。
また、物体が目的場所に到達したときの物体の移動速度及び加速度αをそれぞれ零にするには、横軸を時間、縦軸を加速度にして加速度パターンを表示する場合、加速部の面積と減速部の面積を同一にすればよい。従って、例えば、加速部を−1倍したものを減速部として設定すればよい。
【0012】
本発明に係る揺動制御方法において、前記物体が前記移動体に前記連結部材を用いて吊り下げられている場合、該連結部材の長さ変化を考慮して前記揺れ量を演算することが好ましい。
【0013】
物体(質量M)がワイヤ等の連結部材で吊り下げられた場合、物体に加速度αを与えるのに要する力Fは、連結部材の長さをL、物体の揺れ量をX2 、重力加速度をgとすると、次式のように表される。
F=M・g・(X2 /L) (5)
F=M・α (6)
そして、(5)、(6)式から
α=g・(X2 /L) (7)
の関係が成立する。
従って、(7)式から
X2 =α・L/g (8)
の関係が求まる。
【0014】
物体と移動体は連結された状態となっているので、物体の揺れ量X2 と、物体の移動量X3 と、移動体の位置X1 の間には、次の関係が成立する。
X1 =X2 +X3 (9)
ここで、物体の移動量X3 は、加速度αを時間で2回積分することにより得られる。すなわち、
X1 =α・L/g+∬αdt2 (10)
の関係が成立する。
(10)式は、物体に与える加速度α及び連結部材長さLが決まれば移動体の位置が特定されることを示している。
すなわち、物体を目的位置に移動させるときの物体の加速度パターンを設定し、設定パターンに基づいて移動体を(10)式で求まる位置に移動させると、移動体が位置X1 に達したときに生じている物体の揺れ量を(8)式で求まる揺れ量X2 にすることができる。
ここで、連結部材長さLは、例えば、移動体にワイヤの長さ検出器を取付けることにより容易に計測することができる。
【0015】
前記目的に沿う本発明に係る揺動制御装置は、連結部材を用いて弾性的に移動体に連結された物体を該移動体で移動する際に発生する該物体の揺動を制御する揺動制御装置であって、前記物体を目的場所に移動するときの該物体の移動過程を規定する加速度パターンを設定する加速度パターン設定器と、前記加速度パターン設定器より出力された加速度パターンに基づいて前記物体の移動量を演算する移動距離演算器と、前記加速度パターン設定器より出力された加速度パターンに基づいて前記物体の揺れ量を演算する揺れ量演算器と、前記移動距離演算器より出力された前記物体の移動量及び前記揺れ量演算器より出力された前記物体の揺れ量の和として求まる位置に前記移動体を移動する指示信号を出力する位置指示設定器とを有する。
【0016】
加速度パターン設定器により、物体を目的場所に移動するときの移動過程(移動体の移動開始から停止完了までの過程)に対応した加速度パターンを決定することができる。
移動距離演算器及び揺れ量演算器では、決定された加速度パターンを微小時間(例えば、10〜100msec)毎に分割し、微小時間毎に物体の移動量と物体の揺れ量をそれぞれ演算して、その結果を位置指示設定器に逐次出力することができる。
また、位置指示設定器では、微小時間毎に入力される物体の移動量と物体の揺れ量に基づいて移動体の微小時間毎の位置を求め、求めた位置に移動体を移動させる指示信号を出力することができる。その結果、移動体を微小時間毎に位置指示設定器が求めた位置に移動させながら物体を移動することができ、最終的に物体を目的場所に移動することができる。
【0017】
本発明に係る揺動制御装置において、前記物体が前記移動体に前記連結部材を用いて吊り下げられている場合、該連結部材の長さを常時計測する連結部材長検出器を設けて、該連結部材長検出器で得られた検出値を前記揺れ量演算器に入力することが好ましい。
【0018】
連結部材長検出器により、物体を移動している際に連結部材の長さに変化が生じても新たな連結部材の長さを把握することができる。
従って、連結部材長検出器の検出値を揺れ量演算器に入力することで、物体を移動している際に連結部材の長さに変化が生じても、常にそのときの連結部材の長さに対応した物体の揺れ量を演算することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る揺動制御装置の説明図、図2は本発明の一実施の形態に係る揺動制御方法における加速度パターンの説明図、図3は同揺動制御方法を示す制御ブロック図である。
【0020】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る揺動制御装置10は、連結部材の一例であるワイヤ11を用いて物体12を吊り下げているクレーン13を支持して図示しない軌道上を移動する移動体の一例である台車14と、物体12を目的場所に移動するときの物体12の移動過程を規定する加速度パターンを設定する加速度パターン設定器15と、加速度パターン設定器15より出力された加速度パターンに基づいて物体12の移動量を演算する移動距離演算器16を有している。
更に、揺動制御装置10は、加速度パターン設定器15より出力された加速度パターンに基づいて物体12の揺れ量を演算する揺れ量演算器17と、移動距離演算器16より出力された物体12の移動量及び揺れ量演算器17より出力された物体12の揺れ量の和として求まる位置に台車14を移動する指示信号を出力する位置指示設定器18とを有している。以下、これらについて詳細に説明する。
【0021】
加速度パターン設定器15は、物体12を目的場所に移動するときの移動過程、すなわち、物体12の移動開始を設定する加速部と、物体の移動停止を設定する減速部を備えた加速度パターンを決定する機能を有している。
移動距離演算器16は、加速度パターン設定器15で作成された加速度パターンを受け入れて、決定された加速度パターンを微小時間(例えば、10〜100msec)に分割し、微小時間毎に物体12の移動量を演算して出力する機能を有している。
揺れ量演算器17は、加速度パターン設定器15で作成された加速度パターンを受け入れて、決定された加速度パターンを微小時間に分割し、微小時間毎に物体12の揺れ量を演算して出力する機能を有している。
位置指示設定器18は、移動距離演算器16と揺れ量演算器17からそれぞれ微小時間毎に入力される物体12の移動量と物体12の揺れ量に基づいて台車14の微小時間毎の位置を求め、求めた位置に台車14を移動させる指示信号を出力する機能を備えている。
ここで、加速度パターン設定器15、移動距離演算器16、揺れ量演算器17、及び位置指示設定器18は、例えば、上記の各機能を発現するプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができる。
【0022】
クレーン13を支持し軌道上を移動する台車14は、台車14に載置され位置指示設定器18からの指示信号に応じて台車14に移動駆動力を与える台車駆動機20(例えば、電動機)と、台車14に載置されて台車14の軌道上での位置を検出する台車位置検出器21と、クレーン13に設けられてワイヤ11の長さを計測する連結部材長検出器22を有している。そして、台車位置検出器21の検出値は位置指示設定器18に入力され、連結部材長検出器22の検出値は揺れ量演算器17に入力されるようになっている。
ここで、台車位置検出器21及び連結部材長検出器22には、例えば、ロータリエンコーダを使用することができる。
【0023】
以上のような構成とすることにより、物体12を目的場所に移動するときの移動過程を決めると、それに対応した物体12の移動を開始させる加速部と、物体12の移動を停止させる減速部を備えた加速度パターンを加速度パターン設定器15で設定することができる。
そして、揺れ量演算器17及び移動距離演算器16を用いて、設定された加速度パターンを微小時間に分割し、微小時間毎に移動させた際に物体12に生じる揺れ量と、そのときの物体12の移動量をそれぞれ演算することができる。
次いで、位置指示設定器18により、移動距離演算器16及び揺れ量演算器17でそれぞれ得られた移動量と揺れ量の和として求まる位置に台車14を移動させる指示信号を作成して、台車駆動機20に出力することができる。
【0024】
その結果、台車14が微小時間毎に位置指示設定器18が求めた位置に移動したのを確認しながら物体12を移動することができ、最終的に物体12を目的場所に移動することができる。
なお、ワイヤ11の長さが連結部材長検出器22により常時計測されているので、ワイヤ11の長さが変化した場合は揺れ量演算器17で揺れ量が再計算され、それに合わせて位置指示設定器18からの指示信号も修正される。
【0025】
次に、本発明の一実施の形態に係る揺動制御方法について詳細に説明する。
先ず、物体12を移動させて停止させるときに必要な加速度パターンとして、例えば、図2に示すような加速部と減速部を備えた加速度パターンを加速度パターン設定器15で設定する。ここで、減速部として、加速部を−1倍したものを採用した。
次いで、この加速度パターンを微小時間(例えば、10〜100msec)に分割し、微小時間毎に物体12の揺れ量X2 を揺れ量演算器17で演算する。ここで、揺れ量X2 は、加速度をα、重力加速度をg、ワイヤの長さをLとして、次式で計算する。
X2 =α・(L/g)
同様に、加速度パターンを微小時間に分割し、微小時間毎に物体12の移動量X3 を移動距離演算器16で演算する。ここで、移動量X3 は、加速度αを時間に対して2回積分することにより求める。
続いて、位置指示設定器18で揺れ量X2 と移動量X3 の和を計算し、この和の値が台車14の位置X1 になるように、台車14を移動させる指示信号を台車駆動機20に出力する。ここで、X1 は物体12の初期位置と台車14との間の距離を示しており、台車14の位置は、物体12をワイヤ11で吊り下げているときの支点の位置で代表している。
【0026】
その結果、台車14は、位置指示設定器18からの指示信号に応じて軌道上を移動する。なお、移動後の台車14の位置は台車位置検出器21で検出されてその結果は位置指示設定器18に入力され、誤差が生じている場合は修正される。
ここで、ワイヤ11の長さは連結部材長検出器22により常時計測されているので、ワイヤ11の長さが変化すると、揺れ量演算器17で揺れ量が再計算される。従って、位置指示設定器18から出力される指示信号も修正され、それに応じて台車14の移動も変化する。
以上の操作により、台車14を微小時間毎に位置指示設定器18が求めた位置に移動したのを確認しながら物体12を移動するようにすると、最終的に物体12を目的場所まで移動させて停止させることができる。このときの制御方法を図3に制御ブロック線図として示す。なお、図3でgは重力加速度、Lはワイヤ長さ、Sはラプラス演算子を示し、+記号は加算、−記号は減算を示す。
そして、減速部は加速部を−1倍したものとして設定しているので、目的場所では、出発地から目的場所までに物体12に与えた加速度の積分値及び移動速度は零になる。このため、物体12が目的場所で移動を停止した際の揺れ量X2 は零になる。
【0027】
【実施例】
[実施例1]
台車に取付けた長さ6.2mのワイヤで物体を吊り下げて40m移動させて停止するときの加速度パターンとして、加速時間2.5秒で最大加速度0.25m/s2 まで加速し3.5秒保持した後に、減速時間2.5秒で加速度を零にする加速部と、加速部の終了時から4.5秒後に加速時間2.5秒で最大加速度−0.25m/s2 まで加速し3.5秒保持した後に、加速時間2.5秒で加速度を零にする減速部から構成される加速度パターンを設定した。
なお、加速度の加速時の時間変化は0.25−0.25cos(2πt/T)、加速度の減速時の時間変化は−0.25+0.25cos(2πt/T)とした。
ここで、Tは加速度の変化率を決定する定数で、この場合5秒である。また、tは時間を示す。
このときの加速度パターンを図4に示す。そして、この加速度パターンは、移動を開始した台車がこの台車の持つ最大移動速度2.95m/sで走行するように設定したものである。
【0028】
この加速度パターンで物体を40m移動させて停止したときに、物体に生じる揺れ量が零になるように制御するときに台車に要求される移動速度と、位置変化の関係を図5に示す。また、図5には、移動中の物体の揺れ量の時間変化も示している。なお、図5では、台車の速度と物体の揺れ量は10倍に拡大して表示している。
図5から、台車の位置は時間に対して滑らかに変化していることが判る。また、台車の移動速度の変化範囲は、全て最大移動速度以下の範囲になっていることが判る。このため、物体に生じる揺れ量が零になるように台車を移動させることが可能であると考えられる。
また、加速度が急激に変化しないようにコサイン関数を用いて設定したため、台車に速度変動は生じず滑らかな速度変化をすることが判る。このため、台車の停止以降の微小な揺れはほぼ除去できている。
【0029】
[実施例2]
長さ6.2mのワイヤで吊り下げた物体をワイヤの長さが15mになるまで速度0.5m/sで降下させながら台車を40m移動させて停止するとき加速度パターンとして、実施例1と同一の加速度パターンを設定した。
この加速度パターンで物体を40m移動させて停止したときに、物体に生じる揺れ量が零になるように制御するときに台車に要求される移動速度と、位置変化の関係を図6に示す。また、図6には、移動中の物体の揺れ量の時間変化及びワイヤの長さの時間変化も示している。なお、図6では、台車の速度と物体の揺れ量は10倍に拡大して表示している。
図6から、台車の位置は時間に対して滑らかに変化していることが判る。また、台車の移動速度も時間に対して滑らかに変化し、その変化範囲は全て最大移動速度以下の範囲になっていることが判る。このため、物体を吊り下げるワイヤの長さを変えながら物体に生じる揺れ量が零になるように台車を移動させることが可能であると考えられる。
【0030】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の揺動制御方法及びその装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。例えば、移動体に弾性的に接続された物体の一例としてクレーンに吊り下げられた吊り荷の場合について説明したが、ワイヤを介して台車を駆動車で牽引する際の台車振動(ワイヤによる揺れ)の低減、台車上に防振バネを介して懸架又は上架された物体の移動時の振動低減にも、本発明の揺動制御方法及びその装置は適用できる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の揺動制御方法においては、物体を目的場所に移動させるときの物体の加速度パターンを設定する第1工程と、加速度パターンに基づいて物体の移動量及び揺れ量を演算する第2工程と、移動体を揺れ量及び移動量の和として求まる位置に移動する第3工程とを有するので、移動体を揺れ量及び移動量の和として求まる位置に移動したときの物体の揺れ量を加速度パターンで自由に調整することができ、加速度パターンを設定することにより移動中の物体の揺れ量を制御することが可能になると共に、目的場所に物体を移動させたときの物体の揺れ量(残存揺れ量)を高精度に制御することが可能になる。
【0032】
また、物体の揺れ状態を考慮しながら物体を移動する必要がないため、物体の迅速な加速及び減速が可能になる。
特に、物体の揺れ量が周期的に変化する場合、物体は揺れ周期よりも速く揺れることはないため、物体の加速時間及び減速時間を物体の振れ周期の半分の時間まで短くすることができ、物体の加速及び減速のサイクルタイムを短くすることが可能になる。
更に、物体の位置及び速度を検出せずに物体の揺れ量を制御するので、位置及び速度を検出するセンサの調整が不要になると共に、高価なセンサを設置する必要がなく、移動体を用いた物体の移動作業コストを低減することが可能になる。
【0033】
特に、請求項2記載の揺動制御方法においては、加速度パターンで物体が目的場所に到達したときの物体の移動速度及び加速度をそれぞれ零にするので、物体が目的場所に到達したときに物体を停止させて、しかも物体の揺れを零にすることができ、物体を目的場所に到達させて直ちに荷役作業を開始することができる。
【0034】
請求項3記載の揺動制御方法においては、物体が移動体に連結部材を用いて吊り下げられている場合、連結部材の長さ変化を考慮して揺れ量を演算するので、物体を移動している際に連結部材の長さに変化が生じても、常にそのときの連結部材の長さに対応した物体の揺れ量を演算することができ、移動中の物体の揺れ量を演算することが可能になる。更に、連結部材の長さを変えながら物体を移動させても、そのときの連結部材の長さに対応した物体の揺れ量を演算することが可能になる。
【0035】
請求項4及び5記載の揺動制御装置においては、物体を目的場所に移動するときの物体の移動過程を規定する加速度パターンを設定する加速度パターン設定器と、加速度パターン設定器より出力された加速度パターンに基づいて物体の移動量を演算する移動距離演算器と、加速度パターン設定器より出力された加速度パターンに基づいて物体の揺れ量を演算する揺れ量演算器と、移動距離演算器より出力された物体の移動量及び揺れ量演算器より出力された物体の揺れ量の和として求まる位置に移動体を移動する指示信号を出力する位置指示設定器とを有するので、移動体を微小時間毎に位置指示設定器が求めた位置に移動させながら物体を移動することができ、移動中の物体の揺れ量を加速度パターンを設定することにより制御することができると共に、目的場所に物体を移動させたときの物体の揺れ量(残存揺れ量)を加速度パターンを設定することにより高精度に制御することが可能になる。
【0036】
請求項5記載の揺動制御装置においては、物体が移動体に連結部材を用いて吊り下げられている場合、連結部材の長さを常時計測する連結部材長検出器を設けて、連結部材長検出器で得られた検出値を揺れ量演算器に入力するので、物体を移動している際に連結部材の長さに変化が生じても、常にそのときの連結部材の長さに対応した物体の揺れ量を演算することができ、移動中の物体の揺れ量を加速度パターンを設定することにより制御することができると共に、目的場所に物体を移動させたときの物体の揺れ量(残存揺れ量)を高精度に制御することが可能になる。更に、連結部材の長さを変えながら物体を移動させても、移動中の物体の揺れ量、及び目的場所に物体を移動させたときの物体の揺れ量(残存揺れ量)を高精度に制御することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る揺動制御装置の説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る揺動制御方法における加速度パターンの説明図である。
【図3】同揺動制御方法を示す制御ブロック図である。
【図4】実施例1で設定した加速度パターンの説明図である。
【図5】実施例1で物体に生じる揺れ量が零になるように制御するときに台車に要求される移動速度の変化と、台車の位置変化を示す説明図である。
【図6】実施例2で物体に生じる揺れ量が零になるように制御するときに台車に要求される移動速度の変化、台車の位置変化、及びワイヤの長さの変化を示す説明図である。
【図7】連結部材を用いて弾性的に移動体に連結された物体の運動を示す説明図である。
【符号の説明】
10:揺動制御装置、11:ワイヤ、12:物体、13:クレーン、14:台車、15:加速度パターン設定器、16:移動距離演算器、17:揺れ量演算器、18:位置指示設定器、20:台車駆動機、21:台車位置検出器、22:連結部材長検出器
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体に弾性的に連結された物体を移動体で移動する際に物体に発生する揺動を制御する揺動制御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クレーン等の移動体に弾性的に連結された物体、例えば、吊り下げられた吊り荷を移動させる場合、一定加速度で移動体を所定の速度まで加速し、所定の速度で移動させた後、一定加速度で移動体の減速を開始して目的位置で停止させていた。この場合、吊り荷は移動体の運動に完全に追従できないため、吊り荷には移動中に自由振動(揺れ)が発生していた。このため、移動体が目的位置で停止した際、吊り荷には振動が残存しており、荷役作業に支障をきたしていた。
【0003】
このため、移動体の加速度を一定加速度で増加させて所定速度に保持し、次いで一定加速度で減少させて停止させる場合、例えば、吊り荷の揺れ周期を予め求めておいて、この周期の半分の周期で加速減速を行うことで吊り荷に対して振動とは逆方向の力を作用させて、加速完了時及び減速完了時(停止時)の吊り荷の残存振動の低減を図っていた(例えば、特許文献1参照)。
また、移動体で移動させる際に発生した吊り荷の振動角度と振動加速度(角速度)を速度センサ及び位置センサで求めて吊り荷の制振に必要な速度を演算し、この速度になるように移動体を移動させることで、移動体の停止時における残存振動を抑制していた(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−30776号公報
【特許文献2】
特開平11−240687号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載の発明では、加速度の増加及び減少の各タイミングが吊り荷の振動周期に依存し、加速及び減速に要する時間が少なくとも吊り荷の周期の1周期分必要になっていた。そのため、吊り荷の迅速な加速及び減速が不可能であるという問題が存在した。更に、吊り荷を移動中に昇降させると、吊り荷の振動周期が変化して、加速度の増加及び減少の各タイミングが不明になるという問題が存在していた。
また、特許文献2記載の発明では、特許文献1記載の発明と比較して加速及び減速の各時間の短縮が可能になるが、速度センサ及び位置センサの調整が難しいために移動体の操作を効率的に行うことが困難になると共に、各センサが高価であるため、吊り荷の移動作業のコストが上昇するという問題があった。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、連結部材を用いて弾性的に移動体に連結された物体を移動体で移動する際に発生する物体の揺動を物体の位置や速度を検出せずに制御することが可能な揺動制御方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る揺動制御方法は、連結部材を用いて移動体に連結された物体を該移動体で移動する際に発生する該物体の揺動を制御する揺動制御方法であって、前記物体を目的場所に移動させるときの該物体の加速度パターンを設定する第1工程と、前記加速度パターンに基づいて前記物体の移動量及び揺れ量を演算する第2工程と、前記移動体を前記揺れ量及び前記移動量の和として求まる位置に移動する第3工程とを有する。
【0008】
図7に示すように、移動体に自然長L0 、弾性係数Kの連結部材により質量Mの物体が弾性的に連結されている場合を考える。
いま、物体に加速度αを与えることは、物体に力を作用させることと等価である。このため、物体には連結部材の弾性変形に伴う揺れが発生すると共に、移動が生じる。
ここで、物体に加速度αを与えたときに物体に作用する力をF、物体の揺れ量をX2 、物体の移動量をX3 とすると、
F=K・X2 (1)
F=M・α (2)
の関係が成立する。
なお、物体の移動量X3 は加速度αを時間で2回積分することにより得られる。また、物体と移動体とは連結された状態となっているので、物体に揺れと移動が生じると、物体の揺れ量X2 及び物体の移動量X3 と移動体の位置X1 との間には、次の関係が成立する。
X1 =L0 +X2 +X3 (3)
【0009】
上記(1)式及び(2)式から力Fを消去して揺れ量X2 を求めると、
X2 =α・(M/K) (4)
となる。
ここで、物体が特定されると、物体の質量Mは一義的に決まり、連結部材が特定されれば弾性係数Kは一義的に決定される。
また、(4)式は、加速度αと揺れ量X2 が比例関係にあることを示している。このため、物体と連結部材が特定されれば(4)式から、物体の揺れ量X2 は加速度αで自由に調整可能であることが判る。
従って、物体を目的場所に移動させるときの物体の加速度パターンを設定し、設定した加速度パターンに基づいて移動体を(3)式で求まる位置X1 に移動させると、移動体が位置X1 に到達したときに生じている物体の揺れ量を(4)式で求まる揺れ量X2 にすることが可能であると考えることができる。
【0010】
本発明に係る揺動制御方法において、前記加速度パターンに前記物体の移動を開始させる加速部と、前記物体の移動を停止させる減速部を設け、該減速部を調整して前記物体が前記目的場所に到達したときの該物体の移動速度及び加速度をそれぞれ零にすることが好ましい。
【0011】
減速部を設けることで、物体を目的場所で停止させる際に、移動開始時とは逆の方向の力を作用させることができる。このため、物体の揺れを減少させることができる。そして、物体を減速する際にも、物体の運動は加速時と同様に記述することができるので、減速時の物体の揺れ量X2 は加速度αで調整することが可能である。
従って、物体が目的場所に到達したときの物体の移動速度と加速度αをそれぞれ零に設定すると、物体が目的場所に到達したときに物体を停止させて、しかも物体の揺れ量X2 を零にすることができる。なお、物体の移動速度は加速度αを時間で1回積分することにより得られる。
また、物体が目的場所に到達したときの物体の移動速度及び加速度αをそれぞれ零にするには、横軸を時間、縦軸を加速度にして加速度パターンを表示する場合、加速部の面積と減速部の面積を同一にすればよい。従って、例えば、加速部を−1倍したものを減速部として設定すればよい。
【0012】
本発明に係る揺動制御方法において、前記物体が前記移動体に前記連結部材を用いて吊り下げられている場合、該連結部材の長さ変化を考慮して前記揺れ量を演算することが好ましい。
【0013】
物体(質量M)がワイヤ等の連結部材で吊り下げられた場合、物体に加速度αを与えるのに要する力Fは、連結部材の長さをL、物体の揺れ量をX2 、重力加速度をgとすると、次式のように表される。
F=M・g・(X2 /L) (5)
F=M・α (6)
そして、(5)、(6)式から
α=g・(X2 /L) (7)
の関係が成立する。
従って、(7)式から
X2 =α・L/g (8)
の関係が求まる。
【0014】
物体と移動体は連結された状態となっているので、物体の揺れ量X2 と、物体の移動量X3 と、移動体の位置X1 の間には、次の関係が成立する。
X1 =X2 +X3 (9)
ここで、物体の移動量X3 は、加速度αを時間で2回積分することにより得られる。すなわち、
X1 =α・L/g+∬αdt2 (10)
の関係が成立する。
(10)式は、物体に与える加速度α及び連結部材長さLが決まれば移動体の位置が特定されることを示している。
すなわち、物体を目的位置に移動させるときの物体の加速度パターンを設定し、設定パターンに基づいて移動体を(10)式で求まる位置に移動させると、移動体が位置X1 に達したときに生じている物体の揺れ量を(8)式で求まる揺れ量X2 にすることができる。
ここで、連結部材長さLは、例えば、移動体にワイヤの長さ検出器を取付けることにより容易に計測することができる。
【0015】
前記目的に沿う本発明に係る揺動制御装置は、連結部材を用いて弾性的に移動体に連結された物体を該移動体で移動する際に発生する該物体の揺動を制御する揺動制御装置であって、前記物体を目的場所に移動するときの該物体の移動過程を規定する加速度パターンを設定する加速度パターン設定器と、前記加速度パターン設定器より出力された加速度パターンに基づいて前記物体の移動量を演算する移動距離演算器と、前記加速度パターン設定器より出力された加速度パターンに基づいて前記物体の揺れ量を演算する揺れ量演算器と、前記移動距離演算器より出力された前記物体の移動量及び前記揺れ量演算器より出力された前記物体の揺れ量の和として求まる位置に前記移動体を移動する指示信号を出力する位置指示設定器とを有する。
【0016】
加速度パターン設定器により、物体を目的場所に移動するときの移動過程(移動体の移動開始から停止完了までの過程)に対応した加速度パターンを決定することができる。
移動距離演算器及び揺れ量演算器では、決定された加速度パターンを微小時間(例えば、10〜100msec)毎に分割し、微小時間毎に物体の移動量と物体の揺れ量をそれぞれ演算して、その結果を位置指示設定器に逐次出力することができる。
また、位置指示設定器では、微小時間毎に入力される物体の移動量と物体の揺れ量に基づいて移動体の微小時間毎の位置を求め、求めた位置に移動体を移動させる指示信号を出力することができる。その結果、移動体を微小時間毎に位置指示設定器が求めた位置に移動させながら物体を移動することができ、最終的に物体を目的場所に移動することができる。
【0017】
本発明に係る揺動制御装置において、前記物体が前記移動体に前記連結部材を用いて吊り下げられている場合、該連結部材の長さを常時計測する連結部材長検出器を設けて、該連結部材長検出器で得られた検出値を前記揺れ量演算器に入力することが好ましい。
【0018】
連結部材長検出器により、物体を移動している際に連結部材の長さに変化が生じても新たな連結部材の長さを把握することができる。
従って、連結部材長検出器の検出値を揺れ量演算器に入力することで、物体を移動している際に連結部材の長さに変化が生じても、常にそのときの連結部材の長さに対応した物体の揺れ量を演算することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る揺動制御装置の説明図、図2は本発明の一実施の形態に係る揺動制御方法における加速度パターンの説明図、図3は同揺動制御方法を示す制御ブロック図である。
【0020】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る揺動制御装置10は、連結部材の一例であるワイヤ11を用いて物体12を吊り下げているクレーン13を支持して図示しない軌道上を移動する移動体の一例である台車14と、物体12を目的場所に移動するときの物体12の移動過程を規定する加速度パターンを設定する加速度パターン設定器15と、加速度パターン設定器15より出力された加速度パターンに基づいて物体12の移動量を演算する移動距離演算器16を有している。
更に、揺動制御装置10は、加速度パターン設定器15より出力された加速度パターンに基づいて物体12の揺れ量を演算する揺れ量演算器17と、移動距離演算器16より出力された物体12の移動量及び揺れ量演算器17より出力された物体12の揺れ量の和として求まる位置に台車14を移動する指示信号を出力する位置指示設定器18とを有している。以下、これらについて詳細に説明する。
【0021】
加速度パターン設定器15は、物体12を目的場所に移動するときの移動過程、すなわち、物体12の移動開始を設定する加速部と、物体の移動停止を設定する減速部を備えた加速度パターンを決定する機能を有している。
移動距離演算器16は、加速度パターン設定器15で作成された加速度パターンを受け入れて、決定された加速度パターンを微小時間(例えば、10〜100msec)に分割し、微小時間毎に物体12の移動量を演算して出力する機能を有している。
揺れ量演算器17は、加速度パターン設定器15で作成された加速度パターンを受け入れて、決定された加速度パターンを微小時間に分割し、微小時間毎に物体12の揺れ量を演算して出力する機能を有している。
位置指示設定器18は、移動距離演算器16と揺れ量演算器17からそれぞれ微小時間毎に入力される物体12の移動量と物体12の揺れ量に基づいて台車14の微小時間毎の位置を求め、求めた位置に台車14を移動させる指示信号を出力する機能を備えている。
ここで、加速度パターン設定器15、移動距離演算器16、揺れ量演算器17、及び位置指示設定器18は、例えば、上記の各機能を発現するプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができる。
【0022】
クレーン13を支持し軌道上を移動する台車14は、台車14に載置され位置指示設定器18からの指示信号に応じて台車14に移動駆動力を与える台車駆動機20(例えば、電動機)と、台車14に載置されて台車14の軌道上での位置を検出する台車位置検出器21と、クレーン13に設けられてワイヤ11の長さを計測する連結部材長検出器22を有している。そして、台車位置検出器21の検出値は位置指示設定器18に入力され、連結部材長検出器22の検出値は揺れ量演算器17に入力されるようになっている。
ここで、台車位置検出器21及び連結部材長検出器22には、例えば、ロータリエンコーダを使用することができる。
【0023】
以上のような構成とすることにより、物体12を目的場所に移動するときの移動過程を決めると、それに対応した物体12の移動を開始させる加速部と、物体12の移動を停止させる減速部を備えた加速度パターンを加速度パターン設定器15で設定することができる。
そして、揺れ量演算器17及び移動距離演算器16を用いて、設定された加速度パターンを微小時間に分割し、微小時間毎に移動させた際に物体12に生じる揺れ量と、そのときの物体12の移動量をそれぞれ演算することができる。
次いで、位置指示設定器18により、移動距離演算器16及び揺れ量演算器17でそれぞれ得られた移動量と揺れ量の和として求まる位置に台車14を移動させる指示信号を作成して、台車駆動機20に出力することができる。
【0024】
その結果、台車14が微小時間毎に位置指示設定器18が求めた位置に移動したのを確認しながら物体12を移動することができ、最終的に物体12を目的場所に移動することができる。
なお、ワイヤ11の長さが連結部材長検出器22により常時計測されているので、ワイヤ11の長さが変化した場合は揺れ量演算器17で揺れ量が再計算され、それに合わせて位置指示設定器18からの指示信号も修正される。
【0025】
次に、本発明の一実施の形態に係る揺動制御方法について詳細に説明する。
先ず、物体12を移動させて停止させるときに必要な加速度パターンとして、例えば、図2に示すような加速部と減速部を備えた加速度パターンを加速度パターン設定器15で設定する。ここで、減速部として、加速部を−1倍したものを採用した。
次いで、この加速度パターンを微小時間(例えば、10〜100msec)に分割し、微小時間毎に物体12の揺れ量X2 を揺れ量演算器17で演算する。ここで、揺れ量X2 は、加速度をα、重力加速度をg、ワイヤの長さをLとして、次式で計算する。
X2 =α・(L/g)
同様に、加速度パターンを微小時間に分割し、微小時間毎に物体12の移動量X3 を移動距離演算器16で演算する。ここで、移動量X3 は、加速度αを時間に対して2回積分することにより求める。
続いて、位置指示設定器18で揺れ量X2 と移動量X3 の和を計算し、この和の値が台車14の位置X1 になるように、台車14を移動させる指示信号を台車駆動機20に出力する。ここで、X1 は物体12の初期位置と台車14との間の距離を示しており、台車14の位置は、物体12をワイヤ11で吊り下げているときの支点の位置で代表している。
【0026】
その結果、台車14は、位置指示設定器18からの指示信号に応じて軌道上を移動する。なお、移動後の台車14の位置は台車位置検出器21で検出されてその結果は位置指示設定器18に入力され、誤差が生じている場合は修正される。
ここで、ワイヤ11の長さは連結部材長検出器22により常時計測されているので、ワイヤ11の長さが変化すると、揺れ量演算器17で揺れ量が再計算される。従って、位置指示設定器18から出力される指示信号も修正され、それに応じて台車14の移動も変化する。
以上の操作により、台車14を微小時間毎に位置指示設定器18が求めた位置に移動したのを確認しながら物体12を移動するようにすると、最終的に物体12を目的場所まで移動させて停止させることができる。このときの制御方法を図3に制御ブロック線図として示す。なお、図3でgは重力加速度、Lはワイヤ長さ、Sはラプラス演算子を示し、+記号は加算、−記号は減算を示す。
そして、減速部は加速部を−1倍したものとして設定しているので、目的場所では、出発地から目的場所までに物体12に与えた加速度の積分値及び移動速度は零になる。このため、物体12が目的場所で移動を停止した際の揺れ量X2 は零になる。
【0027】
【実施例】
[実施例1]
台車に取付けた長さ6.2mのワイヤで物体を吊り下げて40m移動させて停止するときの加速度パターンとして、加速時間2.5秒で最大加速度0.25m/s2 まで加速し3.5秒保持した後に、減速時間2.5秒で加速度を零にする加速部と、加速部の終了時から4.5秒後に加速時間2.5秒で最大加速度−0.25m/s2 まで加速し3.5秒保持した後に、加速時間2.5秒で加速度を零にする減速部から構成される加速度パターンを設定した。
なお、加速度の加速時の時間変化は0.25−0.25cos(2πt/T)、加速度の減速時の時間変化は−0.25+0.25cos(2πt/T)とした。
ここで、Tは加速度の変化率を決定する定数で、この場合5秒である。また、tは時間を示す。
このときの加速度パターンを図4に示す。そして、この加速度パターンは、移動を開始した台車がこの台車の持つ最大移動速度2.95m/sで走行するように設定したものである。
【0028】
この加速度パターンで物体を40m移動させて停止したときに、物体に生じる揺れ量が零になるように制御するときに台車に要求される移動速度と、位置変化の関係を図5に示す。また、図5には、移動中の物体の揺れ量の時間変化も示している。なお、図5では、台車の速度と物体の揺れ量は10倍に拡大して表示している。
図5から、台車の位置は時間に対して滑らかに変化していることが判る。また、台車の移動速度の変化範囲は、全て最大移動速度以下の範囲になっていることが判る。このため、物体に生じる揺れ量が零になるように台車を移動させることが可能であると考えられる。
また、加速度が急激に変化しないようにコサイン関数を用いて設定したため、台車に速度変動は生じず滑らかな速度変化をすることが判る。このため、台車の停止以降の微小な揺れはほぼ除去できている。
【0029】
[実施例2]
長さ6.2mのワイヤで吊り下げた物体をワイヤの長さが15mになるまで速度0.5m/sで降下させながら台車を40m移動させて停止するとき加速度パターンとして、実施例1と同一の加速度パターンを設定した。
この加速度パターンで物体を40m移動させて停止したときに、物体に生じる揺れ量が零になるように制御するときに台車に要求される移動速度と、位置変化の関係を図6に示す。また、図6には、移動中の物体の揺れ量の時間変化及びワイヤの長さの時間変化も示している。なお、図6では、台車の速度と物体の揺れ量は10倍に拡大して表示している。
図6から、台車の位置は時間に対して滑らかに変化していることが判る。また、台車の移動速度も時間に対して滑らかに変化し、その変化範囲は全て最大移動速度以下の範囲になっていることが判る。このため、物体を吊り下げるワイヤの長さを変えながら物体に生じる揺れ量が零になるように台車を移動させることが可能であると考えられる。
【0030】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の揺動制御方法及びその装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。例えば、移動体に弾性的に接続された物体の一例としてクレーンに吊り下げられた吊り荷の場合について説明したが、ワイヤを介して台車を駆動車で牽引する際の台車振動(ワイヤによる揺れ)の低減、台車上に防振バネを介して懸架又は上架された物体の移動時の振動低減にも、本発明の揺動制御方法及びその装置は適用できる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の揺動制御方法においては、物体を目的場所に移動させるときの物体の加速度パターンを設定する第1工程と、加速度パターンに基づいて物体の移動量及び揺れ量を演算する第2工程と、移動体を揺れ量及び移動量の和として求まる位置に移動する第3工程とを有するので、移動体を揺れ量及び移動量の和として求まる位置に移動したときの物体の揺れ量を加速度パターンで自由に調整することができ、加速度パターンを設定することにより移動中の物体の揺れ量を制御することが可能になると共に、目的場所に物体を移動させたときの物体の揺れ量(残存揺れ量)を高精度に制御することが可能になる。
【0032】
また、物体の揺れ状態を考慮しながら物体を移動する必要がないため、物体の迅速な加速及び減速が可能になる。
特に、物体の揺れ量が周期的に変化する場合、物体は揺れ周期よりも速く揺れることはないため、物体の加速時間及び減速時間を物体の振れ周期の半分の時間まで短くすることができ、物体の加速及び減速のサイクルタイムを短くすることが可能になる。
更に、物体の位置及び速度を検出せずに物体の揺れ量を制御するので、位置及び速度を検出するセンサの調整が不要になると共に、高価なセンサを設置する必要がなく、移動体を用いた物体の移動作業コストを低減することが可能になる。
【0033】
特に、請求項2記載の揺動制御方法においては、加速度パターンで物体が目的場所に到達したときの物体の移動速度及び加速度をそれぞれ零にするので、物体が目的場所に到達したときに物体を停止させて、しかも物体の揺れを零にすることができ、物体を目的場所に到達させて直ちに荷役作業を開始することができる。
【0034】
請求項3記載の揺動制御方法においては、物体が移動体に連結部材を用いて吊り下げられている場合、連結部材の長さ変化を考慮して揺れ量を演算するので、物体を移動している際に連結部材の長さに変化が生じても、常にそのときの連結部材の長さに対応した物体の揺れ量を演算することができ、移動中の物体の揺れ量を演算することが可能になる。更に、連結部材の長さを変えながら物体を移動させても、そのときの連結部材の長さに対応した物体の揺れ量を演算することが可能になる。
【0035】
請求項4及び5記載の揺動制御装置においては、物体を目的場所に移動するときの物体の移動過程を規定する加速度パターンを設定する加速度パターン設定器と、加速度パターン設定器より出力された加速度パターンに基づいて物体の移動量を演算する移動距離演算器と、加速度パターン設定器より出力された加速度パターンに基づいて物体の揺れ量を演算する揺れ量演算器と、移動距離演算器より出力された物体の移動量及び揺れ量演算器より出力された物体の揺れ量の和として求まる位置に移動体を移動する指示信号を出力する位置指示設定器とを有するので、移動体を微小時間毎に位置指示設定器が求めた位置に移動させながら物体を移動することができ、移動中の物体の揺れ量を加速度パターンを設定することにより制御することができると共に、目的場所に物体を移動させたときの物体の揺れ量(残存揺れ量)を加速度パターンを設定することにより高精度に制御することが可能になる。
【0036】
請求項5記載の揺動制御装置においては、物体が移動体に連結部材を用いて吊り下げられている場合、連結部材の長さを常時計測する連結部材長検出器を設けて、連結部材長検出器で得られた検出値を揺れ量演算器に入力するので、物体を移動している際に連結部材の長さに変化が生じても、常にそのときの連結部材の長さに対応した物体の揺れ量を演算することができ、移動中の物体の揺れ量を加速度パターンを設定することにより制御することができると共に、目的場所に物体を移動させたときの物体の揺れ量(残存揺れ量)を高精度に制御することが可能になる。更に、連結部材の長さを変えながら物体を移動させても、移動中の物体の揺れ量、及び目的場所に物体を移動させたときの物体の揺れ量(残存揺れ量)を高精度に制御することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る揺動制御装置の説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る揺動制御方法における加速度パターンの説明図である。
【図3】同揺動制御方法を示す制御ブロック図である。
【図4】実施例1で設定した加速度パターンの説明図である。
【図5】実施例1で物体に生じる揺れ量が零になるように制御するときに台車に要求される移動速度の変化と、台車の位置変化を示す説明図である。
【図6】実施例2で物体に生じる揺れ量が零になるように制御するときに台車に要求される移動速度の変化、台車の位置変化、及びワイヤの長さの変化を示す説明図である。
【図7】連結部材を用いて弾性的に移動体に連結された物体の運動を示す説明図である。
【符号の説明】
10:揺動制御装置、11:ワイヤ、12:物体、13:クレーン、14:台車、15:加速度パターン設定器、16:移動距離演算器、17:揺れ量演算器、18:位置指示設定器、20:台車駆動機、21:台車位置検出器、22:連結部材長検出器
Claims (5)
- 連結部材を用いて移動体に連結された物体を該移動体で移動する際に発生する該物体の揺動を制御する揺動制御方法であって、
前記物体を目的場所に移動させるときの該物体の加速度パターンを設定する第1工程と、
前記加速度パターンに基づいて前記物体の移動量及び揺れ量を演算する第2工程と、
前記移動体を前記揺れ量及び前記移動量の和として求まる位置に移動する第3工程とを有することを特徴とする揺動制御方法。 - 請求項1記載の揺動制御方法において、前記加速度パターンに前記物体の移動を開始させる加速部と、前記物体の移動を停止させる減速部を設け、該減速部を調整して前記物体が前記目的場所に到達したときの該物体の移動速度及び加速度をそれぞれ零にすることを特徴とする揺動制御方法。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の揺動制御方法において、前記物体が前記移動体に前記連結部材を用いて吊り下げられている場合、該連結部材の長さ変化を考慮して前記揺れ量を演算することを特徴とする揺動制御方法。
- 連結部材を用いて移動体に連結された物体を該移動体で移動する際に発生する該物体の揺動を制御する揺動制御装置であって、
前記物体を目的場所に移動するときの該物体の移動過程を規定する加速度パターンを設定する加速度パターン設定器と、
前記加速度パターン設定器より出力された加速度パターンに基づいて前記物体の移動量を演算する移動距離演算器と、
前記加速度パターン設定器より出力された加速度パターンに基づいて前記物体の揺れ量を演算する揺れ量演算器と、
前記移動距離演算器より出力された前記物体の移動量及び前記揺れ量演算器より出力された前記物体の揺れ量の和として求まる位置に前記移動体を移動する指示信号を出力する位置指示設定器とを有することを特徴とする揺動制御装置。 - 請求項4記載の揺動制御装置において、前記物体が前記移動体に前記連結部材を用いて吊り下げられている場合、該連結部材の長さを常時計測する連結部材長検出器を設けて、該連結部材長検出器で得られた検出値を前記揺れ量演算器に入力することを特徴とする揺動制御装置。
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JP (1) | JP2004277151A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110562852A (zh) * | 2019-09-17 | 2019-12-13 | 中南大学 | 天车运行驱动力控制方法、装置、设备及可读存储介质 |
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2003
- 2003-03-18 JP JP2003074049A patent/JP2004277151A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110562852A (zh) * | 2019-09-17 | 2019-12-13 | 中南大学 | 天车运行驱动力控制方法、装置、设备及可读存储介质 |
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