JP2004275510A - ミシン及び針棒切換えプログラム - Google Patents

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弘和 廣瀬
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Abstract

【課題】切断された主軸から針棒への駆動力の伝達を短時間で接続可能なミシンを提供する。
【解決手段】多針ミシンMは、縫針10が装着された4本の針棒11と、主軸21を駆動するミシンモータと、主軸21から針棒への駆動力の伝達を切断可能な針棒釈放機構と、主軸21から針棒11への駆動力の伝達を針棒上死点付近で接続する上部係合突起35と、多針ミシンMの制御全般を司る制御ユニット7などを備えている。この多針ミシンMにおいて、針棒を切換えるために切断された針棒11への駆動力の伝達を再度接続する場合、天秤上死点近傍で上糸Tを切断した後、制御ユニット7により、針棒上死点に対応する位置に達するまでミシンモータ58を縫製時の回転方向と反対方向に回転させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はミシンに関し、特に、主軸から針棒への駆動力の伝達を切断及び接続可能なミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の針棒を備えた多針ミシンでは、選択された一本の針棒へのみ駆動力が伝達されて、縫製が行われる。例えば、特許文献1には、複数の針棒を備え、針棒の切換えにより糸替えを行うことが可能なミシンが開示されている。この多針ミシンにおいては、ミシンモータから主軸に伝達された駆動力は、針棒と平行に固定された案内ロッドに摺動可能に支持された係合部材に伝達され、この係合部材に形成された係合凹部に係合凸部が係合された昇降部材であって、針棒中央部に固定された昇降部材を介して、針棒に伝達される。
【0003】
このミシンにおいて、針棒を切換えて糸替えをする際には、ジャンプステッチ機構により係合凹部と係合凸部との係合を解除することで駆動力の伝達を切断し、その駆動力の伝達が切断された針棒を針棒に外嵌されたスプリングにより針棒停止位置へとジャンプさせる。次に、天秤が天秤停止位置に達するまでミシンモータを空転駆動して、その天秤停止位置で、所望の針棒を針棒ケースと共に駆動力の伝達が可能な位置まで水平方向に移動させる。次に、その天秤停止位置から、ミシンモータを1回空転させて、係合凸部を係合凹部に当接させると、係合部材が案内ロッドの周りを反時計周りに回動されて、係合凹部が係合凸部に係合され、主軸から針棒へと駆動力の伝達が可能な状態になる。
【0004】
【特許文献1】特許2751553号公報(2頁, 3頁、全図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特許文献1に記載の多針ミシンにおいては、切断された主軸から針棒への駆動力を接続する際に、ミシンモータを縫製時と同じ方向に1回空転させて、係合凹部に係合凸部を係合させているが、一般に、天秤停止位置は針棒停止位置から主軸を縫製時と同方向の回転方向へ60°〜100°程度回転させた位置であるため、天秤停止位置から針棒停止位置までミシンモータを縫製時と同方向へ回転させることは、主軸を260°〜300°回転させることになるため、針棒への駆動力を接続するのに非常に多くの時間が必要となる。
【0006】
本発明の目的は、切断された駆動力の伝達を短時間で接続可能なミシンを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のミシンは、縫針が装着された針棒と、主軸を駆動するミシンモータと、主軸から針棒への駆動力の伝達を切断可能な針棒釈放手段と、主軸から針棒への駆動力の伝達を針棒上死点付近で接続する針棒接続手段と、複数の制御対象を制御する制御手段とを備えたミシンにおいて、前記制御手段は、針棒釈放手段により針棒への駆動力の伝達が切断された状態から駆動力の伝達を接続する際に、主軸が針棒上死点付近に対応する位置に達するまで、ミシンモータを縫製時の回転方向とは反対方向に回転させて、針棒接続手段により主軸から針棒への駆動力の伝達を接続するものである。
【0008】
このミシンによれば、針棒釈放手段により主軸から針棒への伝達を切断された状態から、制御手段によりミシンモータを縫製時の回転方向とは反対方向に回転させて、主軸が針棒上死点付近に対応する位置に達するまで回転すると、針棒接続手段により主軸から針棒への駆動力の伝達が接続されて、縫製を再開する。
【0009】
請求項2に記載のミシンは、請求項1に記載のミシンにおいて、前記ミシンモータは、主軸から針棒への駆動力が切断された後、天秤上死点まで回転し停止するものである。このミシンは、縫製終了時など主軸から針棒への駆動力が切断された状態でミシンモータは天秤上死点で停止する。再度、縫製を開始する際に、ミシンモータを縫製時の回転方向とは反対方向に回転させて、主軸から針棒への駆動力を接続し、縫製を再開する。
【0010】
請求項3に記載のミシンは、請求項1又は2に記載のミシンにおいて、前記針棒接続手段により主軸から針棒への駆動力の伝達が接続された後、ミシンモータを縫製時の回転方向に回転させて縫製するものである。このミシンによれば、ミシンモータを縫製時の回転方向と反対方向に回転させて針棒接続手段により主軸から針棒への駆動力の伝達が接続された後、ミシンモータを縫製時の回転方向に回転させて縫製を再開する。
【0011】
請求項4に記載のミシンは、請求項1〜3の何れかに記載のミシンにおいて、前記ミシンが、複数の針棒および天秤と、複数の針棒を択一的に駆動力を伝達可能な位置に切換える針棒切換え機構と、天秤が上死点の近傍のとき少なくとも上糸を切断する糸切り手段とを有する刺繍用多針ミシンであり、糸切り手段により糸切りしてから、針棒切換え機構により針棒を切換えるように構成したものである。
【0012】
このミシンにおいて糸替えのために針棒を切換える場合は、針棒釈放手段により主軸から針棒への駆動力が切断された後、天秤上死点の近傍に達するまでミシンモータを縫製時の回転方向と同方向に回転させ、その天秤上死点の近傍で糸切り手段により上糸を切断し、針棒切換え機構により所望の上糸が供給されている縫針が装着された針棒を択一的に駆動力の伝達可能な位置に切換え、ミシンモータを縫製時の回転方向とは反対方向に回転させて、主軸が針棒上死点付近に対応する位置まで達すると、針棒接続手段により主軸から針棒への駆動力の伝達が接続されて、縫製を再開する。
【0013】
請求項5に記載の針棒切換えプログラムは、縫針を取付けた複数の針棒および複数の天秤と、主軸を駆動するミシンモータと、少なくとも上糸を切断する糸切り手段と、主軸から針棒への駆動力の伝達を切断可能な針棒釈放手段と、主軸から針棒への駆動力の伝達を針棒上死点付近で接続する針棒接続手段と、複数の針棒を択一的に駆動力を伝達可能な位置に切換える針棒切換え機構とを備えたミシンにおける、複数の制御対象を制御する制御手段のコンピュータに実行させる針棒切換えプログラムであって、針棒上死点付近のとき針棒釈放手段により主軸から針棒への駆動力を切断する第1ルーチンと、前記天秤が上死点になるまでミシンモータを縫製時の回転方向と同方向に回転させる第2ルーチンと、前記糸切り手段に糸切りを行わせる第3ルーチンと、前記針棒切換え機構に、何れかの選択された針棒を駆動力伝達可能な位置に切換えさせる第4ルーチンと、前記主軸が針棒上死点付近に対応する位置に達するまで、ミシンモータを縫製時の回転方向とは反対方向に回転させて、針棒接続手段に主軸から前記選択された針棒への駆動力の伝達を接続させる第5ルーチンとを備えたものである。
【0014】
この針棒切換えプログラムによれば、第1ルーチンにおいて、針棒釈放手段により針棒上死点付近で主軸から針棒への駆動力が切断され、第2ルーチンにおいて、針棒上死点より主軸を60°〜100°程度縫製時の回転方向に回転させた天秤上死点になるまでミシンモータを縫製時の回転方向と同方向に回転させ、第3ルーチンにおいて、上糸が縫針の目孔から抜けるのを防ぐことが可能な天秤上死点の近傍で糸切り手段により上糸を糸切りし、第4ルーチンにおいて、針棒切換え機構により何れかの選択された針棒を駆動力を伝達可能な位置に切換え、第5ルーチンにおいて、ミシンモータを縫製時の回転方向とは反対方向に回転させることで、天秤上死点に位置する主軸を針棒上死点に対応する位置まで回転させて、針棒接続手段により切断された主軸から針棒への駆動力の伝達を接続する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は、4種類の刺繍糸で刺繍縫製可能な刺繍用の多針ミシンに本発明を適用した一例である。尚、図1に示す方向を作業者が位置する前方とし、作業者から見て左右方向を左右方向とする。
【0016】
まず、多針ミシンMの全体構成について簡単に説明する。図1に示すように、多針ミシンMは、多針ミシンMを支持するミシンテーブル1と、ミシンテーブル1の中央部に埋設されたベッド部2と、ベッド部2の後端部から立設しミシンモータ58( 図5参照) が設けられた脚柱部3と、脚柱部3の上端部から前方に延び4つの糸駒8が載置されたアーム部4と、アーム部4の先端部に左右方向に移動可能に配設された針棒ケース5と、作業者が種々の操作を行う操作パネル6と、複数の制御対象を制御する制御ユニット7などを有する。
【0017】
図2に示すように、針棒ケース5には、下端部に縫針10が装着された4本の針棒11と、4本の天秤12などが設けられている。各縫針10には、アーム部4の前後方向中央部の上面に載置された4個の糸駒8から延びる上糸Tが天秤12などを経由して供給される。
【0018】
針棒11は、針棒ケース5のフレーム5aに固定された上下2個の固定部材14( 図2においては上の固定部材14のみ図示) により上下方向に摺動可能に支持されている。また、針棒11の下端部には上下方向に摺動可能な押え足13が設けられている。針棒11には、上下方向の略中央部に連結ピン15が設けられ、針棒11の上半部及び下半部には、1 対のバネ16a, 16bが設けられている。針棒11は、バネ16bにより上方へ付勢されているので、駆動力が伝達されていない針棒11は、常に、針棒上死点付近の位置にバネ16bで支持されている。また、バネ16aは針棒11に対して押え足13を下方に向かって付勢している。
【0019】
天秤12は、針棒ケース5に固定された枢支軸17に回動可能に枢支されている。天秤12の後端部には、二股部18が形成され、この二股部18にリンク部材27が係合される。天秤12は、後端部が重くなっており、常に、右側面視において枢支軸17の周りで時計周りに回転するように力が作用しているが、ストッパー19により天秤上死点よりも枢支軸17の周りを時計周りに回転することを規制されているので、駆動力の伝達が切断された天秤12は、常に天秤上死点に位置することになる。即ち、針棒ケース5と共に天秤12が左右に移動されても、リンク部材27が天秤上死点に対応する位置にあれば、リンク部材27は二股部18を通り抜けるので、リンク部材27と天秤12とが干渉することがない。
【0020】
図2, 図3に示すように、アーム部4は、ミシンモータ58により図2の矢印方向に回転駆動される主軸21と、主軸21の回転駆動により天秤12を揺動駆動させる天秤駆動機構22と、主軸21の回転駆動により針棒11を上下駆動させる針棒駆動機構23と、主軸21から針棒11への駆動力の伝達を切断可能な針棒釈放機構24と、針棒ケース5を左右に駆動する切換えモータ62( 図5参照) を備えた針棒切換え機構( 図示略) 等を有する。
【0021】
天秤駆動機構22は、主軸21の先端部に固着された天秤駆動カム25と、天秤駆動カム25により揺動される揺動部材26と、揺動部材26の上端部に固定されたリンク部材27とを有する。天秤駆動カム25の外周部には、カム溝25aが形成され、そのカム溝25aには揺動部材26の下端部に設けられたカムピン28が係合されている。揺動部材26は、アーム部4のフレーム4aに固定された支持軸30に揺動可能に支持されている。リンク部材27の上端部には、天秤12の二股部18に係合される連結部27aが形成されている。
【0022】
ミシンモータ58により主軸21が天秤駆動カム25と共に回転駆動すると、カムピン28がカム溝25aにガイドされつつ、揺動部材26が支持軸30の周りを揺動し、その揺動駆動がリンク部材27を介して天秤12に伝達され、天秤12が枢支軸17の周りで揺動駆動される。
【0023】
針棒駆動機構23は、連結部材31と、アーム部4のフレーム4aの前端部に固定された基針棒32と、基針棒32に摺動可能に且つ回動不能に外嵌される昇降部材33と、昇降部材33と共に上下駆動し且つ基針棒32に対して回動可能に支持される係合部材34とを有する。連結部材31の上端部は、枢支ピン39aにより天秤駆動カム25に回動可能に枢支され、連結部材31の下端部は、枢支ピン39bにより昇降部材33に回動可能に枢支されている。
【0024】
係合部材34の前面部には、上面に傾斜部35aが形成された上部係合突起35(針棒接続手段に相当)と、下部係合突起36とが、連結ピン15を係合可能な程度に上下方向の間隔を空けて形成されている。係合部材34の左側面には、駆動力を切断する際に係合部材34を回転させるための傾斜部37aを有する釈放部37が形成されている。係合部材34は、昇降部材33との間に設けられた巻バネ( 図示略) により基針棒32の周りを平面視にて時計回りに付勢されているが、下部係合突起36が昇降部材33のストッパー38に当接することで、係合部材34の時計回りの回転が規制され、連結ピン15が上部係合突起35と下部係合突起36との間に係合可能な位置に保持される。
【0025】
ミシンモータ58により主軸21が回転駆動されると、その回転駆動が天秤駆動カム25を介して連結部材31に伝達され、連結部材31が枢支されている昇降部材33が基針棒32にガイドされて上下駆動され、その上下駆動が連結ピン15を介して針棒11に伝達され、針棒11が縫針10と共に上下駆動される。
【0026】
次に、針棒上死点付近で上部係合突起35により行われる、切断された主軸21から針棒11への駆動力の伝達の接続について説明する。連結ピン15と係合部材34との係合が解除された状態では、バネ16bにより針棒11が針棒上死点に保持されているので、係合部材34が上方へ駆動されると、上方に針棒11と共に保持されている連結ピン15が上部係合突起35の傾斜部35aに当接されて、係合部材34が基針棒32の周りを平面視にて反時計周りに回動され、更に、係合部材34が針棒上死点付近に対応する位置まで上昇されると、連結ピン15が上部係合突起35と下部係合突起36との間で係合され、下部係合突起36がストッパー38に当接されるまで、巻バネにより係合部材34が基針棒32の周りを時計回りに回され、主軸21の駆動力を針棒11に伝達可能な状態になる。
【0027】
次に、図4のグラフを参照して、針棒11と天秤12と主軸21の回転角度との関係について簡単に説明する。図4に示すグラフは、縦軸が針棒11と天秤12の上下位置を示し、横軸は主軸21の回転角度を示している。尚、主軸21の回転角度は針棒11が上死点に位置する角度を基準、即ち、0°としている。図4のグラフに示すAの曲線は針棒11の上下駆動の軌跡を示し、Bの曲線は天秤12の上下駆動の軌跡を示す。このグラフに示すように、天秤12の上下駆動は、針棒11の上下駆動に対して位相が約80°程度遅れている。即ち、針棒11が針棒上死点に達してから、主軸21が約80°回転すると、天秤12が天秤上死点に達する。
【0028】
針棒釈放機構24は、ソレノイド40と、ソレノイド40により右方向に駆動される釈放ロッド41とを有する。次に、針棒釈放機構24により主軸21から針棒11への駆動力の伝達の切断について説明する。ソレノイド40により釈放ロッド41が右方向に駆動された状態で、係合部材34が上方へ駆動されると、釈放ロッド41に釈放部37の傾斜部37aが当接されて、係合部材34が基針棒32の周りを平面視にて反時計周りに回動され、連結ピン15と係合部材34との係合が解除され、針棒11はバネ16bにより付勢されて上方へジャンプされる。尚、ソレノイド40が消磁されると、釈放ロッド41は左方へ移動して、ソレノイド40に格納される。
【0029】
ベッド部2には、ミシンモータ58により回動される糸輪捕捉器(図示略)と、糸切りモータ60( 図5参照) により上糸を切断するための糸切り機構(図示略)などが設けられている。糸輪捕捉器、糸切り機構などは、一般的なものであるため説明を省略する。
【0030】
次に、多針ミシンMにおける刺繍縫製について簡単に説明する。針棒切換え機構により針棒ケース5が左右に移動されて、所望の針棒11が上下駆動可能な位置で係合部材34が上方へ駆動されて、上部係合突起35により主軸21から針棒11への駆動力が接続されると、ミシンモータ58により針棒11が縫針10と共に上下駆動され、その針棒11に対応する天秤12も上下に揺動駆動され、上下駆動する縫針10と糸輪捕捉器との協動により縫目が形成される。
【0031】
次に、多針ミシンMの制御系について図5のブロック図を参照して説明する。制御ユニット7には、CPU51とROM52とRAM53とこれらを接続するバス54等を含むコンピュータ55と、このコンピュータ55に入出力するための入出力インターフェース56等を有する。入出力インターフェース56には、ソレノイド40を駆動するための駆動回路57と、ミシンモータ58を駆動するための駆動回路59と、糸切りモータ60を駆動するための駆動回路61と、切換えモータ62を駆動するための駆動回路63と、主軸21の回転角度を検出するための主軸回転角度検出器64等が接続されている。ROM52には、糸替えの為の針棒切換えプログラムなどが読出し可能に記録されている。RAM53には、主軸回転角度検出器64から読み込んだ主軸21の回転角度などの各種データが格納される。
【0032】
次に、針棒切換えプログラムにより実行される処理について、図6を参照しつつ説明する。この針棒切換えプログラムは、縫製刺繍を行っている時に糸替えが必要になると実行されるものである。以下の説明において、角度は主軸21の角度を示し、図4に示すように、針棒上死点(駆動部材上死点)の時を基準の0°とする。尚、Si( i=10, 11・・) はステップ番号を示す。
【0033】
まず、針棒切換えプログラムが実行されると、ソレノイド40が駆動されて釈放ロッド41が右方へ突出され( S;10) 、主軸21が針棒上死点を超えるまで(0°付近)、ミシンモータ58が縫製時と同方向に回転され( S11) 、係合部材34が上方へ移動されることで、釈放ロッド41に釈放部37の傾斜部37aが当接されて、係合部材34が針棒11の周りを反時計周りに回転されて、主軸21から針棒11への駆動力の伝達が切断される。次に、ソレノイド40が消磁されて、釈放ロッド41が格納される( S;12) 。次に、主軸21が天秤上死点付近の位置( 約80°) に達するまで、ミシンモータ58が縫製時の回転方向と同方向に回転される( S;13) 。次に、糸切りモータ60が駆動されて、糸切り機構により糸切りが行われ、上糸Tが切断される( S;14) 。
【0034】
次に、針棒切換え機構の切換えモータ62が駆動されて、何れかの選択された針棒11を駆動力を伝達可能な位置に切換えるために針棒ケース5が左右方向に移動される( S;15) 。次に、主軸21が針棒上死点付近( 0°) に対応する位置に達するまでミシンモータ58が縫製時の回転方向とは反対方向に回転されると( S;16) 、上部係合部材35の傾斜部35aに連結ピン15が当接することで、係合部材34が基針棒32の周りを反時計周りに回動されて、連結ピン15が係合部材34に係合されて、主軸21から針棒11への駆動力の伝達が接続されて、ミシンモータ58が縫製時の回転方向に回転されて、新たな上糸Tで刺繍縫製が再開される。
【0035】
次に、上述の多針ミシンMの作用及び効果について説明する。多針ミシンMは、針棒切換えにおいて、針棒上死点から主軸21が約80°縫製時の回転方向に回転した位置である天秤上死点で上糸を切断した後、ミシンモータ58を縫製時とは反対方向に回転させて主軸21から針棒11への切断された駆動力の伝達を接続するので、ミシンモータ58を縫製時と同方向に回転させて駆動力を接続する場合に比べ、非常に短時間で駆動力の接続を可能にし、それに伴い、針棒切換えに要する時間を短時間化することができる。また、針棒切換えの短時間化を、多針ミシンMの構成を複雑にすることなく、制御ユニット7によりミシンモータ58を縫製時の回転方向と反対方向に回転させることだけで実現させている。
【0036】
次に、上述の実施の形態を部分的に変更した変更の形態について説明する。
【0037】
1)上述の実施の形態は、4本の針棒を備えた多針ミシンMに本発明を適用したが、針棒の数は4本に限定されるものではなく、例えば、1本の針棒のみを備えた単針ミシンに本発明を適用してもよい。
【0038】
2)上述の実施の形態においては、針棒上死点付近で主軸21から針棒11への駆動力の伝達を切断可能な多針ミシンMに本発明を適用したが、伝達を切断する位置は、針棒上死点付近以外でもよく、例えば、針棒がどの位置においても切断可能なミシンに適用してもよい。
【0039】
3)上述の実施の形態においては、天秤上死点において糸切りを行ったが、切断された上糸Tが縫針10の目孔から抜けなければ、天秤上死点からある程度異なる位置で糸切りを行ってもよい。
【0040】
4)上述の実施の形態においては、針棒切換えの際にミシンモータ58を縫製時の回転方向と反対方向に回転させて駆動力の伝達を接続したが、縫製を開始する際に天秤上死点近傍でミシンモータ58が停止している場合にも、ミシンモータ58を反対方向に回転させて、駆動力の伝達を接続してもよい。
【0041】
本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施の形態に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
【0042】
【発明の効果】請求項1に記載のミシンによれば、ミシンモータを縫製時の回転方向とは反対方向に回転させて、切断された駆動力の伝達を接続するので、例えば、主軸が針棒上死点から縫製時の回転方向へ60°〜100°程度回転した天秤上死点付近で停止している場合、短時間で主軸から針棒への駆動力の伝達を接続することができる。駆動力の接続の短時間化を、ミシンの構成を複雑にすることなく、ミシンモータを縫製時の回転方向とは反対方向に回転させるだけの簡単な制御で実現している。
【0043】
請求項2に記載のミシンによれば、主軸から針棒への駆動力の伝達が切断されると、ミシンモータが天秤上死点まで回転して停止するので、次に、駆動力の伝達を接続する際に、短時間で駆動力の接続をすることができる。その他、請求項1と同様の効果を奏することができる。
【0044】
請求項3に記載のミシンによれば、駆動力が切断された後は、ミシンモータが縫製時の回転方向に回転させて縫製を行うので、制御を簡単化することができる。その他、請求項1又は2と同様の効果を奏することができる。
【0045】
請求項4に記載のミシンによれば、針棒を切換える場合、天秤上死点の近傍で上糸が糸切りされた後、ミシンモータを縫製時の回転方向とは反対方向に回転させて駆動力の伝達を接続するので、糸切り後の駆動力の伝達に要する時間を短時間化することができ、それに伴い、針棒の切換えに要する時間を短時間化することができる。その他、請求項1〜3の何れかと同様の効果を奏することができる。
【0046】
請求項5に記載の針棒切換えプログラムによれば、天秤上死点からミシンモータを縫製時の回転方向と反対方向に回転させるだけの簡単な制御で、切断された主軸から針棒への駆動力の伝達の接続に要する時間を短時間化することができ、それに伴い、針棒切換えに要する時間を短時間化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るミシンの全体斜視図である。
【図2】ミシンのアーム部の内部概略構成図である。
【図3】アーム部の先端部の内部の斜視図である。
【図4】針棒及び天秤の上下位置と主軸の回転角度の関係を示すグラフである。
【図5】ミシンの制御系を説明するためのブロック図である。
【図6】針棒切換えプログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
M 多針ミシン
7 制御ユニット
10 縫針
11 針棒
12 天秤
21 主軸
24 針棒釈放機構
35 上部係合突起
55 コンピュータ
58 ミシンモータ
T 上糸

Claims (5)

  1. 縫針が装着された針棒と、主軸を駆動するミシンモータと、主軸から針棒への駆動力の伝達を切断可能な針棒釈放手段と、主軸から針棒への駆動力の伝達を針棒上死点付近で接続する針棒接続手段と、複数の制御対象を制御する制御手段とを備えたミシンにおいて、
    前記制御手段は、針棒釈放手段により針棒への駆動力の伝達が切断された状態から駆動力の伝達を接続する際に、主軸が針棒上死点付近に対応する位置に達するまで、ミシンモータを縫製時の回転方向とは反対方向に回転させて、針棒接続手段により主軸から針棒への駆動力の伝達を接続することを特徴とするミシン。
  2. 前記ミシンモータは、主軸から針棒への駆動力が切断された後、天秤上死点まで回転し停止することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記針棒接続手段により主軸から針棒への駆動力の伝達が接続された後、ミシンモータを縫製時の回転方向に回転させて縫製することを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
  4. 前記ミシンが、複数の針棒および天秤と、複数の針棒を択一的に駆動力を伝達可能な位置に切換える針棒切換え機構と、天秤が上死点の近傍のとき少なくとも上糸を切断する糸切り手段とを有する刺繍用多針ミシンであり、
    糸切り手段により糸切りしてから、針棒切換え機構により針棒を切換えるように構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミシン。
  5. 縫針を取付けた複数の針棒および複数の天秤と、主軸を駆動するミシンモータと、少なくとも上糸を切断する糸切り手段と、主軸から針棒への駆動力の伝達を切断可能な針棒釈放手段と、主軸から針棒への駆動力の伝達を針棒上死点付近で接続する針棒接続手段と、複数の針棒を択一的に駆動力を伝達可能な位置に切換える針棒切換え機構とを備えたミシンにおける、複数の制御対象を制御する制御手段のコンピュータに実行させる針棒切換えプログラムであって、
    針棒上死点付近のとき針棒釈放手段により主軸から針棒への駆動力を切断する第1ルーチンと、
    前記天秤が上死点になるまでミシンモータを縫製時の回転方向と同方向に回転させる第2ルーチンと、
    前記糸切り手段に糸切りを行わせる第3ルーチンと、
    前記針棒切換え機構に、何れかの選択された針棒を駆動力伝達可能な位置に切換えさせる第4ルーチンと、
    前記主軸が針棒上死点付近に対応する位置に達するまで、ミシンモータを縫製時の回転方向とは反対方向に回転させて、針棒接続手段に主軸から前記選択された針棒への駆動力の伝達を接続させる第5ルーチンと、
    を備えたことを特徴とする針棒切換えプログラム。
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