JP2004273806A - 電気二重層キャパシタ用電極体および電気二重層キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】正極および負極の積層枚数を増やすことができるとともに、積層枚数が多くなっても確実に各極リード部と端子板とを溶着でき、充放電容量が大きく、大電流放電に適応可能な電気二重層キャパシタ用電極体を提供すること。
【解決手段】複数の正極10および負極11がこれら各電極10,11間にセパレータ15を介して交互に積層されるとともに、各電極の周縁12の一部を基端10B,11Bとして各電極平面と略同一平面上に延出するように配設された各正極リード部10Aおよび各負極リード部11Aの少なくとも一部がそれぞれ正極端子板および負極端子板に接合されてなる電極体において、正極リード部10Aが電極10,11の周縁12に沿って段状に配設され、負極リード部11Aが電極10,11の周縁に沿って段状に配設されてなる電気二重層キャパシタ用電極体。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の正極10および負極11がこれら各電極10,11間にセパレータ15を介して交互に積層されるとともに、各電極の周縁12の一部を基端10B,11Bとして各電極平面と略同一平面上に延出するように配設された各正極リード部10Aおよび各負極リード部11Aの少なくとも一部がそれぞれ正極端子板および負極端子板に接合されてなる電極体において、正極リード部10Aが電極10,11の周縁12に沿って段状に配設され、負極リード部11Aが電極10,11の周縁に沿って段状に配設されてなる電気二重層キャパシタ用電極体。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気二重層キャパシタ用電極体および電気二重層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種蓄電デバイスの1つとして、急速充電が可能であるとともに、充放電サイクル寿命が長い電気二重層キャパシタが注目されている。
この電気二重層キャパシタは、活性炭粉末に電解液を浸み込ませ、活性炭と電解液との界面にできる電気二重層の静電容量を利用したキャパシタであり、一般に、正極および負極、並びにこれら両極間に介在するセパレータからなる電極体と、電解質とを備えて構成されている。
【0003】
このような、電気二重層キャパシタにおける電極体の具体的構造として、従来、下記の構造が知られている。
(1)巻回型(特許文献1:特開2000−315627号公報参照)
両電極を一体に巻回した構造であり、電極面積を広く取ることができるという利点がある。
(2)積層型(特許文献2:特開2002−299291号公報参照)
正極および負極をこれら両極間にセパレータを介在させて交互に積層した構造であり、製品形状が直方体に近くなるため、大電流に対応でき、各極に設けられたリード部のずれが少ないという利点がある。
【0004】
(3)改良積層型1(特許文献3:特開2002−299291号公報参照)各正極および負極リード部の同極同士の重層部を複数組に分割するとともに、複数組の重層部にこれらが端子板との接合部位を分け与えるようにカット部を形成してなる構造であり、単なる積層型よりも正極および負極の積層数を多くでき、充放電容量を大きくできるという利点がある。
(4)改良積層型2(特許文献4:特開2000−200738号公報参照)各正極および負極の電流取り出し部を電極横方向の周辺に設けてなる構造であり、タブずれが少なく、電極の存在しないデッドボリュームが少なくなるため、充放電容量を増加できるとともに、抵抗を低くできるという利点がある。
【0005】
しかしながら、上記(1)巻回型の電極体では、大電流に対応する場合、多数の電流取り出し用のタブを取り付ける必要があるが、タブずれの発生を防止するためには、タブの取付間隔を厳密に調節する必要が生じ、組立操作が煩雑となるという問題がある。
上記(2)積層型の電極体では、各集電用箔にリード部を設け、同極同士のリード部と、正負極各端子板とを溶接により溶着する構造であるため、電極の積層数が大きくなると、多数の集電用箔を確実に溶接することが困難になるのみならず、溶着されている面積が小さいため、大電流放電時に大きな抵抗になるという問題がある。
【0006】
上記(3)改良積層型1の電極体では、接合部位を分け合う用にリード部をカットしたところで、積層枚数を2倍まで大きくするのが限界である。また、溶接の面積は単なる積層型よりもさらに小さくなり、抵抗が大きくなるという問題がある上、電極上部に存在するデッドボリュームの問題も解決されていない。
上記(4)改良積層型2の電極体では、電極層ごとに別部材のリード部材を溶接する必要があり、凹凸が増えるため短絡の危険性が高まるとともに、製造工程が煩雑になるという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−315627号公報
【特許文献2】
特開2002−299291号公報
【特許文献3】
特開2002−280269号公報
【特許文献4】
特開2000−200738号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、正極および負極の積層枚数を増やすことができるとともに、積層枚数が多くなっても確実に各極リード部と端子板とを溶着でき、充放電容量が大きく、大電流放電に適応可能な電気二重層キャパシタ用電極体およびこれを用いた電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気二重層キャパシタ用電極は、複数の正極および負極がこれら各電極間にセパレータを介して交互に積層されるとともに、各電極の周縁の一部を基端として各電極平面と略同一平面上に延出するように配設された各正極リード部および各負極リード部の少なくとも一部がそれぞれ正極端子板および負極端子板に接合されてなる電気二重層キャパシタ用電極体であって、正極リード部が電極の周縁に沿って段状に配設されるとともに、負極リード部が電極の周縁に沿って段状に配設されることを特徴とするものである。
【0010】
本発明において、正負極に配設される各リード部は、正負極と一体成形されていてもよく、正負極とは別体のリード部を溶接等の固定手段により取り付けるものでもよいが、打ち抜き等により容易に成形でき、しかも電極とリード部間の抵抗を小さくできることから、電極とリード部とは一体成形されているものであることが好ましい。なお、リード部の形状は、特に限定されるものではないが、成形の容易さや、端子板との接合の容易さなどを考慮すると、平面矩形状とすることが好ましい。
【0011】
また、正負極リード部が「段状に配設」されるとは、電極の周縁に沿って、かつ、電極の積層方向に次第に上下する段差が形成されるように配設されるものであれば特に限定はなく、例えば、リード部一枚一枚が段状構造の一段一段に対応するように各リード部を配設するものや、複数枚のリード部を、その基端位置が同一になるように重層してなるブロックを複数個電極周縁に沿うように、かつ、このブロック一個一個が段状構造の一段一段に対応するように配設するものなどを採用することができる。
【0012】
本発明によれば、正極リード部および負極リード部がそれぞれ電極周縁に沿って段状に配設されているから、正負極の各リード部が重層されている場合に比べて、各リード部における積層方向に重複する部分の厚みをなくす、または格段に薄くすることができる。このため、積層枚数が多くなっても溶着される部分の厚みを薄くできるので、正極および負極の積層枚数を従来の電極体よりも多くすることができる。また、溶着部位の厚みが薄いことから、各極リード部と端子板とを容易に、かつ、確実に溶着できるとともに、端子板との溶接時の溶着面積を大きく取ることができるので、抵抗が小さく、大電流放電に対応し得る電気二重層キャパシタを得ることができる。
【0013】
また、電極リード部が重層されている場合よりも、電極平面に対して水平方向に延出して配設される電極リード部の長さを短くすることができるので、電極体をよりコンパクトにすることができる。
さらに、電極の存在しないデッドボリュームを少なくすることができるので、キャパシタユニットの充填密度を高め、充放電容量を高めることができる。
【0014】
以上で説明した電気二重層キャパシタ用電極体において、各正極リード部の隣り合う各リード部の基端が、各正極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設されるとともに、各負極リード部の隣り合う各リード部の基端が、各負極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設される構造を採用することができる。
この場合は、各電極リード部において、隣り合う各リード部の基端が電極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設される結果、全てのリード部一枚一枚が、電極周縁に沿ってずれた状態で配設される、つまり、リード部の一枚一枚が段状に配設されるリード部全体において、一段一段に対応するような構造となる。
【0015】
このような各電極リード部を互いにずらして配設する構造を採用することで、正負各電極リード部における積層方向に重複する部分の厚みをより一層薄くすることができる。したがって、より一層電極の積層枚数を多くすることができるから、極めて大電流放電が要求される電気二重層キャパシタ用の電極体として好適に用いることができる。
また、電極の存在しないデッドボリュームを極めて少なくすることができるので、キャパシタユニットの充填密度および充放電容量をより一層高めることができる。
【0016】
ここで、上記隣接する各電極リード部をずらして配設する態様としては、電極全体を積層方向(上下方向)から見た場合に、各電極リード部間に隙間が空いているものと、各電極リード部の一部が重なっているものとが考えられるが、各正極リード部の少なくとも隣り合う各リード部の一部分が互いに重なり合うように配設されるとともに、各負極リード部の少なくとも隣り合う各リード部の一部分が互いに重なり合うように配設されることが好ましい。
このように、電極リード部の一部分が互いに重なり合う構造とすることで、端子板と接合する際に、電極リード部同士に重層部位が生じるため、全ての電極リード部をより確実に端子板に接合でき、短絡等の発生をより確実に防止できる。
【0017】
なお、重層部分は、少なくとも隣接する(2枚の)各電極リード部が重なり合う構造であれば、それ以上の枚数の電極リード部が重なり合う構造であっても構わないが、重層部分の厚みをより薄くして電極の積層枚数を増加させるという点から、隣接する電極リード部のみ重なり合う構造、すなわち、重層部分の全てにおいて、その厚みが電極リード部2枚分の厚みとなるような構造を採用することが好ましい。
【0018】
さらに、各正極リード部の全リード部が、正極端子板に接合されるとともに、各負極リード部の全リード部が、負極端子板に接合される構造とすることが好ましい。
上述したように、従来の積層型等の電極体では、電極リード部をそれぞれ電極積層方向に重層し、これを上下から端子板で挟んで溶着していたため、積層枚数が多くなると、全ての電極リード部を確実に溶着することが困難になる上、積層方向の中央近傍にある電極と、上下端近傍にある電極とでは、端子板までの距離に違いが生じるのみならず、中央近傍では電極リード部が直接端子板に接触しない場合も生じ、さらに、溶着面積も小さいため、大電流放電時に大きな抵抗が生じるという問題があった。そして、各極リード部と端子板との距離が不均等であると、積層された正負電極対間にかかる電流負荷に偏りが発生し、電気二重層キャパシタの耐久性が低くなる等の問題もあった。
【0019】
ここでは、各電極リード部を電極周縁方向に互いにずらして段状に配設した上で、各電極リード部を各極端子板に接合しているから、正負各極のリード部の全てを、それぞれ正負各極端子板に容易に溶着することができる。また、この場合、積層方向の位置に関わらず、端子板と接触しない電極が存在しなくなるとともに、各電極と端子板との距離が均等に近くなる上、全リード部を端子板と接合することで、リード部と端子板との溶着面積を最大限に取ることができるから、大電流放電時の抵抗を著しく小さくすることができ、耐久性の高い電気二重層キャパシタを得ることができる。
【0020】
また、本発明の電気二重層キャパシタ用電極体において、各正極リード部が、各正極の周縁に沿う方向における基端位置を同一にする複数の正極リードブロックに分割され、かつ、これら各正極リードブロックの隣り合う各ブロックの基端が、各正極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設されるとともに、各負極リード部が、各負極の周縁に沿う方向における基端位置を同一にする複数の負極リードブロックに分割され、かつ、これら各負極リードブロックの隣り合う各ブロックの基端が、各負極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設される構造を採用することもできる。
【0021】
この場合は、上述した正負各極のリード部一枚一枚を電極周縁方向にずらして配設するのとは異なり、電極リード部全体を、複数枚の電極リード部を各電極周縁に沿う方向における基端位置を同一にして重層してなる電極リードブロック複数個に分割して構成するとともに、隣り合う各リードブロックをそれらの基端を電極周縁に沿う方向に互いにずらして配設することになる。したがって、全ての電極リードブロックが、互いに電極周縁に沿ってずれた状態で配設される、つまり、電極リードブロックの一個一個が段状に配設されるリード部全体の一段一段に対応するような構造となる。
【0022】
なお、各電極リードブロックにおける電極リード部の重層枚数は、特に限定されるものではなく、同一の枚数でも、異なる枚数でもよいが、端子板への接続をより確実にするために、同一の枚数とすることが好ましい。また、電極リード部の重層枚数を異なるものとする場合、一部の電極リードブロックについては、一枚の電極リード部のみからなるものを含んでいてもよい。
【0023】
先に説明した、各電極リード部を一枚一枚ずらして配設する構造では、電極リード部の位置が全て異なるため、打ち抜き等により電極および電極リード部を一体成形する場合、それぞれに対応した型が必要となる。これに対して、各電極リード部を、複数個の電極リードブロックに分割する場合には、各電極リードブロックを構成する電極リード部を同一形状とすることができるから、積層枚数を増大させても、必要とする型は、各電極リード部をずらして配設する場合よりも、少なくて済むという利点がある。
【0024】
また、このように電極リードブロックを採用する場合でも、各正極リードブロックの少なくとも隣り合う各ブロックの一部分が互いに重なり合うように配設されるとともに、各負極リードブロックの少なくとも隣り合う各ブロックの一部分が互いに重なり合うように配設されることが好ましい。
このような構造とすることで、前述同様、端子板と接合する際に、電極リード部同士に重層部位が生じるため、全ての電極リード部を確実に端子板に接合でき、短絡等の発生をより確実に防止できる。なお、重層部分については、少なくとも隣り合う各ブロックの一部分が重なり合っていれば、特に限定はないが、隣接する電極リードブロックのみ重なり合う構造とすることが好ましい。
【0025】
さらに、各正極リードブロックの全ブロックが、正極端子板に接合されるとともに、各負極リードブロックの全ブロックが、負極端子板に接合されることが好ましい。
このような構造とすることで、各電極リードブロックと端子板との距離が均等に近くなる上、全リードブロックを端子板と接合することで、リードブロックと端子板との溶着面積を最大限に取ることができるから、大電流放電時の抵抗を小さくすることができる。
【0026】
以上で説明した電気二重層キャパシタ用電極体において、正極および負極は、平面矩形状であることが好ましい。
このように各電極を平面矩形状に形成した場合においては、各正極リード部および各負極リード部を、平面矩形状に形成された正負極周縁の同一周縁に沿って配設する構造を採用することができる。
【0027】
この場合には、正負各極の電極リード部全てが、平面矩形状電極の同一周縁上に配設され、かつ、同一周縁上で正負極各端子板が接合されることになるから、電気二重層キャパシタ用電極体全体をコンパクトにすることができる。その一方で、平面矩形状電極の同一周縁上という狭い範囲に正負両極の電極リード部全てが配設されることになるから、これらが配設される電極の周縁の長さおよび電極リード部の大きさ(周縁方向の幅)によっては、電極リード部を単に重層するのと比べて電極の積層枚数が少なくなる可能性もある。
【0028】
このため、各正極リード部を平面矩形状に形成された正負極周縁の相対向する2周縁の一方の周縁に沿って配設し、負極リード部を相対向する2周縁の他方の周縁に沿って配設する構造や、各正極リード部を平面矩形状に形成された正負極周縁の隣り合う2周縁の一方の周縁に沿って配設し、負極リード部を隣り合う2周縁の他方の周縁に沿って配設する構造を採用することが好ましい。なお、隣り合う2周縁とは、平面矩形状電極の4つの周縁における1点を共有する2周縁を意味する。
【0029】
このように、平面矩形状電極の1つの周縁上に正極リード部のみを、他の1つの周縁上に負極リード部のみを配設することで、1つの周縁の全長に亘って、正極リード部または負極リード部を配設できるから、電極を最大限に積層することができるようになり、大電流放電が要求される電気二重層キャパシタ用電極体として極めて適したものとなる。
【0030】
特に、平面矩形状電極の相対向する2つの周縁にそれぞれ正極リード部および負極リード部を配設する構造を採用すれば、これらに接合された各電極端子板が電極体の両側に位置する結果、これらが補強体として機能することになるから、外装ケースに挿入する際に、電極の折れ、破損等を防止することができる。
なお、平面矩形状電極を用いる場合、段状に配設される電極リード部としては、特に限定されるものではなく、前述した電極リード部を一枚一枚ずらして配設する構造、各電極リード部から電極リードブロックを構成し、各電極リードブロックを一個一個ずらして配設する構造のどちらを採用することもできる。
【0031】
なお、本発明の電極体において、正負極の各リード部と各電極端子板との溶着方法は、重層されたリード部群を両側から2枚の端子板で挟んで溶着する方法、重層されたリード部群の略中間部に1枚の端子板を挿入して溶着する方法、重層されたリード部群のどちらか一方の側に1枚の端子板を溶着する方法のいずれを採用することもできるが、端子板の位置決めや溶接のし易さから、重層されたリード部群のどちらか一方の側に1枚の端子板を溶着することが好ましい。
【0032】
本発明に係る電気二重層キャパシタは、複数の正極および負極がこれら各極間にセパレータを介して交互に積層されるとともに、各正極および各負極に設けられた各正極リード部および各負極リード部の少なくとも一部がそれぞれ正極端子板および負極端子板に接合されてなる電極体と、電解質と、これらの電極体および電解質を収容する外装体と、を備えて構成される電気二重層キャパシタであって、電極体として、上述した正負各電極リード部が、電極の周縁方向に沿って階段状に配設された電極体を用いるものである。
【0033】
このような電気二重層キャパシタによれば、上述した電極体を用いているから、電極の存在しないデッドボリュームを少なくでき、キャパシタユニットの充填率を高めることができ、その結果、充放電容量を高めることができる。また、従来の電極体よりも、電極の積層枚数を極めて多くすることができるため、この点からも充放電容量を高めることができ、その結果、大電流放電に充分に対応することができる。
【0034】
なお、本発明の電気二重層キャパシタにおける電極体以外の、セパレータ、電解質、外装体などのその他のキャパシタ構成要素については特に限定されるものではなく、従来公知のセパレータ、電解質、外装体などを任意に選択して用いることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態について説明する。
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極体1が示されている。電極体1は、複数の略平面矩形状の正極10および負極11(図2,3参照)と、これら各電極10,11間に介在するセパレータ15(図2,3参照)と、各電極10,11の一部を基端10B,11Bとして、それぞれ一体形成された各正極リード部10Aおよび各負極リード部11Aの全てに、それぞれ溶着部13A,14Aで接合される正極端子板13および負極端子板14とを備えて構成されている。
【0036】
ここで、正極10は、例えば、アルミニウム箔等の集電体上に、炭素質材料およびバインダーポリマーを含んで構成される電極組成物を塗布して構成されている。一方、負極11は、例えば、アルミニウム箔等の集電体上に、同じく炭素質材料およびバインダーポリマーを含んで構成される電極組成物を塗布して構成されている。これら、各電極10,11は、各電極10,11の周縁12の一部を基端10B,11Bとして、この基端10B,11Bから電極平面と略同一平面上に延出するように、それぞれ正極リード部10A、負極リード部11Aが一体に形成されている。
【0037】
各正極10は、これらを積層した際に、隣接する正極10において各正極リード部10Aが互いに周縁方向L(図2,3参照)に沿ってずれて配設されるように、予め周縁12上における基端10Bの位置をそれぞれ異にして形成されている。また、各負極11についても、同じく隣接する負極11において各負極リード部11Aが互いに周縁方向Lに沿ってずれて配設されるように、予め周縁12上における基端11Bの位置をそれぞれ異にして形成されている。
【0038】
正負極各端子板13,14は、例えば、アルミニウム等の金属から構成され、それぞれ各正極リード部10A全体および各負極リード部11A全体を、電極10,11の積層方向(図1中紙面に対して垂直方向)外側から挟持するとともに、それぞれ溶着部13A,14Aにより各電極リード部10A,11Aと溶接等により溶着され一体化されている。この場合、各端子板13,14は、それぞれ対応する電極リード部10A,11Aの全てと接合されているから、各電極10,11と端子板13,14との距離が均等に近くなる上、各電極リード部10A,11Aと端子板13,14との溶着部13A,14Aの面積を最大限に取ることができるから、大電流放電時の抵抗を著しく小さくすることができる。
また、セパレータ15は、正極10および負極11が接触して短絡するのを防止する作用を発揮するものであり、例えば、セルロース等から構成することができる。本実施形態においては、セパレータ15は、電極リード部10A,11Aを除いた略平面矩形状の電極10,11と略同一形状に形成され、正負各極10,11間に挟み込まれている。
【0039】
このように構成される電極体1は、図2および図3に詳細に示されるように、各電極10,11を積層することで、周縁12上における基端10Bの位置を異にする各正極リード部10Aが、周縁方向Lに沿って互いにずれて、かつ、各電極10,11の積層方向Hに段を形成するように(段状)に配設される。この結果、各正極リード部10Aの一枚一枚が段状構造の一段一段をなしている。一方、各負極リード部11Aについても、正極リード部11Bと同様に、周縁12上における基端11Bの位置を異にする各負極リード部11Aが、周縁方向Lに沿って互いにずれて、各電極10,11の積層方向Hに段を形成するように(段状)に配設され、各負極リード部11Aの一枚一枚が段状構造の一段一段をなしている。
【0040】
これにより、正負各電極リード部10A,11Aにおける積層方向Hに重複する部分の厚みを極めて薄くすることができ、電極10,11の積層枚数を多くすることができるから、大電流放電が要求される電気二重層キャパシタ用の電極体1として好適に使用できる。また、電極10,11の存在しないデッドボリューム(例えば、全正極リード部10Aと全負極リード部11Aとの間の空間)を極めて少なくすることができるので、キャパシタユニットの充填密度を高くすることができる。
【0041】
また、この際、各正極リード部10Aは、それぞれ隣り合う正極リード部10Aのみとその一部分が重なり合うように配設され、各負極リード部11Aは、それぞれ隣り合う負極リード部11Aのみとその一部分が重なり合うように配設されている。したがって、積層方向Hから電極体1を見た場合に、各正極リード部10A同士間および各負極リード部11A同士間には隙間が形成されないことになる。
これにより、正極リード部10A同士および負極リード部11A同士に重層部分が生じるため、各電極リード部10A,11Aをより確実に端子板13,14に接合でき、短絡等の発生をより確実に防止できる。さらに、各電極10,11とも、隣接する電極リード部10A,11Aのみが重なり合う構造であるから、重層部分の厚さが最小となり、より多くの電極10,11を積層するのに好適であるとともに、端子板13,14との接合も容易である。
【0042】
以上説明した電極体1は、例えば、次のようにして製造される。
まず、アルミニウム箔等の正極集電体上に炭素質材料およびバインダーポリマーを含む組成物を塗布した後、乾燥・圧延する。これを、各正極リード部10Aの基端10Bに応じて構成された型により打ち抜き、各正極リード部10Aを有する正極10を得る。一方、アルミニウム箔等の負極集電体上に炭素質材料およびバインダーポリマーを含む組成物を塗布した後、同様の型により打ち抜いて、各負極リード部11Aを有する負極11を得る。
【0043】
得られた正極10および負極11間にセルロース等から構成されるセパレータ15を介在させるとともに、各電極リード部10A,11Aが、それぞれ段状構造になるように各正極10および負極11を積層する。そして、正極リード部10Aおよび負極リード部11Aの積層方向Hの両側または片側から、それぞれ正極端子板13および負極端子板14を取り付けた後、これらを溶接により溶着し、電極体1を得る。
なお、この電極体を、電解質とともに、外装体(図示略)に装填した後、各電極端子板を外側に引き出した状態で外装体を密封することで、電気二重層キャパシタとすることができる。
【0044】
[第2実施形態]
以下の説明では、上記第1実施形態と同一の構成部材には、同一符号を付すのみで、その説明を省略または簡略化する。
図4には、本発明の第2実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極体2が示されている。
本実施形態では、各電極10,11の周縁12Aに沿って、各正極リード部10Aが段状に配設され、この周縁12Aと相対向する周縁12Bに沿って、各負極リード部11Aが段状に配設されている以外は、上記第1実施形態と同様の構造である。
【0045】
すなわち、本実施形態でも、各電極10,11を積層することで、周縁12A上における基端10Bの位置を異にする各正極リード部10Aが、周縁方向Lに沿って互いにずれて、各電極10,11の積層方向に段を形成するように(段状)に配設され、周縁12B上における基端11Bの位置を異にする各負極リード部11Aが、周縁方向Lに沿って互いにずれて、各電極10,11の積層方向に段を形成するように(段状)に配設され、結果として、正負極リード部10A,11Aの一枚一枚が段状構造の一段一段をなしている。
また、各正極リード部10Aは、それぞれ隣り合う正極リード部10Aのみとその一部分が重なり合うように配設され、各負極リード部11Aは、それぞれ隣り合う負極リード部11Aのみとその一部分が重なり合うように配設されている。
【0046】
[第3実施形態]
以下の説明では、上記第1実施形態と同一の構成部材には、同一符号を付すのみで、その説明を省略または簡略化する。
図5には、本発明の第3実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極体3が示されている。
本実施形態では、各電極10,11の周縁12Aに沿って、各正極リード部10Aが段状に配設され、この周縁12Aと隣り合う周縁12Cに沿って、各負極リード部11Aが段状に配設されている以外は、上記第1実施形態と同様の構造である。
【0047】
すなわち、本実施形態でも、各電極10,11を積層することで、周縁12A上における基端10Bの位置を異にする各正極リード部10Aが、周縁方向L1に沿って互いにずれて、各電極10,11の積層方向に段を形成するように(段状)に配設され、周縁12C上における基端11Bの位置を異にする各負極リード部11Aが、周縁方向L2に沿って互いにずれて、各電極10,11の積層方向に段を形成するように(段状)に配設され、結果として、正負極リード部10A,11Aの一枚一枚が段状構造の一段一段をなしている。
また、各正極リード部10Aは、それぞれ隣り合う正極リード部10Aのみとその一部分が重なり合うように配設され、各負極リード部11Aは、それぞれ隣り合う負極リード部11Aのみとその一部分が重なり合うように配設されている。
【0048】
以上で説明した第2,第3実施形態のように、各電極リード部10A,11Aを相対向する2縁12A,12B上や、隣り合う2縁12A,12C上に配設することで、1つの周縁(電極一辺)の全長に亘って、正極リード部10A、負極リード部11Aを配設できるから、各電極10,11を最大限に積層することができる。さらに、各電極リード部10A,11Aに接合された各電極端子板13,14が補強体として機能することになるから、外装ケースに挿入する際に、電極の折れ、破損等を防止することができる。
以上のように構成される第2,第3実施形態の電極体2,3も、負極11の積層に際して、負極リード部11Aの向きを正極リード部10Aに対向する側、または直交する側に変更する以外は、上述した第1実施形態と同様にして製造できる。
【0049】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。
例えば、上記各実施形態では、正負極リード部10A,11Aの一枚一枚が段状構造の一段一段をなしている構成とされていたが、これに限定されるものではない。
【0050】
すなわち、図6に示されるように、各正極リード部10Aが、各正極10の周縁12に沿う方向Lにおける基端10Bの位置を同一にする複数の正極リードブロック10Cに分割され、かつ、これら各正極リードブロック10Cの隣り合う各ブロックの基端10Dが、各正極10の周縁12に沿う方向Lに互いにずれて配設されるとともに、各負極リード部11Aが、各負極11の周縁12に沿う方向Lにおける基端11Bの位置を同一にする複数の負極リードブロック11Cに分割され、かつ、これら各負極リードブロック11Cの隣り合う各ブロック11Cの基端11Dが、各負極11の周縁12に沿う方向Lに互いにずれて配設される構造を採用してもよい。
【0051】
図6の態様では、各電極リード部10A,11Aが、それぞれ2個ずつに分割されて電極リードブロック10C,11Cを構成し、これらの各電極リードブロック10C,11Cの同極同士が、それぞれ基端10D,11Dを電極10,11の周縁方向Lに沿って、互いにずらして配設されている。
この場合、上記各実施形態と同様に、各電極10,11の積層方向Hに段差が形成されることになるが、電極リードブロック10C,11Cの一個一個が、段状構造の一段一段に対応することになる。
【0052】
また、上記各実施形態では、各電極リード部10A,11Aが、それぞれ隣接する電極リード部10A,11Aのみと、重層されていたが、これに限られず、各電極リード部が互いに重層しない(電極リード部間に隙間が空いている)構造や、2枚以上の電極リード部と重層される構造を採用することもできる。
さらに、各電極リード部10A,11Aがそれぞれ各電極10,11と一体成形されていたが、これに限られず、別体として成形した電極リード部を、溶接等の公知の固定手段で、電極に接合するものでもよい。
その他、電極体を構成する各部材の個数、形状、材質等についても、上述の例に限られず、本発明の目的を達成できる限りにおいて、適宜変更することができる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
[1]正負極の作成
活性炭(MSP−20、関西熱化学(株)製)、導電材(デンカブラック HS100、電気化学工業(株)製)、および結着剤(PVdF900、呉羽化学(株)製)を、活性炭:導電剤:結着剤=100:3:5の配合比(活性炭100に対する配合比(質量比))で混合して得られた充填物質と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(一級品、片山化学工業(株)製)を、充填物質:NMP=100:212.5(質量比)の割合で混合して電極スラリーを得た。
この電極スラリーを、Al/AlOXシート(30CB、日本蓄電器工業(株)製)(250mm×150mm×0.030mm)の両面に幅100mm、乾燥後の塗布厚が片面0.070mmになるように塗布後、乾燥(80℃)、圧延(充填密度、約0.7g/cm3)して電極シートを得た。
【0054】
この電極シートから、電極塗布部が100mm×100mmであり、周縁の一隅部を基端としてリード部(20mm×20mm)が付いた矩形状の電極5枚を裁断した。さらに同電極シートから、上記一隅部から基端が10mmずれた位置にリード部がついた電極を5枚、20mmずれた位置にリード部がついた電極を5枚裁断し、それら15枚を正極とした。同様にして、同一周縁の対となる一隅部からリード部基端の位置が0mm、10mm、20mmとなるようにそれぞれ5枚ずつ電極を裁断し、それらを負極とした。
【0055】
[2]電極体および電気二重層キャパシタの作製
セルロースセパレータ(厚さ0.035mm、FT40−35、日本高度紙工業(株)製)を106×103mmに裁断したもの2枚を介して、上述のようにして作成した正負極を交互に積層した。この際、正負極毎に基端位置の等しい5枚のリードブロックが積層方向に段差が形成される階状構造になるように、かつ同一周縁上に正負極リード部が並ぶように積層した(図7参照)。
これら電極体の正負極リード部群の片面と、Al製端子板(40mm×50mm×0.1mm)とを超音波溶接にてそれぞれ溶着し、正極15枚、負極15枚、セパレータ58枚の電気二重層キャパシタ用電極体を得た。得られた電極体を、電解質とともに、ラミネートパッキングして電気二重層キャパシタを得た。
【0056】
[実施例2]
実施例1で得られた電極シートから、電極塗布部が100mm×100mmであり、周縁の一隅部を基端として電極リード部(20mm×20mm)がついた矩形状の電極2枚を裁断した。さらに、同電極シートから、上記一隅部から基端が5.7mmずつずらされた位置にリード部が付いた電極をそれぞれ1枚ずつ13枚裁断し、それら15枚を正極とした。同様にして、正極周縁と相対向する周縁に、正極と等しいずれ幅のリード部をもつ矩形状の電極15枚を裁断し、負極とした。
【0057】
これらを実施例1と同様に、セルロースセパレータ2枚を介して、各電極がそれぞれずれて1枚1枚(端部のみ2枚)が積層方向に段を形成するように積層し、かつ相対する2周縁上に正負極リード部が並ぶように積層した(図8参照)。これら電極の正負極リード部群の片面と、Al製端子板とを超音波溶接にてそれぞれ溶着し、正極15枚、負極15枚、セパレータ58枚の電気二重層キャパシタ用電極体を得た。得られた電極体を、電解質とともに、ラミネートパッキングして電気二重層キャパシタを得た。
【0058】
[比較例1]
実施例1で得られた電極シートを、電極塗布部が100mm×100mmであり、周縁の一隅部を基端としてリード部(20mm×20mm)がついた矩形状の電極体30枚を裁断し、15枚を正極に、15枚を負極にした。これらを実施例1と同様のセルロースセパレータ2枚を介し、正負極を交互に、かつ同一周縁上に正負極リード部が並ぶように積層した。これら電極体の正負極リード部群の片面と、Al製端子板(20mm×50mm×0.1mm)とを超音波溶接にてそれぞれ溶着し、正極15枚、負極15枚、セパレータ58枚の電気二重層キャパシタ用電極体を得た。得られた電極体を、電解質とともに、ラミネートパッキングして電気二重層キャパシタを得た。
【0059】
上記各実施例、比較例で得られた電気二重層キャパシタ用電極体および電気二重層キャパシタについて、ESR、サイクル特性、端子板の溶接のし易さ、電極リード部の基端から溶接端部までの距離をそれぞれ測定、評価し、結果を表1に示した。
ここで、各項目は、以下の方法により、測定、評価した。
【0060】
[1]ESR
バッテリーテスタ(3550、HIOKI製)を用い、1kHz、100mAで測定した。
[2]サイクル特性
下記サイクルを5,000回行った後の静電容量の割合を測定した。
充電:750mA,2.5V、1mA終止(70℃)
電圧保持時間:30分(70℃)
放電:750mA,0.0V終止(70℃)
【0061】
[3]溶接のし易さ(溶接容易性)
溶接の条件と、溶接部断面の金属顕微鏡観察より、次の3段階評価を行った。
◎:一回で溶接が可能で、完全に溶着している
○:一回で溶接が可能で、溶着している
×:溶着が不完全
[4]基端から溶接端部までの距離
最外層の電極について、電極基端から溶接端部までの最短距離を計測した。
【0062】
【表1】
【0063】
表1に示されるように、電極リード部を段状に配設した電極体を備えた実施例1,2の電気二重層キャパシタは、比較例と比べて、同一の電極積層枚数でも抵抗が低く、サイクル特性も良好であることがわかる。また、製造時に電極リード部と端子板との溶接がし易く、デッドスペースが少なくなっていることがわかる。
【0064】
【発明の効果】
本発明の電気二重層キャパシタ用電極体によれば、正極および負極の積層枚数を多くすることができ、また積層枚数多くなっても溶着される厚みを小さく抑えられるので、容易に、かつ、確実に各極リード部と端子板とを溶着できるとともに、端子板との溶接時の溶着面積を大きく取ることができ、大電流放電に対応し得る電気二重層キャパシタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極体を示す上面図である。
【図2】図1の実施形態における電極の積層状態を示す斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極体を示す上面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極体を示す上面図である。
【図6】本発明の変形例に係る電気二重層キャパシタ用電極体の電極の積層状態を示す図3相当の断面図である。
【図7】実施例1で得られた電気二重層キャパシタ用電極体の部分上面図である。
【図8】実施例2で得られた電気二重層キャパシタ用電極体の部分上面図である。
【符号の説明】
1,2,3 電気二重層キャパシタ用電極体
10 正極
10A 正極リード部
11 負極
11A負極リード部
10B,11B 基端
10C 正極リードブロック
11C 負極リードブロック
10D,11D ブロックの基端
12,12A,12B,12C 周縁
13 正極端子板
13A 正極端子板溶着部
14 負極端子板
14A 負極端子板溶着部
15 セパレータ
L,L1,L2 周縁方向
H 積層方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気二重層キャパシタ用電極体および電気二重層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種蓄電デバイスの1つとして、急速充電が可能であるとともに、充放電サイクル寿命が長い電気二重層キャパシタが注目されている。
この電気二重層キャパシタは、活性炭粉末に電解液を浸み込ませ、活性炭と電解液との界面にできる電気二重層の静電容量を利用したキャパシタであり、一般に、正極および負極、並びにこれら両極間に介在するセパレータからなる電極体と、電解質とを備えて構成されている。
【0003】
このような、電気二重層キャパシタにおける電極体の具体的構造として、従来、下記の構造が知られている。
(1)巻回型(特許文献1:特開2000−315627号公報参照)
両電極を一体に巻回した構造であり、電極面積を広く取ることができるという利点がある。
(2)積層型(特許文献2:特開2002−299291号公報参照)
正極および負極をこれら両極間にセパレータを介在させて交互に積層した構造であり、製品形状が直方体に近くなるため、大電流に対応でき、各極に設けられたリード部のずれが少ないという利点がある。
【0004】
(3)改良積層型1(特許文献3:特開2002−299291号公報参照)各正極および負極リード部の同極同士の重層部を複数組に分割するとともに、複数組の重層部にこれらが端子板との接合部位を分け与えるようにカット部を形成してなる構造であり、単なる積層型よりも正極および負極の積層数を多くでき、充放電容量を大きくできるという利点がある。
(4)改良積層型2(特許文献4:特開2000−200738号公報参照)各正極および負極の電流取り出し部を電極横方向の周辺に設けてなる構造であり、タブずれが少なく、電極の存在しないデッドボリュームが少なくなるため、充放電容量を増加できるとともに、抵抗を低くできるという利点がある。
【0005】
しかしながら、上記(1)巻回型の電極体では、大電流に対応する場合、多数の電流取り出し用のタブを取り付ける必要があるが、タブずれの発生を防止するためには、タブの取付間隔を厳密に調節する必要が生じ、組立操作が煩雑となるという問題がある。
上記(2)積層型の電極体では、各集電用箔にリード部を設け、同極同士のリード部と、正負極各端子板とを溶接により溶着する構造であるため、電極の積層数が大きくなると、多数の集電用箔を確実に溶接することが困難になるのみならず、溶着されている面積が小さいため、大電流放電時に大きな抵抗になるという問題がある。
【0006】
上記(3)改良積層型1の電極体では、接合部位を分け合う用にリード部をカットしたところで、積層枚数を2倍まで大きくするのが限界である。また、溶接の面積は単なる積層型よりもさらに小さくなり、抵抗が大きくなるという問題がある上、電極上部に存在するデッドボリュームの問題も解決されていない。
上記(4)改良積層型2の電極体では、電極層ごとに別部材のリード部材を溶接する必要があり、凹凸が増えるため短絡の危険性が高まるとともに、製造工程が煩雑になるという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−315627号公報
【特許文献2】
特開2002−299291号公報
【特許文献3】
特開2002−280269号公報
【特許文献4】
特開2000−200738号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、正極および負極の積層枚数を増やすことができるとともに、積層枚数が多くなっても確実に各極リード部と端子板とを溶着でき、充放電容量が大きく、大電流放電に適応可能な電気二重層キャパシタ用電極体およびこれを用いた電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気二重層キャパシタ用電極は、複数の正極および負極がこれら各電極間にセパレータを介して交互に積層されるとともに、各電極の周縁の一部を基端として各電極平面と略同一平面上に延出するように配設された各正極リード部および各負極リード部の少なくとも一部がそれぞれ正極端子板および負極端子板に接合されてなる電気二重層キャパシタ用電極体であって、正極リード部が電極の周縁に沿って段状に配設されるとともに、負極リード部が電極の周縁に沿って段状に配設されることを特徴とするものである。
【0010】
本発明において、正負極に配設される各リード部は、正負極と一体成形されていてもよく、正負極とは別体のリード部を溶接等の固定手段により取り付けるものでもよいが、打ち抜き等により容易に成形でき、しかも電極とリード部間の抵抗を小さくできることから、電極とリード部とは一体成形されているものであることが好ましい。なお、リード部の形状は、特に限定されるものではないが、成形の容易さや、端子板との接合の容易さなどを考慮すると、平面矩形状とすることが好ましい。
【0011】
また、正負極リード部が「段状に配設」されるとは、電極の周縁に沿って、かつ、電極の積層方向に次第に上下する段差が形成されるように配設されるものであれば特に限定はなく、例えば、リード部一枚一枚が段状構造の一段一段に対応するように各リード部を配設するものや、複数枚のリード部を、その基端位置が同一になるように重層してなるブロックを複数個電極周縁に沿うように、かつ、このブロック一個一個が段状構造の一段一段に対応するように配設するものなどを採用することができる。
【0012】
本発明によれば、正極リード部および負極リード部がそれぞれ電極周縁に沿って段状に配設されているから、正負極の各リード部が重層されている場合に比べて、各リード部における積層方向に重複する部分の厚みをなくす、または格段に薄くすることができる。このため、積層枚数が多くなっても溶着される部分の厚みを薄くできるので、正極および負極の積層枚数を従来の電極体よりも多くすることができる。また、溶着部位の厚みが薄いことから、各極リード部と端子板とを容易に、かつ、確実に溶着できるとともに、端子板との溶接時の溶着面積を大きく取ることができるので、抵抗が小さく、大電流放電に対応し得る電気二重層キャパシタを得ることができる。
【0013】
また、電極リード部が重層されている場合よりも、電極平面に対して水平方向に延出して配設される電極リード部の長さを短くすることができるので、電極体をよりコンパクトにすることができる。
さらに、電極の存在しないデッドボリュームを少なくすることができるので、キャパシタユニットの充填密度を高め、充放電容量を高めることができる。
【0014】
以上で説明した電気二重層キャパシタ用電極体において、各正極リード部の隣り合う各リード部の基端が、各正極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設されるとともに、各負極リード部の隣り合う各リード部の基端が、各負極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設される構造を採用することができる。
この場合は、各電極リード部において、隣り合う各リード部の基端が電極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設される結果、全てのリード部一枚一枚が、電極周縁に沿ってずれた状態で配設される、つまり、リード部の一枚一枚が段状に配設されるリード部全体において、一段一段に対応するような構造となる。
【0015】
このような各電極リード部を互いにずらして配設する構造を採用することで、正負各電極リード部における積層方向に重複する部分の厚みをより一層薄くすることができる。したがって、より一層電極の積層枚数を多くすることができるから、極めて大電流放電が要求される電気二重層キャパシタ用の電極体として好適に用いることができる。
また、電極の存在しないデッドボリュームを極めて少なくすることができるので、キャパシタユニットの充填密度および充放電容量をより一層高めることができる。
【0016】
ここで、上記隣接する各電極リード部をずらして配設する態様としては、電極全体を積層方向(上下方向)から見た場合に、各電極リード部間に隙間が空いているものと、各電極リード部の一部が重なっているものとが考えられるが、各正極リード部の少なくとも隣り合う各リード部の一部分が互いに重なり合うように配設されるとともに、各負極リード部の少なくとも隣り合う各リード部の一部分が互いに重なり合うように配設されることが好ましい。
このように、電極リード部の一部分が互いに重なり合う構造とすることで、端子板と接合する際に、電極リード部同士に重層部位が生じるため、全ての電極リード部をより確実に端子板に接合でき、短絡等の発生をより確実に防止できる。
【0017】
なお、重層部分は、少なくとも隣接する(2枚の)各電極リード部が重なり合う構造であれば、それ以上の枚数の電極リード部が重なり合う構造であっても構わないが、重層部分の厚みをより薄くして電極の積層枚数を増加させるという点から、隣接する電極リード部のみ重なり合う構造、すなわち、重層部分の全てにおいて、その厚みが電極リード部2枚分の厚みとなるような構造を採用することが好ましい。
【0018】
さらに、各正極リード部の全リード部が、正極端子板に接合されるとともに、各負極リード部の全リード部が、負極端子板に接合される構造とすることが好ましい。
上述したように、従来の積層型等の電極体では、電極リード部をそれぞれ電極積層方向に重層し、これを上下から端子板で挟んで溶着していたため、積層枚数が多くなると、全ての電極リード部を確実に溶着することが困難になる上、積層方向の中央近傍にある電極と、上下端近傍にある電極とでは、端子板までの距離に違いが生じるのみならず、中央近傍では電極リード部が直接端子板に接触しない場合も生じ、さらに、溶着面積も小さいため、大電流放電時に大きな抵抗が生じるという問題があった。そして、各極リード部と端子板との距離が不均等であると、積層された正負電極対間にかかる電流負荷に偏りが発生し、電気二重層キャパシタの耐久性が低くなる等の問題もあった。
【0019】
ここでは、各電極リード部を電極周縁方向に互いにずらして段状に配設した上で、各電極リード部を各極端子板に接合しているから、正負各極のリード部の全てを、それぞれ正負各極端子板に容易に溶着することができる。また、この場合、積層方向の位置に関わらず、端子板と接触しない電極が存在しなくなるとともに、各電極と端子板との距離が均等に近くなる上、全リード部を端子板と接合することで、リード部と端子板との溶着面積を最大限に取ることができるから、大電流放電時の抵抗を著しく小さくすることができ、耐久性の高い電気二重層キャパシタを得ることができる。
【0020】
また、本発明の電気二重層キャパシタ用電極体において、各正極リード部が、各正極の周縁に沿う方向における基端位置を同一にする複数の正極リードブロックに分割され、かつ、これら各正極リードブロックの隣り合う各ブロックの基端が、各正極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設されるとともに、各負極リード部が、各負極の周縁に沿う方向における基端位置を同一にする複数の負極リードブロックに分割され、かつ、これら各負極リードブロックの隣り合う各ブロックの基端が、各負極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設される構造を採用することもできる。
【0021】
この場合は、上述した正負各極のリード部一枚一枚を電極周縁方向にずらして配設するのとは異なり、電極リード部全体を、複数枚の電極リード部を各電極周縁に沿う方向における基端位置を同一にして重層してなる電極リードブロック複数個に分割して構成するとともに、隣り合う各リードブロックをそれらの基端を電極周縁に沿う方向に互いにずらして配設することになる。したがって、全ての電極リードブロックが、互いに電極周縁に沿ってずれた状態で配設される、つまり、電極リードブロックの一個一個が段状に配設されるリード部全体の一段一段に対応するような構造となる。
【0022】
なお、各電極リードブロックにおける電極リード部の重層枚数は、特に限定されるものではなく、同一の枚数でも、異なる枚数でもよいが、端子板への接続をより確実にするために、同一の枚数とすることが好ましい。また、電極リード部の重層枚数を異なるものとする場合、一部の電極リードブロックについては、一枚の電極リード部のみからなるものを含んでいてもよい。
【0023】
先に説明した、各電極リード部を一枚一枚ずらして配設する構造では、電極リード部の位置が全て異なるため、打ち抜き等により電極および電極リード部を一体成形する場合、それぞれに対応した型が必要となる。これに対して、各電極リード部を、複数個の電極リードブロックに分割する場合には、各電極リードブロックを構成する電極リード部を同一形状とすることができるから、積層枚数を増大させても、必要とする型は、各電極リード部をずらして配設する場合よりも、少なくて済むという利点がある。
【0024】
また、このように電極リードブロックを採用する場合でも、各正極リードブロックの少なくとも隣り合う各ブロックの一部分が互いに重なり合うように配設されるとともに、各負極リードブロックの少なくとも隣り合う各ブロックの一部分が互いに重なり合うように配設されることが好ましい。
このような構造とすることで、前述同様、端子板と接合する際に、電極リード部同士に重層部位が生じるため、全ての電極リード部を確実に端子板に接合でき、短絡等の発生をより確実に防止できる。なお、重層部分については、少なくとも隣り合う各ブロックの一部分が重なり合っていれば、特に限定はないが、隣接する電極リードブロックのみ重なり合う構造とすることが好ましい。
【0025】
さらに、各正極リードブロックの全ブロックが、正極端子板に接合されるとともに、各負極リードブロックの全ブロックが、負極端子板に接合されることが好ましい。
このような構造とすることで、各電極リードブロックと端子板との距離が均等に近くなる上、全リードブロックを端子板と接合することで、リードブロックと端子板との溶着面積を最大限に取ることができるから、大電流放電時の抵抗を小さくすることができる。
【0026】
以上で説明した電気二重層キャパシタ用電極体において、正極および負極は、平面矩形状であることが好ましい。
このように各電極を平面矩形状に形成した場合においては、各正極リード部および各負極リード部を、平面矩形状に形成された正負極周縁の同一周縁に沿って配設する構造を採用することができる。
【0027】
この場合には、正負各極の電極リード部全てが、平面矩形状電極の同一周縁上に配設され、かつ、同一周縁上で正負極各端子板が接合されることになるから、電気二重層キャパシタ用電極体全体をコンパクトにすることができる。その一方で、平面矩形状電極の同一周縁上という狭い範囲に正負両極の電極リード部全てが配設されることになるから、これらが配設される電極の周縁の長さおよび電極リード部の大きさ(周縁方向の幅)によっては、電極リード部を単に重層するのと比べて電極の積層枚数が少なくなる可能性もある。
【0028】
このため、各正極リード部を平面矩形状に形成された正負極周縁の相対向する2周縁の一方の周縁に沿って配設し、負極リード部を相対向する2周縁の他方の周縁に沿って配設する構造や、各正極リード部を平面矩形状に形成された正負極周縁の隣り合う2周縁の一方の周縁に沿って配設し、負極リード部を隣り合う2周縁の他方の周縁に沿って配設する構造を採用することが好ましい。なお、隣り合う2周縁とは、平面矩形状電極の4つの周縁における1点を共有する2周縁を意味する。
【0029】
このように、平面矩形状電極の1つの周縁上に正極リード部のみを、他の1つの周縁上に負極リード部のみを配設することで、1つの周縁の全長に亘って、正極リード部または負極リード部を配設できるから、電極を最大限に積層することができるようになり、大電流放電が要求される電気二重層キャパシタ用電極体として極めて適したものとなる。
【0030】
特に、平面矩形状電極の相対向する2つの周縁にそれぞれ正極リード部および負極リード部を配設する構造を採用すれば、これらに接合された各電極端子板が電極体の両側に位置する結果、これらが補強体として機能することになるから、外装ケースに挿入する際に、電極の折れ、破損等を防止することができる。
なお、平面矩形状電極を用いる場合、段状に配設される電極リード部としては、特に限定されるものではなく、前述した電極リード部を一枚一枚ずらして配設する構造、各電極リード部から電極リードブロックを構成し、各電極リードブロックを一個一個ずらして配設する構造のどちらを採用することもできる。
【0031】
なお、本発明の電極体において、正負極の各リード部と各電極端子板との溶着方法は、重層されたリード部群を両側から2枚の端子板で挟んで溶着する方法、重層されたリード部群の略中間部に1枚の端子板を挿入して溶着する方法、重層されたリード部群のどちらか一方の側に1枚の端子板を溶着する方法のいずれを採用することもできるが、端子板の位置決めや溶接のし易さから、重層されたリード部群のどちらか一方の側に1枚の端子板を溶着することが好ましい。
【0032】
本発明に係る電気二重層キャパシタは、複数の正極および負極がこれら各極間にセパレータを介して交互に積層されるとともに、各正極および各負極に設けられた各正極リード部および各負極リード部の少なくとも一部がそれぞれ正極端子板および負極端子板に接合されてなる電極体と、電解質と、これらの電極体および電解質を収容する外装体と、を備えて構成される電気二重層キャパシタであって、電極体として、上述した正負各電極リード部が、電極の周縁方向に沿って階段状に配設された電極体を用いるものである。
【0033】
このような電気二重層キャパシタによれば、上述した電極体を用いているから、電極の存在しないデッドボリュームを少なくでき、キャパシタユニットの充填率を高めることができ、その結果、充放電容量を高めることができる。また、従来の電極体よりも、電極の積層枚数を極めて多くすることができるため、この点からも充放電容量を高めることができ、その結果、大電流放電に充分に対応することができる。
【0034】
なお、本発明の電気二重層キャパシタにおける電極体以外の、セパレータ、電解質、外装体などのその他のキャパシタ構成要素については特に限定されるものではなく、従来公知のセパレータ、電解質、外装体などを任意に選択して用いることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態について説明する。
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極体1が示されている。電極体1は、複数の略平面矩形状の正極10および負極11(図2,3参照)と、これら各電極10,11間に介在するセパレータ15(図2,3参照)と、各電極10,11の一部を基端10B,11Bとして、それぞれ一体形成された各正極リード部10Aおよび各負極リード部11Aの全てに、それぞれ溶着部13A,14Aで接合される正極端子板13および負極端子板14とを備えて構成されている。
【0036】
ここで、正極10は、例えば、アルミニウム箔等の集電体上に、炭素質材料およびバインダーポリマーを含んで構成される電極組成物を塗布して構成されている。一方、負極11は、例えば、アルミニウム箔等の集電体上に、同じく炭素質材料およびバインダーポリマーを含んで構成される電極組成物を塗布して構成されている。これら、各電極10,11は、各電極10,11の周縁12の一部を基端10B,11Bとして、この基端10B,11Bから電極平面と略同一平面上に延出するように、それぞれ正極リード部10A、負極リード部11Aが一体に形成されている。
【0037】
各正極10は、これらを積層した際に、隣接する正極10において各正極リード部10Aが互いに周縁方向L(図2,3参照)に沿ってずれて配設されるように、予め周縁12上における基端10Bの位置をそれぞれ異にして形成されている。また、各負極11についても、同じく隣接する負極11において各負極リード部11Aが互いに周縁方向Lに沿ってずれて配設されるように、予め周縁12上における基端11Bの位置をそれぞれ異にして形成されている。
【0038】
正負極各端子板13,14は、例えば、アルミニウム等の金属から構成され、それぞれ各正極リード部10A全体および各負極リード部11A全体を、電極10,11の積層方向(図1中紙面に対して垂直方向)外側から挟持するとともに、それぞれ溶着部13A,14Aにより各電極リード部10A,11Aと溶接等により溶着され一体化されている。この場合、各端子板13,14は、それぞれ対応する電極リード部10A,11Aの全てと接合されているから、各電極10,11と端子板13,14との距離が均等に近くなる上、各電極リード部10A,11Aと端子板13,14との溶着部13A,14Aの面積を最大限に取ることができるから、大電流放電時の抵抗を著しく小さくすることができる。
また、セパレータ15は、正極10および負極11が接触して短絡するのを防止する作用を発揮するものであり、例えば、セルロース等から構成することができる。本実施形態においては、セパレータ15は、電極リード部10A,11Aを除いた略平面矩形状の電極10,11と略同一形状に形成され、正負各極10,11間に挟み込まれている。
【0039】
このように構成される電極体1は、図2および図3に詳細に示されるように、各電極10,11を積層することで、周縁12上における基端10Bの位置を異にする各正極リード部10Aが、周縁方向Lに沿って互いにずれて、かつ、各電極10,11の積層方向Hに段を形成するように(段状)に配設される。この結果、各正極リード部10Aの一枚一枚が段状構造の一段一段をなしている。一方、各負極リード部11Aについても、正極リード部11Bと同様に、周縁12上における基端11Bの位置を異にする各負極リード部11Aが、周縁方向Lに沿って互いにずれて、各電極10,11の積層方向Hに段を形成するように(段状)に配設され、各負極リード部11Aの一枚一枚が段状構造の一段一段をなしている。
【0040】
これにより、正負各電極リード部10A,11Aにおける積層方向Hに重複する部分の厚みを極めて薄くすることができ、電極10,11の積層枚数を多くすることができるから、大電流放電が要求される電気二重層キャパシタ用の電極体1として好適に使用できる。また、電極10,11の存在しないデッドボリューム(例えば、全正極リード部10Aと全負極リード部11Aとの間の空間)を極めて少なくすることができるので、キャパシタユニットの充填密度を高くすることができる。
【0041】
また、この際、各正極リード部10Aは、それぞれ隣り合う正極リード部10Aのみとその一部分が重なり合うように配設され、各負極リード部11Aは、それぞれ隣り合う負極リード部11Aのみとその一部分が重なり合うように配設されている。したがって、積層方向Hから電極体1を見た場合に、各正極リード部10A同士間および各負極リード部11A同士間には隙間が形成されないことになる。
これにより、正極リード部10A同士および負極リード部11A同士に重層部分が生じるため、各電極リード部10A,11Aをより確実に端子板13,14に接合でき、短絡等の発生をより確実に防止できる。さらに、各電極10,11とも、隣接する電極リード部10A,11Aのみが重なり合う構造であるから、重層部分の厚さが最小となり、より多くの電極10,11を積層するのに好適であるとともに、端子板13,14との接合も容易である。
【0042】
以上説明した電極体1は、例えば、次のようにして製造される。
まず、アルミニウム箔等の正極集電体上に炭素質材料およびバインダーポリマーを含む組成物を塗布した後、乾燥・圧延する。これを、各正極リード部10Aの基端10Bに応じて構成された型により打ち抜き、各正極リード部10Aを有する正極10を得る。一方、アルミニウム箔等の負極集電体上に炭素質材料およびバインダーポリマーを含む組成物を塗布した後、同様の型により打ち抜いて、各負極リード部11Aを有する負極11を得る。
【0043】
得られた正極10および負極11間にセルロース等から構成されるセパレータ15を介在させるとともに、各電極リード部10A,11Aが、それぞれ段状構造になるように各正極10および負極11を積層する。そして、正極リード部10Aおよび負極リード部11Aの積層方向Hの両側または片側から、それぞれ正極端子板13および負極端子板14を取り付けた後、これらを溶接により溶着し、電極体1を得る。
なお、この電極体を、電解質とともに、外装体(図示略)に装填した後、各電極端子板を外側に引き出した状態で外装体を密封することで、電気二重層キャパシタとすることができる。
【0044】
[第2実施形態]
以下の説明では、上記第1実施形態と同一の構成部材には、同一符号を付すのみで、その説明を省略または簡略化する。
図4には、本発明の第2実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極体2が示されている。
本実施形態では、各電極10,11の周縁12Aに沿って、各正極リード部10Aが段状に配設され、この周縁12Aと相対向する周縁12Bに沿って、各負極リード部11Aが段状に配設されている以外は、上記第1実施形態と同様の構造である。
【0045】
すなわち、本実施形態でも、各電極10,11を積層することで、周縁12A上における基端10Bの位置を異にする各正極リード部10Aが、周縁方向Lに沿って互いにずれて、各電極10,11の積層方向に段を形成するように(段状)に配設され、周縁12B上における基端11Bの位置を異にする各負極リード部11Aが、周縁方向Lに沿って互いにずれて、各電極10,11の積層方向に段を形成するように(段状)に配設され、結果として、正負極リード部10A,11Aの一枚一枚が段状構造の一段一段をなしている。
また、各正極リード部10Aは、それぞれ隣り合う正極リード部10Aのみとその一部分が重なり合うように配設され、各負極リード部11Aは、それぞれ隣り合う負極リード部11Aのみとその一部分が重なり合うように配設されている。
【0046】
[第3実施形態]
以下の説明では、上記第1実施形態と同一の構成部材には、同一符号を付すのみで、その説明を省略または簡略化する。
図5には、本発明の第3実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極体3が示されている。
本実施形態では、各電極10,11の周縁12Aに沿って、各正極リード部10Aが段状に配設され、この周縁12Aと隣り合う周縁12Cに沿って、各負極リード部11Aが段状に配設されている以外は、上記第1実施形態と同様の構造である。
【0047】
すなわち、本実施形態でも、各電極10,11を積層することで、周縁12A上における基端10Bの位置を異にする各正極リード部10Aが、周縁方向L1に沿って互いにずれて、各電極10,11の積層方向に段を形成するように(段状)に配設され、周縁12C上における基端11Bの位置を異にする各負極リード部11Aが、周縁方向L2に沿って互いにずれて、各電極10,11の積層方向に段を形成するように(段状)に配設され、結果として、正負極リード部10A,11Aの一枚一枚が段状構造の一段一段をなしている。
また、各正極リード部10Aは、それぞれ隣り合う正極リード部10Aのみとその一部分が重なり合うように配設され、各負極リード部11Aは、それぞれ隣り合う負極リード部11Aのみとその一部分が重なり合うように配設されている。
【0048】
以上で説明した第2,第3実施形態のように、各電極リード部10A,11Aを相対向する2縁12A,12B上や、隣り合う2縁12A,12C上に配設することで、1つの周縁(電極一辺)の全長に亘って、正極リード部10A、負極リード部11Aを配設できるから、各電極10,11を最大限に積層することができる。さらに、各電極リード部10A,11Aに接合された各電極端子板13,14が補強体として機能することになるから、外装ケースに挿入する際に、電極の折れ、破損等を防止することができる。
以上のように構成される第2,第3実施形態の電極体2,3も、負極11の積層に際して、負極リード部11Aの向きを正極リード部10Aに対向する側、または直交する側に変更する以外は、上述した第1実施形態と同様にして製造できる。
【0049】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。
例えば、上記各実施形態では、正負極リード部10A,11Aの一枚一枚が段状構造の一段一段をなしている構成とされていたが、これに限定されるものではない。
【0050】
すなわち、図6に示されるように、各正極リード部10Aが、各正極10の周縁12に沿う方向Lにおける基端10Bの位置を同一にする複数の正極リードブロック10Cに分割され、かつ、これら各正極リードブロック10Cの隣り合う各ブロックの基端10Dが、各正極10の周縁12に沿う方向Lに互いにずれて配設されるとともに、各負極リード部11Aが、各負極11の周縁12に沿う方向Lにおける基端11Bの位置を同一にする複数の負極リードブロック11Cに分割され、かつ、これら各負極リードブロック11Cの隣り合う各ブロック11Cの基端11Dが、各負極11の周縁12に沿う方向Lに互いにずれて配設される構造を採用してもよい。
【0051】
図6の態様では、各電極リード部10A,11Aが、それぞれ2個ずつに分割されて電極リードブロック10C,11Cを構成し、これらの各電極リードブロック10C,11Cの同極同士が、それぞれ基端10D,11Dを電極10,11の周縁方向Lに沿って、互いにずらして配設されている。
この場合、上記各実施形態と同様に、各電極10,11の積層方向Hに段差が形成されることになるが、電極リードブロック10C,11Cの一個一個が、段状構造の一段一段に対応することになる。
【0052】
また、上記各実施形態では、各電極リード部10A,11Aが、それぞれ隣接する電極リード部10A,11Aのみと、重層されていたが、これに限られず、各電極リード部が互いに重層しない(電極リード部間に隙間が空いている)構造や、2枚以上の電極リード部と重層される構造を採用することもできる。
さらに、各電極リード部10A,11Aがそれぞれ各電極10,11と一体成形されていたが、これに限られず、別体として成形した電極リード部を、溶接等の公知の固定手段で、電極に接合するものでもよい。
その他、電極体を構成する各部材の個数、形状、材質等についても、上述の例に限られず、本発明の目的を達成できる限りにおいて、適宜変更することができる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
[1]正負極の作成
活性炭(MSP−20、関西熱化学(株)製)、導電材(デンカブラック HS100、電気化学工業(株)製)、および結着剤(PVdF900、呉羽化学(株)製)を、活性炭:導電剤:結着剤=100:3:5の配合比(活性炭100に対する配合比(質量比))で混合して得られた充填物質と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(一級品、片山化学工業(株)製)を、充填物質:NMP=100:212.5(質量比)の割合で混合して電極スラリーを得た。
この電極スラリーを、Al/AlOXシート(30CB、日本蓄電器工業(株)製)(250mm×150mm×0.030mm)の両面に幅100mm、乾燥後の塗布厚が片面0.070mmになるように塗布後、乾燥(80℃)、圧延(充填密度、約0.7g/cm3)して電極シートを得た。
【0054】
この電極シートから、電極塗布部が100mm×100mmであり、周縁の一隅部を基端としてリード部(20mm×20mm)が付いた矩形状の電極5枚を裁断した。さらに同電極シートから、上記一隅部から基端が10mmずれた位置にリード部がついた電極を5枚、20mmずれた位置にリード部がついた電極を5枚裁断し、それら15枚を正極とした。同様にして、同一周縁の対となる一隅部からリード部基端の位置が0mm、10mm、20mmとなるようにそれぞれ5枚ずつ電極を裁断し、それらを負極とした。
【0055】
[2]電極体および電気二重層キャパシタの作製
セルロースセパレータ(厚さ0.035mm、FT40−35、日本高度紙工業(株)製)を106×103mmに裁断したもの2枚を介して、上述のようにして作成した正負極を交互に積層した。この際、正負極毎に基端位置の等しい5枚のリードブロックが積層方向に段差が形成される階状構造になるように、かつ同一周縁上に正負極リード部が並ぶように積層した(図7参照)。
これら電極体の正負極リード部群の片面と、Al製端子板(40mm×50mm×0.1mm)とを超音波溶接にてそれぞれ溶着し、正極15枚、負極15枚、セパレータ58枚の電気二重層キャパシタ用電極体を得た。得られた電極体を、電解質とともに、ラミネートパッキングして電気二重層キャパシタを得た。
【0056】
[実施例2]
実施例1で得られた電極シートから、電極塗布部が100mm×100mmであり、周縁の一隅部を基端として電極リード部(20mm×20mm)がついた矩形状の電極2枚を裁断した。さらに、同電極シートから、上記一隅部から基端が5.7mmずつずらされた位置にリード部が付いた電極をそれぞれ1枚ずつ13枚裁断し、それら15枚を正極とした。同様にして、正極周縁と相対向する周縁に、正極と等しいずれ幅のリード部をもつ矩形状の電極15枚を裁断し、負極とした。
【0057】
これらを実施例1と同様に、セルロースセパレータ2枚を介して、各電極がそれぞれずれて1枚1枚(端部のみ2枚)が積層方向に段を形成するように積層し、かつ相対する2周縁上に正負極リード部が並ぶように積層した(図8参照)。これら電極の正負極リード部群の片面と、Al製端子板とを超音波溶接にてそれぞれ溶着し、正極15枚、負極15枚、セパレータ58枚の電気二重層キャパシタ用電極体を得た。得られた電極体を、電解質とともに、ラミネートパッキングして電気二重層キャパシタを得た。
【0058】
[比較例1]
実施例1で得られた電極シートを、電極塗布部が100mm×100mmであり、周縁の一隅部を基端としてリード部(20mm×20mm)がついた矩形状の電極体30枚を裁断し、15枚を正極に、15枚を負極にした。これらを実施例1と同様のセルロースセパレータ2枚を介し、正負極を交互に、かつ同一周縁上に正負極リード部が並ぶように積層した。これら電極体の正負極リード部群の片面と、Al製端子板(20mm×50mm×0.1mm)とを超音波溶接にてそれぞれ溶着し、正極15枚、負極15枚、セパレータ58枚の電気二重層キャパシタ用電極体を得た。得られた電極体を、電解質とともに、ラミネートパッキングして電気二重層キャパシタを得た。
【0059】
上記各実施例、比較例で得られた電気二重層キャパシタ用電極体および電気二重層キャパシタについて、ESR、サイクル特性、端子板の溶接のし易さ、電極リード部の基端から溶接端部までの距離をそれぞれ測定、評価し、結果を表1に示した。
ここで、各項目は、以下の方法により、測定、評価した。
【0060】
[1]ESR
バッテリーテスタ(3550、HIOKI製)を用い、1kHz、100mAで測定した。
[2]サイクル特性
下記サイクルを5,000回行った後の静電容量の割合を測定した。
充電:750mA,2.5V、1mA終止(70℃)
電圧保持時間:30分(70℃)
放電:750mA,0.0V終止(70℃)
【0061】
[3]溶接のし易さ(溶接容易性)
溶接の条件と、溶接部断面の金属顕微鏡観察より、次の3段階評価を行った。
◎:一回で溶接が可能で、完全に溶着している
○:一回で溶接が可能で、溶着している
×:溶着が不完全
[4]基端から溶接端部までの距離
最外層の電極について、電極基端から溶接端部までの最短距離を計測した。
【0062】
【表1】
【0063】
表1に示されるように、電極リード部を段状に配設した電極体を備えた実施例1,2の電気二重層キャパシタは、比較例と比べて、同一の電極積層枚数でも抵抗が低く、サイクル特性も良好であることがわかる。また、製造時に電極リード部と端子板との溶接がし易く、デッドスペースが少なくなっていることがわかる。
【0064】
【発明の効果】
本発明の電気二重層キャパシタ用電極体によれば、正極および負極の積層枚数を多くすることができ、また積層枚数多くなっても溶着される厚みを小さく抑えられるので、容易に、かつ、確実に各極リード部と端子板とを溶着できるとともに、端子板との溶接時の溶着面積を大きく取ることができ、大電流放電に対応し得る電気二重層キャパシタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極体を示す上面図である。
【図2】図1の実施形態における電極の積層状態を示す斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極体を示す上面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極体を示す上面図である。
【図6】本発明の変形例に係る電気二重層キャパシタ用電極体の電極の積層状態を示す図3相当の断面図である。
【図7】実施例1で得られた電気二重層キャパシタ用電極体の部分上面図である。
【図8】実施例2で得られた電気二重層キャパシタ用電極体の部分上面図である。
【符号の説明】
1,2,3 電気二重層キャパシタ用電極体
10 正極
10A 正極リード部
11 負極
11A負極リード部
10B,11B 基端
10C 正極リードブロック
11C 負極リードブロック
10D,11D ブロックの基端
12,12A,12B,12C 周縁
13 正極端子板
13A 正極端子板溶着部
14 負極端子板
14A 負極端子板溶着部
15 セパレータ
L,L1,L2 周縁方向
H 積層方向
Claims (12)
- 複数の正極および負極がこれら各電極間にセパレータを介して交互に積層されるとともに、前記各電極の周縁の一部を基端として前記各電極平面と略同一平面上に延出するように配設された各正極リード部および各負極リード部の少なくとも一部がそれぞれ正極端子板および負極端子板に接合されてなる電気二重層キャパシタ用電極体であって、
前記正極リード部が前記電極の周縁に沿って段状に配設されるとともに、前記負極リード部が前記電極の周縁に沿って段状に配設されることを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極体。 - 前記各正極リード部の隣り合う各リード部の基端が、前記各正極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設されるとともに、前記各負極リード部の隣り合う各リード部の基端が、前記各負極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設されることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ用電極体。
- 前記各正極リード部の少なくとも隣り合う各リード部の一部分が互いに重なり合うように配設されるとともに、前記各負極リード部の少なくとも隣り合う各リード部の一部分が互いに重なり合うように配設されることを特徴とする請求項2記載の電気二重層キャパシタ用電極体。
- 前記各正極リード部の全リード部が、前記正極端子板に接合されるとともに、前記各負極リード部の全リード部が、前記負極端子板に接合されることを特徴とする請求項2または3に記載の電気二重層キャパシタ用電極体。
- 前記各正極リード部が、前記各正極の周縁に沿う方向における前記基端位置を同一にする複数の正極リードブロックに分割され、かつ、これら各正極リードブロックの隣り合う各ブロックの基端が、前記各正極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設されるとともに、前記各負極リード部が、前記各負極の周縁に沿う方向における前記基端位置を同一にする複数の負極リードブロックに分割され、かつ、これら各負極リードブロックの隣り合う各ブロックの基端が、前記各負極の周縁に沿う方向に互いにずれて配設されることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ用電極体。
- 前記各正極リードブロックの少なくとも隣り合う各ブロックの一部分が互いに重なり合うように配設されるとともに、前記各負極リードブロックの少なくとも隣り合う各ブロックの一部分が互いに重なり合うように配設されることを特徴とする請求項5記載の電気二重層キャパシタ用電極体。
- 前記各正極リードブロックの全ブロックが、前記正極端子板に接合されるとともに、前記各負極リードブロックの全ブロックが、前記負極端子板に接合されることを特徴とする請求項5または6に記載の電気二重層キャパシタ用電極体。
- 前記正極および負極が平面矩形状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ用電極体。
- 前記各正極リード部および各負極リード部が、前記平面矩形状に形成された前記正負極周縁の同一周縁に沿って配設されることを特徴とする請求項8記載の電気二重層キャパシタ用電極体。
- 前記各正極リード部が、前記平面矩形状に形成された前記正負極周縁の相対向する2周縁の一方の周縁に沿って配設され、前記負極リード部が、前記相対向する2周縁の他方の周縁に沿って配設されることを特徴とする請求項8記載の電気二重層キャパシタ用電極体。
- 前記各正極リード部が、前記平面矩形状に形成された前記正負極周縁の隣り合う2周縁の一方の周縁に沿って配設され、前記負極リード部が、前記隣り合う2周縁の他方の周縁に沿って配設されることを特徴とする請求項8記載の電気二重層キャパシタ用電極体。
- 複数の正極および負極がこれら各極間にセパレータを介して交互に積層されるとともに、前記各正極および各負極に設けられた各正極リード部および各負極リード部の少なくとも一部がそれぞれ正極端子板および負極端子板に接合されてなる電極体と、電解質と、これらの電極体および電解質を収容する外装体と、を備えて構成される電気二重層キャパシタであって、
前記電極体が、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ用電極体であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
CN101694815B (zh) * | 2009-10-16 | 2012-05-30 | 中国船舶重工集团公司第七一二研究所 | 一种薄型软包装超级电容器 |
JP2014072348A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Tdk Corp | 電気化学デバイス |
Citations (2)
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JPH09213299A (ja) * | 1996-01-31 | 1997-08-15 | Toyota Autom Loom Works Ltd | 蓄電池の集電構造 |
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-
2003
- 2003-03-10 JP JP2003063122A patent/JP2004273806A/ja active Pending
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