JP2004272604A - データの転送制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数台のホストコンピュータから1台の光ディスク装置へのアクセスが重なった場合、効率良くデータの転送を行い得る転送制御方法を提供する。
【解決手段】複数台のホストコンピュータ3におけるタスクから光ディスク装置2に発行される命令を解読するとともに光ディスク1上のデータに対するアクセス位置を取得するアクセス位置取得ステップと、このアクセス位置取得ステップにて取得されたアクセス位置に基づき連続して読み出すべきデータのアクセス順序テーブルを作成するアクセス順序作成ステップと、このアクセス順序作成ステップにて作成されたアクセス順序テーブルに基づきデータを連続して読み出しデータバッファに蓄積するデータ蓄積ステップと、このデータバッファに蓄積されたデータを、光ディスク装置でのデータ転送可能な状態になるまでの動作時に、ホストコンピュータに転送するデータ転送ステップとを備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル計算機一般/電気的デジタル処理装置に関するものであり、特に光ディスク装置またはテープ装置におけるデータの転送制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、例えば2台のホストコンピュータからネットワークなどのインターフェースを介して光ディスク装置にアクセスする状態を示している。
【0003】
図7において、2台のホストコンピュータ(以下、ホストAおよびホストBと称する)51(51A,51B)はそれぞれストリームデータを要求するもの、52は光ディスク装置(以下、デバイスと称する)で、インターフェース(ネットワーク、周辺機器接続用インターフェースなど)53を介して、要求されたストリームデータを光ディスク(以下、記録媒体と称する)54上から探し出し、各ホスト51との間でデータ転送を行うものである。
【0004】
また、ds0はホストAが要求する記録媒体54上のストリームデータ、ds1はホストBが要求する媒体上のストリームデータ1、ds0−spおよびds0−epは、ストリームデータds0の開始セクタ位置および終了セクタ位置を示し、ds1−spおよびds1−epは、ストリームデータds1の開始セクタ位置および終了セクタ位置を示し、ts01は、ストリームデータds0からストリームデータds1へのシーク時間、ts10は、ストリームデータds1からストリームデータds0へのシーク時間、tr10は、ストリームデータds1の処理後にストリームデータds0のセクタの続きに移動する時の回転待ち時間、drdは記録媒体の回転方向をそれぞれ示す。
【0005】
この構成において、2台のホストA(51A)およびホストB(51B)が1台のデバイス52に同時に異なるストリームデータを読み出そうとする場合、以下のような手順で行われる。
【0006】
すなわち、▲1▼ホストA(51A)からインターフェース53を介してデバイス52へコマンドが発行され、▲2▼ホストB(51B)からインターフェース53を介してデバイス52へコマンドが発行され、▲3▼デバイス52からインターフェース53を介してホストA(51A)にデータが転送され、▲4▼デバイス52からインターフェース53を介してホストB(51B)にデータが転送されるという過程でもって、ストリームデータが転送されていた。
【0007】
【特許文献1】特開2001−195808
【0008】
【特許文献2】特開2000−165844
【0009】
【特許文献3】特表平10−507542
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のデータの転送方式によると、複数台のホストにそれぞれ具備された、または単一のホストに具備された複数のタスクが、同時に同一のデバイスにアクセスしようとした場合、結果として同一記録媒体上の2箇所以上の異なる位置からデータ転送を行うことになる。
【0011】
この場合、デバイスでは、それぞれ異なるセクタ位置に移動するためのシーク動作や回転待ち時間が浪費され、ホストへのデータ転送に要する時間が長くなるという問題がある。さらに、ホストの台数が増えたり、タスクが増えたりすると、アクセスの種類が増えてデータ転送のために要する時間が一段と長くなってしまう。すなわち、各ホストへのデータ転送に遅延が起こり、その結果、スムーズなデータの再生が行われず、画像や音声の途切れが発生するという問題がある。
【0012】
また、デバイスがテープ装置である場合には、それぞれ異なるデータ位置に移動するための巻き戻し動作・早送り動作およびインデックス領域の読み出しなどに時間が浪費され、光ディスク装置と同様に、データ転送に要する時間が長くなってしまう。
【0013】
そこで、本発明は、複数台のホストまたは単一のホスト上における複数のタスクが、デバイス中の記録媒体上の複数の異なる領域にアクセスする際に、異なる領域間で発生するシーク動作および回転待ち動作などに起因してデータ転送に要する時間が長くなるのを防止し得るデータの転送制御方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明の請求項1に係るデータの転送制御方法は、少なくともデータの再生機能を有するデータ処理装置に情報記録装置の記録媒体上のデータを転送する際の制御方法であって、
複数台または単一のデータ処理装置に具備された複数のタスクにより上記情報記録装置に発行される命令を解読するとともに記録媒体上のデータに対するアクセス位置を取得するアクセス位置取得ステップと、このアクセス位置取得ステップにて取得されたアクセス位置に基づき連続して読み出すべきデータのアクセス順序テーブルを作成するアクセス順序作成ステップと、このアクセス順序作成ステップにて作成されたアクセス順序テーブルに基づきデータを連続して読み出しデータバッファに蓄積するデータ蓄積ステップと、このデータバッファに蓄積されたデータを、情報記録装置でのデータ転送可能な状態になるまでの動作時に、上記データ処理装置に転送するデータ転送ステップとを備えた方法である。
【0015】
また、請求項2に係るデータの転送制御方法は、請求項1に記載の転送制御方法におけるタスクからの命令により情報記録装置にアクセスする際、情報記録装置に設けられたファームウエア側にて制御する方法である。
【0016】
また、請求項3に係るデータの転送制御方法は、請求項1に記載の転送制御方法におけるタスクからの命令により情報記録装置にアクセスする際、データ処理装置に具備された当該情報記録装置の駆動用ソフトウエアにて制御する方法である。
【0017】
また、請求項4に係るデータの転送制御方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の転送制御方法におけるデータバッファに蓄積するデータ量を、このデータの転送時間が、当該タスク以外のタスクによる読出し総時間量を超えるような大きさにする方法である。
【0018】
さらに、請求項5に係るデータの転送制御方法は、複数台のデータ処理装置と複数台の情報記録装置とを接続交換装置を介して接続して、請求項1乃至4のいずれかに記載の転送制御方法を実行させる方法である。
【0019】
上記各転送制御方法によれば、データ処理装置における複数のタスクからのアクセス要求により、記録媒体上にて連続するデータのアクセス位置を示すアクセス順序テーブルが作成されるとともに、このアクセス順序テーブルに基づきデータバッファに予め転送すべきブロック数分のデータが蓄積され、そして情報記録装置における他のデータに対する読出準備時間中に、上記データバッファからデータをデータ処理装置に一括して転送するようにしたので、情報記録装置にて無駄時間が発生するのを防止でき、効率の良いデータ転送を行うことができる。すなわち、データ転送の遅延を軽減することができるので、データ処理装置が動画再生装置である場合には、動画などを切れ目なく再生(配信)することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係るデータの転送制御方法を図1に基づき説明する。
【0021】
このデータの転送制御方法について説明する前に、まず、この転送制御方法が適用される装置環境について説明しておく。
すなわち、このデータの転送制御方法は、図1に示すように、動画などの大量のストリームデータ(以下、単にデータと称する場合もある)が記録されている光ディスク(以下、記録媒体と称する)1を具備した1台の光ディスク装置(情報記録装置の一例で、テープ装置であってもよく、以下、デバイスと称する)2に対して、複数台、例えば3台のホストコンピュータ(少なくとも再生機能を有するデータ処理装置の一例で、具体的には動画再生装置などであり、以下、ホストA,ホストB,ホストCと称する)3(3A〜3C)により、インターフェイス(周辺機器接続用のもので、例えばIEEE1394、SCSIなど)4を介してアクセスして、それぞれストリームデータ0〜2(st0〜st2)を読み出す場合について説明する。
【0022】
また、デバイス2側に設けられたファームウエアには、スケジュール管理部として、ストリームデータ0(st0)へのアクセス要求管理領域(st00,st01,〜,st0n:st0に対するアクセス要求ブロック)CB0、ストリームデータ1へのアクセス要求管理領域(st10,st11,〜,st1n:st1に対するアクセス要求ブロック)CB1、およびストリームデータ2へのアクセス要求管理領域(st20,st21,〜,st2n:st2に対するアクセス要求ブロック)CB2が設けられている。
【0023】
また、ホストA(3A)からは、タスクAに基づきストリームデータ0(st0)へのアクセス要求が、ホストB(3B)からは、タスクBに基づきストリームデータ1(st1)へのアクセス要求が、ホストC(3C)からは、タスクCに基づきストリームデータ2(st2)へのアクセス要求があるものとする。
【0024】
以下、データの転送制御方法について説明する。
この転送制御方法は、デバイス2側のファームウェア処理によって行われるもので、簡単に説明すると、各ホストA,B,Cにそれぞれ具備されたタスク(動作単位の一例で、スレッド、ジョブなども含む概念として取り扱うものとし、ここでは、3つのタスクA〜Cがあるものとして説明する)からデバイス2へ発行される命令を解読(リードまたはライトなど)するとともに当該命令により各ホスト3ごとにアクセスしようとする記録媒体2上でのセクタ(データ格納最小単位ブロック)位置すなわちアクセス位置を取得するアクセス位置取得ステップと、このアクセス位置取得ステップにて取得されたアクセス位置を各ストリームデータ順(記録媒体上での配置順)に整理して連続して読み出すべきストリームデータのアクセス順序テーブル(スケジュールテーブルともいい、例えばデバイス側に設けられたスケジュールバッファに格納される)を作成するアクセス順序作成ステップと、このアクセス順序作成ステップにて作成されたアクセス順序テーブルに基づき連続して読み出すストリームデータを前もって記録媒体1からデータバッファ(例えば、インターフェイス4側に配置されており、勿論、デバイス2側に配置することもできる)に蓄積するデータ蓄積ステップと、デバイス2が、一つ前のデータを読み出した後のデータ転送可能になるまでの読出準備時間(具体的には、シーク動作および回転待ち動作に要する時間であり、移動時間とも称する。なお、情報記録装置がテープ装置である場合には、テープの巻戻し動作時間、早送り動作時間、インデックス読出し時間などである)中に、上記データ蓄積ステップにて蓄積されたストリームデータを、その要求があったホスト3に一括して転送するデータ転送ステップとを備えた方法である。
【0025】
この転送制御方法により、複数台のホスト3の各タスクによる各ストリームデータへのアクセス時(読み出し時)に、記録媒体1上にて連続するデータのアクセス位置を示すアクセス順序テーブルが作成されるとともに、このアクセス順序テーブルに基づきデータバッファに予め転送すべきブロック数分のストリームデータが蓄積され、そしてデバイス2における他のホスト(タスク)からの要求によるストリームデータに対する読出準備時間中に、上記データバッファから、当該要求があったホストにストリームデータを一括して転送するようにしたので、ストリームデータの読み出しを連続して行うことができる。
【0026】
以下、このデータの転送制御方法を、より具体的に説明する。
まず、各ホスト3からデバイス2へのアクセス要求をデバイス2のファームウエアにて集めるとともに、アクセス位置(アクセス先)が連続するように順序良く整理してアクセス順序テーブルを作成し、スケジュールバッファに格納する。
【0027】
次に、このアクセス順序テーブルに基づき、連続するように纏められたストリームデータをデータバッファに転送する。
次に、ホスト3の要求に応じて、データバッファからストリームデータを一括して転送する。
【0028】
ところで、上記データバッファに蓄積されるデータ量については、当該ホスト3へのデータの転送時間が、残りの他のホスト3の読出し動作に掛かる総時間よりも長くなるような大きさにされる。
【0029】
このようなデータ量のストリームデータをホスト3に転送することにより、次のタスクによるストリームデータの読出し動作(正確には、データの転送時)までの間に、データの転送を行わない無駄時間(データ非転送時間)が生じるのが防止され、したがってホスト3において、動画などを切れ目なく再生(配信)することができる。
【0030】
以下、上記データバッファに蓄積されるデータ量について詳しく説明する。
例えば、n台のホスト3が光ディスク装置2における記録媒体1のそれぞれ異なるセクタにアクセスしようとした場合で、且つ最初のホスト3がデータ転送を一旦中断し、他のホスト3の処理を行い、再び最初のホスト3の処理に戻るまでの一連の動作に適用して説明する。以下の説明では、ホストを区別するために、「ホスト」の後ろに「PC1,PC2,・・・,PCn」)の記号を付しておく。
(1)ホストPC1に係るセクタからホストPC2に係るセクタへ移動(シーク)する。
(2)ホストPC2に係るデータの先頭位置まで待つ(回転待ち)。
(3)ホストPC2に係るデータを読み出す(データ転送)。
(4)ホストPC2に係るセクタからホストPC3に係るセクタへ移動する。
(5)以下、ホストPCnまで同様の動作を繰り返す。
(6)最後に、ホストPC1に係るセクタに戻って(シーク)、続きのデータの先頭位置まで待ち(回転待ち)、データ転送を行う。
【0031】
この場合の蓄積されるデータ量としては、n台のホスト3が消費するシーク・回転待ちの総時間T1と、他のホスト3がデータ転送を行う総時間T2との合計時間よりも、転送が行われるホスト3側でのストリームデータの処理時間すなわちデータ転送時間T0の方が長くなればよい。
【0032】
この関係を式で表せば、下記のようになる。
【0033】
【数1】
T0>T1+T2・・・(1)
T1=2×n×(ts+tr)(秒)・・・(2)
T2={(n−1)×RB×x}÷RD(秒)・・・(3)
ところで、ホストがデバイスから1アクセス命令で読み出すブロック数をxとし、またホストがデバイスから1回で読み出すブロックのデータ量をRB(Kbytes)とすると、ホスト側でデータの転送に要する時間T0は下記(4)式にて表される。
【0034】
【数2】
T0={(RB×x)÷VS}(秒)・・・(4)
上記(2)〜(4)式を(1)式に代入し整理して、蓄積すべきブロック数xを求めると、下記(5)式のようになる。
【0035】
【数3】
x >{2×n×(ts+tr)}÷{(RB÷VS)−(RB×n÷RD)+(RB÷RD)}・・(5)
但し、上記各式中の記号は下記の事項を示す。
【0036】
RD:デバイスにおける平均データ転送速度(Kbytes/秒)
ts:デバイスにおける平均シーク時間(秒)
tr:デバイスにおける平均回転待ち時間(秒)
VS:ストリームデータの転送速度(Kbytes/秒)
すなわち、デバイスが光ディスク装置である場合には、光ディスク装置の平均シーク時間、平均回転待ち時間、光ディスク装置のデータ転送能力速度、各種ストリームデータに依存する平均データ転送速度、アクセスするホストの台数あるいはタスク数などから、前もって読み込んでおかなければならないデータブロック数を計算し、それぞれのホストまたはタスクにおいて、その数の分だけデータブロックを前もって読み込んでおく。
【0037】
なお、デバイスがテープ装置である場合には、テープ装置の平均巻き戻し時間、平均早送り時間、インデックス領域読み出し時間、テープ装置のデータ転送能力速度、各種ストリームデータに依存する平均データ転送速度、アクセスするホストの台数あるいはタスク数などから、前もって読み込んでおかなければならないデータブロック数を計算し、それぞれのホストあるいはタスクでその数の分だけデータブロックを前もって読み込んでおくことになる。
【0038】
このように、各ホスト(タスクA〜C)3からの要求どおりに、記録媒体2からストリームデータを直接読み出すのではなく、アクセス要求があった際にデータ転送が開始されるまでの読出準備時間(シーク時間および回転待ち時間)よりもホストによるデータ転送時間の方が長くなるようなブロック数でもって、ストリームデータをデータバッファに蓄積しておき、次のホストによるストリームデータの読出し動作時に、この蓄積されたストリームデータをホストに一括して転送する(読み出す)ようにしたので、シーク時間・回転待ち時間などの無駄時間においてもデータの転送が行われるため、すなわち見かけ上の無駄時間の発生が防止されるため、ストリームデータの転送遅延がなくなる。すなわち、効率の良いデータ転送を行うことができる。したがって、動画、音声などを切れ目なく再生することができる。
【0039】
ところで、上記実施の形態においては、データバッファに蓄積するデータ量を計算する際に、予め、デバイス2に接続されたホスト3の台数nを決めるようにしているが、逆に、データバッファに蓄積し得る最大データ量から、デバイス2に接続し得るホスト3の台数を、上述した上記(5)式により求めることができる。
【0040】
ここで、図2〜図4に、異なるデータの転送速度ごとに、それぞれ3種類のデータ[MPEG4画像(120kB/秒),MPEG2画像(1350kB/秒),MPEG3Audio(MP3)画像(16kB/秒)]に対して一括して読み込む読込ブロック数とホストの接続台数との関係をグラフを示しておく。
【0041】
図2は光ディスク装置でのデータ平均転送速度が900kB/秒(6倍速に相当)の場合を示し、図3は光ディスク装置でのデータ平均転送速度が1800kB/秒(12倍速に相当)の場合を示し、図4は光ディスク装置でのデータ平均転送速度が7200kB/秒(48倍速に相当)の場合を示している。
【0042】
例えば、図2においては、読込ブロック数がマイナスになる所は無効データであり処理不可能なことを示している。すなわち、MPEG4では、ホストが9台以上では処理が不可能となり、このシステムの限界を示している。なお、図3および図4においても、同様のことが示されている。
【0043】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るデータの転送制御方法について説明する。
上記第1の実施の形態にて説明した転送制御方法においては、データの転送制御を、光ディスク装置であるデバイス側のファームウエアにて行うものについて説明したが、本第2の実施の形態においては、ホストコンピュータ側に設けられたデバイスドライバ(駆動用ソフトウエア)にて行う場合について説明する。
【0044】
本第2の実施の形態では、或るホストからのデバイスへのアクセス要求と、他のホストからのアクセス要求とが重なった場合の当該或るホスト上でのデータ処理の効率化を図る場合、すなわち遅延なくデータの転送を行う場合について説明する。なお、装置環境については、第1の実施の形態と同様であるため、同一部材には同一番号を付してその説明を省略する。
【0045】
以下、本第2の実施の形態に係るデータの転送制御方法を、図5に基づき説明する。
或るホスト3(3A)のタスクによりストリームデータの再生を行う場合、まず、当該ホスト3A上のデバイスドライバからデバイス2に読み出しのコマンドが発行されるが、このコマンドは、デバイス2に接続されている他のホスト3(3B〜3D)からの接続状況を確認する接続状況確認付きのものにされている。
【0046】
そして、デバイス2が上記コマンドを受け取ると、接続されている他のホスト3B〜3Dおよびそれぞれのアクセス要求を調査し、その内容(デバイス上でのアクセス位置、読み出すべきデータのブロック数など)がホスト3Aに、すなわちデバイスドライバに送られる。
【0047】
次に、当該ホスト3Aにおいて、他のホスト3B〜3Dのアクセス要求の内容を調査し、第1の実施の形態にて説明したと同様の手順にて、前もって、当該ホスト3Aのタスクに係るデータバッファ(第1の実施の形態と同様に、例えばインターフェイス4側に設けられている)に転送すべきデータブロック数が決定される。
【0048】
以下、その手順を概略的に説明する。
ここでは、記録媒体2上の3個のストリームデータst0〜st2にアクセス要求があった場合について説明すると、最初に読み出すべきストリームデータst0以外の他の2つのストリームデータst1〜st2の読み出しに要する読出し時間を算出する(この算出方法は、第1の実施の形態にて示したものと同じものである)。
【0049】
すなわち、st0からst1へ移動に必要な時間(ts01+tr01)と、st1のデータ転送時間と、st1からst2へ移動に必要な時間(ts12+tr12)と、st2のデータ転送時間と、st2からst0へ戻るのに必要な時間(ts20+tr20)との合計時間を求める。
【0050】
そして、ストリームデータst0のデータ転送時間が、上記の合計時間より多くなるようなデータ量のストリームデータst0(先読みブロック数)を、データバッファに転送し蓄積しておく。
【0051】
次に、このデータバッファに蓄積されたストリームデータst0を、次のストリームデータst1に対する読出準備時間にて、一括してホスト3Aに転送する。
このデータの転送制御方法によれば、ホスト3側に設けられたデバイスドライバを用いて、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。なお、このデバイスドライバには、上述した各ステップ、すなわち命令を解読するとともにデータのアクセス位置を取得するステップ、アクセス順序テーブルを作成するアクセス順序作成ステップ、データをデータバッファに蓄積するデータ蓄積ステップ、このデータバッファのデータをホスト3に転送するデータ転送ステップを実行し得る機能が具備されている。
【0052】
また、この第2の実施の形態では、複数台のホストからのアクセスが同時にあった場合について説明したが、1台のホストにて同時に作動する複数のタスクからのアクセスがあった場合にも、適用し得るものである。
【0053】
次に、本発明の第3の実施の形態に係るデータの転送制御方法を説明する。
上記各実施の形態においては、光ディスク装置であるデバイスが1台設けられている場合について説明したが、本第3の実施の形態では、複数台のデバイス上の記録媒体上のストリームデータに、ネットワーク(インターフェースの一例)を経由して多数のコンピュータ装置であるホストからアクセスする際に、効率的なアクセスを実現し得るものである。
【0054】
以下、本第3の実施の形態に係るデータの転送制御方法を、図6に基づき説明する。なお、本第3の実施の形態においても、第1の実施の形態とその装置環境が殆ど同じであるため、同一の部材については、同一の番号を付して簡単に説明する。
【0055】
すなわち、図6に示すように、本実施の形態に係る装置環境は、複数台のホストコンピュータ(以下、ホストA,ホストB,・・・Nと称する)3(3A,3B,・・・,3N)に、ネットワーク(インターネットまたはイントラネット)5をおよび接続交換装置6を介して、光ディスク(以下、記録媒体と称する)1をそれぞれ具備された複数台の光ディスク装置(以下、デバイスA,デバイスB,・・・,デバイスNと称する)2(2A,2B,・・・,2N)が接続されている。上記接続交換装置6は、ネットワーク4側と各デバイス2とを接続し、どのデバイス2にでも自由にアクセスできるようにするもので、デバイス側に設置されている。なお、各デバイス2における記録媒体1上には、それぞれのストリームデータ(st00…st0n,st10…st1n,st20…st2n,stm0…stmn)が記録されているものとする。
【0056】
次に、データの転送制御方法について説明するが、ここでは、ホストAとデバイスA間にてデータを転送する場合について説明する。
▲1▼ホストA(3A)からのアクセス要求は、ネットワーク5および接続交換装置6経由した後、目的のデバイスA(2A)へ送られる。
【0057】
▲2▼デバイスAへアクセス要求が到着した後、第2の実施の形態または第3の実施の形態にて説明した手順により、最適なブロック数のストリームデータがデバイスA上の記録媒体1から読み出され、データバッファに転送される。
【0058】
▲3▼その後、デバイスAから接続交換装置6を経た後、ネットワーク5を経由して、このストリームデータがホストA(3A)に一括して転送される。
このようなデータの転送処理をデバイスA(2A)〜デバイスM(2M)までの全てについて行うことにより、データの転送を効率良く行うことができ、したがって従来より少ない台数のデバイスにて、ネットワーク経由でストリームデータの配信を行うことができる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、本発明のデータの転送制御方法によれば、データ処理装置における複数のタスクからのアクセス要求により、記録媒体上にて連続するデータのアクセス位置を示すアクセス順序テーブルが作成されるとともに、このアクセス順序テーブルに基づきデータバッファに予め転送すべきブロック数分のデータが蓄積され、そして情報記録装置における他のデータに対する読出準備時間中に、上記データバッファからデータをデータ処理装置に一括して転送するようにしたので、情報記録装置にて無駄時間が発生するのを防止でき、効率の良いデータ転送を行うことができる。すなわち、データ転送の遅延を軽減することができるので、データ処理装置が動画再生装置である場合には、動画などを切れ目なく再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るデータの転送制御方法を説明するための装置全体構成を示す概略図である。
【図2】同転送制御方法において、デバイスのデータ転送速度が900kB/秒の時のホストの接続台数と読込ブロック数の関係を示したグラフである。
【図3】同転送制御方法において、デバイスのデータ転送速度が1800kB/秒の時のホストの接続台数と読込ブロック数の関係を示したグラフである。
【図4】同転送制御方法において、デバイスのデータ転送速度が7200kB/秒の時のホストの接続台数と読込ブロック数の関係を示したグラフである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るデータの転送制御方法を説明するための装置全体構成を示す概略図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るデータの転送制御方法を説明するための装置全体構成を示す概略図である。
【図7】従来例に係るデータの転送制御方法を説明するための装置全体構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 光ディスク(記録媒体)
2 光ディスク装置(デバイス)
3 ホストコンピュータ(データ処理装置)
4 インターフェイス
5 ネットワーク
6 接続交換装置

Claims (5)

  1. 少なくともデータの再生機能を有するデータ処理装置に情報記録装置の記録媒体上のデータを転送する際の制御方法であって、
    複数台または単一のデータ処理装置に具備された複数のタスクにより上記情報記録装置に発行される命令を解読するとともに記録媒体上のデータに対するアクセス位置を取得するアクセス位置取得ステップと、このアクセス位置取得ステップにて取得されたアクセス位置に基づき連続して読み出すべきデータのアクセス順序テーブルを作成するアクセス順序作成ステップと、このアクセス順序作成ステップにて作成されたアクセス順序テーブルに基づきデータを連続して読み出しデータバッファに蓄積するデータ蓄積ステップと、このデータバッファに蓄積されたデータを、情報記録装置でのデータ転送可能な状態になるまでの動作時に、上記データ処理装置に転送するデータ転送ステップとを備えたデータの転送制御方法。
  2. タスクからの命令により情報記録装置にアクセスする際、情報記録装置に設けられたファームウエア側にて制御することを特徴とする請求項1に記載のデータの転送制御方法。
  3. タスクからの命令により情報記録装置にアクセスする際、データ処理装置に具備された当該情報記録装置の駆動用ソフトウエアにて制御することを特徴とする請求項1に記載のデータの転送制御方法。
  4. データバッファに蓄積するデータ量を、このデータの転送時間が、当該タスク以外のタスクによる読出し総時間量を超えるような大きさにすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のデータの転送制御方法。
  5. 複数台のデータ処理装置と複数台の情報記録装置とを接続交換装置を介して接続して、請求項1乃至4のいずれかに記載の転送制御方法を実行させることを特徴とするデータの転送制御方法。
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