JP2004271291A - 測距装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外来ノイズ光に起因する漏れ電荷の影響による測距精度の低下をなくす。
【解決手段】複数の光電変換手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段(#102,#103)と、蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段からの信号をA/D変換し、測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段(#107)と、信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定し、この蓄積信号を読み出すまでの時間と予め記憶している補正係数に基づいて前記A/D変換された信号を補正する補正手段(#104〜#106)とを有する。
【選択図】 図4
【解決手段】複数の光電変換手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段(#102,#103)と、蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段からの信号をA/D変換し、測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段(#107)と、信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定し、この蓄積信号を読み出すまでの時間と予め記憶している補正係数に基づいて前記A/D変換された信号を補正する補正手段(#104〜#106)とを有する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象までの距離を測定するための複数の光電変換素子からなる光電変換手段を具備した測距装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電荷蓄積型の光電変換装置について種々の提案がなされており、またこれを適用した測距装置についての提案(例えば特許文献1)も既になされている。なお、上記測距装置は、距離情報もしくはデフォーカス情報から測距対象物までの距離に関する情報を測定する装置を意味するものとする。この種の測距装置において、一般的に光電変換装置は複数の光電変換素子が所定の画素ピッチで配列され、それぞれの光電変換素子に対応した電荷蓄積部、電荷蓄積を制御する回路、光電出力を読み出す回路が一つの半導体チップ上に形成されている。
【0003】
上記のような測距装置の概略図を図5に示す。
【0004】
図5において、401は第1の光路を形成する第1の受光レンズ、402は第2の光路を形成する第2の受光レンズである。400は半導体チップ上に形成される光電変換装置であり、後述するセンサーアレイ、信号蓄積部、ピーク検出部、信号出力部で構成される。
【0005】
上記光電変換装置400内において、403は複数の光電変換素子(画素)が直線状に配列される第1のセンサーアレイ、404は同じく複数の光電変換素子が直線状に配列される第2のセンサーアレイである。405は第1の信号蓄積部であり、STパルスにより、前記第1のセンサーアレイ403で光電変換された電荷を電圧に変換し、各画素ごとに蓄積する。また、前記第1の信号蓄積部405で蓄積された信号はRESパルスによりクリアされる。406は第2の信号蓄積部であり、前記第1の信号蓄積部405と同様に、前記第2のセンサーアレイ404で光電変換された電荷を電圧に変換し、各画素ごとに蓄積する。
【0006】
407はピーク検出部であり、前記第1の信号蓄積部405および第2の信号蓄積部406の各画素の信号蓄積レベルのMAX値を検出し、PKMON信号として出力する。408は第1の信号出力部であり、前記第1の信号蓄積部405の各画素に対応した信号をCLK1パルスにより順次OUT信号として出力する。409は第2の信号出力部であり、前記第1の信号出力部408と同様に、第2の信号蓄積部406の各画素に対応した信号をCLK2パルスにより順次OUT信号として出力する。
【0007】
図6は、図5の測距装置の蓄積動作と信号読み出し動作を示すタイミングチャートである。
【0008】
まず、RESパルスのL(ローレベルを意味する)からH(ハイレベルを意味する)により、第1の信号蓄積部405と第2の信号蓄積部406内の信号をクリアする。そして、所定時間後にRESパルスをHからLにし、今度はSTパルスをHからLにして信号蓄積を許可することで蓄積動作を開始させる。
【0009】
蓄積動作中は、センサーアレイの各画素の入射光量に応じた傾きで信号蓄積部の電圧レベルが降下してゆく。画素のピークレベルを示す出力は各画素に対応した信号蓄積レベルのうち最も低い出力、すなわち信号蓄積レベルのMAX値に追従して出力がモニタ信号としてPKMON信号から出力される。PKMON信号レベルを不図示の制御部に内蔵しているA/D変換コンバータでA/D変換し、そのレベルをチェックする。そして、蓄積量が適正なレベルになると、STパルスをLからHにして、第1の信号蓄積部405および第2の信号蓄積部406での蓄積動作を終了し、同時に各画素の蓄積信号レベルを保持する。
【0010】
蓄積動作終了後、蓄積信号の読み出しを行う。ここで、読み出しクロックとして、まずCLK1パルスを入力すると、第1のセンサーアレイ403の各画素信号が順次OUTに出力される。第1のセンサーアレイ403の全ての画素信号の出力が終了すると、次にCLK2パルスを入力することで第2のセンサーアレイ404の各画素信号が順次OUTに出力される。
【0011】
また、不図示のマイコンは前記CLKパルスに同期して前記出力信号をA/D変換して内部のメモリに格納していき、全ての画素についての蓄積信号の読み出しが完了したところでその読み出し動作を終了する。
【0012】
以上のように第1のセンサーアレイ403上で得られた測距対象物の像信号と第2のセンサーアレイ404上で得られた測距対象物の像信号の相対値に基づいて、公知の三角測距の原理により測距対象物までの距離が求められる。
【0013】
なお、図5では10画素で構成されたものとして説明されているが、実際には任意の画素数で構成されていて、測距範囲と要求される測距精度とにより、一般には40個以上の光電変換素子で構成することが好ましい。
【0014】
【特許文献1】
特開平6−214148号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図5の測距装置における第1、第2のセンサーアレイ403,404上の輝度分布を、図7に示す。同図では、受光される輝度の強度が強くなるほど信号が高くなるものとする。また、上記のように第1のセンサーアレイ403はA1〜A10の、第2のセンサーアレイ404はB1〜B10の、それぞれ10個の画素(光電変換素子)からなるものとする。
【0016】
図7は第1のセンサーアレイ403上の像信号と第2のセンサーアレイ404上の像信号を示す図であり、第1のセンサーアレイ403上では、画素A3〜A7にまたがって受光像が結像されており、第2のセンサーアレイ404上では、画素B4〜B8にまたがって受光象が結像されている。
【0017】
図7に示すような信号を蓄積した後、各画素出力を取り込むタイミング、および信号出力波形を、図8(a),(b)および(a’),(b’)に示す。なお、図8(a),(b)は理想的な像信号波形であり、図8(a’),(b’)は光電変換装置が形成される半導体チップの側面から光が入射することにより発生した電荷が信号蓄積部に漏れ込んだときの波形である。
【0018】
通常、光電変換装置は半導体チップ上に形成され、該チップ表面にはセンサーアレイ以外には光が入射しないように、アルミニウム等の遮光材料で遮光されているが、チップ側面は遮光されていない。
【0019】
この場合、測距対象物やその周辺の輝度が高いほど、さらに蓄積動作終了後からA/D変換する時間的タイミングが遅いほど、不要な電荷を蓄積してしまう。また、チップ側面からの外来ノイズ光に起因する電荷の漏れ込みのため、チップ側面に近い画素ほど不要な電荷の影響を受け易い。
【0020】
図8(a’)と(b’)において電荷の漏れ込み量が異なるのは、第1のセンサーアレイ403は画素A1側、第2のセンサーアレイ404は画素B10側がチップ側面に近く、電荷が漏れ込み易いが、第1のセンサーアレイ403の画素A10側と第2のセンサーアレイ404の画素B1側は電荷の漏れ込みにくく、また、信号出力(A/D変換)順は第1のセンサーアレイ403の画素A1から第2のセンサーアレイ404の画素B10の順で行っているので、蓄積終了時からA/D変換までの時間が短いA1側の画素には電荷の漏れ込みは殆どないが、逆に第2のセンサーアレイ404の画素B10は蓄積終了時からA/D変換するまでに時間がかかってしまうため、電荷の漏れ込み量が多くなるからである。なお、前記電荷の漏れ込みは信号蓄積中にも発生するが、漏れ込み量が信号に影響を及ぼすような輝度においては、一般的に蓄積時間が短いため、信号蓄積中の漏れ込みは無視できる。
【0021】
以上のように、外来ノイズ光に起因する電荷の漏れ込みの影響により、測距精度が低下してしまうといった問題があった。なお、このようなチップ側面からの外来ノイズ光による電荷の漏れ込みの影響を少なくするため、信号蓄積部からチップ端までの距離を十分離して構成する方法もあるが、チップ面積が大きくなり、コストが高くなることから採用し難い。
【0022】
(発明の目的)
本発明の目的は、外来ノイズ光に起因する漏れ電荷の影響による測距精度の低下をなくすことのできる測距装置を提供しようとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、測距対象物からの信号光を受光する複数の光電変換素子を配列した受光手段と、該受光手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段と、該信号蓄積手段にて蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段からの信号をA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段にてA/D変換された信号に基づいて前記測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段とを有する測距装置において、前記信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定し、この蓄積信号を読み出すまでの時間と予め記憶している補正係数に基づいて前記A/D変換された信号を補正する補正手段を有する測距装置とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
(実施の第1の形態)
図1は本発明の実施の第1の形態に係る測距装置を示す構成図である。
【0026】
同図において、101は第1の光路を形成する第1の受光レンズ、102は第2の光路を形成する第2の受光レンズである。100は半導体チップ上に形成された光電変換装置であり、後述するセンサーアレイ、信号蓄積部、ピーク検出部、信号出力部で構成される。
【0027】
上記光電変換装置100内において、103は複数の光電変換素子(画素)が直線状に配列される第1のセンサーアレイ、104は同じく複数の光電変換素子(画素)が直線状に配列される第2のセンサーアレイである。前記第1、第2のセンサーアレイ103,104は、後述のようにそれぞれ三つの領域(領域RA,CA,LAと、領域RB,CB,LB)に分かれている。
【0028】
上記図1における第1のセンサーアレイ103と第2のセンサーアレイ104のそれぞれの領域と画素の対応について、図2を用いて説明する。
【0029】
図2において、第1のセンサーアレイ103の画素RA1〜RA10(領域RA)と第2のセンサーアレイ104の画素RB1〜RB10(領域RB)においては、第1、第2の受光レンズ101,102により右方向にある測距対象物からの受光像をそれぞれ受光し、第1のセンサーアレイ103の画素CA1〜CA10(領域CA)と第2のセンサーアレイ104の画素CB1〜CB10(領域CB)においては、同様に中央方向にある測距対象物からの受光像をそれぞれ受光し、第1のセンサーアレイ103の画素LA1〜LA10(領域LA)と第2のセンサーアレイ104の画素LB1〜LB10(領域LB)においては、同様に左方向にある測距対象物からの受光像をそれぞれ受光する。
【0030】
図1に戻り、105は第1の信号蓄積部であり、106は第2の信号蓄積部であり、これらは、STパルス1により、第1のセンサーアレイ103の領域RAと第2のセンサーアレイ104の領域RBの、又STパルス2により、第1のセンサーアレイ103の領域CAと第2のセンサーアレイ104の領域CBの、又STパルス3により、第1のセンサーアレイ103の領域LAと第2のセンサーアレイ104の領域LBの、各領域で光電変換された電荷を電圧に変換し、それぞれの画素ごとに蓄積する。また、第1、第2の信号蓄積部105,106で蓄積された信号はRESパルスによりクリアされる。
【0031】
107はピーク検出部であり、前記第1の信号蓄積部105および第2の信号蓄積部106の各画素の信号蓄積レベルのMAX値を検出し、PKMON信号として出力する。108は第1の信号出力部であり、前記第1の信号蓄積部105により蓄積された前記第1のセンサーアレイ103の各画素に対応した信号をCLK1〜3パルスにより順次OUT信号として出力する。109は第2の信号出力部であり、前記第2の信号蓄積部106により蓄積された前記第2のセンサーアレイ104の各画素に対応した信号をCLK4〜6パルスにより順次OUT信号として出力する。
【0032】
詳しくは、前記CLK1パルスにより、前記第1のセンサーアレイ103の画素RA1〜RA10に、前記CLK2パルスにより、前記画素CA1〜CA10に、前記CLK3パルスにより、前記画素LA1〜LA10に、それぞれ対応した信号を出力するように回路を構成している。また、前記CLK4パルスにより、前記第2のセンサーアレイ104の画素RB1〜RB10に、前記CLK5パルスにより、前記画素CB1〜CB10に、前記CLK6パルスにより、画素LB1〜LB10に、それぞれ対応した信号を出力するように回路を構成している。
【0033】
上記のように構成された光電変換装置を有する測距装置は、不図示の制御部であるマイコンにより制御される。ここで該マイコンには、記憶装置であるRAMやタイマ機能、A/D機能が含まれ、不図示の不揮発性メモリに記憶されている調整データ(後述の各種の補正係数)等を用いて前記測距装置の制御を行う。
【0034】
次に、図3(a)のタイミングチャートを用いて、図1の測距装置における信号読み出しの動作について説明する。
【0035】
まず、RESパルスのLからHにより、第1の信号蓄積部105と第2の信号蓄積部106内の信号をクリアする。そして、所定時間後にRESパルスをHからLにし、次いでST1およびST2,ST3パルス全てをHからLにすることで、第1、第2センサーアレイ103,104の全画素の信号蓄積を許可し、蓄積動作を開始する。
【0036】
蓄積動作中はピーク検出部107から出力されるPKMON信号レベルをマイコンに内蔵しているA/D変換コンバータでA/D変換し、そのレベルをチェックすることで、蓄積量が所定レベルになるまで蓄積を継続させる。蓄積量が適正なレベルになった領域からSTパルスをLからHにすることで、各領域の蓄積動作を終了する。最終的にはすべての領域の第1の信号蓄積部105および第2の信号蓄積部106での蓄積動作を終了し、各画素の蓄積信号レベルを保持する。また、各領域の蓄積が終了すると、各領域それぞれの蓄積信号の読み出しまでの時間を判定するためにマイコンは時間の計測を開始する。そして、全領域の蓄積動作終了後、以下の蓄積信号の読み出し動作を開始する。
【0037】
まず、読み出しクロックとしてCLK1が入力すると、第1のセンサーアレイ103の画素RA1〜RA10の信号を順次OUTに出力する。このとき、マイコンではCLK1パルスに同期してA/D変換して内部のRAMに格納していき、画素RA1〜RA10についての蓄積信号の読み出しを行う。また、ST1パルスがLからHになって領域RAの蓄積終了時点からCLK1が信号出力部に入力して該領域RAの読み出し動作開始までの時間TRAを計測し、内部のRAMに格納する。
【0038】
以下、読み出しクロック切り換えながら同様に蓄積信号の読み出しを行うとともに、第1、第2のセンサーアレイ103,104の各領域に対応して蓄積終了から読み出し開始までの時間を計測する。
【0039】
詳しくは、CLK2が入力すると、第1のセンサーアレイ103の画素CA1〜CA10の蓄積信号読み出しと領域CAでの蓄積終了から前記蓄積信号の読み出し開始までの時間TCAの計測を、CLK3が入力すると、第1のセンサーアレイ103の画素LA1〜LA10の蓄積信号読み出しと領域LAでの前記蓄積終了から蓄積信号の読み出し開始までの時間TLAの計測を、CLK4が入力すると、第2のセンサーアレイ104の画素RB1〜RB10の蓄積信号読み出しと領域RBでの蓄積終了から前記蓄積信号の読み出し開始までの時間TRBの計測を、CLK5が入力すると、第2のセンサーアレイ104の画素CB1〜CB10の蓄積信号読み出しと領域CBでの蓄積終了から前記蓄積信号の読み出し開始までの時間TCBの計測を、CLK6が入力すると、第2のセンサーアレイ104の画素LB1〜LB10の蓄積信号読み出しと領域LBでの蓄積終了から前記蓄積信号の読み出し開始までの時間TLBの計測を、それぞれ行う。なお、各領域の蓄積時間は、測距対象物の状態に応じ変化することは言うまでもない。
図3(b)に、図3(a)と異なる対象物に対するタイミングチャートを示している。
【0040】
上記のように蓄積時間は測距対象物の輝度の状態により変化するため、各領域の蓄積信号読み出し開始までの時間も測距毎に異なることになる。
【0041】
ここで、RAMに格納された蓄積信号には、蓄積終了から蓄積信号読み出し開始までの時間とともに、センサーアレイの各領域の配置の位置等に応じた漏れ電荷も含まれているため、漏れ電荷の補正を行う必要がある。前記漏れ電荷は、蓄積終了から蓄積信号読み出しまでの時間に比例し、また、センサーアレイの各領域のうち、チップ側面に近いほど大きくなる。
【0042】
本実施の第1の形態では、例えば領域aでの漏れ電荷を補正するための補正値を△Va、補正係数をαa、蓄積終了から蓄積信号読み出し開始までの時間をTaとすると、領域aに対する補正値△Vaは
△Va=αa*Ta ………………(1)
で表されるものとする。
【0043】
上記のように漏れ電荷はチップ側面に近い領域ほど大きいので、各領域の補正係数αaは、
αRA>αCA>αLA
αLB>αCB>αRB
の関係が成り立つ。
【0044】
なお、上記の補正係数αaは予め記憶されているものであり、その値は輝度により補正される、あるいは、輝度毎(通常と高輝度で別の係数など)に備えられているものである。また、前記補正係数αaは、測距装置1台毎に記憶される場合、全ての測距装置で同じ値が記憶されている場合、が考えられる。
【0045】
ところで、各領域内でも各画素によって漏れ電荷の量は異なる。領域LBにおいては、画素LB1よりチップ側面に近い画素LB10の方が漏れ電荷は大きくなる。よって、補正係数αaは、領域内において画素ごとに異なる。すると画素に係る係数nを引数とする関数をもちいた補正係数をαa(n)とすると、領域a内における画素nに対する補正値△Vanは
△Van=αa(n)*Ta ………………(2)
で表される。
【0046】
上記式(2)において、補正係数αa(n)は、画素nごとの補正係数であり、画素nごとに漏れ電荷を補正する補正値△Vanが算出される。
なお、チップの中央付近にあるセンサーアレイの領域LA,RBでは漏れ電荷はわずかであるので、補正係数αLA=αRB=0とすれば、領域LA,RBの画素に対しては漏れ電荷を補償するために必要な演算処理時間を省くことが可能であり、その分だけ測距演算に要する時間を短縮することが可能である。
【0047】
上記式(2)により算出された補正値を用いて各画素信号の補正を行った後、各領域(ここではLA,LB)に対応する像信号を形成し、その像信号の相対値に基づいて三角測距の原理により右方向にある測距対象物までの距離を求める。
【0048】
本実施の第1の形態では、領域RAとRBの像信号の相対値、領域CAとCBの像信号の相対値、領域LAとLBの像信号の相対値より、右方向、中央、左方向にある測距対象物までの距離を求め、一連の測距動作を終了する。
【0049】
ここで、図4に、不図示のマイコンにて行われる一連の処理について、簡単にまとめて説明する。
【0050】
上記マイコンは、まず、各領域での信号の蓄積を行わせ(#101〜#103)、次いで蓄積信号の読み出しを開始すると共に、蓄積終了から蓄積信号の読み出し開始までの計測時間を行う(#104)。そして、全領域の蓄積信号の読み出しが終了すると(#105)、前記蓄積終了から蓄積信号の読み出し開始までの計測時間と予め記憶している補正係数(該補正係数はその時の輝度に応じて適切に正規化されるものである)とに基づいて補正値△Va(又は△Van)を算出し、該補正値△Vaを用いてA/D変換された各領域の像信号の補正(漏れ電荷の補正)を行い(#106)、補正された一対の像信号に基づいて各領域の測距情報を算出する(#107)。
上記図4のステップ#104〜#106での処理が、本発明の補正手段での処理に相当する。
【0051】
上記のようにして、蓄積終了からの蓄積信号の読み出し開始までの時間を基に、蓄積終了後にチップ側面からの入射光(外来ノイズ光)により発生する電荷の信号蓄積部への漏れの影響を補償することが可能である。
【0052】
なお、本実施の第1の形態では、漏れ電荷の補正として上記式(2)に示すように、補正係数αa(n)、時間Taを引数とする一次式を用いているが、これに限るわけでなく、光電変換装置を組み込む測距装置の特性に合わせて適宜設計されるものである。また、補正係数を、画素係数nを引数と関数にて算出した値としているが、画素ごとに補正係数を不揮発性メモリにあらかじめ記憶しておいて漏れ電荷の補正値を算出するように構成してもよい。
【0053】
(実施の第2の形態)
本発明の実施の第2の形態による測距装置の構成は、図1と同じであり、その説明は省略する。
【0054】
光電変換素子は、蓄積時間が長くするほど暗電流が増え、そのため、S/N比が低下してしまう。この暗電流を補正する方法は既に提案されており、詳しい説明は省略するが、例えばあらかじめセンサーを遮光した状態で暗電流の増減率を求め、それを記憶しておき、測距時に蓄積時間に応じて各画素の暗電流を求める。
【0055】
本発明の実施の第2の形態は、上記実施の第1の形態に対して、この暗電流の補正を加えるようにしたものであり、領域aにおける補正値を△Va、補正係数をαa、蓄積終了から蓄積信号読み出しまでの時間Tar、暗電流の補正係数をβa、蓄積時間をTaiとすると、領域aの各画素nに対する補正値
△Vanは△Van=αa(n)*Tar+βan*Ta ……………(3)
で表される。
【0056】
このように蓄積終了からの蓄積信号の読み出し開始までの時間を基に、蓄積終了後にチップ側面からの入射光により発生するの電荷の信号蓄積部への漏れの影響と暗電流を補償することが可能である。
【0057】
なお、漏れ電荷や上記暗電流は、温度変化による測距装置自体の変形やチップ自体の温度特性により増減する。この温度特性の関数を求めて温度補正係数とし測距時の温度に応じて補正するように構成してもよい。
【0058】
上記実施の各形態によれば、複数の測距対象物までの距離を測距することのできる多点測距装置(一点測距を行う装置でも良い)において、蓄積終了から読み出しまでの時間に応じて、光電変換装置(図1の103〜109の回路より成る)が形成される半導体チップの側面からの入射光(外来ノイズ光)により発生し信号蓄積部に漏れ込む電荷量を補償して、上記補償した信号電荷量に基づいて測距演算を行うようにしたので、半導体チップとして形成される光電変換装置の小型化、低コスト化を損なうことなく、例えば野外などの高輝度下でも、漏れ電荷の影響を少なくして正確な測距を行うことができる。
【0059】
また、半導体チップに生じる暗電流や温度による該チップを含む測距装置の特性の変化も補償するように構成したので、より正確な測距を行うことができる。
【0060】
以下、上記請求項1に記載の構成以外の本発明に係る測距装置の実施態様について列挙する。
【0061】
(実施態様1) 測距対象物からの信号光を受光する複数の光電変換素子を配列した光電変換手段と、該光電変換手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段と、該信号蓄積手段にて蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段からの信号をA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段にてA/D変換された信号に基づいて前記測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段とを有し、前記光電変換手段、前記信号蓄積手段及び前記信号出力手段が半導体チップ上に形成されて成る測距装置において、前記信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定し、この蓄積信号を読み出すまでの時間と予め記憶している補正係数に基づいて前記A/D変換された信号を補正する補正手段を有することを特徴とする測距装置。
【0062】
(実施態様2) 前記補正係数は、外来ノイズ光に起因する漏れ電荷の影響をなくす為の補正係数であり、前記補正手段は、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記補正係数とにより、前記A/D変換された信号を補正することを特徴とする請求項1又は実施態様1に記載の測距装置。
【0063】
(実施態様3) 前記記補正係数は、外来ノイズ光に起因する漏れ電荷の影響をなくす為の第1の補正係数と、前記各光電変換素子ごとの暗電流の第2の補正係数とよりなり、前記補正手段は、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記第1,2の補正係数により、前記A/D変換された信号を補正することを特徴とする請求項1又は実施態様1に記載の測距装置。
【0064】
(実施態様4) 前記記補正係数は、外来ノイズ光に起因する漏れ電荷の影響をなくす為の第1の補正係数と、前記各光電変換素子ごとの暗電流の第2の補正係数と、使用環境温度により前記第1,2の補正係数を補正する為の第3の補正係数とよりなり、前記補正手段は、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記第1〜第3の補正係数により、前記A/D変換された信号を補正することを特徴とする請求項1又は実施態様1に記載の測距装置。
【0065】
(実施態様5) 測距対象物からの信号光を受光する複数の光電変換素子が配列されて成る光電変換手段と、該光電変換手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段と、該信号蓄積手段にて蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段よりの信号をA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段により変換された信号に基づいて前記測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段とを有する測距装置において、前記信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定し、この蓄積信号を読み出すまでの時間に基づいて前記A/D変換手段された信号を補正することを特徴とする測距装置。
【0066】
(実施態様6) 測距対象物からの信号光を受光する複数の光電変換素子が配列されて成る光電変換手段と、該光電変換手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段と、該信号蓄積手段にて蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段よりの信号をA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段により変換された信号に基づいて前記測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段とを有する測距装置において、前記信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定する手段と、外光によるノイズ情報を記憶するための記憶手段とを有し、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記記憶手段に記憶されている外光ノイズ情報に基づいて前記A/D変換手段された信号を補正することを特徴とする測距装置。
【0067】
(実施態様7) 測距対象物からの信号光を受光する複数の光電変換素子が配列されて成る光電変換手段と、該光電変換手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段と、該信号蓄積手段にて蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段よりの信号をA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段により変換された信号に基づいて前記測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段とを有する測距装置において、前記信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定する手段と、外光によるノイズ情報を記憶する第1の記憶手段と、暗電流情報を記憶する第2の記憶手段とを有し、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記外光ノイズ情報と前記暗電流情報に基づいて前記A/D変換手段された信号を補正することを特徴とする測距装置。
【0068】
(実施態様8) 温度情報を記憶する第3の記憶手段を有し、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記外光ノイズ情報と前記温度情報に基づいて前記A/D変換手段された信号を補正することを特徴とする実施態様6に記載の測距装置。
【0069】
(実施態様9) 温度情報を記憶する第3の記憶手段を有し、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記外光ノイズ情報と前記暗電流情報と前記温度情報に基づいて前記A/D変換手段された信号を補正することを特徴とする実施態様7に記載の測距装置。
【0070】
(実施態様10) 前記光電変換手段は、複数の測距対象物からの光を受光するために、複数の領域に分割されていることを特徴とする実施態様1〜9のいずれかに記載の測距装置。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外来ノイズ光に起因する漏れ電荷の影響による測距精度の低下をなくすことができる測距装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係る測距装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の第1の形態に係る測距装置におけるセンサーアレイの領域と画素の対応を示す図である
【図3】本発明の実施の第1の形態に係る測距装置における蓄積動作と読み出し動作を示すタイミングチャートである
【図4】従来例に係る測距装置を示す構成図である
【図5】従来例に係る測距装置におけるセンサーアレイの領域と画素の対応を示す図である
【図6】従来例に係る測距装置におけるセンサーアレイ上の輝度分布を示す図である。
【図7】従来例に係る測距装置における漏れ電荷を説明するためのセンサーアレイ上の輝度分布を示す図である。
【図8】従来例に係る測距装置において各画素出力を取り込むタイミングおよび信号出力波形を示す図である。
【符号の説明】
100 光電変換装置
101 第1の受光レンズ
102 第2の受光レンズ
103 第1のセンサーアレイ
104 第2のセンサーアレイ
105 第1の信号蓄積部
106 第2の信号蓄積部
107 ピーク検出部
108 第1の信号出力部
109 第2の信号出力部
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象までの距離を測定するための複数の光電変換素子からなる光電変換手段を具備した測距装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電荷蓄積型の光電変換装置について種々の提案がなされており、またこれを適用した測距装置についての提案(例えば特許文献1)も既になされている。なお、上記測距装置は、距離情報もしくはデフォーカス情報から測距対象物までの距離に関する情報を測定する装置を意味するものとする。この種の測距装置において、一般的に光電変換装置は複数の光電変換素子が所定の画素ピッチで配列され、それぞれの光電変換素子に対応した電荷蓄積部、電荷蓄積を制御する回路、光電出力を読み出す回路が一つの半導体チップ上に形成されている。
【0003】
上記のような測距装置の概略図を図5に示す。
【0004】
図5において、401は第1の光路を形成する第1の受光レンズ、402は第2の光路を形成する第2の受光レンズである。400は半導体チップ上に形成される光電変換装置であり、後述するセンサーアレイ、信号蓄積部、ピーク検出部、信号出力部で構成される。
【0005】
上記光電変換装置400内において、403は複数の光電変換素子(画素)が直線状に配列される第1のセンサーアレイ、404は同じく複数の光電変換素子が直線状に配列される第2のセンサーアレイである。405は第1の信号蓄積部であり、STパルスにより、前記第1のセンサーアレイ403で光電変換された電荷を電圧に変換し、各画素ごとに蓄積する。また、前記第1の信号蓄積部405で蓄積された信号はRESパルスによりクリアされる。406は第2の信号蓄積部であり、前記第1の信号蓄積部405と同様に、前記第2のセンサーアレイ404で光電変換された電荷を電圧に変換し、各画素ごとに蓄積する。
【0006】
407はピーク検出部であり、前記第1の信号蓄積部405および第2の信号蓄積部406の各画素の信号蓄積レベルのMAX値を検出し、PKMON信号として出力する。408は第1の信号出力部であり、前記第1の信号蓄積部405の各画素に対応した信号をCLK1パルスにより順次OUT信号として出力する。409は第2の信号出力部であり、前記第1の信号出力部408と同様に、第2の信号蓄積部406の各画素に対応した信号をCLK2パルスにより順次OUT信号として出力する。
【0007】
図6は、図5の測距装置の蓄積動作と信号読み出し動作を示すタイミングチャートである。
【0008】
まず、RESパルスのL(ローレベルを意味する)からH(ハイレベルを意味する)により、第1の信号蓄積部405と第2の信号蓄積部406内の信号をクリアする。そして、所定時間後にRESパルスをHからLにし、今度はSTパルスをHからLにして信号蓄積を許可することで蓄積動作を開始させる。
【0009】
蓄積動作中は、センサーアレイの各画素の入射光量に応じた傾きで信号蓄積部の電圧レベルが降下してゆく。画素のピークレベルを示す出力は各画素に対応した信号蓄積レベルのうち最も低い出力、すなわち信号蓄積レベルのMAX値に追従して出力がモニタ信号としてPKMON信号から出力される。PKMON信号レベルを不図示の制御部に内蔵しているA/D変換コンバータでA/D変換し、そのレベルをチェックする。そして、蓄積量が適正なレベルになると、STパルスをLからHにして、第1の信号蓄積部405および第2の信号蓄積部406での蓄積動作を終了し、同時に各画素の蓄積信号レベルを保持する。
【0010】
蓄積動作終了後、蓄積信号の読み出しを行う。ここで、読み出しクロックとして、まずCLK1パルスを入力すると、第1のセンサーアレイ403の各画素信号が順次OUTに出力される。第1のセンサーアレイ403の全ての画素信号の出力が終了すると、次にCLK2パルスを入力することで第2のセンサーアレイ404の各画素信号が順次OUTに出力される。
【0011】
また、不図示のマイコンは前記CLKパルスに同期して前記出力信号をA/D変換して内部のメモリに格納していき、全ての画素についての蓄積信号の読み出しが完了したところでその読み出し動作を終了する。
【0012】
以上のように第1のセンサーアレイ403上で得られた測距対象物の像信号と第2のセンサーアレイ404上で得られた測距対象物の像信号の相対値に基づいて、公知の三角測距の原理により測距対象物までの距離が求められる。
【0013】
なお、図5では10画素で構成されたものとして説明されているが、実際には任意の画素数で構成されていて、測距範囲と要求される測距精度とにより、一般には40個以上の光電変換素子で構成することが好ましい。
【0014】
【特許文献1】
特開平6−214148号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図5の測距装置における第1、第2のセンサーアレイ403,404上の輝度分布を、図7に示す。同図では、受光される輝度の強度が強くなるほど信号が高くなるものとする。また、上記のように第1のセンサーアレイ403はA1〜A10の、第2のセンサーアレイ404はB1〜B10の、それぞれ10個の画素(光電変換素子)からなるものとする。
【0016】
図7は第1のセンサーアレイ403上の像信号と第2のセンサーアレイ404上の像信号を示す図であり、第1のセンサーアレイ403上では、画素A3〜A7にまたがって受光像が結像されており、第2のセンサーアレイ404上では、画素B4〜B8にまたがって受光象が結像されている。
【0017】
図7に示すような信号を蓄積した後、各画素出力を取り込むタイミング、および信号出力波形を、図8(a),(b)および(a’),(b’)に示す。なお、図8(a),(b)は理想的な像信号波形であり、図8(a’),(b’)は光電変換装置が形成される半導体チップの側面から光が入射することにより発生した電荷が信号蓄積部に漏れ込んだときの波形である。
【0018】
通常、光電変換装置は半導体チップ上に形成され、該チップ表面にはセンサーアレイ以外には光が入射しないように、アルミニウム等の遮光材料で遮光されているが、チップ側面は遮光されていない。
【0019】
この場合、測距対象物やその周辺の輝度が高いほど、さらに蓄積動作終了後からA/D変換する時間的タイミングが遅いほど、不要な電荷を蓄積してしまう。また、チップ側面からの外来ノイズ光に起因する電荷の漏れ込みのため、チップ側面に近い画素ほど不要な電荷の影響を受け易い。
【0020】
図8(a’)と(b’)において電荷の漏れ込み量が異なるのは、第1のセンサーアレイ403は画素A1側、第2のセンサーアレイ404は画素B10側がチップ側面に近く、電荷が漏れ込み易いが、第1のセンサーアレイ403の画素A10側と第2のセンサーアレイ404の画素B1側は電荷の漏れ込みにくく、また、信号出力(A/D変換)順は第1のセンサーアレイ403の画素A1から第2のセンサーアレイ404の画素B10の順で行っているので、蓄積終了時からA/D変換までの時間が短いA1側の画素には電荷の漏れ込みは殆どないが、逆に第2のセンサーアレイ404の画素B10は蓄積終了時からA/D変換するまでに時間がかかってしまうため、電荷の漏れ込み量が多くなるからである。なお、前記電荷の漏れ込みは信号蓄積中にも発生するが、漏れ込み量が信号に影響を及ぼすような輝度においては、一般的に蓄積時間が短いため、信号蓄積中の漏れ込みは無視できる。
【0021】
以上のように、外来ノイズ光に起因する電荷の漏れ込みの影響により、測距精度が低下してしまうといった問題があった。なお、このようなチップ側面からの外来ノイズ光による電荷の漏れ込みの影響を少なくするため、信号蓄積部からチップ端までの距離を十分離して構成する方法もあるが、チップ面積が大きくなり、コストが高くなることから採用し難い。
【0022】
(発明の目的)
本発明の目的は、外来ノイズ光に起因する漏れ電荷の影響による測距精度の低下をなくすことのできる測距装置を提供しようとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、測距対象物からの信号光を受光する複数の光電変換素子を配列した受光手段と、該受光手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段と、該信号蓄積手段にて蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段からの信号をA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段にてA/D変換された信号に基づいて前記測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段とを有する測距装置において、前記信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定し、この蓄積信号を読み出すまでの時間と予め記憶している補正係数に基づいて前記A/D変換された信号を補正する補正手段を有する測距装置とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
(実施の第1の形態)
図1は本発明の実施の第1の形態に係る測距装置を示す構成図である。
【0026】
同図において、101は第1の光路を形成する第1の受光レンズ、102は第2の光路を形成する第2の受光レンズである。100は半導体チップ上に形成された光電変換装置であり、後述するセンサーアレイ、信号蓄積部、ピーク検出部、信号出力部で構成される。
【0027】
上記光電変換装置100内において、103は複数の光電変換素子(画素)が直線状に配列される第1のセンサーアレイ、104は同じく複数の光電変換素子(画素)が直線状に配列される第2のセンサーアレイである。前記第1、第2のセンサーアレイ103,104は、後述のようにそれぞれ三つの領域(領域RA,CA,LAと、領域RB,CB,LB)に分かれている。
【0028】
上記図1における第1のセンサーアレイ103と第2のセンサーアレイ104のそれぞれの領域と画素の対応について、図2を用いて説明する。
【0029】
図2において、第1のセンサーアレイ103の画素RA1〜RA10(領域RA)と第2のセンサーアレイ104の画素RB1〜RB10(領域RB)においては、第1、第2の受光レンズ101,102により右方向にある測距対象物からの受光像をそれぞれ受光し、第1のセンサーアレイ103の画素CA1〜CA10(領域CA)と第2のセンサーアレイ104の画素CB1〜CB10(領域CB)においては、同様に中央方向にある測距対象物からの受光像をそれぞれ受光し、第1のセンサーアレイ103の画素LA1〜LA10(領域LA)と第2のセンサーアレイ104の画素LB1〜LB10(領域LB)においては、同様に左方向にある測距対象物からの受光像をそれぞれ受光する。
【0030】
図1に戻り、105は第1の信号蓄積部であり、106は第2の信号蓄積部であり、これらは、STパルス1により、第1のセンサーアレイ103の領域RAと第2のセンサーアレイ104の領域RBの、又STパルス2により、第1のセンサーアレイ103の領域CAと第2のセンサーアレイ104の領域CBの、又STパルス3により、第1のセンサーアレイ103の領域LAと第2のセンサーアレイ104の領域LBの、各領域で光電変換された電荷を電圧に変換し、それぞれの画素ごとに蓄積する。また、第1、第2の信号蓄積部105,106で蓄積された信号はRESパルスによりクリアされる。
【0031】
107はピーク検出部であり、前記第1の信号蓄積部105および第2の信号蓄積部106の各画素の信号蓄積レベルのMAX値を検出し、PKMON信号として出力する。108は第1の信号出力部であり、前記第1の信号蓄積部105により蓄積された前記第1のセンサーアレイ103の各画素に対応した信号をCLK1〜3パルスにより順次OUT信号として出力する。109は第2の信号出力部であり、前記第2の信号蓄積部106により蓄積された前記第2のセンサーアレイ104の各画素に対応した信号をCLK4〜6パルスにより順次OUT信号として出力する。
【0032】
詳しくは、前記CLK1パルスにより、前記第1のセンサーアレイ103の画素RA1〜RA10に、前記CLK2パルスにより、前記画素CA1〜CA10に、前記CLK3パルスにより、前記画素LA1〜LA10に、それぞれ対応した信号を出力するように回路を構成している。また、前記CLK4パルスにより、前記第2のセンサーアレイ104の画素RB1〜RB10に、前記CLK5パルスにより、前記画素CB1〜CB10に、前記CLK6パルスにより、画素LB1〜LB10に、それぞれ対応した信号を出力するように回路を構成している。
【0033】
上記のように構成された光電変換装置を有する測距装置は、不図示の制御部であるマイコンにより制御される。ここで該マイコンには、記憶装置であるRAMやタイマ機能、A/D機能が含まれ、不図示の不揮発性メモリに記憶されている調整データ(後述の各種の補正係数)等を用いて前記測距装置の制御を行う。
【0034】
次に、図3(a)のタイミングチャートを用いて、図1の測距装置における信号読み出しの動作について説明する。
【0035】
まず、RESパルスのLからHにより、第1の信号蓄積部105と第2の信号蓄積部106内の信号をクリアする。そして、所定時間後にRESパルスをHからLにし、次いでST1およびST2,ST3パルス全てをHからLにすることで、第1、第2センサーアレイ103,104の全画素の信号蓄積を許可し、蓄積動作を開始する。
【0036】
蓄積動作中はピーク検出部107から出力されるPKMON信号レベルをマイコンに内蔵しているA/D変換コンバータでA/D変換し、そのレベルをチェックすることで、蓄積量が所定レベルになるまで蓄積を継続させる。蓄積量が適正なレベルになった領域からSTパルスをLからHにすることで、各領域の蓄積動作を終了する。最終的にはすべての領域の第1の信号蓄積部105および第2の信号蓄積部106での蓄積動作を終了し、各画素の蓄積信号レベルを保持する。また、各領域の蓄積が終了すると、各領域それぞれの蓄積信号の読み出しまでの時間を判定するためにマイコンは時間の計測を開始する。そして、全領域の蓄積動作終了後、以下の蓄積信号の読み出し動作を開始する。
【0037】
まず、読み出しクロックとしてCLK1が入力すると、第1のセンサーアレイ103の画素RA1〜RA10の信号を順次OUTに出力する。このとき、マイコンではCLK1パルスに同期してA/D変換して内部のRAMに格納していき、画素RA1〜RA10についての蓄積信号の読み出しを行う。また、ST1パルスがLからHになって領域RAの蓄積終了時点からCLK1が信号出力部に入力して該領域RAの読み出し動作開始までの時間TRAを計測し、内部のRAMに格納する。
【0038】
以下、読み出しクロック切り換えながら同様に蓄積信号の読み出しを行うとともに、第1、第2のセンサーアレイ103,104の各領域に対応して蓄積終了から読み出し開始までの時間を計測する。
【0039】
詳しくは、CLK2が入力すると、第1のセンサーアレイ103の画素CA1〜CA10の蓄積信号読み出しと領域CAでの蓄積終了から前記蓄積信号の読み出し開始までの時間TCAの計測を、CLK3が入力すると、第1のセンサーアレイ103の画素LA1〜LA10の蓄積信号読み出しと領域LAでの前記蓄積終了から蓄積信号の読み出し開始までの時間TLAの計測を、CLK4が入力すると、第2のセンサーアレイ104の画素RB1〜RB10の蓄積信号読み出しと領域RBでの蓄積終了から前記蓄積信号の読み出し開始までの時間TRBの計測を、CLK5が入力すると、第2のセンサーアレイ104の画素CB1〜CB10の蓄積信号読み出しと領域CBでの蓄積終了から前記蓄積信号の読み出し開始までの時間TCBの計測を、CLK6が入力すると、第2のセンサーアレイ104の画素LB1〜LB10の蓄積信号読み出しと領域LBでの蓄積終了から前記蓄積信号の読み出し開始までの時間TLBの計測を、それぞれ行う。なお、各領域の蓄積時間は、測距対象物の状態に応じ変化することは言うまでもない。
図3(b)に、図3(a)と異なる対象物に対するタイミングチャートを示している。
【0040】
上記のように蓄積時間は測距対象物の輝度の状態により変化するため、各領域の蓄積信号読み出し開始までの時間も測距毎に異なることになる。
【0041】
ここで、RAMに格納された蓄積信号には、蓄積終了から蓄積信号読み出し開始までの時間とともに、センサーアレイの各領域の配置の位置等に応じた漏れ電荷も含まれているため、漏れ電荷の補正を行う必要がある。前記漏れ電荷は、蓄積終了から蓄積信号読み出しまでの時間に比例し、また、センサーアレイの各領域のうち、チップ側面に近いほど大きくなる。
【0042】
本実施の第1の形態では、例えば領域aでの漏れ電荷を補正するための補正値を△Va、補正係数をαa、蓄積終了から蓄積信号読み出し開始までの時間をTaとすると、領域aに対する補正値△Vaは
△Va=αa*Ta ………………(1)
で表されるものとする。
【0043】
上記のように漏れ電荷はチップ側面に近い領域ほど大きいので、各領域の補正係数αaは、
αRA>αCA>αLA
αLB>αCB>αRB
の関係が成り立つ。
【0044】
なお、上記の補正係数αaは予め記憶されているものであり、その値は輝度により補正される、あるいは、輝度毎(通常と高輝度で別の係数など)に備えられているものである。また、前記補正係数αaは、測距装置1台毎に記憶される場合、全ての測距装置で同じ値が記憶されている場合、が考えられる。
【0045】
ところで、各領域内でも各画素によって漏れ電荷の量は異なる。領域LBにおいては、画素LB1よりチップ側面に近い画素LB10の方が漏れ電荷は大きくなる。よって、補正係数αaは、領域内において画素ごとに異なる。すると画素に係る係数nを引数とする関数をもちいた補正係数をαa(n)とすると、領域a内における画素nに対する補正値△Vanは
△Van=αa(n)*Ta ………………(2)
で表される。
【0046】
上記式(2)において、補正係数αa(n)は、画素nごとの補正係数であり、画素nごとに漏れ電荷を補正する補正値△Vanが算出される。
なお、チップの中央付近にあるセンサーアレイの領域LA,RBでは漏れ電荷はわずかであるので、補正係数αLA=αRB=0とすれば、領域LA,RBの画素に対しては漏れ電荷を補償するために必要な演算処理時間を省くことが可能であり、その分だけ測距演算に要する時間を短縮することが可能である。
【0047】
上記式(2)により算出された補正値を用いて各画素信号の補正を行った後、各領域(ここではLA,LB)に対応する像信号を形成し、その像信号の相対値に基づいて三角測距の原理により右方向にある測距対象物までの距離を求める。
【0048】
本実施の第1の形態では、領域RAとRBの像信号の相対値、領域CAとCBの像信号の相対値、領域LAとLBの像信号の相対値より、右方向、中央、左方向にある測距対象物までの距離を求め、一連の測距動作を終了する。
【0049】
ここで、図4に、不図示のマイコンにて行われる一連の処理について、簡単にまとめて説明する。
【0050】
上記マイコンは、まず、各領域での信号の蓄積を行わせ(#101〜#103)、次いで蓄積信号の読み出しを開始すると共に、蓄積終了から蓄積信号の読み出し開始までの計測時間を行う(#104)。そして、全領域の蓄積信号の読み出しが終了すると(#105)、前記蓄積終了から蓄積信号の読み出し開始までの計測時間と予め記憶している補正係数(該補正係数はその時の輝度に応じて適切に正規化されるものである)とに基づいて補正値△Va(又は△Van)を算出し、該補正値△Vaを用いてA/D変換された各領域の像信号の補正(漏れ電荷の補正)を行い(#106)、補正された一対の像信号に基づいて各領域の測距情報を算出する(#107)。
上記図4のステップ#104〜#106での処理が、本発明の補正手段での処理に相当する。
【0051】
上記のようにして、蓄積終了からの蓄積信号の読み出し開始までの時間を基に、蓄積終了後にチップ側面からの入射光(外来ノイズ光)により発生する電荷の信号蓄積部への漏れの影響を補償することが可能である。
【0052】
なお、本実施の第1の形態では、漏れ電荷の補正として上記式(2)に示すように、補正係数αa(n)、時間Taを引数とする一次式を用いているが、これに限るわけでなく、光電変換装置を組み込む測距装置の特性に合わせて適宜設計されるものである。また、補正係数を、画素係数nを引数と関数にて算出した値としているが、画素ごとに補正係数を不揮発性メモリにあらかじめ記憶しておいて漏れ電荷の補正値を算出するように構成してもよい。
【0053】
(実施の第2の形態)
本発明の実施の第2の形態による測距装置の構成は、図1と同じであり、その説明は省略する。
【0054】
光電変換素子は、蓄積時間が長くするほど暗電流が増え、そのため、S/N比が低下してしまう。この暗電流を補正する方法は既に提案されており、詳しい説明は省略するが、例えばあらかじめセンサーを遮光した状態で暗電流の増減率を求め、それを記憶しておき、測距時に蓄積時間に応じて各画素の暗電流を求める。
【0055】
本発明の実施の第2の形態は、上記実施の第1の形態に対して、この暗電流の補正を加えるようにしたものであり、領域aにおける補正値を△Va、補正係数をαa、蓄積終了から蓄積信号読み出しまでの時間Tar、暗電流の補正係数をβa、蓄積時間をTaiとすると、領域aの各画素nに対する補正値
△Vanは△Van=αa(n)*Tar+βan*Ta ……………(3)
で表される。
【0056】
このように蓄積終了からの蓄積信号の読み出し開始までの時間を基に、蓄積終了後にチップ側面からの入射光により発生するの電荷の信号蓄積部への漏れの影響と暗電流を補償することが可能である。
【0057】
なお、漏れ電荷や上記暗電流は、温度変化による測距装置自体の変形やチップ自体の温度特性により増減する。この温度特性の関数を求めて温度補正係数とし測距時の温度に応じて補正するように構成してもよい。
【0058】
上記実施の各形態によれば、複数の測距対象物までの距離を測距することのできる多点測距装置(一点測距を行う装置でも良い)において、蓄積終了から読み出しまでの時間に応じて、光電変換装置(図1の103〜109の回路より成る)が形成される半導体チップの側面からの入射光(外来ノイズ光)により発生し信号蓄積部に漏れ込む電荷量を補償して、上記補償した信号電荷量に基づいて測距演算を行うようにしたので、半導体チップとして形成される光電変換装置の小型化、低コスト化を損なうことなく、例えば野外などの高輝度下でも、漏れ電荷の影響を少なくして正確な測距を行うことができる。
【0059】
また、半導体チップに生じる暗電流や温度による該チップを含む測距装置の特性の変化も補償するように構成したので、より正確な測距を行うことができる。
【0060】
以下、上記請求項1に記載の構成以外の本発明に係る測距装置の実施態様について列挙する。
【0061】
(実施態様1) 測距対象物からの信号光を受光する複数の光電変換素子を配列した光電変換手段と、該光電変換手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段と、該信号蓄積手段にて蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段からの信号をA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段にてA/D変換された信号に基づいて前記測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段とを有し、前記光電変換手段、前記信号蓄積手段及び前記信号出力手段が半導体チップ上に形成されて成る測距装置において、前記信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定し、この蓄積信号を読み出すまでの時間と予め記憶している補正係数に基づいて前記A/D変換された信号を補正する補正手段を有することを特徴とする測距装置。
【0062】
(実施態様2) 前記補正係数は、外来ノイズ光に起因する漏れ電荷の影響をなくす為の補正係数であり、前記補正手段は、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記補正係数とにより、前記A/D変換された信号を補正することを特徴とする請求項1又は実施態様1に記載の測距装置。
【0063】
(実施態様3) 前記記補正係数は、外来ノイズ光に起因する漏れ電荷の影響をなくす為の第1の補正係数と、前記各光電変換素子ごとの暗電流の第2の補正係数とよりなり、前記補正手段は、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記第1,2の補正係数により、前記A/D変換された信号を補正することを特徴とする請求項1又は実施態様1に記載の測距装置。
【0064】
(実施態様4) 前記記補正係数は、外来ノイズ光に起因する漏れ電荷の影響をなくす為の第1の補正係数と、前記各光電変換素子ごとの暗電流の第2の補正係数と、使用環境温度により前記第1,2の補正係数を補正する為の第3の補正係数とよりなり、前記補正手段は、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記第1〜第3の補正係数により、前記A/D変換された信号を補正することを特徴とする請求項1又は実施態様1に記載の測距装置。
【0065】
(実施態様5) 測距対象物からの信号光を受光する複数の光電変換素子が配列されて成る光電変換手段と、該光電変換手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段と、該信号蓄積手段にて蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段よりの信号をA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段により変換された信号に基づいて前記測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段とを有する測距装置において、前記信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定し、この蓄積信号を読み出すまでの時間に基づいて前記A/D変換手段された信号を補正することを特徴とする測距装置。
【0066】
(実施態様6) 測距対象物からの信号光を受光する複数の光電変換素子が配列されて成る光電変換手段と、該光電変換手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段と、該信号蓄積手段にて蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段よりの信号をA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段により変換された信号に基づいて前記測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段とを有する測距装置において、前記信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定する手段と、外光によるノイズ情報を記憶するための記憶手段とを有し、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記記憶手段に記憶されている外光ノイズ情報に基づいて前記A/D変換手段された信号を補正することを特徴とする測距装置。
【0067】
(実施態様7) 測距対象物からの信号光を受光する複数の光電変換素子が配列されて成る光電変換手段と、該光電変換手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段と、該信号蓄積手段にて蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段よりの信号をA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段により変換された信号に基づいて前記測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段とを有する測距装置において、前記信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定する手段と、外光によるノイズ情報を記憶する第1の記憶手段と、暗電流情報を記憶する第2の記憶手段とを有し、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記外光ノイズ情報と前記暗電流情報に基づいて前記A/D変換手段された信号を補正することを特徴とする測距装置。
【0068】
(実施態様8) 温度情報を記憶する第3の記憶手段を有し、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記外光ノイズ情報と前記温度情報に基づいて前記A/D変換手段された信号を補正することを特徴とする実施態様6に記載の測距装置。
【0069】
(実施態様9) 温度情報を記憶する第3の記憶手段を有し、前記蓄積信号を読み出すまでの時間と前記外光ノイズ情報と前記暗電流情報と前記温度情報に基づいて前記A/D変換手段された信号を補正することを特徴とする実施態様7に記載の測距装置。
【0070】
(実施態様10) 前記光電変換手段は、複数の測距対象物からの光を受光するために、複数の領域に分割されていることを特徴とする実施態様1〜9のいずれかに記載の測距装置。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外来ノイズ光に起因する漏れ電荷の影響による測距精度の低下をなくすことができる測距装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係る測距装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の第1の形態に係る測距装置におけるセンサーアレイの領域と画素の対応を示す図である
【図3】本発明の実施の第1の形態に係る測距装置における蓄積動作と読み出し動作を示すタイミングチャートである
【図4】従来例に係る測距装置を示す構成図である
【図5】従来例に係る測距装置におけるセンサーアレイの領域と画素の対応を示す図である
【図6】従来例に係る測距装置におけるセンサーアレイ上の輝度分布を示す図である。
【図7】従来例に係る測距装置における漏れ電荷を説明するためのセンサーアレイ上の輝度分布を示す図である。
【図8】従来例に係る測距装置において各画素出力を取り込むタイミングおよび信号出力波形を示す図である。
【符号の説明】
100 光電変換装置
101 第1の受光レンズ
102 第2の受光レンズ
103 第1のセンサーアレイ
104 第2のセンサーアレイ
105 第1の信号蓄積部
106 第2の信号蓄積部
107 ピーク検出部
108 第1の信号出力部
109 第2の信号出力部
Claims (1)
- 測距対象物からの信号光を受光する複数の光電変換素子を配列した光電変換手段と、該光電変換手段にて変換された電荷を蓄積する信号蓄積手段と、該信号蓄積手段にて蓄積された電荷量に応じた信号を出力する信号出力手段と、該信号出力手段からの信号をA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段にてA/D変換された信号に基づいて前記測距対象物までの距離に関する情報を算出する距離算出手段とを有する測距装置において、
前記信号蓄積手段での蓄積終了後、蓄積信号を読み出すまでの時間を判定し、この蓄積信号を読み出すまでの時間と予め記憶している補正係数に基づいて前記A/D変換された信号を補正する補正手段を有することを特徴とする測距装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003060799A JP2004271291A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 測距装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2003060799A JP2004271291A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 測距装置 |
Publications (1)
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JP2004271291A true JP2004271291A (ja) | 2004-09-30 |
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ID=33123194
Family Applications (1)
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JP2003060799A Pending JP2004271291A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 測距装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004271291A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013083008A1 (zh) * | 2011-12-09 | 2013-06-13 | 珠海天威飞马打印耗材有限公司 | 显影辊及处理盒 |
-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003060799A patent/JP2004271291A/ja active Pending
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