JP2004276189A - クランプ装置 - Google Patents

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Shoichi Sakai
正一 酒井
Takeo Hayashi
武男 林
Yoshihiko Terao
好彦 寺尾
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Abstract

【課題】第一の部材に対して、所定の穴部を有する第二の部材を、より有利な操作で確実にクランプして、固定し得るクランプ装置を提供する。
【解決手段】第一の部材92に固定されるベース部10に固着された筒状クランプ部12に、第二の部材96の穴部98内に突入せしめられた状態下で、軸直角方向に撓み変形せしめられて、穴部98に係合する突入部34を設ける一方、筒状クランプ部12の内孔内に、軸方向への移動により、突入部34を押圧して、撓み変形させる押圧部材50を挿入配置し、更に、ベース部10の凹所14内に、押圧部材50と共に軸方向に一体移動せしめられる第二の移動部材56を配置すると共に、側方から操作せしめられる操作部材74にて軸直角方向に移動せしめられることにより、第二の移動部材56と押圧部材50とを軸方向に一体移動させる第一の移動部材86,88を配設して、構成した。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、クランプ装置に係り、特に、工作機械の基台(テーブル)等の第一の部材に対して、位置決め穴等の所定の穴部が設けられたワーク(被加工物)やジグプレート等の第二の部材を、かかる穴部を利用してクランプし、固定せしめるようにしたクランプ装置の改良された構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、工作機械の基台等に対して、ワークやジグプレート等を固定して、保持せしめる際には、各種のクランプ装置等が、用いられている。そして、固定されるべき被固定部材に位置決めのための穴部が設けられている場合には、一般に、基台の所定位置に配置された位置決めピンを、かかる被固定部材に設けられた穴部に挿入せしめて、被固定部材の位置決めを行なった状態下で、被固定部材の形状や大きさ等の各種の条件に応じて、適当な構造を有するクランプ装置が適宜に選択されて、使用されているのである。
【0003】
一方、近年では、位置決め穴等の所定の穴部を有する被固定部材を、上述の如き位置決めピンを用いることなく、確実に位置決めしつつ、かかる被固定部材の穴部を利用して、基台等に固定し得るようにした特殊な構造を有するクランプ装置も、一部で使用されてきている。
【0004】
すなわち、このクランプ装置は、全体として、略円筒形状を呈する筒状クランプ部材と、かかる筒状クランプ部材の内孔内に挿入される押圧部材とを有して、構成されている。そして、かかるクランプ装置の筒状クランプ部材は、軸方向一方側の部位が、被固定部材の穴部に突入可能な突入部とされる一方、その他方側の部位に、基台等に固定されるベース部が一体的に設けられている。また、筒状クランプ部材の突入部には、軸方向に延びる切込みが複数設けられており、それによって、かかる突入部が、周方向に複数に分割せしめられて、径方向に撓み変形せしめられ得るようになっている。
【0005】
一方、押圧部材は、筒状クランプ部材の内孔内に、突入部側からベース部側に向かって、軸方向に移動可能に挿入配置されており、突入部への挿入部位の外周面が、ベース部側から突入部側に向かって徐々に大径化されたテーパ面からなる押圧面とされている。また、この押圧部材の突入部への挿入部位とは反対側の先端部位の外周面には、雄ねじ部が設けられている。
【0006】
かくして、かかるクランプ装置にあっては、筒状クランプ部材が、突入部を、被固定部材の位置決め穴等の穴部に突入させつつ、ベース部において、基台等に固定された状態下で、かかる筒状クランプ部材の内孔内に挿入された押圧部材が、その先端の雄ねじ部を、基台に設けられた雌ねじ穴に螺入せしめられることにより、筒状クランプ部材の突入部側からベース部側に向かって、軸方向に移動せしめられ、それに伴って、筒状クランプ部材の突入部が、押圧部材の押圧面にて押圧されて、径方向外方に向かって撓み変形せしめられるようになっている。そして、そのような突入部の撓み変形によって、突入部の外周面が、被固定部材の穴部の内周面に係合せしめられ、以て、被固定部材を、筒状クランプ部材の突入部にてクランプして、固定し得るようになっているのである。
【0007】
このように、被固定部材に設けられた穴部を利用して、被固定部材を基板等に固定する従来のクランプ装置においては、基台等に固定された筒状クランプ部材の突入部が、被固定部材の穴部に突入せしめられるようになっているところから、かかる筒状クランプ部材の突入部が、位置決めピンの機能を果たすようになっており、しかも、この突入部の外周面が、穴部の内周面に係合することにより、被固定部材がクランプされ得るようになっているため、被固定部材の基台等への固定面以外の面上には、突出部位が何等存在せしめられないように構成されているのである。それ故、かかるクランプ装置を用いれば、位置決めピンが有利に省略され得るばかりでなく、ワークの基台等への固定面以外の全ての面に対して、様々な加工を一挙に行なうことが可能となるといった利点が得られるのである。
【0008】
ところが、この従来のクランプ装置にあっては、押圧部材における雄ねじ部の形成側とは反対側の端面に六角穴等の操作穴が設けられているため、かかる操作孔に対応したレンチ等の工具が、第二の部材の穴部内に挿入され、その先端部において押圧部材の操作孔に突入せしめられた状態で回転せしめられることによって、押圧部材が、基台の雌ねじ穴に螺入されつつ、筒状クランプ部材の内孔内を軸方向に移動せしめられるようになっている。
【0009】
このため、かくの如き従来のクランプ装置を用いる場合、被固定部材に設けられた穴部が、被固定部材を貫通した形態とされていなければ、筒状クランプ部材の内孔内において、押圧部材を移動させて、突入部を撓み変形させることが出来ず、従って、被固定部材をクランプすることも出来なかったのである。また、かかる穴部が、貫通孔として形成されていても、例えば、そのような貫通孔を塞いでしまうような障害物が、被固定部材上に配置される場合にあっても、被固定部材のクランプを行なうこと目的として使用が不可能となってしまうといった問題が、内在していたのである。
【0010】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、第一の部材に対して、所定の穴部を有する第二の部材を、かかる穴部を利用して、クランプし、固定するようにしたクランプ装置において、第二の部材の穴部の形態に拘わらず、第二の部材のクランプを確実且つ容易に行ない得るように改良された構造を提供することにある。
【0011】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、第一の部材に対して、所定の穴部を有する第二の部材をクランプして、固定せしめるクランプ装置であって、(a)前記第一の部材に固定される、所定の凹所を備えたベース部と、(b)軸方向一方側の部位において、前記ベース部に一体的に固着されると共に、その他方側の部位が、前記第二の部材の穴部に突入される突入部とされた筒体からなり、且つ該突入部に対して軸方向に延びる切込みが複数設けられることによって、該突入部が、周方向に複数に分割せしめられて、軸直角方向に撓み変形せしめられ得るように構成された筒状クランプ部と、(c)該筒状クランプ部の内孔内に、該筒状クランプ部の前記突入部側から前記ベース部への固着側に向かって、該筒状クランプ部の軸方向に移動可能に挿入配置されて、該筒状クランプ部の突入部への挿入部位の外周面が、該筒状クランプ部の内孔内での移動方向後方側に向かって、該筒状クランプ部の軸直角方向に拡がる傾斜面からなる押圧面とされた押圧部材と、(d)前記押圧部材の移動方向前方側に向かって、前記筒状クランプ部の軸直角方向に傾斜する第一傾斜面を有して、前記ベース部の前記凹所内に、該軸直角方向に移動可能に配置された第一の移動部材と、(e)前記ベース部の側面に配設されて、側方からの操作により、前記第一の移動部材を前記筒状クランプ部の軸直角方向に移動せしめる操作部材と、(f)前記第一の移動部材の第一傾斜面に対応した傾斜面からなり、該第一傾斜面が摺動可能に接触せしめられる第二傾斜面を有して、前記ベース部の凹所内に、前記押圧部材に対して一体移動可能に連結された状態で配置されて、前記操作部材の操作による該第一の移動部材の移動に伴って、該第一傾斜面が該第二傾斜面に摺動せしめられることにより、該第一の移動部材にて押圧されて、前記押圧部材と共に軸方向に移動せしめられる第二の移動部材とを含み、前記筒状クランプ部の突入部を前記第二の部材の穴部内に突入せしめた状態下で、前記操作部材の操作による前記第一の移動部材に伴って、前記第二の移動部材と共に前記押圧部材を移動せしめることによって、該押圧部材の押圧面にて前記筒状クランプ部の突入部を押圧し、該突入部を軸直角方向に撓み変形せしめて、該突入部の外周面を該穴部の内周面に係合せしめることにより、該第二の部材を該筒状クランプ部にてクランプするように構成したことを特徴とするクランプ装置を、その要旨とするものである。
【0012】
要するに、この本発明に従うクランプ装置にあっては、筒状クランプ部のベース部を第一の部材に固定すると共に、突入部を第二の部材の穴部内に突入せしめた状態下で、操作部材によるベース部の側方からの操作により、第一の移動部材を筒状クランプ部の軸直角方向に移動せしめることによって、押圧部材が筒状クランプ部の軸方向に移動せしめられ、それに伴って、筒状クランプ部の突入部が軸直角方向に撓み変形せしめられるようになっている。そして、それによって、かかる突入部の外周面が第二の部材の穴部の内周面に係合せしめられ、以て、第二の部材が、筒状クランプ部にてクランプされつつ、第一の部材に対して固定されるようになっているのである。
【0013】
それ故、かかるクランプ装置においては、従来装置とは異なって、筒状クランプ部の内孔内において、押圧部材を軸方向に移動させて、筒状クランプ部の突入部を軸直角方向に撓み変形せしめる際に、所定の工具等を第二の穴部内に挿入し、そして、そのような工具にて、押圧部材の移動行なわしめる操作を行なう必要が、有利に皆無ならしめられ得る。
【0014】
従って、かくの如き本発明に従うクランプ装置を用いれば、内孔内に押圧部材が挿入位置せしめられた筒状クランプ部の突入部が突入せしめられる第二の部材の穴部が、かかる第二の部材を貫通する形態を有していなくとも、また、かかる穴部が貫通孔として形成されてはいるものの、第二の部材上に、そのような貫通孔を塞いでしまうような障害物が存在せしめられている場合にあっても、第二の部材を、それに設けられた穴部を利用して、確実にクランプしつつ、第一の部材に対して、容易に固定することが出来るのである。そして、その結果として、従来装置では到底得られない優れた使用性が、極めて効果的に発揮され得ることとなるのである。なお、本発明に従うクランプ装置において、押圧部材に設けられる傾斜面からなる押圧面や、第一及び第二の移動体の第一及び第二傾斜面は、それぞれ、テーパ面も含まれることが、理解されるべきである。
【0015】
また、そのように、本発明に従うクランプ装置にあっては、第二の部材に形成される穴部の形態に拘わらず、第二の部材を、第一の部材に対して、確実にクランプして、固定することが可能となっているため、例えば、ワークの基台等への固定面以外の全ての面に対して、様々な加工を一挙に行なう作業を、より確実に且つ容易に行なうことが出来るといったメリットが得られるのである。
【0016】
なお、このような本発明に従うクランプ装置の好ましい態様の一つによれば、前記操作部材が、外周面に雄ねじ部が形成された脚部と、回転操作を行なうための頭部とを一体的に有する雄ねじ部材にて構成されて、かかる雄ねじ部材が、該頭部を、前記ベース部の側面から側方に突出位置せしめつつ、該脚部を、該ベース部の前記凹所内に、回転可能で且つ移動不能な状態で、前記筒状クランプ部の軸直角方向に延出せしめて、該ベース部に配置される一方、前記第一の移動部材が、該雄ねじ部材の脚部の雄ねじ部に螺合可能で、且つ外周面の一部が前記第一傾斜面とされた雌ねじ部材にて構成されて、該雌ねじ部材が、該ベース部の凹所内において、該雄ねじ部材の脚部に螺合せしめられた状態で、回転不能に且つ該脚部の延出方向に移動可能に位置せしめられることにより、該雄ねじ部材の回転に伴って、該脚部の延出方向に移動せしめられ得るように配置されて、構成されることとなる。
【0017】
このような構成を有するクランプ装置にあっては、雄ねじ部材と雌ねじ部材とで構成されるねじ機構にて、押圧部材が軸方向に移動せしめられることとなるため、押圧部材の移動ストロークの微調整が、有利に且つ容易に為され得るのであり、それによって、第二の部材の穴部の内周面に対する筒状クランプ部の突入部の外周面の係合状態、つまり第二の部材に対する筒状クランプ部のクランプ状態が、適正な状態となるように、有利に調整され得るのである。
【0018】
また、本発明に従うクランプ装置において、操作部材が雄ねじ部材にて構成されると共に、第一の移動部材が雌ねじ部材にて構成される場合には、有利には、雄ねじ部材が、前記脚部の軸方向の一端部側に右雄ねじ部が形成されると共に、その他端部側に左雄ねじ部が形成されて、構成される一方、雌ねじ部材が、該雄ねじ部材の脚部における右雄ねじ部と左雄ねじ部とに対してそれぞれ螺合されて、該雄ねじ部材の回転操作により、該雄ねじ部材の軸方向において互いに接近/離隔移動せしめられる右雌ねじ部材と左雌ねじ部材とにて構成される。
【0019】
このような構成によれば、ベース部の凹所内において、筒状クランプ部の軸直角方向に離間して配置された右雌ねじ部材と左雌ねじ部材のそれぞれの第一傾斜面に対して、第二の移動部材が、第二傾斜面の二箇所において接触せしめられるようになるところから、右雌ねじ部材と左雌ねじ部材の移動に伴って、第二の移動部材が、それら右及び左雌ねじ部材にて確実に且つバランス良く押圧されつつ、移動せしめられ得ることとなり、以て、押圧部材の軸方向の移動が、よりスムーズに為され得る。そして、その結果として、筒状クランプ部による第二の部材のクランプ操作が、より一層円滑且つ確実に行なわれ得ることとなるのである。
【0020】
さらに、本発明に従うクランプ装置の別の望ましい態様の一つによれば、前記ベース部の凹所内に、前記押圧部材の移動方向後方側に向かって付勢力を発揮する付勢手段が設けられて、前記第二の移動部材が、該押圧部材と一体移動せしめられた状態下で、該付勢手段の付勢力により、該押圧部材と共に、その移動方向の後方側に向かって付勢せしめられるように構成される。
【0021】
このような構成を有するクランプ装置にあっては、第二の部材を筒状クランプ部にてクランプさせるための操作とは反対の操作を、操作部材にて行なうか、若しくはそのような操作部材のクランプ操作状態を解消するだけで、押圧部材が、その押圧面にて、筒状クランプ部の突出部を押圧する方向とは逆の方向に向かって、第二の移動部材と共に移動せしめられ、それによって、第二の部材の筒状クランプ部によるクランプが解消され得るのである。従って、第二の部材のクランプ状態からの解消が、より容易に行なわれ得るといった、更に一層優れた使用性が、発揮され得ることとなるのである。
【0022】
また、本発明に従うクランプ装置の有利な他の態様の一つによれば、前記押圧部材の押圧面形成側とは反対側の端部に雄ねじが形成される一方、前記第二の移動部材に、該押圧部材の雄ねじが螺合可能な雌ねじが設けられて、それら押圧部材と第二の移動部材とが、該雄ねじの該雌ねじに対する螺合によって、一体移動可能に連結されて、構成される。これによって、第二の移動部材に対する押圧部材の連結が、簡略な構造で、より確実に行なわれ得るのである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に係るクランプ装置の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0024】
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を有するクランプ装置の一実施形態が、その上面形態と縦断面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態のクランプ装置は、同軸上において上下方向に延びるベース部10と筒状クランプ部12とを有して、構成されている。
【0025】
より具体的には、このクランプ装置を構成するベース部10は、全体として、厚肉の略有底円筒形状を呈しており、その内孔が凹所14とされている。そしてかかるベース部10にあっては、筒壁部の下端外周面に、径方向外方に所定高さ突出し、且つ周方向に連続して延びるフランジ部16が、一体的に設けられており、また、その筒壁部の上端内周面には、雌ねじ18が、形成されている。
【0026】
さらに、ベース部10の筒壁部における軸方向(上下方向)中間部の径方向の一方向に対向する二つの部位には、外側が大径部とされた段付の円形孔20が、それぞれの部位を貫通して、同軸上に位置するように設けられている。そして、それら二つの円形孔20,20の一方における大径部内には、円環状のカラーリング22が、位置固定に設けられており、また、その他方の大径部内には、かかる他方の円形孔20を覆蓋するキャッププレート24が、位置固定に設けられている。
【0027】
また、このようなベース部10の底部の中心部には、外面(下面)が大径化された段付円形状の中心孔26が、かかる底部を貫通して形成されており、この中心孔26の下側大径部分内に、円板状のロケートピン28が嵌め込まれている。更に、ベース部10の凹所14内には、付勢手段としての複数の皿ばね30が、底部に形成された中心孔26の周囲を取り囲むようにして、底部の内面(上面)上に載置されて、収容されている。なお、図1中、31は、ベース部10を、後述する基台に固定するための取付ボルトが挿通される挿通孔である。
【0028】
一方、筒状クランプ部12は、全体として、前記ベース部10の凹所14内に挿入可能な外径を有する円筒形状を呈しており、その軸方向(上下方向)の中間部に、かかる部分を薄肉化する括れ部32が設けられ、この括れ部32を含む上側部位が、突入部34とされている一方、残りの下側部位が、固着部36とされている。
【0029】
そして、筒状クランプ部12の下側部位からなる固着部36においては、上端外周面に、外向きフランジ38が一体形成されており、また、その下端外周面には、前記ベース部10の筒状クランプ部12の上端内周面に設けられた雌ねじ18に螺合可能な雄ねじ40が、形成されている。
【0030】
一方、筒状クランプ部12の突入部34には、括れ部32を経て、固着部36との境界部付近にまで達する長さをもって、軸方向に真っ直ぐに延びる切込み42が、周方向に等間隔をおいて、複数形成されている。これによって、かかる突入部34が、筒壁部を周方向に複数に分割せしめてなる複数の分割片44を有して構成されて、それら複数の分割片44が、それぞれ、径方向外方に押圧されることにより、薄肉の括れ部32を支点にして、径方向外方に撓むように弾性変形せしめられ得るようになっている。また、このような突入部34を構成する複数の分割片44においては、その内周面の上側部位が、上方に向かうに従って次第に大径化するテーパ面からなるテーパ状被押圧面46とされている。
【0031】
そして、かくの如き構造とされた筒状クランプ部12が、固着部36の下側部分を、ベース部10の凹所14内に挿入せしめた状態で、ベース部10上に、同軸的に位置せしめられて、固着部36の外向きフランジ38の下端面が、ベース部10の筒壁部の上端面に接触せしめられるまで、固着部36の雄ねじ40が、ベース部10の雌ねじ18に螺合されることにより、ベース部10に対して、一体的に固着せしめられている。
【0032】
なお、図3に示されるように、ここでは、ベース部10の筒壁部の上端部位に、止めねじ48が、その先端面を、筒状クランプ部12における固着部36の下側部分の外周面に接触させる位置まで螺入されており、これによって、筒状クランプ部12が、無用な回転により、ベース部10から離脱せしめられるようなことが阻止され得るようになっている。
【0033】
また、図1及び図2示されるように、上述の如くしてベース部10に固着された筒状クランプ部12の内孔内には、押圧部材としての押圧ピン50が、挿通されている。この押圧ピン50は、全体として、筒状クランプ部12の内径よりも所定寸法小さな外径を有する丸棒材にて、構成されている。そして、その下端外周面に、雄ねじ部52が、形成されており、また、その上端外周面には、筒状クランプ部12の突入部34の上端部内周面に形成されたテーパ状被押圧面46に対応して、下方に向かうに従って次第に小径化するテーパ面からなるテーパ状押圧面54が、設けられている。
【0034】
そして、このような押圧ピン50が、テーパ状押圧面54を、筒状クランプ部12における突入部34のテーパ状被押圧面46に接触させると共に、雄ねじ部52が形成された下端部を、ベース部10の凹所14内に突出位置せしめた状態で、筒状クランプ部12の内孔内に、軸方向に移動可能に挿通位置せしめられているのである。
【0035】
一方、ベース部10の凹所14内には、第二の移動部材としてのセンターピン56が、収容配置されている。このセンターピン56は、全体として、略円柱形状を呈しており、凹所14の内径よりも僅かに小さな外径と、凹所14の底面から、該凹所14内に、下側部分において挿入位置せしめられた筒状クランプ部12の下端面までの高さよりも、所定の寸法だけ低い高さとを有している。これによって、センターピン56が、ベース部10の凹所14内に収容された状態下で、かかる凹所14内を、ベース部10の軸方向、換言すれば、筒状クランプ部12の軸方向たる上下方向に、前記凹所14の底面から筒状クランプ部12の下端面までの高さとの差に応じて寸法だけ、移動せしめられ得るようになっている。
【0036】
なお、ここでは、図3に示される如く、ベース部10の筒壁部の上端部位に、止めねじ58が、その先端面を、センターピン56の外周面に接触させる位置まで螺入されていることによって、センターピン56が、凹所14内で、軸心回りに回転せしめられるようなことが、防止され得るようになっている。
【0037】
また、図1乃至図3から明らかなように、センターピン56は、軸方向中間部の外周面の径方向一方向に対向する二つの部位に、凹陥部60が、それぞれ設けられている。そして、それら各凹陥部60は、矩形の凹所形態を有しており、上下方向に対向する二つの側面のうちの下方に位置する側面が、凹陥部60の開口方向、つまり、筒状クランプ部12の軸方向に直角な方向となる、センターピン56の径方向外方に向かって下傾する、第二傾斜面としての被摺動傾斜面62とされている。
【0038】
さらに、そのような二つの凹陥部60が設けられたセンターピン56の軸方向中間部には、かかる部分を径方向に貫通する貫通孔64が、二つの凹陥部60のうちの一方の凹陥部60の底面の中心部から、他方の凹陥部60の底面の中心部に向かって延出するように、形成されている。換言すれば、かかる貫通孔64は、二つの凹陥部60,60のそれぞれの底面の中心部において、側方に向かって開口する状態で、センターピン56の軸方向中間部を貫通して、形成されているのである。
【0039】
また、センターピン56の上端面の中心部には、前記押圧ピン50の下端部に設けられた雄ねじ部52が螺合可能な雌ねじ穴66が、設けられている。一方、センターピン56の下端面の中心部には、前記ベース部10の中心孔26の上側小径部分に突入可能な大きさの円形突起68が、一体的に形成されており、また、そのような円形突起68を取り囲むようにして、円形溝70が、設けられている。
【0040】
そして、このようなセンターピン56が、下端面に一体形成された円形突起68をベース部10の中心孔26内に突入せしめることにより位置決めされた状態で、ベース部10の底部内面上に中心孔26の周囲を取り囲んで載置された複数の皿ばね30を、円形溝70内に、その底面に接触させるように収容せしめると共に、貫通孔64を、ベース部10の軸方向中間部に設けられた前記二つの円形孔20,20に対して同軸的に位置せしめつつ、ベース部10の凹所14内に配置されている。また、そのような配置状態下において、上端面に設けられた雌ねじ穴66に、ベース部10の凹所14内に突出位置せしめられた、外周面に雄ねじ部52を有する押圧ピン50の下端部が、螺入せしめられて、かかる押圧ピン50に対して、容易に且つ確実に連結されている。これによって、ここでは、センターピン56が、押圧ピン50と共に、筒状クランプ部12の軸方向たる上下方向に一体移動せしめられ得るようにして、収容配置されている。
【0041】
なお、ここでは、センターピン56の上端部位に、止めねじ72が、その先端面を、センターピン56の雌ねじ穴66に螺入された押圧ピン50の下端外周面に接触させる位置までねじ込まれており、それによって、押圧ピン50が、無用な回転により、センターピン56から離脱せしめられるようなことが阻止され得るようになっている。また、ベース部10の底部内面上に載置された複数の皿ばね30が、センターピン56の下端面の円形溝70内に、その底面に接触させるように収容せしめられているところから、センターピン56が、押圧ピン50と共に、下方に移動せしめられた際に、複数の皿ばね30の付勢力によって、上方に向かって付勢せしめられるように構成されている。
【0042】
さらに、このセンターピン56が収容位置せしめられたベース部10内には、操作部材(雄ねじ部材)としての操作ボルト74が、位置せしめられている。この操作ボルト74にあっては、頭部が操作部76とされており、脚部78の基部側外周面に、左雄ねじ部80が形成されている一方、その先端側外周面に右雄ねじ部82が形成され、また、それら左雄ねじ部80と右雄ねじ部82との間の部分が、平坦な外周面を有する平坦面部84とされている。更に、かかる操作ボルト74の脚部は、少なくとも、センターピン56がベース部10の凹所14内で押圧ピン50と一体移動せしめられ得る距離に相当する寸法だけ、センターピン56の貫通孔64の内径よりも小さな外径を有している。
【0043】
そして、この操作ボルト74が、脚部78を、ベース部10の軸方向中間部に設けられた二つの円形孔20,20のうち、外側大径部分に前記カラーリング22が位置固定に設けられた円形孔20から、外側大径部分に前記キャッププレート24が位置固定に設けられた円形孔20に向かって、延出せしめつつ、操作部76を、カラーリング22が設けられる円形孔20から、ベース部10の側面たる側壁部の外周面上に突出位置させた状態で、ベース部10の凹所14内に、回転可能に挿入配置されている。また、そのような配置状態下で、操作部76における脚部78側の端面が、カラーリング22に接触して、係合せしめられる一方、脚部78の先端面に、キャッププレート24を貫通する取付ねじが螺入せしめられることにより、軸方向に移動不能とされている。更に、ベース部10の凹所14内に延出せしめられた脚部78の中間部の平坦面部84が、かかる凹所14内に位置せしめられたセンターピン56の貫通孔64内に挿通されており、また、左雄ねじ部80と右雄ねじ部82とが、センターピン56の二つの凹陥部60,60の各底面における貫通孔64の開口部から、センターピン56(筒状クランプ部12)の軸方向に直角な方向に向かって、それぞれ延出せしめられている。
【0044】
また、操作ボルト74が挿入配置されたベース部10の凹所14内には、第一の移動部材としての左雌ねじ部材86と右雌ねじ部材88も、それぞれ収容配置されている。これら左雌ねじ部材86と右雌ねじ部材88は、何れも、略厚肉の円筒体からなる同一形状を有しており、各内周面に、左雌ねじと右雌ねじとが、それぞれ形成されている。そして、それら左及び右雌ねじ部材86,88は、内孔が、径方向の一方側に偏奇した位置に設けられていることによって、側壁部における径方向の一方向に対向する二つの部位のうちの一方が厚肉部とされる一方、他方の部位が薄肉部とされている。また、この各雌ねじ部材86,88における筒壁部の厚肉部位には、端面が斜めに切除されて形成される如き形態を有する第一傾斜面としての摺動傾斜面90が、それぞれ設けられている。
【0045】
そして、このような左雌ねじ部材86と右雌ねじ部材88とが、ベース部10の凹所14内に挿入配置された操作ボルト74の左雄ねじ部80と右雄ねじ部82とに、それぞれ螺合されている。また、そのような螺合状態下で、各雌ねじ部材86,88の軸方向の一方側部分が、ベース部10の側壁部に設けられた二つの円形孔20における各小径部内に、カラーリング22やキャッププレート24との間に所定の距離を隔てて、挿入せしめられる一方、端面に摺動傾斜面90が設けられた、軸方向の他方側部分が、ベース部10の凹所14内に位置せしめられたセンターピン56の各凹陥部60内に、その底面との間に所定の間隔をおいて、突入せしめられている。そして、センターピン56の各凹陥部60内への突入部分側の端面に設けられた各摺動傾斜面90が、各凹陥部60の側面に設けられた前記被摺動傾斜面62に対して、摺動可能に接触せしめられている。
【0046】
これによって、左雌ねじ部材86と右雌ねじ部材88とが、ベース部10の凹所14内において、操作ボルト74の左雄ねじ部80と右雄ねじ部82とに、それぞれ螺合された状態下において、回転不能に且つ操作ボルト74の延出方向に移動可能に配置されており、以て、それら左及び右雌ねじ部材86,88が、操作ボルト74の右回転に伴って、互いに接近移動せしせしめられる一方、その左回転に伴って、互いに離隔移動せしめられるようになっており、また、そのような接近/離隔移動時に、それぞれの摺動傾斜面90において、センターピン56の各凹陥部60に設けられた被摺動傾斜面62に対して摺動せしめられるように構成されている。
【0047】
かくして、本実施形態のクランプ装置にあっては、図4に示されるように、第一の部材としての工作機械の基台92上に設けられた位置決め穴内に、ベース部10の底部外面に配設されたロケートピン28が嵌め込まれることにより、ベース部10を基台92上に位置決めされつつ、載置され、また、そのような載置状態下で、ベース部10のフランジ部16の各挿通孔31に挿通された取付ボルト94が基台92に螺入されることにより、ベース部10が、基台92上の所定位置に固定されるようになっている。
【0048】
そして、その一方、第二の部材としてのワーク96に設けられた穴部98内に、筒状クランプ部12の突入部34が突入せしめられた状態下で、ベース部10の外周面上において側方に突出位置せしめられた操作ボルト74の操作部76が、レンチ等の図示しない所定の工具による側方からの操作にて、右回転せしめられて、操作ボルト74全体が右回りに回転させられることにより、左雌ねじ部材86と右雌ねじ部材88とが、操作ボルト74の回転量に応じた量において、互いに接近移動せしめられる。また、その際に、それら各雌ねじ部材86,88の摺動傾斜面90が、センターピン56の被摺動傾斜面62に対して摺動せしめられる。これによって、センターピン56が、左及び右雌ねじ部材86,88にて下方に押圧されて、左及び右雌ねじ部材86,88の移動量、つまり、操作ボルト74の回転量に応じた量において、押圧ピン50と共に、筒状クランプ部12の軸方向たる下方に向かって移動せしめられるようになっている。なお、このとき、センターピン56は、ベース部10の凹所14の底部内面上に載置された前記複数の皿ばね30の付勢力が及ぼされて、上方に付勢せしめられる。
【0049】
また、そのような押圧ピン50の下方への移動によって、押圧ピン50のテーパ状押圧面54が、筒状クランプ部12の突入部34を構成する複数の分割片44のそれぞれにおけるテーパ状被押圧面46に摺動せしめられ、それに伴って、それら各分割片44が、押圧ピン50にて径方向外方に押圧されて、それと同一方向に撓むように弾性変形せしめられる。そして、それによって、各分割片44(突入部34)の外周面が、ワーク96の穴部98の内周面に係合せしめられ、以て、ワーク96が、筒状クランプ部12にてクランプされて、基台92に固定されるようになっているのである。
【0050】
また、かかるクランプ装置にあっては、上述の如き筒状クランプ部12によるワーク96のクランプ状態において、図示しない工具による側方からの操作にて、操作ボルト74が左回りに回転せしめられることにより、左雌ねじ部材86と右雌ねじ部材88とが互いに離隔移動せしめられ、それに伴って、各雌ねじ部材86,88の摺動傾斜面90が、センターピン56の被摺動傾斜面62に摺動せしめられて、各雌ねじ部材86,88のセンターピン56からの下方への押圧力が解消される。そして、その際に、センターピン56が、ベース部10の底部内面上に載置された複数の皿ばね30の付勢力にて、押圧ピン50と共に、上方に移動せしめられる。
【0051】
そして、このような押圧ピン50の上方への移動に伴って、筒状クランプ部12における突入部34の各分割片44に対して押圧ピン50から作用せしめられていた押圧力が解消されて、各分割片44が、径方向外側に撓むように弾性変形せしめられた状態から、変形前の状態に復元せしめられる。これによって、ワーク96の穴部98の内周面に対する各分割片44(突入部34)の外周面の係合が解除され、以て、筒状クランプ部12によるワーク96のクランプ状態が解消されるようになっているのである。
【0052】
このように、本実施形態のクランプ装置では、ベース部10を基台92に固定すると共に、筒状クランプ部12の突入部34をワーク96の穴部98内に突入せしめた状態下において、ベース部10の外周面上に突出位置せしめられた操作ボルト74の操作部76を、側方から回転操作せしめることによって、ワーク96をクランプして、基台92に固定し得るようになっており、また、そのようなクランプ状態から、操作ボルト74の操作部76を、側方から逆回転操作するだけで、ワーク96のクランプ状態を解消し得るようになっているのである。
【0053】
従って、かくの如き本実施形態に係るクランプ装置を用いれば、例えば、筒状クランプ部12における突入部34の各分割片44を径方向に外方に撓み変形させて、それら各分割片44(突入部34)の外周面をワーク96の穴部98の内周面に係合させるために、押圧ピン50を下方に移動せしめる操作が、ワーク部96の穴部98を通じて行なわれるようになっている従来装置とは異なって、ワーク96の穴部98が、ワーク96を貫通する形態とされていなくても、また、ワーク96上に、穴部98の上側開口部を塞いでしまうような障害物が存在していても、ワークを確実にクランプしつつ、基台92に対して容易に固定することが出来るのである。そして、その結果として、従来装置では到底得られない優れた使用性が、極めて効果的に発揮され得るのである。
【0054】
また、このようなクランプ装置においては、ワーク96の穴部98の形態に拘わらず、ワーク96を基台92に対して確実にクランプして、固定することが出来るため、例えば、ワーク96の基台92への固定面以外の全ての面に対して、様々な加工を一挙に行なうこと作業を、より確実に且つ容易に行なうことが出来るといった利点が得られるのである。
【0055】
さらに、本実施形態のクランプ装置にあっては、操作ボルト74と、かかる操作ボルト74の左雄ねじ部80と右雄ねじ部82にそれぞれ螺合された左雌ねじ部材86と右雌ねじ部材88とでねじ機構が構成されて、このねじ機構にて、左及び右雌ねじ部材86,88が互いに接近移動せしめられるのに伴って、押圧ピン50が、センターピン56と共に下方に一体移動せしめられることにより、ワーク96のクランプが行なわれ得るようになっているところから、押圧ピン50の下方への移動ストロークが、操作ボルト74に対する回転操作により微妙に調整され得るのであり、それによって、ワーク96のクランプ状態が、適正な状態となるように、より確実に調整され得るのである。
【0056】
また、かかるクランプ装置では、センターピン56が、左及び右雌ねじ部材86,88にて、左右両側から下方に押圧されるようになるため、センターピン56がバランス良く押圧されつつ、下方に移動せしめられ得ることとなり、それによって、かかるセンターピン56と一体移動せしめられる押圧ピン50の下方への移動が、よりスムーズに為され得る。そして、その結果として、筒状クランプ部12によるワーク96のクランプ操作が、より一層円滑且つ確実に行なわれ得ることとなるのである。
【0057】
さらに、本実施形態に係るクランプ装置においては、センターピン56が、下方に移動せしめられた際に、ベース部10の凹所14内に収容配置された複数の皿ばね30にて上方に付勢せしめられるようになっているために、ワーク96のクランプ状態下において、単に、操作ボルト74を、ワーク96のクランプを行なう際とは逆方向に回転操作するだけで、センターピン56と、それに連結された押圧ピン50とが、複数の皿ばね30の付勢力にて上方に移動せしめられて、ワーク96のクランプ状態が、容易に解消され得るようになっており、それによって、より一層優れた使用性が発揮され得るのである。
【0058】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0059】
例えば、第一の部材としての基台92に対するベース部10の固定構造や、押圧ピン50に対するセンターピン56の連結構造、更にはベース部10に対する操作ボルト74の配設構造等は、前記実施形態に示されるものに、何等限定されるものではない。
【0060】
また、前記実施形態では、筒状クランプ部12が、その下端外周面に設けられた雄ねじ40において、ベース部10の雌ねじ18に螺合されることにより、ベース部10に対して一体的に固着せしめられていたが、それら筒状クランプ部12とベース部10とを、一体形成された一体品にて構成しても、何等差し支えないのである。
【0061】
さらに、前記実施形態では、第一の移動部材が、操作ボルト74の左雄ねじ部80と右雄ねじ部82とに螺合せしめられた左雌ねじ部材86と右雌ねじ部材88とにて構成されていたが、それら二つのうちの何れか一つの雌ねじ部材のみにて、第一の移動部材を構成しても良い。
【0062】
また、そのような第一の移動部材の移動を行なわしめる操作部材も、前記実施形態に示される如き操作ボルト74に代えて、例えば、油圧や空気圧等の流体圧により作動せしめられるシリンダ部材等にて操作部材を構成することも、勿論可能である。
【0063】
さらに、押圧ピン50のテーパ状押圧面54や各分割片44のテーパ状被押圧面46を互いに対応する傾斜面にて構成しても良く、また、各雌ねじ部材86,88の摺動傾斜面90やセンターピン56の被摺動傾斜面62を互いに対応するテーパ面にて構成することも可能である。
【0064】
加えて、前記実施形態では、ワークをクランプして、基台に固定するクランプ装置に対して、本発明を適用したものの具体例が示されていたが、その他、ジグプレート等のワーク以外の部材をクランプして、基台や基台以外の部材に固定するクランプ装置の何れに対しても有利に適用され得るものであることは、勿論である。
【0065】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0066】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従うクランプ装置を用いれば、内孔内に押圧部材が挿入位置せしめられた筒状クランプ部の突入部が突入せしめられる第二の部材の穴部が、かかる第二の部材を貫通する形態を有していなくとも、また、かかる穴部が貫通孔として形成されてはいるものの、第二の部材上に、そのような貫通孔を塞いでしまうような障害物が存在せしめられている場合にあっても、第二の部材を、それに設けられた穴部を利用して、確実にクランプしつつ、第一の部材に対して、容易に固定することが出来るのである。そして、その結果として、従来装置では到底得られない優れた使用性が、極めて効果的に発揮され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うクランプ装置の一例を示す上面説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面説明図である。
【図3】図1におけるIII−III断面説明図である。
【図4】図1に示されたクランプ装置の使用状態を説明するための図であって、筒状クランプ部にて、ワークをクランプした状態を示している。
【符号の説明】
10 ベース部 12 筒状クランプ部
14 凹所 30 皿ばね
34 突入部 42 切込み
44 分割片 50 押圧ピン
54 テーパ状押圧面 56 センターピン
62 被摺動傾斜面 74 操作ボルト
86 左雌ねじ部材 88 右雌ねじ部材
90 摺動傾斜面 92 基台
96 ワーク 98 穴部

Claims (5)

  1. 第一の部材に対して、所定の穴部を有する第二の部材をクランプして、固定せしめるクランプ装置であって、
    前記第一の部材に固定される、所定の凹所を備えたベース部と、
    軸方向一方側の部位において、前記ベース部に一体的に固着されると共に、その他方側の部位が、前記第二の部材の穴部に突入される突入部とされた筒体からなり、且つ該突入部に対して軸方向に延びる切込みが複数設けられることによって、該突入部が、周方向に複数に分割せしめられて、軸直角方向に撓み変形せしめられ得るように構成された筒状クランプ部と、
    該筒状クランプ部の内孔内に、該筒状クランプ部の前記突入部側から前記ベース部への固着側に向かって、該筒状クランプ部の軸方向に移動可能に挿入配置されて、該筒状クランプ部の突入部への挿入部位の外周面が、該筒状クランプ部の内孔内での移動方向後方側に向かって、該筒状クランプ部の軸直角方向に拡がる傾斜面からなる押圧面とされた押圧部材と、
    前記押圧部材の移動方向前方側に向かって、前記筒状クランプ部の軸直角方向に傾斜する第一傾斜面を有して、前記ベース部の前記凹所内に、該軸直角方向に移動可能に配置された第一の移動部材と、
    前記ベース部の側面に配設されて、側方からの操作により、前記第一の移動部材を前記筒状クランプ部の軸直角方向に移動せしめる操作部材と、
    前記第一の移動部材の第一傾斜面に対応した傾斜面からなり、該第一傾斜面が摺動可能に接触せしめられる第二傾斜面を有して、前記ベース部の凹所内に、前記押圧部材に対して一体移動可能に連結された状態で配置されて、前記操作部材の操作による該第一の移動部材の移動に伴って、該第一傾斜面が該第二傾斜面に摺動せしめられることにより、該第一の移動部材にて押圧されて、前記押圧部材と共に軸方向に移動せしめられる第二の移動部材と、
    を含み、前記筒状クランプ部の突入部を前記第二の部材の穴部内に突入せしめた状態下で、前記操作部材の操作による前記第一の移動部材に伴って、前記第二の移動部材と共に前記押圧部材を移動せしめることによって、該押圧部材の押圧面にて前記筒状クランプ部の突入部を押圧し、該突入部を軸直角方向に撓み変形せしめて、該突入部の外周面を該穴部の内周面に係合せしめることにより、該第二の部材を該筒状クランプ部にてクランプするように構成したことを特徴とするクランプ装置。
  2. 前記操作部材が、外周面に雄ねじ部が形成された脚部と、回転操作を行なうための頭部とを一体的に有する雄ねじ部材にて構成されて、かかる雄ねじ部材が、該頭部を、前記ベース部の側面から側方に突出位置せしめつつ、該脚部を、該ベース部の前記凹所内に、回転可能で且つ移動不能な状態で、前記筒状クランプ部の軸直角方向に延出せしめて、該ベース部に配置される一方、前記第一の移動部材が、該雄ねじ部材の脚部の雄ねじ部に螺合可能で、且つ外周面の一部が前記第一傾斜面とされた雌ねじ部材にて構成されて、該雌ねじ部材が、該ベース部の凹所内において、該雄ねじ部材の脚部に螺合せしめられた状態で、回転不能に且つ該脚部の延出方向に移動可能に位置せしめられることにより、該雄ねじ部材の回転に伴って、該脚部の延出方向に移動せしめられ得るように配置されている請求項1に記載のクランプ装置。
  3. 前記雄ねじ部材が、前記脚部の軸方向の一端部側に右雄ねじ部が形成されると共に、その他端部側に左雄ねじ部が形成されて、構成される一方、前記雌ねじ部材が、該雄ねじ部材の脚部における右雄ねじ部と左雄ねじ部とに対してそれぞれ螺合されて、該雄ねじ部材の回転操作により、該雄ねじ部材の軸方向において互いに接近/離隔移動せしめられる右雌ねじ部材と左雌ねじ部材とにて構成されている請求項2に記載のクランプ装置。
  4. 前記ベース部の凹所内に、前記押圧部材の移動方向後方側に向かって付勢力を発揮する付勢手段が設けられて、前記第二の移動部材が、該押圧部材と一体移動せしめられた状態下で、該付勢手段の付勢力により、該押圧部材と共に、その移動方向の後方側に向かって付勢せしめられるようになっている請求項1乃至請求項3の何れかに記載のクランプ装置。
  5. 前記押圧部材の押圧面形成側とは反対側の端部に雄ねじが形成される一方、前記第二の移動部材に、該押圧部材の雄ねじが螺合可能な雌ねじが設けられて、それら押圧部材と第二の移動部材とが、該雄ねじの該雌ねじに対する螺合によって、一体移動可能に連結されている請求項1乃至請求項4の何れかに記載のクランプ装置。
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