JP2004275928A - 可搬型水浄化装置 - Google Patents

可搬型水浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004275928A
JP2004275928A JP2003072657A JP2003072657A JP2004275928A JP 2004275928 A JP2004275928 A JP 2004275928A JP 2003072657 A JP2003072657 A JP 2003072657A JP 2003072657 A JP2003072657 A JP 2003072657A JP 2004275928 A JP2004275928 A JP 2004275928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
water
pressure
ring
rings
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003072657A
Other languages
English (en)
Inventor
Etsuro Sakagami
上 越 朗 坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2003072657A priority Critical patent/JP2004275928A/ja
Publication of JP2004275928A publication Critical patent/JP2004275928A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Abstract

【課題】種々の物質を含有する原水を浄化することができるとともに、容易に搬送することができる可搬型水浄化装置を提供する。
【解決手段】複数のリングを相互に重ね合わせて筒状に構成したフィルタ104を外筒101内に収容し、このフィルタ内にその一端から水圧による押圧力を作用させた状態でフィルタを通して原水を通過させることにより水の浄化を行うリングチューブを備えた水浄化装置において、フィルタ104に作用する圧力を水圧で制御する制御手段と、ろ過工程ではフィルタの中心孔内に原水を供給して、フィルタ104を通過してその外周面側に移動した液体を処理水として取り出し、洗浄工程ではフィルタ104の外周面側からその中心孔内に向けて処理水を強制的に流入させることにより、フィルタに堆積した固形物を除去する管路手段と、リングチューブ、制御手段および管路手段をフレームワーク1に一体的に保持させて、構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の夾雑物が混入している原水をろ過して、飲用水もしくはこれに準ずる生活水として取り出すことができる水浄化装置に関し、とくに装置全体を容易に運搬できる形態とし、水を必要とする地点に搬送することができるようにした可搬型水浄化装置に関する。
本発明において、「水浄化」とは、海水、塩分を含んだ井水、あるいは種々の物質が混入している水質の悪い水(以下、「原水」という)を、飲用水あるいは生活用水として使用し得る程度の純度の水になるまで浄化することを意味する。
【0002】
【従来の技術】
汚水から、これに混入している夾雑物を高い効率で除去して、飲料水あるいは生活水程度の純度の水を得ることは、水資源の乏しい地域などではきわめて深刻は要求であり、このような要求は、災害時などでライフラインが遮断された状況でも同様である。
【0003】
このような要求に対処するために、従来から多数の提案がなされてきた。もっとも単純な手段は、汚水もしくは塩分の混入した原水をろ過あるいは蒸留によって浄化することである。しかしながら、濾過には特有の問題点を内包していることも事実であり、特に大きな問題点として、液体に混入している固形物の粒子径が小さくなると効率が急激に低下すること、およびある程度の濾過が行われた時点でろ材の洗浄が必要になること、が挙げられる。
【0004】
ろ材としては、ネット、ろ布、固体粒子の充填層、半透膜等が知られているが、どのような形態のろ材を使用した場合でも、上記の問題点を回避することはできない。
【0005】
一方、海水を飲料水にするための海水淡水化に注目すると、現在、日本及び諸外国で一般的に利用されている海水淡水化の方法は、Ro膜による逆浸透法である。沖縄県では4万m/日の能力のプラントが稼動中であり、福岡県では5万m/日のプラントが建設中である。
この逆浸透法は、通常は中央に浸透膜を置いて、左右に海水と淡水を置いた場合には、浸透庄により淡水から海水のほうに水が移動し、約600m(6Mp)海水の方の水面が高くなってバランスする。そこで、海水面に逆に6Mpの圧力をかけることにより、海水の中の水分を淡水側に押し出して、海水を淡水化する方法であり、現在で海水の淡水化大量生産システムでは最も低コストで淡水化できる方法と言われている。
【0006】
しかしながら、これら膜式の濾過装置は、異物による目詰まりを避けられないため、高圧エアー、あるいは洗浄水によって逆洗をして異物を除去し、その濾過能力を回復している。しかしながら、膜の目は細かく形成されているので、このような逆洗方法では、完全に異物を取り除くことが難しい。したがって膜を頻繁に交換する必要があり、メンテナンスが煩わしいばかりでなく、ランニングコストが高くなってしまう。
【0007】
このようは欠陥のない浄化装置の開発が強く求められており、その一例として、特開2002−239536号公報に開示されているような装置が提案されている。この公知の装置は、海水を内部に導入することが可能であり、海水上の容器内空間部を減圧状態に保つことのできる第1の容器と、水蒸気を吸着及び脱離する吸着剤が内部に配置され、該吸着剤を加熱・冷却する加熱・冷却手段を備えた第2の容器と、水蒸気を凝縮させる凝縮手段を備えた第3の容器と、前記第1の容器及び前記第2の容器を連通する第1の配管と、前記第2の容器及び前記第3の容器を連通する第2の配管と、少なくとも前記第2の容器を減圧にすることが可能な減圧手段と、を備えており、前記吸着剤は、中心細孔直径が0.1〜50nmの細孔を有する多孔体であることを特徴とするものである。
【0008】
[特許文献]特開2002−239536
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の半透膜を使用する装置も、半透膜の代わりに蒸留と吸着を組み合わせた特開2002−239536号公報記載の装置も、種々の複雑で大型の容器や配管等の設備を必要としているために、その処理能力の低さを許容するとしても、処理すべき原水を容易に取得することができる場所に搬送することは事実上不可能であり、一時的に浄水を必要とするような用途、あるいは災害発生時等の緊急事態に対応することはできない。
【0010】
本発明の目的は、飲料水として利用可能な程度の純度の水を、種々の物質を含有する原水から容易に得ることができるとともに、災害発生時等において、水を必要とする現地に容易に搬送することができるように改良した可搬型水浄化装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、複数のリングを相互に重ね合わせて筒状に構成したフィルタ及び前記リングを各々の開口が一致するように保持した状態で収容するとともに、前記フィルタとの間に形成された通路を有する外筒、および前記フィルタにその一端から水圧による押圧力を作用させることにより、前記リングの各々を相互に密着させる加圧ユニットを備えたリングチューブと、
前記フィルタの一端から押圧力を加えることにより隣接する前記リングを相互に密着させた第1の状態と、前記押圧力を開放して隣接する前記リングが相互に離れることを許容する第2の状態のいずれかを選択できるように、前記フィルタに作用する圧力を水圧で制御する制御手段と、
ろ過工程では前記フィルタの中心孔内に、浄化すべき原水を供給して前記フィルタを通過してその外周面側に移動した液体を処理水として取り出し、洗浄工程では前記フィルタの外周面側からその中心孔内に向けて処理水を強制的に流入させることにより、前記フィルタに各リング間に堆積した固形物を除去する管路手段と、
前記リングチューブ、前記制御手段および前記管路手段を一体的に保持するフレームワークと、
を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の可搬型水浄化装置において、前記リングチューブの1もしくは2以上で構成された第1組と、前記リングチューブの1もしくは2以上で構成された第2組とが設けられ、前記第1組または前記第2組のリングチューブのいずれか一方が前記ろ過工程にあるときに他方の組のリングチューブが洗浄工程となるように前記制御手段の制御が行われるように構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載された発明は、請求項1または2に記載の可搬型水浄化装置において、前記加圧ユニットが、シリンダおよびその内部で往復可能なピストンを備え、前記ピストンのピストンロッドにより前記フィルタの一端に押圧力を加えることができるように構成されていることを特徴とする。
さらに請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の可搬型水浄化装置において、前記原水が、海水あるいは塩分を含んだ井水であり、前記原水中の塩分を除去するための食塩結晶化装置をさらに備えている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1および図2は、本発明にもとづいて構成された可搬型水浄化装置を示すもので、図1は側面図、図2はその平面図である。これらの図において、符号1は、装置全体を保持するフレームワークを示し、このフレームワーク1に、水浄化装置を構成する種々の要素が支持されている。またフレームワーク1の底面には、床面に安定に設置することが出来るように4個の脚2が取り付けられているが、脚2に代えてキャスターとすることもできる。
【0014】
フレームワーク1に支持された水浄化装置は、複数(この例では4基)のリングチューブ10A、10B、11A、11B、小型高圧ポンプ、これらを連結する配管およびバルブ等の構成要素を備えて構成されている。
この例では、リングチューブは、リングチューブ10Aおよび10Bからなる第1組として、リングチューブ11Aおよび11Bからなる第2組の2組に分けられ、この2組のリングチューブが、所定の運転プログラムに従って制御される小型高圧ポンプやバルブの動作に応じて、原水導入口12から処理原水を汲み上げ、各リングチューブで浄化を行い、処理済みの浄水を浄水取出口13から取り出し、また排水を濃縮液排出口14から排出できるように構成されている。
なお、符号15は装置全体の動作を制御する制御盤、16は各部の状態を示す計器盤である。
【0015】
図3は、この実施の形態で用いられたリングチューブの一つの縦断面図を示している。なお全てのリングチューブ10A、10B、11A、11Bは実質的に同一構成となっているので、その一つ(例えばリングチューブ10A)のみについて以下に説明する。
リングチューブ10Aは、参照符号101で示す外筒を有し、この外筒101の一端(図3の下端)は、ほぼ円板状の蓋体102によって閉じられている。
【0016】
蓋体102の外筒101に接する端面には、その周面から外筒101の壁の厚さより若干大きい距離だけ内側に入った位置に、リング状の凸部102aが設けら、この凸部102aは、外筒101の端面の開口からその内部に挿入されて、例えばネジ込み式に嵌め込むことで、外筒101に蓋体102が、両者間に隙間がない状態で固定されている。また蓋体102の中心位置には、これを貫通して、原水導入口12を構成する導管103が設けられている。
【0017】
さらに外筒101の内部には、その内径よりも小さい、好ましくは約1/2程度の外径を有する円筒状のフィルタ104が、各々の軸心が一致するような配置で収容されている。このフィルタ104は、図4にその一部を示すように、多数のドーナツ状のリング105を各々の軸心が一致するするような配置で相互に重ね合わせて構成した円筒状のもので、外筒101の内周面とフィルタ104の外周面との間には、円筒状の空間すなわち通路106が形成されており、この通路106は外筒101の下端部に周壁を貫通して設けられた、原水導管109と連通している。なお符号107は、フィルタ104の外周面から微小間隔で外側に位置するように配置された3本もしくはそれ以上の位置規制用ロッドを示す。この位置規制用ロッド107は、フィルタ104を構成しているリング105が所定の位置に保持されるようにその位置を規制するためのもので、必要に応じて、位置規制用ロッド107自身も、外筒101の内周面との間に設けられたリング状の保持部材108により変形しないように保持される。
【0018】
一方、外筒101の、前記の端部とは反対側に位置する端部には、外筒101と共通の軸心を有するような配置で円筒状の加圧ユニット110が設けられている。この加圧ユニット110は、外筒101とほぼ等しい直径のシリンダ111と、このシリンダ111内を軸方向に摺動可能なピストン112と、このピストン112の中心を貫通するピストンロッド113を備え、このピストンロッド113の一端は、カップ状の押さえ部材114を介して、前述のフィルタ104の一端に衝合している。またシリンダ112の、ピストン112によって区画された2つのチャンバ115および116のうち、フィルタ104から離れた側のチャンバ116の内部は、導管117を介して外部の圧力源である小型高圧ポンプ(図示せず)に接続され、チャンバ116内の圧力が上昇または下降するのに応じて、ピストン112はピストンロッド113とともに移動し、ピストンロッド113の先端でフィルタ104の一端を押圧し、あるいは押圧を解除するようになされている。
【0019】
このリングチューブ10Aが浄化処理のろ過工程にある状態では、ピストンロッド113はその移動範囲の下端に向けて移動するように付勢されており、これによりフィルタ104はピストンロッド113と蓋体102との間で、その軸方向に所定の圧力で圧縮されている。この状態で導管103を経てフィルタ104の中心孔内に原水が適当な圧力で圧送されてくると、水のみがフィルタ104を構成している多数のリング105間の微細な間隙を通って通路106に移動し、処理水としてリングチューブ10Aの外部に取り出されるが、原水中に含有されている夾雑物はこの間隙を通過することができず、フィルタ104の中心孔内に留まる。
【0020】
この状態で、ろ過工程が進行すると、フィルタ104の中心孔内に残留する夾雑物の量が増大し、ろ過能力が低下してくる。このような状態に達すると、シリンダ116内の圧力を低下させてピストン112およびピストンロッド113を後退(図2の上方に移動)させる。同時に、バルブを操作して、処理水を導管102から通路106内に圧送すると、処理水はフィルタ104の外周綿側からその中心孔内に流れ、ついで導管103から外部に取り出される。これにより、フィルタ104のリング103間、およびフィルタ104の内周面に付着していた夾雑物が処理水とともに外部に排出され、ここにフィルタ104の洗滌が行われる。
【0021】
ピストン112を駆動するための加圧源としては、油圧、水圧あるいは空気圧等の流体圧を発生し得るものであれば、その種類を問わないが、小さい動力で大きい圧力を得ることができる点で、水圧を利用する小型高圧ポンプが適している。この小型高圧ポンプとしては、10〜30Kg/cmの水圧を発生できるものが好ましい。
【0022】
図5は、本発明の可搬型水浄化装置のうち、第1組のリングチューブ10Aと、これに接続されたポンプ、バルブおよび配管の構成を、浄化工程にあるものとして示す概略的系統図である。図5において、リングチューブ10Aの加圧ユニット110には、ポンプP1の作用でストレーナSおよびレギュレータRを経て、所定の流体圧が加えられ、フィルタ104はその軸方向に作用する押圧力を受け、各リング105は隣接するリング105に強い力で押し付けられている。レギュレータRは、シリンダ112内の圧力を、例えば2〜10Kg/cmの範囲で一定の水圧に維持する。
【0023】
この状態で、原水タンク121内の浄化処理すべき原水は、ポンプP1の作用でストレーナSおよび二方弁V1を経て、原水取入口である導管103を経てリングチューブ10Aの内部の、フィルタ104の中心孔内に適度な圧力で圧送される。その結果、前述のように、原水はリングチューブ10A内のフィルタ104でろ過され、ろ液である処理水が導管109から三方弁V2を経て取り出され、処理水タンク122に蓄えられる。
【0024】
このろ過工程が所定量の原水を処理するまで行われた後、フィルタ104を洗滌するための洗浄工程に入る。この洗浄工程の原水および処理水の流れを図6に示す。洗浄工程では、二方弁V1が閉、二方弁V3が開となり、ポンプP2が動作するとともに、三方弁V2がこのポンプP2側に切り替えられる。この状態では、シリンダ112内の圧力が低下して、フィルタ104にその軸方とに作用していた押圧力が開放され、各リング103と隣接するリングとの間の間隙が増大し得る状態となる。同時に、処理水タンク122内の処理水がポンプP2および三方弁V2を経て導管109に導かれ、リングチューブ10Aの外筒101とフィルタ104との間の通路106内に圧送される。この処理水は、外筒101とフィルタ104との間の通路106からフィルタ104のリング105間を通ってフィルタ104の中心孔内に流れ、ついで導管103から、二方弁V3を経て原水タンク121に戻される。これにより、フィルタ104のリング105間およびその内周面に付着していた夾雑物が洗い流され、ここの洗滌が行われる。
【0025】
図5および図6では、1基のリングチューブの動作について説明したが、図1および図2に示した例の可搬型水浄化装置では、2基のリングチューブ10A、10Bからなる第1組と、同じく2基のリングチューブ11A、11Bからなる第2組とからなる2組のリングチューブが設けられており、第1組のリングチューブ10A、10Bがろ過工程にある間に、第2組の11A、11Bが洗浄工程を行うように、交互に使用され、これにより中断なく、連続的に処理水を供給することが可能になる。
また、使用されるリングチューブの本数は、必要とする処理水の単位時間当たりの流量、あるいは水浄化装置の搬送の容易さ等の条件に応じて適宜に変更することができる。たとえば、図1および図2の例では、4基のリングチューブが設けられ、小型の車両に搭載して搬送できる規模で構成されているが、1基のリングチューブのみであれば、手に下げ、あるいはカートに載せて人力で搬送できる程度のポータブルなサイズで構成することが可能である。
【0026】
本発明の可搬型水浄化装置が対象とする「水」とは、前述のとおり、種々の物質が混入もしくは溶解することによって飲用水もしくは生活水に適さない水質の悪い水を意味するが、本発明の可搬型水浄化装置における浄化の基本的な操作はろ過であるので、水に溶解した不純物はそのままでは除去できない。このような不純物を含有する水については、浄化処理に先立って、溶解している不純物を固形物に変化させることが必要である。
【0027】
本発明の可搬型水浄化装置で海水、もしくは塩分を含む水を処理する場合には、塩分を結晶化させた後に、リングチューブで処理して浄化する。このような塩分結晶化処理は、海水に高周波電流を印加し、海水中のナトリウムイオンと塩素イオンとを反応させて、塩化ナトリウムの結晶を生成させる結晶化工程と、前記生成された塩化ナトリウムの結晶を含む海水を、前記濾過部の前記液体通路内に供給し、前記リング間の間隙を通して液体のみを通過させることにより濾過して前記塩化ナトリウムの結晶を分離する濾過工程とを含む。
【0028】
海水淡水化のために構成された本発明の可搬型水浄化装置の一例を図7に示す。この例の可搬型水浄化装置は、図3に示したものと同様の、内部に円筒状のフィルタを収容するリングチューブと、そのフィルタの外側の通路に海水を高圧で供給するための高圧ポンプを備えている。処理すべき海水は、ポンプおよびフィルタを経てイオンチャージャに供給され、ここで25〜50KHz、数千ボルト、たとえば4000V〜10000Vの高周波電圧を数十秒かける。これにより、海水中に分散しているナトリウムイオン(Na)と塩素イオン(Cl)とが反応して、直径1μm程度の大きさの微細な食塩結晶が形成され、好ましくは対流を利用して最大1マイクロメートルの粒子に成長させ、さらにそれを凝集させて、直径数マイクロメートルの粒子に成長させる作用が行われる。
次に、結晶化した食塩を含有する海水は、リングチューブフィルタ(一例として外径156mm、内径136mm、厚さ800mmのもの)を備えたリングチューブに供給される。このリングチューブフィルタは、その軸方向に20Kg/cm2で加圧して、リング間にナノレベルの隙間を作り出しており、その外側に海水を導くことにより、内部に淡水、外側に塩分が濃縮された塩水に分離する。この濃縮水は、濃縮水は、塩分濃度16%程度、ミネラル成分も残り、天然塩に近い食塩を含有しており、バルブ−3を有する管路を経て取り出されたのち、食塩を得るための処理を受ける。
【0029】
一方、リングチューブフィルタの各リング感の間隙を通過してその内部空間に移行した液体は、食塩の結晶が分離された淡水であり、これはバルブ−4を有する管路を経て気液分離器に送られ、分離された液体が淡水として取り出される。リングチューブで分離された淡水の塩分濃度は0.067%程度、にがり成分である塩化マグネシウムなどのミネラルが海水の1/2程度の濃度で含まれ、ほどよくミネラルを含んだ状態のものである。
【0030】
本発明の海水淡水化方法によれば、海水中のナトリウム(Na)のみを除去できるため、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)などの有用ミネラルを濾過後の液体中に残すことが可能となる。
【0031】
また、本発明では、塩化ナトリウムの結晶を含む海水をフィルタに透過させて濾過するにあたり、平板リングを複数枚重ね合わせ、重ね合わせた平板リングの両側に対して圧力をかけて各平板リング間の間隙幅が1μmより小さくなるように調整したリングチューブフィルタを用いることがある。この場合、重ね合わせた平板リングの両側にかける圧力の調整を通じて、前記塩化ナトリウムの結晶が透過できない1μmより小さい間隙を簡易に作ることができる。
【0032】
本発明の可搬型水浄化装置の利点を、従来のRo膜式の装置と比較して下の表1に示す。
【表1】
Figure 2004275928
【0033】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、多数のリングを重ね合わせたフィルタを備え、このフィルタをその軸方向に押圧することで多数の微細な空隙を形成するために、水圧ポンプによる水圧を利用している。このため、たの加圧手段を適用した場合と比較して、小型かつ軽量に構成することが可能になり、ろ過を必要とする場所に小型車両等を利用して容易に搬送することができるという利点を発揮する。
このような本発明の可搬型水浄化装置の重要な利点の一つは、コンプレッサを使用していないために、小型で可搬型でありながら、海水の淡水化にも適用できるということである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にもとづいて構成された可搬型水浄化装置の側面図である。
【図2】図1に示した可搬型水浄化装置の平面図である。
【図3】図1に示した可搬型水浄化装置に適用されたリングチューブを示す縦断面図である。
【図4】図3に示したリングチューブのフィルタを構成するリングの一部を示す斜視図である。
【図5】図1に示した可搬型水浄化装置のろ過工程における液体の流れを示す系統図である。
【図6】図1に示した可搬型水浄化装置の洗滌工程における液体の流れを示す系統図である。
【図7】海水淡水化に適するように構成された本発明の可搬型水浄化装置を示す系統図である。
【符号の説明】
1 フレームワーク
2 脚
10A、10B、11A、11B リングチューブ
12 原水導入口
13 浄水取出口
14 濃縮液排出口
15 制御盤
16 計器盤
101 外筒
102 蓋体
102a 凸部
103 導管
104 フィルタ
105 リング
106 通路
107 位置規制用ロッド
108 保持部材
109 導管
110 加圧ユニット
111 シリンダ
112 ピストン
113 ピストンロッド
114 押さえ部材
115 チャンバ
121 原水タンク
122 処理水タンク
P1 小型高圧ポンプ
P2 洗浄用ポンプ
S ストレーナ
R レギュレータ
V1 二方弁
V2 三方弁
V3 二方弁

Claims (4)

  1. 複数のリングを相互に重ね合わせて筒状に構成したフィルタ及び前記リングを各々の開口が一致するように保持した状態で収容するとともに、前記フィルタとの間に形成された通路を有する外筒、および前記フィルタにその一端から水圧による押圧力を作用させることにより、前記リングの各々を相互に密着させる加圧ユニットを備えたリングチューブと、
    前記フィルタの一端から押圧力を加えることにより隣接する前記リングを相互に密着させた第1の状態と、前記押圧力を開放して隣接する前記リングが相互に離れることを許容する第2の状態のいずれかを選択できるように、前記フィルタに作用する圧力を水圧で制御する制御手段と、
    ろ過工程では前記フィルタの中心孔内に、浄化すべき原水を供給して前記フィルタを通過してその外周面側に移動した液体を処理水として取り出し、洗浄工程では前記フィルタの外周面側からその中心孔内に向けて処理水を強制的に流入させることにより、前記フィルタに各リング間に堆積した固形物を除去する管路手段と、
    前記リングチューブ、前記制御手段および前記管路手段を一体的に保持するフレームワークと、
    を備えていることを特徴とする可搬型水浄化装置。
  2. 前記リングチューブの1もしくは2以上で構成された第1組と、前記リングチューブの1もしくは2以上で構成された第2組とが設けられ、前記第1組または前記第2組のリングチューブのいずれか一方が前記ろ過工程にあるときに他方の組のリングチューブが洗浄工程となるように前記制御手段の制御が行われるように構成されている請求項1に記載の可搬型水浄化装置。
  3. 前記加圧ユニットが、シリンダおよびその内部で往復可能なピストンを備え、前記ピストンのピストンロッドにより前記フィルタの一端に押圧力を加えることができるように構成されている請求項1または2に記載の可搬型水浄化装置。
  4. 前記原水が、海水あるいは塩分を含んだ井水であり、前記原水中の塩分を除去するための食塩結晶化装置をさらに備えている請求項1乃至3のいずれかに記載の可搬型水浄化装置。
JP2003072657A 2003-03-17 2003-03-17 可搬型水浄化装置 Pending JP2004275928A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003072657A JP2004275928A (ja) 2003-03-17 2003-03-17 可搬型水浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003072657A JP2004275928A (ja) 2003-03-17 2003-03-17 可搬型水浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004275928A true JP2004275928A (ja) 2004-10-07

Family

ID=33288795

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003072657A Pending JP2004275928A (ja) 2003-03-17 2003-03-17 可搬型水浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004275928A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013230411A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Mizuno Strainer Kogyo Kk 逆洗型ろ過装置
CN101797453B (zh) * 2009-02-06 2014-06-25 杜也兵 箱式净水器
CN104028035A (zh) * 2014-05-25 2014-09-10 慈溪市绿派新能源科技有限公司 纯水机清洗装置
CN106237698A (zh) * 2016-08-25 2016-12-21 江苏瑞尔光学有限公司 一种树脂镜片喷淋式清洗过滤净水器
CN115261145A (zh) * 2022-09-09 2022-11-01 湖北瑞晟生物有限责任公司 一种植物芳香油提取装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101797453B (zh) * 2009-02-06 2014-06-25 杜也兵 箱式净水器
JP2013230411A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Mizuno Strainer Kogyo Kk 逆洗型ろ過装置
CN104028035A (zh) * 2014-05-25 2014-09-10 慈溪市绿派新能源科技有限公司 纯水机清洗装置
CN106237698A (zh) * 2016-08-25 2016-12-21 江苏瑞尔光学有限公司 一种树脂镜片喷淋式清洗过滤净水器
CN115261145A (zh) * 2022-09-09 2022-11-01 湖北瑞晟生物有限责任公司 一种植物芳香油提取装置
CN115261145B (zh) * 2022-09-09 2023-12-22 云南纳域生物科技有限公司 一种植物芳香油提取装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4903113B2 (ja) 水処理システム及びその運転方法
US10583401B2 (en) Integrated ultrafiltration and reverse osmosis desalination systems
US20080083666A1 (en) System for Processing Contaminated Water
JP2007181822A (ja) 飲料水製造用水処理システム及びその運転方法
WO2013031543A1 (ja) 海水淡水化システムおよび海水淡水化方法
US11905187B2 (en) System and method for removal of recalcitrant organic compounds from water
JP3957081B1 (ja) 飲料水製造用水処理システム及びその運転方法
Wang et al. Organics removal from ROC by PAC accumulative countercurrent two-stage adsorption-MF hybrid process–A laboratory-scale study
JP3957080B1 (ja) 飲料水製造用水処理システム及びその運転方法
JP4113568B1 (ja) 飲料水製造用水処理システム及びその運転方法
JP2004275928A (ja) 可搬型水浄化装置
WO2015053717A2 (en) Mobile system for purifying and preparing drinkable water, chemical multimedia filter and operation thereof
JP2012110815A (ja) 排水の処理方法および排水の処理装置
KR20170033611A (ko) 수처리 시스템 및 수처리 방법
US11648496B2 (en) Treatment module and operating method therefor
JP2008183513A (ja) 浄水装置
JP4973822B1 (ja) 海水淡水化システム
US20130220933A1 (en) Apparatus for the use of nanoparticles in removing chemicals from aqueous solutions with subsequent water purification
RU90351U1 (ru) Мембранный фильтр для очистки воды
KR20020076197A (ko) 농축수 강제 순환기능을 갖는 역삼투압방식 정수장치
CN203715430U (zh) 一种冶炼厂车间电镀含镍废水达标处理系统
US20240051847A1 (en) System and method for removal of multiple recalcitrant organic compounds from water
JP4941613B1 (ja) 海水淡水化システム
WO2017115378A1 (en) Method and system for reverse osmosis with high recovery
JP3878934B2 (ja) 水浄化装置