JP2004273074A - 光ディスク記録方法、及び光ディスク記録装置 - Google Patents

光ディスク記録方法、及び光ディスク記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ある光ディスク記録装置で記録した書換型光ディスクを別の光ディスク記録装置でオーバーライトしても、ジッタが悪化せずエラーレートの低いデータを得られる光ディスク記録方法及び光ディスク記録装置を提供する。
【解決手段】書換型光ディスクにオーバーライトする(上書き)する際に、書換型光ディスクの情報記録領域の旧データが記録された部分に、所定量ずつ消去パワーを変化させながら複数段階(例えば15段階)の消去パワーのレーザ光を連続的に照射して、書換型光ディスクに記録された旧データを試し消去する。そして、試し消去した旧データ部分に再生レベルのレーザ光を照射して再生を行い、再生信号中の雑音レベルが最小となる部分に照射したレーザ光の消去パワーレベルを最適消去パワーとして設定する。これにより、旧データを確実に消去して、旧データの消し残りなどの影響が、新たに記録するデータに及ぶのを防止できる。
【選択図】図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
書換型光ディスクにデータを上書きする際に、光ディスクに記録された旧データを試し消去し、この部分を再生して最適な消去パワーを決定し、この消去パワーを適用してデータを記録する光ディスク記録方法、及び光ディスク記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
書換型光ディスクには、CD−RW、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどがあり、これらはメーカーによって、また同じメーカーの書換型光ディスクでも型式によって記録特性が異なっている。光ディスク記録装置は、通常、書換型光ディスクにデータを書き込む際に、光ディスクに記録されている書換型光ディスクの識別情報(ディスクID)を検出するとともに、OPC(Optimum Power Control:最適記録パワー決定動作)を行って、その書換型光ディスク に最適な記録パワー値を決定し、記録品位が最適となるように記録条件を調整してからデータの書き込みを行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−7645号公報(第5−7頁、第5,6図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の光ディスク装置では、他の光ディスク装置でデータを記録した光ディスクにオーバーライト(上書き)を行って、この光ディスクを再生すると、ジッタが悪くエラーレートが高い場合があるという問題があった。
【0005】
これは、光ディスク記録装置は、メーカーや型式が異なると記録条件が異なっているのに対して、特許文献1に記載の光ディスク装置では、自装置の装置識別情報と書き込み可能な光ディスクのディスク識別情報とを対応させて記憶しているため、他の光ディスク装置でデータを記録した光ディスクにオーバーライト (上書き)を行う場合には、OPCを行わなければ最適記録パワー値を求めることができなかったからである。また、OPCを行って最適記録パワー値を求めてからデータを記録しても、旧データを記録した光ディスク記録装置と記録条件が異なるために、旧データを完全に消去できない場合があるからである。
【0006】
光ディスク記録装置は、メーカーや型式によって書換型光ディスクに照射するレーザ光の記録パワー、消去パワー、ボトムパワーなどの設定が異なるため、以下のような記録特性を示す。図1は、書換型光ディスクのオーバーライト回数とジッタとの関係、及び異なる記録パワーで光ディスクにオーバーライトを行った時のジッタの変化を示したグラフである。なお、図1には、同じ型式の書換型光ディスクに対して、異なる記録パワーで連続してオーバーライトした場合を示している。また、記録パワーの大きさはP2w<P0w<P1wで、P0wが最適記録パワーである。
【0007】
(1)書換型光ディスクは、照射されるレーザ光の記録パワーに応じて、再生時のジッタ及びオーバーライトの実行可能回数が異なる値となる。すなわち、図1(A)に示すように、書換型光ディスクに対して最適記録パワーP0wで記録した場合、1回目でジッタが悪化するが、オーバーライトの回数が増えるに連れてジッタが徐々に改善する。そして、10回程度オーバーライトを行うと、それ以降はジッタが安定し、1000回を超えると急激にジッタが悪化する。したがって、ユーザは、書換型光ディスクに対して最適記録パワーP0wで記録した場合、Orange Book Part3に規定された書換可能回数である1000回はオーバー ライトを行うことができる。
【0008】
また、書換型光ディスクに対して最適記録パワーP0wよりも強い記録パワーP1wで記録した場合、オーバーライト回数が少ない時でもジッタが悪化せず安定しており、また、最適記録パワーP0wの時よりも常にジッタが良い。しかしながら、光ディスクの劣化が早く、1000回よりも少ないオーバーライト回数で急激にジッタが悪化する。したがって、ユーザは、書換型光ディスクに対して記録パワーP1wで記録した場合、書換型光ディスクの寿命が短くなってしまうため、1000回よりも大幅に少ない回数しかオーバーライトを行うことができない。
【0009】
一方、書換型光ディスクに対して最適記録パワーP0wよりも弱い記録パワーP2wで記録した場合、最適記録パワーP0wの場合と同様の特性を示すが、ジッタの値は最適記録パワーP0wの時よりも常に悪い値となる。また、光ディスクの劣化が遅く、オーバーライトを1000回以上行うとジッタが悪化する。したがって、ユーザは、書換型光ディスクに対して記録パワーP2wで記録した場合、書換型光ディスクの寿命が長くなるため、1000回よりも多くオーバーライトを行うことができる。
【0010】
(2)書換型光ディスクは、ある記録パワーでデータを記録後に、異なる記録パワーでオーバーライトすると、ジッタが変化する。すなわち、光ディスクに照射するレーザ光の記録パワーがP2w<P0w<P1wの関係である場合、図1(B)に示すように、書換型光ディスクに対して記録パワーP2wで記録後に、記録パワーP0w(>P2w)でオーバーライトすると、ジッタが良くなる。また、書換型光ディスクに対して記録パワーP0wで記録後に、同じ記録パワーP0wでオーバーライトすると、ジッタは変化しない。一方、書換型光ディスクに対して記録パワーP1wで記録後に記録パワーP0w(<P1w)でオーバーライトすると、ジッタが悪くなる。
【0011】
(3)書換型光ディスクは、照射されるレーザ光のスポット形状が同じ場合、形成されるピットの幅は記録パワーの強さに比例している。図2は、書換型光ディスクに形成されるピットの形状を示した図である。例えば、光ディスクに照射するレーザ光の記録パワーの関係がP2w<P0w<P1wである場合、図2に示すように、記録パワーが大きくなるのに従って、ピットの幅が大きくなり、各ピットの幅はW2<W0<W1の関係となる。また、光ディスクに照射するレーザ光の消去パワーの関係がP2e<P0e<P1eである場合、消去パワーが大きくなるのに従って、消去範囲が広くなる。
【0012】
図2に示した例では、記録パワーP2wのレーザ光を照射して形成したピットは、レーザ光の消去パワーがP2e以上であれば完全に消去できる。つまり、消去パワーがP2e,P0e,P1eで消去できる。また、記録パワーP0wのレーザ光を照射して形成したピットは、レーザ光の消去パワーがP0e以上であれば完全に消去できる。つまり、消去パワーがP0e,P1eで完全に消去できるが、消去パワーがP2eでは完全には消去できず端部が残ってしまう。さらに、記録パワーP1wのレーザ光を照射して形成したピットは、レーザ光の消去パワーがP1e以上であれば完全に消去できる。つまり、消去パワーがP1eで完全に消去できるが、消去パワーがP2e,P0eでは完全には消去できず、端部が残ってしまう。
【0013】
したがって、旧データを記録した光ディスク記録装置と異なる光ディスク記録装置で書換型光ディスクにオーバーライトすると、以下のような現象が発生する。図3は、書換型光ディスクにオーバーライトする際のイメージ図である。すなわち、図3(A)に示すように、書換型光ディスクに対して、記録パワーP2wで記録後に消去パワーP0e、記録パワーP0w(>P2w)のレーザ光を照射してオーバーライトした場合、記録パワーP2wのレーザ光を照射して形成した元のピットは、照射パワーP0eのレーザ光によって完全に消去されるので、記録パワーP2wで形成したピットが残らない。また、記録パワーP0wのレーザ光を照射してピットを形成すると、図1(B)に示したように記録パワーP0wのレーザ光を照射した方がジッタが良いので、ジッタが改善されてエラーレートが低くなる。
【0014】
一方、図3(B)に示すように、書換型光ディスクに対して、記録パワーP1wで記録後に消去パワーP0e、記録パワーP0w(<P1w)のレーザ光を照射してオーバーライトした場合、記録パワーP1wレーザ光を照射して形成した元のピットは、消去パワーP0eのレーザ光を照射しても消去範囲が狭いために完全に消去されずに端部が残ってしまう。また、記録パワーP0wのレーザ光を照射して形成したピットは、記録パワーP1wのレーザ光を照射して形成したピットよりも幅が狭いため、元のピットの端部と新しく形成したピットとが重なる部分ができる。そのため、ジッタが悪くなりエラーレートが高くなる。
【0015】
また、光ディスク記録装置では、メーカーや型式によってライトストラテジの設定が異なっている。図4は、書換型光ディスク用のライトストラテジの一例である。さらに、一般的に書換型光ディスクのレーザパワーの制御は、ライトストラテジを設定して行うが、ファームウェアのバージョンを変更した際に、記録パワーPw、消去パワーPe、及びボトムパワーPbが同時に変更されたり、これらのいずれかが変更されたりする。このように、記録パワーPw、消去パワーPe、またはボトムパワーPbの少なくともいずれかが変更されると、同じ光ディスク記録装置であっても、前に記録したデータを完全に消去できずにピットの端部が残って、ジッタが悪くなりエラーレートが高くなる。
【0016】
光ディスク記録装置が光ディスクに照射するレーザ光のスポット形状は、光ディスク記録装置のメーカーによって異なっている。図5は、光ディスク記録装置のレーザ光のスポット形状及び書換型光ディスクに形成されるピットの形状を示した図である。図5に示すように、書換型光ディスクがCD−RWの場合、光ディスク記録装置のスポット形状は、A社製が縦長の楕円形、B社製が横長の楕円形、C社製が斜め方向に長い楕円形である。また、書換型光ディスクがDVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMの場合、光ディスク記録装置のスポット形状はさらに円形のものもある。
【0017】
このようにレーザ光のスポット形状が異なっているため、書換型光ディスクに形成されるピットの形状(幅)は、図5に示したように、光ディスクの記録装置のメーカーによって異なったものとなる。そのため、あるメーカーの光ディスク記録装置でデータを記録した書換型光ディスクに、別のメーカーの光ディスク記録装置でデータをオーバーライトした場合、記録パワーや消去パワーが同じ値に設定されていたとしても、図3(B)に基づいて説明した現象と同様の現象が発生する。すなわち、図5(A)に示したスポット形状のレーザ光を照射して書換型光ディスクDにデータを記録後に、図5(B)に示したスポット形状のレーザ光を照射してデータのオーバーライトした場合には、元のピットの端部が消去されずに残るため、ジッタが悪くなりエラーレートが高くなる。一方、図5(B)に示したスポット形状のレーザ光を照射して書換型光ディスクDにデータを記録後に、図5(A)に示したスポット形状のレーザ光を照射してデータのオーバーライトした場合には、元のピットが完全に消去されるので、ジッタが良くなり、エラーレートが低くなる。
【0018】
また、光ディスク記録装置では、一般的に、記録速度を変更した場合でも、同じ幅(形状)のピットが形成され、オーバーライトする場合には、旧データが完全に消去できるように記録パワーや消去パワーが設定されている。しかしながら、レーザダイオードや書換型光ディスクの材料のばらつきなどにより、記録速度が異なると、形成されるピットの幅(形状)が異なり、オーバーライトする場合には、以前に形成したピットを完全に消去できない場合がある。例えば、4倍速で記録した書換型光ディスクに1倍速でオーバーライトすると、4倍速で記録したピットを完全に消去できないために、ジッタが悪くなってエラーレートが高くなる場合がある。
【0019】
以上のように、従来の光ディスク記録装置では、メーカー、型式、ファームウェアのバージョン、記録速度などによって書換型光ディスクに照射するレーザ光の記録パワー、消去パワー、ボトムパワー、ライトストラテジ、スポット形状などの記録条件が異なっていた。また、書換型光ディスクは、記録条件に応じて記録特性が異なっていた。そのため、ある光ディスク記録装置でデータを記録した書換型光ディスクに対して、別の光ディスク記録装置でオーバーライトすると、書換型光ディスクに形成されたピットを完全に消去したり、新たなピットで元のピットを覆うように形成することができないために、ジッタが悪くなりエラーレートが高くなっていた。
【0020】
そこで、本発明は、ある光ディスク記録装置で記録した書換型光ディスクを別の光ディスク記録装置でオーバーライトしても、ジッタが悪化せずエラーレートの低いデータを得られる光ディスク記録方法及び光ディスク記録装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0022】
(1)書換型光ディスクの情報記録領域に記録されている旧データ上に新データを上書きする時に、この旧データに対して消去パワーのレーザ光を連続的に照射して試し消去を行い、前記試し消去の結果に応じて最適な消去パワーを設定し、この消去パワーを適用して新データを上書きすることを特徴とする。
【0023】
別の光ディスク記録装置でデータを記録した書換型光ディスクに対してデータを上書きする場合、旧データの方が記録パワーが強いなど記録条件が異なると、旧データを完全に消去することができずに、上書きした新データのジッタが悪くなりエラーレートが高くなることがある。この構成においては、書換型光ディスクの情報記録領域に記録された旧データを試し消去して、旧データを完全に消去することができる最適な消去パワーを設定し、この消去パワーを適用してデータを上書きするので、旧データを完全に消去して旧データの影響を受けることなく新データを再生することが可能となる。
【0024】
(2)書換型光ディスクの情報記録領域に記録されている旧データ上に新データを上書きする時に、この旧データに対して消去パワーのレーザ光を連続的に照射して試し消去を行い、前記試し消去の結果に基づいて第1の最適消去パワーを決定し、
前記書換型光ディスクの試し書き領域で試し書きを行って第2の最適消去パワーを決定し、
前記第1の最適消去パワー及び前記第2の最適消去パワーから上書き時の消去パワーを設定し、
この上書き時の消去パワーを適用して新データを上書きすることを特徴とする。
【0025】
試し消去を行って最適消去パワーを設定した場合、消去パワーが大きい値に設定されると、レーザダイオードや書換型光ディスクの劣化が進むおそれがある。この構成においては、試し消去の結果に応じて決定した第1の最適消去パワーと、試し書きの結果に応じて決定した第2の最適消去パワーと、から上書き時の消去パワーを設定するので、例えば、第2の最適消去パワーに基づいて、旧データの雑音レベルが問題ない範囲で第1の最適消去パワーを補正して、この値を上書き時の消去パワーに設定することができる。これにより、書換型光ディスクにレーザ光を照射するレーザダイオードや書換型光ディスクの劣化を抑制できる。
【0026】
(3)前記第1の最適消去パワーが前記第2の最適消去パワーよりも小さい場合は、前記第2の最適消去パワーを上書き時の消去パワーに設定し、
前記第1の最適消去パワーが前記第2の最適消去パワーよりも大きい場合は、前記第1の最適消去パワーを上書き時の消去パワーに設定することを特徴とする。
【0027】
この構成においては、書換型光ディスクの情報記録領域に記録された旧データを、図1(B)P2w→P0wの結果及びP1w→P0wの結果に示されるようにジッタ増加を防いで、より確実に消去できる消去パワーを設定できる。
【0028】
(4)前記消去パワーを所定量ずつ変化させて複数段階の消去パワーのレーザ光を連続的に照射して、試し消去を行うことを特徴とする。
【0029】
この構成においては、消去パワーを所定量ずつ変化させた複数段階の消去パワーのレーザ光を連続的に照射して試し消去を行うことで、最適な消去パワーを容易に設定することが可能となる。
【0030】
(5)前記試し消去した旧データ部分を再生して、再生信号中の雑音が所定値以下である部分を検出し、この部分に照射したレーザ光の消去パワーを前記最適な消去パワーに設定することを特徴とする。
【0031】
この構成においては、複数段階の消去パワーのレーザ光を照射して試し消去した部分の再生信号中の雑音が所定値以下である消去パワーを選択するので、旧データを最も確実に消去できる消去パワーを設定することが可能となる。
【0032】
(6)前記再生信号中の雑音が所定値以下である部分が複数ある場合、最小の消去パワーを最適な消去パワーに設定することを特徴とする。
【0033】
この構成においては、データを上書きする際に書換型光ディスクに照射するレーザ光の消去パワーをデータを確実に消去可能な範囲で所定値以下の値に設定するので、レーザダイオードの劣化を抑制することができる。
【0034】
(7)書換型光ディスクにレーザを照射するレーザ光照射手段と、
書換型光ディスクの情報記録領域に記録されている旧データに対して、前記レーザ光照射手段に消去パワーのレーザ光を連続的に照射させて試し消去を行い、この試し消去の結果に応じて最適な消去パワーを設定し、この消去パワーを適用して前記レーザ光照射手段に新データを上書きさせる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0035】
この構成においては、(1)と同様の効果を得ることができる。
【0036】
(8)書換型光ディスクにレーザを照射するレーザ光照射手段と、
書換型光ディスクの情報記録領域に記録されている旧データに対して、前記レーザ光照射手段に消去パワーのレーザ光を連続的に照射させて試し消去を行い、この試し消去の結果に応じて第1の最適消去パワーを決定し、
前記書換型光ディスクの試し書き領域に記録パワーのレーザ光を照射させて試し書きを行い、この試し書きの結果に応じて第2の最適消去パワーを決定し、
前記第1の最適消去パワー及び前記第2の最適消去パワーから上書き時の消去パワーを設定し、この上書き時の消去パワーを適用して前記レーザ光照射手段に新データを上書きさせる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0037】
この構成においては、(2)と同様の効果を得ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下の説明では、書換型光ディスクの一例としてCD−RWにデータをオーバーライトする場合について説明する。まず、本発明の実施形態に係る光ディスク記録装置の詳細について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る光ディスク記録装置の構成を示したブロック図である。本実施形態では、光ディスクに照射する光ビームとしてレーザ光を用いる構成を示す。図6に示すように、光ディスク記録装置1は、光ピックアップ10、スピンドルモータ11、RFアンプ12、サーボ回路13、ATIP検出回路14、デコーダ15、制御部16、エンコーダ17、ストラテジ回路18、レーザドライバ19、レーザパワー制御回路20、周波数発生器21、クロストーク検出回路22、エンベロープ検出回路23、再生信号品位検出回路部24、記憶部25、操作部27、及び表示部28を備えている。また、光ピックアップ10、サーボ回路13、エンコーダ17、ストラテジ回路18、レーザドライバ19及びレーザパワー制御回路20によって、データの記録手段である記録部29が構成されている。さらに、光ピックアップ10及びRFアンプ12によって、データの再生手段である再生部30が構成されている。
【0039】
スピンドルモータ11は、データの記録対象である光ディスクDを回転駆動するモータである。また、スピンドルモータの回転軸先端部には、光ディスクを保持(チャッキング)するためのターンテーブルなどからなる図外の光ディスク保持機構が設けられている。
【0040】
光ピックアップ10は、レーザダイオード、レンズ及びミラーなどの光学系、戻り光(反射光)受光素子、並びにフォーカスサーボ機構などを備えている。また、記録及び再生時にはレーザ光を光ディスクDに対して照射して、光ディスクDからの戻り光を受光して受光信号であるEFM(Eight to Fourteen Modulation)変調されたRF信号をRFアンプ12に出力する。なお、フォーカスサーボ機構は、光ピックアップ10のレンズと光ディスクのデータ面との距離を一定に保つためのサーボ機構である。また、光ピックアップ10は、モニタダイオードを備えており、光ディスクDの戻り光によってモニタダイオードに電流が生じ、この電流がレーザパワー制御回路20へ供給されるようになっている。
【0041】
周波数発生器21は、スピンドルモータ11が出力した回転角度や回転数を検出して、その信号をサーボ回路13に出力する。
【0042】
RFアンプ12は、光ピックアップ10から供給されるEFM変調されたRF信号を増幅して、増幅後のRF信号をサーボ回路13、ATIP検出回路14、クロストーク検出回路22、エンベロープ検出回路23、再生信号品位を測定する再生信号品位検出回路部24、及びデコーダ15に出力する。
【0043】
デコーダ15は、再生時には、RFアンプ12から供給されるEFM変調されたRF信号をEFM復調して再生データを生成し、記憶部25に出力する。また、デコーダ15は、記録時には、テスト記録によって記録された領域を再生する際に、RFアンプ12から供給されたRF信号をEFM復調する。
【0044】
本実施形態に係る光ディスク記録装置1では、データを記録する際に、本データの記録に先立ち、光ディスクDの内周側のPCA(Power Calibration Area )領域にテスト記録を行う。そして、このテスト記録した領域の再生結果に基づいて、光ディスクDに対して良好な記録を行える記録条件を求めるように構成されている。
【0045】
ここで、光ディスクDのテスト記録を行う領域について、図7を用いて説明する。図7は、光ディスクの領域構成を示した断面図である。光ディスクDの外径は120mmであり、光ディスクDの直径46〜50mmの区間がリードイン領域114として用意され、その外周側にデータを記録する情報記録領域118及び残余領域120が用意されている。一方、リードイン領域114よりも内周側には、内周側PCA領域112が用意されている。また、内周側PCA領域112には、テスト領域112aと、カウント領域112bと、が用意されている。このテスト領域112aには、前述のように本記録に先立ち、テスト記録が実施される。ここで、テスト領域112aとしては、テスト記録を複数回行える領域が用意されている。また、カウント領域112bには、テスト記録終了時にテスト領域112aのどの部分まで記録が終了しているかを示すEFM信号が記録される。したがって、次にこの光ディスクDに対してテスト記録を行う際には、カウント領域112bのEFM信号を検出することにより、テスト領域112aのどの位置からテスト記録を開始すれば良いかが、わかるようになっている。本実施形態に係る光ディスク記録装置1では、データの本記録を行う前に上記のテスト領域112aへテスト記録を行っている。
【0046】
図6に戻り、記憶部25は、デコーダ15から出力された光ディスクDの再生データや、光ディスク記録装置1の外部から入力されたデータなどを一旦記憶する。そして、再生時には記憶したデータを図外のデータ再生部へ出力し、記録用光ディスクにデータを記録する時には、記憶したデータをエンコーダ17へ出力する。
【0047】
ATIP検出回路14は、RFアンプ12から供給されたRF信号中に含まれるウォブル信号成分を抽出し、このウォブル信号成分に含まれる各位置の時間情報(アドレス情報)、及び光ディスクを識別する識別情報(ディスクID)やディスクに使われている色素などのディスクの種類を示す情報を復号し、制御部16に出力する。ここで、ウォブル信号成分とは、記録用光ディスクの蛇行した記録トラックの蛇行周波数を表す信号成分であり、時間情報や識別情報などは蛇行周波数をFM変調することで記録されている。
【0048】
クロストーク検出回路22は、光ディスクに記録されたデータを再生して、隣接トラックの信号量(クロストーク量)を検出する。このクロストーク量は、トラックピッチやピットの幅(形状)によって変化する。
【0049】
エンベロープ検出回路23は、光ディスクDへテスト記録を行う前に、光ディスクDのテスト領域112aのどの部分からテスト記録を開始するかを検出するために、上述した光ディスクDのカウント領域112bでのEFM信号のエンベロープを検出する。
【0050】
再生信号品位検出回路部24は、光ディスクDのテスト記録領域を再生している時に、RFアンプ12から供給されるRF信号から再生信号品位に関係するβ値やアシンメトリを算出し、算出結果を制御部16に出力する。ここで、β値は、EFM変調された信号波形のピークレベル(符号は+)をa、ボトムレベル (符号は−)をbとすると、β=(a+b)/(a−b)で求めることができる。
【0051】
サーボ回路13は、スピンドルモータ11の回転制御、並びに光ピックアップ10のフォーカス制御、トラッキング制御、及び送り制御を行う。本実施形態に係る光ディスク記録装置1では記録時には、光ディスクDを角速度一定で駆動する方式であるCAV(Constant Angular Velocity)方式と、光ディスクDを線 速度一定にして駆動する方式であるCLV(Constant Linear Velocity)方式と、を切り替えることができるようになっている。そのため、サーボ回路13は、制御部16から供給される制御信号に応じてCAV方式とCLV方式とを切り替える。ここで、サーボ回路13によるCAV制御では、周波数発生器21によって検出されるスピンドルモータ11の回転数が、設定した回転数と一致するように制御される。また、サーボ回路13によるCLV制御では、RFアンプ12から供給されるRF信号中のウォブル信号が設定された速度倍率になるように、スピンドルモータ11が制御される。
【0052】
エンコーダ17は、記憶部25から供給される記録データをEFM変調し、ストラテジ回路18に出力する。ストラテジ回路18は、エンコーダ17から供給されたEFM信号に対して時間軸補正処理などを行い、レーザドライバ19に出力する。レーザドライバ19は、ストラテジ回路18から供給される記録データに応じて変調された信号と、レーザパワー制御回路20の制御に従って光ピックアップ10のレーザダイオードを駆動する。
【0053】
レーザパワー制御回路20は、光ピックアップ10のレーザダイオードから照射されるレーザパワーを制御する。具体的には、レーザパワー制御回路20は、光ピックアップ10のモニタダイオードから供給される電流値と、制御部16から供給される最適なレーザパワーの目標値を示す情報と、に基づいて、最適なレーザパワーのレーザ光が光ピックアップ10から照射されるように、レーザドライバ19を制御する。
【0054】
制御部16は、CPU、ROM、及びRAM等から構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って光ディスク記録装置1の各部を制御する。また、制御部16は、上述したようにデータの本記録に先立ち、光ディスク記録装置1にセットされた光ディスクDの所定の領域に対し、テスト記録を行うように装置の各部を制御する。そして、制御部16では、上述したテスト記録された領域を再生している際に得られる信号から、信号品位検出回路24によって検出されたβ値などの再生信号品位に基づいて、光ディスク記録装置1がテスト記録を行った光ディスクDに対して、再生信号品位と、目標βやライトストラテジなどの装置記録パラメータ(記録条件)との関係を求めることにより、記録エラーのない良好な記録を行うことができる記録可能速度を求める記録速度判定処理などを行う。
【0055】
記憶部25は、書換型光ディスクの型番毎にデータを記録、消去するための各種情報を記憶している。操作部27は、光ディスクにデータを記録する操作を行うためのものである。表示部28は、操作部27で行った操作内容などユーザに伝達したい内容を、表示するためのものである。
【0056】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態に係る光ディスク記録装置について説明する。図2及び図3に基づいて説明したように、書換型光ディスクに照射するレーザ光の消去パワーの関係は、消去パワーが大きくなるのに従って、消去範囲が広くなる。そこで、書換型光ディスクにデータをオーバーライトする場合、旧データの記録条件の如何にかかわらず、旧データを消去できる所定の消去パワーのレーザ光を照射するように設定する方法が考えられる。
【0057】
しかしながら、上記の方法の場合、レーザ光の照射パワーをある程度大きくしなければならず、レーザの消去パワーを大きくすると、書換型光ディスクや光ディスク記録装置1のレーザダイオードの劣化が早まってしまうという問題が発生する。
【0058】
そこで、本発明の実施形態に係る光ディスク記録装置では、書換型光ディスクに記録された旧データに消去パワーのレーザ光を連続的に照射するDC消去法により試し消去を行う。そして、試し消去の結果に応じて最適消去パワーを決定し、この最適消去パワーを適用してデータをオーバーライトする。
【0059】
図8は、試し消去時に書換型光ディスクに照射するレーザ光の消去パワーを示した図である。オーバーライトする書換型光ディスクの旧データが記録された部分に、所定量ずつ消去パワーを増加または減少させながら複数段階の消去パワーのレーザ光を照射して、書換型光ディスクに記録された旧データをDC消去法により試し消去する。例えば、図8に示すように15段階で消去パワーを増加させてレーザ光を照射する。そして、試し消去した旧データ部分に再生レベルのレーザ光を照射して再生を行い、再生信号中の雑音レベルをエンベロープ検出回路で検出する。この時、雑音レベルが最小の部分を検出する。続いて、この雑音レベルが最小の部分に照射したレーザ光の消去パワーレベルを、この書換型光ディスクにデータをオーバーライトする際の消去パワーとして設定する。
【0060】
ここで、雑音レベルが最小の部分が複数ある場合は、その中の最小の消去パワーレベルを選択すると良い。これにより、書換型光ディスク及びレーザダイオードの長寿命化を図ることができる。
【0061】
なお、書換型光ディスクに記録された旧データを試し消去する場合、上記のように15段階で消去パワーを増加させてレーザ光を照射する方法に代えて、以下のような方法を用いることもできる。すなわち、2つの異なる値の消去パワーのレーザ光を照射してDC消去法により試し消去を行ってから、試し消去した旧データ部分に再生レベルのレーザ光を照射して再生を行い、再生信号中の雑音レベルをエンベロープ検出回路で検出する。そして、2つの異なる値の消去パワーで消去した旧データ部分の雑音レベルに基づいて最適消去パワーを割り出し、この最適消去パワーを適用してデータをオーバーライトする。
【0062】
最適消去パワーの割り出し方法としては、例えば、実験などを行って予め雑音レベルと記録パワーの関係式を求めておき、この関係式に基づいて最適消去パワーを割り出すと良い。
【0063】
以上のように、本発明の実施形態に係る光ディスク記録装置では、旧データを消去できる最小の消去パワーを決定することが可能となり、データをオーバーライトする際に、旧データの消し残りなどの影響が、新たに記録するデータに及ぶのを防止できる。
【0064】
光ディスク記録装置で書換型光ディスクをオーバーライトする際に照射するレーザ光の記録パワーは、OPCを行って最適記録パワーを求めるようにすると良い。そして、書換型光ディスクの旧データ上に新データを上書きする際に照射するレーザ光は、上記のようにして決定した消去パワーと最適記録パワーとに設定すると良い。このようにすることで、書換型光ディスクに記録された旧データを確実に消去しながら、光ディスク記録装置に設定された書換型光ディスクに最適な記録パワーでデータを記録することができる。
【0065】
なお、本発明の実施形態に係る光ディスク記録装置は、データをオーバーライトするのではなく新規にデータを記録する場合、試し消去を行わずに、OPCを行って求めた最適記録パワーを求める。そして、光ディスク記録装置に予め設定された記録パワーと消去パワーとの比であるε(=消去パワー/記録パワー)に基づいて書換型光ディスクに最適な消去パワーを設定し、データを記録する。周知のように、光ディスク記録装置では、通常、実験などを行って求めた値であるεの値が設定されているので、OPCによって最適記録パワーが決定されると、消去パワーも自動的に決定される。光ディスク記録装置によってεの値は異なるが、例えばある光ディスク記録装置ではεの値は50%に設定されている。
【0066】
図9は、エンベロープ検出回路の詳細を示したブロック図である。光ディスク記録装置1では、エンベロープ検出回路23で再生信号のPP値を検出する。図9に示すように、エンベロープ検出回路23は、ACカプラ41、微分回路42、ボトムホールド回路(B/H)43、ピークホールド回路(P/H)44、及び演算回路(オペアンプ)45から成る。
【0067】
ACカプラ41は、RFアンプ12から出力された信号中の直流成分をカットして交流成分を微分回路42へ出力する。微分回路42は、ACカプラ41から出力された再生信号の雑音レベルを強調する。ボトムホールド回路43は、微分回路42から出力された信号のボトム値(ローレベル側のピーク値)Aをホールドして出力する。ピークホールド回路44は、微分回路42から出力された信号のピーク値(ハイレベル側のピーク値)Bをホールドして出力する。演算回路45は、ボトムホールド回路43から出力されたボトム値A及びピークホールド回路44から出力されたピーク値Bを用いて演算を行いPP値を求める。エンベロープ検出回路23では、上記のような処理を行う各回路を連携させて、書換型光ディスクに記録されていた旧データを試し消去した再生信号の雑音レベルを求める。なお、エンベロープ検出回路23は、旧データを試し消去した再生信号の雑音レベルが検出できる場合、微分回路42を備えない構成であっても良い。また、さらに演算回路を設けて、オペアンプ45の出力と所定値とを比較し、所定値以下の雑音レベルであることを検出する構成としても良い。この場合には、所定値は自然残留雑音レベルの平均値付近とすると良い。
【0068】
旧データを試し消去した再生信号の雑音レベルは、OPCの直後に取得しても良いし、別の機会に取得しても良い。制御部16は、エンベロープ検出回路23から出力された値から、最も雑音レベルが小さい、つまりPP値が最も小さい値を検出して、この時の消去パワーレベルを最適消去パワーの値として設定する。
【0069】
次に、本発明の実施形態に係る光ディスク記録装置が、書換型光ディスクにオーバーライトする際の処理について説明する。図10は、本発明の第1実施形態に係る光ディスク記録装置の記録動作を説明するためのフローチャートである。
【0070】
図10に示すように、ユーザは、CD−RWにデータを記録する場合、まず、光ディスク記録装置1のディスクトレイにCD−RWをセットする。光ディスク記録装置1の制御部16は、CD−RWがセットされたことを検出すると(s1)、CD−RWをチャッキングした後、所定の場所まで光ピックアップ10を移動し、レーザ光を照射して初期情報を取得する(s2)。具体的には、まず、制御部16は、光ディスクの種類を識別するためにレーザ光の反射率を判定する。この時、光ディスクの反射率が低ければ書換型の光ディスク(CD−RW)であり、反射率が高ければ追記型の光ディスク(CD−R)または読出型(非記録型)の光ディスク(CD−ROM)であると判定できる。また、制御部16は、光ディスク記録装置1にセットされた光ディスクのリードインエリアにおけるウォブル成分の有無を検出し、ウォブル情報があった場合にはATIP情報を検出する。ATIP情報を検出できた場合は、書換型または追記型の光ディスクと判定し、ATIP情報に含まれるディスクID(メーカーコード)やSTLI(Start Time of Lead−In Area:メーカーコード及びディスクコードに相当)などの情 報を各種の制御に利用する。このように、制御部16は、反射率とATIP情報とによって、書換型、追記型、及び読出型のいずれの光ディスクであるかを判定する。また、ATIP情報によって光ディスクのディスクIDを取得する。
【0071】
続いて、制御部16は、ユーザがセットしたCD−RWに対して行う処理を問い合わせる内容を表示部28に表示する(s3)。ユーザは、この表示に応じて、セットしたCD−RWに対して実行させたい処理を入力する。制御部16は、操作部27からの入力を検出すると(s4)、データの再生が設定された場合 (s5)、光ピックアップから書換型光ディスクに再生パワーのレーザ光を照射させてデータの再生処理を行う(s6)。制御部16は、データの再生が完了すると処理を終了する。
【0072】
一方、制御部16は、データの記録が設定された場合(s5)、記録動作が初期記録であるか上書きであるかを判定する(s7)。具体的には、リードインエリア及びPMAにおけるEFM信号の有無を判定し、双方またはリードインエリアにEFM信号が記録されていない場合は初期記録と判定する。制御部16は、CD−RWがブランクディスクまたは記録途中である場合、光ディスクDのデータを未記録の領域に初めてデータを記録するので、PCAでOPCを行って最適記録パワーを決定する(s8)。そして、制御部16は、CD−RWにデータを記録または追記して(s9)、処理を終了する。
【0073】
一方、制御部16は、ステップs7において、CD−RWのリードインエリア及びPMAにEFM信号が記録されている場合、上書きを行うと判定して、まずOPCを行って最適記録パワーを設定する(s11)。具体的には、CD−RWのPCAにて、所定のパワー増分を繰り返して15段階の記録パワーレベルで試し書きを行う。続いて、試し書きしたデータを再生し、再生信号を再生信号品位検出回路部24へ出力し、β値を求めて、このβ値が所定の値に最も近い領域を記録したパワーレベルを最適記録パワーレベルとする。
【0074】
続いて、光ディスク記録装置1の制御部16は、オーバーライトする書換型光ディスクに対して試し消去を行う(s12)。具体的には、制御部16は、書換型光ディスクに記録されている旧データに対して、例えば15段階の消去パワーのレーザ光を照射してDC消去法により試し消去を行う。この時、制御部16は、データのアドレス情報を取得しながら試し消去を行い、アドレスと消去パワーとの関係を一時的に記憶する。続いて、制御部16は、試し消去したデータ部分を再生して(s13)、エンベロープ検出回路23から出力されたPP値から最小値(雑音レベルの最小値)及びそのアドレスを検出する(s14)。そして、制御部16は、検出したアドレス情報からレーザ光の消去パワーを読み出して、その値を最適消去パワーとして設定する(s15)。
【0075】
制御部16は、ステップs15で設定した最適消去パワーと、ステップs11で設定した最適記録パワーと、のレーザ光を書換型光ディスクに照射して、旧データ上に新データをオーバーライトする(s16)。制御部16は、データの記録が完了したら、処理を終了する。
【0076】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る光ディスク記録装置の詳細について説明する。本発明の第2実施形態に係る光ディスク記録装置では、書換型光ディスクにオーバーライトする際に、書換型光ディスクに記録されている旧データに対して試し消去を行う。そして、試し消去したデータのトラック部分を再生して、再生信号の雑音レベルが最小となる消去パワーを第1の最適消去パワーに決定する。この決定方法は第1実施形態と同様の方法である。また、OPC(試し書き)を行って最適記録パワーを決定し、最適記録パワー及び最適消去パワーの予め光ディスク記録装置に設定された比εに基づいて第2の最適消去パワーを決定する。これは新規にデータを書き込む場合と同様の方法である。そして、第1の最適消去パワー及び第2の最適消去パワーに基づいて上書き時の消去パワーを設定し、この消去パワーを用いて新データを上書きする。
【0077】
上書き時の消去パワーは、例えば、第1の最適消去パワー及び第2の最適消去パワーの大きさに基づいて決定する。すなわち、第1の最適消去パワーが第2の最適消去パワーよりも小さい場合は、第2の最適消去パワーを上書き時の消去パワーに設定する。一方、第1の最適消去パワーが第2の最適消去パワーよりも大きい場合は、第1の最適消去パワーを上書き時の消去パワーに設定する。このようにして上書き時の消去パワーを設定することで、書換型光ディスクに記録された旧データを確実に消去できる消去パワーを設定できる。また、第2の最適消去パワーを上書き時の消去パワーに設定する場合、OPCの結果及びεの値に基づいて設定しているので、光ディスク記録装置にの消去パワーを大きく変更することなく速やかに上書き時の消去パワーを設定できる。
【0078】
また、上書き時の消去パワーは、例えば、第1の最適消去パワー及び第2の最適消去パワーの大きさに基づいて両消去パワーの中間値に設定することもできる。例えば、第1の最適消去パワーが第2の最適消去パワーよりも小さい場合は、第2の最適消去パワーよりも大きく第1の最適消去パワーよりも小さな消去パワーを上書き時の消去パワーに設定することができる。
【0079】
試し消去を行って最適消去パワーを設定した場合、消去パワーが大きい値に設定されると、レーザダイオードや書換型光ディスクの劣化が進むおそれがある。このような場合、例えば、第2の最適消去パワーに基づいて、旧データの雑音レベルが問題ない範囲で第1の最適消去パワーを小さくする補正を行って、この値を上書き時の消去パワーに設定すると良い。これにより、書換型光ディスクに記録された旧データを多少消し残りが在ったとしても問題が無い範囲で消去できるとともに、光ディスク記録装置のレーザダイオードや書換型光ディスクの劣化を抑制できる。
【0080】
次に、本発明の実施形態に係る光ディスク記録装置が、書換型光ディスクにオーバーライトする際の処理について説明する。図11は、本発明の第2実施形態に係る光ディスク記録装置の記録動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、図10に示したフローチャートと同様な部分を省略して、書換型光ディスクデータをオーバーライト(上書き)する処理について説明する。
【0081】
制御部16は、ステップs7において、CD−RWのリードインエリア及びPMAにEFM信号が記録されている場合、上書きを行うと判定して、まずOPCを行って最適記録パワーを設定する(s21)。具体的には、CD−RWのPCAにて、所定のパワー増分を繰り返して15段階のパワーレベルで試し書きを行う。続いて、試し書きしたデータを再生し、再生信号を再生信号品位検出回路部24へ出力し、β値を求めて、このβ値が所定の値に最も近い領域を記録したパワーレベルを最適記録パワーレベルとする。そして、制御部16は、記憶部25に格納されている最適記録パワー及び最適消去パワーの比の値であるεを読み出して最適消去パワーPe1を決定し、この値を保持する(s22)。
【0082】
続いて、光ディスク記録装置1の制御部16は、オーバーライトする書換型光ディスクに対して試し消去を行う(s23)。具体的には、制御部16は、書換型光ディスクの情報記録領域に記録されている旧データに対して、例えば消去パワーのレーザ光を連続的に照射する試し消去を15段階のパワーレベルで行う。この時、制御部16は、データのアドレス情報を取得しながら試し消去を行い、アドレスと消去パワーとの関係を一時的に記憶する。続いて、制御部16は、試し消去したデータ部分を再生して(s24)、エンベロープ検出回路23から出力されたPP値から最小値(雑音レベルの最小値)及びそのアドレスを検出する(s25)。そして、制御部16は、検出したアドレス情報からレーザ光の消去パワーを読み出して、その値を最適消去パワーPe2として決定する(s26)。
【0083】
制御部16は、ステップs22で決定した最適消去パワーPe1と、ステップs26で決定した最適消去パワーPe2と、の値を比較する(s27)。その結果、最適消去パワーPe1が最適消去パワーPe2以下の場合は、最適消去パワーPe2を上書き時の消去パワーに設定する(s28)。一方、最適消去パワーPe1が最適消去パワーPe2よりも大きい場合は、最適消去パワーPe1を上書き時の消去パワーに設定する(s29)。
【0084】
制御部16は、ステップs28またはステップs29で設定した上書き時の消去パワーと、ステップs21で設定した最適記録パワーと、のレーザ光を書換型光ディスクに照射して、旧データ上に新データをオーバーライトする(s30)。制御部16は、データの記録が完了したら、処理を終了する。
【0085】
以上、記録媒体がCD−RWの場合について説明したが、本発明はDVD−RW及びDVD+RWの場合にも適用可能である。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0087】
(1)書換型光ディスクに記録された旧データを試し消去して、旧データを完全に消去することができる最適な消去パワーを設定し、この消去パワーを適用してデータを上書きすることにより、旧データを完全に消去して旧データの影響を受けることなく新データを再生できる。
【0088】
(2)試し消去の結果に応じて決定した第1の最適消去パワーと、試し書きの結果に応じて決定した第2の最適消去パワーと、から上書き時の消去パワーを設定することで、書換型光ディスクにレーザ光を照射するレーザダイオードや書換型光ディスクの劣化を抑制できる。
【0089】
(3)書換型光ディスクに記録された旧データを、より確実に消去できる消去パワーを設定できる。
【0090】
(4)消去パワーを所定量ずつ変化させた複数段階の消去パワーのレーザ光を照射して試し消去を行うことにより、最適な消去パワーを容易に設定できる。
【0091】
(5)複数段階の消去パワーのレーザ光を照射して試し消去した部分の再生信号中の雑音が所定値以下である消去パワーを選択することにより、旧データを最も確実に消去できる消去パワーを設定できる。
【0092】
(6)データを上書きする際に書換型光ディスクに照射するレーザ光の消去パワーをデータを確実に消去可能な範囲で所定値以下の値に設定して、レーザダイオードの劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】書換型光ディスクのオーバーライト回数とジッタとの関係、及び異なる記録パワーで光ディスクにオーバーライトを行った時のジッタの変化を示したグラフである。
【図2】書換型光ディスクに形成されるピットの形状を示した図である。
【図3】書換型光ディスクにオーバーライトする際のイメージ図である。
【図4】書換型光ディスク用のライトストラテジの一例である。
【図5】光ディスク記録装置のレーザ光のスポット形状及び書換型光ディスクに形成されるピットの形状を示した図である。
【図6】本発明の実施形態に係る光ディスク記録装置の構成を示したブロック図である。
【図7】光ディスクの領域構成を示した断面図である。
【図8】試し消去時に書換型光ディスクに照射するレーザ光の消去パワーを示した図である。
【図9】エンベロープ検出回路の詳細を示したブロック図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る光ディスク記録装置の記録動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態に係る光ディスク記録装置の記録動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1−光ディスク記録装置 10−光ピックアップ
11−スピンドルモータ 12−RFアンプ
13−サーボ回路 14−ATIP検出回路
16−制御部 20−レーザパワー制御回路
22−クロストーク検出回路 25−記憶部
27−操作部 28−表示部

Claims (8)

  1. 書換型光ディスクの情報記録領域に記録されている旧データ上に新データを上書きする時に、この旧データに対して消去パワーのレーザ光を連続的に照射して試し消去を行い、前記試し消去の結果に応じて最適な消去パワーを設定し、この消去パワーを適用して新データを上書きすることを特徴とする光ディスク記録方法。
  2. 書換型光ディスクの情報記録領域に記録されている旧データ上に新データを上書きする時に、この旧データに対して消去パワーのレーザ光を連続的に照射して試し消去を行い、前記試し消去の結果に基づいて第1の最適消去パワーを決定し、
    前記書換型光ディスクの試し書き領域で試し書きを行って第2の最適消去パワーを決定し、
    前記第1の最適消去パワー及び前記第2の最適消去パワーから上書き時の消去パワーを設定し、
    この上書き時の消去パワーを適用して新データを上書きすることを特徴とする光ディスク記録方法。
  3. 前記第1の最適消去パワーが前記第2の最適消去パワーよりも小さい場合は、前記第2の最適消去パワーを上書き時の消去パワーに設定し、
    前記第1の最適消去パワーが前記第2の最適消去パワーよりも大きい場合は、前記第1の最適消去パワーを上書き時の消去パワーに設定する請求項2に記載の光ディスク記録方法。
  4. 前記消去パワーを所定量ずつ変化させて複数段階の消去パワーのレーザ光を連続的に照射して、試し消去を行う請求項1または2に記載の光ディスク記録方法。
  5. 前記試し消去した旧データ部分を再生して、再生信号中の雑音が所定値以下である部分を検出し、この部分に照射したレーザ光の消去パワーを前記最適な消去パワーに設定することを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスク記録方法。
  6. 前記再生信号中の雑音が所定値以下である部分が複数ある場合、最小の消去パワーを最適な消去パワーに設定する請求項5に記載の光ディスク記録方法。
  7. 書換型光ディスクにレーザを照射するレーザ光照射手段と、
    書換型光ディスクの情報記録領域に記録されている旧データに対して、前記レーザ光照射手段に消去パワーのレーザ光を連続的に照射させて試し消去を行い、この試し消去の結果に応じて最適な消去パワーを設定し、この消去パワーを適用して前記レーザ光照射手段に新データを上書きさせる制御手段と、を備えたことを特徴とする光ディスク記録装置。
  8. 書換型光ディスクにレーザを照射するレーザ光照射手段と、
    書換型光ディスクの情報記録領域に記録されている旧データに対して、前記レーザ光照射手段に消去パワーのレーザ光を連続的に照射させて試し消去を行い、この試し消去の結果に応じて第1の最適消去パワーを決定し、
    前記書換型光ディスクの試し書き領域に記録パワーのレーザ光を照射させて試し書きを行い、この試し書きの結果に応じて第2の最適消去パワーを決定し、
    前記第1の最適消去パワー及び前記第2の最適消去パワーから上書き時の消去パワーを設定し、この上書き時の消去パワーを適用して前記レーザ光照射手段に新データを上書きさせる制御手段と、を備えたことを特徴とする光ディスク記録装置。
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