以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1〜図3は本発明の一実施例による基板処理装置の全体構成を示す図であって、図1は平面図、図2は正面図および図3は背面図である。
この基板処理装置1は、被処理基板として半導体ウエハWをウエハカセットCRで複数枚たとえば25枚単位で外部からシステムに搬入し又はシステムから搬出したり、ウエハカセットCRに対して半導体ウエハWを搬入・搬出したりするための受け入れ部としてのカセットステーション10と、塗布現像工程の中で1枚ずつ半導体ウエハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットを所定位置に多段配置してなる処理ステーション12と、この処理ステーション12と隣接して設けられる露光装置(図示せず)との間で半導体ウエハWを受け渡しするためのインタフェース部14とを一体に接続した構成を有している。
カセットステーション10では、図1に示すように、カセット載置台20上の突起20aの位置に複数個たとえば5個のウエハカセットCRがそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション12側に向けてX方向一列に載置され、カセット配列方向(X方向)およびウエハカセットCR内に収納されたウエハのウエハ配列方向(Z方向)に移動可能なウエハ搬送体22が各ウエハカセットCRに選択的にアクセスするようになっている。さらに、このウエハ搬送体22は、θ方向に回転可能に構成されており、図3に示すように後述する多段構成とされた第3の処理ユニット部G3に属する熱処理系ユニットにもアクセスできるようになっている。
図1に示すように処理ステーション12は、装置背面側(図中上方)において、カセットステーション10側から第3の処理ユニット部G3、第4の処理ユニット部G4及び第5の処理ユニット部G5がそれぞれ配置され、これら第3の処理ユニット部G3と第4の処理ユニット部G4との間には、第1の主搬送部としての第1の主ウエハ搬送部A1が設けられている。この第1の主ウエハ搬送部A1は、後述するように、この第1の主ウエハ搬送体16が第1の処理ユニット部G1、第3の処理ユニット部G3及び第4の処理ユニット部G4等に選択的にアクセスできるように設置されている。また、第4の処理ユニット部G4と第5の処理ユニット部G5との間には第2の主搬送部としての第2の主ウエハ搬送部A2が設けられ、第2の主ウエハ搬送部A2は、この第2の主ウエハ搬送体17が第2の処理ユニット部G2、第4の処理ユニット部G4及び第5の処理ユニット部G5等に選択的にアクセスできるように設置されている。
また、第1の主ウエハ搬送部A1の背面側には熱処理ユニットが設置されており、例えばウエハWを疎水化処理するためのアドヒージョンユニット(AD)110、ウエハWを加熱する加熱ユニット(HP)113が図3に示すように下方から順に2段ずつ重ねられている。アドヒージョンユニット(AD)はウエハWを温調する機構を更に有する構成としてもよい。第2の主ウエハ搬送部A2の背面側には、ウエハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光装置(WEE)120及びウエハWに塗布されたレジスト膜厚を検査する検査部としての検査装置119が設けられている。これら周辺露光装置(WEE)120や検査装置119は多段に配置しても構わない。また、第2の主ウエハ搬送部A2の背面側は、第1の主ウエハ搬送部A1の背面側と同様に熱処理ユニットが配置構成される場合もある。
図3に示すように、第3の処理ユニット部G3では、ウエハWを載置台に載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニット、例えばウエハWに所定の加熱処理を施す第1の熱処理ユニットである高温度熱処理ユニット(BAKE)、ウエハWに精度の良い温度管理化で加熱処理を施す高精度温調ユニット(CPL)、ウエハ搬送体22から主ウエハ搬送体16へのウエハWの受け渡し部となるトランジションユニット(TRS)、温調ユニット(TCP)が上から順に例えば10段に重ねられている。なお、第3の処理ユニット部G3において、本実施形態では下から3段目はスペアの空間として設けられている。第4の処理ユニット部G4でも、例えば第4の熱処理ユニットとしてポストベーキングユニット(POST)、レジスト塗布後のウエハWに加熱処理を施す第2の熱処理ユニットであるプリベーキングユニット(PAB)、高精度温調ユニット(CPL)が上から順に例えば10段に重ねられている。更に第5の処理ユニット部G5でも、例えば露光後のウエハWに加熱処理を施す第3の熱処理ユニットとしてポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)、高精度温調ユニット(CPL)が例えば上から順に10段に重ねられている。
図1において処理ステーション12の装置正面側(図中下方)には、第1の処理ユニット部G1と第2の処理ユニット部G2とがY方向に併設されている。この第1の処理ユニット部G1とカセットステーション10との間、及び第2の処理ユニット部G2とインターフェース部14との間には、各処理ユニット部G1及びG2に供給する処理液の温調に使用される液温調ポンプ24,25がそれぞれ設けられており、更に、この処理システム外に設けられた図示しない空調器からの清浄な空気を各処理ユニット部G1〜G5内部に供給するためのダクト31、32が設けられている。
図2に示すように、第1の処理ユニット部G1では、カップCP内で半導体ウエハWをスピンチャックに載せて所定の処理を行う液供給ユニットとしての5台のスピンナ型処理ユニット、例えばレジスト塗布ユニット(COT)が3段、及び露光時の光の反射を防止するために反射防止膜を形成するボトムコーティングユニット(BARC)が2段、下方から順に5段に重ねられている。また第2の処理ユニット部G2でも同様に、5台のスピンナ型処理ユニット、例えば現像ユニット(DEV)が下方から順に5段に重ねられている。レジスト塗布ユニット(COT)ではレジスト液の排液が機構的にもメンテナンスの上でも面倒であることから、このように下段に配置するのが好ましい。しかし、必要に応じて上段に配置することも可能である。
以上の第1〜第5の処理ユニット部G1〜G5や、アドヒージョンユニット110、加熱ユニット(HP)113、露光処理装置(WEE)120、検査装置119は各メンテナンスのために取り外しが可能となっており、更に処理ステーション12の背面側のパネル40(図1)も取り外し又は開閉可能に取り付けられている。
また、第1及び第2の処理ユニット部G1及びG2の最下段には、各処理ユニット部G1及びG2に上述した所定の処理液を供給する液供給機構としてのケミカル室(CHM)26,27がそれぞれ設けられている。
なお、カセットステーション10の下方部にはこの基板処理装置1のシステム全体を制御する集中制御部8が設けられている。
インタフェース部14の正面部には可搬性のピックアップカセットCRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、中央部にはウエハ搬送体27が設けられている。このウエハ搬送体27は、X,Z方向に移動して両カセットCR,BRにアクセスするようになっている。また、ウエハ搬送体27は、θ方向に回転可能に構成され、第5の処理ユニット部G5にもアクセスできるようになっている。更に、図3に示すようにインタフェース部14の背面部には、高精度温調ユニット(CPL)が複数設けられ、例えば上下2段とされている。ウエハ搬送体27はこの温調ユニット(CPL)にもアクセス可能になっている。
次に図4〜図10を参照して主搬送部としての第1の主ウエハ搬送部A1の構成について説明する。なお、第2の主ウエハ搬送部A2は第1の主ウエハ搬送部A1と同一であるのでその説明を省略する。
図4において主ウエハ搬送部A1は、筐体41及びこの筐体41の背面側において開閉可能に取り付けられたドア38により囲繞されており、図5において説明をわかりやすくするため、筐体41及びドア38の図示を省略している。このドア38にはアドヒージョンユニット(AD)110にアクセスできるように、また第2の主ウエハ搬送部A2の場合は周辺露光装置120及び検査装置119にアクセスできるように窓38aが形成されている。筐体41にも外部とアクセスできるように、正面と側面に窓41b及び41aがそれぞれ設けられている。正面の窓41bは、5段に配設された第1の処理ユニット部G1との間でウエハWの受け渡しを行うために5つ(図5)設けられており、一方、側面の窓41aは図6に示すように、10段に配設された第3及び第4の処理ユニット部G4との間でウエハWの受け渡しを行うために10個設けられている。必要に応じてこれの窓を増やすことも減らすことも可能である。また、筐体41の両側面には、第3及び第4の処理ユニット部G3、G4との間を繋ぐ囲繞部材44が、該処理ユニット部G3及びG4に対して微小な隙間uをおいてそれぞれ取り付けられている。この隙間uはパーティクルの発生及び侵入を抑制できる距離であって、例えば0.5mmとしている。この囲繞部材44の処理ユニット部G3、G4側はそれぞれ衝撃吸収性のパッキン30を有し、また図6に示すようにこのパッキン30にもそれぞれ対応した窓30aがそれぞれ形成されている。また、囲繞部材内に各々の窓30aを仕切るように仕切板34が各々設けられている。
また、図4において第1及び第2の処理ユニット部G1及びG2側の筐体41´に設けられた5つの開口部97に対応する部分にも、囲繞部材44と同様な構成の囲繞部材44´が、主ウエハ搬送部A1(A2)と微小な隙間u(例えば0.5mm)をおいて取り付けられている。
第1の主ウエハ搬送部A1の底部には、この内部の気圧及び温湿度をコントロールするファン36が例えば4つ設けられている。これらのファン36は集中制御部8(図2)により運転が制御されるようになっている。
図4及び図5を示すように、筐体44内の第1及び第2の処理ユニット部G1及びG2側には鉛直のポール33が設置されており、このポール33の一方の内部には、その上端部及び下端部に図7に示すように一対のプーリ51,52が取り付けられ、これらのプーリ51,52間に垂直駆動手段である無端ベルト49が掛け渡されている。この垂直駆動ベルト49にベルトクランプ47を介して第1の主ウエハ搬送体16の支持部45が接続されている。また、図4及び図5に示すように支持部45にはフランジ部45aが設けられており、このフランジ部45aは両ポール33にそれぞれ形成されたスリーブ33aに摺動可能に係合している。下部プーリ52は、ポール33の底部に固定配置された駆動モータMの回転軸Maに接続され、駆動プーリを構成している。このような垂直ベルト駆動機構及び垂直摺動機構により、主ウエハ搬送体16は駆動モータMの駆動力で垂直方向に昇降移動できるようになっている。
以上の昇降機構は他方のポール33にも同様に設置されているが、この他方ポール33においては駆動モータMはなくてもよい。
主ウエハ搬送体16は、その支持部45にはモータ50が内蔵されており、このモータ50にはθ方向(図5)に回転可能な回転ロッド46が連結され、この回転ロッド46の上端には3本のアーム7a、7b及び7cの基端となるアーム基端部55が固定されている。
図8は、主ウエハ搬送体16を図4の状態において正面側から見た図である。アーム基端部55の先端部両側には垂直部材95が取り付けられ、これら垂直部材95には、上段アーム7aと中段アーム7bとの間に両アームからの放射熱を遮る遮蔽板9が取り付けられ、更にこれら垂直部材95間をかけわたす取付部材96が取り付けられている。この取付部材96の中央及びアーム基端部55の先端には一対の光学的センサ94が設けられ、これにより各アーム上のウエハWの有無、及びウエハWのはみ出しが確認される。
図9は主ウエハ搬送体16の基端部55の構成を示す断面図、図10は図9における[10]−[10]線断面図である。各アーム7a〜7cのアーム基端部には、アーム支持板54がそれぞれ固定されている。これらアーム支持板54は、断面L字状に形成され、各アーム支持板54には、基端部55のベース55a上に敷設されたレール61に沿ってアーム長手方向に移動可能なアームキャリッジ56がそれぞれ固着取付されている。
各アームキャリッジ56の下部には、各レール61に摺動可能に係合したガイド62がそれぞれ設けられている。また、各アームキャリッジ56の内側面は、アーム原位置(ベース55の基端部55b)付近にそれぞれ配設されたプーリ63とアーム往動端位置(ベース55の先端部55c)付近にそれぞれ設けられたプーリ64との間にそれぞれ掛け渡された各駆動ベルト65に、それぞれベルトクランプ66を介して固着されている。各プーリ63はそれぞれ軸受67を介してプーリ68にそれぞれ同軸結合され、これら各プーリ68はそれぞれ駆動ベルト69を介してそれぞれプーリ70に連結され、これら各プーリ70はそれぞれ駆動モータ60の回転軸に固着されている。
各モータ60の回転軸が回転すると、各プーリ70、各駆動ベルト69、各プーリ68を介して各プーリ63が回転し、各プーリ63の回転駆動によって各駆動ベルト65が駆動し、各駆動ベルト65と一緒に各アームキャリッジ56が各レール61上をそれに沿って移動するようになっており、その移動方向は各モータ60の回転方向によって決まる。なお、これら各モータは、当然にそれぞれ独立して駆動するようになっており、各アーム7a〜7bはそれぞれ独立して移動可能になっている。
以上のような主ウエハ搬送体16の構成により各アーム7a〜7bはθ方向に回転可能となり、X,Y,Z方向に移動可能となって上述したように各処理ユニット部G1、G3及びG4にアクセス可能となる。
次に図11〜図13を参照して、第4の処理ユニット部G4、第5の処理ユニット部G5に属する10段のうちのプリベーキングユニット(PAB)、ポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)、ポストベーキングユニット(POST)について説明する。これらの各ベーキングユニットは処理温度が相違するだけである。
図11に示すように、このような熱処理ユニットは筐体75内に、システム正面側に熱処理装置H、背面側に温調・搬送装置Cを有している。熱処理装置Hには、円筒形の支持体88内に適当な断熱材を介して、電熱線86bにより加熱されるホットプレート86が設けられている。支持体88の下方にはウエハWの受け渡しを行うための3本のピン85が駆動装置82により昇降可能に設置されており、この3本のピン85はホットプレート86に形成された貫通穴86aに埋没して配置されている。
一方、温調・搬送装置Cは、X方向に沿って配設された例えば2本の案内レール77に沿ってそれぞれ移動可能なスライダ79a、79bが設けられ、これらスライダ79a、79bにそれぞれ取り付けられた連結部材78、78を介して、温調・搬送プレート71が固定されている。温調・搬送プレート71の下方にはウエハWの受け渡しを行うための昇降ピン84が駆動装置により昇降可能に設置されている。温調・搬送プレート71には、その下方に埋没している各昇降ピン84が上昇可能なように切欠き71aが形成されている。この温調機構としては例えば冷却水等を使用してウエハWの温度を所定の温度、例えば40℃前後に調整して温度制御が行われる。一方のスライダ79aには図示しない駆動装置、例えばエアやモータによる駆動装置が設けられており、他方のスライダ79bには動作位置認識のための図示しないセンサが設けられている。
筐体75の正面側(図中左方)には、後述する気圧コントロールのためのエアの流路75cが形成されており、この流路75cはファン87aを介して温調・搬送装置C側に連通している。またこの流路75cは図示しないが鉛直方向(Z方向)に最上段から最下段まで通じている。また、熱処理装置H側における筐体75の両側面においてもファン87bがそれぞれ設置されて、排気口75dが形成され、同じく最上段から最下段まで通じている。
更にこの筐体75の温調・搬送装置C側の一方の側面部分には、例えば第4の処理ユニット部G4に関しては、第1の主ウエハ搬送部A1との間でウエハWの受け渡しを行うために、開口部75aが設けられており、他方の側面部分には、第2の主ウエハ搬送部A2の窓41aに対向するように開口部75bが設けられている。これら開口部75a、75bにはそれぞれ開閉自在のシャッタ76a、76bが設けられている。シャッタ76a、76bは集中制御部8のもと図示を省略した駆動部により開閉動作が行われるようになっている。
図13は第4の処理ユニット部G4(第5の処理ユニット部G5)全体の側断面図であり、熱処理装置H側の両側面部分には図示するように、第4の処理ユニット部G4(第5の処理ユニット部G5)外部への熱拡散を抑制し、装置内雰囲気の温度の上昇を抑えるために、冷却水を流通させる温調パイプ90が最上段から最下段まで設けられ、図示しないが処理ユニット部G4(G5)の下方部に設けられたポンプに接続されている。
次に図14を参照して、すべての熱処理系のユニット(第3〜第5の処理ユニット部G3〜G5)に属する温調部としての高精度温調ユニット(CPL)について説明する。これについては、上記したプリベーキングユニット(PAB)等における温調・搬送装置Cが高精度温調装置C2に置き代わり、熱処理装置Hがない構成となっているので、プリベーキングユニット(PAB)等における構成要素と同一のものについては同一の符号を付すものとし、その説明を省略する。
この高精度温調装置C2は、円筒形の支持体131内に高精度温調プレート133が設けられている。この高精度温調プレート133では図示しないが、例えばペルチェ素子を使用し、フィードバック制御によりウエハWの温度を所定の温度、例えば23℃に調整して精密な温度制御が行えるようになっている。支持体133の下方にはウエハWの受け渡しを行うための3本の昇降ピン85が駆動装置82により昇降可能に設置されており、この昇降ピン85は高精度温調プレート133に形成された貫通穴133aに埋没して配置されている。
次に図15を参照して、第3の処理ユニット部G3に属する高温度熱処理ユニット(BAKE)の構成について説明する。なおプリベーキングユニット(PAB)等における構成要素と同一のものについては同一の符号を付すものとし、その説明を省略する。
筐体75内のシステム正面側には温調部としての温調装置C1が配置され、この温調装置C1は円筒形の支持体161内に温調プレート163が設けられている。この温調プレート163の温度制御は上記プリベーキングユニット(PAB)等と同様に例えば冷却水等を使用して行われている。一方、背面側にはプリベーキングユニット(PAB)等における熱処理装置Hよりも更に高温度で加熱処理する熱高温度熱処理装置HHが配置されている。この高温度熱処理装置HHの構成は熱処理装置Hと同様に、円筒形の支持部材88に適当な断熱材を介して、高温度ホットプレート112が設けられている。支持部材88の下方にはウエハWの受け渡しを行うための3本のピン85が駆動装置82により昇降可能に設置されており、この3本のピン85はそれぞれのホットプレート112に形成された貫通穴112aに埋没して配置されている。
これら温調装置C1と高温度熱処理装置HHとの距離を、プリベーキングユニット(PAB)等における温調・搬送装置Cと熱処理装置Hとの距離に比べて、大きく設定しているのは、高温度熱処理装置HHの高温度による熱処理の影響が、温調装置C1の温調処理に悪影響を及ぼさないようにするためである。
これら温調装置C、高温度熱処理装置HHの側方には、案内レール118がX方向に延設されており、この案内レール118に沿って図示しない駆動装置により移動可能なようにウエハWを搬送する副搬送部としてのサブアーム115が設けられている。このサブアーム115は、1対のハンド115a、115aを有している。
第4及び第5の処理ユニット部G4及びG5の下方2段に属する温調ユニット(TCP)の詳細構成については図示しないが、上述の高精度温調ユニット(CPL)と同様の構成をしており、この温調ユニット(TCP)の温調機構としては冷却水やペルチェ素子等を使用して温度制御が行われる。例えば、この場合のペルチェ素子の数は高精度温調プレート133のペルチェ素子の数より少ない。
図16に第3の処理ユニット部G3に属するトランジションユニット(TRS)を示す。これは他の熱処理ユニットと異なり、熱処理系の装置等(例えば温調装置C1)がなく、昇降ピン85とそれを昇降駆動させる駆動装置があるのみである。このトランジションユニット(TRS)においてその他の構成要素は高精度温調ユニット(CPL)等と同様である。また、上述した第3の処理ユニット部G3に属するスペアの空間も図示はしないが、トランジションユニット(TRS)と同様に、他の処理ユニットとのウエハWの受け渡しのために、昇降ピンとそれを昇降駆動させる駆動装置があるのみである。
次に図17及び図18に示すレジスト塗布ユニット(COT)の構成を説明する。
このユニットでは、筐体41´の上方に後述するエアコントロールのためのファン・フィルタユニットFが取り付けられており、下方においては筐体41´のY方向の幅より小さいユニット底板151の中央付近に環状のカップCPが配設され、その内側にスピンチャック142が配置されている。このスピンチャック142は真空吸着によってウエハWを固定保持した状態で、駆動モータ143の回転駆動力で回転するように構成されている。カップCPの中には、ウエハWを受け渡しする際のピン148が駆動装置147により昇降可能に設けられ、また廃液用のドレイン口145が設けられている。このドレイン口に廃液管141が接続され、この廃液管141はユニット底板151と筐体41´との間の空間Nを利用して下方の図示しない廃液口へ通じている。廃液管141aは複数設けられるレジスト塗布ユニット(COT)にそれぞれ接続される。そのため各廃液管141aはこの処理ユニット部に図示のごとく1列に配列されている。
一方、反対側(図17において右方)の、筐体41´とユニット底板との間の空間Lにより、後述する気圧コントロールのためのエアの流路が形成されており、このレジスト塗布ユニット(COT)の下段にある他のレジスト塗布ユニット(COT)のファン・フィルタユニットFが見えている。
ウエハWのウエハ表面にレジストを供給するためのノズル135は、供給管134を介してケミカル室(CHM)26(図2)内の液供給機構(図示せず)に接続されている。ノズル135は、カップCPの外側に配設されたノズル待機部146でノズルスキャンアーム136の先端部に着脱可能に取り付けられ、スピンチャック142の上方に設定された所定のレジスト吐出位置まで移送されるようになっている。ノズルスキャンアーム136は、ユニット底板151の上に一方向(Y方向)に敷設されたガイドレール144上で水平移動可能な垂直支持部材149の上端部に取り付けられており、図示しないY方向駆動機構によって垂直支持部材149と一体にY方向で移動するようになっている。
ノズルスキャンアーム136は、ノズル待機部146でノズル135をレジストの種類により選択的に取り付けるためにY方向と直角なX方向にも移動可能であり、図示しないX方向駆動機構によってX方向にも移動するようになっている。
更にカップCPとノズル待機部146との間には、ドレインカップ138が設けられており、この位置においてウエハWに対するレジストの供給に先立ちノズル135の洗浄が行われるようになっている。
ガイドレール144上には、上記したノズルスキャンアーム136を支持する垂直支持部材149だけでなく、リンスノズルスキャンアーム139を支持しY方向に移動可能な垂直支持部材も設けられている。リンスノズルスキャンアーム139の先端部にはサイドリンス用のリンスノズル140が取り付けられている。Y方向駆動機構(図示せず)によってリンスノズルスキャンアーム139及びリンスノズル140は、カップCPの側方に設定されたノズル待機位置(実線の位置)とスピンチャック142に載置されているウエハWの周縁部の真上に設定されたリンス液吐出位置(点線の位置)との間で並進または直線移動するようになっている。
次に図19及び図20に示す現像ユニット(DEV)の構成を説明する。この現像ユニット(DEV)において、レジスト塗布ユニット(COT)における構成と同一のものについては同一の符号を付すものとし、その説明を省略する。
ウエハWのウエハ表面に現像液を供給するためのノズル153は、ウエハWの直径より少し長く、図示しないが現像液を吐出する孔が複数形成されている。カップCPの側方にはノズル待機部154が設けられ、ここにはウエハWの表面に現像液を洗い流すためのリンス液を供給するためのリンスノズル155を備えている。このリンスノズル155は、ノズル153と同様な構成をしている。また、このノズル待機部154では、ノズル135の先端で乾燥劣化した現像液を廃棄するために、定期的または必要に応じてダミーディスペンスが行われるようになっている。
なお、レジスト塗布ユニット(COT)のノズルスキャンアーム136はX方向にも移動可能であったが、この現像ユニット(DEV)のノズルスキャンアームはガイドレール144に沿ってY方向の移動のみとなっている。
また、ボトムコーティングユニット(BARC)についてはレジスト塗布ユニット(COT)における塗布液を反射防止膜材料に代えただけなので、ここではその構成の説明を省略する。
次に、以上説明した基板処理装置1の一連の動作を図21に示すフロー図を参照しながら説明する。
先ず、カセットステーション10において、ウエハ搬送体22がカセット載置台20上の処理前のウエハを収容しているカセットCRにアクセスして、そのカセットCRから1枚の半導体ウエハWを取り出す(S1)。ウエハ搬送体22は、カセットCRより半導体ウエハWを取り出すと、θ方向に180°回動し、第3の処理ユニット部G3における温調ユニット(TCP)の開口部75aのシャッタ76a(図11、図12)が開き、ウエハ搬送体22のハンドが開口部75aより筐体75内にウエハWが挿入され、温調プレート上に載置される。そして所定の温調処理(第1温調)が行われる(S2)。
温調ユニット(TCP)での温調処理が終了すると、反対側の開口部75bが開き、そこから第1の主ウエハ搬送体16の上段アーム7aが挿入されてウエハWが該アーム7aに受け渡される。そして主ウエハ搬送体16は図4において反時計回りに90°回動し、第1の処理ユニット部G1に属するボトムコーティングユニット(BARC)のシャッタ43が開いて、上段アーム7aが筐体内に挿入され、ウエハWは所定の位置に載置されて反射防止膜の形成が行われる(S3)。このように温調系の処理ユニットから塗布系の処理ユニット(G1及びG2)へのウエハWの搬送は上段アーム7aのみで行い、後述する加熱処理後の搬送は中段アーム7b又は下段アーム7cで行うことにより、ウエハWへの熱影響を最小限に抑えることができる。
ボトムコーティングユニット(BARC)における所定の塗布処理が終了すると、シャッタ43が開いて中段アーム7b(又は下段アーム7c)が挿入されてウエハWが受け渡され、中段アームは元の位置(筐体41内)に収まる。そしてウエハWは加熱ユニット(HP)113に搬送され、第1の前段階の加熱処理が施される(S4)。この加熱温度は例えば120℃である。
次に図15に示す高温度熱処理ユニット(BAKE)において、シャッタ76bが開き、図15に示すシャッタ76が開き、ウエハWが載置された第1の主ウエハ搬送体A1の中段アーム7b(又は下段アーム7c)がY方向に温調装置C1の直上位置まで移動し、温調装置C1における昇降ピン127が上昇し、サブアーム115の高さよりも高い位置で該ピン127上にウエハWが載置された後、中段アーム7bは元の位置に収まるとともに、シャッタ76が閉じる。このときサブアーム115は、主ウエハ搬送体16の動作の妨げとならないようにユニット中央付近に待機している。そして待機していたサブアーム115が温調装置C1上に移動する。そして昇降ピン127がウエハWを載せた状態で下降してウエハWはサブアーム115に受け渡される。
ウエハWを受け取ったサブアーム115は、X方向に背面側に移動して、同様に昇降ピンの駆動により次工程である高温度熱処理装置HHのホットプレート112上に載置されて所定の第1の後段階の加熱処理を行う(S5)。この加熱処理は例えば230゜Cで所定時間だけ加熱される。
そして高温度熱処理装置HHにより所定の熱処理が終了すると、ウエハWはサブアーム115により温調装置C1まで移動されて、昇降ピン127を介し温調プレート163上に載置されて所定の温度に調整される(S6)。
そしてウエハWは第1の主ウエハ搬送体16により、高温度熱処理ユニット(BAKE)から第1の主ウエハ搬送部A1へ搬送され、ここから第4の処理ユニット部G4に属する高精度温調ユニット(CPL)へ同様の動作で搬送される。そしてここで例えば23℃で所定の温調処理が行われる(第2温調)(S7)。
そして温調処理が終了すると、図17に示すシャッタ43が開き、第1の処理ユニット部G1に属するレジスト塗布ユニット(COT)へ搬送され、レジスト液の塗布処理が行われることになる(S8)。
このレジスト塗布ユニット(COT)では、ウエハWがカップCPの直上位置まで搬送されてくると、まず、ピン148が上昇してウエハWを受け取った後下降して、ウエハWはスピンチャック142上に載置されて真空吸着される。そしてノズル待機部に待機していたノズル135がノズルスキャンアーム136及びガイドレール144の機構により図17で示すウエハWの中心位置の上方まで移動する。そしてウエハW中心に所定のレジスト液の塗布が行われた後に、駆動モータ143により例えば100rpm〜3000rpmで回転させて、その遠心力でレジスト液をウエハW全面に拡散させることによりレジスト液の塗布が完了する。
続いて第4の処理ユニット部G4におけるプリベーキングユニット(PAB)のシャッタ76bが開き、図22(a)に示すように、ウエハWを載せた中段アーム7bがY方向に温調・搬送プレート71の直上位置まで移動し、続いて同図(b)に示すように昇降ピン84が上昇し、ピン上にウエハWが載置された後、中段アーム7bは元の位置に収まるとともに、シャッタ76bが閉じ、同図(c)に示すように昇降ピン84が下降してウエハWは温調・搬送プレート71上に載置される(S9)。
そして図23(a)に示すように、ウエハWを載せた温調・搬送プレート71が背面側に、ホットプレート86の直上位置まで移動し、続いて同図(b)に示すようにピン85が上昇してピン上にウエハWが載置された後、温調・搬送プレート71は元の位置に収まるとともに、同図(c)に示すようにピン85が下降してウエハWはホットプレート86上に載置され、所定の第2の加熱処理(PAB)が行われる(S10)。これによって、半導体ウエハW上の塗布膜から残存溶剤が蒸発除去される。
この熱処理装置Hにより所定の加熱処理が終了すると、図23に示した動作と逆の動作を行う。すなわちホットプレート86から温調・搬送装置Cにより温調・搬送プレート71にウエハWを載置させて正面側へ戻る。このとき温調・搬送装置Cは加熱後のウエハWの温度を例えば約40℃に調整しながら(ウエハWを温調させながら)正面側へ移動する(S11)。これにより加熱処理から温調処理までの処理時間を短縮させることができ、スループットの向上が図ることができる。
そして図22で説明した動作と逆の動作で、ウエハWは今度は第2の主ウエハ搬送体17により温調・搬送装置C上から取り出され、続いて図4に示すドア38の窓38aを通過して膜厚検査部119・周辺露光ユニット部120へ搬送される。ここで所定の膜厚検査、基板周辺露光処理が行われた後(S12)、再び第2の主ウエハ搬送体17により第5の処理ユニット部G5の温調・搬送装置Cの昇降ピン84を介して、ウエハ搬送体27によりインターフェース部14(S13)から図示しない露光装置へ搬送される(S15)。この場合ウエハWは、露光装置へ渡される前に、バッファカセットBRに一時的に格納されることもある。そしてその後インターフェース部14の高精度温調ユニット(CPL)130により所定の温調処理が行われる(S14)。また、上記膜厚検査では、直接肉眼で見る検査ではなく検査機器によりミクロ的な検査を行うユニットであり、膜厚検査の他にも例えばパーティクル等の異物検査や表面検査等をも行う。これに関しては例えば全てのウエハWを検査するのではなく適宜行うようにしてもよい。
そして露光処理が終了すると、ウエハWは再びインターフェース部14を介して、ウエハ搬送体27により第5の処理ユニット部G5に属するポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)へ搬送されるわけであるが、この場合もS9〜S11で説明した動作と同様の動作により、ウエハ搬送体27から温調・搬送装置Cへ搬送され(S16)、温調・搬送装置Cから熱処理装置Hへ温調しながら搬送され、熱処理装置Hにより加熱処理が行われ(第3加熱)(S17)、温調・搬送装置Cにより所定の温度に調整しながら搬送され(S18)、第2の主ウエハ搬送部A2における第2の主ウエハ搬送体17によりウエハWが取り出される。
次に第5の処理ユニット部G5に属する高精度温調ユニット(CPL)により例えば23℃で所定の温調処理が行われ(第4温調)(S19)、その後、主ウエハ搬送体17により第2の処理ユニット部G2に属する現像ユニット(DEV)へ搬送され、現像液の塗布処理が行われることになる(S20)。
この現像ユニット(DEV)では、ウエハWがカップCPの直上位置まで搬送されてくると、まず、ピン148が上昇してウエハWを受け取った後下降して、ウエハWはスピンチャック142上に載置されて真空吸着される。そしてノズル待機部に待機していたノズル135がノズルスキャンアーム136及びガイドレール144の機構により、ウエハWの周辺位置の上方まで移動する。続いて駆動モータ143によりウエハWが例えば10rpm〜100rpmで回転し、そしてノズル135はウエハW周辺からY方向に移動しながら、回転の遠心力により所定の現像液の塗布が行われる。
次に第4の処理ユニット部G4に属するポストベーキングユニット(POST)へ搬送されるわけであるが、この場合もS9〜S11、S16〜S18で説明した動作と同様の動作により、主ウエハ搬送体17から温調・搬送装置Cへ搬送され(S21)、温調・搬送装置Cから熱処理装置Hへ搬送され、熱処理装置Hにより加熱処理が行われ(第4加熱)(S22)、温調・搬送装置CによりウエハWを例えば40℃に所定の温度に調整しながら搬送され(S23)、今度は第1の主ウエハ搬送部A1における第1の主ウエハ搬送体16によりウエハWが取り出される。この加熱処理は例えば100゜Cで所定時間だけ加熱される。これにより現像で膨潤したレジストが硬化し、耐薬品性が向上する。
そしてウエハWは、主ウエハ搬送体16により第3の処理ユニット部G3におけるスペアの空間及びウエハ搬送22を介してカセットステーション10のカセットCRに戻される(S24)。ここで、カセットステーション10のカセットCRに戻される前に、カセットステーション10の背面側に設けられた図示しないマクロ検査器により、肉眼でウエハ基板W上の処理むら等をマクロ的に検査する場合もある。また、上記マクロ検査の他にも例えば、現像後のパターンの欠陥、線幅、重ね合わせ/オーバーレイ精度等の検査をも行うようにしてもよい。このようなマクロ検査器はカセットステーション10の背面側に突き出るように外付けしてもよいし、カセットステーション10内に配置するように構成しても構わない。
以上説明したように、第1加熱(S5)、第2加熱(S10)、第3加熱(S17)、第4加熱(S22)の直後は全て、温調・搬送装置Cにより搬送しながら温調・温調しているので、それぞれのその後の工程である第2温調(S7)、第3温調(S14)及び第4温調(S19)による温調処理時間が短縮でき、スループットが向上する。
更に、各熱処理ユニット部G3〜G5は10段、各塗布処理ユニット部G1及びG2は5段で構成されており、しかもこれら各処理ユニット部G1〜G5は第1の主ウエハ搬送部A1、21の主ウエハ搬送部A2を取り囲むようにして配置されているので、大量の基板を迅速に処理することができ、また各主ウエハ搬送体16及び17は効率良く各処理ユニットにアクセスでき、スループットの向上に寄与する。
また、主ウエハ搬送体16及び17から温調・搬送装置Cを介して熱処理装置Hにより加熱処理を行うことにより、すなわち加熱処理を行う前には、必ず温調・搬送装置CによりウエハWの温度が所定の温度に保たれるため、加熱処理時間を一定にしても処理状態に差が出ることはなく、かつ基板処理全体におけるウエハWの熱履歴を一定とすることができる。
また、図1に示すように、各熱処理系の処理ユニット部G3〜G5における加熱装置H、HH等と各塗布系処理ユニットG1及びG2との間に、温調系の装置C1、C2、Cがそれぞれ配置されているため、各加熱装置H、HH等が塗布系の処理ユニットG1及びG2に与える熱影響を最小限に抑えることができる。
一方、主ウエハ搬送部A1及びA2と、各処理ユニットG1〜G5との間を各囲繞部材44、44´により囲繞している構造となっているので、各処理ユニット及び各搬送部へのパーティクルの侵入を防止できる。
また、これら囲繞部材44、44´は、それぞれ図4に示すように、第1及び第2の主ウエハ搬送部A1及びA2の囲繞部材44と、各処理ユニットとの間で隙間uを設けることにより、主搬送ウエハ搬送部A1及びA2の搬送による振動が各処理ユニットに伝わることはなく、各熱処理及び各塗布処理を確実に行うことができる。
次に図24〜図26を参照して、この基板処理装置1の気圧及び温度・湿度コントロールについて説明する。
図24において、カセットステーション10,処理ステーション12およびインタフェース部14の上方にはエア供給室10a,12a,14aが設けられており、エア供給室10a,12a,14aの下面に防塵機能付きフィルタたとえばULPAフィルタ101,102,103が取り付けられている。各エア供給室のULPAフィルタ101,102,103より清浄な空気が、ダウンフローで各部10,12,14に供給され、これらエア供給室から各処理ユニットへ図24及び図25に示すようにダウンフローされるようになっている。このダウンフローの空気は上述したダクト31及び32から矢印方向(上向き)に供給されるわけであるが、第1及び第2の処理ユニット部G1及びG2においてはその背面側に設けられた各ファン106を介して排気ダクト100(図24参照)から下方の排気口125へ排気され、また、第3〜第5の処理ユニット部G3〜G5においては流路75b及び各ファン87a、87b(図11)を介して、排気口75dから下方の排気口125へ排気されるようになっている。また、図26に示すように第1及び第2の主ウエハ搬送部A1及びA2においては各ファン36を介して下方の排気口125から排気され、更にドア38の窓38aより周辺露光装置120及び検査ユニット部119へ通気され、排気口125へ排気されるようになっている。以上の各ファン106、87a、87b、36は全て制御部8により、各ユニット個別にその回転数が制御される。
また、塗布系ユニット部(G1、G2)のそれぞれ各ユニット全てにおいてこれらの上方にそれぞれファン・フィルタユニットFが取り付けられ、それぞれ気圧、温度及び湿度を計測するセンサSが設けられている。このファン・フィルタユニットFは、例えばULPAフィルタと小型のファンとを有している。一方、第3〜第5の処理ユニット部G3〜G5、各ユニットに同様のセンサSが設けられ、第1及び第2の主ウエハ搬送部A1及びA2においても同様にセンサSが設けられている。以上の各センサSは制御部8に検出結果が取り込まれるようになっている。
以上の構成により、気圧コントロールについては第1及び第2の処理ユニット部G1及びG2内の気圧を、第1及び第2の主ウエハ搬送部A1及びA2、第3〜第5の処理ユニット部G3〜G5内の気圧よりも例えば0.3(Pa)〜0.4(Pa)だけ高く制御する。このように、塗布系のユニットG1及びG2内の気圧を、熱処理系及び搬送系の気圧よりも高く制御する、すなわち陽圧コントロールをすることにより、最もパーティクルの制限が必要とされる塗布系のユニットにおける塗布処理を確実かつ高精度に行うことができる。
また、以上の構成により第1〜第5の処理ユニット部G1〜G5、第1及び第2の主ウエハ搬送部A1及びA2における各ユニット内の気圧・温度・湿度は各々個別にPID制御されるので、各ユニットの処理に適合した最適な環境で各処理を行うことができる。
また、図4において第1又は第2の主ウエハ搬送部A1又はA2のメンテナンスの際に、ドア38を開いたときに制御部8の指令に基づき、全ユニットG1〜G5及び全主搬送部A1及びA2内に供給される清浄空気の量を増加させて気圧を更に高めるようにする。これによりメンテナンス時に発生するパーティクルを抑制することができる。更にこの気圧コントロールに加えて、図1において背面側のパネル40を取り外し又は開閉したときに、システム全体(基板処理装置1)内の気圧を高めるようにしてもよい。なお、そのような場合、メンテナンス時のみ作動するファンを別途設けて、システム全体(基板処理装置1)内の気圧を高めるようにしてもよい。
また、図1に示すように、各熱処理系の処理ユニット部G3〜G5における加熱装置H、HH等と各塗布系処理ユニットG1及びG2との間に、温調系の装置C1、C2、Cがそれぞれ配置されているため、各加熱装置H、HH等が塗布系の処理ユニットG1及びG2に与える熱影響を最小限に抑えることができる。従って、各塗布系処理ユニットG1及びG2における温度制御を精密に行うことができる。
また、基板処理装置1では、図27に示すように、熱処理系の各ユニット部G3〜G5における各ユニットでは、一方の窓75aがシャッタ76aにより開かれているときには、他方の窓75bがシャッタ76bにより閉じられるように開閉制御が行われている。これにより、各ユニットがいわばロードロック室的に機能し、各ユニットを跨ぐ両側の環境を効果的に遮断し、それぞれにおいて処理環境を良好に維持することができるようになる。
更に、基板処理装置1では、図28に示すように、液供給系の各ユニット部G1、G2における各ユニットの開口部97がシャッタ43により開かれているときには、このユニット部の両側にある熱処理系の各ユニット部G3〜G5における各ユニットの窓75a、75bがシャッタ76a、76bにより閉じられるように開閉制御が行われている。これにより、液供給系のユニットから熱処理系のユニットに処理に悪影響を及ぼす雰囲気が流入しないようになる。
更に、このシステムはケミカル室(CHM)26及び27内の液供給装置58及び59をも温調可能としている。これにより塗布系の処理ユニットG1及びG2に供給される処理液の温度が好適な状態に維持される。なお、塗布系の処理ユニットとして使っていた室をケミカル室に代用することも可能である。
図29は本発明の第2の実施形態による熱処理ユニットを示しており、図11及び図12における要素と同一のものについてはその説明を省略する。
この熱処理ユニットG3´では、筐体75内に正面側(図中左方)から順に温調装置C1´と、低温度熱処理装置LHと、高温度熱処理装置HHとが例えば直線状に配置されている。これら熱処理装置LH、HHは加熱温度の違いだけであり、これらの構成は第1の実施形態の熱処理装置Hと同様に、円筒形の支持部材88に適当な断熱材を介して、低温度熱処理装置LHには低温度ホットプレート111が設けられ、高温度熱処理装置HHには高温度ホットプレート112が設けられている。支持部材88の下方にはウエハWの受け渡しを行うための3本のピン85が駆動装置82により昇降可能に設置されており、この3本のピン85はそれぞれのホットプレート111及び112に形成された貫通穴111a及び112aに埋没して配置されている。一方、温調装置C1´は例えば第1実施形態の温調ユニット(COL)における温調装置と同様であり、温調機構としてはペルチェ素子や冷却水を使用している。
これら温調装置C1´、低温度熱処理装置LH、高温度熱処理装置HHの側方には、案内レール118がX方向に延設されており、この案内レール118に沿って図示しない駆動装置により移動可能なようにサブアーム115が設けられている。このサブアーム115は、1対のハンド115a、115aを有している。
この熱処理ユニットG3´は、第1実施形態における各処理ユニット部G3〜G5の配置と同様に配置される。この場合、図1において処理ステーション12背面側のパネル40を背面側に移動させて、熱処理ユニットG3´の寸法に合わせて配置する。
この熱処理ユニットG3´の作用については、シャッタ76が開き、第1又は第2の主ウエハ搬送体A1又はA2の中段アーム7b(又は下段アーム7c)がY方向に温調装置C1´の直上位置まで移動し、温調装置C1´における昇降ピン127が上昇し、サブアーム115の高さよりも高い位置で該ピン127上にウエハWが載置された後、中段アーム7bは元の位置に収まるとともに、シャッタ76が閉じる。このときサブアーム115は、主ウエハ搬送体16の動作の妨げとならないように低温度熱処理装置LH側に位置している。そして低温度熱処理装置LH側に位置していたサブアーム115が温調装置C1´上に移動する。そして昇降ピン127がウエハWを載せた状態で下降してウエハWはサブアーム115に受け渡される。
そして、ウエハWを受け取ったサブアーム115は、X方向に背面側に移動して、同様に昇降ピンの駆動により次工程である低温度熱処理装置LH、その次の工程である高温度熱処理装置HHのホットプレート111、112上に順次載置されて所定の加熱処理を行う。
そして高温度熱処理装置HHにより所定の熱処理が終了すると、ウエハWはサブアーム115により温調装置C1´まで移動されて、温調プレート122上に載置されて所定の温調処理を行なう。
本実施形態では、特に、温度の異なる熱処理、更には温調処理を連続的に行うことができ、スループットの向上を図ることができる。
なお、温調装置C1´と低温度熱処理装置LHと高温度熱処理装置HHとを適宜遮蔽板で仕切るようにすれば、各装置における温度制御をより精密に行うことができる。
図30は本発明の第3の実施形態による基板処理装置を示しており、この基板処理装置150は、第1の実施形態における第2の主ウエハ搬送部A2が変形して、更に塗布系の処理ユニット部G2´が増設されたものであり、それ以外の構成については第1実施形態と同様である。この処理ユニット部G2´はレジスト塗布ユニット(COT)及び現像ユニット(DEV)を有している。
第1の実施形態による主ウエハ搬送部A1(A2)は主ウエハ搬送体16(17)自体がY方向には移動することはなかったが、この第3実施形態による第3の主ウエハ搬送部A3は、Y方向にも移動可能なようにY軸ポール128が設けられている。このY軸ポール128は鉛直方向のポール33に沿って移動可能とされており、このY軸ポールに沿って移動可能に主ウエハ搬送体17が取り付けられている。
これにより、第4及び第5の熱処理ユニット部G4及びG5で基板が処理された後、第1及び第2の塗布系の処理ユニット部G1及びG2で処理しきれなかった基板を第3の第3の主ウエハ搬送部A3による主ウエハ搬送体17により、処理ユニットG2´へ搬送して所定の塗布処理を行なうことができる。これによりスループットは向上する。
次に、添付図31〜図38を参照しながら本発明の第4の実施の形態について説明する。図31〜図34は本発明の一実施形態に係る塗布現像処理システムを示す図であり、図31は平面図、図32は正面図である。図33は図31のX方向に沿って切断した場合の断面図、図34は図31のY方向に沿って温調処理ユニット218が配置された領域を切断した場合の断面図である。
図31に示すように、この塗布現像処理システム201は、例えば25枚のウエハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム201に対して搬入出したり、カセットCに対してウエハWを搬入出するためのカセットステーション202と、塗布現像処理工程の中でウエハWに対して所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットを多段配置してなる第1の処理ステーション203と、この第1の処理ステーションに隣接して配置された第1のステーションとほぼ同様の構成の第2の処理ステーション204と、この第2の処理ステーション204に隣接して配置された露光装置(図示を省略)の間でウエハWの受け渡しをするためのインターフェイス部205とを一体に接続した構成を有している。第1の処理ステーション203では主にウエハW上に反射防止膜及びレジスト膜の塗布処理が行われ、第2の処理ステーション204では露光されたレジスト膜の現像処理が行われる。
カセットステーション202では、カセット載置台210上の位置決め突起210aの位置に、複数個のカセットCがウエハWの出入口を処理ステーション203側に向けてX方向(図31中の上下方向)に沿って一列に載置自在である。そして、このカセットCの配列方向(X方向)及びカセットCに収容されたウエハWの配列方向(Z方向;垂直方向)に移動可能なウエハ搬送体211が搬送路212に沿って移動自在であり、各カセットCに対して選択的にアクセスできるようになっている。
このウエハ搬送体211はθ方向にも回転自在に構成されており、後述する第1の処理ステーション203における第2の処理ユニット群としての第1加熱・温調処理ユニット群214aの各第1加熱・温調処理ユニット210aの温調処理ユニット(CPL)218aに対してアクセスできるように構成されている。
図31、図32に示すように、第1の処理ステーション203では、正面側に液処理が行われる第1の処理ユニット群として、反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213a及びレジスト膜塗布ユニット(CT)群213bが設けられている。反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213aは、常温付近でウエハWに対して塗布処理を行う反射防止膜塗布ユニット(BARC)216がZ軸方向に3段に積み重ねられて構成される。また、レジスト膜塗布ユニット(CT)群213bは、常温付近でウエハWに対して塗布処理を行うレジスト膜塗布ユニット(CT)217がZ軸方向に3段に積み重ねられて構成される。
第1の処理ステーション203の中央部には、搬送装置219aを挟んで、第2の処理ユニット群として第1加熱・温調処理ユニット群214a、第2加熱・温調処理ユニット群214bが配置されている。第1加熱・温調処理ユニット群214aでは第1加熱・温調処理ユニット210aがZ軸方向に8段に積み重ねられて構成され、第2加熱・温調処理ユニット群214bでは第2加熱・温調処理ユニット210bがZ軸方向に7段に積み重ねられ、更にそれらの下層に後述する搬送ユニット(STL)が配置されて構成される。各第1及び第2加熱・温調処理ユニット210a、210bは、ウエハWに対して温調処理を行う温調処理ユニット(CPL)218a、218bと加熱処理を行う加熱処理ユニット(HP)220a、220bとがそれぞれ互いに隣接されて一体化して構成されている。
図31、図33に示すように、第1加熱・温調処理ユニット群214aは、第1加熱・温調処理ユニット210aが例えば8段に積層されて構成され、全ての第1加熱・温調処理ユニット210aにおいて、温調処理ユニット(CPL)218aは反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213a側に位置するように第1加熱・温調処理ユニット群214aと反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213aとが配置される。尚、図33は、図31のX方向に沿って切断した場合の断面図であり、X方向に沿った第1の処理ユニット群213aと第2の処理ユニット群214aとの位置関係を示す図である。また、第2加熱・温調処理ユニット群214bも同様に、第2加熱・温調処理ユニット210bが多段に積層されて構成され、全ての第2加熱・温調処理ユニット210bにおいて、温調処理ユニット218bはレジスト膜塗布ユニット(CT)群213b側に配置される。
垂直搬送型の搬送装置219aの周囲には、反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213a、レジスト膜塗布ユニット(CT)群213b、第1及び第2加熱・温調処理ユニット群214a、214bが配置されている。そして、第1加熱・温調処理ユニット群214aと反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213aとの間でのウエハWの搬送、第2加熱・温調処理ユニット群214bとレジスト膜塗布ユニット(CT)群213bとの間でのウエハWの搬送は、搬送装置219aにより行われる。また、第1加熱・温調処理ユニット210aの温調処理ユニット(CPL)218aの両側面には開閉可能なシャッター部材247a、247bが設けられている。第1加熱・温調処理ユニット210aとウエハ搬送体211との間での基板の受け渡し及び第1加熱・温調処理ユニット210aと搬送装置219aとの間での基板の受け渡しは、それぞれシャッタ247a、247bを介して行われる。また、第2加熱・温調処理ユニット210bの温調処理ユニット(CPL)218bの搬送装置側の側面には開閉可能なシャッター部材247aが設けられており、このシャッター部材247aを介して搬送装置219aと温調処理ユニット(CPL)218bとの間での基板の受け渡しが行われる。
一方、第2の処理ステーション204では、図31、図32に示すように、第1の処理ステーション203と同様に、正面側に常温付近でウエハWに対して液処理を行う第1の処理ユニット群として第1現像処理ユニット群213c、第2現像処理ユニット群213dが配置されている。第1現像処理ユニット群213cは現像処理ユニット(DEV)226がZ軸方向に2段に積み重ねられて構成され、第2現像処理ユニット群213dも同様に現像処理ユニット(DEV)226がZ軸方向に2段に積み重ねられて構成されている。
第2の処理ステーション204の中央部には、搬送装置219bを挟んで、第2の処理ユニット群として第3加熱・温調処理ユニット群214c、第4加熱・温調処理ユニット群214dが配置されている。第3加熱・温調処理ユニット群214cでは第3加熱・温調処理ユニット210cがZ軸方向に7段に積み重ねられ、更にそれらの下層に後述する搬送ユニット(STL)が配置されて構成される。第4加熱・温調処理ユニット群214dでは第4加熱・温調処理ユニット210dがZ軸方向に8段に積み重ねられて構成される。
各第3及び第4加熱・温調処理ユニット210c、210dは、ウエハWに対して温調処理を行う温調処理ユニット(CPL)218c、218dと加熱処理を行う加熱処理ユニット(HP)220c、220dとがそれぞれ互いに隣接されて一体化して構成されている。そして、図31に示すように、積層された全ての第3加熱・温調処理ユニット210cの温調処理ユニット(CPL)218cと加熱処理ユニット(HP)220cのうち温調処理ユニット(CPL)218cが、第1現像処理ユニット(DEV)群213c側に位置するように第3加熱・温調処理ユニット群214cと第1現像処理ユニット(DEV)群213cとが配置される。また、積層された全ての第4加熱・温調処理ユニット210dの温調処理ユニット(CPL)218dと加熱処理ユニット(HP)220dのうち温調処理ユニット(CPL)218dが、第2現像処理ユニット(DEV)群213d側に位置するように第4加熱・温調処理ユニット群214dと第2現像処理ユニット(DEV)群214dとが配置される。
垂直搬送型の搬送装置219bの周囲には、第1現像処理ユニット群213c、第2現像処理ユニット群213d、第3及び第4加熱・温調処理ユニット群214c、214dが配置されている。そして、第3加熱・温調処理ユニット群14cと第1現像処理ユニット(DEV)群213cとの間でのウエハWの搬送、第4加熱・温調処理ユニット群214dと第2現像処理ユニット(DEV)群213bとの間でのウエハWの搬送は、搬送装置219bにより行われる。また、第4加熱・温調処理ユニット210dの温調処理ユニット(CPL)218dの両側面には開閉可能なシャッター部材247a、247bが設けられている。第4加熱・温調処理ユニット210dと搬送装置219bとの間での基板の受け渡し及び第4加熱・温調処理ユニット210dとウエハ搬送体237との間での基板の受け渡しは、それぞれシャッタ247a、247bを介して行われる。また、第3加熱・温調処理ユニット210cの温調処理ユニット218bの搬送装置側の側面には開閉可能なシャッター部材247bが設けられており、このシャッター部材247bを介して搬送装置219bと温調処理ユニット218cとの間での基板の受け渡しが行われる。
また、図31に示すように、第1の処理ステーション203及び第2の処理ステーション204の背面側では、検査機206や第1の処理ユニット群213aで用いられ処理液を蓄えるケミカルタワー215を収容する容器棚が設けられている。この容器棚は、レール207により図面のY方向に沿って移動可能となっている。容器棚は、例えば背面側に開閉可能な扉のような構造となっており、この扉に容器が収容可能となっている。これにより、容器の交換や保守点検を容易に行うことができる。検査機206は、露光、現像処理を経たウエハWの塗布膜の膜厚を検査するものであり、必要に応じて設置される。また、処理液としては、例えば反射防止膜塗布ユニット(BARC)216に供給される反射防止膜レジスト材、レジスト膜塗布ユニット(CT)217に供給されるレジスト膜材、現像処理ユニット226に供給される現像液がある。ここで、背面側に配置されるケミカルタワー215に蓄えられる処理液を主な処理液源として用いても良いし、背面側に配置されるケミカルタワー215を予備用として配置し、他の領域に主な処理液源として別のケミカルタワーを配置して用いても構わない。
インターフェイス部205では、その正面側に露光前のウエハWを一旦保持する、例えばウエハWカセットCと同様の構造のバッファカセット233が配置され、その背面側には周辺露光装置234が配置されている。そして、垂直方向に昇降可能とされ、更にθ方向に回転可能とされたウエハ搬送体237が、これらのバッファカセット233と周辺露光装置234との間の搬送路236に沿って移動可能とされ、ウエハ搬送体237は第4加熱・温調処理ユニット210dの温調処理ユニット(CPL)218d、バッファカセット233及び周辺露光装置234、露光前温調ユニット(図示しない)に対してアクセスできるように構成されている。
更に、この塗布現像処理システム201では、図31、図33に示すように、第1の処理ステーション203における第1の処理ユニット群213(反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213a、レジスト膜塗布ユニット(CT)群213b)と第2の処理ユニット群214(第1及び第2加熱・温調処理ユニット群214a、214b)との間、第2の処理ステーション204における第1の処理ユニット群213(第1及び第2現像処理ユニット群213c、213d)と第2の処理ユニット群214(第3及び第4加熱・温調処理ユニット群214c、214d)との間に、それぞれ断熱壁239及び後述する第1の処理ユニット群213の下部から排気された気体をその上部に循環させるための通路240が配置されている。即ち、断熱壁239及び通路240は、第1の処理ユニット群213と第2の処理ユニット群214との間を分断するように配置されている。
図32に示すように、上述した反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213aでは、カップ内でウエハWをスピンチャックに載せて反射防止膜を塗布して、該ウエハWに対して反射防止膜塗布処理を施す反射防止膜塗布ユニット(BARC)216が3段に積み重ねられている。
レジスト塗布ユニット群213bでは、カップ内でウエハWをスピンチャックに載せてレジスト液を塗布して、該ウエハWに対してレジスト塗布処理を施すレジスト塗布ユニット(CT)が3段に積み重ねられている。
第1現像処理ユニット群213cでは、カップ内でウエハWをスピンチャックに載せて現像液を供給して、該ウエハWに対して現像処理を施す現像処理ユニット(DEV)226が上から2段に積み重ねられている。
同様に、第2現像処理ユニット群213dでは、カップ内でウエハWをスピンチャックに載せて現像液を供給して、該ウエハWに対して現像処理を施す現像処理ユニット(DEV)226が上から2段に積み重ねられている。
第2及び第3加熱・温調処理ユニット群214b、214cでは、加熱・温調処理ユニット210が7段に積み重ねられ、それらのユニットの下段に更に図34に示すように搬送ユニット(STL)238b、238cがそれぞれ配置されている。第1及び第2の処理ステーション203、204間のウエハWの受け渡しは、2つの搬送ユニット(STL)238b、238cを連通する連通路242を介して行われる。図34に示すように、搬送ユニット(STL)238b、238cにはそれぞれ開口部が設けられ、各開口部に対応して開閉可能なシャッター部材248a、248b、249a、249bが設けられている。そして、シャッター部材248a、249bを開閉することにより搬送ユニット(STL)238b、238cとそれぞれに対応する搬送装置219a、219bとの間でウエハWの受け渡しが行われる。また、シャッター部材248b、249aを開閉することにより連通路242を介して、搬送ユニット(STL)238b、238c間でのウエハWの受け渡し、即ち第1及び第2ステーション間でのウエハWの受け渡しが行われる。
次に、上述した搬送装置219a、219bについて、斜視図である図35を用いて説明する。上述の搬送装置219a及び219bは同様の構造を有しており、図35では符号219として説明する。
図35に示されるように、搬送装置219は、上端及び下瑞で相互に接続され対向する一体の壁部251、252からなる筒状支持体253の内側に、上下方向(Z方向)に昇降自在なウエハW搬送手段254を備えている。筒状支持体253はモータ255の回転軸に接続されており、このモータ255の回転駆動力で、前記回転軸を中心としてウエハW搬送手段254と共に一体に回転する。従って、ウエハW搬送手段254はθ方向に回転自在となっている。
ウエハW搬送手段254の搬送基台256上には、ウエハWを保持する複数、例えば2本のピンセット257、258が上下に備えられている。各ピンセット257、258は基本的に同一の構成を有しており、筒状支持体253の両壁部251、52間の側面開口部を通過自在な形態及び大きさを有している。また、各ピンセット257、258は搬送基台256に内蔵されたモータ(図示せず)により前後方向の移動が自在となっている。
次に、図34、図36、図37を用いて、上述した第1加熱・温調処理ユニット210aの構造について説明する。図36は加熱・温調処理ユニットの平面図、図37は加熱・温調処理ユニットの断面図である。
図36、図37に示すように第1加熱・温調処理ユニット210aは、ウエハWに対して加熱処理を行う加熱処理ユニット(HP)220aとウエハWに対して温調処理を行う温調処理ユニット(CPL)218aとを互いに隣接させて一体化した構造となっている。
加熱処理ユニット(HP)220aは、設定温度が200℃前後とすることが可能な熱板224を有している。更に加熱処理ユニット(HP)220aは、加熱処理ユニット(HP)220aと温調処理ユニット(CPL)218aとの間を開閉するためのゲートシャッター221と熱板224の周囲でウエハWを包囲しながらゲートシャッター221と共に昇降されるリングシャッター222とを有している。熱板224には、ウエハWを載置して昇降するための3個のリフトピン223が昇降自在に設けられている。なお、熱板223とリングシャッター222との間に遮蔽板スクリーンを設けてもよい。加熱処理室220aの下方には、上記3個のリフトピン223を昇降するための昇降機構227と、リングシャッター222をゲートシャッター221と共に昇降するための昇降機構228とが設けられている。熱板223上には、高さが0.2mmのプロキシミティピン235、更には案内ガイド232が設けられている。
温調処理ユニット(CPL)218aは、ウエハWを23℃前後の常温に温調する温調板225を有している。図34、図36に示すように、温調処理ユニット(CPL)218aのカセットステーション側の側部には、カセットステーション2との間でウエハWの受け渡しを行うための開口部があり、この開口部に対応して開閉可能なシャッター部材247aが配置されている。更に、温調処理ユニット(CPL)218aの搬送装置219側の側部には、搬送装置219との間でウエハWの受け渡しを行うための開口部があり、この開口部に対応して開閉可能なシャッタ部材247bが配置されている。
図37に示すように、加熱処理ユニット(HP)220aと温調処理ユニット(CPL)218aとは、連通口230を介して連通されており、ウエハWを載置して温調するための温調板225がガイドプレート259に沿って移動機構260により水平方向に移動自在に構成されている。これにより、温調板225は、連通口230を介して加熱処理ユニット(HP)220a内に進入することができ、加熱処理ユニット(HP)220a内の熱板224により加熱された後のウエハWをリフトピン223から受け取って温調処理ユニット(CPL)218a内に搬入し、ウエハWの温調を行う。
上述では、第1加熱・温調処理ユニット210aについて説明したが、第4加熱・温調処理ユニット群214dの第4加熱・温調処理ユニット210dも同様の構造を有している。また、第2加熱・温調処理ユニット210b、第3加熱・温調処理ユニット210cにおいても、第1加熱・温調処理ユニット210aとほぼ同様の構造を有しているが、図31及び図34に示すように、第1加熱・温調処理ユニット210aでは両側面にシャッタ部材247a、247bが設けられているのに対し、第2及び第3加熱・温調処理ユニット210b、210cでは搬送装置219側の側面のみにシャッタ部材247aまたは247bが設けられている点で異なる。本実施形態では、温調処理ユニット(CPL)218a、218dでは、シッター部材247a、247bの両方が開いた状態とならないように開閉駆動が行われるようになっている。即ち、シャッター部材247aにより開口した状態ではシャッター部材247bにより開口部が閉じられ、逆にシャッター部材247bにより開口した状態ではシャッター部材247aにより開口部が閉じられるようになっている。このようにシャッター部材247a、247bの開閉駆動を制御することで、温調処理ユニット(CPL)がいわばロードロック室的な機能を果たすことになり、常温付近でウエハWに対して処理を行うための処理液供給ユニット(BARC、CT、DEV)における温度制御を更に精密に行うことができる。
上述のように本実施形態では、第1の処理ユニット群213a、213b、213c、213dと第2の処理ユニット群214a、214b、214c、214dとの間に、それぞれ断熱壁239及び第1の処理ユニット群213の下部から排気された気体をその上部に循環させるための通路240が配置された温調機構が設けられている。この温調機構について、図38を用いて以下に説明する。尚、図38は、処理液供給ユニット、ここでは反射防止膜塗布ユニット(BARC)216が複数段積層された第1の処理ユニット群213aの概略断面図である。
図38に示すように、塗布現像処理システム201の上部には、第1の処理ステーション203における第1の処理ユニット群としての反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213aに対して上部から温調された清浄エアーを供給す清浄エアー供給部241が配置されている。清浄エアー供給部241は、FFU(ファン・フィルタ・ユニット)及び温度や湿度を調整する温調装置等を備え、反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213aの下部から排気された気体をその上部に循環させるための通路240を介して流入した気体から温度及び湿度を調整してパーティクル等を除去した清浄エアーを通路243を介して各反射防止膜塗布ユニット(BARC)216に供給する。更に、図31に示すように、通路240と第2の処理ユニット群としての加熱・温調処理ユニット210aとの間には段熱壁239が配置されている。本実施形態では、このように断熱壁や温調機構を設けることにより、更に常温付近でウエハWに対して処理を行うための処理液供給ユニット(BARC、CT、DEV)における温度制御を更に精密に行うことができる。そして、同様に、図31に示すように、第1の処理ユニット群213b、213c、213dとそれぞれ対応する加熱・温調処理ユニット群214b、214c、214dとの間にも清浄エアー供給部240と断熱壁239とがそれぞれ別個に設けられている。
次に、このように構成された塗布現像処理システム201における処理工程を説明する。
塗布現像処理システム201において、カセットC内に収容された未処理のウエハWはカセットステーション202のウエハ搬送体211によって取り出された後、第1の処理ステーション203の第1加熱・温調熱処理ユニット210aにおける温調処理ユニット(CPL)218a内に搬送され、温調板225上に載置されて温調処理が行われる。
温調処理ユニット(CPL)218a内で温調処理が行われたウエハWは、搬送装置219aによって反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213aにおける反射防止膜塗布ユニット(BARC)216内に搬送され、反射防止膜用の処理液が塗布される。
反射防止膜塗布ユニット(BARC)216で反射防止膜用の処理液が塗布されたウエハWは、搬送装置219aによって第1加熱・温調処理ユニット210aの温調処理ユニット(CPL)218a内に搬送され、温調板225上に載置される。温調板225上に載置されたウエハWは、図37に示すように、移動機構260により水平移動される温調板225により、連通口230を通って加熱処理ユニット(HP)220a内へ搬送される。搬送されたウエハWは、上昇した状態のリフトピン223により支持される。この後、リフトピン223が下降し熱板224上にウエハWが載置され、それとともにリングシャッター222及びゲートシャッター221が上昇されて形成された加熱処理空間内で加熱処理が行われる。加熱処理後、リフトピン223が上昇されるとともにリングシャッター222及びゲートシャッター221が下降され、ウエハWは熱板224から離間されてリフトピン223により支持される。
その後、温調板225が再度加熱処理ユニット(HP)内に挿入され、加熱処理されたウエハWを受け取る。ウエハWは、温調板225によって温調処理ユニット(CPL)218a内へ搬送され、温調処理が行われる。
温調処理ユニット(CPL)218aで温調処理が行われたウエハWは、搬送装置219aによってレジスト塗布ユニット群213bにおけるレジスト塗布ユニット(CT)217内に搬送され、レジスト液が塗布される。
レジスト塗布ユニット(CT)217でレジスト液が塗布されたウエハWは、搬送装置219aにより、第2加熱・温調処理ユニット210bの温調処理ユニット(CPL)218b内に搬送され、温調板225上に載置される。温調板225上に載置されたウエハWは、移動機構260により水平移動される温調板225により、連通口230を通って加熱処理ユニット(HP)220b内へ搬送される。搬送されたウエハWは、上昇した状態のリフトピン223により支持される。この後、リフトピン223が下降し熱板224上にウエハWが載置され、それとともにリングシャッター222及びゲートシャッター221が上昇されて形成された加熱処理空間内で加熱処理が行われる。加熱処理後、リフトピン223が上昇されるとともにリングシャッター222及びゲートシャッター221が下降され、ウエハWは熱板224から離間されてリフトピン23により支持される。
その後、温調板225が再度加熱処理ユニット(HP)220b内に挿入され、加熱処理されたウエハWを受け取る。ウエハWは、温調板225によって温調処理ユニット(CPL)218b内へ搬送され、温調処理が行われる。
温調処理ユニット(CPL)218bで温調処理が行われたウエハWは、搬送装置219aによって、第2加熱・温調処理ユニット群214bの最下段に配置される搬送ユニット(STL)238bに搬送され、連通路242を通って、第3加熱・温調処理ユニット群214cの搬送ユニット(STL)238cへ搬送される。
第3加熱・温調処理ユニット群214cにおける搬送ユニット(STL)に搬送されたウエハWは、搬送装置219bによって第4加熱・温調処理ユニット群214dの加熱・温調処理ユニット210dの温調処理ユニットへ搬送される。
更に、温調処理ユニットに搬送されたウエハWは、インターフェイス部205におけるウエハ搬送体237によって周辺露光装置234内に搬送され、周辺露光が行われる。
周辺露光装置234で周辺露光が行われたウエハWは、ウエハ搬送体237によってバッファカセット233に搬送されて一旦保持されるか、或いはウエハ搬送体237、露光前温調ユニット(図示せず)、ウエハ搬送体を介して露光装置(図示せず)に搬送される。
ここで、バッファカセット233を例えば2つ設け、1つを周辺露光後のウエハWを保持するためのカセット、もう1つを周辺露光前のウエハWを保持するためのカセットとしても用いることができる。この際、周辺露光前のウエハWを保持するカセットには、ウエハWを23℃前後の常温に温調する機構を設けることが望ましい。或いは、バッファカセット233は周辺露光後のウエハWのみを保持し、周辺露光前のウエハWは、第2の処理ユニット群214cまたは214dの加熱・温調処理ユニット210cまたは210dのうちの空いている温調処理ユニット218cまたは218dを周辺露光前のウエハWを待機させる場所として用いることもできる。この場合、周辺露光前のウエハWを保持するためのバッファカセットを設ける必要がない。
次に、露光装置によって露光処理が行われたウエハWは、ウエハ搬送体、バッファカセット233及びウエハ搬送体237を介してインターフェイス部205から第2の処理ステーション204の第4加熱・温調処理ユニット群214dにおける第4加熱・温調処理ユニット210dの温調処理ユニット(CPL)218d内へ搬送され、温調処理が行われる。
温調処理ユニット(CPL)218dで温調処理が行われたウエハWは、搬送装置219bによって第1現像処理ユニット群213cまたは第2現像処理ユニット群213dにおける現像処理ユニット(DEV)226に搬送され、現像処理が行われる。
現像処理ユニット(DEV)226で現像処理が行われたウエハWは、搬送装置219bにより、例えば第3加熱・温調処理ユニット群214cにおける加熱・温調処理ユニット210cの温調処理ユニット(CPL)218cを介して、この温調処理ユニット(CPL)218cと隣接する加熱処理ユニット(HP)220c内に搬送され、加熱処理が行われる。
加熱処理ユニット(HP)220cで加熱処理が行われたウエハWは温調処理ユニット218cへ搬送され、搬送装置219bによって第2の処理ステーション204における搬送ユニット(STL)238cに搬送され、連通路242を通って第1の処理ステーション203における搬送ユニット(STL)238bに搬送される。
搬送ユニット(STL)に搬送されたウエハWは、搬送装置219aによって第1加熱・温調処理ステーション群214aにおける第1加熱・温調処理ユニット210aの温調処理ユニット218aに搬送される。そして、温調処理ユニット218a内のウエハWは、カセットステーション202のウエハ搬送体211によってカセットC内に収容される。ここで、検査機206を設置する場合には、温調処理ユニット218a内のウエハWは、カセットステーション202のウエハ搬送体211により検査機206に搬送される。検査機206では、レジスト膜の膜厚を測定することにより、露光現像処理により得られるパターンの幅が適正かどうかが判断される。検査されたウエハWは、カセットステーション202のウエハ搬送体211によってカセットC内に収容される。
以上のように構成された本実施形態に係る塗布現像処理システムによれば、加熱・温調処理ユニットの温調処理ユニット(CPL)が、液処理ユニット側に配置されることにより、液処理ユニットと加熱処理ユニット(HP)との間に温調処理ユニット(CPL)が介在する構造となる。これにより、液処理ユニット側に対する加熱処理ユニットからの熱的影響を極力抑えることができる。従って、該塗布現像処理システムでは、ウエハWに対して液処理を行うための液処理ユニット(BARC、CT、DEV)における温度制御を精密に行うことができる。
更に、本実施形態に係る塗布現像処理システムによれば、第1及び第2の処理ステーション203、204における液処理ユニット群(反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213a、レジスト膜塗布ユニット(CT)群213b、第1現像処理ユニット群213c、第2現像処理ユニット群213d)と加熱・温調処理ユニット群(第1乃至第4加熱・温調処理ユニット群214a、214b、214c、214d)との間に、それぞれ断熱壁239及び液処理ユニット群213a、213b、213c、213dそれぞれの下部から排気された気体をその上部に循環させるための通路240が配置される。これにより、通路240は断熱手段の機能も伴うので、第1の処理ユニット群213と第2の処理ユニット群214との間に二重の断熱手段が配置されることとなり、更に液処理ユニット群に対する加熱・温調処理ユニットの加熱処理ユニットの熱的影響を抑制し、常温付近でウエハWに対して液処理を行う液処理ユニット群における温度制御を極めて精密に行うことができる。
次に、図39〜図41を参照しながら本発明の第5の実施形態について説明する。図39〜図41は本発明の一実施形態に係る塗布現像処理システムを示す図であり、図39は平面図、図40は正面図である。図41は、図39の線A−A´に沿って切断した場合の断面図であり、第1の処理ユニット群213aと第2の処理ユニット群214aとケミカルタワー215aのX方向における位置関係を示す図である。
本実施形態は、上述の第4実施形態とは、処理液を収容するケミカルタワーの配置が異なる点、2つの搬送装置219a、219bの間に配置される加熱・温調処理装置の数が1つである点で、構造上異なる。以下、第5実施形態において説明するが、第4実施形態と同様の構造については一部説明を省略する。また、第4実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明する。
図39に示すように、塗布現像処理システム201は、第4実施形態と同様のカセットステーション202と、塗布現像処理工程の中でウエハWに対して所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットを多段配置してなる第1の処理ステーション208と、この第1の処理ステーションに隣接して配置された第2の処理ステーション209と、この第2の処理ステーション209に隣接して配置された露光装置(図示を省略)の間でウエハWの受け渡しをするためのインターフェイス部205とを一体に接続した構成を有している。第1の処理ステーション208では主にウエハW上に反射防止膜及びレジスト膜の塗布処理が行われ、第2の処理ステーション209では露光されたレジスト膜の現像処理が行われる。
カセットステーション202については、第4実施形態と同様の構造を有するため説明は省略する。
図39、図40に示すように、第1の処理ステーション208では、正面側に液処理が行われる第1の処理ユニット群として、反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213a及びレジスト膜塗布ユニット(CT)群213bが設けられている。反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213aは、常温付近でウエハWに対して塗布処理を行う反射防止膜塗布ユニット(BARC)216がZ軸方向に3段に積み重ねられて構成される。また、レジスト膜塗布ユニット(CT)群213bは、常温付近でウエハWに対して塗布処理を行うレジスト膜塗布ユニット(CT)217がZ軸方向に3段に積み重ねられて構成される。更に、反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213a及びレジスト膜塗布ユニット(CT)群213bにそれぞれ隣接してケミカルタワー215a、215bが配置されている。ケミカルタワー215aには反射防止膜塗布ユニット(BARC)216に処理液として供給される反射防止膜材料が収容されており、ケミカルタワー215bにはレジスト膜塗布ユニット(CT)217に処理液として供給されるレジスト材料が収容されている。
第1の処理ステーション208の背面部には、搬送装置219aを挟んで、第2の処理ユニット群として第1加熱・温調処理ユニット群214a、第2加熱・温調処理ユニット群214bが配置されている。第1加熱・温調処理ユニット群214a、第2加熱・温調処理ユニット群214bは、それぞれケミカルタワー215a、215bに隣接して配置されている。第1加熱・温調処理ユニット群214aでは第1加熱・温調処理ユニット210aがZ軸方向に8段に積み重ねられて構成されている。第2加熱・温調処理ユニット群214bでは第2加熱・温調処理ユニット210bがZ軸方向に8段に積み重ねられて構成されている。各第1及び第2加熱・温調処理ユニット210a、210bは、ウエハWに対して温調処理を行う温調処理ユニット(CPL)218a、218bと加熱処理を行う加熱処理ユニット(HP)220a、220bとがそれぞれ互いに隣接されて一体化して構成されている。
図41に示すように、第1加熱・温調処理ユニット群214aは、第1加熱・温調処理ユニット210aが多段に積層されて構成される。尚、図41は、図39の線A−A´に沿って切断した場合の断面図であり、X方向に沿った第1の処理ユニット群213aとケミカルタワー215aと第2の処理ユニット群214aとの位置関係を示す図である。図39、図41に示すとおり、第2の処理ユニット群としての第1加熱・温調処理ユニット群214aは、第1加熱・温調処理ユニット210aが8段に積層されて構成され、全ての第1加熱・温調処理ユニット210aにおいて、加熱処理ユニット(HP)220aと温調処理ユニット(CP)218aのうち温調処理ユニット(CPL)218aが、処理液供給部としてのケミカルタワー215a側に配置される。そして、このケミカルタワー215aに隣接して、第1の処理ユニット群としての反射防止膜塗布ユニット群213aが配置される。また、第2加熱・温調処理ユニット群214bも同様に、第2加熱・温調処理ユニット210bが8段に積層されて構成され、全ての第1加熱・温調処理ユニット210bにおいて、加熱処理ユニット(HP)220bと温調処理ユニット(CP)218bのうち温調処理ユニット(CPL)218bが、処理液供給部としてのケミカルタワー215b側に配置される。そして、このケミカルタワー215bに隣接して、第1の処理ユニット群としてのレジスト膜塗布ユニット群213b及び後述する第1現像処理ユニット群213cが配置される。
垂直搬送型の搬送装置219aの周囲には、反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213a、レジスト膜塗布ユニット(CT)群213b、第1及び第2加熱・温調処理ユニット群214a、214bが配置されている。第1の処理ステーション208における搬送装置219a、反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213a、レジスト膜塗布ユニット(CT)群213b、第1加熱・温調処理ユニット群214aの構造は、上述の第4実施形態における第1の処理ステーション203と各構成と同じ構造をしており、ここでは詳細な説明は省略する。本実施形態における第2加熱・温調処理ユニット群214bは、上述の第4実施形態における第2加熱・温調処理ユニット群214bと比較して、両側面にシャッター部材247a、247bがある点と搬送ユニット(STL)がない点で構造が異なる。本実施形態においては、第1の処理ステーション208と後述する第2の処理ステーション209との間でのウエハWの搬送は、第2加熱・温調処理ユニット群214bの各第2加熱・温調処ユニット210bの温調処理ユニット218bを介して行なうことができる。そのため、各温調処理ユニット218bの両側面にシャッター部材247a、247bが設けられている。
一方、第2の処理ステーション209では、図39、図40に示すように、第1の処理ステーション208と同様に、正面側に常温付近でウエハWに対して液処理を行う第1の処理ユニット群として、第1現像処理ユニット群213c及び第2現像処理ユニット群213dが配置されている。第1現像処理ユニット群213cは現像処理ユニット(DEV)226がZ軸方向に2段に積み重ねられて構成され、第2現像処理ユニット群213dも同様に現像処理ユニット(DEV)226がZ軸方向に2段に積み重ねられて構成されている。更に、第2現像処理ユニット群213dに隣接してケミカルタワー215cが配置されている。このケミカルタワー215cには、現像処理ユニット(DEV)226に処理液として供給される現像液が収容されている。
第2の処理ステーション209の背面部には、搬送装置219bを挟んで第2加熱・温調処理ユニット群210bに対向した位置に、第2の処理ユニット群として第3加熱・温調処理ユニット群214cが配置されている。第3加熱・温調処理ユニット群214cは、それぞれケミカルタワー215cに隣接して配置されている。第3加熱・温調処理ユニット群214cは第3加熱・温調処理ユニット210cがZ軸方向に8段に積み重ねられて構成される。
第3加熱・温調処理ユニット210cは、ウエハWに対して温調処理を行う温調処理ユニット(CPL)218c、218dと加熱処理を行う加熱処理ユニット(HP)220c、220dとがそれぞれ互いに隣接されて一体化して構成されている。そして、図39に示すように、積層された全ての第3加熱・温調処理ユニット210cの温調処理ユニット(CPL)218cと加熱処理ユニット(HP)220cのうち温調処理ユニット(CPL)218cが、処理液供給部としてのケミカルタワー215c側に配置される。そして、このケミカルタワー215cに隣接して、第1の処理ユニット群としての第2現像処理ユニット(DEV)群213dが配置される。
垂直搬送型の搬送装置219bの周囲には、第1現像処理ユニット群213c、第2現像処理ユニット群213d、第2及び第3加熱・温調処理ユニット群214b、214cが配置されている。ここで、第2加熱・温調処理ユニット群214bは、ウエハ上への塗布膜の成膜前後の加熱処理または温調処理、現像処理後前後の加熱処理または温調処理のいずれにも対応できる。そして、第2加熱・温調処理ユニット群214bと第3加熱・温調処理ユニット群214cとの間でのウエハWの搬送、第2加熱・温調処理ユニット群214bと第1または第2現像処理ユニット(DEV)群213c、213dとの間でのウエハWの搬送、第3加熱・温調処理ユニット群214cと第1または第2現像処理ユニット(DEV)群213c、213dとの間でのウエハWの搬送は、搬送装置219bにより行われる。第2または第3加熱・温調処理ユニット群214b、214cと搬送装置219bとの間でのウエハWの受け渡しは、それぞれの温調処理ユニット218b、218cに設けられた247b、247aを介して行われる。また、第3加熱・温調処理ユニット210cの温調処理ユニット218bとウエハ搬送体237との間でのウエハWの受け渡しは、温調処理ユニット218cのシャッター部材247bを介して行われる。
インターフェイス部205は、上述の第4実施形態におけるインターフェイス部205と同様の構造のため、個々では説明を省略する。
更に、この塗布現像処理システム1では、図39、図41に示すように、第1の処理ステーション208及び第2の処理ステーションにおける第1の処理ユニット群213(反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213a、レジスト膜塗布ユニット(CT)群213b、第1現像処理ユニット(DEV)群213c、第2現像処理ユニット(DEV)群213d)と第2の処理ユニット群214(第1加熱・温調処理ユニット群214a、第2加熱・温調処理ユニット群214b、第3加熱・温調処理ユニット群214c)との間には、ケミカルタワー215(215a、215b、215c)が配置された構造となり、更にケミカルタワー215と第2の処理ユニット群214との間には断熱壁239及び第1の処理ユニット群213の下部から排気された気体をその上部に循環させるための通路240が配置されている。また、ケミカルタワー215bに隣接して設けられた通路240及び断熱壁239は、1つの第2の処理ユニット群214bに対応した2つの第1の処理ユニット群214aに対する温調機構及び断熱手段として機能する。本実施形態においても、上述の第4実施形態と同様に、塗布現像処理システムの上部に、各第1の処理ユニット群に対して上部から温調された清浄エアーを供給す清浄エアー供給部が配置されている。清浄エアー供給部は、FFU(ファン・フィルタ・ユニット)及び温度や湿度を調整する温調装置等を備え、第1の処理ユニット群の下部から排気された気体をその上部に循環させるための通路240を介して流入した気体から温度及び湿度を調整してパーティクル等を除去した清浄エアーを通路243を介して第1の処理ユニット群に供給する。本実施形態においても、上述の第4実施形態と同様に、断熱壁239及び第1の処理ユニット群213の下部から排気された気体をその上部に循環させるための通路240が配置された温調機構を設けることにより、常温付近でウエハWに対して処理を行うための処理液供給ユニット(BARC、CT、DEV)における温度制御を精密に行うことができる。更に、通路240は断熱手段の機能も伴うので、第2の処理ユニット群214とケミカルタワー215との間に断熱壁239及び通路240が設けられることにより二重の断熱手段が配置されることとなる。そのため、常温付近でウエハWに対して液処理を行う液処理ユニット群における温度制御を極めて精密に行うことができ、またケミカルタワー215に収容される処理液は加熱処理ユニット220による熱的影響を受けにくく、処理液の温度調整が容易となる。
図40に示すように、上述した反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213aでは、カップ内でウエハWをスピンチャックに載せて反射防止膜を塗布して、該ウエハWに対して反射防止膜塗布処理を施す反射防止膜塗布ユニット(BARC)216が3段に積み重ねられている。レジスト塗布ユニット群213bでは、カップ内でウエハWをスピンチャックに載せてレジスト液を塗布して、該ウエハWに対してレジスト塗布処理を施すレジスト塗布ユニット(CT)が3段に積み重ねられている。第1現像処理ユニット群213cでは、カップ内でウエハWをスピンチャックに載せて現像液を供給して、該ウエハWに対して現像処理を施す現像処理ユニット(DEV)226が上から2段に積み重ねられている。同様に、第2現像処理ユニット群213dでは、カップ内でウエハWをスピンチャックに載せて現像液を供給して、該ウエハWに対して現像処理を施す現像処理ユニット(DEV)226が上から2段に積み重ねられている。
第1、第2及び第3加熱・温調処理ユニット群214a、214b、214cでは、それぞれウエハWに対して加熱処理を行う加熱処理ユニット(HP)220とウエハWに対して温調処理を行う温調処理ユニット(CPL)218とを互いに隣接させて一体化した加熱・温調処理ユニット210が8段に積み重ねられて構成されており、上述したように全ての温調処理ユニットの側面にシャッター部材247a、247bが設けられている。尚、本実施形態における加熱・温調処理ユニット210の構造は、上述の第4実施形態と同様のため、ここでは説明を省略する。
上述した搬送装置219a、219bの構造は、上述の第4実施形態の搬送装置219a及び219bと同様の構造のため、説明を省略する。
次に、このように構成された塗布現像処理システム201における処理工程を説明する。尚、加熱・温調処理ユニットにおける動作は上述の第4実施形態と同様のため省略する。
塗布現像処理システム201において、カセットC内に収容された未処理のウエハWはカセットステーション202のウエハ搬送体211によって取り出された後、第1の処理ステーション203の第1加熱・温調熱処理ユニット210aにおける温調処理ユニット(CPL)218a内に搬送され、温調板225上に載置されて温調処理が行われる。
温調処理ユニット(CPL)218a内で温調処理が行われたウエハWは、搬送装置219aによって反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213aにおける反射防止膜塗布ユニット(BARC)216内に搬送され、反射防止膜用の処理液が塗布される。
反射防止膜塗布ユニット(BARC)216で反射防止膜用の処理液が塗布されたウエハWは、搬送装置219aによって第1加熱・温調処理ユニット210aの温調処理ユニット(CPL)218a内に搬送され、温調板225上に載置される。温調板225上に載置されたウエハWは、加熱処理ユニット(HP)220a内へ搬送され加熱処理が行われる。
その後、ウエハWは温調処理ユニット(CPL)218a内へ搬送され、温調処理が行われる。
温調処理ユニット(CPL)218aで温調処理が行われたウエハWは、搬送装置219aによってレジスト塗布ユニット群213bにおけるレジスト塗布ユニット(CT)217内に搬送され、レジスト液が塗布される。
レジスト塗布ユニット(CT)217でレジスト液が塗布されたウエハWは、搬送装置219aにより、第2加熱・温調処理ユニット210bの温調処理ユニット(CPL)218b内に搬送される。更に、ウエハWは加熱処理ユニット(HP)220b内へ搬送され、加熱処理が行われる。
その後、ウエハWは、温調処理ユニット(CPL)218b内へ搬送され、温調処理が行われる。温調処理ユニット(CPL)218bで温調処理が行われたウエハWは、搬送装置219bによって第3加熱・温調処理ユニット群214cの加熱・温調処理ユニット210cの温調処理ユニット218cへ搬送される。
更に、温調処理ユニットに搬送されたウエハWは、インターフェイス部205におけるウエハ搬送体237によって周辺露光装置234内に搬送され、周辺露光が行われる。
周辺露光装置234で周辺露光が行われたウエハWは、ウエハ搬送体237によってバッファカセット233に搬送されて一旦保持されるか、或いはウエハ搬送体237、露光前温調ユニット(図示せず)、ウエハ搬送体を介して露光装置(図示せず)に搬送される。
次に、露光装置によって露光処理が行われたウエハWは、ウエハ搬送体、バッファカセット233及びウエハ搬送体237を介してインターフェイス部205から第2の処理ステーション209の第3加熱・温調処理ユニット群214cにおける第4加熱・温調処理ユニット210cの温調処理ユニット(CPL)218c内へ搬送され、温調処理が行われる。
温調処理ユニット(CPL)218cで温調処理が行われたウエハWは、搬送装置219bによって第1現像処理ユニット群213cまたは第2現像処理ユニット群213dにおける現像処理ユニット(DEV)226に搬送され、現像処理が行われる。
現像処理ユニット(DEV2)26で現像処理が行われたウエハWは、搬送装置219bにより、例えば第2加熱・温調処理ユニット群214bにおける加熱・温調処理ユニット210bの温調処理ユニット(CPL)218bを介して、この温調処理ユニット(CPL2)18bと隣接する加熱処理ユニット(HP)220b内に搬送され、加熱処理が行われる。
加熱処理ユニット(HP)220bで加熱処理が行われたウエハWは温調処理ユニット218bへ搬送され、搬送装置219aによって第1加熱・温調処理ステーション群214aにおける第1加熱・温調処理ユニット210aの温調処理ユニット218aに搬送される。そして、温調処理ユニット218a内のウエハWは、カセットステーション202のウエハ搬送体211によってカセットC内に収容される。
以上のように構成された本実施形態に係る塗布現像処理システムによれば、液処理ユニット(BARC、CT、DEV)と隣接して処理液供給部としてのケミカルタワーが配置され、ケミカルタワーと隣接して加熱・温調処理ユニットが配置され、加熱・温調処理ユニットの温調処理ユニット(CPL)がケミカルタワー側に配置されることにより、加熱・温調処理ユニットの加熱処理ユニットと液処理ユニットとの間には温調処理ユニット及びケミカルタワーが介在する構造となる。これにより、液処理ユニット側に対する加熱処理ユニットからの熱的影響を大幅に抑えることができ、該塗布現像処理システムでは、ウエハWに対して液処理を行うための液処理ユニット(BARC、CT、DEV)における温度制御を精密に行うことができる。
更に、本実施形態に係る塗布現像処理システムによれば、液処理ユニット群(反射防止膜塗布ユニット(BARC)群213a、レジスト膜塗布ユニット(CT)群213b、第1現像処理ユニット(DEV)群213c、第2現像処理ユニット(DEV)群213d)と加熱・温調処理ユニット群(第1乃至第4加熱・温調処理ユニット群214a、214b、214c、214d)との間に、それぞれ断熱壁39及び液処理ユニット群213a、213b、213c、213dそれぞれの下部から排気された気体をその上部に循環させるための通路240が配置されることにより、更に液処理ユニット群に対する加熱・温調処理ユニットの加熱処理ユニットの熱的影響を防止し、常温付近でウエハWに対して液処理を行う液処理ユニット群における温度制御を極めて精密に行うことができる。
以下、図42〜図44を参照しながら本発明の第6実施の形態について説明する。図42〜図44は本発明の一実施形態に係る塗布現像処理システムを示す図であり、図42は平面図、図43は正面図である。図44は、図42の線B−B´に沿って切断した場合の断面図であり、第1の処理ユニット群213aと第2の処理ユニット群214aとのX方向における位置関係を示す図である。
本実施形態は、上述の第4実施形態とは、処理液を収容するケミカルタワーの配置位置の点、搬送装置及び加熱・温調処理装置の数を少ない点、反射防止膜塗布ユニット(BARC)及びレジスト膜塗布ユニット(CT)が積み重ねられている点で構造上異なり、第4及び第5実施形態と比較しシステム全体が小型化されている。
以下、第6実施形態において説明するが、第4実施形態と同様の構造については一部説明を省略する。また、第4実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明する。
図42に示すように、塗布現像処理システム1は、第4実施形態と同様のカセットステーション202と、塗布現像処理工程の中でウエハWに対して所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットを多段配置してなる第1の処理ステーション245と、この第1の処理ステーションに隣接して配置された第2の処理ステーション246と、この第2の処理ステーション246に隣接して配置された露光装置(図示を省略)の間でウエハWの受け渡しをするためのインターフェイス部205とを一体に接続した構成を有している。第1の処理ステーション245では主にウエハW上に反射防止膜及びレジスト膜の塗布処理が行われ、第2の処理ステーション246では露光されたレジスト膜の現像処理が行われる。塗布現像処理システム201のほぼ中央部には搬送装置219が配置され、搬送装置219は第1の処理ステーション245及び第2の処理ステーション246における処理中のウエハWの搬送に用いられる。
カセットステーション202については、第4実施形態とほぼ同様の構造を有するため異なる部分のみ説明する。図43に示すように、カセットステーション202の底部には、後述するレジスト膜塗布ユニット(CT)217に処理液として供給されるレジスト膜材料が収容されるケミカルタワー215bが配置されている。
図42、図43に示すように、第1の処理ステーション245では、正面側に液処理が行われる第1の処理ユニット群として、反射防止膜・レジスト膜塗布ユニット(CT)群213eが設けられている。反射防止・レジスト膜塗布ユニット(CT)群213eは、常温付近でウエハWに対して塗布処理を行う反射防止膜塗布ユニット(BARC)216、レジスト膜塗布ユニット(CT)217がそれぞれ2段づつZ軸方向に積み重ねられて構成される。更に、反射防止・レジスト膜塗布ユニット(CT)群213eに隣接してケミカルタワー215aが配置されている。ケミカルタワー215aには反射防止膜塗布ユニット(BARC)216に処理液として供給される反射防止膜材料が収容されている。
第1の処理ステーション245の背面部には、ケミカルタワー215aに隣接して第2の処理ユニット群としての第1加熱・温調処理ユニット群214aが配置されている。第1加熱・温調処理ユニット群214aでは第1加熱・温調処理ユニット210aがZ軸方向に多段に積み重ねられて構成されている。各第1加熱・温調処理ユニット210aは、ウエハWに対して温調処理を行う温調処理ユニット(CPL)218aと加熱処理を行う加熱処理ユニット(HP)220aとがそれぞれ互いに隣接されて一体化して構成されている。
図44に示すように、第1加熱・温調処理ユニット群214aは、第1加熱・温調処理ユニット210aが12段に積層されて構成される。尚、図44は、図42の線B−B´に沿って切断した場合の断面図であり、X方向に沿った第1の処理ユニット群213aと第2の処理ユニット群214aとケミカルタワー215aの位置関係を示す図である。図42、図44に示すとおり、第1加熱・温調処理ユニット群214aは、第1加熱・温調処理ユニット210aが12段に積層されて構成され、ケミカルタワー215aに隣接して配置されている。更に、第1加熱・温調処理ユニット群214aの全ての第1加熱・温調処理ユニット10aにおいて、加熱処理ユニット(HP)220aと温調処理ユニット(CP)218aのうち温調処理ユニット(CPL)218aがケミカルタワー215a側に位置するように配置されている。そして、ケミカルタワー215aに隣接して反射防止膜・レジスト膜塗布ユニット(CT)群213eが配置されている。
一方、第2の処理ステーション246では、図42、図43に示すように、正面側に常温付近でウエハWに対して液処理を行う第1の処理ユニット群として現像処理ユニット群213fが配置されている。現像処理ユニット群213fは現像処理ユニット(DEV)226がZ軸方向に4段に積み重ねられて構成されている。更に、現像処理ユニット群213fに隣接してケミカルタワー215cが配置されている。このケミカルタワー215cには、現像処理ユニット(DEV)226に処理液として供給される現像液が収容されている。
第2の処理ステーション299の背面部には、ケミカルタワー215cと隣接して第2加熱・温調処理ユニット群214bが配置されている。第2加熱・温調処理ユニット群214bは第2加熱・温調処理ユニット210bがZ軸方向に212段に積み重ねられて構成される。そして、第2加熱・温調処理ユニット群214bの全ての第2加熱・温調処理ユニット210bにおいて、加熱処理ユニット(HP)220bと温調処理ユニット(CP)218bのうち温調処理ユニット(CPL)218bがケミカルタワー215c側に位置するように配置されている。そして、ケミカルタワー215cに隣接して現像処理ユニット(DEV)群213fが配置されている。
垂直搬送型の搬送装置219の周囲には、反射防止膜・レジスト膜塗布ユニット(CT)群213e、現像処理ユニット群213f、第1及び第2加熱・温調処理ユニット群214a、214bが配置されている。各ユニット群間のウエハWの搬送は搬送装置219により行われる。また、第1加熱・温調処理ユニット群214aとウエハ搬送体211とのウエハWの受け渡し、第2加熱・温調処理ユニット群214bとウエハ搬送体237とのウエハWの受け渡し、第1または第2加熱・温調処理ユニット群214a、214bと搬送装置219とのウエハWの受け渡しは、第1または第2加熱・温調処理ユニット群214a、214bの各加熱・温調処理ユニット210a、210bの温調処理ユニット218a、218bの両側面に設けられたシャッター部材247a、247bを介して行われる。
インターフェイス部205は、上述の第4実施形態におけるインターフェイス部205と同様の構造のため、説明は省略する。
この塗布現像処理システム201では、図42、図43に示すように、第1の処理ユニット群213(反射防止膜・レジスト膜塗布ユニット(CT)群213e、現像処理ユニット群213f)と第2の処理ユニット群214(第1加熱・温調処理ユニット群214a、第2加熱・温調処理ユニット群214b)との間には、ケミカルタワー215(215a、215c)が配置された構造となり、更にケミカルタワー215と第2の処理ユニット群214との間には断熱壁239及び第1の処理ユニット群213の下部から排気された気体をその上部に循環させるための通路240が配置されている。本実施形態においても、上述の第4実施形態と同様に、塗布現像処理システムの上部に、各第1の処理ユニット群に対して上部から温調された清浄エアーを供給す清浄エアー供給部が配置されている。清浄エアー供給部は、FFU(ファン・フィルタ・ユニット)及び温度や湿度を調整する温調装置等を備え、第1の処理ユニット群の下部から排気された気体をその上部に循環させるための通路240を介して流入した気体から温度及び湿度を調整してパーティクル等を除去した清浄エアーを通路243を介して第1の処理ユニット群に供給する。本実施形態においても、上述の第4実施形態と同様に、断熱壁239及び第1の処理ユニット群213の下部から排気された気体をその上部に循環させるための通路240が配置された温調機構を設けることにより、更に常温付近でウエハWに対して処理を行うための処理液供給ユニット(BARC、CT、DEV)における温度制御を更に精密に行うことができる。
図43に示すように、上述した反射防止膜・レジスト膜塗布ユニット(CT)群213eでは、カップ内でウエハWをスピンチャックに載せて反射防止膜を塗布して、該ウエハWに対して反射防止膜塗布処理を施す反射防止膜塗布ユニット(BARC)216が2段、カップ内でウエハWをスピンチャックに載せてレジスト液を塗布して、該ウエハWに対してレジスト塗布処理を施すレジスト塗布ユニット(CT)217が2段に積み重ねられている。現像処理ユニット群213fでは、カップ内でウエハWをスピンチャックに載せて現像液を供給して、該ウエハWに対して現像処理を施す現像処理ユニット(DEV)226が42段に積み重ねられている。
第1及び第2加熱・温調処理ユニット群214a、214bでは、それぞれウエハWに対して加熱処理を行う加熱処理ユニット(HP)220とウエハWに対して温調処理を行う温調処理ユニット(CPL)218とを互いに隣接させて一体化した加熱・温調処理ユニット210が12段に積み重ねられて構成されている。そして、全ての加熱・温調処理ユニット210の温調処理ユニットの側面にシャッター部材247a、247bが設けられている。尚、本実施形態における加熱・温調処理ユニット210の構造は、上述の第4実施形態と同様のため、ここでは説明を省略する。
上述した搬送装置219の構造は、上述の第4実施形態の搬送装置219a及び219bと同様の構造のため、説明を省略する。
次に、このように構成された塗布現像処理システム1における処理工程を説明する。尚、加熱・温調処理ユニットにおける動作は上述の第4実施形態と同様のため省略する。
塗布現像処理システム201において、カセットC内に収容された未処理のウエハWはカセットステーション202のウエハ搬送体211によって取り出された後、第1の処理ステーション203の第1加熱・温調熱処理ユニット210aにおける温調処理ユニット(CPL)218a内に搬送され、温調板225上に載置されて温調処理が行われる。
温調処理ユニット(CPL)218a内で温調処理が行われたウエハWは、搬送装置219によって反射防止膜・レジスト膜塗布ユニット(CT)群213eにおける反射防止膜塗布ユニット(BARC)216内に搬送され、反射防止膜用の処理液が塗布される。
反射防止膜塗布ユニット(BARC)216で反射防止膜用の処理液が塗布されたウエハWは、搬送装置219によって第1加熱・温調処理ユニット210aの温調処理ユニット(CPL)218a内に搬送され、温調板225上に載置される。温調板225上に載置されたウエハWは、加熱処理ユニット(HP)220a内へ搬送され加熱処理が行われる。
その後、ウエハWは温調処理ユニット(CPL)218a内へ搬送され、温調処理が行われる。
温調処理ユニット(CPL)218aで温調処理が行われたウエハWは、搬送装置219によって反射防止膜・レジスト塗布ユニット群213eにおけるレジスト塗布ユニット(CT)217内に搬送され、レジスト液が塗布される。
レジスト塗布ユニット(CT)217でレジスト液が塗布されたウエハWは、搬送装置219により、第2加熱・温調処理ユニット210bの温調処理ユニット(CPL)218b内に搬送される。更に、ウエハWは加熱処理ユニット(HP)220b内へ搬送され、加熱処理が行われる。
その後、ウエハWは、温調処理ユニット(CPL)218b内へ搬送され、温調処理が行われる。温調処理ユニット(CPL)218bで温調処理が行われたウエハWは、インターフェイス部205におけるウエハ搬送体237によって周辺露光装置234内に搬送され、周辺露光が行われる。
周辺露光装置234で周辺露光が行われたウエハWは、ウエハ搬送体237によってバッファカセット233に搬送されて一旦保持されるか、或いはウエハ搬送体237、露光前温調ユニット(図示せず)、ウエハ搬送体を介して露光装置(図示せず)に搬送される。
次に、露光装置によって露光処理が行われたウエハWは、ウエハ搬送体、バッファカセット233及びウエハ搬送体237を介してインターフェイス部205から第2の処理ステーション246の第2加熱・温調処理ユニット群214bにおける第2加熱・温調処理ユニット210bの温調処理ユニット(CPL)218b内へ搬送され、温調処理が行われる。
温調処理ユニット(CPL)218bで温調処理が行われたウエハWは、搬送装置219によって現像処理ユニット群213fにおける現像処理ユニット(DEV)226に搬送され、現像処理が行われる。
現像処理ユニット(DEV)226で現像処理が行われたウエハWは、搬送装置219により、第1加熱・温調処理ユニット群214aにおける加熱・温調処理ユニット210aの温調処理ユニット(CPL)218aを介して、この温調処理ユニット(CPL)218aと隣接する加熱処理ユニット(HP)220a内に搬送され、加熱処理が行われる。
加熱処理ユニット(HP)220aで加熱処理が行われたウエハWは温調処理ユニット218aへ搬送され、更にカセットステーション2のウエハ搬送体211によってカセットC内に収容される。
以上のように構成された本実施形態に係る塗布現像処理システムによれば、液処理ユニット(BARC、CT、DEV)と隣接して処理液供給部としてのケミカルタワーが配置され、ケミカルタワーと隣接して加熱・温調処理ユニットが配置され、加熱・温調処理ユニットの温調処理ユニット(CPL)がケミカルタワー側に配置されることにより、加熱・温調処理ユニットの加熱処理ユニットと液処理ユニットとの間には温調処理ユニット及びケミカルタワーが介在する構造となる。これにより、液処理ユニット側に対する加熱処理ユニットからの熱的影響を大幅に抑えることができ、該塗布現像処理システムでは、ウエハWに対して液処理を行うための液処理ユニット(BARC、CT、DEV)における温度制御を精密に行うことができる。
更に、本実施形態に係る塗布現像処理システムによれば、液処理ユニット群(反射防止膜・レジスト膜塗布ユニット(CT)群213e、現像処理ユニット群213f)と加熱・温調処理ユニット群(第1及び第2加熱・温調処理ユニット群214a、214b)との間に、それぞれ断熱壁239及び液処理ユニット群213e、213fそれぞれの下部から排気された気体をその上部に循環させるための通路240が配置されることにより、液処理ユニット群に対する加熱・温調処理ユニットの加熱処理ユニットの熱的影響を防止し、常温付近でウエハWに対して液処理を行う液処理ユニット群における温度制御を極めて精密に行うことができる。更に、通路240は一種の断熱手段を有することとなり、第2の処理ユニット群214とケミカルタワー215との間に断熱壁239及び通路240が設けられることにより、二重の断熱手段を有する構造となる。そのため、ケミカルタワー215に収容される処理液は加熱処理ユニット220による熱的影響を受けにくく温度調整が容易となる。
尚、上記各実施形態では、基板としてウエハWを例に挙げて説明したが、LCD基板等の他の基板にも本発明を適用することができる。
なお、本発明は以上説明した実施形態には限定されない。
上記第1の実施形態においては、熱処理系ユニット部を3つ(G3〜G5)、主ウエハ搬送部を2つ(A1,A2)、塗布系ユニット部を2つ(G1,G2)それぞれ設ける構成としたが、例えば熱処理系ユニット部を4つ、主ウエハ搬送部を3つ、塗布系ユニット部を3つとして、その配置を保ったまま図1において左右方向に増設してもよい。また、必要に応じて更に増設をすることも可能である。
また、図11及び図12に示す熱処理ユニットにおいて、温調・搬送装置Cと熱処理装置Hとの間に互いの熱干渉を抑制するための一点鎖線で示す遮蔽板93をもうける構造とし、温調・搬送装置Cによる搬送の際にはこの遮蔽板93をスライドさせて開閉するようにしてもよい。
更に、本発明は半導体ウエハばかりでなく、例えば液晶表示装置に使われるガラス基板等についても適用が可能である。
また、レジストの塗布現像システムばかりでなく、他のシステム、例えば基板上に層間絶縁膜を形成するSOD(Spin on Dielectric)処理システム等にも本発明を適用することができる。SOD処理システムは、基板上に層間絶縁膜材料を塗布する塗布ユニットと、絶縁膜材料が塗布された基板を加熱、温調する加熱・温調処理ユニットを有している。この加熱・温調処理ユニットは、本実施形態の加熱・温調処理ユニットと同様に加熱処理ユニットとこれに隣接して設けられた温調処理ユニットとを有しており、SOD処理システムにおける加熱処理ユニットは設定温度が200〜470℃とすることが可能な熱板を有している。このような高温処理が施されるユニット及び液処理ユニットとしての塗布ユニットを有するシステムに、本発明のように温調処理ユニットが塗布ユニット側に配置されるように、塗布ユニットと加熱・温調処理ユニットを配置することは非常に有効である。或いは、液処理ユニットに隣接して配置された塗布ユニットに供給する処理液を収容する処理液収容部を、加熱・温調処理ユニットに隣接して配置し、更に温調処理ユニットを処理液収容部側に位置するように配置することは非常に有効である。これにより、液処理ユニット群における温度制御を極めて精密に行うことができる。