本発明は、インクジェット記録シートに関するものであり、さらに詳しくは高速印字に対応しうる十分なインク吸収性と高速搬送性を併せ持ったインクジェット記録シート及びそれを用いたインクジェット記録用葉書、インクジェット記録用名刺に関するものである。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの被記録媒体に付着させ、画像・文字などの記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々の用途に於いて急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。又、作成部数が少なくて済む用途に於いては、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
一般に、インクジェット記録シートに要求される特性は、高い印刷画像濃度と色調の鮮明性、ムラや汚れをなくすためのインク吸収性である。
一方、コンピュータ及びその周辺装置の低価格化が近年急速に進み、一般家庭にも数多くのインクジェットプリンタが導入されている。一般家庭でのインクジェットプリンタ導入の目的としては、自分だけのオリジナルの年賀状を作製したい、あるいは宛先毎に異なった内容の年賀状を出したいとしたものが多く、年間で最もインクジェットプリンタで印刷が行われる時期は、年賀状を作製する年末である。官製年賀葉書でもインクジェット記録に対応した「インクジェット紙」が発売され好評を博している。
また、プリンタメーカーの努力でプリンタの高精細さは既に写真印画紙の領域まで達し、印刷速度も高速化が図られ、以前は葉書1枚当たり数分かかっていた印刷時間も現在では1分程度で印刷が終了するようになった。
私製あるいは官製インクジェット記録用葉書に個人が自分でオリジナルの画像を印刷して写真入り葉書を作製するという要望と共に、従来ある写真印画紙と葉書を貼り合わせた写真ポストカードの代替としてインクジェットプリンタによる写真入り葉書の作製を商売としておこなう要望も出てきている。
しかし、商業的な面では、現在のインクジェットプリンタの印刷速度では葉書1枚印字するにも、写真ポストカードの作製、あるいは印刷機による印刷と比べて処理時間が長すぎコスト的に割高となってしまい、商売としては成立しにくい。そこで、主に商業用途用に印刷時間を大幅に短縮した、すなわち高速印刷が可能なカードプリンタが登場した(例えば、特許文献1参照)。カードプリンタは葉書と名刺に文字だけではなく絵柄も高速印刷でき、1枚当たりの印刷時間は数秒である。カードプリンタは、ヘッドが移動して印刷を行う従来のインクジェットプリンタとは異なり、ライン状のヘッドが装備されており、その下をインクジェット記録シートがベルトに乗って高速で搬送される。そのため、インクジェット記録シートがインクを吸収した際の印刷直後カールが大きすぎるとプリンタ内部で引っかかり、搬送トラブルを発生する。また、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比により、搬送トラブルを発生したり、排紙トレイの上に高速で積み重ねられた時に崩れ等の積載不良を発生する場合がある。さらに、高速で印刷された記録シートは上下に積まれるため、インクの吸収スピードが遅いと重なり合った際、裏面に下の記録シートのインクが転写してしまうトラブルも発生する。
特開平7−314808号公報
そこで、本発明の課題は、高速印刷に対応しうる十分なインク吸収性と高速搬送特性を併せ持ったインクジェット記録シート及びそれを用いたインクジェット記録用葉書、インクジェット記録用名刺を提供することである。
本発明者らは、以上のような問題点を解決するため鋭意研究の結果、以下の発明に至った。
すなわち、支持体の少なくとも一方の面にインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該支持体が坪量150〜300g/m2であり、かつインク受理層を設けたインクジェット記録シートのJIS P8125に規定される板紙のテーバーこわさ試験機によるこわさのタテ/ヨコ比が1.4〜2.4であるインクジェット記録シートの発明である。
該支持体がポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミドから選ばれた少なくとも1種類の乾燥紙力増強剤を含有し、酸化澱粉、カチオン化澱粉から選ばれた少なくとも1種類の表面サイズ液で表面サイズ処理されたことを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
該支持体が内添サイズ剤を含有しないことを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
該支持体が内添サイズ剤を含有し、該内添サイズ剤が酸性抄紙用サイズ剤であり、かつ該内添サイズ剤の含有量が該支持体の全質量に対して0.10質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
該支持体が内添サイズ剤を含有し、該内添サイズ剤が中性抄紙用サイズ剤であり、かつ該内添サイズ剤の含有量が該支持体の全質量に対して0.05質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
該支持体のJIS P8140に規定されるコッブ法による吸水度が200〜350g/m2であることを特徴とする上記インクジェット記録シートの発明である。
固定型ラインヘッドを搭載したインクジェットプリンタで印刷することを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
印刷直後のカール値が搬送方向に対して垂直方向に0mm〜−15mmであることを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
上記インクジェット記録シートを用いたインクジェット記録用葉書またはインクジェット記録用名刺の発明である。
本発明のインクジェット記録シートは、カードプリンタのような高速印刷に最適な高速搬送性・積載性とインク吸収性を有し、良好な印刷物を得ることができ、非常に有効である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるこわさとは紙の曲げに対する抵抗であり、剛度、こしなどと言われるものである。こわさのタテ/ヨコ比とは、JIS P8125に規定される板紙のテーバーこわさ試験機により測定したインクジェット記録シートのタテ方向、すなわち支持体抄造時の抄紙機の進行方向のこわさ(A)とヨコ方向、すなわちタテ方向と直角の方向のこわさ(B)との比(A/B)をいう。本発明のインクジェット記録シートは、坪量が150〜300g/m2である支持体の少なくとも一方の面にインク受理層を設け、該インクジェット記録シートのJIS P8125に規定される板紙のテーバーこわさ試験機によるこわさのタテ/ヨコ比が1.4〜2.4であることに特徴があり、本発明の坪量とこわさのタテ/ヨコ比を満たすことで、印刷時の安定した高速搬送性と積載性を得ることができる。こわさのタテ/ヨコ比が1.4より小さくなると搬送性の若干の低下が見られるようになり、タテ/ヨコ比が2.4を超えると高速搬送性と積載性が著しく低下する。
本発明に係わる支持体は、坪量が150〜300g/m2であり、かつ少なくとも一方の面にインク受理層を設けてインクジェット記録シートとなしたとき、該インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比が1.4〜2.4となるものであれば特に制限されない。例えば、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプ、ケナフ、バガス、コットン等の非木材パルプ、と従来公知の顔料を主成分として、バインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された原紙である。該原紙をそのまま本発明のインクジェット記録シートに係わる支持体としても良いし、さらに、該原紙に、公知の処理方法で表面サイズ処理を行い、本発明に係わる支持体としても良い。また、この様な原紙に、そのまま本発明に係るインク受理層を設けてもよいし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を利用して平坦化処理をした後にインク受理層を設けてもよい。
本発明のインクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を調整する手段としては、支持体の密度、支持体を構成するセルロースパルプの種類、叩解条件、填料の添加量、紙力増強剤等の接着剤の添加量、表面サイズの乾燥片面付着量、インク受理層の塗布量、インク受理層中の結着剤含有量、カレンダー条件等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係わる支持体で使用できる填料としては、従来公知のものが使用でき、何ら制限されない。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料などが挙げられる。
本発明に係わる支持体に用いる表面サイズ剤としては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。主成分としては、例えば、澱粉、酸化澱粉、変性澱粉、澱粉誘導体、セルロース誘導体、アルギン酸ソーダなどの天然高分子類、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、石油樹脂系、ロジンエステル系、スチレン・マレイン酸系共重合体、スチレン・アクリル共重合体系、スチレン・アクリルエマルジョン系共重合体、アクリル系共重合体系、アクリルエマルジョン系、オレフィン・マレイン酸樹脂系共重合体、ウレタン系、アルキルケテンダイマー、スチレン・メタアクリル酸系共重合体、アクリロニトリル・ビニルホルマール・アクリル酸エステル共重合体、ロジン系などの表面サイズ剤が挙げられる。
一般に、紙力増強剤を大別すると、耐折強度などの紙の乾燥強度を強化する乾燥紙力増強剤と、乾紙を水に浸した後の湿潤強度を向上させる湿潤紙力増強剤に分けることができる。乾燥紙力増強剤としては、例えば、澱粉、酸化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、カチオン化澱粉、植物ガム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド(アニオン性、カチオン性、両性)、変性ポリアクリルアミド等を挙げることができる。湿潤紙力増強剤としては、例えば、澱粉、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレンイミン、エポキシ化ポリアミド樹脂、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、メチロール化ポリアクリルアミド等を挙げることができる。
本発明に係わる支持体には、乾燥紙力増強剤を含有することが好ましい。さらに、好ましくは、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミドから選ばれた少なくとも1種類の乾燥紙力増強剤を含有し、かつ酸化澱粉、カチオン化澱粉から選ばれた少なくとも1種類の表面サイズ液により表面サイズ処理することにより、本発明のインクジェット記録シートは、優れた高速搬送性・積載性と共にインク吸収性を大幅に向上させることができ、さらに、高速印刷時の積み重ねによるインクの転写を防止することができる。
乾燥紙力増強剤の含有量は、特に制限されないが、支持体全体に対し0.1〜10質量%程度が好ましい。
本発明に係わる支持体は、少なくとも一方の表面が表面サイズ液により表面サイズ処理されていてもよく、該表面サイズ液の乾燥付着量も特に制限されないが、片面付着量で0.5〜15g/m2が好ましい。また、表面サイズ処理の方法は特に制限されず、従来公知な方法で塗布される。例えば、コンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレス、タブサイズプレスの他、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターなど各種塗工機である。また、サイズプレス液の固形分濃度は特に制限されず、目標とする乾燥片面付着量を達成するべく調整すればよい。
本発明のインクジェット記録シートにおいて、支持体に内添サイズ剤を含有しないことが好ましい。内添サイズ剤を含有しない支持体を用いることにより、本発明のインクジェット記録シート印刷時において、良好なインク吸収性と良好な印刷直後カールを達成できることが判明した。
本発明に係わる内添サイズ剤を含有しない支持体は、内添サイズ剤さえ含有していなければよく、他は通常の紙と同様に、特に制限されない。例えば、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプ、ケナフ、バガス、コットン等の非木材パルプ、と従来公知の顔料を主成分として、バインダー及び定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造することができる。さらに、該無サイズ紙に必要であれば、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を利用して平坦化処理をしてもよい。
さらに、本発明のインクジェット記録シートにおいて、支持体に内添サイズ剤として、酸性抄紙用サイズ剤を、その含有量が該支持体の全質量に対して0.10質量%以下として含有させても良い。また、該支持体に内添サイズ剤として、中性抄紙用サイズ剤を、その含有量が該支持体の全質量に対して0.05質量%以下として含有させても良い。これらによっても、本発明のインクジェット記録シート印刷時において、適度のインク吸収性と適度の印刷直後カールを達成できることが判明した。
酸性抄紙用サイズ剤とは、例えば、強化ロジンサイズ剤、部分マレイン化またはフマル化ロジンをロジン石鹸あるいは各種界面活性剤を乳化剤として水に分散させたロジン系エマルジョンサイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤等を挙げることができる。酸性抄紙用サイズ剤の支持体への含有量は支持体の全質量に対して0.10質量%以下であることが好ましい。含有量が0.10質量%を超えるとインクジェット記録シートにした時にインク吸収性が低下する傾向となる。
中性抄紙用サイズ剤とは、例えば、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、イソシアナート系サイズ剤、アジリジン誘導体系サイズ剤、カルボニル誘導体系サイズ剤、ロジン無水物、脂肪酸無水物、ポリマー系サイズ剤を挙げることができる。中性抄紙用サイズ剤の支持体への含有量は支持体の全質量に対して0.05質量%以下であることが好ましい。含有量が0.05質量%を超えると、インクジェット記録シートにした時にインク吸収性がやや低下する傾向となる。
本発明に係わる支持体の吸水度は、JIS P8140に規定されるコッブ法により測定されたものである。測定開始10秒後の吸水度を200〜350g/m2とすることで、本発明のインクジェット記録シート印刷時において、良好なインク吸収性と良好な印刷直後カールを達成することができる。該吸水度が200g/m2より低いとインクジェット記録シートにした時のインク吸収性が若干低下することがある。また、350g/m2を超えるとインクジェット記録シートにした時の印刷画像濃度が低下する傾向が出てくる。
本発明のインクジェット記録シートに設けられるインク受理層は、少なくとも顔料と結着剤よりなるものであり、該支持体の少なくとも一方の面に設けられ、該支持体の両面に設けても良い。
該顔料としては、従来公知の如何なるものも用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、チサンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、気相法シリカ、α,β,γ,δ−等のアルミニウム酸化物、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリスチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂の有機顔料等の白色顔料を一種類以上用いることができる。中でも、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ等が挙げられ、特に細孔容量の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。通常これら顔料の平均粒子径は0.1〜20μmの範囲が好ましい。本発明において非晶質シリカを用いると、良好なインクジェット適性が得られる。
該結着剤としては、例えば、天然高分子物質として、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、及びコーンスターチ等の澱粉類、ラミナラン、海藻マンナン、ふのり、アイリッシュモス、寒天、及びアルギン酸塩等の藻類から得られるもの、とろろあおい、やまいも、マンナン、クインスシード、ペクチン、トラガントガム、カラヤガム、キサンチンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、アラビアガム、キャロブガム、及びベンゾインガム等の植物性粘質物、デキストラン、グルカン、キサンタンガム、及びレバン等のホモ多糖類、並びにサクシノグルカン、プルラン、カードラン、及びザンタンガム等のヘテロ糖類等の微生物粘質物、にかわ、ゼラチン、カゼイン、及びコラーゲン等のタンパク質等が挙げられる。
また、半天然物(半合成品)としては、例えば、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の繊維素誘導体、カルボキシメチルグアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、及びヒドロキシエチルグアーガム等の変性ガム、並びに前記天然高分子物質の加工或いは誘導体が挙げられる。
半合成品である加工澱粉としては、例えば、白色デキストリン、黄色デキストリン、及びブリディシュガム等の培焼澱粉、酵素デキストリン及びシャーディンガーデキストリン等の酵素変性デキストリン、可溶化澱粉等の酸分解澱粉、ジアルデヒドスターチ等の酸化澱粉、変性及び無変性アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、リン酸澱粉、脂肪酸澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン酸澱粉、及びカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、カルボキシアルキル澱粉、スルホアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、及びジアルキルアミノ澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロキシアルキル架橋澱粉、リン酸架橋澱粉、及びジカルボン酸架橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリルアミド共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カチオン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、カチオン性澱粉ビニルポリマー共重合体、澱粉スチレンマレイン酸共重合体、及び澱粉ポリエチレンオキサイド共重合体等の澱粉グラフト共重合体等が挙げられる。
合成品としては、例えば、ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、及びポリビニルイソブチルエーテル等の変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステル部分けん化物、ポリメタクリル酸塩、及びポリアクリルアマイド等のポリアクリル酸誘導体及びポリメタクリル酸誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合物、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、ニトリルブタジエン共重合体(NBR)、スチレンアクリル酸エステル共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、スチレンクロトン酸共重合体、及び塩化ビニル含有共重合体等が挙げられる。以上のバインダーは単独または二種以上を組合わせて用いても良い。
本発明に係わるインク受理層に含有される結着剤の配合量は、該インク受理層のインク吸収性を阻害しない範囲であれば特に制限されない。好ましくは、顔料100質量部に対して2〜100質量部である。
本発明のインク受理層には、顔料および結着剤に加え、必要に応じて、界面活性剤、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等の公知の各種添加剤を使用することもできる。
本発明のインク受理層の層構成は、単層であっても多層であっても良い。多層構成の場合、全層が同じ配合の層であってもよいし、他の成分で構成される層との多層構成であっても良い。
本発明のインク受理層の塗工量としては、1〜40g/m2の範囲であることが好ましい。塗工量が1g/m2未満ではインク受理層によるインク吸収性が不十分なため、吸収ムラ等が発生し、印刷画像品質に悪影響が生じることがある。また、40g/m2を越えるとインク受理層と支持体の間の接着強度が低下することがある。
本発明に係わる支持体へのインク受理層の塗工方法としては、スライドホッパーコーティング方式、カーテンコーティング方法、エクストルージョンコーティング方式、エアーナイフコーティング方式、ブレードコーティング方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、及びグラビアコーティング方式、サイズプレスコーティング方式、スプレーコーティング方式等が挙げられる。これらコーティング方式は、オンマシン或いはオフマシンで行うことができる。また、塗工後にはカレンダーを用いて仕上げても良い。カレンダーの方法としては、マシンカレンダー方式、TGカレンダー方式、スーパーカレンダー方式、ソフトカレンダー方式、エンボスカレンダー方式等が挙げられる。
本発明のインクジェット記録シートは、固定型ラインヘッドを搭載したインクジェットプリンタで印字することにより、その効果を顕著に発揮することができる。固定型ラインヘッドを搭載したインクジェットプリンタは、一般にカードプリンタと呼ばれ、特開平7−314808号公報等に開示されている技術を用いたものである。例えば、BJ COLOR CARD PRINTER P−400C、P−400CII、P−660C(いずれも、キヤノンファインテック(株)製)等を挙げることができる。
本発明のインクジェット記録シートは、印刷直後のカール値が搬送方向に対して垂直方向に0mm〜−15mmであることが好ましい。より好ましくは−1mm〜−10mmである。
本発明における印刷直後のカール値とは、プリンタから排出されたインクジェット記録シート四隅のカール値の測定が終了するまでの時間を考慮し、印刷開始から10秒以内に測定したカール値のことである。葉書と名刺について文字印刷からインク打ち込み量が最大200%となるベタ画像までの画像を印刷して検討した結果、印刷直後カール値とプリンタ搬送性には相関関係があり、カール値が−15mmより大きくなると搬送不良が増加する傾向であった。また、葉書より名刺の方が搬送トラブルを発生しやすい傾向であった。マイナスカールとは印刷面に対して反対方向にカールした状態のことであり、搬送方向に対して垂直方向にややマイナスカールした状態が積載性には良好な状態である。また、搬送方向に対してマイナスカール状態になると積載不良が発生する。
本発明のインクジェット記録シートの印刷直後のカール値を調整する手段としては、支持体の密度、支持体を構成するセルロースパルプの種類、叩解条件、填料の添加量、紙力増強剤等の接着剤の添加量、表面サイズの乾燥片面付着量、インク受理層の塗布量、インク受理層中の結着剤含有量、カレンダー条件等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、必要に応じて支持体に填料と接着剤からなるカール調整層を設けても良い。
本発明に係わる支持体の片面にインク受理層を設けてインクジェット記録シートとし、インク受理層の反対面にオフセット印刷等により郵便番号表示箇所等の印刷を行ったのち、葉書サイズ(148mm×100mm等)に断裁してカードプリンター用インクジェット葉書とすることができる。また、支持体の両面にインク受理層を設けたインクジェット記録シートでは、インク受理層の片面に郵便番号表示箇所等を印刷し、カードプリンター用インクジェット葉書とすることができる。支持体の両面にインク受理層を設けたインクジェット記録シートでは、インクジェットプリンタによる両面印刷が可能となる。
また、本発明のインクジェット記録シートを名刺サイズ(90mm×55mm等)に断裁すれば、カードプリンター用インクジェット名刺として使用することが出来る。
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。なお、配合において示す部数は実質成分(固形分)の数量である。こわさの測定は、JIS P8125の規定に基づいて行った。
〈インク受理層塗布液の作製〉
合成非晶質シリカ((株)トクヤマ ファインシールX37B)100部、ポリビニルアルコール((株)クラレ PVA117)50部、カチオン性染料定着剤(住友化学工業(株) スミレーズレジン1001)20部を用い、これを水に混合、調液し、固形分濃度15%とし、これをインク受理層塗布液とした。
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーサイズ剤(荒川化学工業(株) サイズパインK903)0.10部(支持体全体に対しての0.095%)、乾燥紙力増強剤としてポリビニルアルコール((株)クラレ PVA−SM)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量140g/m2で原紙を抄造し、乾燥した後、表面サイズ液としてスチレン系樹脂(荒川化学工業(株) ポリマロン385)をインクラインドサイズプレスで乾燥片面付着量5g/m2で該原紙の両面に塗布し支持体を作製した(支持体坪量150g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は400g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥して本発明のインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.4であった。
原紙の坪量を130g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を10g/m2とした(支持体坪量150g/m2)以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は380g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ2.0であった。
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーサイズ剤(荒川化学工業(株) サイズパインK903)0.1部(支持体全体に対しての0.095%)、乾燥紙力増強剤としてポリビニルアルコール((株)クラレ PVA−SM)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量290g/m2で原紙を抄造し、乾燥した後、表面サイズ液としてスチレン系樹脂(荒川化学工業(株) ポリマロン385)をインクラインドサイズプレスで乾燥片面付着量5g/m2で該原紙の両面に塗布し支持体を作製した(支持体坪量300g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は420g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥した。さらに、スーパーカレンダー処理を施して本発明のインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.4であった。
原紙の坪量を280g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を10g/m2とした(支持体坪量300g/m2)以外は実施例3と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は390g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ2.4であった。
原紙の坪量を170g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を15g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は400g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.8であった。
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーサイズ剤(荒川化学工業(株) サイズパインK903)0.1部(支持体全体に対しての0.095%)、乾燥紙力増強剤として変性ポリアクリルアミド(日本PMC(株) DS401)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量200g/m2で抄造し、乾燥して支持体を作製した(支持体坪量200g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は420g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥した。さらに、スーパーカレンダー処理を施して本発明のインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.4であった。
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーサイズ剤(荒川化学工業(株) サイズパインK903)0.1部(支持体全体に対しての0.095%)、乾燥紙力増強剤として変性ポリアクリルアミド(日本PMC(株) DS401)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量190g/m2で原紙を抄造し、乾燥した後、該原紙の両面に表面サイズ液として酸化澱粉(日本食品化工(株) MS3800)をインクラインドサイズプレスで乾燥片面付着量5g/m2で塗布し乾燥して支持体を作製した(支持体坪量200g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は180g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥した。さらに、スーパーカレンダー処理を施して本発明のインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.9であった。
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーサイズ剤(荒川化学工業(株) サイズパインK903)0.1部(支持体全体に対しての0.095%)、乾燥紙力増強剤としてポリビニルアルコール((株)クラレ PVA−SM)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量190g/m2で原紙を抄造し、乾燥した後、該原紙の両面に表面サイズ液として酸化澱粉(日本食品化工(株) MS3800)をインクラインドサイズプレスで乾燥片面付着量5g/m2で塗布し乾燥して支持体を作製した(支持体坪量200g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は180g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥した。さらに、スーパーカレンダー処理を施して本発明のインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.9であった。
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、乾燥紙力増強剤としてポリビニルアルコール((株)クラレ PVA−SM)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量196g/m2で原紙を抄造し、乾燥した後、該原紙の両面に表面サイズ液としてスチレン系樹脂(荒川化学工業(株) ポリマロン385)をインクラインドサイズプレスで乾燥片面付着量2g/m2で塗布し支持体を作製した(支持体坪量200g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は400g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥して本発明のインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.8であった。
原紙の坪量を190g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を5g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例9と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は350g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.8であった。
原紙の坪量を180g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を10g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例9と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は200g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.9であった。
原紙の坪量を174g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を13g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例9と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。なお、該支持体のコッブ法による吸水度は180g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.9であった。
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、内添サイズ剤として酸性抄紙用サイズ剤であるロジン系サイズ剤(荒川化学工業(株) サイズパインE−50)0.10部(支持体全体に対して0.095%)、乾燥紙力増強剤としてポリビニルアルコール((株)クラレ PVA−SM)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量196g/m2で原紙を抄造し、乾燥した後、該原紙の両面に表面サイズ液としてスチレン系樹脂(荒川化学工業(株) ポリマロン385)をインクラインドサイズプレスで乾燥片面付着量2g/m2で塗布し支持体を作製した(支持体坪量200g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は420g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥した。さらに、スーパーカレンダー処理を施して本発明のインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.4であった。
原紙の坪量を190g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を5g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例13と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は350g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.8であった。
原紙の坪量を180g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を10g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例13と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は200g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.9であった。
原紙の坪量を174g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を13g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例13と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は180g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.9であった。
酸性抄紙用サイズ剤0.10部を中性抄紙用サイズ剤であるアルキルケテンダイマーサイズ剤(荒川化学工業(株) サイズパインK903)0.05部(支持体全体に対して0.047%)に変更した以外は実施例13と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は400g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.8であった。
原紙の坪量を190g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を5g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例17と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は350g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.8であった。
原紙の坪量を180g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を10g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例17と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は200g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ2.1であった。
原紙の坪量を174g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を13g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例17と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は180g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ2.1であった。
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、乾燥紙力増強剤として変性ポリアクリルアミド(日本PMC(株) DS401)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量194g/m2で原紙を抄造し、乾燥した後、該原紙の両面に表面サイズ液として酸化澱粉(日本食品化工(株) MS3800)をインクラインドサイズプレスで乾燥片面付着量3g/m2で塗布し乾燥して支持体を作製した(支持体坪量200g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は400g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥した。さらに、スーパーカレンダー処理を施して本発明のインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.6であった。
原紙の坪量を188g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を6g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例21と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は350g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.6であった。
原紙の坪量を182g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を9g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例21と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は200g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.8であった。
原紙の坪量を174g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を13g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例21と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は180g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.9であった。
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、内添サイズ剤として酸性抄紙用サイズ剤であるロジン系サイズ剤(荒川化学工業(株) サイズパインE−50)0.10部(支持体全体に対して0.095%)、乾燥紙力増強剤として変性ポリアクリルアミド(日本PMC(株) DS401)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量194g/m2で原紙を抄造し、乾燥した後、該原紙の両面に表面サイズ液として酸化澱粉(日本食品化工(株) MS3800)をインクラインドサイズプレスで乾燥片面付着量3g/m2で塗布し乾燥して支持体を作製した(支持体坪量200g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は400g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥した。さらに、スーパーカレンダー処理を施して本発明のインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.8であった。
原紙の坪量を188g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を6g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例25と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は350g/m2であり、作製したインクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.6であった。
原紙の坪量を182g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を9g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例25と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は200g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.8であった。
原紙の坪量を174g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を13g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例25と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は180g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.9であった。
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、内添サイズ剤として中性抄紙用サイズ剤であるアルキルケテンダイマーサイズ剤(荒川化学工業(株) サイズパインK903)0.05部(支持体全体に対して0.047%)、乾燥紙力増強剤として変性ポリアクリルアミド(日本PMC(株) DS401)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量194g/m2で原紙を抄造し、乾燥した後、該原紙の両面に表面サイズ液として酸化澱粉(日本食品化工(株) MS3800)をインクラインドサイズプレスで乾燥片面付着量3g/m2で塗布し乾燥して支持体を作製した(支持体坪量200g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は400g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥した。さらに、スーパーカレンダー処理を施して本発明のインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.8であった。
原紙の坪量を188g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を6g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例29と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は350g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.8であった。
原紙の坪量を180g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を10g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例29と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は200g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.9であった。
原紙の坪量を174g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を13g/m2とした(支持体坪量200g/m2)以外は実施例29と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は180g/m2であり、作製したインクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.9であった。
(比較例1)
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーサイズ剤(荒川化学工業(株) サイズパインK903)0.10部、乾燥紙力増強剤としてポリビニルアルコール((株)クラレ PVA−SM)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量124g/m2で原紙を抄造し、乾燥した後、該原紙の両面に表面サイズ液としてスチレン系樹脂(荒川化学工業(株) ポリマロン385)をインクラインドサイズプレスで乾燥片面付着量3g/m2で塗布し支持体を作製した(支持体坪量130g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は380g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥してインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.2であった。
(比較例2)
原紙の坪量を120g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を5g/m2とした(支持体坪量130g/m2)以外は比較例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は380g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.4であった。
(比較例3)
原紙の坪量を112g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を9g/m2とした(支持体坪量130g/m2)以外は比較例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は380g/m2であり、作製したインクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ2.0であった。
(比較例4)
原紙の坪量を104g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を13g/m2とした(支持体坪量130g/m2)以外は比較例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は280g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ2.5であった。
(比較例5)
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーサイズ剤(荒川化学工業(株) サイズパインK903)0.10部、乾燥紙力増強剤としてポリビニールアルコール((株)クラレ PVA−SM)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量329g/m2で原紙を抄造し、乾燥した後、該原紙の両面に表面サイズ液としてスチレン系樹脂(荒川化学工業(株) ポリマロン385)をインクラインドサイズプレスで乾燥片面付着量0.5g/m2で塗布し支持体を作製した(支持体坪量330g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は380g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥してインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.2であった。
(比較例6)
原紙の坪量を328.4g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を0.8g/m2とした(支持体坪量330g/m2)以外は比較例5と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は280g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.4であった。
(比較例7)
原紙の坪量を326g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を2.0g/m2とした(支持体坪量330g/m2)以外は比較例5と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は280g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ2.0であった。
(比較例8)
原紙の坪量を324g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を3.0g/m2とした(支持体坪量330g/m2)以外は比較例5と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は280g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ2.5であった。
(比較例9)
広葉樹パルプ(LBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で320mlの叩解LBKPを得た。針葉樹パルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーで叩解し、カナダ標準ろ水度で350mlの叩解NBKPを得た。叩解LBKP70部と叩解NBKP30部からなる木材パルプ100部に、填料として軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、乾燥紙力増強剤として変性ポリアクリルアミド(日本PMC(株) DS401)0.1部、硫酸バンド0.5部を加え、スラリーを調整後、長網抄紙機を用いて坪量128g/m2で原紙を抄造し、乾燥した後、該原紙の両面に表面サイズ液として酸化澱粉(日本食品化工(株) MS3800)をインクラインドサイズプレスで乾燥片面付着量1g/m2で塗布し乾燥して支持体を作製した(支持体坪量130g/m2)。該支持体のコッブ法による吸水度は300g/m2であった。次に、該支持体の一方の面にインク受理層塗布液をエアーナイフコーティング方式で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように塗布、乾燥した。さらに、スーパーカレンダー処理を施して本発明のインクジェット記録シートを作製した。インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ1.2であった。
(比較例10)
原紙の坪量を124g/m2とし、さらに、表面サイズ液の乾燥片面付着量を3.0g/m2とした(支持体坪量130g/m2)以外は比較例9と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作製した。該支持体のコッブ法による吸水度は280g/m2であり、インクジェット記録シートのこわさのタテ/ヨコ比を測定したところ2.0であった。
実施例および比較例で作製したインクジェット記録シートの内容を表1、2および3にまとめる。なお、表中でPVAはポリビニルアルコールを、PAAはポリアクリルアミド、AKDはアルキルケテンダイマーを表す。
<試験方法>
インク吸収性−1(インク転写)
実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シートを縦目(支持体の抄造方向に対して巾方向が葉書の短辺となるよう)に断裁し、葉書100枚用意する。インクジェットプリンタとしてカードプリンタ(キヤノンファインテック(株) P−400CII)を用い、インク打ち込み量100%のブラックとシアンとマゼンタとイエロー、インク打ち込み量200%のレッド(マゼンタ100%+イエロー100%)とブルー(マゼンタ100%+シアン100%)とグリーン(シアン100%+イエロー100%)のベタ画像(四角形)が入った印刷画像を100枚連続印刷する。印刷されたサンプルはプリンタ排紙トレイに積み重ねられる。100枚の印刷が終了した後、サンプルを重ねたまま1kgの荷重(底面積が葉書サイズのもの)をかけ、30分間放置する。その後、裏面にインクが転写していないか確認する。1枚も裏面にインクの転写が起こっていないものを○と判定し、うっすら転写があるものを△と判定する。△は実用上問題のないレベルである。明らかに転写が判るものは実用上問題となり、×と判定する。
インク吸収性−2(境界滲み)
インク転写試験で印刷した印刷物の各色の境界滲みを目視判定する。境界で滲みが全く見られないものを○、僅かに滲みが見られるものを△と判定し、かなりの滲みが見られ実用上問題となるものを×と判定する。
搬送性
実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シートを横目(支持体の抄造方向に対して巾方向が名刺の長辺となるよう)に断裁し、名刺500枚を用意する。インクジェットプリンタとしてカードプリンタ(キヤノンファインテック(株) P−400CII)を用い、インク打ち込み量200%のブルー(マゼンタ100%+シアン100%)の全面ベタ画像を連続印刷する。プリンタ内部にサンプルが詰まる等トラブルが500枚の印刷中何回発生したか確認する。トラブルの回数が0でなければ実用上問題となる。
印刷直後カール値の測定
排出口から出てきた印刷物を排紙トレイから素早く抜き取り、机の上に置いて四隅の机上面からの高さ測定してカール値とする。測定は印刷開始から10秒以内に素早く行わなければならない。マイナスカールとは印刷面に対して反対方向にカールした状態のことであり、搬送方向に対して垂直方向にカールした状態をヨコカール、搬送方向にカール状態をタテカールと呼ぶ。
積載性
搬送性試験終了後、排紙トレイに積まれた印刷物の形態を目視判定する。大きなズレや崩れのないものを○と判定し、ややズレがあるが崩れのないものを△と判定する。崩れのあるものは実用上問題となるので×と判定する。搬送性が悪い場合は評価不能(−)となる。
表4、5より明らかなように、本発明のインクジェット記録シートは、カードプリンタのような高速印刷に対して安定した印刷適性(インク吸収性)と高速搬送性・積載性を示している。さらに、特定の紙力増強剤と特定の表面サイズ剤を組み合わせることでインク吸収性が向上し、排紙トレイに積載されても裏面へのインク転写は起こらない。さらに、支持体に内添サイズ剤を含有させなかったり、内添サイズ剤として、支持体の全質量に対して、酸性抄紙用サイズ剤を0.10質量%以下含有させたり、あるいは、中性抄紙用サイズ剤を0.05質量%以下含有させることでインクの境界滲みの発生を押さえ、さらに、特定の吸水度とすることで、インク吸収性が向上する。一方、表6から明らかなように、比較例にあるインクジェット記録シートでは、高速搬送性・積載性に不良が発生している。また、インク吸収性も満足のいくレベルではない。