JP2004275082A - 栄養素強化米、その加工方法および加工装置 - Google Patents
栄養素強化米、その加工方法および加工装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004275082A JP2004275082A JP2003071089A JP2003071089A JP2004275082A JP 2004275082 A JP2004275082 A JP 2004275082A JP 2003071089 A JP2003071089 A JP 2003071089A JP 2003071089 A JP2003071089 A JP 2003071089A JP 2004275082 A JP2004275082 A JP 2004275082A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rice
- nutrient
- nutrients
- liquid
- milled
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Cereal-Derived Products (AREA)
Abstract
【課題】効率良く栄養素を加えた栄養素強化米を提供する。また、当該発明にかかる栄養素強化米の加工方法および加工装置を提供する。
【解決手段】液体が浸透しやすくなる加工をした精米4が導入管340を通過する際に、精米4へ向けて栄養素含有溶液23が噴霧される。この時点では栄養素含有溶液23は精米4全体には付着していない。混合装置3内に流入した精米4は、最上部に位置する混合部材310の絞られた開口部313近傍の内壁に接触して跳ね上がる。混合部材310に接触した精米4は跳ね上がり、栄養素含有溶液23が付着した精米とそうでない精米が接触しながら混じり合うため、精米4全体に栄養素含有溶液23が付着する。跳ね上がった精米4は落下し、開口部313から下部に位置する混合部材320へ流入する。上記工程を繰り返すことで精米4全体に栄養素含有溶液23が浸透する。
【選択図】 図3
【解決手段】液体が浸透しやすくなる加工をした精米4が導入管340を通過する際に、精米4へ向けて栄養素含有溶液23が噴霧される。この時点では栄養素含有溶液23は精米4全体には付着していない。混合装置3内に流入した精米4は、最上部に位置する混合部材310の絞られた開口部313近傍の内壁に接触して跳ね上がる。混合部材310に接触した精米4は跳ね上がり、栄養素含有溶液23が付着した精米とそうでない精米が接触しながら混じり合うため、精米4全体に栄養素含有溶液23が付着する。跳ね上がった精米4は落下し、開口部313から下部に位置する混合部材320へ流入する。上記工程を繰り返すことで精米4全体に栄養素含有溶液23が浸透する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、栄養素強化米、その加工方法および加工装置に関する。
【0002】
【従来技術】
米に栄養素を付加する方法に関する従来技術としては、米を栄養素を含有する溶液(「栄養素含有溶液」という。以下同じ。)に浸漬する方法、または、米表面に栄養素含有溶液を添加した後その上から乳化物等で被覆する方法がある。例えば下記の特許文献に示すようなものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−130157号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、米を栄養素含有溶液に浸漬する方法には以下の課題があった。
即ち、米を栄養素含有溶液に浸漬する方法を使用すれば、栄養素含有溶液は米内部まで浸透するが、浸漬に数時間必要なため作業効率が悪いという課題があった。
また、浸漬に使用する溶液は、衛生上の観点からから使い捨てである。そのため、多量の溶液が必要であるという課題もあった。
更に、上記の浸漬に使用した溶液は栄養素を多量に含むため、そのまま廃棄すると河川・湖沼あるいは海の富栄養化等環境に悪影響を与える。そのため、使用後の溶液を処理するための廃水処理装置等に経費がかかるという課題があった。
【0005】
また、米表面に栄養素含有溶液を添付した後その上から乳化物等で被覆する方法には以下の課題があった。
即ち、通常、米表面に栄養素含有溶液を添加した後その上から乳化物等で被覆する方法を使用すると、栄養素は米の表面あるいは表層部に添加されるため、洗米時に栄養素の一部ないし大部分が流れ落ちてしまうという課題があった。
【0006】
(発明の目的)
そこで、本発明の目的は、効率良い加工によって精米内部に栄養素が蓄積された栄養素強化米を提供することある。
また、本発明の他の目的としては、効率良い加工によって精米内部に栄養素が短時間で蓄積される栄養素強化米の加工方法および加工装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
液体が浸透しやすくなる加工をした精米に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が精米内部に浸透あるい吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米である。
【0008】
第2の発明にあっては、
水分子化合物の変化処理をして液体が浸透しやすく加工した精米に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が精米内部に浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米である。
【0009】
第3の発明にあっては、
精米工程において、米に高圧電場を付与することにより、米に電気的振動を加えて水分子化合物の変化処理を行った結果、液体が浸透しやすくなった精米に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が精米内部に浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米である。
【0010】
第4の発明にあっては、
精米に液体が浸透しやすくなる加工をした後に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が短時間で精米内部に浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米の加工方法である。
【0011】
第5の発明にあっては、
精米に水分子化合物の変化処理をして液体が浸透しやすくなる加工をした後に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が短時間で精米内部に浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米の加工方法である。
【0012】
第6の発明にあっては、
精米工程において、米に高圧電場を付与することにより、電気的振動を加えて水分子化合物の変化処理を行った結果、液体が浸透しやすくなる加工をした後に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が短時間で精米内部に浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米の加工方法である。
【0013】
第7の発明にあっては、
栄養素強化米に加工するための装置であって
液体が浸透しやすくなる加工をした精米を使用して、
栄養素を含有する液体を添加する手段と、
栄養素を含有する液体を添加した精米を満遍なく混合するための部材とを備えており、
精米内部に栄養素が短時間で浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米加工装置である。
【0014】
第8の発明にあっては、
栄養素強化米に加工するための装置であって、
水分子化合物の変化処理をして液体が浸透しやすくなる加工をした精米を使用して、
栄養素を含有する液体を添加する手段と、
栄養素を含有する液体を添加した精米を満遍なく混合するための部材とを備えており、
精米内部に栄養素が短時間で浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米加工装置である。
【0015】
第9の発明にあっては、
栄養素強化米を加工するための装置であって、
精米作業工程において、米に高圧電場を付与することにより、電気的振動を加えて水分子化合物の変化処理を行った結果、液体が浸透しやすくなる加工をした精米を使用して、
栄養素を含有する液体を添加する手段と、
栄養素を含有する液体を添加した精米を満遍なく混合するための部材とを備えており、
精米内部に栄養素が短時間で浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、 栄養素強化米加工装置である。
【0016】
本明細書において、「液体」は主として水溶液のことをいうが、これに限定されるものではない。
本明細書において、「添加」の用語は、吹きつけ或いは散布、または噴霧或いは垂らしかけなど、浸漬以外で精米に溶液を付着させることを指すものとして使用している。その例は実施の形態で説明している。
【0017】
本明細書において、「栄養素」の用語は、本来の意味(栄養のために摂取される物質を要素としていう語。蛋白質・脂肪・炭水化物の三要素の他に、無機質・ビタミンなど。広辞苑第4版に記載。)より広く、例えば、アグリクス茸、キトサン、プロポリス等各種健康食品、海洋深層水、ミネラルウォーター等その他ミネラル分が最初から溶けているもの或いは溶かした水溶性物品を含むものとして使用している。
要は、栄養素は、液体、主として水に溶けていれば、最初から溶けているものや、後で溶かしたものでもよい。
【0018】
本明細書において、「水分子化合物の変化処理」としては、精米時の米に高圧電場を付与することにより、米に電気的振動を与えて米内部の水分子化合物を大きなクラスター(水分子が結合した化合物の意。以下同じ。)から小さなクラスターに変化処理する方法を使用する。
水の成分を科学的に分析してみると、水は単一の分子ではなく水素結合という力によって「クラスター」と呼ばれる分子の集団を結成している。美味しいといわれる水はこの集団が平均的に小さく、逆にそうでない水は大きな集団になっている。つまり、美味しいといわれる水は「クラスター」が小さいということが分かる。
米などの穀類の中にも、もちろん水分は含まれている。
新米に含まれる水分は小さな「クラスター」でできており、古米の場合は「クラスター」は大きな集団となり澱粉と結びつきにくい。そのため、新米と古米との食味の差が現れる。
具体的には、精米工程・精選工程(精米仕上工程)において、粗精、精米、研米の工程にかかる機械のいずれか、あるいは、すべての工程にかかる機械に、高圧電場(低周波電子イオンエネルギー(5〜7万ボルト))を付与可能な手段を設ける。
精米時の米に高圧電場を付与することにより、米に電気的振動を与えて米内部の水分子化合物を大きなクラスターから小さなクラスターに変化する処理を施しながら、精米作業を行う。
その結果、食味の良い精米が得られるが、副次的効果として当該精米の吸水率が向上するという効果が知見された。
本発明は、上記知見を元に完成したものである。
【0019】
なお、水分子化合物の変化処理方法は上記処理方法に限定するものではなく、同様の処理(米内部の水分子化合物を小さなクラスターに変化させる)が可能な他の公知手段、例えば、遠赤外線の照射、金属イオン(酸化金属、麦飯石等の窯土、トルマリン石、プラチナフォトン繊維等)や活性炭等を使用して濾過する方法、電場、磁気、超音波を使用した水クラスターの変化処理方法を除外するものではない。
【0020】
(作用・効果)
本発明にかかる栄養素強化米の加工方法によれば、液体が浸透しやすくなる加工をした精米に栄養素含有溶液を浸漬する以外の方法で添加するため、従来の加工方法と比較して加工に要する時間が短くて済む。その結果、作業場が使用するエネルギー消費量が抑制され、結果的には省資源およびCO2削減につながり、環境保全にも貢献する。また、従来の加工方法と比較して効率的であるため、加工コストが安くなる。
本発明にかかる栄養素強化米加工装置および加工方法によれば、栄養素を添加する手段に使用する栄養素含有溶液が少なくて済む。つまり、従来の加工方法である浸漬する方法と比較して、処理水等の廃棄物が少なくなるため、加工場周辺にある河川等の環境に与える影響(水質の富栄養化等)が少ない。
本発明にかかる栄養素強化米加工装置および加工方法によれば、加工に要する時間は短くても、加工後の精米内部には栄養素が蓄積する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は、一般的な精米工程の説明図、
図2は、本発明に係る栄養素強化米加工装置が配置される場所を示す説明図、
図3は、本発明に係る栄養素強化米加工装置の断面図である。
【0022】
まず、図1に示す精米工程を説明する。
精米作業は、大きく分けて、符号Aで示す荷受・前処理工程(原料荷受工程・玄米精選工程)、符号Bで示す精米工程・精選工程(精米仕上工程)、符号Cで示す計量・包装・出荷工程の3工程に分けられる。
【0023】
荷受・前処理工程Aは、以下の通りである。
(1)原料米は、生産地から直接、あるいは全国農業協同組合連合会(JA)等を経て運ばれてくる。運ばれてきた原料米は、輸送中に起きる米の温度・湿度の変化を精米作業に適した状態に安定させるために、原料調整室にて低温で貯蔵する。
(2)米を品種・産地ごとにその特徴・特性にあった精米にするために、品種ごとに玄米品種別タンクに保管する。
(3)玄米流量計により、適正数量管理を行う。
(4)玄米用石抜き機により、玄米に混入している石、金属類等を比重の差を利用して除去を行う。
【0024】
精米工程・精選工程Bは、以下の通りである。
(1)粗精機により、一次的工程としての米の研磨をやや粗めに行う。
(2)精米機により、二次的工程としての米の研磨を行う。
(3)蘇生研米機により、最終工程としての米の研磨を行う。仕上げ段階であり、この作業の結果、無洗化処理される。
(4)ロータリーシフターにより、精米工程で発生した糠玉、砕粒、粉等を除去する。
(5)温風・冷却研磨装置により、精米の乾燥及び引き締めを行う。
【0025】
計量・包装・出荷工程Cは、以下の通りである。
(1)色彩選別機により、異物、やけ米、カメムシ、しらた等を除去する。
(2)白米流量計にて適正数量管理を行う。
(3)白米タンクにて保管する。米を適度な温度・湿度で管理する。
(4)異物選別機で異物の検査を行う。
(5)計量包装を行い、その後に金属探知機で検査を行った後に、製品である精米を出荷する。
【0026】
図2に示すように、本発明に係る栄養素強化米加工装置は前述の工程中の精米工程・精選工程(精米仕上工程)Bにおける、温風・冷却研磨装置D内に配置される。
【0027】
従来の温風・冷却研磨装置内には、温風機と冷却機が備えてあり、ロータリーシフターから流れてきた精米は、温風・冷却研磨装置内に入り、最初に温風機で乾燥され、冷却機で冷やすことにより米の組織が引き締められる。その後、温風・冷却研磨装置から色彩選別機へと工程が移行する。
これに対して、本発明に係る栄養素強化米加工装置は、図2に示すように、従来の温風機及び冷却機の前工程に配置される。
精米の乾燥・引き締め工程を経た後では精米の吸水率が低下してしまい、本発明にかかる加工方法を使用した場合の効果が低下するようである。
【0028】
図3は本発明にかかる栄養素強化米加工装置の断面図である。
栄養素強化米加工装置1は、貯液タンク装置2と混合装置3からなる。
【0029】
貯液タンク装置2は、タンク21、送液管220、ポンプ222からなる。タンク21内部には、動物骨から得られたカルシウム(以下「動物性カルシウム」という。)を含有する水溶液である栄養素含有溶液23が、貯留される。
送液管220は、タンク21と混合装置3を接続して、タンク21内の栄養素含有溶液が混合装置3に送られるようにしている。具体的には、混合装置3に係る導入管340側部に設けられている送液管取着部341に接続されている。
送液管220のタンク21内部側の端部には、吸液口221が形成されている。
送液管220の送液管取着部341側の端部には、ノズル24が設けられている(図4参照)。
送液管220において、タンク21から送液管取着部341の間の所要の位置には、栄養素含有溶液23を混合装置3に送り出すためのポンプ222が設置されている。
なお、図3に示す本実施の形態においては、栄養素含有溶液を噴霧するノズルの設置は一ヶ所であるが、この数値に限定するものではなく、例えば、二ないし多数箇所の必要な数のノズルを設けてもよい。
【0030】
本実施の形態においては、「栄養素」として動物性カルシウムが使用されるが、これに限定するものではなく、植物性カルシウムまたは他の栄養素、例えば、水溶性ビタミン類(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ナイアシン、ビオチン、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸等)、アミノ酸類(リジン、スレオニン等)及びミネラル類(マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、リン、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、ヨード、コバルト、セレニウム(セレン)、クロム等)などの健康促進効果が見込まれる他の栄養素であってもよい。
また、アグリクス茸の抽出液、プロポリスエキス、キトサンエキス等各種健康食品、海洋深層水、ミネラルウォーター等その他のミネラル分が最初から溶けているもの或いは溶かしたものを含む水溶性物品であってもよい。
【0031】
混合装置3は、装置内部に上段の混合部材310、中段の混合部材320、下段の混合部材330を三段に配置した構造である。
混合装置3上部壁には、導入管340が貫設している。導入管340の混合装置3内部側の端部は、上段の混合部材310の上縁部とほぼ同じ位置に設置されている。
混合装置3下部には、混合された精米4の流出口35が形成されている。
混合部材310、混合部材320、混合部材330は、ほぼ同一の大きさに形成されている。
上記各混合部材の形状は、上方に広がったラッパ状に形成されており、上部及び底部は開口している。上部の開口部は、底部の開口部に比して大きく形成されている。
【0032】
上記各混合部材は、混合部材310は連結体311によって、混合部材320は連結体321によって、混合部材330は連結体331によって、それぞれ混合装置3の内壁に取り付けられている。
混合部材310は、その高さ方向に略半分を混合部材320に重ね被せたようにして配置されている。なお、混合部材310と混合部材320は、連結部322によって所要の間隔を設けて取り付けられている。
混合部材320は、その高さ方向に略半分を混合部材330に重ね被せたようにして配置されている。なお、混合部材320と混合部材330は、連結部332によって所要の間隔を設けて取り付けられている。
【0033】
なお、本実施の形態にかかる混合部材は、ラッパ状に形成されており、上部及び底部は開口し、上部の開口部は底部の開口部に比して大きく形成されているが、当該形状に限定するものではなく、混合に適した他の公知形状であってもよい。
【0034】
(作 用)
図4は本発明に係る栄養素強化米加工装置の要部拡大図である。
図3及び図4を参照して本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
【0035】
ロータリーシフターを経由した精米4は、導入管340から混合装置3に向かって落ちてくる。なお、当該精米4は、高圧電場を付与することにより、米に電気的振動を加えて水分子化合物の変化処理を行ったものである。この処理を行った結果、当該精米は吸水率が上がり、液体が浸透しやすくなっている。
【0036】
また、上記処理とともに、精米4は、無洗処理がされている。
無洗処理によって、炊飯の際に洗米作業及び米を研ぐ作業が不要となる。
また、無洗処理によって、家庭から排出されていた洗米後の栄養を含んだ廃水が河川に流入しなくなり、消費地近郊の河川等の環境に与える悪影響もない。
【0037】
図4に示すように、導入管340を通過する際に、自然落下している精米4へ向けて栄養素含有溶液23をノズル24から噴霧する。
なお、この時点では、栄養素含有溶液23は、精米4の一部に付着している程度で、精米4全体には付着していない。
【0038】
本実施の形態においては、溶液の付着手段として溶液を噴霧する方法を使用するが、これに限定するものではなく、他の手段、例えば、一ないし多数の噴射口から溶液を噴射する方法等その他の手段であってもよい。
また、間欠的に一定量の溶液を噴射することもできる。あるいは多数の小口径に形成された噴射口から溶液を噴射する等の手段を使用することもできる。
これらによって、噴霧と同様の効果を生じる。
【0039】
図3に示すように、混合装置3内に流入した精米4は、上段に位置する混合部材310の絞られた開口部313近傍の内壁に接触して跳ね上がる。混合部材310に接触した精米4は、跳ね上がりながら、栄養素含有溶液23が付着した精米とそうでない精米が接触しながら混じり合うため、精米4全体に栄養素含有溶液23が付着する。
跳ね上がった精米4は落下し、開口部313から下部に位置する混合部材320へ流入する。
【0040】
混合部材320内に流入した精米4は、混合部材320の絞られた開口部323近傍の内壁に接触して跳ね上がる。混合部材320に接触した精米4は、跳ね上がりながら、栄養素含有溶液23が付着した精米とそうでない精米が接触しながら混じり合うため、精米4全体に栄養素含有溶液23が付着する。
跳ね上がった精米4は落下し、開口部323から下部に位置する混合部材330へ流入する。
【0041】
混合部材330内に流入した精米4は、混合部材330の絞られた開口部333近傍の内壁に接触して跳ね上がる。混合部材330に接触した精米4は、跳ね上がりながら、栄養素含有溶液23が付着した精米とそうでない精米が接触しながら混じり合うため、精米4全体に栄養素含有溶液23が付着する。
跳ね上がった精米4は落下し、開口部333から次の工程である温風機へ流出する。
混合装置3内で行われる上記工程の間に、精米4全体に栄養素含有溶液23が満遍なく付着し、かつ、精米4内部に栄養素含有溶液23が浸透していく。
【0042】
温風機内に流入した精米4は乾燥工程を経て、冷却機へ移動する。冷却機は冷風によって米の組織を引き締める。
上記工程を経ることで、精米4表面の余分な水分は乾燥し、栄養素含有溶液23の動物性カルシウムを多く含有する精米に仕上がる。
なお、精米4に栄養素含有溶液23を噴霧してから上記精米工程が終了するまでの時間は15分から20分程度である。この間は、精米4内部に栄養素含有溶液23が浸透し続けている。5分程度の幅があるのは、米の流量・質により作業時間を調整するためである。
【0043】
その後、精米4は、色彩選別機により異物、やけ米、カメムシ、しらた等を除去し、白米流量計にて適正数量管理を行い、白米タンクで適度な温度・湿度で保管される。
出荷時には、異物選別機で精米4に異物が混入していないか検査を行った後、計量包装を行う。包装された精米4を金属探知機により最終検査し、製品である精米を出荷する。
なお、包装作業においては、以下の作業を行う。
ビニル樹脂製の袋体に、所要量の精米4を充填・封止する。なお、封止手段は熱圧着、溶着、接着等である。
その後、封止後のビニル樹脂製の袋体に約8mmの孔を開けて、その孔から袋体内部の空気を抜く。空気を抜いた後、ビニル樹脂のシール材で当該孔を塞ぐ。
上記作業は酸化防止、水分蒸発防止を目的としており、精米4の品質劣化を防ぐための作業である。
【0044】
(実施例)
(第1実施例)
実施の形態に係る加工装置を使用して上記方法で加工した栄養素強化米について、通常の精米と成分を比較した。栄養素含有溶液に使用した溶媒は水、溶質は動物性カルシウムである。また、溶質に使用した動物性カルシウム100gあたりの成分は以下の通りである。
・カルシウム ・・・37000(mg/100g)
・ナトリウム ・・・830(mg/100g)
・カリウム ・・・22(mg/100g)
・マグネシウム・・・760(mg/100g)
・リン ・・・18000(mg/100g)
・鉄 ・・・2.4(mg/100g)
・亜鉛 ・・・6.9(mg/100g)
・水分 ・・・0.1(g/100g)
【0045】
第1実施例で使用した材料・器具等は以下の通りである。
・米 1000kg
・水4Lに対し、動物性カルシウム14kgを溶かした栄養素含有溶液
・図4に係るノズル24の口径は、0.8mm
・栄養素含有溶液を吹き付けるためにかける圧力は、2.1キロパスカル
上記の条件で、上記栄養素強化米加工装置により加工した。なお、第1実施例に係る栄養素強化米は、比較対象である通常の精米を加工したものである。
比較内容は下記表1の通りである。
【0046】
【表1】
【0047】
(第2実施例)
実施の形態に係る加工装置によって加工した栄養素強化米について、通常の精米と成分を比較する。栄養素含有溶液に使用した溶媒は水、溶質は動物性カルシウムである。溶質に使用した動物性カルシウム100gあたりの成分は上述したものと同様であるため、説明を省略する。
【0048】
第2実施例で使用した材料・器具等は以下の通りである。
・米 4748kg
・水 40Lに対し、動物性カルシウム7.5kgを溶かした栄養素含有溶液
・図4に係るノズル24の口径は、0.4mm
・栄養素含有溶液を吹き付けるために掛ける圧力は、3.5キロパスカル
上記の条件で、上記栄養素強化米加工装置により加工した。なお、第2実施例に係る栄養素強化米は、通常の精米を加工したものである。
上記加工後の栄養素強化米を、3回水洗した後に炊いた米(ご飯)について成分分析試験を行った。
【0049】
第2実施例にかかる炊いた米(ご飯)100g中に含まれる動物性カルシウムは15mgであった。このように3回水洗した後に炊いたご飯には、加工しない精米よりも多くの動物性カルシウムが検出された。
なお、カルシウムに係る検査方法は、干渉抑制剤添加−原子吸光光度法による。
【0050】
上記試験結果からも明らかなように、加工後の精米内には、加工しない通常の精米と比較して、より多く動物性カルシウムを蓄積含有していることが分かる。
上記の試験成績の結果から、本発明が有効な技術であるといえる。
【0051】
また、動物性カルシウムの量は、設定した小売価格(例えば、3kg袋2000円に設定した場合に、希望する金額の利益が出るように調整する。)、あるいは注文(例えば、注文先の希望する栄養素強化米の成分が、米100gあたりカルシウム100mgである。)等に応じて、調整することが可能である。
【0052】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(1)本発明にかかる栄養素強化米の加工方法によれば、液体が浸透しやすくなる加工をした精米に栄養素含有溶液を浸漬する以外の方法で添加するため、従来の加工方法と比較して加工に要する時間が短くて済む。その結果、作業場が使用するエネルギー消費量が抑制され、結果的には省資源およびCO2削減につながり、環境保全にも貢献する。また、従来の加工方法と比較して効率的であるため、加工コストが安くなる。
(2)本発明にかかる栄養素強化米加工装置および加工方法によれば、栄養素を添加する手段に使用する栄養素含有溶液が少なくて済む。つまり、従来の加工方法である浸漬する方法と比較して、処理水等の廃棄物が少なくなるため、加工場周辺にある河川等の環境に与える影響(水質の富栄養化等)が少ない。
(3)本発明にかかる栄養素強化米加工装置および加工方法によれば、加工に要する時間は短くても、加工後の精米内部には栄養素が蓄積する。
【図面の簡単な説明】
【図1】精米工程の説明図。
【図2】本発明に係る栄養素強化米加工装置を備えた温風・冷却研磨装置の説明図。
【図3】本発明に係る栄養素強化米加工装置の断面図。
【図4】本発明に係る栄養素強化米加工装置の要部拡大図。
【符号の説明】
A 荷受・前処理工程(原料荷受工程・玄米精選工程)
B 精米工程・精選工程(精米仕上工程)
C 計量・包装・出荷工程
D 栄養素強化米加工装置を備えた温風・冷却研磨装置
1 栄養素強化米加工装置
2 貯液タンク装置
21 タンク
220 送液管
221 吸液口
222 ポンプ
23 栄養素含有溶液
24 ノズル
3 混合装置
310 混合部材
311 連結体
313 開口部
320 混合部材
321 連結体
322 連結部
323 開口部
330 混合部材
331 連結体
332 連結部
333 開口部
340 導入管
341 送液管取着部
35 流出口
4 精米
【発明の属する技術分野】
本発明は、栄養素強化米、その加工方法および加工装置に関する。
【0002】
【従来技術】
米に栄養素を付加する方法に関する従来技術としては、米を栄養素を含有する溶液(「栄養素含有溶液」という。以下同じ。)に浸漬する方法、または、米表面に栄養素含有溶液を添加した後その上から乳化物等で被覆する方法がある。例えば下記の特許文献に示すようなものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−130157号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、米を栄養素含有溶液に浸漬する方法には以下の課題があった。
即ち、米を栄養素含有溶液に浸漬する方法を使用すれば、栄養素含有溶液は米内部まで浸透するが、浸漬に数時間必要なため作業効率が悪いという課題があった。
また、浸漬に使用する溶液は、衛生上の観点からから使い捨てである。そのため、多量の溶液が必要であるという課題もあった。
更に、上記の浸漬に使用した溶液は栄養素を多量に含むため、そのまま廃棄すると河川・湖沼あるいは海の富栄養化等環境に悪影響を与える。そのため、使用後の溶液を処理するための廃水処理装置等に経費がかかるという課題があった。
【0005】
また、米表面に栄養素含有溶液を添付した後その上から乳化物等で被覆する方法には以下の課題があった。
即ち、通常、米表面に栄養素含有溶液を添加した後その上から乳化物等で被覆する方法を使用すると、栄養素は米の表面あるいは表層部に添加されるため、洗米時に栄養素の一部ないし大部分が流れ落ちてしまうという課題があった。
【0006】
(発明の目的)
そこで、本発明の目的は、効率良い加工によって精米内部に栄養素が蓄積された栄養素強化米を提供することある。
また、本発明の他の目的としては、効率良い加工によって精米内部に栄養素が短時間で蓄積される栄養素強化米の加工方法および加工装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
液体が浸透しやすくなる加工をした精米に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が精米内部に浸透あるい吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米である。
【0008】
第2の発明にあっては、
水分子化合物の変化処理をして液体が浸透しやすく加工した精米に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が精米内部に浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米である。
【0009】
第3の発明にあっては、
精米工程において、米に高圧電場を付与することにより、米に電気的振動を加えて水分子化合物の変化処理を行った結果、液体が浸透しやすくなった精米に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が精米内部に浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米である。
【0010】
第4の発明にあっては、
精米に液体が浸透しやすくなる加工をした後に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が短時間で精米内部に浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米の加工方法である。
【0011】
第5の発明にあっては、
精米に水分子化合物の変化処理をして液体が浸透しやすくなる加工をした後に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が短時間で精米内部に浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米の加工方法である。
【0012】
第6の発明にあっては、
精米工程において、米に高圧電場を付与することにより、電気的振動を加えて水分子化合物の変化処理を行った結果、液体が浸透しやすくなる加工をした後に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が短時間で精米内部に浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米の加工方法である。
【0013】
第7の発明にあっては、
栄養素強化米に加工するための装置であって
液体が浸透しやすくなる加工をした精米を使用して、
栄養素を含有する液体を添加する手段と、
栄養素を含有する液体を添加した精米を満遍なく混合するための部材とを備えており、
精米内部に栄養素が短時間で浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米加工装置である。
【0014】
第8の発明にあっては、
栄養素強化米に加工するための装置であって、
水分子化合物の変化処理をして液体が浸透しやすくなる加工をした精米を使用して、
栄養素を含有する液体を添加する手段と、
栄養素を含有する液体を添加した精米を満遍なく混合するための部材とを備えており、
精米内部に栄養素が短時間で浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米加工装置である。
【0015】
第9の発明にあっては、
栄養素強化米を加工するための装置であって、
精米作業工程において、米に高圧電場を付与することにより、電気的振動を加えて水分子化合物の変化処理を行った結果、液体が浸透しやすくなる加工をした精米を使用して、
栄養素を含有する液体を添加する手段と、
栄養素を含有する液体を添加した精米を満遍なく混合するための部材とを備えており、
精米内部に栄養素が短時間で浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、 栄養素強化米加工装置である。
【0016】
本明細書において、「液体」は主として水溶液のことをいうが、これに限定されるものではない。
本明細書において、「添加」の用語は、吹きつけ或いは散布、または噴霧或いは垂らしかけなど、浸漬以外で精米に溶液を付着させることを指すものとして使用している。その例は実施の形態で説明している。
【0017】
本明細書において、「栄養素」の用語は、本来の意味(栄養のために摂取される物質を要素としていう語。蛋白質・脂肪・炭水化物の三要素の他に、無機質・ビタミンなど。広辞苑第4版に記載。)より広く、例えば、アグリクス茸、キトサン、プロポリス等各種健康食品、海洋深層水、ミネラルウォーター等その他ミネラル分が最初から溶けているもの或いは溶かした水溶性物品を含むものとして使用している。
要は、栄養素は、液体、主として水に溶けていれば、最初から溶けているものや、後で溶かしたものでもよい。
【0018】
本明細書において、「水分子化合物の変化処理」としては、精米時の米に高圧電場を付与することにより、米に電気的振動を与えて米内部の水分子化合物を大きなクラスター(水分子が結合した化合物の意。以下同じ。)から小さなクラスターに変化処理する方法を使用する。
水の成分を科学的に分析してみると、水は単一の分子ではなく水素結合という力によって「クラスター」と呼ばれる分子の集団を結成している。美味しいといわれる水はこの集団が平均的に小さく、逆にそうでない水は大きな集団になっている。つまり、美味しいといわれる水は「クラスター」が小さいということが分かる。
米などの穀類の中にも、もちろん水分は含まれている。
新米に含まれる水分は小さな「クラスター」でできており、古米の場合は「クラスター」は大きな集団となり澱粉と結びつきにくい。そのため、新米と古米との食味の差が現れる。
具体的には、精米工程・精選工程(精米仕上工程)において、粗精、精米、研米の工程にかかる機械のいずれか、あるいは、すべての工程にかかる機械に、高圧電場(低周波電子イオンエネルギー(5〜7万ボルト))を付与可能な手段を設ける。
精米時の米に高圧電場を付与することにより、米に電気的振動を与えて米内部の水分子化合物を大きなクラスターから小さなクラスターに変化する処理を施しながら、精米作業を行う。
その結果、食味の良い精米が得られるが、副次的効果として当該精米の吸水率が向上するという効果が知見された。
本発明は、上記知見を元に完成したものである。
【0019】
なお、水分子化合物の変化処理方法は上記処理方法に限定するものではなく、同様の処理(米内部の水分子化合物を小さなクラスターに変化させる)が可能な他の公知手段、例えば、遠赤外線の照射、金属イオン(酸化金属、麦飯石等の窯土、トルマリン石、プラチナフォトン繊維等)や活性炭等を使用して濾過する方法、電場、磁気、超音波を使用した水クラスターの変化処理方法を除外するものではない。
【0020】
(作用・効果)
本発明にかかる栄養素強化米の加工方法によれば、液体が浸透しやすくなる加工をした精米に栄養素含有溶液を浸漬する以外の方法で添加するため、従来の加工方法と比較して加工に要する時間が短くて済む。その結果、作業場が使用するエネルギー消費量が抑制され、結果的には省資源およびCO2削減につながり、環境保全にも貢献する。また、従来の加工方法と比較して効率的であるため、加工コストが安くなる。
本発明にかかる栄養素強化米加工装置および加工方法によれば、栄養素を添加する手段に使用する栄養素含有溶液が少なくて済む。つまり、従来の加工方法である浸漬する方法と比較して、処理水等の廃棄物が少なくなるため、加工場周辺にある河川等の環境に与える影響(水質の富栄養化等)が少ない。
本発明にかかる栄養素強化米加工装置および加工方法によれば、加工に要する時間は短くても、加工後の精米内部には栄養素が蓄積する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は、一般的な精米工程の説明図、
図2は、本発明に係る栄養素強化米加工装置が配置される場所を示す説明図、
図3は、本発明に係る栄養素強化米加工装置の断面図である。
【0022】
まず、図1に示す精米工程を説明する。
精米作業は、大きく分けて、符号Aで示す荷受・前処理工程(原料荷受工程・玄米精選工程)、符号Bで示す精米工程・精選工程(精米仕上工程)、符号Cで示す計量・包装・出荷工程の3工程に分けられる。
【0023】
荷受・前処理工程Aは、以下の通りである。
(1)原料米は、生産地から直接、あるいは全国農業協同組合連合会(JA)等を経て運ばれてくる。運ばれてきた原料米は、輸送中に起きる米の温度・湿度の変化を精米作業に適した状態に安定させるために、原料調整室にて低温で貯蔵する。
(2)米を品種・産地ごとにその特徴・特性にあった精米にするために、品種ごとに玄米品種別タンクに保管する。
(3)玄米流量計により、適正数量管理を行う。
(4)玄米用石抜き機により、玄米に混入している石、金属類等を比重の差を利用して除去を行う。
【0024】
精米工程・精選工程Bは、以下の通りである。
(1)粗精機により、一次的工程としての米の研磨をやや粗めに行う。
(2)精米機により、二次的工程としての米の研磨を行う。
(3)蘇生研米機により、最終工程としての米の研磨を行う。仕上げ段階であり、この作業の結果、無洗化処理される。
(4)ロータリーシフターにより、精米工程で発生した糠玉、砕粒、粉等を除去する。
(5)温風・冷却研磨装置により、精米の乾燥及び引き締めを行う。
【0025】
計量・包装・出荷工程Cは、以下の通りである。
(1)色彩選別機により、異物、やけ米、カメムシ、しらた等を除去する。
(2)白米流量計にて適正数量管理を行う。
(3)白米タンクにて保管する。米を適度な温度・湿度で管理する。
(4)異物選別機で異物の検査を行う。
(5)計量包装を行い、その後に金属探知機で検査を行った後に、製品である精米を出荷する。
【0026】
図2に示すように、本発明に係る栄養素強化米加工装置は前述の工程中の精米工程・精選工程(精米仕上工程)Bにおける、温風・冷却研磨装置D内に配置される。
【0027】
従来の温風・冷却研磨装置内には、温風機と冷却機が備えてあり、ロータリーシフターから流れてきた精米は、温風・冷却研磨装置内に入り、最初に温風機で乾燥され、冷却機で冷やすことにより米の組織が引き締められる。その後、温風・冷却研磨装置から色彩選別機へと工程が移行する。
これに対して、本発明に係る栄養素強化米加工装置は、図2に示すように、従来の温風機及び冷却機の前工程に配置される。
精米の乾燥・引き締め工程を経た後では精米の吸水率が低下してしまい、本発明にかかる加工方法を使用した場合の効果が低下するようである。
【0028】
図3は本発明にかかる栄養素強化米加工装置の断面図である。
栄養素強化米加工装置1は、貯液タンク装置2と混合装置3からなる。
【0029】
貯液タンク装置2は、タンク21、送液管220、ポンプ222からなる。タンク21内部には、動物骨から得られたカルシウム(以下「動物性カルシウム」という。)を含有する水溶液である栄養素含有溶液23が、貯留される。
送液管220は、タンク21と混合装置3を接続して、タンク21内の栄養素含有溶液が混合装置3に送られるようにしている。具体的には、混合装置3に係る導入管340側部に設けられている送液管取着部341に接続されている。
送液管220のタンク21内部側の端部には、吸液口221が形成されている。
送液管220の送液管取着部341側の端部には、ノズル24が設けられている(図4参照)。
送液管220において、タンク21から送液管取着部341の間の所要の位置には、栄養素含有溶液23を混合装置3に送り出すためのポンプ222が設置されている。
なお、図3に示す本実施の形態においては、栄養素含有溶液を噴霧するノズルの設置は一ヶ所であるが、この数値に限定するものではなく、例えば、二ないし多数箇所の必要な数のノズルを設けてもよい。
【0030】
本実施の形態においては、「栄養素」として動物性カルシウムが使用されるが、これに限定するものではなく、植物性カルシウムまたは他の栄養素、例えば、水溶性ビタミン類(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ナイアシン、ビオチン、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸等)、アミノ酸類(リジン、スレオニン等)及びミネラル類(マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、リン、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、ヨード、コバルト、セレニウム(セレン)、クロム等)などの健康促進効果が見込まれる他の栄養素であってもよい。
また、アグリクス茸の抽出液、プロポリスエキス、キトサンエキス等各種健康食品、海洋深層水、ミネラルウォーター等その他のミネラル分が最初から溶けているもの或いは溶かしたものを含む水溶性物品であってもよい。
【0031】
混合装置3は、装置内部に上段の混合部材310、中段の混合部材320、下段の混合部材330を三段に配置した構造である。
混合装置3上部壁には、導入管340が貫設している。導入管340の混合装置3内部側の端部は、上段の混合部材310の上縁部とほぼ同じ位置に設置されている。
混合装置3下部には、混合された精米4の流出口35が形成されている。
混合部材310、混合部材320、混合部材330は、ほぼ同一の大きさに形成されている。
上記各混合部材の形状は、上方に広がったラッパ状に形成されており、上部及び底部は開口している。上部の開口部は、底部の開口部に比して大きく形成されている。
【0032】
上記各混合部材は、混合部材310は連結体311によって、混合部材320は連結体321によって、混合部材330は連結体331によって、それぞれ混合装置3の内壁に取り付けられている。
混合部材310は、その高さ方向に略半分を混合部材320に重ね被せたようにして配置されている。なお、混合部材310と混合部材320は、連結部322によって所要の間隔を設けて取り付けられている。
混合部材320は、その高さ方向に略半分を混合部材330に重ね被せたようにして配置されている。なお、混合部材320と混合部材330は、連結部332によって所要の間隔を設けて取り付けられている。
【0033】
なお、本実施の形態にかかる混合部材は、ラッパ状に形成されており、上部及び底部は開口し、上部の開口部は底部の開口部に比して大きく形成されているが、当該形状に限定するものではなく、混合に適した他の公知形状であってもよい。
【0034】
(作 用)
図4は本発明に係る栄養素強化米加工装置の要部拡大図である。
図3及び図4を参照して本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
【0035】
ロータリーシフターを経由した精米4は、導入管340から混合装置3に向かって落ちてくる。なお、当該精米4は、高圧電場を付与することにより、米に電気的振動を加えて水分子化合物の変化処理を行ったものである。この処理を行った結果、当該精米は吸水率が上がり、液体が浸透しやすくなっている。
【0036】
また、上記処理とともに、精米4は、無洗処理がされている。
無洗処理によって、炊飯の際に洗米作業及び米を研ぐ作業が不要となる。
また、無洗処理によって、家庭から排出されていた洗米後の栄養を含んだ廃水が河川に流入しなくなり、消費地近郊の河川等の環境に与える悪影響もない。
【0037】
図4に示すように、導入管340を通過する際に、自然落下している精米4へ向けて栄養素含有溶液23をノズル24から噴霧する。
なお、この時点では、栄養素含有溶液23は、精米4の一部に付着している程度で、精米4全体には付着していない。
【0038】
本実施の形態においては、溶液の付着手段として溶液を噴霧する方法を使用するが、これに限定するものではなく、他の手段、例えば、一ないし多数の噴射口から溶液を噴射する方法等その他の手段であってもよい。
また、間欠的に一定量の溶液を噴射することもできる。あるいは多数の小口径に形成された噴射口から溶液を噴射する等の手段を使用することもできる。
これらによって、噴霧と同様の効果を生じる。
【0039】
図3に示すように、混合装置3内に流入した精米4は、上段に位置する混合部材310の絞られた開口部313近傍の内壁に接触して跳ね上がる。混合部材310に接触した精米4は、跳ね上がりながら、栄養素含有溶液23が付着した精米とそうでない精米が接触しながら混じり合うため、精米4全体に栄養素含有溶液23が付着する。
跳ね上がった精米4は落下し、開口部313から下部に位置する混合部材320へ流入する。
【0040】
混合部材320内に流入した精米4は、混合部材320の絞られた開口部323近傍の内壁に接触して跳ね上がる。混合部材320に接触した精米4は、跳ね上がりながら、栄養素含有溶液23が付着した精米とそうでない精米が接触しながら混じり合うため、精米4全体に栄養素含有溶液23が付着する。
跳ね上がった精米4は落下し、開口部323から下部に位置する混合部材330へ流入する。
【0041】
混合部材330内に流入した精米4は、混合部材330の絞られた開口部333近傍の内壁に接触して跳ね上がる。混合部材330に接触した精米4は、跳ね上がりながら、栄養素含有溶液23が付着した精米とそうでない精米が接触しながら混じり合うため、精米4全体に栄養素含有溶液23が付着する。
跳ね上がった精米4は落下し、開口部333から次の工程である温風機へ流出する。
混合装置3内で行われる上記工程の間に、精米4全体に栄養素含有溶液23が満遍なく付着し、かつ、精米4内部に栄養素含有溶液23が浸透していく。
【0042】
温風機内に流入した精米4は乾燥工程を経て、冷却機へ移動する。冷却機は冷風によって米の組織を引き締める。
上記工程を経ることで、精米4表面の余分な水分は乾燥し、栄養素含有溶液23の動物性カルシウムを多く含有する精米に仕上がる。
なお、精米4に栄養素含有溶液23を噴霧してから上記精米工程が終了するまでの時間は15分から20分程度である。この間は、精米4内部に栄養素含有溶液23が浸透し続けている。5分程度の幅があるのは、米の流量・質により作業時間を調整するためである。
【0043】
その後、精米4は、色彩選別機により異物、やけ米、カメムシ、しらた等を除去し、白米流量計にて適正数量管理を行い、白米タンクで適度な温度・湿度で保管される。
出荷時には、異物選別機で精米4に異物が混入していないか検査を行った後、計量包装を行う。包装された精米4を金属探知機により最終検査し、製品である精米を出荷する。
なお、包装作業においては、以下の作業を行う。
ビニル樹脂製の袋体に、所要量の精米4を充填・封止する。なお、封止手段は熱圧着、溶着、接着等である。
その後、封止後のビニル樹脂製の袋体に約8mmの孔を開けて、その孔から袋体内部の空気を抜く。空気を抜いた後、ビニル樹脂のシール材で当該孔を塞ぐ。
上記作業は酸化防止、水分蒸発防止を目的としており、精米4の品質劣化を防ぐための作業である。
【0044】
(実施例)
(第1実施例)
実施の形態に係る加工装置を使用して上記方法で加工した栄養素強化米について、通常の精米と成分を比較した。栄養素含有溶液に使用した溶媒は水、溶質は動物性カルシウムである。また、溶質に使用した動物性カルシウム100gあたりの成分は以下の通りである。
・カルシウム ・・・37000(mg/100g)
・ナトリウム ・・・830(mg/100g)
・カリウム ・・・22(mg/100g)
・マグネシウム・・・760(mg/100g)
・リン ・・・18000(mg/100g)
・鉄 ・・・2.4(mg/100g)
・亜鉛 ・・・6.9(mg/100g)
・水分 ・・・0.1(g/100g)
【0045】
第1実施例で使用した材料・器具等は以下の通りである。
・米 1000kg
・水4Lに対し、動物性カルシウム14kgを溶かした栄養素含有溶液
・図4に係るノズル24の口径は、0.8mm
・栄養素含有溶液を吹き付けるためにかける圧力は、2.1キロパスカル
上記の条件で、上記栄養素強化米加工装置により加工した。なお、第1実施例に係る栄養素強化米は、比較対象である通常の精米を加工したものである。
比較内容は下記表1の通りである。
【0046】
【表1】
【0047】
(第2実施例)
実施の形態に係る加工装置によって加工した栄養素強化米について、通常の精米と成分を比較する。栄養素含有溶液に使用した溶媒は水、溶質は動物性カルシウムである。溶質に使用した動物性カルシウム100gあたりの成分は上述したものと同様であるため、説明を省略する。
【0048】
第2実施例で使用した材料・器具等は以下の通りである。
・米 4748kg
・水 40Lに対し、動物性カルシウム7.5kgを溶かした栄養素含有溶液
・図4に係るノズル24の口径は、0.4mm
・栄養素含有溶液を吹き付けるために掛ける圧力は、3.5キロパスカル
上記の条件で、上記栄養素強化米加工装置により加工した。なお、第2実施例に係る栄養素強化米は、通常の精米を加工したものである。
上記加工後の栄養素強化米を、3回水洗した後に炊いた米(ご飯)について成分分析試験を行った。
【0049】
第2実施例にかかる炊いた米(ご飯)100g中に含まれる動物性カルシウムは15mgであった。このように3回水洗した後に炊いたご飯には、加工しない精米よりも多くの動物性カルシウムが検出された。
なお、カルシウムに係る検査方法は、干渉抑制剤添加−原子吸光光度法による。
【0050】
上記試験結果からも明らかなように、加工後の精米内には、加工しない通常の精米と比較して、より多く動物性カルシウムを蓄積含有していることが分かる。
上記の試験成績の結果から、本発明が有効な技術であるといえる。
【0051】
また、動物性カルシウムの量は、設定した小売価格(例えば、3kg袋2000円に設定した場合に、希望する金額の利益が出るように調整する。)、あるいは注文(例えば、注文先の希望する栄養素強化米の成分が、米100gあたりカルシウム100mgである。)等に応じて、調整することが可能である。
【0052】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(1)本発明にかかる栄養素強化米の加工方法によれば、液体が浸透しやすくなる加工をした精米に栄養素含有溶液を浸漬する以外の方法で添加するため、従来の加工方法と比較して加工に要する時間が短くて済む。その結果、作業場が使用するエネルギー消費量が抑制され、結果的には省資源およびCO2削減につながり、環境保全にも貢献する。また、従来の加工方法と比較して効率的であるため、加工コストが安くなる。
(2)本発明にかかる栄養素強化米加工装置および加工方法によれば、栄養素を添加する手段に使用する栄養素含有溶液が少なくて済む。つまり、従来の加工方法である浸漬する方法と比較して、処理水等の廃棄物が少なくなるため、加工場周辺にある河川等の環境に与える影響(水質の富栄養化等)が少ない。
(3)本発明にかかる栄養素強化米加工装置および加工方法によれば、加工に要する時間は短くても、加工後の精米内部には栄養素が蓄積する。
【図面の簡単な説明】
【図1】精米工程の説明図。
【図2】本発明に係る栄養素強化米加工装置を備えた温風・冷却研磨装置の説明図。
【図3】本発明に係る栄養素強化米加工装置の断面図。
【図4】本発明に係る栄養素強化米加工装置の要部拡大図。
【符号の説明】
A 荷受・前処理工程(原料荷受工程・玄米精選工程)
B 精米工程・精選工程(精米仕上工程)
C 計量・包装・出荷工程
D 栄養素強化米加工装置を備えた温風・冷却研磨装置
1 栄養素強化米加工装置
2 貯液タンク装置
21 タンク
220 送液管
221 吸液口
222 ポンプ
23 栄養素含有溶液
24 ノズル
3 混合装置
310 混合部材
311 連結体
313 開口部
320 混合部材
321 連結体
322 連結部
323 開口部
330 混合部材
331 連結体
332 連結部
333 開口部
340 導入管
341 送液管取着部
35 流出口
4 精米
Claims (9)
- 液体が浸透しやすくなる加工をした精米に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が精米内部に移行、浸透あるい吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米。 - 水分子化合物の変化処理をして液体が浸透しやすく加工した精米に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が精米内部に移行、浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米。 - 精米工程において、米に高圧電場を付与することにより、液体が移行、浸透しやすくなった精米に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が精米内部に浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米。 - 精米に液体が浸透しやすくなる加工をした後に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が短時間で精米内部に移行、浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米の加工方法。 - 精米に水分子化合物の変化処理をして液体が浸透しやすくなる加工をした後に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が短時間で精米内部に移行、浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米の加工方法。 - 精米工程において、米に高圧電場を付与することにより、液体が浸透しやすくなる加工をした後に、栄養素を含有する液体を添加することにより、栄養素が短時間で精米内部に移行、浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米の加工方法。 - 栄養素強化米に加工するための装置であって
栄養素を含有する液体を添加する手段と、
栄養素を含有する液体を添加した精米を満遍なく混合するための部材とを備えており、
精米内部に栄養素が短時間で浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米加工装置。 - 水分子化合物の変化処理をして液体が浸透しやすくなる加工をした精米を使用して米を加工するための装置であって、
栄養素を含有する液体を添加する手段と、
栄養素を含有する液体を添加した精米を満遍なく混合するための部材とを備えており、
精米内部に栄養素が短時間で浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米加工装置。 - 精米作業工程において、米に高圧電場を付与することにより、液体が浸透しやすくなる加工をした精米を使用して米を加工するための装置であって、
栄養素を含有する液体を添加する手段と、
栄養素を含有する液体を添加した精米を満遍なく混合するための部材とを備えており、
精米内部に栄養素が短時間で浸透あるいは吸収されて蓄積することを特徴とする、
栄養素強化米加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003071089A JP2004275082A (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | 栄養素強化米、その加工方法および加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003071089A JP2004275082A (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | 栄養素強化米、その加工方法および加工装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004275082A true JP2004275082A (ja) | 2004-10-07 |
Family
ID=33287607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003071089A Pending JP2004275082A (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | 栄養素強化米、その加工方法および加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004275082A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011024448A (ja) * | 2009-07-22 | 2011-02-10 | Osaka Prefecture Univ | 浸透物質保持穀類 |
CN112841530A (zh) * | 2019-11-12 | 2021-05-28 | 湖南金泰米业有限公司 | 一种加硒大米 |
-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003071089A patent/JP2004275082A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011024448A (ja) * | 2009-07-22 | 2011-02-10 | Osaka Prefecture Univ | 浸透物質保持穀類 |
CN112841530A (zh) * | 2019-11-12 | 2021-05-28 | 湖南金泰米业有限公司 | 一种加硒大米 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5514388A (en) | Encapsulated lipid-containing feed | |
JP7333840B2 (ja) | ブランチングしたバイオマスから高濃度タンパク質生成物を生成するための装置および方法 | |
CN109349568A (zh) | 一种工业化泡菜发酵工艺 | |
CN107846930A (zh) | 用于从动物组织回收蛋白粉和天然ω‑3油的改进方法和系统 | |
KR20010085059A (ko) | 기능성 쌀 및 그 제조 방법 | |
AU2010202497A1 (en) | Device for heating and foaming milk | |
CN104055186A (zh) | 离子钙固体饮料的加工方法及产品 | |
JP2004275082A (ja) | 栄養素強化米、その加工方法および加工装置 | |
CN101665818A (zh) | 一种鱼头多肽的制备方法 | |
CN104432272B (zh) | 一种白果全粉的生产方法 | |
CN108175071A (zh) | 一种生鲜芥辣及其制作方法 | |
US20200297007A1 (en) | Removing heavy metals from rice | |
ES2257977B1 (es) | Metodo y sistema para la obtencion de una sal liquida, y sales obtenidas. | |
US8790706B2 (en) | Fluid powder dentifrice for the treatment of the gums, and a corresponding production method | |
US9615595B2 (en) | Method and apparatus for wasteless homogenized soybean beverage production | |
CN108840926A (zh) | 液体畜禽血红蛋白的高效制备方法 | |
KR101164314B1 (ko) | 기능성 김 제조장치 | |
JP2893525B2 (ja) | 風化造礁サンゴ粒・粉およびその製造方法並びに製造装置 | |
CN105995285A (zh) | 一种酸甜风味多肽蓝莓饮料及其制备方法 | |
KR102357735B1 (ko) | 건조벼 수분교반장치 | |
EP2018810A1 (en) | A process for producing soya milk in powder form and a plant for realising the process | |
Rostami et al. | Biosorption of a textile dye (Eosin) by eucalyptus tree leaves biomass: estimation of equilibrium, thermodynamic and kinetic parameters | |
US20190193082A1 (en) | Raw grain fortification system and process | |
CN104286784B (zh) | 一种芳香风味海鲜调味料的制取方法 | |
Lundberg | Saponin Removal from Quinoa by Abrasion Processing |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050809 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051206 |