JP2004273899A - ウェーハ保持用治具、同治具を用いた半導体製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着テープを使用することなく確実にワークを保持し、しかも、ウェーハ状態からダイシング後の分割されたチップ状態まで、同一の治具で搬送しながら製造作業を継続できるようにする。
【解決手段】ダイシング時にウェーハ(1)を吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハ(1)から分割された半導体チップ(a)をピックアップする際に、前記半導体チップ(a)を突上げる突上手段を通過させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔(22)を備えるようにした。
【選択図】 図5
【解決手段】ダイシング時にウェーハ(1)を吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハ(1)から分割された半導体チップ(a)をピックアップする際に、前記半導体チップ(a)を突上げる突上手段を通過させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔(22)を備えるようにした。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェーハ保持用治具、同治具を用いたダイシング装置、及び同装置を用いた半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、単一のウェーハ上には複数の半導体素子がマトリックス状に配列されており、半導体装置を製造する過程においては、前記ウェーハから個々に分割された半導体チップを得るためのダイシング工程が組込まれている。
【0003】
従来、かかるダイシング工程においては、前記ウェーハの裏面に粘着テープなどを貼着して保持し、吸着テーブルからなるウェーハ保持用治具に粘着シートを介して固定してダイシングし、個々に分離された半導体チップの姿勢も乱れないようにしていた(特許文献1を参照。)。
【0004】
また、チップサイズに近いサイズのパッケージであるCSP(Chips Scale Package)などのように、パッケージ後に個々に分割する場合は、前記粘着テープを使用せずに、ウェーハの厚みと同等、若しくはそれよりも僅かに低い周壁を有する専用治具を使用してダイシングを行う方法もあった。
【0005】
【特許文献1】
特開平06−204267号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した粘着テープを使用する場合、テープ上の粘着糊がダイシング後のチップ表面に残留物として残るおそれがあり、この残留物が除去されないとチップの汚染となり、その特性も損なわれてしまう。
【0007】
他方、粘着テープを使用しない場合、パッケージされていない半導体チップはダイシング後にスピン洗浄・乾燥をする場合にスピナー部への搬送時にチップ上面を吸着する必要があり、吸着によってチップ表面に吸着経路に沿ったシミやウォーターマークが形成されてしまうという不具合があった。
【0008】
また、パッケージされた半導体チップの場合は、このチップを固定するための前記専用治具が比較的重量物であること、さらにはスピナーによる高速回転時にワーク飛散のおそれがあることからスピン洗浄・乾燥が行えず、洗浄槽を用いた一括処理による洗浄と、ドライヤによる温風乾燥を用いるしかなく極めて効率が悪いものとなる。なお、前述したパッケージされていない半導体チップを洗浄槽で処理することも考えられるが、洗浄槽内のカット屑による汚染、さらには前記洗浄槽からワーク引き上げの際にワーク表面を傷つけるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決することのできるウェーハ保持用治具、同治具を用いたダイシング装置、及び同装置を用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【発明が解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、ダイシング時にウェーハを吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハから分割された半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる突上手段を通過させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔を備えることを特徴とするウェーハ保持用治具とした。
【0011】
また、請求項2記載の本発明では、搬送中に前記ウェーハ又はこのウェーハから分割された前記半導体チップを吸着するための搬送用吸着孔を備えることとした。
【0012】
また、請求項3記載の本発明では、前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップを吸着して位置ずれを防止するための位置ずれ防止用孔を備えることとした。
【0013】
また、請求項4記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、それぞれ独立した吸気経路に連通可能とした。
【0014】
さらに、請求項5記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、前記ウェーハの一面に形成された複数の半導体チップ形成領域毎に対応して配置されていることとした。
【0015】
請求項6記載の本発明では、吸気経路を介して負圧発生源に連通可能としたウェーハ保持具上にウェーハを吸着保持させ、吸着保持された前記ウェーハから個々の半導体チップにダイシング可能とした半導体製造装置において、前記ウェーハ保持具に、前記ダイシング時に前記ウェーハを吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる突上手段を出没させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔を設けた。
【0016】
また、請求項7記載の本発明では、前記ウェーハ又はこのウェーハから分割された前記半導体チップを前記ウェーハ保持具に保持した状態で搬送可能とした搬送手段を具備し、前記ウェーハ保持具に前記ウェーハ又は前記半導体チップを搬送中に吸着するための搬送用吸着孔を設ける一方、前記搬送手段には、前記搬送用吸着孔と連通可能な吸気口を設けた。
【0017】
また、請求項8記載の本発明では、前記ウェーハ保持具に、前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップを吸着して位置ずれを防止する位置ずれ防止用孔を設けた。
【0018】
また、請求項9記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、それぞれ独立した吸気経路に連通可能とした。
【0019】
また、請求項10記載の本発明では、前記ウェーハ保持用治具に設けた前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、前記ウェーハの一面に形成された複数の半導体チップ形成領域毎に対応して配置されていることとした。
【0020】
さらに、請求項11記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔にそれぞれ連通する吸着経路の開閉を切替自在とした経路切替手段を具備することとした。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係るウェーハ保持用治具は、ダイシング時にウェーハを吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハから分割された半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる突上手段を通過させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔を備えるものである。
【0022】
本実施の形態に係る上記ウェーハ保持用治具は、半導体プロセスにおけるダイシング工程で用いられるダイシング装置で用いるものとしており、前記ウェーハよりも一回り大きな略円盤状に形成されている。
【0023】
そして、このウェーハ保持具に、前記ウェーハの一面にマトリックス状に配列形成された複数の半導体チップ形成領域それぞれに個別に対応する貫通孔を形成しており、この貫通孔は、前記ウェーハを真空吸着するための機能を有し、従来のような粘着シートなしでウェーハを保持することができるようにしている。
【0024】
さらに、この貫通孔は、前記ウェーハから分割された前記各半導体チップをピックアップする際に、半導体チップを突上げる突上手段を通過させるための機能を併せもつものとしている。なお、この貫通孔は、前記半導体チップ形成領域の中心に位置するように設けており、当然ながら前記半導体チップ形成領域よりも小さい孔である。
【0025】
このように構成することで、ダイシングして得た半導体チップ表面が、前記粘着テープの粘着糊によって汚染されることを防止することができる。さらに、粘着テープを切り込むこともないので、ダイシングブレードが粘着糊によって目詰まりを起こすこともなくなり、ダイシングブレードの特性劣化を防止することができる。
【0026】
また、上記ウェーハ保持用治具は、ウェーハ又はこのウェーハから分割した半導体チップを吸着した状態で例えば搬送アームなどの搬送手段により搬送可能としており、そのために、搬送中に前記ウェーハ又は前記半導体チップを吸着保持するための搬送用吸着孔を前記貫通孔の近傍に設けている。
【0027】
さらに、ダイシング後に、前記ウェーハから分割された前記各半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップを吸着して位置ずれを防止するための位置ずれ防止用孔を備えている。
【0028】
また、上記した貫通孔、搬送用吸着孔、及び位置ずれ防止用孔は、それぞれ独立した吸気経路と連通させており、各孔を介しての吸着作用を、それぞれ個別に確実に生起できるようにしている。
【0029】
本実施形態では、前記貫通孔と位置ずれ防止用孔は、通気路切替バルブなどの経路切替手段を用いてそれぞれの吸気経路を切替えることにより、状況に応じてウェーハをウェーハ保持用治具上に確実に吸着できるようにしている。また、搬送用吸着孔は、本ウェーハ保持用治具を前記搬送アームなどの搬送手段と連結したときに、この搬送手段内に設けられた吸気経路と連通するように構成し、搬送中においてもウェーハをウェーハ保持用治具上に確実に吸着できるようにしている。なお、当然ながら、前記各吸気経路の基端は吸引ポンプなどの負圧発生源と連通連結させている。
【0030】
さらに、前記貫通孔、搬送用吸着孔、及び位置ずれ防止用孔は、前記ウェーハの一面に形成された複数の半導体チップ形成領域毎に対応して配置している。
【0031】
すなわち、ダイシング時に前記半導体チップ形成領域ごとにしっかりと吸着するための貫通孔、ウェーハ全体を、あるいはウェーハからダイシングして得た個々の半導体チップを搬送時において確実に吸着するための搬送用吸着孔、さらにはダイシングして得た前記半導体チップをピックアップする際に位置ずれなどしないように吸着するための位置ずれ防止用孔を、一つのウェーハ保持用治具に設け、しかも、これら三種の孔を1セットとして前記半導体チップ形成領域ごとに形成しているのである。
【0032】
したがって、前記各孔それぞれが独立して連通している吸気経路の開閉を切替えることによって、ウェーハ、並びにウェーハから分割された半導体チップを粘着シート無しに、ウェーハ保持用治具上にしっかりと保持しておくことができる。
【0033】
しかも、前記貫通孔は、前記ウェーハから分割された前記各半導体チップをピックアップする際に、半導体チップを突上げる突上手段を通過させる機能を有することから、ウェーハのダイシング作業からダイシング後の分割された半導体チップのピックアップ作業までを、一つのウェーハ保持用治具を用いて行うことができる。
【0034】
ところで、上述したウェーハ保持用治具にはアライメントマークを設けておくとよく、このアライメントマークを利用して登録された仮想カットラインと前記ウェーハの裏面に設けられたカットラインと一致させることにより、ウェーハをウェーハ保持用治具に載置する際の位置決めを正確に行うことができる。
【0035】
また、上述してきたように、ウェーハ保持用治具は、各孔がそれぞれ独立した吸気経路や、吸引ポンプなどの負圧発生源や、通気路切替バルブなどの経路切替手段などからなる真空吸着機構と連通連結してはじめて保持機能を発揮するものであり、かかる真空吸着機構を備えた半導体製造装置としてのダイシング装置に好適に用いることができる。なお、上述した貫通孔、搬送用吸着孔、及び位置ずれ防止用孔などについて、その形状や大きさ、配置レイアウトなどについては特に限定するものではなく、適宜設定して構わない。
【0036】
以下、本発明に係るウェーハ保持用治具、及び同治具を用いた半導体製造装置としてのダイシング装置についての実施形態を、添付図に基づいてより具体的に説明する。
【0037】
図1本実施形態に係るダイシング装置の平面視による概略説明図、図2は同ダイシング装置に設けられたウェーハ取出アームの説明図、図3は同ダイシング装置に設けられた搬送アームの説明図、図4は同ダイシング装置に設けられたチップ収納装置の説明図、図5は同ダイシング装置に用いられるウェーハ保持用治具の説明図、図6は同ウェーハ保持用治具の一部拡大図、図7は同ウェーハ保持用治具上に規定される吸着領域の一つを示す平面図、図8は図7のI−I線における断面を用いて示した吸気経路の説明図である。
【0038】
本実施形態に係るダイシング装置は、図1に概略で示すように、ウェーハ1を供給するローダー部2と、図2に示すように、フォーク状に形成したウェーハ取出アーム20を用いて前記ローダー部2から取り出したウェーハ1の外形アライメントを行うとともに、後に詳述するウェーハ保持用治具Aに載置するアライメント部3と、前記ウェーハ1を縦横にカットして個別の半導体チップに切り出すダイシング部4と、ダイシング後にスピン洗浄・乾燥を行うスピナー部5と、前記半導体チップを前記ウェーハ保持用治具Aから取り上げるピックアップ部6と、ピックアップした各半導体チップの裏面洗浄を行う裏面洗浄部7と、裏面洗浄を終えた半導体チップをカセットなどに収納するアンローダー部8と、前記ウェーハ保持用治具Aを洗浄する治具洗浄部9とが設けられ、さらに、前記ウェーハ1を前記ウェーハ保持用治具Aで保持した状態のまま装置内を移動させる搬送手段として、複数の搬送アーム10,10’を所要個所に配設している。
【0039】
搬送アーム10,10’は、図3に示すように、ダイシング装置内に配設された直動ガイド11(図1を参照)に沿って摺動するアーム支持体12の左右端部に、先端にチャック部14を設けたアーム13,13をそれぞれ水平方向へ進退自在に取付けて構成しており、前記アーム13,13により前記ウェーハ保持用治具Aを左右から係合保持して搬送可能としている。また、前記アーム支持体12の中央には、先端にウェーハ1を吸着する吸着パット15を設けた吸着ユニット16を昇降自在に配設して、前記アライメント部3において、ウェーハ1を吸着して前記ウェーハ保持用治具A上に載置可能としている。
【0040】
上記構成により、表面に複数の半導体素子をマトリックス状に配列したウェーハ1は、一つのウェーハ保持用治具A上に保持された状態のまま、ローダー部2アライメント部3と移動するとともに、その後、やはり同じウェーハ保持用治具A上に保持された状態でダイシング部4により個々の半導体チップに切り出され、次いで、各半導体チップは、これらも同じウェーハ保持用治具A上に保持されたスピナー部5ピックアップ部6裏面洗浄部7アンローダー部8と移動し、その後、後段のプロセスへと受け継がれることになる。
【0041】
なお、前記アンローダー部8では、図4に示すチップ収納装置80を用いて半導体チップaをカセット81に収納している。図中、82は半導体チップaを前記カセット81内に挿入するコレット、83はこのコレット82が移動する直動ガイドである。
【0042】
ここで、本発明の要部をなす前記ウェーハ保持用治具Aについて詳述する。
【0043】
ウェーハ保持用治具Aは、錆や経時変化の少ない焼き入れを行ったステンレス鋼材により所定厚みで前記ウェーハ1よりも一回り大きな略円盤状に形成しており、図5に示すように、ウェーハ1を載置するテーブル部20の周囲にフランジ部21を形成している。なお、図中、27は本ウェーハ保持用治具Aを所定個所に載置するときの位置合わせ用孔であり、ダイシング装置の必要個所に突設した位置合わせピン(図示せず)に対応している。
【0044】
前記テーブル部20には、ダイシング時にウェーハ1を吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハ1から分割された半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる、例えば突上げヘッドのような突上手段を通過させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔22を複数形成している。
【0045】
また、同貫通孔22を挟んで対峙する位置に2個の位置ずれ防止用孔23を形成しており、この位置ずれ防止用孔23,23により、ウェーハ1をダイシングした後、このウェーハ1から分割された各半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップをテーブル部20に吸着して位置ずれを防止するようにして、確実なピックアップを行えるようにしている。したがって、ピックアップミスなどを可及的に低減でき、歩留まりも向上する。なお、本実施形態では、前記位置ずれ防止用孔23を前記貫通孔22の直径と略等しい長さを有するスリット状に形成している。
【0046】
これら貫通孔22と位置ずれ防止用孔23,23は、図6及び図7に示すように、前記ウェーハ1の一面にマトリックス状に配列形成された複数の半導体チップ形成領域(図示せず)に対応する吸着領域b内にそれぞれ形成されており、前記吸着領域bの中央位置に貫通孔22を、同貫通孔22を挟んで一対からなる前記位置ずれ防止用孔23,23を形成している。
【0047】
さらに、前記吸着領域b内には、前記位置ずれ防止用孔23,23の対角位置となる端部近傍に、それぞれ搬送用吸着孔24を形成している。この搬送用吸着孔24は、前記貫通孔22よりもはるかに小孔であり、テーブル部20上に複数形成された搬送用吸着孔24は、それぞれウェーハ保持用治具A内部において互いに連通するとともに、前記フランジ部21の外周上に向かい合わせて形成した接続口25,25と連通している。
【0048】
図9は搬送用吸着孔24同士の連通状態を簡略化して示した説明図であり、この図9に示すように、互いに一定の間隔をあけて複数の第1連通路24aをウェーハ保持用治具Aのフランジ部21の外周面から直線状に穿設して貫通させる。各第1連通路24aの一端部同士は、前記フランジ部21上に略半円状に形成した連結溝21a、21a(図5参照)によりそれぞれ互いに連通させる。なお、この連結溝21a、21aの上部開口は、ウェーハ保持用治具Aと同一材料からなり、下面にシリコンなどの樹脂系パッキンを設けた溝蓋(図示せず)で被覆される。一方、前記接続口25,25から、それぞれ最も近接した前記第1連通路24aまで連通する第2連通路24bを穿設する。そして、前記搬送用吸着孔24を、前記第1連通路24aと上下方向で連通するように、ウェーハ保持用治具Aのテーブル部20上に一定のピッチで穿設する。
【0049】
かかる構成により、各搬送用吸着孔24同士を連通させ、かつ全ての搬送用吸着孔24が前記接続口25,25と連通することになる。
【0050】
上述してきた貫通孔22、位置ずれ防止用孔23、及び搬送用吸着孔24は、ダイシング装置に設けた真空吸着機構による負圧によってウェーハ1をウェーハ保持用治具A上に吸着保持可能としている。
【0051】
すなわち、真空吸着機構は、図8に示すように、前記ダイシング装置において、本ウェーハ保持用治具Aを載置する個所にそれぞれ形成した吸気口17,18と接続して、各吸気口17,18と連通連結したそれぞれ独立した吸気経路28,29を介して負圧発生手段である吸引ポンプPに接続して構成している。しかも、前記吸気経路28,29は、経路切替手段としての通気路切替バルブVに接続しており、必要に応じてバルブの開閉を切替えることにより、前記吸気経路28,29を介して前記貫通孔22、位置ずれ防止用孔23に、負圧による吸引力を選択的に発生できるようにして、適切なワーク(ウェーハ1又は半導体チップa)吸着が可能となっている。
【0052】
他方、前記搬送用吸着孔24と連通する真空吸着機構としては、図3で示した搬送アーム10のアーム13の先端に設けた吸気口として機能するアーム側接続口13bと、ウェーハ保持用治具Aに形成した前述の接続口25,25を介して負圧発生源である吸引ポンプに連通するようにして構成している。
【0053】
このように、本実施形態では、ウェーハ1を真空吸着するための機能を有するウェーハ保持用治具Aを用いることによって、従来のような粘着シートを用いることなくウェーハ1を確実に保持することができ、粘着糊による汚染が防止できるとともに、吸気経路を適宜切替えて作業に見合った適切なワーク保持が可能なことから、ウェーハ1のダイシング作業からダイシング後の分割された半導体チップaのピックアップ作業までを一つのウェーハ保持用治具を用いて行うことができる。
【0054】
また、ダイシング後の分割された半導体チップaについてもウェーハ保持用治具Aにしっかりと吸着保持できることから、スピン洗浄・乾燥が行えるようになり、洗浄槽などを使用しないで済むので洗浄の効率化が図れる。またさらに、スピン洗浄・乾燥なので、乾燥時の温風ブローなども不要となり、ウェーハ保持用治具Aの熱歪みを懸念する必要もなくなる。
【0055】
なお、本実施形態におけるダイシング装置で用いるウェーハ保持用治具Aは、ピックアップ作業を終えた後、前記治具洗浄部9において切削屑等の付着不純物を清浄化するための洗浄・乾燥をウェーハ1を処理する毎に行うようにしている。したがって、新たに次のウェーハ1を受け取る際のウェーハ保持用治具Aはいつもクリーンな状態である。
【0056】
ところで、上述したウェーハ保持用治具Aには、図5に示すようにアライメントマークMが互いに直角平行になるように4箇所カットラインが交差する位置に設けている。このアライメントマークMを利用して、ウェーハ保持用治具Aに仮想カットラインの登録を行い、ダイシング装置に記憶させておく。そして、この登録しておいた仮想カットラインとウェーハ1の裏面に予め設けたカットライン(図示せず)とを一致させることにより、前記アライメント部3において、本ウェーハ保持用治具Aにウェーハ1を載置する際の位置決めを正確に行うことができる。所定の正確な位置にウェーハがウェーハ保持用治具A上に置かれていない場合は、図3に示す搬送アーム10の先端に設けられた吸着ユニット16を利用してウェーハ1を吸着し上昇した後、予め登録しておいた仮想カットラインとのずれ量を補正し置き直しを行う事で載置する位置決めを正確に行う事ができる。当然、正確な位置決めを完了するまでは、繰り返しずれ量の補正のための置き直しが行われる。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、以上説明してきたような形態で実施され、以下の効果を奏する。
【0058】
(1)請求項1記載の本発明では、ダイシング時にウェーハを吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハから分割された半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる突上手段を通過させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔を備えることとした。したがって、ウェーハの保持に際して粘着テープなどが不要となり、粘着糊による汚染を防止することができる。また、ダイシングブレードが粘着糊によって目詰まりを起こすこともなくなり、ダイシングブレードの特性劣化を防止することができる。
【0059】
(2)請求項2記載の本発明では、搬送中に前記ウェーハ又はこのウェーハから分割された半導体チップを吸着するための搬送用吸着孔を備えることとした。したがって、前記(1)の効果に加え、さらに、同一のウェーハ保持用治具を使用したままで、ウェーハや個々の半導体チップの位置ずれを防止しながら安定した状態で搬送が可能となる。
【0060】
(3)請求項3記載の本発明では、前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップを吸着して位置ずれを防止するための位置ずれ防止用孔を備えることとした。したがって、前記(1)、(2)の効果に加え、安定したピックアップ作業が行える。
【0061】
(4)請求項4記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、それぞれ独立した吸気経路に連通可能とした。したがって、前記(1)〜(3)の効果に加え、前記各孔を介しての吸着作用を、それぞれ個別に確実に生起させることができ、ウェーハの搬送からダイシング、ダイシング後の個々の半導体チップの搬送、及びこれらのピックアップ作業、さらには洗浄作業まで、同一の治具上で連続して行うことができる。
【0062】
(5)請求項5記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、前記ウェーハの一面に形成された複数の半導体チップ形成領域毎に対応して配置されていることとした。したがって、前記(1)〜(4)の効果をより高めるとともに、特に、ダイシング後の個々の半導体チップについても安定した吸着保持が可能となり、チップの裏面洗浄についてもスピン洗浄・乾燥が可能となる。
【0063】
(6)請求項6記載の本発明では、吸気経路を介して負圧発生源に連通可能としたウェーハ保持具上にウェーハを吸着保持させ、吸着保持された前記ウェーハから個々の半導体チップにダイシング可能とした半導体製造装置において、前記ウェーハ保持具に、前記ダイシング時に前記ウェーハを吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハから分割された半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる突上手段を出没させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔を設けた。したがって、ウェーハの保持に際して粘着テープなどが不要となり、粘着糊による汚染を防止することができる。また、ダイシングブレードが粘着糊によって目詰まりを起こすこともなくなり、ダイシングブレードの特性劣化を防止して半導体製造装置の信頼性を高めることができる。
【0064】
(7)請求項7記載の本発明では、前記ウェーハ又はこのウェーハから分割された前記半導体チップを前記ウェーハ保持具に保持した状態で搬送可能とした搬送手段を具備し、前記ウェーハ保持具に前記ウェーハ又は前記半導体チップを搬送中に吸着するための搬送用吸着孔を設ける一方、前記搬送手段には、前記搬送用吸着孔と連通可能な吸気口を設けた。したがって、前記(6)の効果に加え、さらに、同一のウェーハ保持用治具を使用したままで、ウェーハや個々の半導体チップの位置ずれを防止しながら安定した状態で搬送が可能となり、同一の治具で確実な搬送が可能となって半導体装置の製造効率を高めることができる。
【0065】
(8)請求項8記載の本発明では、前記ウェーハ保持具に、前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップを吸着して位置ずれを防止する位置ずれ防止用孔を設けた。したがって、前記(6)、(7)の効果に加え、安定したピックアップ作業が行え、歩留まりの向上が見込める。
【0066】
(9)請求項9記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、それぞれ独立した吸気経路に連通可能とした。したがって、前記(6)〜(8)の効果に加え、前記各孔を介しての吸着作用を、それぞれ個別に確実に生起させることができ、ウェーハの搬送からダイシング、ダイシング後の個々の半導体チップの搬送、及びこれらのピックアップ作業、さらには洗浄作業まで、同一の治具上で連続して行うことができ、半導体装置の製造効率が向上する。
【0067】
(10)請求項10記載の本発明では、前記ウェーハ保持用治具に設けた前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、前記ウェーハの一面に形成された複数の半導体チップ形成領域毎に対応して配置されていることとした。したがって、前記(6)〜(9)の効果をより高めるとともに、特に、ダイシング後の個々の半導体チップについても安定した吸着保持が可能となり、チップの裏面洗浄についてもスピン洗浄・乾燥が可能となって半導体装置の製造効率が向上する。
【0068】
(11)請求項11記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔にそれぞれ連通する吸着経路の開閉を切替自在とした経路切替手段を具備することとした。したがって、必要に応じて吸着経路の開閉を切替えることができ、前記吸気経路を介して前記貫通孔、位置ずれ防止用孔に、負圧による吸引力を選択的に発生させ、適切なワーク(ウェーハ又は半導体チップ)吸着が可能となり、前記(6)〜(10)の効果をより確実に生起させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るダイシング装置の平面視による概略説明図である。
【図2】同ダイシング装置に設けられたウェーハ取出アームの説明図である。
【図3】同ダイシング装置に設けられた搬送アームの説明図である。
【図4】同ダイシング装置に設けられたチップ収納装置の説明図である。
【図5】同ダイシング装置に用いられるウェーハ保持用治具の説明図である。
【図6】同ウェーハ保持用治具の一部拡大図である。
【図7】同ウェーハ保持用治具上に規定される吸着領域の一つを示す平面図である。
【図8】図7のI−I線における断面を用いて示した吸気経路の説明図である。
【図9】搬送用吸着孔同士の連通状態を簡略化して示した説明図である。
【符号の説明】
A ウェーハ保持用治具
1 ウェーハ
10 搬送アーム
13b アーム側接続口
22 貫通孔
23 位置ずれ防止用孔
24 搬送用吸着孔
25 接続口
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェーハ保持用治具、同治具を用いたダイシング装置、及び同装置を用いた半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、単一のウェーハ上には複数の半導体素子がマトリックス状に配列されており、半導体装置を製造する過程においては、前記ウェーハから個々に分割された半導体チップを得るためのダイシング工程が組込まれている。
【0003】
従来、かかるダイシング工程においては、前記ウェーハの裏面に粘着テープなどを貼着して保持し、吸着テーブルからなるウェーハ保持用治具に粘着シートを介して固定してダイシングし、個々に分離された半導体チップの姿勢も乱れないようにしていた(特許文献1を参照。)。
【0004】
また、チップサイズに近いサイズのパッケージであるCSP(Chips Scale Package)などのように、パッケージ後に個々に分割する場合は、前記粘着テープを使用せずに、ウェーハの厚みと同等、若しくはそれよりも僅かに低い周壁を有する専用治具を使用してダイシングを行う方法もあった。
【0005】
【特許文献1】
特開平06−204267号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した粘着テープを使用する場合、テープ上の粘着糊がダイシング後のチップ表面に残留物として残るおそれがあり、この残留物が除去されないとチップの汚染となり、その特性も損なわれてしまう。
【0007】
他方、粘着テープを使用しない場合、パッケージされていない半導体チップはダイシング後にスピン洗浄・乾燥をする場合にスピナー部への搬送時にチップ上面を吸着する必要があり、吸着によってチップ表面に吸着経路に沿ったシミやウォーターマークが形成されてしまうという不具合があった。
【0008】
また、パッケージされた半導体チップの場合は、このチップを固定するための前記専用治具が比較的重量物であること、さらにはスピナーによる高速回転時にワーク飛散のおそれがあることからスピン洗浄・乾燥が行えず、洗浄槽を用いた一括処理による洗浄と、ドライヤによる温風乾燥を用いるしかなく極めて効率が悪いものとなる。なお、前述したパッケージされていない半導体チップを洗浄槽で処理することも考えられるが、洗浄槽内のカット屑による汚染、さらには前記洗浄槽からワーク引き上げの際にワーク表面を傷つけるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決することのできるウェーハ保持用治具、同治具を用いたダイシング装置、及び同装置を用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【発明が解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、ダイシング時にウェーハを吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハから分割された半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる突上手段を通過させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔を備えることを特徴とするウェーハ保持用治具とした。
【0011】
また、請求項2記載の本発明では、搬送中に前記ウェーハ又はこのウェーハから分割された前記半導体チップを吸着するための搬送用吸着孔を備えることとした。
【0012】
また、請求項3記載の本発明では、前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップを吸着して位置ずれを防止するための位置ずれ防止用孔を備えることとした。
【0013】
また、請求項4記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、それぞれ独立した吸気経路に連通可能とした。
【0014】
さらに、請求項5記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、前記ウェーハの一面に形成された複数の半導体チップ形成領域毎に対応して配置されていることとした。
【0015】
請求項6記載の本発明では、吸気経路を介して負圧発生源に連通可能としたウェーハ保持具上にウェーハを吸着保持させ、吸着保持された前記ウェーハから個々の半導体チップにダイシング可能とした半導体製造装置において、前記ウェーハ保持具に、前記ダイシング時に前記ウェーハを吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる突上手段を出没させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔を設けた。
【0016】
また、請求項7記載の本発明では、前記ウェーハ又はこのウェーハから分割された前記半導体チップを前記ウェーハ保持具に保持した状態で搬送可能とした搬送手段を具備し、前記ウェーハ保持具に前記ウェーハ又は前記半導体チップを搬送中に吸着するための搬送用吸着孔を設ける一方、前記搬送手段には、前記搬送用吸着孔と連通可能な吸気口を設けた。
【0017】
また、請求項8記載の本発明では、前記ウェーハ保持具に、前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップを吸着して位置ずれを防止する位置ずれ防止用孔を設けた。
【0018】
また、請求項9記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、それぞれ独立した吸気経路に連通可能とした。
【0019】
また、請求項10記載の本発明では、前記ウェーハ保持用治具に設けた前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、前記ウェーハの一面に形成された複数の半導体チップ形成領域毎に対応して配置されていることとした。
【0020】
さらに、請求項11記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔にそれぞれ連通する吸着経路の開閉を切替自在とした経路切替手段を具備することとした。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係るウェーハ保持用治具は、ダイシング時にウェーハを吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハから分割された半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる突上手段を通過させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔を備えるものである。
【0022】
本実施の形態に係る上記ウェーハ保持用治具は、半導体プロセスにおけるダイシング工程で用いられるダイシング装置で用いるものとしており、前記ウェーハよりも一回り大きな略円盤状に形成されている。
【0023】
そして、このウェーハ保持具に、前記ウェーハの一面にマトリックス状に配列形成された複数の半導体チップ形成領域それぞれに個別に対応する貫通孔を形成しており、この貫通孔は、前記ウェーハを真空吸着するための機能を有し、従来のような粘着シートなしでウェーハを保持することができるようにしている。
【0024】
さらに、この貫通孔は、前記ウェーハから分割された前記各半導体チップをピックアップする際に、半導体チップを突上げる突上手段を通過させるための機能を併せもつものとしている。なお、この貫通孔は、前記半導体チップ形成領域の中心に位置するように設けており、当然ながら前記半導体チップ形成領域よりも小さい孔である。
【0025】
このように構成することで、ダイシングして得た半導体チップ表面が、前記粘着テープの粘着糊によって汚染されることを防止することができる。さらに、粘着テープを切り込むこともないので、ダイシングブレードが粘着糊によって目詰まりを起こすこともなくなり、ダイシングブレードの特性劣化を防止することができる。
【0026】
また、上記ウェーハ保持用治具は、ウェーハ又はこのウェーハから分割した半導体チップを吸着した状態で例えば搬送アームなどの搬送手段により搬送可能としており、そのために、搬送中に前記ウェーハ又は前記半導体チップを吸着保持するための搬送用吸着孔を前記貫通孔の近傍に設けている。
【0027】
さらに、ダイシング後に、前記ウェーハから分割された前記各半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップを吸着して位置ずれを防止するための位置ずれ防止用孔を備えている。
【0028】
また、上記した貫通孔、搬送用吸着孔、及び位置ずれ防止用孔は、それぞれ独立した吸気経路と連通させており、各孔を介しての吸着作用を、それぞれ個別に確実に生起できるようにしている。
【0029】
本実施形態では、前記貫通孔と位置ずれ防止用孔は、通気路切替バルブなどの経路切替手段を用いてそれぞれの吸気経路を切替えることにより、状況に応じてウェーハをウェーハ保持用治具上に確実に吸着できるようにしている。また、搬送用吸着孔は、本ウェーハ保持用治具を前記搬送アームなどの搬送手段と連結したときに、この搬送手段内に設けられた吸気経路と連通するように構成し、搬送中においてもウェーハをウェーハ保持用治具上に確実に吸着できるようにしている。なお、当然ながら、前記各吸気経路の基端は吸引ポンプなどの負圧発生源と連通連結させている。
【0030】
さらに、前記貫通孔、搬送用吸着孔、及び位置ずれ防止用孔は、前記ウェーハの一面に形成された複数の半導体チップ形成領域毎に対応して配置している。
【0031】
すなわち、ダイシング時に前記半導体チップ形成領域ごとにしっかりと吸着するための貫通孔、ウェーハ全体を、あるいはウェーハからダイシングして得た個々の半導体チップを搬送時において確実に吸着するための搬送用吸着孔、さらにはダイシングして得た前記半導体チップをピックアップする際に位置ずれなどしないように吸着するための位置ずれ防止用孔を、一つのウェーハ保持用治具に設け、しかも、これら三種の孔を1セットとして前記半導体チップ形成領域ごとに形成しているのである。
【0032】
したがって、前記各孔それぞれが独立して連通している吸気経路の開閉を切替えることによって、ウェーハ、並びにウェーハから分割された半導体チップを粘着シート無しに、ウェーハ保持用治具上にしっかりと保持しておくことができる。
【0033】
しかも、前記貫通孔は、前記ウェーハから分割された前記各半導体チップをピックアップする際に、半導体チップを突上げる突上手段を通過させる機能を有することから、ウェーハのダイシング作業からダイシング後の分割された半導体チップのピックアップ作業までを、一つのウェーハ保持用治具を用いて行うことができる。
【0034】
ところで、上述したウェーハ保持用治具にはアライメントマークを設けておくとよく、このアライメントマークを利用して登録された仮想カットラインと前記ウェーハの裏面に設けられたカットラインと一致させることにより、ウェーハをウェーハ保持用治具に載置する際の位置決めを正確に行うことができる。
【0035】
また、上述してきたように、ウェーハ保持用治具は、各孔がそれぞれ独立した吸気経路や、吸引ポンプなどの負圧発生源や、通気路切替バルブなどの経路切替手段などからなる真空吸着機構と連通連結してはじめて保持機能を発揮するものであり、かかる真空吸着機構を備えた半導体製造装置としてのダイシング装置に好適に用いることができる。なお、上述した貫通孔、搬送用吸着孔、及び位置ずれ防止用孔などについて、その形状や大きさ、配置レイアウトなどについては特に限定するものではなく、適宜設定して構わない。
【0036】
以下、本発明に係るウェーハ保持用治具、及び同治具を用いた半導体製造装置としてのダイシング装置についての実施形態を、添付図に基づいてより具体的に説明する。
【0037】
図1本実施形態に係るダイシング装置の平面視による概略説明図、図2は同ダイシング装置に設けられたウェーハ取出アームの説明図、図3は同ダイシング装置に設けられた搬送アームの説明図、図4は同ダイシング装置に設けられたチップ収納装置の説明図、図5は同ダイシング装置に用いられるウェーハ保持用治具の説明図、図6は同ウェーハ保持用治具の一部拡大図、図7は同ウェーハ保持用治具上に規定される吸着領域の一つを示す平面図、図8は図7のI−I線における断面を用いて示した吸気経路の説明図である。
【0038】
本実施形態に係るダイシング装置は、図1に概略で示すように、ウェーハ1を供給するローダー部2と、図2に示すように、フォーク状に形成したウェーハ取出アーム20を用いて前記ローダー部2から取り出したウェーハ1の外形アライメントを行うとともに、後に詳述するウェーハ保持用治具Aに載置するアライメント部3と、前記ウェーハ1を縦横にカットして個別の半導体チップに切り出すダイシング部4と、ダイシング後にスピン洗浄・乾燥を行うスピナー部5と、前記半導体チップを前記ウェーハ保持用治具Aから取り上げるピックアップ部6と、ピックアップした各半導体チップの裏面洗浄を行う裏面洗浄部7と、裏面洗浄を終えた半導体チップをカセットなどに収納するアンローダー部8と、前記ウェーハ保持用治具Aを洗浄する治具洗浄部9とが設けられ、さらに、前記ウェーハ1を前記ウェーハ保持用治具Aで保持した状態のまま装置内を移動させる搬送手段として、複数の搬送アーム10,10’を所要個所に配設している。
【0039】
搬送アーム10,10’は、図3に示すように、ダイシング装置内に配設された直動ガイド11(図1を参照)に沿って摺動するアーム支持体12の左右端部に、先端にチャック部14を設けたアーム13,13をそれぞれ水平方向へ進退自在に取付けて構成しており、前記アーム13,13により前記ウェーハ保持用治具Aを左右から係合保持して搬送可能としている。また、前記アーム支持体12の中央には、先端にウェーハ1を吸着する吸着パット15を設けた吸着ユニット16を昇降自在に配設して、前記アライメント部3において、ウェーハ1を吸着して前記ウェーハ保持用治具A上に載置可能としている。
【0040】
上記構成により、表面に複数の半導体素子をマトリックス状に配列したウェーハ1は、一つのウェーハ保持用治具A上に保持された状態のまま、ローダー部2アライメント部3と移動するとともに、その後、やはり同じウェーハ保持用治具A上に保持された状態でダイシング部4により個々の半導体チップに切り出され、次いで、各半導体チップは、これらも同じウェーハ保持用治具A上に保持されたスピナー部5ピックアップ部6裏面洗浄部7アンローダー部8と移動し、その後、後段のプロセスへと受け継がれることになる。
【0041】
なお、前記アンローダー部8では、図4に示すチップ収納装置80を用いて半導体チップaをカセット81に収納している。図中、82は半導体チップaを前記カセット81内に挿入するコレット、83はこのコレット82が移動する直動ガイドである。
【0042】
ここで、本発明の要部をなす前記ウェーハ保持用治具Aについて詳述する。
【0043】
ウェーハ保持用治具Aは、錆や経時変化の少ない焼き入れを行ったステンレス鋼材により所定厚みで前記ウェーハ1よりも一回り大きな略円盤状に形成しており、図5に示すように、ウェーハ1を載置するテーブル部20の周囲にフランジ部21を形成している。なお、図中、27は本ウェーハ保持用治具Aを所定個所に載置するときの位置合わせ用孔であり、ダイシング装置の必要個所に突設した位置合わせピン(図示せず)に対応している。
【0044】
前記テーブル部20には、ダイシング時にウェーハ1を吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハ1から分割された半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる、例えば突上げヘッドのような突上手段を通過させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔22を複数形成している。
【0045】
また、同貫通孔22を挟んで対峙する位置に2個の位置ずれ防止用孔23を形成しており、この位置ずれ防止用孔23,23により、ウェーハ1をダイシングした後、このウェーハ1から分割された各半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップをテーブル部20に吸着して位置ずれを防止するようにして、確実なピックアップを行えるようにしている。したがって、ピックアップミスなどを可及的に低減でき、歩留まりも向上する。なお、本実施形態では、前記位置ずれ防止用孔23を前記貫通孔22の直径と略等しい長さを有するスリット状に形成している。
【0046】
これら貫通孔22と位置ずれ防止用孔23,23は、図6及び図7に示すように、前記ウェーハ1の一面にマトリックス状に配列形成された複数の半導体チップ形成領域(図示せず)に対応する吸着領域b内にそれぞれ形成されており、前記吸着領域bの中央位置に貫通孔22を、同貫通孔22を挟んで一対からなる前記位置ずれ防止用孔23,23を形成している。
【0047】
さらに、前記吸着領域b内には、前記位置ずれ防止用孔23,23の対角位置となる端部近傍に、それぞれ搬送用吸着孔24を形成している。この搬送用吸着孔24は、前記貫通孔22よりもはるかに小孔であり、テーブル部20上に複数形成された搬送用吸着孔24は、それぞれウェーハ保持用治具A内部において互いに連通するとともに、前記フランジ部21の外周上に向かい合わせて形成した接続口25,25と連通している。
【0048】
図9は搬送用吸着孔24同士の連通状態を簡略化して示した説明図であり、この図9に示すように、互いに一定の間隔をあけて複数の第1連通路24aをウェーハ保持用治具Aのフランジ部21の外周面から直線状に穿設して貫通させる。各第1連通路24aの一端部同士は、前記フランジ部21上に略半円状に形成した連結溝21a、21a(図5参照)によりそれぞれ互いに連通させる。なお、この連結溝21a、21aの上部開口は、ウェーハ保持用治具Aと同一材料からなり、下面にシリコンなどの樹脂系パッキンを設けた溝蓋(図示せず)で被覆される。一方、前記接続口25,25から、それぞれ最も近接した前記第1連通路24aまで連通する第2連通路24bを穿設する。そして、前記搬送用吸着孔24を、前記第1連通路24aと上下方向で連通するように、ウェーハ保持用治具Aのテーブル部20上に一定のピッチで穿設する。
【0049】
かかる構成により、各搬送用吸着孔24同士を連通させ、かつ全ての搬送用吸着孔24が前記接続口25,25と連通することになる。
【0050】
上述してきた貫通孔22、位置ずれ防止用孔23、及び搬送用吸着孔24は、ダイシング装置に設けた真空吸着機構による負圧によってウェーハ1をウェーハ保持用治具A上に吸着保持可能としている。
【0051】
すなわち、真空吸着機構は、図8に示すように、前記ダイシング装置において、本ウェーハ保持用治具Aを載置する個所にそれぞれ形成した吸気口17,18と接続して、各吸気口17,18と連通連結したそれぞれ独立した吸気経路28,29を介して負圧発生手段である吸引ポンプPに接続して構成している。しかも、前記吸気経路28,29は、経路切替手段としての通気路切替バルブVに接続しており、必要に応じてバルブの開閉を切替えることにより、前記吸気経路28,29を介して前記貫通孔22、位置ずれ防止用孔23に、負圧による吸引力を選択的に発生できるようにして、適切なワーク(ウェーハ1又は半導体チップa)吸着が可能となっている。
【0052】
他方、前記搬送用吸着孔24と連通する真空吸着機構としては、図3で示した搬送アーム10のアーム13の先端に設けた吸気口として機能するアーム側接続口13bと、ウェーハ保持用治具Aに形成した前述の接続口25,25を介して負圧発生源である吸引ポンプに連通するようにして構成している。
【0053】
このように、本実施形態では、ウェーハ1を真空吸着するための機能を有するウェーハ保持用治具Aを用いることによって、従来のような粘着シートを用いることなくウェーハ1を確実に保持することができ、粘着糊による汚染が防止できるとともに、吸気経路を適宜切替えて作業に見合った適切なワーク保持が可能なことから、ウェーハ1のダイシング作業からダイシング後の分割された半導体チップaのピックアップ作業までを一つのウェーハ保持用治具を用いて行うことができる。
【0054】
また、ダイシング後の分割された半導体チップaについてもウェーハ保持用治具Aにしっかりと吸着保持できることから、スピン洗浄・乾燥が行えるようになり、洗浄槽などを使用しないで済むので洗浄の効率化が図れる。またさらに、スピン洗浄・乾燥なので、乾燥時の温風ブローなども不要となり、ウェーハ保持用治具Aの熱歪みを懸念する必要もなくなる。
【0055】
なお、本実施形態におけるダイシング装置で用いるウェーハ保持用治具Aは、ピックアップ作業を終えた後、前記治具洗浄部9において切削屑等の付着不純物を清浄化するための洗浄・乾燥をウェーハ1を処理する毎に行うようにしている。したがって、新たに次のウェーハ1を受け取る際のウェーハ保持用治具Aはいつもクリーンな状態である。
【0056】
ところで、上述したウェーハ保持用治具Aには、図5に示すようにアライメントマークMが互いに直角平行になるように4箇所カットラインが交差する位置に設けている。このアライメントマークMを利用して、ウェーハ保持用治具Aに仮想カットラインの登録を行い、ダイシング装置に記憶させておく。そして、この登録しておいた仮想カットラインとウェーハ1の裏面に予め設けたカットライン(図示せず)とを一致させることにより、前記アライメント部3において、本ウェーハ保持用治具Aにウェーハ1を載置する際の位置決めを正確に行うことができる。所定の正確な位置にウェーハがウェーハ保持用治具A上に置かれていない場合は、図3に示す搬送アーム10の先端に設けられた吸着ユニット16を利用してウェーハ1を吸着し上昇した後、予め登録しておいた仮想カットラインとのずれ量を補正し置き直しを行う事で載置する位置決めを正確に行う事ができる。当然、正確な位置決めを完了するまでは、繰り返しずれ量の補正のための置き直しが行われる。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、以上説明してきたような形態で実施され、以下の効果を奏する。
【0058】
(1)請求項1記載の本発明では、ダイシング時にウェーハを吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハから分割された半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる突上手段を通過させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔を備えることとした。したがって、ウェーハの保持に際して粘着テープなどが不要となり、粘着糊による汚染を防止することができる。また、ダイシングブレードが粘着糊によって目詰まりを起こすこともなくなり、ダイシングブレードの特性劣化を防止することができる。
【0059】
(2)請求項2記載の本発明では、搬送中に前記ウェーハ又はこのウェーハから分割された半導体チップを吸着するための搬送用吸着孔を備えることとした。したがって、前記(1)の効果に加え、さらに、同一のウェーハ保持用治具を使用したままで、ウェーハや個々の半導体チップの位置ずれを防止しながら安定した状態で搬送が可能となる。
【0060】
(3)請求項3記載の本発明では、前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップを吸着して位置ずれを防止するための位置ずれ防止用孔を備えることとした。したがって、前記(1)、(2)の効果に加え、安定したピックアップ作業が行える。
【0061】
(4)請求項4記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、それぞれ独立した吸気経路に連通可能とした。したがって、前記(1)〜(3)の効果に加え、前記各孔を介しての吸着作用を、それぞれ個別に確実に生起させることができ、ウェーハの搬送からダイシング、ダイシング後の個々の半導体チップの搬送、及びこれらのピックアップ作業、さらには洗浄作業まで、同一の治具上で連続して行うことができる。
【0062】
(5)請求項5記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、前記ウェーハの一面に形成された複数の半導体チップ形成領域毎に対応して配置されていることとした。したがって、前記(1)〜(4)の効果をより高めるとともに、特に、ダイシング後の個々の半導体チップについても安定した吸着保持が可能となり、チップの裏面洗浄についてもスピン洗浄・乾燥が可能となる。
【0063】
(6)請求項6記載の本発明では、吸気経路を介して負圧発生源に連通可能としたウェーハ保持具上にウェーハを吸着保持させ、吸着保持された前記ウェーハから個々の半導体チップにダイシング可能とした半導体製造装置において、前記ウェーハ保持具に、前記ダイシング時に前記ウェーハを吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハから分割された半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる突上手段を出没させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔を設けた。したがって、ウェーハの保持に際して粘着テープなどが不要となり、粘着糊による汚染を防止することができる。また、ダイシングブレードが粘着糊によって目詰まりを起こすこともなくなり、ダイシングブレードの特性劣化を防止して半導体製造装置の信頼性を高めることができる。
【0064】
(7)請求項7記載の本発明では、前記ウェーハ又はこのウェーハから分割された前記半導体チップを前記ウェーハ保持具に保持した状態で搬送可能とした搬送手段を具備し、前記ウェーハ保持具に前記ウェーハ又は前記半導体チップを搬送中に吸着するための搬送用吸着孔を設ける一方、前記搬送手段には、前記搬送用吸着孔と連通可能な吸気口を設けた。したがって、前記(6)の効果に加え、さらに、同一のウェーハ保持用治具を使用したままで、ウェーハや個々の半導体チップの位置ずれを防止しながら安定した状態で搬送が可能となり、同一の治具で確実な搬送が可能となって半導体装置の製造効率を高めることができる。
【0065】
(8)請求項8記載の本発明では、前記ウェーハ保持具に、前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップを吸着して位置ずれを防止する位置ずれ防止用孔を設けた。したがって、前記(6)、(7)の効果に加え、安定したピックアップ作業が行え、歩留まりの向上が見込める。
【0066】
(9)請求項9記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、それぞれ独立した吸気経路に連通可能とした。したがって、前記(6)〜(8)の効果に加え、前記各孔を介しての吸着作用を、それぞれ個別に確実に生起させることができ、ウェーハの搬送からダイシング、ダイシング後の個々の半導体チップの搬送、及びこれらのピックアップ作業、さらには洗浄作業まで、同一の治具上で連続して行うことができ、半導体装置の製造効率が向上する。
【0067】
(10)請求項10記載の本発明では、前記ウェーハ保持用治具に設けた前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、前記ウェーハの一面に形成された複数の半導体チップ形成領域毎に対応して配置されていることとした。したがって、前記(6)〜(9)の効果をより高めるとともに、特に、ダイシング後の個々の半導体チップについても安定した吸着保持が可能となり、チップの裏面洗浄についてもスピン洗浄・乾燥が可能となって半導体装置の製造効率が向上する。
【0068】
(11)請求項11記載の本発明では、前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔にそれぞれ連通する吸着経路の開閉を切替自在とした経路切替手段を具備することとした。したがって、必要に応じて吸着経路の開閉を切替えることができ、前記吸気経路を介して前記貫通孔、位置ずれ防止用孔に、負圧による吸引力を選択的に発生させ、適切なワーク(ウェーハ又は半導体チップ)吸着が可能となり、前記(6)〜(10)の効果をより確実に生起させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るダイシング装置の平面視による概略説明図である。
【図2】同ダイシング装置に設けられたウェーハ取出アームの説明図である。
【図3】同ダイシング装置に設けられた搬送アームの説明図である。
【図4】同ダイシング装置に設けられたチップ収納装置の説明図である。
【図5】同ダイシング装置に用いられるウェーハ保持用治具の説明図である。
【図6】同ウェーハ保持用治具の一部拡大図である。
【図7】同ウェーハ保持用治具上に規定される吸着領域の一つを示す平面図である。
【図8】図7のI−I線における断面を用いて示した吸気経路の説明図である。
【図9】搬送用吸着孔同士の連通状態を簡略化して示した説明図である。
【符号の説明】
A ウェーハ保持用治具
1 ウェーハ
10 搬送アーム
13b アーム側接続口
22 貫通孔
23 位置ずれ防止用孔
24 搬送用吸着孔
25 接続口
Claims (11)
- ダイシング時にウェーハを吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハから分割された半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる突上手段を通過させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔を備えることを特徴とするウェーハ保持用治具。
- 搬送中に前記ウェーハ又はこのウェーハから分割された前記半導体チップを吸着するための搬送用吸着孔を備えることを特徴とする請求項1記載のウェーハ保持用治具。
- 前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップを吸着して位置ずれを防止するための位置ずれ防止用孔を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のウェーハ保持用治具。
- 前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、それぞれ独立した吸気経路に連通可能としたことを特徴とする請求項3記載のウェーハ保持用治具。
- 前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、前記ウェーハの一面に形成された複数の半導体チップ形成領域毎に対応して配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のウェーハ保持用治具。
- 吸気経路を介して負圧発生源に連通可能としたウェーハ保持具上にウェーハを吸着保持させ、吸着保持された前記ウェーハから個々の半導体チップにダイシング可能とした半導体製造装置において、
前記ウェーハ保持具に、前記ダイシング時に前記ウェーハを吸着する吸着孔としての機能と、前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、前記半導体チップを突上げる突上手段を出没させるための突上手段出没孔としての機能とを併せ持つ貫通孔を設けたことを特徴とする半導体製造装置。 - 前記ウェーハ又はこのウェーハから分割された前記半導体チップを前記ウェーハ保持具に保持した状態で搬送可能とした搬送手段を具備し、前記ウェーハ保持具に前記ウェーハ又は前記半導体チップを搬送中に吸着するための搬送用吸着孔を設ける一方、前記搬送手段には、前記搬送用吸着孔と連通可能な吸気口を設けたことを特徴とする請求項6記載の半導体製造装置。
- 前記ウェーハ保持具に、前記ウェーハから分割された前記半導体チップをピックアップする際に、ピックアップされる半導体チップを吸着して位置ずれを防止する位置ずれ防止用孔を設けたことを特徴とする請求項6又は7に記載の半導体製造装置。
- 前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、それぞれ独立した吸気経路に連通可能としたことを特徴とする請求項8記載の半導体製造装置。
- 前記ウェーハ保持用治具に設けた前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔は、前記ウェーハの一面に形成された複数の半導体チップ形成領域毎に対応して配置されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体製造装置。
- 前記貫通孔、前記搬送用吸着孔、及び前記位置ずれ防止用孔にそれぞれ連通する吸着経路の開閉を切替自在とした経路切替手段を具備することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の半導体製造装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012209522A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 半導体チップ用保持具及びその使用方法 |
JP2019079917A (ja) * | 2017-10-24 | 2019-05-23 | 株式会社ディスコ | チップの製造方法 |
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-
2003
- 2003-03-11 JP JP2003064820A patent/JP2004273899A/ja not_active Abandoned
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