JP2004276093A - 高清浄度鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続鋳造における取鍋交換部のスラグ流出に伴う清浄性の悪化を改善すること。
【解決手段】取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する高清浄度鋼の連続鋳造方法において、取鍋交換部位の前後の一定時間内に粒径が200μm以上かつ融点が1600℃以上の高融点フラックスを取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入位置の近傍のタンディッシュ内溶鋼に添加することにより、取鍋交換部位の清浄性を向上させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する高清浄度鋼の連続鋳造方法において、取鍋交換部位の前後の一定時間内に粒径が200μm以上かつ融点が1600℃以上の高融点フラックスを取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入位置の近傍のタンディッシュ内溶鋼に添加することにより、取鍋交換部位の清浄性を向上させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造時の取鍋交換部において不可避的に混入するスラグ粒子を効率的に除去し1級品の歩留向上させるための高清浄度鋼の連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
連続鋳造法の普及後、種々の技術開発により鋼材の清浄性は格段に向上している。しかしながら、直近の高清浄度鋼では定常的な鋳造を行える部分、いわゆる定常部においては問題ないが、取鍋交換部位などのいわゆる非定常部での鋼材の清浄度の向上には限界があり、1級品に当たる歩留が著しく低下する場合がある。このため、鋳造の非定常部、特に取鍋交換部位の清浄度の改善が取り組まれている。
【0003】
取鍋交換部の鋼材の清浄度を悪化させる原因としては、(1)スラグ、空気、耐火物などからの再酸化、(2)スラグなどの混入が挙げられる。(1)の再酸化によるアルミナの生成は、表面欠陥厳格材で問題となり、スラグ改質による再酸化防止、空気の遮断、耐火物の成分の変更、連鋳機内での溶鋼流動制御などの対策が行われている。表面欠陥に対しては、これらの対策及び鋳片以降での表面手入れにより1級品の充当は可能である。(2)のスラグ混入は、内部欠陥厳格材で問題となり、表面欠陥と異なり鋳造後の救済は不可能であるため、鋳造段階で清浄性を確保する必要がある。
【0004】
上記のスラグ混入については、抜本的に取鍋からタンディッシュへのスラグ流出を防止するか、もしくはタンディッシュ内スラグを鋳型へ巻き込みさせないあるいはスラグ系介在物をタンディッシュ内で浮上させることが必要である。これまでのスラグ流出防止技術としては、取鍋内に溶鋼を残し注入を停止することにより取鍋内の溶鋼表面のスラグの流出を防止する方法(例えば、特許文献1参照)やスラグ流出防止用の物体をスラグとメタルの間に挿入する方法(例えば、特許文献2参照)やスラグ流出検知技術(例えば、特許文献3参照)が挙げられる。しかしながら、前記取鍋内に溶鋼を残す場合は、多量の溶鋼を残すこととなり歩留を大幅に悪化させる。また、スラグ流出防止用の物体をスラグとメタルの間に挿入する方法では、スラグ流出防止用の物体を挿入する際にスラグを巻き込むため、完全にスラグ流出を防止することが難しい。さらにスラグ流出検知技術については、既にタンディッシュへスラグが流出したことを検知しているため、完全な流出防止はできない。
一方、タンディッシュ側でのスラグの巻き込み防止や浮上促進といった観点では、タンディッシュの形状などの改善(例えば、特許文献4参照)や取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注入する耐火物浸漬ノズルの内部にタンディッシュスラグの侵入あるいは流出スラグの残留を防止する技術(例えば、特許文献5、6参照)が挙げられる。しかしながら、タンディッシュの形状を変更する場合、特にタンディッシュの浴深を深くする場合には、非常に多大なコストが必要となる。また、耐火物浸漬ノズルの内部にタンディッシュスラグの侵入あるいは流出スラグの残留を防止する技術のみでは、取鍋交換部を定常鋳造状態の清浄性のレベルを確保することは困難である。
【0005】
以上のように従来技術においては、操業性の問題やスラグ流出が完全に防止できていない上に、多大なコスト増の問題もあり、低コストで効果的な方法が求められる。
【0006】
【特許文献1】
特開昭55−117548号公報
【特許文献2】
特開平08−267223号公報
【特許文献3】
特開昭56−1222656号公報
【特許文献4】
特開平05−169207号公報
【特許文献5】
特開昭59−197356号公報
【特許文献6】
特開平07−236948号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
連続鋳造法における取鍋交換部位の取鍋スラグ流出に伴う清浄性の著しい悪化を低コストで改善させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための手段は、以下の通りである。
手段1は、取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する連続鋳造方法において、取鍋交換部位の前後に粒径が200μm以上かつ融点が1600℃以上の高融点フラックスを取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入位置の近傍のタンディッシュ内溶鋼に添加することを特徴とする高清浄度鋼の連続鋳造方法である。
手段2は、取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する連続鋳造方法において、少なくとも(1)式から求まる取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入末期の間及び次取鍋の溶鋼注入開始後タンディッシュ内溶鋼量が定常量に達する間に取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入位置の近傍のタンディッシュ内溶鋼にフラックスを添加することを特徴とする手段1記載の高清浄度鋼の連続鋳造方法である。
H/Q≦5・・・(1)
H:取鍋内の注入口直上での溶鋼高さ(cm)
Q:取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入速度(ton/min)
手段3は、取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する連続鋳造方法において、取鍋注入ノズル内にフラックスを添加することを特徴とする手段1又は2記載の高清浄度鋼の連続鋳造方法である。
手段4は、取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する連続鋳造方法において、タンディッシュ内溶鋼に0.1kg/steel−ton以上の添加速度でフラックスを添加することを特徴とする手段1、2又は3記載の高清浄度鋼の連続鋳造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
取鍋交換部位の鋳片の介在物組成調査及び製品欠陥部での介在物組成調査を行った結果、スラグ系介在物の中でも溶鋼中では液体である球形のCaO−Al2O3系の介在物が悪影響を及ぼしていることがわかった。CaO−Al2O3系介在物の特徴は圧延時の変形能が小さく、圧延後にも比較的大きな塊状として残存し、ブリキなどの極薄材で欠陥になりやすいと考えられる。このため、スラグ混入起因の中でも比較的融点の低い球形介在物を低減することが必要である。
【0010】
CaO−Al2O3系の液体介在物は、溶鋼との濡れ性が良く溶鋼中での形態が球形であるために凝集しにくい。そこで、タンディッシュ内溶鋼に懸濁した球形のスラグ粒子を効率的に除去するために、これらの介在物と凝集しやすいフラックスを添加し凝集合体を促進させ浮上除去することを検討した。まず、CaO−Al2O3系の液体介在物と凝集しやすいフラックスという観点でフラックスの融点に関して検討した。小型炉を用いて、CaO−Al2O3系液体介在物に対する凝集性を評価した。評価方法は、CaO−Al2O3系液体介在物が混入している溶鋼中に融点の異なるフラックスを添加し一定時間保持前後の溶鋼中の介在物を調査し、CaO−Al2O3系液体介在物個数密度を比較し、フラックス添加前の個数で規格化した。結果を図1に示す。図1に示すように、フラックスの融点が1600℃以上のもので介在物残存率が0.1以下となる。通常、取鍋交換部位でのCaO−Al2O3系液体介在物の増加量は定常部位の10倍程度であるため、介在物残存率が0.1以下であれば定常部並となる。これらの評価においては、タンディッシュでの溶鋼温度を想定して溶鋼温度を1580℃としており、この温度で固体であるフラックスにおいて凝集効率が高いと考えられる。
【0011】
次に、フラックスの粒径について検討した。上記に示したような溶鋼温度で固体のフラックスを添加する場合には、ノズル詰まりへの悪影響及び鋳片残存の悪影響を極力抑えるために、フラックス粒径はできるだけ大きい方が好ましい。また、高融点フラックスとしてはコストや供給面から考えて酸化物系となり、代表的な酸化物(CaO、Al2O3、MgOなど)は比重が3〜4g/cm3である。このため、フラックスの比重を3.5g/cm3と代表させた場合のタンディッシュでの粒子浮上のシミュレーション計算を行った。図2にその結果を示すが、200μm以上の粒径であれば、タンディッシュ内で完全に浮上することがわかる。
【0012】
また、フラックスの添加時期については、取鍋交換部位でのスラグ流出に伴うスラグ系介在物の悪化タイミングに添加することが好ましい。取鍋の溶鋼注入末期における取鍋スラグが流出するタイミング及び次取鍋の溶鋼注入初期のタンディッシュ溶鋼量の回復期でのタンディッシュスラグの巻き込みタイミングに添加することが好ましい。取鍋の溶鋼注入末期における取鍋スラグが流出するタイミングを実際の鋳造時に評価した結果、H/Qで整理できることがわかった。ここで、Hは取鍋注入口の直上の溶鋼高さ(cm)、Qは取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入速度(ton/min)である。取鍋注入口の直上の溶鋼高さは、取鍋の幾何学的形状と取鍋内溶鋼重量から求めた。H/Qとスラグ流出タイミングの関係を図3に示す。図3に示すように、スラグが最も早く流出するタイミングはH/Q=5程度であることがわかった。このため、取鍋注入末期でのフラックス添加タイミングは、H/Q≦5の期間が好ましい。また、次取鍋の溶鋼注入初期では、タンディッシュ溶鋼量が定常量までに回復する間に添加することが好ましい。なお、鋳造中に断続的にフラックスを添加しても構わないが、添加コストや操業性とのバランスを考慮して行う必要がある。
【0013】
さらに、フラックスを添加する方法について検討を行った。基本的には、タンディッシュの溶鋼内特に取鍋から溶鋼が注入される近傍に均一に添加することが望ましい。これは、取鍋から溶鋼が注入される近傍が最も溶鋼流速が大きく、凝集が進行しやすいためである。通常、取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注入する際には、ノズルを介して行っており、これらのノズルには空気酸化防止のために不活性ガスを吹き込むことが多い。これらの不活性ガスとともにフラックスをノズル内に吹き込むことにより、溶鋼への均一添加とスラグ流出時の効率的添加が可能である(図4参照)。また、上記以外の方法では、取鍋からタンディッシュへ注入するノズルの近傍にランスを用いて吹き込むことも可能である(図5参照)。コスト的な面を考慮すると、ノズル内に吹き込む不活性ガスとともに添加する方法が好ましい。
【0014】
最後にフラックスの必要添加量について検討した。低炭Al−K鋼の取鍋交換部位に200〜1000μmの粒径のアルミナ粒子を添加速度を種々変更し、取鍋交換部位の製品欠陥の発生率で評価した。アルミナ粒子の添加速度は0.01〜0.3kg/steel−tonとし、取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注入するためのロングノズル内に吹き込む不活性ガスとともに添加した。アルミナ粒子の添加部位は、前記の取鍋の溶鋼注入末期のH/Q≦5の間と次取鍋の溶鋼注入初期のタンディッシュ溶鋼の回復期である。図6にアルミナ粒子の添加速度と取鍋交換部位の製品欠陥発生率指標との関係を示す。図6に示すように、添加速度が0.1kg/steel−ton以上で定常部と同等以下の欠陥発生率になることがわかった。
【0015】
添加するフラックスの組成については基本的にはどのような組成であっても構わない。ただし、フラックスのコスト、スラグ系介在物との凝集性、溶鋼との反応性、フラックスの比重を考慮して選択する必要がある。コストや供給面から考えると、Al2O3、CaO、MgOなどの酸化物の単体や複合体が好ましい。ただし、SiO2などのような溶鋼の再酸化を引き起こす成分やZrO2などのような比重の大きい成分が多量に含まれるフラックスは好ましくない。取鍋交換部位での溶鋼の再酸化を極力抑えるために、SiO2やMnO、FeOなどの成分は、50g/steel−ton(酸素量換算で10ppm程度)以下が好ましく、フラックス中濃度に換算すると5%以下となることが好ましい。フラックスの比重は4g/cm3以上であるとタンディッシュ内で200μmのフラックスを完全に浮上させることができないため、フラックスの比重が4g/cm3以下となるフラックス組成が好ましい。
【0016】
また、フラックスの形態としては、球状の形態よりも不定形の形態が好ましい。これは、球形の形態よりも不定形の形態の方が凝集に有利であるためである。
【0017】
【実施例】
実施例を以下に示す。
ブリキ用素材を対象に実施した。供試鋼の成分は、表1の成分である。製造条件を表2に示す。本発明以外の条件については、統一した製造条件とした。二次精錬におけるAl脱酸後の環流時間を10分とし、連続鋳造では垂直曲げ連鋳機とした。本発明例では、ベースとして取鍋注入ノズルに不活性ガスとともに200〜500μmのアルミナ粒子(融点2000℃以上)を吹き込んだ。本発明例1では、吹き込み速度0.05kg/steel−tonで鋳造中に添加した。本発明例2では、吹き込み速度0.05kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に添加した。本発明例2では、フラックスとしてAl2O3−5%CaOを用い、200μm以下のフラックスが1%残留したものを使用した。本発明例3では、吹き込み速度0.2kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に添加した。
比較例1は、タンディッシュ溶鋼へのフラックス添加を全く行っていない。比較例2は、取鍋注入ノズルに不活性ガスとともに吹き込み速度0.1kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間のみ200〜500μmのアルミナ粒子を吹き込んだ。比較例3は、取鍋注入ノズルに不活性ガスとともに吹き込み速度0.1kg/steel−tonで次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間のみ200〜500μmのアルミナ粒子を吹き込んだ。比較例4は、タンディッシュから鋳型へ注入するノズルの直上に吹き込み速度0.1kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に200〜500μmのアルミナ粒子を吹き込んだ。比較例5は、取鍋注入ノズルに不活性ガスとともに吹き込み速度0.1kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に200〜500μmの融点が1500℃のCaO−Al2O3−MgO系フラックスを吹き込んだ。比較例6は、取鍋注入ノズルに不活性ガスとともに吹き込み速度0.1kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に100〜500μmのアルミナ粒子を吹き込んだ。取鍋交換部位の鋳片の製品での欠陥発生率で評価した結果を表3に示す。欠陥発生率の指標は、1以下が合格であり、定常部位の鋳片の平均値は0.5である。欠陥発生率の指標が1以上の場合に×、1以下の場合に○、0.5以下の場合に◎とした。
【0018】
本発明例1は、吹き込み速度0.05kg/steel−tonで鋳造中に取鍋注入ノズルに不活性ガスとともに200〜500μmのアルミナ粒子(融点2000℃以上)を吹き込んでおり、欠陥発生率指標も1以下で合格である。
【0019】
本発明例2は、本発明例1と同じフラックスを、吹き込み速度0.05kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に添加しており、欠陥発生率指標も1以下で合格である。
【0020】
本発明例3は、本発明例1、2と同じフラックスを、吹き込み速度0.2kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に添加しており、欠陥発生率指標も0.5以下で定常部と同等以上の成績である。
【0021】
比較例1は、フラックス添加を行わなかったもので、欠陥発生率指標は1を大幅に超えて不合格である。
【0022】
比較例2は、次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間にフラックス添加を行っていないため、欠陥発生率指標は1を超えており、不合格である。
【0023】
比較例3は、取鍋注入末期のH/Q≦5の間にフラックス添加を行っていないため、欠陥発生率指標は1を超えており、不合格である。
【0024】
比較例4は、フラックス添加速度及び添加時期は問題ないが、添加位置が取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注入する近傍に添加していないため、欠陥発生率指標は1を超えており、不合格である。
【0025】
比較例5は、融点が1500℃のフラックスを添加しているため、凝集合体の効果は少なく欠陥発生率指標は1を大幅に超えており、不合格である。
【0026】
比較例6は、フラックス粒径が100〜500μmであり鋳片にフラックスが残存したため、欠陥発生率指標は1を超えており、不合格である。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】
以上の結果から、本発明法により連続鋳造における取鍋交換部位のスラグ流出に伴う清浄性の悪化を改善でき、ばらつきがなく安定的に高清浄度鋼が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フラックス融点と凝集効率との関係。
【図2】フラックス粒径とフラックス浮上率との関係。
【図3】H/Qとスラグ流出割合との関係。
【図4】ノズル内へのフラックス添加例。
【図5】タンディッシュ溶鋼へのフラックス添加例。
【図6】フラックス添加速度と欠陥発生率指標との関係。
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造時の取鍋交換部において不可避的に混入するスラグ粒子を効率的に除去し1級品の歩留向上させるための高清浄度鋼の連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
連続鋳造法の普及後、種々の技術開発により鋼材の清浄性は格段に向上している。しかしながら、直近の高清浄度鋼では定常的な鋳造を行える部分、いわゆる定常部においては問題ないが、取鍋交換部位などのいわゆる非定常部での鋼材の清浄度の向上には限界があり、1級品に当たる歩留が著しく低下する場合がある。このため、鋳造の非定常部、特に取鍋交換部位の清浄度の改善が取り組まれている。
【0003】
取鍋交換部の鋼材の清浄度を悪化させる原因としては、(1)スラグ、空気、耐火物などからの再酸化、(2)スラグなどの混入が挙げられる。(1)の再酸化によるアルミナの生成は、表面欠陥厳格材で問題となり、スラグ改質による再酸化防止、空気の遮断、耐火物の成分の変更、連鋳機内での溶鋼流動制御などの対策が行われている。表面欠陥に対しては、これらの対策及び鋳片以降での表面手入れにより1級品の充当は可能である。(2)のスラグ混入は、内部欠陥厳格材で問題となり、表面欠陥と異なり鋳造後の救済は不可能であるため、鋳造段階で清浄性を確保する必要がある。
【0004】
上記のスラグ混入については、抜本的に取鍋からタンディッシュへのスラグ流出を防止するか、もしくはタンディッシュ内スラグを鋳型へ巻き込みさせないあるいはスラグ系介在物をタンディッシュ内で浮上させることが必要である。これまでのスラグ流出防止技術としては、取鍋内に溶鋼を残し注入を停止することにより取鍋内の溶鋼表面のスラグの流出を防止する方法(例えば、特許文献1参照)やスラグ流出防止用の物体をスラグとメタルの間に挿入する方法(例えば、特許文献2参照)やスラグ流出検知技術(例えば、特許文献3参照)が挙げられる。しかしながら、前記取鍋内に溶鋼を残す場合は、多量の溶鋼を残すこととなり歩留を大幅に悪化させる。また、スラグ流出防止用の物体をスラグとメタルの間に挿入する方法では、スラグ流出防止用の物体を挿入する際にスラグを巻き込むため、完全にスラグ流出を防止することが難しい。さらにスラグ流出検知技術については、既にタンディッシュへスラグが流出したことを検知しているため、完全な流出防止はできない。
一方、タンディッシュ側でのスラグの巻き込み防止や浮上促進といった観点では、タンディッシュの形状などの改善(例えば、特許文献4参照)や取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注入する耐火物浸漬ノズルの内部にタンディッシュスラグの侵入あるいは流出スラグの残留を防止する技術(例えば、特許文献5、6参照)が挙げられる。しかしながら、タンディッシュの形状を変更する場合、特にタンディッシュの浴深を深くする場合には、非常に多大なコストが必要となる。また、耐火物浸漬ノズルの内部にタンディッシュスラグの侵入あるいは流出スラグの残留を防止する技術のみでは、取鍋交換部を定常鋳造状態の清浄性のレベルを確保することは困難である。
【0005】
以上のように従来技術においては、操業性の問題やスラグ流出が完全に防止できていない上に、多大なコスト増の問題もあり、低コストで効果的な方法が求められる。
【0006】
【特許文献1】
特開昭55−117548号公報
【特許文献2】
特開平08−267223号公報
【特許文献3】
特開昭56−1222656号公報
【特許文献4】
特開平05−169207号公報
【特許文献5】
特開昭59−197356号公報
【特許文献6】
特開平07−236948号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
連続鋳造法における取鍋交換部位の取鍋スラグ流出に伴う清浄性の著しい悪化を低コストで改善させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための手段は、以下の通りである。
手段1は、取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する連続鋳造方法において、取鍋交換部位の前後に粒径が200μm以上かつ融点が1600℃以上の高融点フラックスを取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入位置の近傍のタンディッシュ内溶鋼に添加することを特徴とする高清浄度鋼の連続鋳造方法である。
手段2は、取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する連続鋳造方法において、少なくとも(1)式から求まる取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入末期の間及び次取鍋の溶鋼注入開始後タンディッシュ内溶鋼量が定常量に達する間に取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入位置の近傍のタンディッシュ内溶鋼にフラックスを添加することを特徴とする手段1記載の高清浄度鋼の連続鋳造方法である。
H/Q≦5・・・(1)
H:取鍋内の注入口直上での溶鋼高さ(cm)
Q:取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入速度(ton/min)
手段3は、取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する連続鋳造方法において、取鍋注入ノズル内にフラックスを添加することを特徴とする手段1又は2記載の高清浄度鋼の連続鋳造方法である。
手段4は、取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する連続鋳造方法において、タンディッシュ内溶鋼に0.1kg/steel−ton以上の添加速度でフラックスを添加することを特徴とする手段1、2又は3記載の高清浄度鋼の連続鋳造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
取鍋交換部位の鋳片の介在物組成調査及び製品欠陥部での介在物組成調査を行った結果、スラグ系介在物の中でも溶鋼中では液体である球形のCaO−Al2O3系の介在物が悪影響を及ぼしていることがわかった。CaO−Al2O3系介在物の特徴は圧延時の変形能が小さく、圧延後にも比較的大きな塊状として残存し、ブリキなどの極薄材で欠陥になりやすいと考えられる。このため、スラグ混入起因の中でも比較的融点の低い球形介在物を低減することが必要である。
【0010】
CaO−Al2O3系の液体介在物は、溶鋼との濡れ性が良く溶鋼中での形態が球形であるために凝集しにくい。そこで、タンディッシュ内溶鋼に懸濁した球形のスラグ粒子を効率的に除去するために、これらの介在物と凝集しやすいフラックスを添加し凝集合体を促進させ浮上除去することを検討した。まず、CaO−Al2O3系の液体介在物と凝集しやすいフラックスという観点でフラックスの融点に関して検討した。小型炉を用いて、CaO−Al2O3系液体介在物に対する凝集性を評価した。評価方法は、CaO−Al2O3系液体介在物が混入している溶鋼中に融点の異なるフラックスを添加し一定時間保持前後の溶鋼中の介在物を調査し、CaO−Al2O3系液体介在物個数密度を比較し、フラックス添加前の個数で規格化した。結果を図1に示す。図1に示すように、フラックスの融点が1600℃以上のもので介在物残存率が0.1以下となる。通常、取鍋交換部位でのCaO−Al2O3系液体介在物の増加量は定常部位の10倍程度であるため、介在物残存率が0.1以下であれば定常部並となる。これらの評価においては、タンディッシュでの溶鋼温度を想定して溶鋼温度を1580℃としており、この温度で固体であるフラックスにおいて凝集効率が高いと考えられる。
【0011】
次に、フラックスの粒径について検討した。上記に示したような溶鋼温度で固体のフラックスを添加する場合には、ノズル詰まりへの悪影響及び鋳片残存の悪影響を極力抑えるために、フラックス粒径はできるだけ大きい方が好ましい。また、高融点フラックスとしてはコストや供給面から考えて酸化物系となり、代表的な酸化物(CaO、Al2O3、MgOなど)は比重が3〜4g/cm3である。このため、フラックスの比重を3.5g/cm3と代表させた場合のタンディッシュでの粒子浮上のシミュレーション計算を行った。図2にその結果を示すが、200μm以上の粒径であれば、タンディッシュ内で完全に浮上することがわかる。
【0012】
また、フラックスの添加時期については、取鍋交換部位でのスラグ流出に伴うスラグ系介在物の悪化タイミングに添加することが好ましい。取鍋の溶鋼注入末期における取鍋スラグが流出するタイミング及び次取鍋の溶鋼注入初期のタンディッシュ溶鋼量の回復期でのタンディッシュスラグの巻き込みタイミングに添加することが好ましい。取鍋の溶鋼注入末期における取鍋スラグが流出するタイミングを実際の鋳造時に評価した結果、H/Qで整理できることがわかった。ここで、Hは取鍋注入口の直上の溶鋼高さ(cm)、Qは取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入速度(ton/min)である。取鍋注入口の直上の溶鋼高さは、取鍋の幾何学的形状と取鍋内溶鋼重量から求めた。H/Qとスラグ流出タイミングの関係を図3に示す。図3に示すように、スラグが最も早く流出するタイミングはH/Q=5程度であることがわかった。このため、取鍋注入末期でのフラックス添加タイミングは、H/Q≦5の期間が好ましい。また、次取鍋の溶鋼注入初期では、タンディッシュ溶鋼量が定常量までに回復する間に添加することが好ましい。なお、鋳造中に断続的にフラックスを添加しても構わないが、添加コストや操業性とのバランスを考慮して行う必要がある。
【0013】
さらに、フラックスを添加する方法について検討を行った。基本的には、タンディッシュの溶鋼内特に取鍋から溶鋼が注入される近傍に均一に添加することが望ましい。これは、取鍋から溶鋼が注入される近傍が最も溶鋼流速が大きく、凝集が進行しやすいためである。通常、取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注入する際には、ノズルを介して行っており、これらのノズルには空気酸化防止のために不活性ガスを吹き込むことが多い。これらの不活性ガスとともにフラックスをノズル内に吹き込むことにより、溶鋼への均一添加とスラグ流出時の効率的添加が可能である(図4参照)。また、上記以外の方法では、取鍋からタンディッシュへ注入するノズルの近傍にランスを用いて吹き込むことも可能である(図5参照)。コスト的な面を考慮すると、ノズル内に吹き込む不活性ガスとともに添加する方法が好ましい。
【0014】
最後にフラックスの必要添加量について検討した。低炭Al−K鋼の取鍋交換部位に200〜1000μmの粒径のアルミナ粒子を添加速度を種々変更し、取鍋交換部位の製品欠陥の発生率で評価した。アルミナ粒子の添加速度は0.01〜0.3kg/steel−tonとし、取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注入するためのロングノズル内に吹き込む不活性ガスとともに添加した。アルミナ粒子の添加部位は、前記の取鍋の溶鋼注入末期のH/Q≦5の間と次取鍋の溶鋼注入初期のタンディッシュ溶鋼の回復期である。図6にアルミナ粒子の添加速度と取鍋交換部位の製品欠陥発生率指標との関係を示す。図6に示すように、添加速度が0.1kg/steel−ton以上で定常部と同等以下の欠陥発生率になることがわかった。
【0015】
添加するフラックスの組成については基本的にはどのような組成であっても構わない。ただし、フラックスのコスト、スラグ系介在物との凝集性、溶鋼との反応性、フラックスの比重を考慮して選択する必要がある。コストや供給面から考えると、Al2O3、CaO、MgOなどの酸化物の単体や複合体が好ましい。ただし、SiO2などのような溶鋼の再酸化を引き起こす成分やZrO2などのような比重の大きい成分が多量に含まれるフラックスは好ましくない。取鍋交換部位での溶鋼の再酸化を極力抑えるために、SiO2やMnO、FeOなどの成分は、50g/steel−ton(酸素量換算で10ppm程度)以下が好ましく、フラックス中濃度に換算すると5%以下となることが好ましい。フラックスの比重は4g/cm3以上であるとタンディッシュ内で200μmのフラックスを完全に浮上させることができないため、フラックスの比重が4g/cm3以下となるフラックス組成が好ましい。
【0016】
また、フラックスの形態としては、球状の形態よりも不定形の形態が好ましい。これは、球形の形態よりも不定形の形態の方が凝集に有利であるためである。
【0017】
【実施例】
実施例を以下に示す。
ブリキ用素材を対象に実施した。供試鋼の成分は、表1の成分である。製造条件を表2に示す。本発明以外の条件については、統一した製造条件とした。二次精錬におけるAl脱酸後の環流時間を10分とし、連続鋳造では垂直曲げ連鋳機とした。本発明例では、ベースとして取鍋注入ノズルに不活性ガスとともに200〜500μmのアルミナ粒子(融点2000℃以上)を吹き込んだ。本発明例1では、吹き込み速度0.05kg/steel−tonで鋳造中に添加した。本発明例2では、吹き込み速度0.05kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に添加した。本発明例2では、フラックスとしてAl2O3−5%CaOを用い、200μm以下のフラックスが1%残留したものを使用した。本発明例3では、吹き込み速度0.2kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に添加した。
比較例1は、タンディッシュ溶鋼へのフラックス添加を全く行っていない。比較例2は、取鍋注入ノズルに不活性ガスとともに吹き込み速度0.1kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間のみ200〜500μmのアルミナ粒子を吹き込んだ。比較例3は、取鍋注入ノズルに不活性ガスとともに吹き込み速度0.1kg/steel−tonで次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間のみ200〜500μmのアルミナ粒子を吹き込んだ。比較例4は、タンディッシュから鋳型へ注入するノズルの直上に吹き込み速度0.1kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に200〜500μmのアルミナ粒子を吹き込んだ。比較例5は、取鍋注入ノズルに不活性ガスとともに吹き込み速度0.1kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に200〜500μmの融点が1500℃のCaO−Al2O3−MgO系フラックスを吹き込んだ。比較例6は、取鍋注入ノズルに不活性ガスとともに吹き込み速度0.1kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に100〜500μmのアルミナ粒子を吹き込んだ。取鍋交換部位の鋳片の製品での欠陥発生率で評価した結果を表3に示す。欠陥発生率の指標は、1以下が合格であり、定常部位の鋳片の平均値は0.5である。欠陥発生率の指標が1以上の場合に×、1以下の場合に○、0.5以下の場合に◎とした。
【0018】
本発明例1は、吹き込み速度0.05kg/steel−tonで鋳造中に取鍋注入ノズルに不活性ガスとともに200〜500μmのアルミナ粒子(融点2000℃以上)を吹き込んでおり、欠陥発生率指標も1以下で合格である。
【0019】
本発明例2は、本発明例1と同じフラックスを、吹き込み速度0.05kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に添加しており、欠陥発生率指標も1以下で合格である。
【0020】
本発明例3は、本発明例1、2と同じフラックスを、吹き込み速度0.2kg/steel−tonで取鍋注入末期のH/Q≦5の間及び次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間に添加しており、欠陥発生率指標も0.5以下で定常部と同等以上の成績である。
【0021】
比較例1は、フラックス添加を行わなかったもので、欠陥発生率指標は1を大幅に超えて不合格である。
【0022】
比較例2は、次取鍋注入開始後のタンディッシュの溶鋼量が定常量に回復する間にフラックス添加を行っていないため、欠陥発生率指標は1を超えており、不合格である。
【0023】
比較例3は、取鍋注入末期のH/Q≦5の間にフラックス添加を行っていないため、欠陥発生率指標は1を超えており、不合格である。
【0024】
比較例4は、フラックス添加速度及び添加時期は問題ないが、添加位置が取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注入する近傍に添加していないため、欠陥発生率指標は1を超えており、不合格である。
【0025】
比較例5は、融点が1500℃のフラックスを添加しているため、凝集合体の効果は少なく欠陥発生率指標は1を大幅に超えており、不合格である。
【0026】
比較例6は、フラックス粒径が100〜500μmであり鋳片にフラックスが残存したため、欠陥発生率指標は1を超えており、不合格である。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】
以上の結果から、本発明法により連続鋳造における取鍋交換部位のスラグ流出に伴う清浄性の悪化を改善でき、ばらつきがなく安定的に高清浄度鋼が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フラックス融点と凝集効率との関係。
【図2】フラックス粒径とフラックス浮上率との関係。
【図3】H/Qとスラグ流出割合との関係。
【図4】ノズル内へのフラックス添加例。
【図5】タンディッシュ溶鋼へのフラックス添加例。
【図6】フラックス添加速度と欠陥発生率指標との関係。
Claims (4)
- 取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する連続鋳造方法において、取鍋交換部位の前後に粒径が200μm以上かつ融点が1600℃以上の高融点フラックスを取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入位置の近傍のタンディッシュ内溶鋼に添加することを特徴とする高清浄度鋼の連続鋳造方法。
- 取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する連続鋳造方法において、少なくとも(1)式から求まる取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入末期の間及び次取鍋の溶鋼注入開始後タンディッシュ内溶鋼量が定常量に達する間に取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入位置の近傍のタンディッシュ内溶鋼にフラックスを添加することを特徴とする請求項1記載の高清浄度鋼の連続鋳造方法。
H/Q≦5・・・(1)
H:取鍋内の注入口直上での溶鋼高さ(cm)
Q:取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入速度(ton/min) - 取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する連続鋳造方法において、取鍋注入ノズル内にフラックスを添加することを特徴とする請求項1又は2記載の高清浄度鋼の連続鋳造方法。
- 取鍋からタンディッシュを介して鋳型へ溶鋼を注入する連続鋳造方法において、タンディッシュ内溶鋼に0.1kg/steel−ton以上の添加速度でフラックスを添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の高清浄度鋼の連続鋳造方法。
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JP2003073577A JP2004276093A (ja) | 2003-03-18 | 2003-03-18 | 高清浄度鋼の連続鋳造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104331629A (zh) * | 2014-11-17 | 2015-02-04 | 大连理工大学 | 一种连铸结晶器保护渣液态、固态渣膜与气隙厚度非均匀分布的计算方法 |
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2003
- 2003-03-18 JP JP2003073577A patent/JP2004276093A/ja not_active Withdrawn
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