JP2004276033A - プレス金型用パンチおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】その本体を取り付けるための本体部を鋼材で構成し、被加工物の穴明けを行う先端部を超硬合金で構成して、プレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチにおいて、前記パンチの本体部と前記パンチの先端部の端面同士を溶着により接合した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬質で耐久性に優れたプレス金型用パンチと、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、金属等の材料を穴明けする際には、プレス金型を用いて材料に強い力を加えることにより材料を押圧して、成形加工をすることが通常となっている。このプレス金型による成形加工は、図8に示すようなプレス金型を用いて行われている。図において、プレス金型50は、上型と下型とを有する構造となっている。
【0003】
図8にはプレス金型50の断面図が示されている。図において、プレス金型50は、上型と下型とが離れた状態となっている。
図において、プレス金型50の上型は、上側ダイセット51、シャンク52、バッキングプレート53、パンチプレート54、ストリッパプレート55、パンチ56を有する構造となっている。
【0004】
上側ダイセット51は、プレス機に取付けるためのプレートであって、この上側ダイセット51の上面には、該上側ダイセット51をプレス機に固定するためのシャンク52が設けられている。また、この上側ダイセット51の下面には、バッキングプレート53とパンチプレート54とが設けられている。このバッキングプレート53は、パンチ底面の面圧が高い場合にその力が直接上型ダイセット51に掛かるのを防ぐために取付けるプレートであって、前記上側ダイセット51に並設されている。パンチプレート54は、パンチ56を取り付けるためのプレートであって、前記バッキングプレート53と隣接して設けられている。
【0005】
また、この上側ダイセット51の下面の両端には、ガイドブシュ57が設けられている。このガイドブシュ57の内部には貫通孔が設けられていて、プレス金型50の下型に設けられたガイドポスト(後述する)を前記貫通孔に挿通できるようになっている。
【0006】
また、前記上側ダイセット51には、スプリング58を有するストリッパボルト59が設けられていて、このストリッパボルト59によってストリッパプレート55が吊下げられた状態となっている。このストリッパプレート55は、前記バッキングプレート53と平行に設置されていて、前記パンチ56の先端を挿入可能な貫通孔が設けられている。
【0007】
そして、前記パンチプレート54にはパンチ56が取り付けられている。このパンチ56は、前記パンチプレート54に対して垂直に取り付けられていて、パンチ56の先端部分が前記ストリッパプレート55の方向(下方向)を向いている。そして、このパンチプレート54には、3本のパンチ56が取り付けられていて、この各パンチ56の各先端部分がストリッパプレート55の3つの貫通孔にそれぞれ挿入されている。ここで、このパンチ56の先端の端面は、ストリッパプレート55の下端面よりも少し内側に入った状態となっている。
【0008】
また、プレス金型50の下型は、下側ダイセット61と、この下側ダイセット61の上面に載置されたダイプレート62と、前記下側ダイセット61の上面に突出するガイドポスト63とを備えた構造となっている。このダイプレート62の上部には、位置決めプレート64が設けられていて、ダイプレート62の上面に鉄板などの被加工物65を載置し、この被加工物65を位置決めプレート64で保持するようになっている。また、前記下型ダイセット61及び前記ダイプレート62には、貫通孔66が設けられている。この貫通孔66は、パンチプレート54に取り付けられた前記パンチ56の先端の位置に合わせて設けられていて、この貫通孔66に前記パンチ56の先端を挿入することができるようになっている。
【0009】
図9〜図11には、このプレス金型50を用いて被加工物を加工する工程が示されている。
【0010】
まず、図9に示すようにプレス金型50のガイドブシュ57にガイドポスト63を挿通させて、プレス金型50の上型と下型とを連結させて、上型を下方向に下げていく。このプレス金型50の上型と下型とは、図における矢印に示すように上型に圧力がかけられることで連結している。
【0011】
このプレス金型50は、上側ダイセット51に矢印方向の圧力がかけられて、上型がガイドポスト63に沿って下方向に下がっている。図において、この上型は、ストリッパプレート55の下面が被加工物65と接触する位置まで下げられていて、前記ストリッパプレート55と下型のダイプレート62とが、被加工物65を挟んだ状態となっている。
【0012】
そして、図10に示すように、このプレス金型50の上型は、上側ダイセット51によって加圧されて、更に下型方向に下がった状態となる。図において、プレス金型50の上型が更に下がると、上型のストリッパプレート55が、下型のダイプレート62に載置された被加工物65を押え付けた状態となる。そして、上側ダイセット51がプレス機からの力を受けて更に下方向に下がろうとする。すると、ストリッパプレート55が被加工物65を押圧した状態を保ったまま、ストリッパボルト59の周囲に設けられたスプリング58が圧縮されて、上側ダイセット51が更に下方向に下がるようになっている。すると、被加工物65を押圧するストリッパプレート55と、パンチプレート54との距離が短くなる。そして、ストリッパプレート55下面の貫通孔からパンチ56の先端が突出し、パンチ56の先端の端面で被加工物65を部分的に押圧する。このとき、パンチ56には、プレス機からの圧力が前記バッキングプレート53を通してパンチ56の先端の端面に伝達しているので、このパンチ56の押圧力によって、被加工物65の一部分に穴が明き、くりぬかれた被加工物65が、前記パンチ56に押されて貫通孔66に押し下げられている。
【0013】
そして、このように被加工物65に穴明けする作業が終わると、図11に示すようにプレス金型50の上側ダイセット51が再び上方向に移動するようになっている。この上側ダイセット51は、シャンク52を介して固定されていて、シャンク52が上方向に移動することで上側ダイセット51も上方向に引き上げられ、穴明けを終えた被加工物65を取出すことができるようになっている。そして、再び穴明け加工前の被加工物65をダイプレート上に載置して、被加工物65の加工が繰返し行われるようになっている。
【0014】
この被加工物65の穴明けに使用するパンチ56は、鍔部の外径が例えば5mm〜30mm、シャンク部の外径が例えば3mm〜25mm、全長が例えば40mm〜100mm程度の棒材状に形成されている。このパンチ56は、プレス金型50のパンチプレート54に取付けられ、上側ダイセット51を通してプレス機の圧力を受け、先端を被加工物65に押しつけて被加工物65の穴明け加工を行うものである。そして、このパンチ56は、複数の被加工物65を連続的に加工している。このような被加工物65の穴明けを行うと、パンチ56の先端は、被加工物65との摩擦によって摩耗する。
【0015】
このようなプレス金型用のパンチ56には、例えばSKD11等の鋼材が多く用いられている。このパンチ56に用いられているSKD11は、特に耐久性に優れた材質ではなかった。このため、摩耗が早く、パンチ56を頻繁に交換することとなり、作業効率が悪いという問題を有していた。
【0016】
そこで、パンチで大量の被加工物に穴明け加工をする際にも、パンチが摩擦により擦り減ってしまうのを防ぐために、パンチ全体の材質がタングステンカーバイトを主とする超硬合金(JIS B 4053,V30)で構成されているショルダーパンチ(例えば、パンチ工業株式会社製、超硬ショルダーパンチ、WWPAS3−40−P2.000)が市販されている。このタングステンカーバイトを主とする超硬合金は、細紛を焼き固めて形成されているものであって、この超硬合金からなるパンチは、SKDやSKH等の鋼材からなるパンチと比べて硬度が非常に高くなっている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0017】
また、このようなプレス金型用パンチは、該パンチの先端部と被加工物との接触箇所が摩擦によって特に擦り減り易いことから、パンチの先端部だけを超硬合金で形成し、パンチの本体部をSKD等の鋼材で形成して、超硬合金と鋼材とをロウ付によって接合して先端部が硬質なパンチを形成し、パンチの先端部を擦り減り難くさせたものが考案されている。このパンチは、鋼材からなる本体部と超硬合金からなる先端部との間にロウ材を流し込み、鋼材と超硬合金とを加熱してロウ材を溶融させて、溶融したロウ材で前記鋼材と前記超硬合金とを接合したものである。そして、このロウ材で前記鋼材と前記超硬合金とを接合したパンチを徐々に冷却して、余分なロウ材を削って表面を仕上げ、先端部が超硬合金からなるパンチを形成させている。
【0018】
ここで、このロウ材としては、例えば、銀ロウが用いられている。この銀ロウは、銀、銅、亜鉛を主成分とし、これにカドミウムやニッケル等を添加して作られるロウ材であって、鋼材や超硬合金よりも低い温度で溶融するものである。このような銀ロウを前記鋼材と前記超硬合金との間に挟んで、前記鋼材と前記超硬合金とを加熱することにより両材の間の銀ロウが溶融し、この溶融した銀ロウで前記鋼材と前記超硬合金とを接合して、先端部が超硬合金からなるパンチを形成することができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0019】
【非特許文献1】
パンチ工業株式会社発行,「プレス金型用部品」,1994年10月,初版,p.512−513
【0020】
【特許文献1】
特公平2−43579号公報(第1−2頁、第1−2図)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなプレス金型用パンチには次のような問題があった。
非特許文献1に記載のプレス金型用のパンチ56は、パンチ全体を超硬合金であるタングステンカーバイトで形成させたので、パンチが硬質となり、プレス機からの大きな圧力を受けて、パンチ56の先端の端面で被加工物65に穴を明ける際にも、パンチ56の先端の端面(被加工物65との接触面)と被加工物65との接触によってパンチ56の先端が擦り減ってしまったり、形状が変わってしまうといった事態を回避することができたが、この超硬合金を構成するタングステンカーバイトは非常に高価であるため、このようなタングステンカーバイトを用いてパンチを製造すると、パンチの製造コストが増大してしまうという問題があった。
【0022】
また、この超硬合金からなるパンチは、非常に硬質であるため加工性が悪く、パンチの内部に穴を明けてタップを設けたタップ付きパンチや、パンチ内部に貫通孔を設けてなるジェクタパンチを超硬合金で製造するのは非常に困難となっており、超硬合金からなるパンチには、形成できる形状に制限があった。
【0023】
特許文献1に記載のプレス金型用のパンチは、SKD等の鋼材とタングステンカーバイト等の超硬合金とをロウ付することで先端部が硬質なパンチを安価で製造することができるようになったが、この超硬合金と鋼材とのロウ付に使用するロウ材は、融点が低いため、ロウ材が溶融する温度に達しても超硬合金や鋼材は溶融せず、ロウ材が超硬合金や鋼材に溶け込まないので、超硬合金及び鋼材とロウ材との接着力が不十分であるという問題があった。従来から、プレス金型を用いて被加工物に穴明け加工をする際には、パンチで被加工物を穴明け加工した後、被加工物に明けた穴からパンチを引き抜いて元の位置に戻す際に、被加工物の穴の側面にパンチが食い付いて、被加工物に明けた穴にパンチが引っ掛ってしまうことがあったが、超硬合金と鋼材とをロウ付したパンチがこのような状態となった場合、パンチの先端部が被加工物に引っ掛った状態でパンチの本体部を引っ張ると、この力によってパンチの先端部と本体部との接合部分のロウ材が剥離してしまったり、ロウ材に亀裂が生じてしまうことがあり、先端部と本体部とをロウ付によって接合したパンチは、耐久性が良くないという問題があった。
【0024】
本発明の目的は、プレス金型を用いて大量の被加工物をプレス加工する場合でも、耐久性と耐摩耗性に優れ、なおかつ安価なプレス金型用パンチおよびその製造方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のプレス金型用パンチは、その本体を取り付けるための本体部を鋼材で構成し、被加工物の穴明けを行う先端部を超硬合金で構成して、プレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチにおいて、前記パンチの本体部と前記パンチの先端部の端面同士を溶着により接合したものである。
このように構成することにより、請求項1に記載の発明によると、パンチの先端部を構成する超硬合金とパンチの本体部を構成する鋼材とを溶着により接合したので、超硬合金と鋼材との接合箇所に亀裂が生じたり、接合箇所が剥がれてしまうことがなく、プレス金型用パンチの耐久性を向上させることができるようになる。
【0026】
上記目的を達成するために、請求項2に記載のプレス金型用パンチは、その本体を取り付けるための本体部を鋼材で構成し、被加工物の穴明けを行う先端部を超硬合金で構成して、プレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチにおいて、前記パンチの本体部と前記パンチの先端部の端面同士を溶着性金属からなる中間部を介して溶着により接合したものである。
このように構成することにより、請求項2に記載の発明によると、パンチの先端部を構成する超硬合金とパンチの本体部を構成する鋼材とを溶着性金属からなる中間部を介して接合したので、超硬合金と鋼材とを容易に溶着させることが可能となる。そして、超硬合金と鋼材とを溶着しているので、接合箇所の強度が強く、超硬合金と鋼材との接合箇所に亀裂が生じたり、接合箇所が剥がれてしまうことがなく、プレス金型用パンチの耐久性を向上させることができるようになる。
【0027】
上記目的を達成するために、請求項3に記載のプレス金型用パンチの製造方法は、その本体を取り付けるための本体部と被加工物の穴明けを行う先端部とから構成されプレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチの製造方法において、超硬合金からなる棒材と鋼材からなる棒材との端面同士を合わせ両材を加圧しながら、前記超硬合金からなる棒材と前記鋼材からなる棒材の両部材を正逆回転させ、前記超硬合金からなる棒材と前記鋼材からなる棒材とを溶着接合して棒材を成形し、該棒材の超硬合金からなる部分が前記パンチの先端部となるように研削加工してなるものである。
このように構成することにより、請求項3に記載の発明によると、超硬合金と鋼材とを加圧しつつ互いに逆方向に回転させて、この両材の接触する面に摩擦熱を発生させてこの熱で両材を溶融させ、この溶融した両材が混ざり合って溶着するので、超硬合金と鋼材との接合箇所の強度が高く、被加工物の加工後に被加工物からパンチを引き抜く際にも、パンチの先端部と本体部とが接合箇所から剥離してしまうことがなく、耐久性に優れたプレス金型用パンチを製造することができる。
【0028】
上記目的を達成させるために、請求項4に記載のプレス金型用パンチの製造方法は、前記正回転する棒材の回転数は500〜3500r.p.mで、前記逆回転する棒材の回転数は3500〜500r.p.mであって、前記正回転する棒材と前記逆回転する棒材との接触する箇所の回転数は4000r.p.m以上としている。
このように構成することにより、請求項4に記載の発明によると、棒材の端面に摩擦熱を発生させるために必要な回転数が4000r.p.mである場合に、正回転する棒材の回転数を500〜3500r.p.mの範囲で回転させる。そして、これとは逆回転する棒材の回転数を3500〜500r.p.mの範囲で回転させて、この両材の接触する面の回転数が4000r.p.m以上となるようにしている。たとえば、前記正回転する棒材の回転数を1000r.p.mの低速で回転させる場合、これと逆回転する棒材の回転数を3000r.p.m以上で回転させることで、この両材の接触する面における両材の回転数を4000r.p.m以上とすることができる。また、前記正回転する棒材の回転数を3000r.p.mの高速で回転させる場合は、これと逆回転する棒材の回転数を1000r.p.m以上で回転させれば、この両材の接触する面における両材の回転数を4000r.p.m以上とすることができる。このように、超硬合金と鋼材とに適度な摩擦熱を発生させることができ、この熱によって両材を溶着して接合させることができるようになる。
【0029】
上記目的を達成させるために、請求項5に記載のプレス金型用パンチの製造方法は、その本体を取り付けるための本体部と被加工物の穴明けを行う先端部とから構成されプレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチの製造方法において、超硬合金からなる棒材と鋼材からなる棒材との端面同士を合わせいずれか一方を加圧しながら、前記超硬合金からなる棒材と前記鋼材からなる棒材のいずれか一方を回転させ他方を固定することによって前記超硬合金からなる棒材と前記鋼材からなる棒材とを溶着接合して棒材を成形し、該棒材の超硬合金からなる部分が前記パンチの先端部となるように研削加工してなるものである。
このように構成することにより、請求項5に記載の発明によると、超硬合金もしくは鋼材のいずれか一方を回転させて、この両材の接触する面に摩擦熱を発生させ、この熱によって溶融した両材が混ざり合って溶着するので、超硬合金と鋼材との接合箇所の強度が高く、被加工物の加工後に被加工物からパンチを引き抜く際にも、パンチの先端部と本体部との接合箇所に亀裂が入ったり、剥離してしまうことがなく、耐久性に優れたプレス金型用パンチを製造することができる。
【0030】
上記目的を達成させるために、請求項6に記載のプレス金型用パンチの製造方法は、前記超硬合金からなる棒材または前記鋼材からなる棒材のうち回転させる棒材の回転数は、4000r.p.m以上としている。
このように構成することにより、請求項6に記載の発明によると、棒材の端面に摩擦熱を発生させるために必要な回転数が4000r.p.mである場合に、一方の棒材を固定し、他方の棒材を4000r.p.m以上で回転させることによって、この両材の接触する面の所望の回転数を満たすことができる。このように、超硬合金と鋼材とに適度な摩擦熱を発生させることができ、両材を溶着させて接合することができるようになる。
【0031】
上記目的を達成するために、請求項7に記載のプレス金型用パンチの製造方法は、その本体を取り付けるための本体部と被加工物の穴明けを行う先端部とから構成されプレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチの製造方法において、超硬合金からなる棒材と溶着性金属からなる棒材との端面同士を合わせ両材を加圧しながら、前記超硬合金からなる棒材と前記溶着性金属からなる棒材の両部材を正逆回転させ、前記超硬合金からなる棒材と前記溶着性金属からなる棒材とを接合する第一工程と、前記超硬合金からなる棒材と接合した前記溶着性金属からなる棒材を適宜の位置で切断して端部が溶着性金属からなる棒材を成形する第二工程と、前記第二工程で成形した棒材と鋼材からなる棒材との端面同士を合わせ両材を加圧しながら、前記端部が溶着性金属からなる棒材と前記鋼材からなる棒材の両部材を正逆回転させ、前記第二工程で成形した棒材と鋼材からなる棒材とを溶着接合して棒材を成形する第三工程と、前記第三工程で成形した棒材の超硬合金からなる部分が前記パンチの先端部となるように研削加工する第四工程と、を含むものである。
このように構成することにより、請求項7に記載の発明によると、超硬合金と溶着性金属とを互いに逆方向に回転させて摩擦熱を発生させることで、超硬合金に含まれるニッケルやコバルトと前記溶着性金属とが溶着するので、超硬合金と溶着性金属とを少ない回転数で結合させることができる。そして、この溶着性金属と融点の近い鋼材とを互いに逆方向に回転させることで、両材を容易に溶着させることができるので、先端部が超硬合金からなり、耐摩耗性に優れたプレス金型用パンチを容易に製造することができる。また、この溶着性金属は、超硬合金および鋼材とそれぞれ混ざり合って結合するので、結合箇所の結合力が強く、超硬合金と鋼材との接合箇所に力が掛かっても、接合箇所に亀裂が生じたり、剥離したりすることがなく、耐久性に優れたプレス金型用パンチを効率よく、かつ容易に製造することができる。
【0032】
上記目的を達成させるために、請求項8に記載のプレス金型用パンチの製造方法は、その本体を取り付けるための本体部と被加工物の穴明けを行う先端部とから構成されプレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチの製造方法において、超硬合金からなる棒材と溶着性金属からなる棒材との端面同士を合わせいずれか一方を加圧しながら、前記超硬合金からなる棒材と前記溶着性金属からなる棒材のいずれか一方を回転させ他方を固定することによって前記超硬合金からなる棒材と前記溶着性金属からなる棒材とを溶着接合する第一工程と、前記超硬合金からなる棒材と接合した前記溶着性金属からなる棒材を適宜の位置で切断して端部が溶着性金属からなる棒材を成形する第二工程と、前記第二工程で成形した棒材と鋼材からなる棒材との端面同士を合わせいずれか一方を加圧しながら、前記端部が溶着性金属からなる棒材と前記鋼材からなる棒材のいずれか一方を回転させ他方を固定することによって前記第二工程で成形した棒材と鋼材からなる棒材とを溶着接合して棒材を成形する第三工程と、前記第三工程で成形した棒材の超硬合金からなる部分が前記パンチの先端部となるように棒材を研削加工する第四工程と、を含むものである。
このように構成することにより、請求項8に記載の発明によると、超硬合金と溶着性金属とのいずれか一方を回転させて両材の接触箇所に摩擦熱を発生させることで、超硬合金に含まれるニッケルやコバルトと前記溶着性金属とが溶着するので、超硬合金と溶着性金属とを少ない回転数で結合させることができる。そして、この溶着性金属と鋼材とのいずれか一方を回転させることによって、溶着性金属と鋼材の両材の端面に摩擦熱が生じ、この溶着性金属と融点の近い鋼材とを容易に溶着させることができ、先端部が超硬合金からなり、耐摩耗性に優れたプレス金型用パンチを容易に製造することができる。また、この溶着性金属は、超硬合金および鋼材とそれぞれ混ざり合って結合するので、結合箇所の結合力が強く、超硬合金と鋼材との接合箇所に力が掛かっても、接合箇所に亀裂が生じたり、剥離したりすることがなく、耐久性に優れたプレス金型用パンチを効率よく、かつ容易に製造することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプレス金型に用いるパンチの第1の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1には、本発明に係るプレス金型用パンチの第1の実施の形態が示されている。
【0034】
図1は、本発明に係るプレス金型用パンチを示す斜視図である。本実施の形態においては、穴抜き型のプレス金型に使用する先端が丸型のパンチを例に挙げて説明する。このパンチは、プレス金型に挿着して使用するものであって、このプレス金型は、前述したプレス金型と同様の構成となるため本実施の形態においては省略する。
【0035】
図において、10は、本発明に係るパンチであって、プレス金型にその本体を取り付けるための本体部と被加工物に穴明けを行うための先端部を有するものである。このパンチ10は、鍔部11とシャンク部12とを有し、通常、鍔部11の外径が5mm〜30mm、シャンク部12の外径が3mm〜25mm程度であって、全長は40mm〜100mm程度の大きさに形成されている。また、このパンチ10は、先端部13が超硬合金で形成されていて、本体部14は鋼材で形成されていて、この超硬合金と鋼材とが溶着によって接合した状態となっている。また、本実施の形態において、この先端部13にはR部分が形成されていて、本体部14よりも外径が小さく加工されている。
【0036】
ここで、図において、先端部13と本体部14の各接合箇所には仮想線が描かれているが、これは、本実施の形態の説明において、先端部13と本体部14とを説明するために便宜上描かれたものである。
【0037】
本実施の形態において、パンチ10の先端部13を構成する超硬合金としては、タングステンカーバイトが使用されている。このタングステンカーバイトは、粉末状のものを焼き固めて形成されていて、硬度が約1500HV(90〜92HRA)程度となっている。また、この先端部13の長さは、パンチ10の先端部13の太さや、使用用途などに合わせて、パンチ10の全長に対して任意の長さに形成させることが可能となっていて、このパンチ10の先端部13の外径が特に細いものでない場合は、パンチ10の全長に対して1割程度の長さとし、特に先端部13の外径が細い構造のパンチにおいては、後述する回転圧接においても先端部13と本体部14とを接合し易くし、先端部13の強度を保持させるために、図に示すように、先端部13を長く形成させることができる。
【0038】
本実施の形態における本体部14を形成する素材としては、「SKD11」、「SKH51」等を用いることができる。
「SKD11」は、JIS規格で定められており、G4404には、その組成が「C」1.40〜1.60%、「Si」0.40%以下、「Mn」0.60%以下、「P」0.030%以下、「S」0.030%以下、「Cr」11.00〜13.00%、「Mo」0.80〜1.20%、「V」0.20〜0.50%であるとされている。そして、この「SKD11」の焼入れ焼戻しの熱処理後の硬度は、約60HRC〜63HRC(81.2〜82.8HRA)程度と定められている。
【0039】
「SKH51」は、JIS規格で定められており、G4403には、その組成が「C」0.80〜0.88%、「Si」0.45%以下、「Mn」0.40%以下、「P」0.030%以下、「S」0.030%以下、「Cr」3.80〜4.50%、「Mo」4.70〜5.20%、「W」5.90〜6.70%、「V」1.70〜2.10%であるとされている。そして、この「SKH51」の焼入れ焼戻しの熱処理をした後の硬度は、約59〜61HRC(80.7〜81.8HRA)程度と定められている。
【0040】
このように、パンチ10の先端部13をタングステンカーバイトからなる超硬合金で構成して、本体部14を前記SKDやSKHの焼き入れ材などの鋼材で構成し、この超硬合金と鋼材とを溶着により接合することによって、先端の硬質なパンチを形成させることができ、大量の被加工物をプレス金型で穴明けする場合や、硬質な被加工物を穴明けする場合でも、パンチ10の擦り減りを低減させることができる。
【0041】
以下、本発明に係るプレス金型用パンチの第2の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0042】
図2には、本発明に係るプレス金型用パンチの第2の実施の形態が示されている。
図2は、本発明に係るプレス金型用パンチを示す斜視図である。本実施の形態においては、本発明の第1の実施の形態と同様に、穴抜き型のプレス金型に使用する先端が丸型のパンチについて説明する。このパンチは、プレス金型に挿着して被加工物の穴明けに使用するものである。このプレス金型は、前述したものと同様の構成となるため本実施の形態においては省略する。本実施の形態に係るプレス金型用パンチが図1に示す本発明の第1の実施の形態のプレス金型用パンチと異なる点は、本実施の形態におけるプレス金型用パンチには、溶着性金属からなる中間部が設けられていて、パンチの本体部と先端部とが該中間部を介して溶着によって接合した状態となっている点である。また、本実施の形態におけるパンチは、図1に示す本発明の第1の実施の形態よりも先端部が短い構成となっている。
【0043】
図において、16は、本発明に係るパンチであって、プレス金型にその本体を取り付けるための本体部と被加工物に穴明けを行うための先端部を有するものである。このパンチ16は、鍔部17とシャンク部18を有する構造となっている。このパンチ16の外径の大きさや全長は、図1に示す本発明の第1の実施の形態におけるプレス金型用パンチと同様の大きさとなっているので省略する。このパンチ16は、図に示すように、超硬合金で形成された先端部19と溶着性金属で形成された中間部20とが溶着していて、さらにこの溶着性金属からなる中間部20と鋼材からなる本体部21とが溶着した状態となっている。ここで、このパンチ16にはR部分が設けられて先細になっており、先端部19の外径は前記シャンク部18の外径よりも細く形成されている。
【0044】
なお、図において、先端部19と中間部20、中間部20と本体部21の各接合箇所には仮想線が描かれているが、これは、本実施の形態の説明において、先端部19と中間部20と本体部21とを説明するために便宜上描かれたものである。
【0045】
本実施の形態において、先端部19を構成する超硬合金としては、タングステンカーバイトが使用されている。このタングステンカーバイトは、粉末状のものを焼き固めて形成されていて、硬度が約1500HV(90〜92HRA)程度となっている。また、この先端部19の長さは、使用用途などに合わせて、パンチ16の全長に対して任意の長さに形成させることが可能となっている。このパンチ10の先端部19の外径が特に細いものでない場合は、パンチ16の全長に対して1割程度の長さとし、特に先端部19の外径が細い構造のパンチにおいては、後述する回転圧接において先端部19と本体部21とを接合し易くし、先端部19の強度を保持させるために、図に示すように、先端部19を長く形成させることができる。
【0046】
本実施の形態において、中間部20は、溶着性金属で構成されている。溶着性金属は、摩擦などによる熱で表面が溶融し、溶融した表面を押圧することによって他の金属と接着することが可能な金属である。この溶着性金属としては、例えば、ニッケルやコバルトを主とする合金を挙げることができる。この溶着性金属からなる中間部20は、一端が超硬合金と接合しており、他端が鋼材と接合した状態となっている。この溶着性金属からなる中間部20と超硬合金とは、両材の接触面に摩擦などで熱を発生させ、この熱で超硬合金の一部の成分と溶着性金属とを溶融させて、この溶融した両材を混ぜ合わせて接合している。また、中間部20と鋼材との接合も同様に、中間部20と鋼材とを熱により溶融させて、溶融した両材を混ぜ合わせて接合している。このように、溶着性金属からなる中間部20と超硬合金と鋼材とをそれぞれ溶着して接合することにより、超硬合金と鋼材とを溶着性金属を介して接合することができるようになっている。
【0047】
また、この中間部20の長さは、パンチ16の全長に対して任意の長さに形成させることが可能だが、パンチ16の強度を考慮して、通常、1〜2mm程度となっている。
【0048】
また、本実施の形態における本体部21を形成する鋼材としては、「SKD11」、「SKH51」等の焼入れ材を用いることができる。本実施の形態において、本体部21を形成するこれらの「SKD11」、「SKH51」の規格は、前記本発明に係るプレス金型用パンチの第1の実施の形態で用いたものと同様であるので省略する。
【0049】
このように、パンチ16の先端部19をタングステンカーバイトからなる超硬合金で形成して、中間部20を溶着性金属で構成し、本体部21を鋼材で形成することによって、超硬合金からなる先端部19と鋼材からなる本体部21とを溶着性金属を介して容易に溶着させることができるようになっている。また、このパンチ16は、超硬合金と溶着性金属とを溶着して接合し、溶着性金属と鋼材とを溶着して接合しているので、接合箇所の強度が高く、単に超硬合金と鋼材とをロウ材を介してロウ付したものよりも耐久性に優れたパンチを形成することが可能となっている。
【0050】
以下、本発明に係るプレス金型用パンチの製造方法の第1の実施の形態について図面を用いて説明する。
図3〜図5には、本発明に係るプレス金型用パンチの製造方法の第1の実施の形態が示されている。本実施の形態においては、特に、ショルダーパンチを回転圧接によって製造する方法を説明する。
【0051】
図3には、本実施の形態に係るプレス金型用パンチの製造方法における一実施の形態が示されている。
図において、25は鋼材であって、本実施の形態においては「SKD11」(JIS G4404)が用いられている。そして、この鋼材25は丸棒状に形成されている。
【0052】
また、26は、図1における先端部13を構成する超硬合金材であって、この超硬合金材26は、硬度1500HV(90〜92HRA)程度の丸棒状のタングステンカーバイトで形成されていて、本実施の形態においては前記鋼材25と同一の軸径の丸棒状となるように形成されている。
【0053】
そして、このような鋼材25と超硬合金材26とを回転圧接機27にセットして、接合作業を行う。
【0054】
図3において、この回転圧接機27は、ベース28上をスライド可能な2台のスライド台29,30を有していて、このスライド台29,30が平行に配置された構造となっている。このスライド台29には、超硬合金材26を把持することのできる把持部31が設けられていて、スライド台30には、鋼材25を把持することのできる把持部32が設けられている。この把持部31,32は、前記超硬合金材26と前記鋼材25とをそれぞれ把持した際に、芯出しされた状態となるように設置されている。
【0055】
図3において、このスライド台29の把持部31は、超硬合金材26を把持した状態で回転可能となっている。そして、この把持部31は、前記スライド台29の内部において、前記スライド台29に隣接して設けられたモータ33と接続されている。このモータ33は、前記スライド台29の内部において前記把持部31と接続されていて、前記把持部31に超硬合金材26を把持させた状態で、前記把持部31を矢印X方向に回転させることができるようになっている。
【0056】
一方、スライド台30の把持部32は、鋼材25を把持した状態で回転可能となっている。そして、この把持部32は、前記スライド台30の内部において、前記スライド台30に隣接して設けられたモータ34と接続されている。このモータ34は、前記スライド台30の内部において、前記把持部32と接続されていて、前記把持部32に鋼材25を把持させた状態で、前記把持部32を前記スライド台29における把持部31の回転方向とは逆方向の矢印Y方向に回転させることができるようになっている。
【0057】
このように、スライド台29の把持部31に把持された超硬合金材26の回転方向Xと、これと向かい合うスライド台30の把持部32に把持された鋼材25の回転方向Yとを逆方向に回転させるようになっている。本実施の形態においては、この超硬合金材26と鋼材25とが同じ回転数で回転している状態となっている。そして、超硬合金材26と鋼材25とがそれぞれ互いに逆方向に回転している状態で、前記スライド台29を矢印A方向にスライドさせ、前記スライド台30を矢印B方向にスライドさせて、超硬合金材26と鋼材25との距離を近づけていく。
【0058】
続いて、図4に示すように、この超硬合金材26と鋼材25とを互いに逆方向に、かつ同じ回転数で回転させた状態を保持したまま、前記スライド台29,30の距離を近づけていき、超硬合金材26と鋼材25との端面同士が接触する位置で前記スライド台29,30のスライドを停止させる。このとき、前記超硬合金材26と前記鋼材25とには、両材の接触端面方向に向かって一定の推力がかけられている。本実施の形態において、この推力は1200kgとなっている。すると、この鋼材25と超硬合金材26とに、互いに逆方向に回転した状態で端面同士を加圧しながら接触させることにより摩擦が生じて両材の端面に摩擦熱が発生する。本実施の形態において、この互いに逆回転する両材の回転数は、4000r.p.m以上となっている。すなわち、鋼材25と超硬合金材26とは、それぞれ2000r.p.mで回転している状態となっている。
【0059】
そして、前記鋼材25と前記超硬合金材26のそれぞれの端部が融点温度近傍にまで上昇して、前記鋼材25および前記超硬合金材26が溶融し始めた後に、前記モータ33,34の回転を急停止させる。すると、このモータ33,34によって互いに逆方向に回転していた超硬合金材26と鋼材25のそれぞれの回転が急停止する。そして、この回転を急停止させた直後に、超硬合金材26と鋼材25との端面同士の接合する箇所にさらに推力をかける。本実施の形態においては、このときの超硬合金材26と鋼材25との接合箇所に掛かる推力は1300kgとなっている。このように、摩擦による熱で端面が溶融した超硬合金材26と鋼材25とを合わせて推力をかけると、溶融した超硬合金材26と鋼材25とが混ざり合って溶着するようになっている。
【0060】
しかる後、図5に示すように、前記スライド台29,30の両方(または一方)を、外側方向にスライドさせて、接合して形成された丸棒状の棒材15を取り出し、回転圧接の工程が終了する。
【0061】
このように、回転圧接機27で形成された棒材15は、図6に示すように、形成された棒材15を任意の外径に一括して研削するなどの加工をして、鍔部やシャンク部を形成させることで、超硬合金と鋼材とを溶着したパンチ10を形成させることができる。
【0062】
ここで、この棒材15は、先端部が超硬合金で構成され、先端部以外の部分が鋼材からなっているので、既存の鋼材からなるパンチと同様に、この棒材15に鍔部やシャンク部を形成させることができ、図に示すようなパンチ10の形状に加工することができるようになっている。また、このパンチ10の超硬合金からなる先端部にR部分を設けたり、先端部の外径を小さくする際には、ダイヤモンドホイール等を用いて先端部を研削加工して、任意の大きさのR部分を設けることができる。以上のような製造方法で、本発明に係るプレス金型用パンチを製造することができるようになっている。
【0063】
また、本発明のプレス金型用パンチの製造方法における回転圧接の他の方法としては、回転圧接機を用いて鋼材と超硬合金材をそれぞれ回転させて圧接させる工程において、鋼材と超硬合金材のいずれか一方を高速回転させて、他方をこれとは逆方向に低速回転させる方法がある。ここで、この方法における回転圧接機は、前記本発明に係るプレス金型用パンチの製造方法の第1の実施の形態と同様に、図3ないし図5に記載のものを使用することができる。
【0064】
これは、たとえば、鋼材25と超硬合金材26とを接触させ、摩擦熱を発生させるために必要な回転数が4000r.p.mである場合、鋼材25を500〜3500r.p.mの範囲内で回転させる。そして、これとは逆方向に超硬合金材26を3500〜500r.p.mの範囲内で回転させて、この両材の接触する面における鋼材25と超硬合金材26との回転数が4000r.p.m以上となるようにするものである。たとえば鋼材25を3000r.p.mの高速で回転させる場合は、これと接触する超硬合金材26を1000r.p.m以上で回転させて、この鋼材25と超硬合金材26との接触する面における両材の回転数を4000r.p.m以上とすることができる。また、鋼材25を1000r.p.mの低速で回転させる場合は、これと接触する超硬合金材26を3000r.p.m以上で回転させれば、この鋼材25と超硬合金材26との接触する面の回転数を4000r.p.mとすることができる。このように、鋼材25または超硬合金材26の一方を高速回転させて、他方を低速回転させて、両材の接触する面を所望の回転数である4000r.p.m以上とすることで、両材の接触する面に所望の摩擦熱を発生させることができる。
【0065】
また、このとき、前記鋼材25と前記超硬合金材26とには、両材の接触端面方向に向かって一定の推力がかけられている。本実施の形態において、この推力は1200kgとなっている。そして、この鋼材25と超硬合金材26とを加圧しながら互いに逆方向に回転させることで、両材の端面に摩擦が生じ、摩擦熱を発生させることができるようになっている。
【0066】
そして、前記鋼材25と超硬合金材26との接触面の摩擦熱が融点温度近傍にまで上昇して、前記鋼材25および前記超硬合金材26が溶融し始めた後に、これら両材を回転させているモータ33,34の回転を急停止させる。そして、これらの両材の回転を停止させた後に、鋼材25と超硬合金材26との端面同士の接合する箇所にさらに推力をかける。本実施の形態においては、このときの鋼材25と超硬合金材26との接合箇所に係る推力は1300kgとなっていて、端面が溶融した鋼材25と超硬合金材26とに推力をかけることで、溶融した鋼材25と超硬合金材26との両材が混ざり合い、両材を接合することができるようになっている。
【0067】
なお、本実施の形態においては、鋼材25を高速回転させて、超硬合金材26をこれとは逆方向に低速回転させた例を挙げたが、これに限るものではなく、鋼材25を低速回転させて、超硬合金材26を高速回転させても本実施の形態と同様の効果を得ることができるものとする。
【0068】
さらに、本発明のプレス金型用パンチの製造方法における回転圧接の他の方法としては、回転圧接機を用いて鋼材25と超硬合金材26とを圧接させる工程において、該回転圧接機にセットされた鋼材25もしくは超硬合金材26のいずれか一方だけを回転させる方法がある。
【0069】
これは、回転圧接機の各把持部に鋼材25および超硬合金材26をセットして、この鋼材25と超硬合金材26とのどちらか一方の部材だけを回転させ、他方の部材は固定した状態で所望の摩擦熱を発生させて圧接加工するものである。ここで、この方法における回転圧接機は、前記本発明の第1の実施の形態と同様に、図3ないし図5に記載のものを使用することができる。
【0070】
本実施の形態において、鋼材25と超硬合金材26との接触面に摩擦熱を発生させるための所望の回転数がたとえば4000r.p.m以上であった場合、いずれか一方の部材を4000r.p.mで回転させ、他方の部材を固定することによって、この鋼材25と超硬合金材26との接触面に摩擦熱を発生させることができるようになっている。
【0071】
たとえば、超硬合金材26を回転させ、鋼材25を固定するとすれば、把持部31で把持された超硬合金材26をモータ33の動力によって4000r.p.mで回転させる。そして、この回転する超硬合金材26の端面と、把持部32に把持され、固定した状態の鋼材25の端面のいずれか一方を加圧しながら超硬合金材26の端面と鋼材25の端面とを接触させることによって、両材の端面に摩擦熱が生じるようになっている。そして、超硬合金材26を4000r.p.mで回転させ続けて、この超硬合金材26と鋼材25との摩擦熱を融点温度近傍にまで上昇させる。そして、両材が溶融し始めた後に、前記超硬合金材26の回転を急停止させる。さらに、この回転を停止させた直後に、鋼材25と超硬合金材26との端面同士の接合する箇所にさらに推力をかける。すると、溶融した鋼材25と超硬合金材26とが混ざり合って、前記鋼材25と前記超硬合金材26とを接合することができるようになっている。
【0072】
以下、本発明に係るプレス金型用パンチの製造方法の第2の実施の形態について図面を用いて説明する。
図7には、本発明に係るプレス金型用パンチの製造方法の第2の実施の形態が示されている。
【0073】
図7(A)において、35は、図2における先端部19を構成する超硬合金材であって、この超硬合金材35は、硬度1500HV(90〜92HRA)程度の丸棒状のタングステンカーバイトで形成されている。また、36は、中間金属であって、後に図2における中間部20を構成する部分となるものである。この中間金属36は、溶着性金属で形成されている。本実施の形態において、この中間金属36を形成する溶着性金属としては、ニッケルを主とする合金が用いられている。また、この中間金属36は、丸棒状に形成されていて、前記超硬合金材35と同一の軸径となっている。そして、この超硬合金材35と中間金属36との端面同士を近づけていき、接合する。
【0074】
このような超硬合金材35と中間金属36の接合は、前記本発明の第1の実施の形態で用いた図3〜図5に示す回転圧接機を使用することができる。
【0075】
図3において、この回転圧接機27は、スライド台29の把持部31で超硬合金材35を把持し、該超硬合金材35を回転方向Xに回転させ、これと向かい合うスライド台30の把持部32で中間金属36を把持し、該中間金属36を前記超硬合金材35の回転方向Xとは逆方向の回転方向Yに回転させるようになっている。本実施の形態においては、この超硬合金材35と中間金属36とが同じ回転数で回転している状態となっている。そして、超硬合金材35と中間金属36とがそれぞれ互いに逆方向に回転している状態で、前記スライド台29を矢印A方向にスライドさせ、前記スライド台30を矢印B方向にスライドさせて、超硬合金材35と中間金属36との距離を近づけていく。
【0076】
そして、図4に示すように、この超硬合金材35と中間金属36とを互いに逆方向に、かつ同じ回転数で回転させた状態を保持したまま、前記スライド台29,30の距離を近づけていき、超硬合金材35と中間金属36との端面同士が接触する位置で前記スライド台29,30のスライドを停止させる。このとき、前記超硬合金材35と前記中間金属36とには、両材の接触端面方向に向かって一定の推力がかけられている。すると、この超硬合金材35と中間金属36とは、互いに逆方向に回転した状態で端面同士を加圧しながら接触させることにより摩擦が生じて両材の端面に摩擦熱が発生する。
【0077】
そして、前記超硬合金材35と中間金属36とのそれぞれの端部の摩擦熱が1500℃程度にまで上昇して、前記中間金属36が溶融し始めた後に、前記モータ33,34の回転を急停止させる。すると、このモータ33,34によって互いに逆方向に回転していた超硬合金材35と中間金属36のそれぞれの回転が急停止する。そして、この回転を停止させた直後に、前記超硬合金材35と前記中間金属36との端面同士の接合する箇所にさらに推力をかけて圧接する。
【0078】
ここで、超硬合金材35の溶融温度は、中間金属36の溶融温度よりも高い温度となっているので、中間金属36が溶融温度に達しても超硬合金材35は溶融温度に達しない。しかし、この超硬合金材35は、粉末状のタングステンカーバイトの結合材としてニッケルを含有しているので、超硬合金材35と中間金属36とを回転圧接させることで、この超硬合金材35に含まれるニッケルと、ニッケルを主とする合金からなる中間金属36とが溶融温度に達して溶融し、この溶融した両材が混ざり合って溶着するので、前記超硬合金材35と前記中間金属36とを接合できるようになっている。
【0079】
このように前記超硬合金材35と前記中間金属36とを回転圧接させることで、図7(B)に示すような超硬合金材35と中間金属36とが接合された1本の棒材45が形成される。そして、この棒材45の中間金属36を図におけるC−C’の位置で切断する。ここで、中間金属36を切断する位置は、棒材45の端部に中間金属36が1〜2mm残る位置となっている。
【0080】
続いて、このように形成された棒材45に鋼材46を接合する。この鋼材46は前記棒材45と同一の軸径の丸棒状となるように形成された鋼材であって、本実施の形態においては、「SKD11」(JIS G4404)が用いられている。そして、図7(C)に示すように、棒材45と鋼材46との接合は、端部に中間金属36が接合された棒材45と鋼材46との端部同士を近づけていき圧接する。
【0081】
このような棒材45と鋼材46との接合作業には、図3〜図5に示す前記回転圧接機27を使用して、前記超硬合金材35と前記中間金属36との接合と同様に、前記棒材45と前記鋼材46とを回転圧接機27にセットする。そして、図7(D)に示すように、棒材45を回転方向Xに回転させ、鋼材46を回転方向Yに回転させながら、前記棒材45の端部の中間金属36と前記鋼材46との端部とを推力をかけた状態で接触させる。すると、この棒材45と鋼材46とは、互いに逆方向に回転した状態で端面同士が接触した状態となり、両材の端面に摩擦により熱が発生する。
【0082】
ここで、前記鋼材46を形成する「SKD11」の融点は、約1500℃程度となっていて、ニッケルを主とする合金である前記中間金属36の融点とほぼ同様となっている。すなわち、上記のように棒材45の中間金属36の部分と、「SKD11」からなる鋼材46との端面同士を加圧しながら互いに逆方向に回転させることで発生する摩擦熱によって、この両材はほぼ同一の温度で溶融する。
【0083】
そして、前記棒材45と前記鋼材46とのそれぞれの端部の摩擦熱が1500℃程度にまで上昇して、前記棒材45および前記鋼材46が溶融し始めた後に、前記モータ33,34(図3〜図5参照)によって互いに逆回転していた棒材45と鋼材46のそれぞれの回転を急停止させる。そして、この回転を急停止させた直後に、棒材45と鋼材46との端面同士の接合する箇所にさらに推力をかける。このようにして、溶融した棒材45と鋼材46の両材の端面が混ざり合って溶着し、棒材45と鋼材46とを接合させることが可能となっている。
【0084】
しかる後、図5に示すように、前記スライド台29,30の両方(または一方)を、外側方向にスライドさせて、図7(E)に示すような棒材45と鋼材46とが中間金属36で接合された棒材47を取出して、回転圧接の工程が終了する。
【0085】
そして、回転圧接機27で形成された棒材47は、図6に示すように、形成された棒材47を任意の外径に一括して研削するなどの加工をして、鍔部やシャンク部を形成させることで、パンチ16を形成させることができる。
【0086】
ここで、この棒材47は、先端部が超硬合金、本体部が鋼材からなっており、この超硬合金と鋼材とを溶着性金属を介して接合しているので、鋼材からなる既存のパンチと同様に、この棒材15に鍔部やシャンク部を形成させることができ、図に示すようなパンチ16の形状に加工することができるようになっている。また、このパンチ16の超硬合金からなる先端部にR部分を設けたり、先端部の外径を小さくする際には、ダイヤモンドホイール等を用いて先端部を研削加工して、任意の大きさのR部分を設けることができる。以上のような製造方法で、本発明に係るプレス金型用パンチを製造することができるようになっている。
【0087】
また、本発明のプレス金型用パンチの製造方法における回転圧接の他の方法としては、回転圧接機を用いて棒材と鋼材を加圧しながらそれぞれ回転させて圧接させる工程において、棒材と鋼材のいずれか一方を高速回転させ、他方をこれとは逆方向に低速回転させる方法がある。ここで、この方法における回転圧接機は、前記本発明の第1の実施の形態と同様に、図3ないし図5に記載のものを使用することができる。
【0088】
これは、たとえば、棒材45と鋼材46とを接触させ、摩擦熱を発生させるために必要な回転数が4000r.p.mである場合、棒材45を500〜3500r.p.mの範囲内で回転させる。そして、これとは逆方向に鋼材46を3500〜500r.p.mの範囲内で回転させて、この両材の接触する面の回転数が4000r.p.m以上となるようにするものである。たとえば、棒材45を3000r.p.mの高速で回転させる場合、これと接触する鋼材46を1000r.p.m以上で回転させて、この棒材45と鋼材46との接触する面における両材の回転数を4000r.p.m以上とすることができる。また、棒材45を1000r.p.mの低速で回転させる場合は、これと接触する鋼材46を3000r.p.m以上で回転させれば、この棒材45と鋼材46との接触する面の回転数を4000r.p.m以上とすることができる。このように、鋼材45または超硬合金材46のいずれか一方を高速回転させて、他方を低速回転させて、両材の接触する面を所望の回転数である4000r.p.m以上とすることで、両材の接触する面に所望の摩擦熱を発生させることができる。
【0089】
そして、前記棒材45と前記鋼材46との接触面の摩擦熱が1500℃程度にまで上昇して、前記棒材45および前記鋼材46の各端部が溶融し始めた後に、これら両材を回転させているモータ33,34の回転を急停止させる。そして、これらの両材の回転を停止させた後に、前記棒材45と前記鋼材46との端面同士の接合する箇所にさらに推力をかける。このように、端面同士が溶融した状態で推力をかけると、溶融した前記棒材45と前記鋼材46の両材が混ざり合って溶着し、前記棒材45と前記鋼材46とを接合することができるようになっている。
【0090】
さらに、本発明のプレス金型用パンチの製造方法の回転圧接の他の方法としては、回転圧接機を用いて棒材45と鋼材46とを圧接させる工程において、該回転圧接機にセットされた棒材45もしくは鋼材46のいずれか一方を回転させ、他方を固定する方法がある。
【0091】
これは、回転圧接機の各把持部に棒材45および鋼材46をセットして、この棒材45と鋼材46とのどちらか一方を回転させ、他方を固定して所望の摩擦熱を発生させて圧接加工するものである。ここで、この方法における回転圧接機は、前記本発明の第1の実施の形態と同様に、図3ないし図5に記載のものを使用することができる。
【0092】
本実施の形態において、棒材45と鋼材46との接触面に摩擦熱を発生させるための所望の回転数がたとえば4000r.p.mであった場合、棒材45または鋼材46のいずれか一方を4000r.p.mで回転させ、他方を固定することによって、この棒材45と鋼材46との接触面に摩擦熱を発生させることができるようになっている。
【0093】
たとえば、棒材45を回転させ、鋼材46を固定するとすれば、把持部31で把持された棒材45をモータ33の動力によって4000r.p.mで回転させる。そして、この回転する棒材45の端面と、把持部32に把持されていて、固定した状態の鋼材46の端面とのいずれか一方を加圧しながら棒材45の端面と鋼材46の端面とを接触させることによって、両材の端面に摩擦熱が生じるようになっている。そして、棒材45を4000r.p.mで回転させ続けて、この棒材45と鋼材46との摩擦熱を1500℃程度にまで上昇させる。そして、前記棒材45および前記鋼材46の端部が溶融し始めた後に、前記棒材45の回転を急停止させる。さらに、この回転を停止させた直後に、棒材45と鋼材46との端面同士の接合する箇所にさらに推力をかける。このように、端面同士が溶融した状態で推力をかけると、溶融した前記棒材45と前記鋼材46の両材が混ざり合って溶着し、前記棒材45と前記鋼材46とを接合することができるようになっている。
【0094】
このように、本発明に係るプレス金型用パンチの製造方法の第2の実施の形態によると、本体部を形成する鋼材と先端部を形成する超硬合金との間に溶着性金属を挟んだ構成としたので、前記溶着性金属が前記超硬合金と接合しやすく、かつ前記鋼材とも低温で接合するので、回転圧接に要する時間を短縮することができるようになり、容易にプレス金型用パンチを製造することができるようになっている。
【0095】
なお、本実施の形態におけるプレス金型用パンチおよびその製造方法は、特にショルダーパンチにおいて説明したが、これに限るものではなく、プレス金型に使用する他のパンチについても同様に構成することが可能であって、本発明と同様の製造方法で製造することができる。
【0096】
また、本発明のパンチは、本体部を鋼材で構成し、先端部を超硬合金で構成したので、本体部の内部を既存の鋼材からなるパンチと同様に加工することができ、超硬合金だけで形成された従来のパンチでは形成が困難であったタップ付きパンチやジェクタパンチを形成させることができる。
【0097】
なお、本実施の形態において、パンチの本体部を形成する鋼材としては、特に「SKD11」を例に挙げて説明したが、既存の「SKH51」等を使用しても本実施の形態と同様の製造方法でパンチを製造できるものとする。
【0098】
また、本実施の形態においては、溶着性金属としてニッケルを主とする合金を例に挙げたが、これに限るものではなく、超硬合金に含まれるコバルトを主とする合金等を用いても本実施の形態と同様の効果を得られるものとする。
【0099】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0100】
請求項1に記載の発明によれば、プレス金型を用いて被加工物の穴明けをするにあたって、被加工物の一部と接触しうるパンチの先端部を超硬合金とし、パンチの本体部を鋼材で構成して、パンチの先端部とパンチの本体部とを溶着によって接合したので、パンチの先端部と本体部との接合箇所の強度が高く、パンチに掛かる圧力に対する耐久性に優れ、パンチの先端部と本体部との接合箇所に亀裂が生じたり、剥離してしまうことがないプレス金型用パンチを得ることができる。また、パンチの本体部が鋼材からなるので、本体部の内部に穴を明ける等の加工をすることが可能となり、従来、超硬合金だけを材料としたものでは形成することの困難だったタップ付きパンチやジェクタパンチを容易に形成させることができるようになる。
【0101】
請求項2に記載の発明によれば、プレス金型を用いて被加工物の穴明けをするにあたって、被加工物の一部と接触しうるプレス金型用パンチの先端部を超硬合金とし、パンチの本体部を鋼材で構成して、パンチの先端部とパンチの本体部とを溶着性金属からなる中間部を介して溶着したので、超硬合金と鋼材とを容易に接合させることが可能で、なおかつ接合箇所の強度が高く、パンチに掛かる圧力に対する耐久性に優れ、パンチの先端部と本体部との接合箇所に亀裂が生じたり、剥離してしまうことがないプレス金型用パンチを得ることができる。
【0102】
請求項3に記載の発明によれば、超硬合金と鋼材とを加圧しながら回転させて、この両材の接触する面に摩擦熱を発生させ、この熱によって両材が混ざり合って溶着するので、超硬合金と鋼材との接合箇所の強度が高く、被加工物の加工後に被加工物からパンチを引き抜く際にも、パンチの先端部と本体部とが接合箇所から剥離してしまうことがなく、耐久性に優れたプレス金型用パンチを製造することができる。
【0103】
請求項4に記載の発明によれば、超硬合金と鋼材とを回転圧接させる際に、一方を高速回転させた場合、他方を低速回転させて、一方を低速回転させた場合、他方を高速回転させれば、この両材の接触する面における所望の回転数を発生させることができ、超硬合金と鋼材とに回転による適度な摩擦熱を発生させて、この熱によって両材を溶着して接合することができる。
【0104】
請求項5に記載の発明によれば、超硬合金と鋼材とのいずれか一方を回転させ、他方を固定して、この両材の接触する面に摩擦熱を発生させ、この熱によって溶融した両材が混ざり合って溶着するので、超硬合金と鋼材との接合箇所の強度が高く、被加工物の加工後に被加工物からパンチを引き抜く際にも、パンチの先端部と本体部との接合箇所に亀裂が入ったり、剥離してしまうことがなく、耐久性に優れたプレス金型用パンチを製造することができる。
【0105】
請求項6に記載の発明によれば、超硬合金と鋼材とを回転圧接させる際に、一方を回転させ、他方を固定すれば、この両材の接触する面における所望の回転数を発生させることができ、超硬合金と鋼材とに回転による適度な摩擦熱を発生させることができ、この熱で溶融した両材を溶着させて接合することができる。
【0106】
請求項7に記載の発明によれば、超硬合金と溶着性金属とを加圧しながら互いに逆方向に回転させて摩擦熱を発生させることで、超硬合金に含まれるニッケルやコバルトと前記溶着性金属とが熱によって溶融し、接触箇所で溶着するので、超硬合金と溶着性金属とを少ない回転数で結合させることができる。そして、この溶着性金属と融点の近い鋼材とを互いに逆方向に回転させることで、熱により両材が溶融し、容易に溶着させることができるので、端部に溶着性金属が接合された超硬合金と鋼材とを容易に接合することができ、先端部が超硬合金からなり、耐摩耗性に優れたプレス金型用パンチを容易に製造することができる。また、この溶着性金属は、超硬合金および鋼材とそれぞれ混ざり合って溶着するので、結合箇所の結合力が強く、超硬合金と鋼材との接合箇所に力が掛かっても、接合箇所に亀裂が生じたり、剥離したりすることがなく、耐久性に優れたプレス金型用パンチを効率よく、かつ容易に製造することができる。
【0107】
請求項8に記載の発明によれば、超硬合金と溶着性金属とのいずれか一方を加圧しながら、超硬合金と溶着性金属とのいずれか一方を回転させて両材の接触箇所に摩擦熱を発生させることで、超硬合金に含まれるニッケルやコバルトと前記溶着性金属とが結合するので、超硬合金と溶着性金属とを少ない回転数で溶着させることができる。そして、この溶着性金属と融点の近い鋼材とのいずれか一方を回転させることによって、両材の端面に摩擦熱が生じ、この熱によって溶融した両材を容易に溶着させることができるので、先端部が超硬合金からなり、耐摩耗性に優れたプレス金型用パンチを容易に製造することができる。また、この溶着性金属は、超硬合金および鋼材とそれぞれ混ざり合って溶着するので、接合箇所の結合力が強く、超硬合金と鋼材との接合箇所に力が掛かっても、接合箇所に亀裂が生じたり、剥離したりすることがなく、耐久性に優れたプレス金型用パンチを効率よく、かつ容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレス金型用パンチを示す斜視図である。
【図2】本発明に係るプレス金型用パンチを示す斜視図である。
【図3】本発明に係るプレス金型用パンチの製造方法を示す概念図である。
【図4】本発明に係るプレス金型用パンチの製造方法を示す概念図である。
【図5】本発明に係るプレス金型用パンチの製造方法を示す概念図である。
【図6】本発明に係るプレス金型用パンチの製造方法を示す斜視図である。
【図7】本発明に係るプレス金型用パンチの製造方法を示す概念図である。
【図8】プレス加工におけるプレス金型の動作を示す断面図である。
【図9】プレス加工におけるプレス金型の動作を示す断面図である。
【図10】プレス加工におけるプレス金型の動作を示す断面図である。
【図11】プレス加工におけるプレス金型の動作を示す断面図である。
【符号の説明】
10,16…………パンチ
13,19…………先端部
14,21…………本体部
20…………………中間部
25,46…………鋼材
26,35…………超硬合金材
27…………………回転圧接機
Claims (8)
- その本体を取り付けるための本体部を鋼材で構成し、被加工物の穴明けを行う先端部を超硬合金で構成して、プレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチにおいて、前記パンチの本体部と前記パンチの先端部の端面同士を溶着により接合したことを特徴とするプレス金型用パンチ。
- その本体を取り付けるための本体部を鋼材で構成し、被加工物の穴明けを行う先端部を超硬合金で構成して、プレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチにおいて、前記パンチの本体部と前記パンチの先端部の端面同士を溶着性金属からなる中間部を介して溶着により接合したことを特徴とするプレス金型用パンチ。
- その本体を取り付けるための本体部と被加工物の穴明けを行う先端部とから構成されプレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチの製造方法において、超硬合金からなる棒材と鋼材からなる棒材との端面同士を合わせ両材を加圧しながら、前記超硬合金からなる棒材と前記鋼材からなる棒材の両部材を正逆回転させ、前記超硬合金からなる棒材と前記鋼材からなる棒材とを溶着接合して棒材を成形し、該棒材の超硬合金からなる部分が前記パンチの先端部となるように研削加工してなることを特徴とするプレス金型用パンチの製造方法。
- 前記正回転する棒材の回転数は500〜3500r.p.mで、前記逆回転する棒材の回転数は3500〜500r.p.mであって、前記正回転する棒材と前記逆回転する棒材との接触する箇所の回転数は4000r.p.m以上であることを特徴とする請求項3に記載のプレス金型用パンチの製造方法。
- その本体を取り付けるための本体部と被加工物の穴明けを行う先端部とから構成されプレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチの製造方法において、超硬合金からなる棒材と鋼材からなる棒材との端面同士を合わせいずれか一方を加圧しながら、前記超硬合金からなる棒材と前記鋼材からなる棒材のいずれか一方を回転させ他方を固定することによって前記超硬合金からなる棒材と前記鋼材からなる棒材とを溶着接合して棒材を成形し、該棒材の超硬合金からなる部分が前記パンチの先端部となるように研削加工してなることを特徴とするプレス金型用パンチの製造方法。
- 前記超硬合金からなる棒材または前記鋼材からなる棒材のうち回転させる棒材の回転数は、4000r.p.m以上であることを特徴とする請求項5に記載のプレス金型用パンチの製造方法。
- その本体を取り付けるための本体部と被加工物の穴明けを行う先端部とから構成されプレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチの製造方法において、
超硬合金からなる棒材と溶着性金属からなる棒材との端面同士を合わせ両材を加圧しながら、前記超硬合金からなる棒材と前記溶着性金属からなる棒材の両部材を正逆回転させ、前記超硬合金からなる棒材と前記溶着性金属からなる棒材とを接合する第一工程と、
前記超硬合金からなる棒材と接合した前記溶着性金属からなる棒材を適宜の位置で切断して端部が溶着性金属からなる棒材を成形する第二工程と、
前記第二工程で成形した棒材と鋼材からなる棒材との端面同士を合わせ両材を加圧しながら、前記端部が溶着性金属からなる棒材と前記鋼材からなる棒材の両部材を正逆回転させ、前記第二工程で成形した棒材と鋼材からなる棒材とを溶着接合して棒材を成形する第三工程と、
前記第三工程で成形した棒材の超硬合金からなる部分が前記パンチの先端部となるように研削加工する第四工程と、
を含むことを特徴とするプレス金型用パンチの製造方法。 - その本体を取り付けるための本体部と被加工物の穴明けを行う先端部とから構成されプレス金型に挿着して被加工物の穴明け加工を行うパンチの製造方法において、
超硬合金からなる棒材と溶着性金属からなる棒材との端面同士を合わせいずれか一方を加圧しながら、前記超硬合金からなる棒材と前記溶着性金属からなる棒材のいずれか一方を回転させ他方を固定することによって前記超硬合金からなる棒材と前記溶着性金属からなる棒材とを溶着接合する第一工程と、
前記超硬合金からなる棒材と接合した前記溶着性金属からなる棒材を適宜の位置で切断して端部が溶着性金属からなる棒材を成形する第二工程と、
前記第二工程で成形した棒材と鋼材からなる棒材との端面同士を合わせいずれか一方を加圧しながら、前記端部が溶着性金属からなる棒材と前記鋼材からなる棒材のいずれか一方を回転させ他方を固定することによって前記第二工程で成形した棒材と鋼材からなる棒材とを溶着接合して棒材を成形する第三工程と、
前記第三工程で成形した棒材の超硬合金からなる部分が前記パンチの先端部となるように棒材を研削加工する第四工程と、
を含むことを特徴とするプレス金型用パンチの製造方法。
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