JP2004273837A - 半導体装置 - Google Patents

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Kouya Yoshida
航也 吉田
Norihito Kondo
則人 近藤
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Abstract

【課題】半導体素子に発生した熱を放散する能力が高い半導体装置の提供。
【解決手段】複数の半導体素子5a〜5fと、半導体素子5a〜5fから発生する熱を伝導し拡散するヒートスプレッダ6a,6bと、半導体素子5a〜5f間又は半導体素子5a〜5fと外部とを接続する為の回路部4a〜4iとが基板1上に配設された半導体装置。ヒートスプレッダ6a,6bは、複数の半導体素子5a〜5c,5d〜5fに接し、回路部4a〜4iの一部として作用するように構成してある。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の半導体素子と、半導体素子から発生する熱を伝導し拡散するヒートスプレッダと、半導体素子間又は半導体素子と外部とを接続する為の回路部とが基板上に配設された半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来の半導体装置の構成例を示す平面図(b)及び断面図(a)である。この半導体装置は、例えば、電動パワーステアリング装置に使用されるブラシレスDCモータの駆動回路に適用されるものであり、3相ブリッジ回路を構成している。方形のアルミ(ニウム)基板2の表面が絶縁層3により被覆され、絶縁層3の表面に、アルミ基板2の一方の辺に沿って、3相共通の+極である回路部14b(導体部)が設けられ、回路部14bと同形状の3相共通の−極である回路部14aが,回路部14bに沿って設けられている。
また、絶縁層3の表面に、アルミ基板2の他方の辺に沿って、U,V,W相それぞれの回路部14g,14h,14iが並設されている。
【0003】
アルミ基板2、絶縁層3及び回路部14a,14b,14g,14h,14iは、基板11を構成している。
3相共通の+極である回路部14bには、U,V,W相の半導体素子15d,15e,15f(例えばMOSFET等)が、それぞれのヒートスプレッダ16d,16e,16f(熱伝導・拡散板)を回路部14bとで挟むように設けられている。
回路部14g,14h,14iには、U,V,W相の半導体素子15a,15b,15cが、それぞれのヒートスプレッダ16a,16b,16cを回路部14g,14h,14iとでそれぞれ挟むように設けられている。
【0004】
U相の半導体素子15dは、3本のアルミワイヤによりU相の回路部14gに接続され、回路部14gに接続されたU相の半導体素子15aは、3本のアルミワイヤにより回路部14aに接続されている。
V相の半導体素子15eは、3本のアルミワイヤによりV相の回路部14hに接続され、回路部14hに接続されたV相の半導体素子15bは、3本のアルミワイヤにより回路部14aに接続されている。
W相の半導体素子15fは、3本のアルミワイヤによりW相の回路部14iに接続され、回路部14iに接続されたW相の半導体素子15cは、3本のアルミワイヤにより回路部14aに接続されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−210763号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
電動パワーステアリング装置では、ハンドルの端当て時(左右の回転限界で停止したとき)、タイヤの縁石乗り上げ時、及びタイヤの溝への嵌まり込み時には、ラック軸の動きが外力(ストッパー、タイヤからの)により固定される。このとき、モータは、回転せず出力トルクが維持された状態になっており、モータに流れる電流は、ラック軸の動きが外力により固定された瞬間の値を維持し続けることになる。
【0007】
電動パワーステアリング装置のモータの駆動方式として、ブラシレスDCモータを用いている場合、電流の実効値をA[A]とすると、瞬時電流B[A]は、B=(√2)Asintとなる。また、最大電流C[A]は、C=√2Aであり、このとき、損失は、定常時に比べて、(((√2)A)/A) =2(倍)となる。
つまり、ハンドルを切る力をかけた状態で外力によりラック軸が固定されると、上述したようなモータの駆動回路には、定常時に比べて急激に発熱が起きることになる。
この為、急激に半導体素子の温度が上昇するという問題があり、モータの駆動回路が上述したような構成の半導体装置である場合、半導体素子に発生した熱を放散し切れず、半導体素子が破損する虞がある。
【0008】
特許文献1には、複数のヒートスプレッダが、対応する複数の半導体部品にそれぞれ接触していると共に、隣り合うヒートスプレッダ同士が接続して列をなし、かつ、列の両端部に配置されるヒートスプレッダが回路基板に固定されている半導体モジュールが開示されている。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、半導体素子に発生した熱を放散する能力が高い半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る半導体装置は、複数の半導体素子と、該半導体素子から発生する熱を伝導し拡散するヒートスプレッダと、前記半導体素子間又は該半導体素子と外部とを接続する為の回路部とが基板上に配設された半導体装置において、
前記ヒートスプレッダは、複数の半導体素子に接し、前記回路部の一部として作用すべく構成してあることを特徴とする。
【0010】
この半導体装置では、複数の半導体素子と、これらの半導体素子から発生する熱を伝導し拡散するヒートスプレッダと、これらの半導体素子間又は半導体素子と外部とを接続する為の回路部とが基板上に配設されている。ヒートスプレッダは、複数の半導体素子に接し、回路部の一部として作用するように構成してある。
これにより、半導体素子に発生した熱を放散する能力が高く、半導体素子の温度による劣化が均一化し、長寿命の半導体装置を実現することが出来る。
【0011】
第2発明に係る半導体装置は、前記回路部は、複数備えており、熱を放散すべく前記半導体素子毎に互いに離隔して設けてあり、前記ヒートスプレッダは、前記回路部及び半導体素子間で両者に接するように延設されていることを特徴とする。
【0012】
この半導体装置では、回路部は、複数備えており、熱を放散するように半導体素子毎に互いに離隔して設けてあり、ヒートスプレッダは、回路部及び半導体素子間で両者に接するように延設されているので、半導体素子に発生した熱を放散する能力が高く、半導体素子の温度による劣化が均一化し、長寿命の半導体装置を実現することが出来る。
【0013】
第3発明に係る半導体装置は、前記ヒートスプレッダは、前記複数の半導体素子を渡る部分が、弾性変形可能なように形成されていることを特徴とする。
【0014】
この半導体装置では、ヒートスプレッダは、複数の半導体素子を渡る部分が、弾性変形可能なように形成されているので、半導体素子に発生した熱を放散する能力が高く、半導体素子の温度による劣化が均一化し、長寿命であると共に、熱変形に強い半導体装置を実現することが出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、その実施の形態を示す図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る半導体装置の実施の形態の構成を示す平面図(b)及び断面図(a)である。この半導体装置は、例えば、電動パワーステアリング装置に使用されるブラシレスDCモータの駆動回路に適用されるものであり、3相ブリッジ回路を構成している。方形のアルミ基板2の表面が絶縁層3により被覆されている。
【0016】
絶縁層3の表面には、アルミ基板2の一方の辺に沿って、U,V,W相それぞれの+極である回路部4d,4e,4fが、熱を良く放散するように互いに離隔して並設され、回路部4d,4e,4fと同形状のU,V,W相それぞれの−極である回路部4a,4b,4cが,回路部4d,4e,4fに沿って同様に並設されている。
また、絶縁層3の表面には、アルミ基板2の他方の辺に沿って、U,V,W相それぞれの回路部4g,4h,4iが並設されている。
アルミ基板2、絶縁層3及び回路部4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g,4h,4iは、基板1を構成している。
【0017】
U,V,W相それぞれの共通の+極である回路部4d,4e,4fには、U,V,W相それぞれの半導体素子5d,5e,5f(例えばMOSFET等)が、共通のヒートスプレッダ6b(熱伝導・拡散板)を回路部4d,4e,4fとでそれぞれ挟むように設けられている。つまり、ヒートスプレッダ6bは、回路部4d,4e,4f及び半導体素子5d,5e,5fを共通接続する。
【0018】
U,V,W相それぞれの共通の−極である回路部4a,4b,4cには、U,V,W相それぞれの半導体素子5a,5b,5cが、共通のヒートスプレッダ6a(熱伝導・拡散板)を回路部4a,4b,4cとでそれぞれ挟むように設けられている。つまり、ヒートスプレッダ6aは、回路部4a,4b,4c及び半導体素子5a,5b,5cを共通接続する。
半導体素子5a,5b,5cには、ソース面を半田付け、ドレイン面をワイヤボンディング出来る構造のNチャネル形MOSFET、又はPチャネル形MOSFETを用いて、共通の−極である回路部4a,4b,4c上に配置可能としている。
【0019】
U相の半導体素子5dは、3本のアルミワイヤによりU相の回路部4gに接続され、回路部4aに接続されたU相の半導体素子5aは、3本のアルミワイヤにより回路部4gに接続されている。
V相の半導体素子5eは、3本のアルミワイヤによりV相の回路部4hに接続され、回路部4bに接続されたV相の半導体素子5bは、3本のアルミワイヤにより回路部4hに接続されている。
W相の半導体素子5fは、3本のアルミワイヤによりW相の回路部4iに接続され、回路部4cに接続されたW相の半導体素子5cは、3本のアルミワイヤにより回路部4iに接続されている。
【0020】
このような構成の半導体装置では、半導体素子5d,5e,5fの何れか、及びそれに接続する回路部4d,4e,4fの何れかに、大電流が流れ大量の熱が発生しても、ヒートスプレッダ6bにより熱を拡散させることが出来、大電流が流れる半導体素子が熱の為に破損することがない。また、ヒートスプレッダ6bが、半導体素子5d,5e,5f及び回路部4d,4e,4fを共通接続し、回路部4d,4e,4fを、互いに離隔してあるので、表面積が大きくなり、熱を効率的に拡散し放散することが出来る。
【0021】
同様に、半導体素子5a,5b,5cの何れか、及びそれに接続する回路部4a,4b,4cの何れかに、大電流が流れ大量の熱が発生しても、ヒートスプレッダ6aにより熱を拡散させることが出来、大電流が流れる半導体素子が熱の為に破損することがない。また、ヒートスプレッダ6aが、半導体素子5a,5b,5c及び回路部4a,4b,4cを共通接続し、回路部4a,4b,4cを、互いに離隔してあるので、表面積が大きくなり、熱を効率的に拡散し放散することが出来る。
【0022】
また、図2に示すように、ヒートスプレッダ6a,6bの複数の半導体素子を渡る部分7の断面形状を、弾性変形可能なように波形、三角形又は方形等に形成しておくと、熱膨張及び収縮による変形をその部分で吸収することが出来、熱膨張及び収縮による破損が生じない。更に、波形、三角形又は方形等に形成した部分により表面積も増加して、熱をより効率的に拡散し放散することが出来る。
また、基板1により厚いものを使用することにより、基板1の熱容量を大きくすることが出来、半導体素子に発生した熱を効率的に拡散することが出来ると共に、熱による基板1及び半導体素子の温度上昇を抑制することが出来る。
【0023】
【発明の効果】
第1,2発明に係る半導体装置によれば、半導体素子に発生した熱を拡散し放散する能力が高く、半導体素子の温度による劣化が均一化し、長寿命の半導体装置を実現することが出来る。また、(金属)基板を小さくすることが出来、小型化及び部品コストの低減を図ることが出来る半導体装置を実現することが出来る。また、比較的高抵抗である安価な半導体素子を使用することが出来、安価な半導体装置を実現することが出来る。
【0024】
第3発明に係る半導体装置によれば、半導体素子に発生した熱を拡散し放散する能力が高く、半導体素子の温度による劣化が均一化し、長寿命であると共に、熱変形に強い半導体装置を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の実施の形態の構成を示す平面図及び断面図である。
【図2】本発明に係る半導体装置の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図3】従来の半導体装置の構成例を示す平面図及び断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 アルミ基板
3 絶縁層
4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g,4h,4i 回路部
5a,5b,5c,5d,5e,5f 半導体素子
6a,6b ヒートスプレッダ(熱伝導・拡散板)
7 半導体素子を渡る部分

Claims (3)

  1. 複数の半導体素子と、該半導体素子から発生する熱を伝導し拡散するヒートスプレッダと、前記半導体素子間又は該半導体素子と外部とを接続する為の回路部とが基板上に配設された半導体装置において、
    前記ヒートスプレッダは、複数の半導体素子に接し、前記回路部の一部として作用すべく構成してあることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記回路部は、複数備えており、熱を放散すべく前記半導体素子毎に互いに離隔して設けてあり、前記ヒートスプレッダは、前記回路部及び半導体素子間で両者に接するように延設されている請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記ヒートスプレッダは、前記複数の半導体素子を渡る部分が、弾性変形可能なように形成されている請求項1又は2記載の半導体装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009171732A (ja) * 2008-01-16 2009-07-30 Nissan Motor Co Ltd 電力変換装置
JP2010068658A (ja) * 2008-09-11 2010-03-25 Denso Corp 電力変換装置
JP2010073769A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Jtekt Corp トランジスタ、回路基板およびモータ駆動装置

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