JP2004273246A - 酸化物超電導線材用基板および酸化物超電導線材 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化物超電導体の成膜に最も適した(110)面を集合組織として出現させた酸化物超電導線材用基板、および高い臨界電流密度を示す酸化物超電導線材を提供する。
【解決手段】10原子%以上50原子%以下のCrを含むNi−Cr合金と、前記Ni−Cr合金の少なくとも一部を被覆し、表面がAg(110)面に結晶配向した、0.01原子%以上0.5原子%以下のCuを含むAg−Cu合金とを有する酸化物超電導線材用基板上に、酸化物超電導体を成膜した酸化物超電導線材。
【選択図】 図1
【解決手段】10原子%以上50原子%以下のCrを含むNi−Cr合金と、前記Ni−Cr合金の少なくとも一部を被覆し、表面がAg(110)面に結晶配向した、0.01原子%以上0.5原子%以下のCuを含むAg−Cu合金とを有する酸化物超電導線材用基板上に、酸化物超電導体を成膜した酸化物超電導線材。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化物超電導線材用基板および酸化物超電導線材に関する。
【0002】
【従来の技術】
Y−Ba−Cu−O系、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、Tl−Ba−Ca−Cu−O系などの酸化物超電導体は、液体窒素温度以上の高い臨界温度を有し、冷媒として高価な液体ヘリウムに代えて安価な液体窒素が利用でき、小型の冷凍機を用いて容易に超電導状態まで冷却できることから、工業的に重要な価値を有している。
【0003】
このような酸化物超電導体をエネルギー分野に応用するには線材にすることが必要である。酸化物超電導体を線材に加工する有力な手段として、金属テープ基板上に酸化物超電導体を塗布法、気相成長法、液相成長法などで成膜し、テープ状の酸化物超電導線材を作製する方法が知られている。従来、金属テープ基板としては、耐熱性に優れたハステロイ合金(Ni基超合金)、または酸化物超電導との反応が少ないAgが知られている。上記の方法で臨界電流密度の高い酸化物超電導線材を得るには、酸化物超電導体の結晶をそろえることが重要であり、種々の工夫がなされている。
【0004】
例えば、金属テープ基板としてハステロイ合金を用いる場合、成膜時の酸化物超電導体との反応を防ぐと同時に結晶のそろった超電導膜を成長させるために、結晶のそろったイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、MgOなどのバッファ層を特殊な方法で形成するという方法が検討されている。しかし、この方法は製造工程が複雑になるという問題がある。
【0005】
一方、金属テープ基板としてAgを用いると、ハステロイ合金と比較して酸化物超電導体との反応が少なく直接成膜ができるため、製造工程が簡単で長尺線材を得る有望な方法として期待される。しかし、金属テープ基板としてAgを用いた場合でも、成膜初期には酸化物超電導体とAgとが若干反応することが知られており、必ずしも高い臨界電流密度の線材を安定して作製するのは容易ではなかった。また、Agは機械的強度が弱いため、高温での酸化物超電導体成膜時に変形しやすく、必ずしも安定して長尺の超電導線材を連続作製することは容易ではなかった。
【0006】
これらの課題を解決する技術として、機械的強度の大きい金属例えばNi合金に、Cuを添加したAg合金を被覆した構造を有する酸化物超電導線材用基板が知られている(特許文献1)。このような酸化物超電導線材用基板は、酸化物超電導体との反応を抑制でき、しかも機械的強度も大きい。また、この基板上に酸化物超電導体を成膜した酸化物超電導線材は1〜2×105A/cm2の臨界電流密度を示している。
【0007】
ところで、高い臨界電流密度を得るには、酸化物超電導体の結晶粒を、基板に対して垂直方向にそろえるだけでなく基板の面内方向にも高度にそろえる必要がある。基板としてAg単結晶を用いた実験では、基板表面をAg(110)面に結晶配向させると、最も良好な結果が得られることがわかっている(非特許文献1)。
【0008】
しかし、テープ基板に多結晶Agを用いた場合、その表面を(110)面がそろった集合組織にするのは容易ではない。上記特許文献1では(110)面についても言及しているが、熱処理によってAgが集合組織化して、表面の結晶配向は主に(210)面となっている。特に酸化物超電導体との反応を抑制するためにCuを添加したAg合金を用いた場合には、熱処理によって(210)面がそろった集合組織になりやすく、(110)面にそろった集合組織を得るのは極めて困難であった。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−251547号公報
【0010】
【非特許文献1】
Applied Physics Letters, 62(1993), 1836
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、酸化物超電導体の成膜に最も適した(110)面を集合組織として出現させた酸化物超電導線材用基板、およびこのような基板を用いて形成された高い臨界電流密度を示す酸化物超電導線材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る酸化物超電導線材用基板は、10原子%以上50原子%以下のCrを含むNi−Cr合金と、前記Ni−Cr合金の少なくとも一部を被覆し、表面がAg(110)面に結晶配向した、0.01原子%以上0.5原子%以下のCuを含むAg−Cu合金とを有する。
【0013】
本発明の他の態様に係る酸化物超電導線材は、酸化物超電導線材用基板の前記表面に酸化物超電導体を成膜したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明者は、種々のコア材に対してクラッド材としてAg−Cu合金を被覆し、加工熱処理条件を変えながらAg−Cu合金の集合組織を検討した。その結果、Ag−Cu合金の集合組織はコア材の種類によって大きく影響を受けることを見出した。すなわち、コア材としてAg−Ni合金、Ni−Cu合金、ステンレス合金などを用いた場合にはAg(210)面に結晶配向した集合組織となるが、コア材として10〜50原子%のCrを含むNi−Cr合金を用いた場合にはAg(110)面に結晶配向した集合組織となることを見出した。この理由は現在のところ明確ではないが、コア材の機械的強度や結晶組織などが微妙に影響しているものと思われる。
【0016】
図1に本発明の実施形態に係る酸化物超電導線材の一例を示す。図1に示す酸化物超電導線材用基板は、コア材としてのNi−Cr合金1の上下両面に、クラッド材としてのAg−Cu合金2を有する。上面のAg−Cu合金2上に酸化物超電導体薄膜3が形成される。
【0017】
本発明において、「被覆」とは一面のみを覆う一部の被覆であってもよいし、全部の被覆であってもよい。したがって、図1の状態も、Ag−Cu合金2でNi−Cr合金1を被覆しているといえる。また、Ag−Cu合金2はNi−Cr合金1の一方の面に形成されていれば十分である。
【0018】
図1に示す構造の場合には、Ag−Cu合金2の表面が(110)面に配向している。また、後に説明するように、Ag−Cu合金2をチューブ状にして圧延する場合には、テープ基板の広い面が(110)面に配向する。
【0019】
クラッド材としてのAg−Cu合金について説明する。Agは酸化物超電導体を成膜する際に酸化物超電導体との反応を抑制し良好な酸化物超電導膜を形成するのに必須な金属であり、電気的安定化材としての役割も果たす。Cuは酸化物超電導体の成膜初期に酸化物超電導体中のCuがAgへ拡散するのを抑制するのに有効な金属である。Ag−Cu合金のCu含有量は0.01〜0.5原子%の範囲であることが好ましい。Cu含有量が0.01原子%未満では酸化物超電導体中のCu拡散を抑制する効果がない。Cuの含有量が0.5原子%より多いとCuが超電導膜と反応して良好な超電導膜が得られない。
【0020】
コア材としてのNi−Cr合金中のCr含有量は10〜50原子%の範囲であることが好ましい。Cr含有量が10%未満では、加工はしやすいものの、クラッド材表面でAg(110)面がそろった集合組織を得ることができない。Cr含有量が50原子%より多くなると圧延加工が困難となり、所望の板厚まで加工するのが困難である。
【0021】
本発明の実施形態に係る酸化物超電導線材用基板を安定に製造するための方法について説明する。
【0022】
0.01〜0.5原子%のCuを含むAg−Cu合金を通常の溶解法により作製し、例えば板状、チューブ状または封筒状に加工する。10〜50原子%のCrを含むNi−Cr合金を通常の溶解法により作製し、棒状または板状に加工する。
【0023】
次に、板状、チューブ状または封筒状に加工したAg−Cu合金の中にNi−Cr合金を封入し、圧延加工により所定の厚さまで加工してテープ基板(酸化物超電導線材用基板)を得る。この際、途中で熱処理を加えず加工すれば、Agの結晶方位のそろったテープ基板を得るのに有利になる。また、圧延加工時のロール表面はできるだけ鏡面に近い方が好ましい。これは、鏡面にすることにより臨界電流密度の高い酸化物超電導膜が形成されやすくなるためである。最終的な圧延加工率は90%以上にすることが好ましい。圧延加工率が90%未満では十分な集合組織が得られない。
【0024】
このようにして作製した、Ni−Cr合金のコア材とAg−Cu合金のクラッド材とからなるテープ基板を、600℃〜900℃の温度範囲で、10分以上熱処理することにより、目的とするAg(110)面のそろった集合組織を得ることができる。この際、熱処理温度が600℃未満では再結晶を短時間で十分に進めることができない。一方、熱処理温度が900℃を超えるとテープ基板表面の凹凸が激しくなるので、酸化物超電導体薄膜の成膜に適さない。熱処理時間は特に限定されないが、10分未満では十分な再結晶組織が得られない。熱処理雰囲気は、大気中、酸素ガス雰囲気中、不活性ガス雰囲気中、真空中のいずれでもよいが、テープ基板表面の平滑性を考慮すると、真空中での熱処理が最も好ましい。
【0025】
図2に、大気中で熱処理を行った場合(a)と、1×10−2Torr以下の真空中で熱処理を行った場合(b)で、熱処理後のテープ基板表面を走査型電子顕微鏡で観察した様子を示す。(a)のように大気中で熱処理した場合には、結晶粒界の他にステップ状の凹凸が多数見られる。これに対して、(b)のように真空中で熱処理した場合、結晶粒界が見られるだけでステップ状の凹凸は見られず平滑である。ステップ状の凹凸は雰囲気の圧力が高くなるに従って発生しやすくなるので、1×10−2Torr以下の圧力で熱処理することが望ましい。
【0026】
本発明の実施形態に係る酸化物超電導線材は、上記の酸化物超電導線材用基板上に酸化物超電導体を成膜したものである。
【0027】
酸化物超電導体は特に限定されず、希土類元素含有のペロブスカイト型酸化物超電導体、Bi−Sr−Ca−Cu−O系酸化物超電導体、Tl−Ba−Ca−Cu−O系酸化物超電導体などを用いることができる。
【0028】
希土類元素含有のペロブスカイト型酸化物超電導体は、一般式REM2Cu3O7− δで表される。ここで、REはY、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Ybなどの希土類元素から選ばれた少なくとも1種の元素、MはBa、Sr、Caから選ばれた少なくとも1種の元素であり、δは酸素欠陥を表し通常1以下の数である。
【0029】
Bi−Sr−Ca−Cu−O系酸化物超電導体としては、Bi2Sr2Ca2Cu3OxやBi2(Sr,Ca)3Cu2Ox(Biの一部はPbで置換されていてもよい)などが用いられる。
【0030】
Tl−Ba−Ca−Cu−O系酸化物超電導体としては、Tl2Ba2Ca2Cu3Ox、Tl2(Ba,Ca)3Cu2Oxなどが用いられる。
【0031】
テープ基板上に酸化物超電導体薄膜を成膜するには、気相成膜法(スパッタ法、レーザーアブレーション法、蒸着法、CVD法など)、液相成膜法(LPE法、一方向凝固法など)、固層成膜法(ドクターブレード法、MOD法など)などが用いられる。酸化物超電導体薄膜の成膜は通常600℃以上の温度で行われる。成膜後、必要に応じて400〜500℃の低温で酸素雰囲気中熱処理すると、臨界電流密度の向上に効果がある。
【0032】
このようにして作製された酸化物超電導線材は、機械的強度に優れ、かつ臨界電流密度が大きいため、極めて工業的な価値が高い。
【0033】
Ni−Cr合金にAg−Cu合金を被覆したテープ基板は、Agよりも熱膨張係数を小さくすることができ、酸化物超電導体の熱膨張係数と同程度の値にすることができる。Agテープ基板上に酸化物超電導体薄膜を成膜した場合、成膜後の冷却時にAgの方が大きく収縮するためソリが発生する。これに対して、本発明の実施形態に係るテープ基板を用いると、ソリの発生を低減できる効果がある。特に、酸化物超電導体薄膜の厚さが厚くなるとこの効果が顕著になる。このように、ソリがほとんどない酸化物超電導線材を製造でき、コイル化も容易なので、種々の応用に適している。また、酸化物超電導体薄膜がテープ基板と電気的に良好に接続されているため、実際の応用においてクエンチなどに対する安定性に優れている。
【0034】
さらに、Agはハステロイ合金やステンレス合金に比べ熱伝導が極めて優れているため、本発明の実施形態に係る酸化物超電導線材を用いた機器は、極めて良好な冷却特性が期待できる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
実施例1
厚さ2mm、幅20mm、長さ200mmのNi−20%Cr板(コア材)と、厚さ2mm、幅20mm、長さ200mmのAg−0.1%Cu板(クラッド材)を作製した。Ni−20%Cr板(コア材)の両面に、Ag−0.1%Cu板(クラッド材)をサンドイッチ状に設置し、ホットプレス法により約750℃で接合した。この時、接合性を向上させるために、コア材とクラッド材との間に厚さ0.05mmのCu箔を挟んで接合した。
【0036】
得られた接合体を室温でロール圧延して、厚さ0.1mmのテープ基板を作製した。このテープ基板を、大気中または真空中において、750℃で1時間の熱処理を行った。X線回折法により、このテープ基板の結晶配向性を調べた。その結果、Ag(110)面による回折ピークの強度が高いことが認められた。他の結晶面による回折ピークの強度も含めて計算すると、(110)面による回折ピークの強度は回折ピーク全体の強度の83%を占め、良好な(110)配向を有していることがわかった。
【0037】
実施例2〜6
表1のように、コア材であるNi−Cr合金の組成またはクラッド材であるAg−Cu合金の組成を実施例1から変更し、それ以外は実施例1と同様の加工方法でテープ基板を作製して熱処理を行った。X線回折法により、得られたテープ基板の結晶配向性を調べた。その結果を表1にまとめて示す。表1に示されるように、いずれの試料も(110)面の回折ピークの強度は回折ピーク全体の強度の80%以上を占め、良好な(110)配向を有していることがわかった。
【0038】
次に、実施例1〜6の金属テープ基板を約700℃に保持し、レーザーアブレーション法でYBa2Cu3O7− δ膜を500nmの厚さに成膜した。得られた酸化物超電導線材にはAg層の剥離は認められず、ソリなどの変形もほとんど見られなかった。X線回折により結晶方位を測定したところ、いずれも良好なc軸配向を示した。また、77Kにおける臨界電流密度は、2〜4×105A/cm2と良好な特性を示した。
【0039】
比較例1〜6
表1のように、コア材を用いないかまたはコア材を実施例1とは変更し、それ以外は実施例1と同様の加工方法でテープ基板を作製して熱処理を行った。X線回折法により、得られたテープ基板の結晶配向性を調べた。その結果を表1にまとめて示す。比較例1〜4ではAg(210)面によるX線回折ピークの強度が大きく、目的とするAg(110)面によるX線回折ピークの強度は小さかった。比較例5、6では加工性が悪く目的とする厚さまで圧延できなかった。
【0040】
次に、比較例1〜4の金属テープ基板を約700℃に保持し、レーザーアブレーション法でYBa2Cu3O7− δ膜を500nmの厚さに成膜した。得られた酸化物超電導線材にはテープが幅方向に湾曲したソリが認められた。また、77Kにおける臨界電流密度は1×105A/cm2程度であり、実施例1〜6の臨界電流密度の1/2以下であった。
【0041】
【表1】
【0042】
なお、上記実施例では酸化物超電導体薄膜の作製方法としてレーザーアブレーション法を例に挙げて説明したが、他の気相成膜方法、液相成膜方法、固相成膜方法を用いても同様の効果が得られる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、酸化物超電導体の成膜に最も適した(110)面を集合組織として出現させた酸化物超電導線材用基板、およびこのような基板を用いて形成された高い臨界電流密度を示す酸化物超電導線材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る酸化物超電導線材の斜視図。
【図2】大気中熱処理または真空中熱処理を施したテープ基板表面の走査型電子顕微鏡写真。
【符号の説明】
1…Ni−Cr合金、2…Ag−Cu合金、3…酸化物超電導体薄膜。
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化物超電導線材用基板および酸化物超電導線材に関する。
【0002】
【従来の技術】
Y−Ba−Cu−O系、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、Tl−Ba−Ca−Cu−O系などの酸化物超電導体は、液体窒素温度以上の高い臨界温度を有し、冷媒として高価な液体ヘリウムに代えて安価な液体窒素が利用でき、小型の冷凍機を用いて容易に超電導状態まで冷却できることから、工業的に重要な価値を有している。
【0003】
このような酸化物超電導体をエネルギー分野に応用するには線材にすることが必要である。酸化物超電導体を線材に加工する有力な手段として、金属テープ基板上に酸化物超電導体を塗布法、気相成長法、液相成長法などで成膜し、テープ状の酸化物超電導線材を作製する方法が知られている。従来、金属テープ基板としては、耐熱性に優れたハステロイ合金(Ni基超合金)、または酸化物超電導との反応が少ないAgが知られている。上記の方法で臨界電流密度の高い酸化物超電導線材を得るには、酸化物超電導体の結晶をそろえることが重要であり、種々の工夫がなされている。
【0004】
例えば、金属テープ基板としてハステロイ合金を用いる場合、成膜時の酸化物超電導体との反応を防ぐと同時に結晶のそろった超電導膜を成長させるために、結晶のそろったイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、MgOなどのバッファ層を特殊な方法で形成するという方法が検討されている。しかし、この方法は製造工程が複雑になるという問題がある。
【0005】
一方、金属テープ基板としてAgを用いると、ハステロイ合金と比較して酸化物超電導体との反応が少なく直接成膜ができるため、製造工程が簡単で長尺線材を得る有望な方法として期待される。しかし、金属テープ基板としてAgを用いた場合でも、成膜初期には酸化物超電導体とAgとが若干反応することが知られており、必ずしも高い臨界電流密度の線材を安定して作製するのは容易ではなかった。また、Agは機械的強度が弱いため、高温での酸化物超電導体成膜時に変形しやすく、必ずしも安定して長尺の超電導線材を連続作製することは容易ではなかった。
【0006】
これらの課題を解決する技術として、機械的強度の大きい金属例えばNi合金に、Cuを添加したAg合金を被覆した構造を有する酸化物超電導線材用基板が知られている(特許文献1)。このような酸化物超電導線材用基板は、酸化物超電導体との反応を抑制でき、しかも機械的強度も大きい。また、この基板上に酸化物超電導体を成膜した酸化物超電導線材は1〜2×105A/cm2の臨界電流密度を示している。
【0007】
ところで、高い臨界電流密度を得るには、酸化物超電導体の結晶粒を、基板に対して垂直方向にそろえるだけでなく基板の面内方向にも高度にそろえる必要がある。基板としてAg単結晶を用いた実験では、基板表面をAg(110)面に結晶配向させると、最も良好な結果が得られることがわかっている(非特許文献1)。
【0008】
しかし、テープ基板に多結晶Agを用いた場合、その表面を(110)面がそろった集合組織にするのは容易ではない。上記特許文献1では(110)面についても言及しているが、熱処理によってAgが集合組織化して、表面の結晶配向は主に(210)面となっている。特に酸化物超電導体との反応を抑制するためにCuを添加したAg合金を用いた場合には、熱処理によって(210)面がそろった集合組織になりやすく、(110)面にそろった集合組織を得るのは極めて困難であった。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−251547号公報
【0010】
【非特許文献1】
Applied Physics Letters, 62(1993), 1836
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、酸化物超電導体の成膜に最も適した(110)面を集合組織として出現させた酸化物超電導線材用基板、およびこのような基板を用いて形成された高い臨界電流密度を示す酸化物超電導線材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る酸化物超電導線材用基板は、10原子%以上50原子%以下のCrを含むNi−Cr合金と、前記Ni−Cr合金の少なくとも一部を被覆し、表面がAg(110)面に結晶配向した、0.01原子%以上0.5原子%以下のCuを含むAg−Cu合金とを有する。
【0013】
本発明の他の態様に係る酸化物超電導線材は、酸化物超電導線材用基板の前記表面に酸化物超電導体を成膜したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明者は、種々のコア材に対してクラッド材としてAg−Cu合金を被覆し、加工熱処理条件を変えながらAg−Cu合金の集合組織を検討した。その結果、Ag−Cu合金の集合組織はコア材の種類によって大きく影響を受けることを見出した。すなわち、コア材としてAg−Ni合金、Ni−Cu合金、ステンレス合金などを用いた場合にはAg(210)面に結晶配向した集合組織となるが、コア材として10〜50原子%のCrを含むNi−Cr合金を用いた場合にはAg(110)面に結晶配向した集合組織となることを見出した。この理由は現在のところ明確ではないが、コア材の機械的強度や結晶組織などが微妙に影響しているものと思われる。
【0016】
図1に本発明の実施形態に係る酸化物超電導線材の一例を示す。図1に示す酸化物超電導線材用基板は、コア材としてのNi−Cr合金1の上下両面に、クラッド材としてのAg−Cu合金2を有する。上面のAg−Cu合金2上に酸化物超電導体薄膜3が形成される。
【0017】
本発明において、「被覆」とは一面のみを覆う一部の被覆であってもよいし、全部の被覆であってもよい。したがって、図1の状態も、Ag−Cu合金2でNi−Cr合金1を被覆しているといえる。また、Ag−Cu合金2はNi−Cr合金1の一方の面に形成されていれば十分である。
【0018】
図1に示す構造の場合には、Ag−Cu合金2の表面が(110)面に配向している。また、後に説明するように、Ag−Cu合金2をチューブ状にして圧延する場合には、テープ基板の広い面が(110)面に配向する。
【0019】
クラッド材としてのAg−Cu合金について説明する。Agは酸化物超電導体を成膜する際に酸化物超電導体との反応を抑制し良好な酸化物超電導膜を形成するのに必須な金属であり、電気的安定化材としての役割も果たす。Cuは酸化物超電導体の成膜初期に酸化物超電導体中のCuがAgへ拡散するのを抑制するのに有効な金属である。Ag−Cu合金のCu含有量は0.01〜0.5原子%の範囲であることが好ましい。Cu含有量が0.01原子%未満では酸化物超電導体中のCu拡散を抑制する効果がない。Cuの含有量が0.5原子%より多いとCuが超電導膜と反応して良好な超電導膜が得られない。
【0020】
コア材としてのNi−Cr合金中のCr含有量は10〜50原子%の範囲であることが好ましい。Cr含有量が10%未満では、加工はしやすいものの、クラッド材表面でAg(110)面がそろった集合組織を得ることができない。Cr含有量が50原子%より多くなると圧延加工が困難となり、所望の板厚まで加工するのが困難である。
【0021】
本発明の実施形態に係る酸化物超電導線材用基板を安定に製造するための方法について説明する。
【0022】
0.01〜0.5原子%のCuを含むAg−Cu合金を通常の溶解法により作製し、例えば板状、チューブ状または封筒状に加工する。10〜50原子%のCrを含むNi−Cr合金を通常の溶解法により作製し、棒状または板状に加工する。
【0023】
次に、板状、チューブ状または封筒状に加工したAg−Cu合金の中にNi−Cr合金を封入し、圧延加工により所定の厚さまで加工してテープ基板(酸化物超電導線材用基板)を得る。この際、途中で熱処理を加えず加工すれば、Agの結晶方位のそろったテープ基板を得るのに有利になる。また、圧延加工時のロール表面はできるだけ鏡面に近い方が好ましい。これは、鏡面にすることにより臨界電流密度の高い酸化物超電導膜が形成されやすくなるためである。最終的な圧延加工率は90%以上にすることが好ましい。圧延加工率が90%未満では十分な集合組織が得られない。
【0024】
このようにして作製した、Ni−Cr合金のコア材とAg−Cu合金のクラッド材とからなるテープ基板を、600℃〜900℃の温度範囲で、10分以上熱処理することにより、目的とするAg(110)面のそろった集合組織を得ることができる。この際、熱処理温度が600℃未満では再結晶を短時間で十分に進めることができない。一方、熱処理温度が900℃を超えるとテープ基板表面の凹凸が激しくなるので、酸化物超電導体薄膜の成膜に適さない。熱処理時間は特に限定されないが、10分未満では十分な再結晶組織が得られない。熱処理雰囲気は、大気中、酸素ガス雰囲気中、不活性ガス雰囲気中、真空中のいずれでもよいが、テープ基板表面の平滑性を考慮すると、真空中での熱処理が最も好ましい。
【0025】
図2に、大気中で熱処理を行った場合(a)と、1×10−2Torr以下の真空中で熱処理を行った場合(b)で、熱処理後のテープ基板表面を走査型電子顕微鏡で観察した様子を示す。(a)のように大気中で熱処理した場合には、結晶粒界の他にステップ状の凹凸が多数見られる。これに対して、(b)のように真空中で熱処理した場合、結晶粒界が見られるだけでステップ状の凹凸は見られず平滑である。ステップ状の凹凸は雰囲気の圧力が高くなるに従って発生しやすくなるので、1×10−2Torr以下の圧力で熱処理することが望ましい。
【0026】
本発明の実施形態に係る酸化物超電導線材は、上記の酸化物超電導線材用基板上に酸化物超電導体を成膜したものである。
【0027】
酸化物超電導体は特に限定されず、希土類元素含有のペロブスカイト型酸化物超電導体、Bi−Sr−Ca−Cu−O系酸化物超電導体、Tl−Ba−Ca−Cu−O系酸化物超電導体などを用いることができる。
【0028】
希土類元素含有のペロブスカイト型酸化物超電導体は、一般式REM2Cu3O7− δで表される。ここで、REはY、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Ybなどの希土類元素から選ばれた少なくとも1種の元素、MはBa、Sr、Caから選ばれた少なくとも1種の元素であり、δは酸素欠陥を表し通常1以下の数である。
【0029】
Bi−Sr−Ca−Cu−O系酸化物超電導体としては、Bi2Sr2Ca2Cu3OxやBi2(Sr,Ca)3Cu2Ox(Biの一部はPbで置換されていてもよい)などが用いられる。
【0030】
Tl−Ba−Ca−Cu−O系酸化物超電導体としては、Tl2Ba2Ca2Cu3Ox、Tl2(Ba,Ca)3Cu2Oxなどが用いられる。
【0031】
テープ基板上に酸化物超電導体薄膜を成膜するには、気相成膜法(スパッタ法、レーザーアブレーション法、蒸着法、CVD法など)、液相成膜法(LPE法、一方向凝固法など)、固層成膜法(ドクターブレード法、MOD法など)などが用いられる。酸化物超電導体薄膜の成膜は通常600℃以上の温度で行われる。成膜後、必要に応じて400〜500℃の低温で酸素雰囲気中熱処理すると、臨界電流密度の向上に効果がある。
【0032】
このようにして作製された酸化物超電導線材は、機械的強度に優れ、かつ臨界電流密度が大きいため、極めて工業的な価値が高い。
【0033】
Ni−Cr合金にAg−Cu合金を被覆したテープ基板は、Agよりも熱膨張係数を小さくすることができ、酸化物超電導体の熱膨張係数と同程度の値にすることができる。Agテープ基板上に酸化物超電導体薄膜を成膜した場合、成膜後の冷却時にAgの方が大きく収縮するためソリが発生する。これに対して、本発明の実施形態に係るテープ基板を用いると、ソリの発生を低減できる効果がある。特に、酸化物超電導体薄膜の厚さが厚くなるとこの効果が顕著になる。このように、ソリがほとんどない酸化物超電導線材を製造でき、コイル化も容易なので、種々の応用に適している。また、酸化物超電導体薄膜がテープ基板と電気的に良好に接続されているため、実際の応用においてクエンチなどに対する安定性に優れている。
【0034】
さらに、Agはハステロイ合金やステンレス合金に比べ熱伝導が極めて優れているため、本発明の実施形態に係る酸化物超電導線材を用いた機器は、極めて良好な冷却特性が期待できる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
実施例1
厚さ2mm、幅20mm、長さ200mmのNi−20%Cr板(コア材)と、厚さ2mm、幅20mm、長さ200mmのAg−0.1%Cu板(クラッド材)を作製した。Ni−20%Cr板(コア材)の両面に、Ag−0.1%Cu板(クラッド材)をサンドイッチ状に設置し、ホットプレス法により約750℃で接合した。この時、接合性を向上させるために、コア材とクラッド材との間に厚さ0.05mmのCu箔を挟んで接合した。
【0036】
得られた接合体を室温でロール圧延して、厚さ0.1mmのテープ基板を作製した。このテープ基板を、大気中または真空中において、750℃で1時間の熱処理を行った。X線回折法により、このテープ基板の結晶配向性を調べた。その結果、Ag(110)面による回折ピークの強度が高いことが認められた。他の結晶面による回折ピークの強度も含めて計算すると、(110)面による回折ピークの強度は回折ピーク全体の強度の83%を占め、良好な(110)配向を有していることがわかった。
【0037】
実施例2〜6
表1のように、コア材であるNi−Cr合金の組成またはクラッド材であるAg−Cu合金の組成を実施例1から変更し、それ以外は実施例1と同様の加工方法でテープ基板を作製して熱処理を行った。X線回折法により、得られたテープ基板の結晶配向性を調べた。その結果を表1にまとめて示す。表1に示されるように、いずれの試料も(110)面の回折ピークの強度は回折ピーク全体の強度の80%以上を占め、良好な(110)配向を有していることがわかった。
【0038】
次に、実施例1〜6の金属テープ基板を約700℃に保持し、レーザーアブレーション法でYBa2Cu3O7− δ膜を500nmの厚さに成膜した。得られた酸化物超電導線材にはAg層の剥離は認められず、ソリなどの変形もほとんど見られなかった。X線回折により結晶方位を測定したところ、いずれも良好なc軸配向を示した。また、77Kにおける臨界電流密度は、2〜4×105A/cm2と良好な特性を示した。
【0039】
比較例1〜6
表1のように、コア材を用いないかまたはコア材を実施例1とは変更し、それ以外は実施例1と同様の加工方法でテープ基板を作製して熱処理を行った。X線回折法により、得られたテープ基板の結晶配向性を調べた。その結果を表1にまとめて示す。比較例1〜4ではAg(210)面によるX線回折ピークの強度が大きく、目的とするAg(110)面によるX線回折ピークの強度は小さかった。比較例5、6では加工性が悪く目的とする厚さまで圧延できなかった。
【0040】
次に、比較例1〜4の金属テープ基板を約700℃に保持し、レーザーアブレーション法でYBa2Cu3O7− δ膜を500nmの厚さに成膜した。得られた酸化物超電導線材にはテープが幅方向に湾曲したソリが認められた。また、77Kにおける臨界電流密度は1×105A/cm2程度であり、実施例1〜6の臨界電流密度の1/2以下であった。
【0041】
【表1】
【0042】
なお、上記実施例では酸化物超電導体薄膜の作製方法としてレーザーアブレーション法を例に挙げて説明したが、他の気相成膜方法、液相成膜方法、固相成膜方法を用いても同様の効果が得られる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、酸化物超電導体の成膜に最も適した(110)面を集合組織として出現させた酸化物超電導線材用基板、およびこのような基板を用いて形成された高い臨界電流密度を示す酸化物超電導線材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る酸化物超電導線材の斜視図。
【図2】大気中熱処理または真空中熱処理を施したテープ基板表面の走査型電子顕微鏡写真。
【符号の説明】
1…Ni−Cr合金、2…Ag−Cu合金、3…酸化物超電導体薄膜。
Claims (2)
- 10原子%以上50原子%以下のCrを含むNi−Cr合金と、前記Ni−Cr合金の少なくとも一部を被覆し、表面がAg(110)面に結晶配向した、0.01原子%以上0.5原子%以下のCuを含むAg−Cu合金とを有することを特徴とする酸化物超電導線材用基板。
- 請求項1の酸化物超電導線材用基板の前記表面に酸化物超電導体を成膜したことを特徴とする酸化物超電導線材。
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JP2003061668A JP2004273246A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 酸化物超電導線材用基板および酸化物超電導線材 |
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JP2003061668A JP2004273246A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 酸化物超電導線材用基板および酸化物超電導線材 |
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JP2003061668A Pending JP2004273246A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 酸化物超電導線材用基板および酸化物超電導線材 |
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2003
- 2003-03-07 JP JP2003061668A patent/JP2004273246A/ja active Pending
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