JP2004270882A - パーキングブレーキケーブル及びパーキングブレーキケーブル接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】掛止部材をケーブル掛止部に簡単に接続できる。
【解決手段】ケーブル掛止部60に所定の状態で差し込み、その所定の状態からパーキングブレーキケーブル90を回転させて引っ張ることで、ケーブル掛止部60に勘合する掛止部材92を、パーキングブレーキケーブル90の先端部に設けた。掛止部材92は、本体部92aの径方向に突出し、ケーブル掛止部60の溝63,64に勘合する突起部92b,92cを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】ケーブル掛止部60に所定の状態で差し込み、その所定の状態からパーキングブレーキケーブル90を回転させて引っ張ることで、ケーブル掛止部60に勘合する掛止部材92を、パーキングブレーキケーブル90の先端部に設けた。掛止部材92は、本体部92aの径方向に突出し、ケーブル掛止部60の溝63,64に勘合する突起部92b,92cを有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーキングブレーキケーブル、及びブレーキシュー側部材にパーキングブレーキケーブルを接続するためのパーキングブレーキケーブル接続構造に関し、特に、パーキングブレーキケーブルが引っ張られることによりパーキングブレーキを作動させるパーキングブレーキに好適なパーキングブレーキケーブル及びパーキングブレーキケーブル接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は、特許文献1で開示されている従来のケーブル直角引きパーキングブレーキの構造を示す。
図13中(A)に示すように、リンク装置200にパーキングブレーキケーブル201を組付ける際、挿通穴202内に挿入された掛止部材203(図中▲1▼の掛止部材203)を、リンク装置200の第1レバー部材204に設けた第1ガイド205と第2レバー部材206に設けた曲げ加工部(第3ガイド)207との間を通過させ(図中▲2▼の掛止部材203の状態)、その後、第2ガイド208によって掛止部材203の姿勢を規制しながら(図中▲3▼の掛止部材203の状態)、ケーブル掛止部210側へ移動させて掛止する(図中▲4▼の掛止部材203の状態)。その後、図13中(B)に示すように、作業者が第2ガイド208を押し曲げて第1レバー部材204との隙間を狭くすることによりケーブル掛止部210から掛止部材203が外れることを防止する。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−219122号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
パーキングブレーキケーブル201をリンク装置200に組付ける際、パーキングブレーキケーブル201を撓み変形させて第1ガイド205、第3ガイド207、第2ガイド208に沿って湾曲させながら、ケーブル掛止部210に掛止部材203を案内する構造になっている。
【0005】
この場合、パーキングブレーキケーブル201が硬い場合、組み付けの際にパーキングブレーキケーブル201に大きな挿入力を加える必要がある。このようなことから、パーキングブレーキケーブル201を円滑に挿入するのに時間がかかるという問題点があった。
そこで、本発明は、前述の問題に鑑みてなされたものであり、掛止部材をケーブル掛止部に簡単に接続できるパーキングブレーキケーブル及びパーキングブレーキケーブル接続構造の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の問題を解決するために、本発明に係るパーキングブレーキケーブルは、ブレーキシュー側部材に所定の状態で差し込み、その所定の状態からケーブルを回転させて引っ張ることで、前記ブレーキシュー側部材に係止する係止部材を、前記ケーブルの差込側の先端部に設けている。
【0007】
また、本発明に係るパーキングブレーキケーブル接続構造は、パーキングブレーキケーブルのケーブル先端に設けた係止部材が所定の状態で差し込まれ、その所定の状態からケーブルを回転して引っ張ることで、前記係止部材と嵌合する形状の被係止部をブレーキシュー側部材に設けている。
これにより、パーキングブレーキケーブルの先端部に設けた係止部材をブレーキシュー側部材に所定の状態で差し込み、その所定の状態からケーブルを回転させて引っ張ることで、ブレーキシュー側部材に係止部材が係止して、パーキングブレーキケーブルがブレーキシュー側部材に接続された状態になる。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、パーキングブレーキケーブルをブレーキシュー側部材に簡単に接続することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態であるディスクブレーキの内部にパーキングブレーキ用のドラムブレーキを組み込んだドラムインディスクブレーキである。
バッキングプレート10には一対の第1ブレーキシュー11と第2ブレーキシュー12とが対向して配設され、それぞれシューホルドダウン装置13,14により拡開可能に保持されている。
【0010】
ブレーキシュー11,12の一方の端部間、具体的には図1において上側の端部間には、拡開機構30及びリターンスプリングとして引張コイルスプリング21が配設されている一方、他方の端部間にはストラット22及び引張コイルスプリング23が配設されている。ストラット22はシュー間隙調整機構を備えており、ねじにより軸方向へ伸縮するようになっている。
【0011】
図2中(A)乃至(C)及び図3中(A)乃至(C)は拡開機構30の構成を示す。この図2及び図3に示すように、拡開機構30は、一端部において連結ピン31により相対回動可能に連結された第1レバー部材50及び第2レバー部材70を備えている。ここで、連結ピン31は、バッキングプレート10と略平行となる姿勢で配設されている。
【0012】
第1レバー部材50は2枚の金属板にて構成されている。第1レバー部材50において一端部側は、2枚の金属板が互いに密着するように一体的に重ね合わされて本体部51を形成し、その本体部51が前記連結ピン31により回動自在に支持されている。そして、その本体部51には、前記第1ブレーキシュー11と係合する係合部(凹部)52が形成されている。また、第1レバー部材50の他端部には、前記本体部51から延びてケーブル掛止部60が設けられている。
【0013】
ケーブル掛止部60は、パーキングブレーキケーブル90の掛止部材92を掛止できるように形成されている。
図4中(A)乃至(C)は、そのパーキングブレーキケーブル90の構成を示す。この図4に示すように、パーキングブレーキケーブル90は、ケーブル91の先端近傍に掛止部材92が取り付けられている。掛止部材92は、ケーブルエンド91aが覗くようにケーブル91が貫通されている略円柱形状の本体部92aと、その本体部92aにおいて、ケーブル91の先端側の外周面端部に、径方向に突出した突起部92b,92cとを有している。突起部92bと突起部92cとは、本体部92aの外周面上で相対向するように設けられている。この突起部92b,92cは、図4に示すように、円柱形状(円柱ピン形状)をなしている。
【0014】
ここで、本体部92aは直径L1、高さL2を有しており、一方の突起部92bの端部と他方の突起部92cの端部との間隔は距離L3となっている。
ケーブル掛止部60は、このような構成をなすパーキングブレーキケーブル90が掛止できるような形状になっている。すなわち、ケーブル掛止部60は、図2及び図3に示すように、前記掛止部材92の本体部92aを内側で保持する板状の側壁部61,62それぞれに、当該パーキングブレーキケーブル90の引っ張り方向(図2中(B)に示す矢印A1方向)に平行に延びた有底のスリット部である溝63,64が形成されている。そして、ケーブル掛止部60には、図5に示すように、溝63,64の開口部が広くなるように傾斜部65が形成されている。
【0015】
ここで、側壁部61,62の内側面の間隔は、前記掛止部材92の本体部92aの直径L1と同じ間隔L4又は前記直径L1よりも多少大きな間隔L4になっている。また、溝63,64の幅は、前記突起部92b,92cの直径と同じ或いは多少大きくなっている。また、側壁部61,62の板厚は、例えば前記掛止部材92の突起部92b,92cの長さとほぼ等しい厚さになっている。また、側壁部61,62の長さ(前記本体部51から延びる長さ)は、前記前記掛止部材92の本体部92aの直径L1よりも長くなっている。
【0016】
一方、第2レバー部材70は2枚の金属板にて構成されている。第2レバー部材70は、一端部71が、2枚の金属板が互いに密着するように一体的に重ね合わされており、他端部72が、2枚の金属板で前記第1レバー部材50の本体部51を挟んだ形状をなし、連結ピン31により回動自在に支持されている。また、第2レバー部材70の中央部73は、前記第1レバー部材50のケーブル掛止部60を内側に収納可能に離間された形状をなしている。
【0017】
第2レバー部材70の一端部71には、第2ブレーキシュー12と係合する係合部(凹部)74が設けられている。また、第2レバー部材70を構成する2枚の金属板は、前記中央部73でケーブル掛止部60を閉塞するようにした板状の連結部75で連結されている。
連結部75は、図2中(B)に示すように、前記ケーブル掛止部60から所定間隔L5だけ離間されて第1レバー部材50に設けられている。この連結部75には、嵌合部材であるキャップ80が取り付けられる取り付け孔76が形成されている。取り付け孔76は、パーキングブレーキケーブル90の掛止部材92がケーブル掛止部60に装着された状態において、当該掛止部材92に対向するような位置に形成されている。また、取り付け孔76の直径は、少なくともパーキングブレーキケーブル90のケーブル91の直径よりも大きな径となっている。
【0018】
この取り付け孔76にキャップ80の首下部80aがはめ込まれる。首下部80aの長さは、キャップ80を連結部75の取り付け孔76に取り付けた際に、連結部75から前記ケーブル掛止部60に突出するのに十分な長さとなっている。このキャップ80は、例えば樹脂、ゴム、金属等で形成されている。
以上のように拡開機構30が構成されている。
【0019】
前記拡開機構30は、図1に示すように、バッキングプレート10に形成された切欠15内において、図示しない車両のキャリアに複数のボルト100により一体的に固設されるアンカ部材101上に配設されている。この場合、拡開機構30を構成する第1及び第2レバー部材50,70がボルト100上のボルト頭に当接されている。アンカ部材101には、パーキングブレーキケーブル90を挿通させるための挿通穴(ケーブル挿入部に相当)102が設けられている。挿通穴102は、例えば前記パーキングブレーキケーブル90の掛止部材92を挿通できることを条件として、必要十分な大きさとして形成されている。
【0020】
前記ケーブル掛止部60は、バッキングプレート10に対して略垂直な方向で、すなわち、パーキングブレーキケーブル90の挿通方向で、その挿通孔102と略一致するように配置されている。図2に示すように、この挿通孔102から挿通されたパーキングブレーキケーブル90の先端の掛止部材92がケーブル掛止部60に掛止されている。
【0021】
このようにケーブル掛止部60に掛止部材92により接続されたパーキングブレーキケーブル90が、車室内の操作部材(操作レバーなど)の操作に従ってバッキングプレート10と略直角な方向、すなわち図2中(B)に示す矢印A1方向に引っ張られると、連結ピン31を支点として第1レバー部材50がバッキングプレート10側へ回動することにより第1ブレーキシュー11が外側へ押し出され、図示しないディスクロータの内周面に押圧されて制動力を発生する。
【0022】
同時にその反力で第1ブレーキシュー11との係合部52を支点として連結ピン31が図2中(B)において右方向へ移動し、これにより、第2レバー部材70も同右方向へ移動し、第2ブレーキシュー12が外側へ押し出されて、図示しないディスクロータの内周面に押圧されて制動力を発生する。
前記ディスクロータは、平板状のディスク部の内側に円筒形状のドラム部を一体に備えており、ブレーキシュー11,12はそのドラム部の内周面に押圧される。
【0023】
次に、拡開機構30へのパーキングブレーキケーブル90の装着工程を説明する。図6乃至図8は、その装着工程を示す。
先ず図6中(A)及び(B)に示すように、前記突起部92b,92cがケーブル掛止部60の側壁部61,62と平行になるように前記掛止部材92を所定の状態にして、当該掛止部材92を前記挿通孔102を介して側壁部61,62の間に挿入する。
【0024】
そして、図7中(A)及び(B)に示すように、掛止部材92から突出しているケーブルエンド91aが前記連結部75の取り付け孔76に挿通されるまで掛止部材92を差し込む。このとき、掛止部材92の一部(図7において下端一部)が側壁部61,62の間に位置された状態になっている。
ここで、前記側壁部61,62の間の空間が挿通孔102を介して外方に臨むようになっている。よって、パーキングブレーキケーブル90に何ら外力をうけることなく、掛止部材92を差し込むことができる。
【0025】
そして、図8中(A)及び(B)に示すように、パーキングブレーキケーブル90のケーブル91を回転させながら引っ張る。このとき、パーキングブレーキケーブル90のケーブル91を略90度回転させることで、図8中(A)及び(B)に示すように、前記掛止部材92の突起部92b,92cそれぞれが前記ケーブル掛止部60の溝63,64の開口部近傍に位置されるようになる。そして、ケーブル91が引っ張られることで、前記掛止部材92の突起部92b,92cそれぞれが前記ケーブル掛止部60の溝63,64内に入り込み、場合によっては、当該溝63,64の開口部に設けた傾斜部65に案内されて、前記掛止部材92の突起部92b,92cそれぞれが前記ケーブル掛止部60の溝63,64内に入り込む。
【0026】
この結果、図2に示すように、前記突起部92b,92cが前記溝63,64の底部に係止されて、前記掛止部材92が前記ケーブル掛止部60に装着された状態になる。
その後、図2に示すように、前記連接部75の取り付け孔76にキャップ80を嵌め込む。
【0027】
以上のように、拡開機構30にパーキングブレーキケーブル90を装着することができる。
そして、このような装着後、前述したように、パーキングブレーキケーブル90が引っ張られると、第1及び第2ブレーキシュー11,12が外側へ押し出されることで、第1及び第2ブレーキシュー11,12が図示しないディスクロータの内周面に押圧されて、制動力を発生する。
【0028】
なお、拡開機構30からパーキングブレーキケーブル90を取り外す場合、その取り外し工程は、前述した装着工程と逆の工程とすればよい。
次に効果を説明する。
前述したように、パーキングブレーキケーブル90の掛止部材92を拡開機構30に所定の状態で差し込み、その所定の状態からケーブル91を回転させて引っ張ることで、拡開機構30の一部であるケーブル掛止部60の溝63,64に掛止部材92の突起部92b,92cを嵌合させている。
【0029】
このように、差し込み操作、回転操作及び引っ張り操作だけで、パーキングブレーキケーブル90を拡開機構30に接続することができるので、その接続は簡単である。
また、パーキングブレーキケーブル90を拡開機構30に接続する過程において、パーキングブレーキケーブル90が他の部材と不要に接触することもなく、何ら外力をうけることもない。これにより、パーキングブレーキケーブル90を拡開機構30にさらに簡単に接続することができたといえる。よって、パーキングブレーキケーブル90が硬い場合であっても、パーキングブレーキケーブル90を回転させることは特に困難ではないのでパーキングブレーキケーブル90を拡開機構30に簡単に接続することができる。
【0030】
特にパーキングブレーキケーブル90が硬いほど、回転させやすいので、効果的である。
また、前記溝63,64の開口部には、その開口部が広くなるように傾斜部65を設けている。これが案内構造として作用して、突起部92b,92cが溝63,64内に案内され、円滑に溝63,64内に進入するようになる。
【0031】
また、前記ケーブル掛止部60を閉塞するようにした板状の連結部75を設けている。これにより、ケーブル掛止部60から掛止部材92が外れてしまうことを防止することができる。
また、ケーブル掛止部60に掛止部材92を装着した後、連結部75にキャップ80を取り付けることで、ケーブル掛止部60から掛止部材92が外れてしまうことを防止している。また、他の部材が位置されていない第2のレバー部材70の背面からキャップ80を装着することになるので、作業者は、容易に連結部75に対してキャップ80を着脱することができる。
【0032】
例えば、図2中(B)において、キャップ80の首下部80aの端部からケーブルエンド91aの先端までの距離L6が、ケーブルエンド91aの先端から掛止部材92の突起部92b,92cの下端までの距離L7未満になるように、キャップ80の首下部80aの長さL8を決定する。このようにすることで、突起部92b,92cが溝63,64内を開口部近傍まで移動したとき、ケーブルエンド91aの先端が、キャップ80の首下部80aの端部に当たるようになる。この場合、キャップ80は、パーキングブレーキケーブル90の差し込み方向への掛止部材92の移動量が、溝63,64の長さ未満になるようにその移動を規制している。
【0033】
このように、キャップ80を所定寸法に決定することで、図9中(A)及び(B)に示すように、たとえパーキングブレーキケーブル90が緩んで掛止部材92がパーキングブレーキケーブル90の引っ張り方向とは反対方向に移動してきたとしても、ケーブル掛止部60から掛止部材92が外れてしまうことを確実に防止できる。
【0034】
このようなことから、キャップ80は、パーキングブレーキケーブル90が緩んだりして、パーキングブレーキケーブル90のケーブルエンド91aの先端が当たっても、連結部75から外れないような連結部75への嵌合力を有するように設計する。この場合、少なくとも作業者の作業力の力で、連結部75に対してキャップ80を着脱できるような嵌合力になるように設計する。
【0035】
また、拡開機構30へのパーキングブレーキケーブル90の装着工程では、図7中(A)及び(B)から図8中(A)及び(B)への変化として示すように、パーキングブレーキケーブル90を回転させながら引っ張っている。これにより、掛止部材92の突起部92b,92cそれぞれがケーブル掛止部60の溝63,64の開口部近傍に位置して、その後、掛止部材92の突起部92b,92cそれぞれがケーブル掛止部60の溝63,64内に入り込むようになっている。このとき、掛止部材92の突起部92b,92cが、連結部75とケーブル掛止部60との間を移動している。なお、このとき、前記突起部92b,92cよりパーキングブレーキケーブル90の先端側の部位は、前記キャップ80が装着されるための取り付け孔76内に収容されている。
【0036】
ここで、前記突起部92b,92cの形成位置を、掛止部材92においてケーブル91の先端側の端部に設ける一方、連結部75とケーブル掛止部60との前記間隔L5を、その突起部92b,92cの直径より多少大きい程度の間隔にする。これにより、ケーブル掛止部60に掛止部材92を装着させる際の、掛止部材92の突起部92b,92cが移動するための連結部75とケーブル掛止部60との間の空間を必要十分に確保することができる。これにより、連結部75とケーブル掛止部60との間隔を最小限に抑えることができ、拡開機構30の小型化を実現することができる。
【0037】
また、たとえキャップ80を装着しないような場合でも、パーキングブレーキケーブル90が緩んだときの掛止部材92の突起部92b,92cの動き可能代を小さく抑えることができるので、ケーブル掛止部60に掛止部材92を装着した後に、掛止部材92がケーブル掛止部60から外れてしまうことを防止することができる。
【0038】
また、拡開機構30へのパーキングブレーキケーブル90の装着工程では、図7中(A)及び(B)や図8中(A)及び(B)に示すように、本体部92aは、その一部が側壁部61,62の間に位置されたまま、回転操作される。しかし、本体部92aを円柱形状にしているので、その回転操作を容易にすることができる。
【0039】
また、前記突起部92b,92cを円柱形状(円柱ピン形状)にしている。これにより、拡開機構30にパーキングブレーキケーブル90を装着した後の実使用時に、パーキングブレーキケーブル90を引いても、第1のレバー部材50の相対回転運動に、前記突起部92b,92cが追従してしまうこともない。すなわち、第1のレバー部材50が相対回転運動する際に、溝63,64の底部に対して突起部92b,92cが相対回転するので、第1のレバー部材50の相対回転運動に前記突起部92b,92c、さらには掛止部材92が追従してしまうこともない。この結果、パーキングブレーキケーブル90が撓み変形してしまうこともなく、その引っ張り方向に常に直線的に延びた状態に保たれる。また、突起部92b,92cにもねじり力が働かないので、前記突起部92b,92cを円柱形状(円柱ピン形状)にすることは、突起部92b,92cの強度に有利に作用する。
【0040】
次に他の実施の形態を説明する。
すなわち、前記ケーブル掛止部60の溝63,64は前述の形状に限定されるものではない。図10中(A)及び(B)は、前記ケーブル掛止部60の溝63,64の他の形状を示す。
例えば、図10中(A)に示すように、前記溝63,64の形状を、その途中に湾曲部63a,64bを設けた形状にする。ここでは、前記溝63,64の途中一部が湾曲部63a,64bとなっているが、溝63,64全体が湾曲形状であってもよい。また、溝63,64の途中に往復して蛇行するような蛇行部を設けたり、或いは溝63,64全体が往復して蛇行するようにした形状であってもよい。
【0041】
このような形状にすることで、突起部92b,92cが溝63,64の入口側に戻りにくくなる。これにより、たとえパーキングブレーキケーブル90が緩んだとしても、ケーブル掛止部60から掛止部材92が外れてしまうことを防止することができる。
なお、パーキングブレーキケーブル90を引っ張り、ケーブル掛止部60に掛止部材92を装着させる際に、この溝63,64を湾曲形状分だけ、掛止部材92がその引っ張り方向と垂直方向に変位するようになるが、その変位量は少ない。よって、溝63,64を湾曲形状としても、装着する際の作業者の負担増にもならない。
【0042】
また、図10中(B)に示すように、前記溝63,64の底部に、溝内に向かうように、突起(引っ掛かり)63b,64bを設ける。このような形状にすることで、突起部92b,92cが溝63,64の底部に嵌合するようになるので、突起部92b,92cを溝63,64の開口部側に戻りにくくすることができる。これにより、たとえパーキングブレーキケーブル90が緩んだとしても、ケーブル掛止部60から掛止部材92が外れてしまうことを防止することができる。
【0043】
なお、図10中(A)及び(B)は一例であり、少なくとも突起部92b,92cを溝63,64の開口部側に戻りにくくすることで、突起部92b,92cが溝63,64から抜け出すことを防止できる構造であれば、溝63,64は他の形状であってもよい。
また、前記パーキングブレーキケーブル90の掛止部材92は前述の形状に限定されるものではない。図11中(A)乃至(C)は、掛止部材92の他の形状を示す。
【0044】
図11中(A)に示すように、本体部93aを四角柱形状にする。また、突起部93b,93cを四角柱形状にする。例えば、本体部93aを四角柱形状にすることで、掛止部材93がケーブル掛止部60に装着された際の、掛止部材93の回転方向へのがたつきを防止することができる。これにより、例えば、溝63,64と、当該溝63,64内に収納されている突出部93b,93cとが、前記掛止部材93の回転方向で不要に接触してしまうことを防止でき、例えば、突出部93b,93cが破損してしまうことを防止できる。
【0045】
また、図11中(B)に示すように、掛止部材94を全体として平板形状にする。この場合、掛止部材94をケーブル掛止部60に装着した際、掛止部材94の端部94b,94cが溝63,64に嵌合するようになる。このような形状にすることで、掛止部材94を構造を簡単にして、安価に提供することができる。
また、図11中(C)に示すように、掛止部材95を全体として楕円柱形状にする。すなわち、掛止部材95を、その中央部95dを膨らませた形状にしている。この場合、掛止部材95をケーブル掛止部60に装着した際、掛止部材95の端部95b,95cが溝63,64に嵌合するようになる。このような形状にすることで、掛止部材95を構造を簡単にして、安価に提供することができる。さらに、掛止部材95は、溝63,64の幅よりも大きい幅を有する中央部95dにより、溝63,64の間での動きが制限されるので、がたつきが防止される。
【0046】
また、前記キャップ80は、前述の形状に限定されるものではない。図12中(B)及び(C)は掛止部材92の他の形状を示す。なお、図12中(A)は、前述の実施の形態のキャップ80の形状を示す。
例えば、図12中(A)に示すような形状のキャップ80の首下部80aの直径を、前記連結部75の取り付け孔76の直径よりも大きくする。これにより、首下部80aが取り付け孔76にしまりばめで強固に固定されるようになる。よって、キャップ80は、そのしまりばめの抵抗力により、パーキングブレーキケーブル90が緩んでケーブルエンド91aがキャップ80の首下部80aに当たるような場合でも、外れにくくなる。例えば、キャップ80は、樹脂、ゴムや金属等、しまりばめで固定できるものであれば、どのような材質や形状であってもよい。
【0047】
また、図12中(B)に示すように、キャップ80の首下部80aの先端に、当該首下部81aよりも大きな直径を有する突起部81bを設ける。このような形状にすることにより、キャップ81を外れにくくすることができる。
また、図12中(C)に示すように、キャップ82の頭部82cを四角形状にする。また、同図12中(C)に示すように、首下部82aの先端に設けた突起部82bを円錐形状にする。このような形状にすることにより、キャップ82を外れにくくすることができる。さらに、キャップ82を取り付ける際には、突起部82bが前記取り付け孔76に挿入し易くなる。これにより、作業者のキャップ82の取り付け作業を容易にして、作業性を向上させることができる。また、キャップ82の頭部82cが四角形状になっているので、キャップ82を取り外す際、その四角形状の角部に爪が挿入し易くなる。これにより、作業者のキャップ82の取り外し作業を容易にして、作業性を向上させることができる。例えば、キャップ82の突起部82bは、樹脂やゴム等、弾性変形するものであれば、材質や形状であってもよい。
【0048】
なお、前述の実施の形態では、ドラムインディスクブレーキのパーキングブレーキ構造に本発明を適用した場合を説明した。しかし、これに限定されないことはいうまでもない。例えば、ドラムブレーキのパーキングブレーキ構造に本発明を適用することもできる。
【0049】
また、前述の実施の形態では、突起部92b,92cが溝63,64から抜け出すことを防止する抜け止め防止構造として、溝63,64を特殊な形状にしたり、連結部75に設けた取り付け孔76にキャップ80,81,82,83を取り付けることで、実現している。しかし、他の構造により、前記抜け止め防止構造を実現できることはいうまでもない。
また、前述の実施の形態では、溝63,64の入口近傍に設けた傾斜部65により、溝63,64内に突起部92b,92cを案内する案内構造を実現しているが、他の構造により、前記案内構造を実現できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるドラムインディスクブレーキの構成を示す図である。
【図2】前記ドラムインディスクブレーキの拡開機構を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側方からみた断面図である。
【図3】前記拡開機構の第1及び第2レバー部材を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
【図4】前記拡開機構に装着されるパーキングブレーキケーブルの先端部の構成を示す図で、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は斜視図である。
【図5】前記第1レバー部材の構成を示す正面図である。
【図6】前記拡開機構へのパーキングブレーキケーブルの装着工程中の、拡開機構にパーキングブレーキケーブルを装着する際の工程の説明に使用した図である。
【図7】前記拡開機構へのパーキングブレーキケーブルの装着工程中の、拡開機構にパーキングブレーキケーブルの掛止部材を差し込んだ工程の説明に使用した図である。
【図8】前記拡開機構へのパーキングブレーキケーブルの装着工程中の、掛止部材の回転操作工程の説明に使用した図である。
【図9】前記第2レバー部材の連結部にキャップを取り付けたことによる効果の説明に使用した図である。
【図10】前記第1レバー部材のケーブル掛止部に形成した溝の形状を示す正面図で、(A)は湾曲部を有する溝の形状を示す正面図であり、(B)は底部に突起を有する溝の形状を示す正面図である。
【図11】前記パーキングブレーキケーブルの掛止部材の形状を示す斜視図で、(A)は本体部が四角柱形状であり、突出部が四角柱形状である掛止部材の形状を示す斜視図であり、(B)は全体が平板形状の掛止部材を示す斜視図であり、(C)は全体が楕円柱形状の掛止部材を示す斜視図である。
【図12】前記キャップの形状を示す斜視図であり、(A)は首下部を円柱形状のみの構成としたキャップの形状を示す斜視図であり、(B)は首下部の先端に突起部を設けた構成としたキャップの形状を示す斜視図であり、(C)はそのような突起部を円錐形状としたキャップの形状を示す斜視図である。
【図13】特許文献1(特開2000−219122号公報)に記載されているケーブル直角引きパーキングブレーキの構造を示す図である。
【符号の説明】
11,12 ブレーキシュー
30 拡開機構
50,70 レバー部材
60 ケーブル掛止部
61,62 側壁部
63,64 溝
65 傾斜部
75 連結部
76 取り付け孔
80 キャップ
90 パーキングブレーキケーブル
91 ケーブル
92 掛止部材
92b,92c 突起部
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーキングブレーキケーブル、及びブレーキシュー側部材にパーキングブレーキケーブルを接続するためのパーキングブレーキケーブル接続構造に関し、特に、パーキングブレーキケーブルが引っ張られることによりパーキングブレーキを作動させるパーキングブレーキに好適なパーキングブレーキケーブル及びパーキングブレーキケーブル接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は、特許文献1で開示されている従来のケーブル直角引きパーキングブレーキの構造を示す。
図13中(A)に示すように、リンク装置200にパーキングブレーキケーブル201を組付ける際、挿通穴202内に挿入された掛止部材203(図中▲1▼の掛止部材203)を、リンク装置200の第1レバー部材204に設けた第1ガイド205と第2レバー部材206に設けた曲げ加工部(第3ガイド)207との間を通過させ(図中▲2▼の掛止部材203の状態)、その後、第2ガイド208によって掛止部材203の姿勢を規制しながら(図中▲3▼の掛止部材203の状態)、ケーブル掛止部210側へ移動させて掛止する(図中▲4▼の掛止部材203の状態)。その後、図13中(B)に示すように、作業者が第2ガイド208を押し曲げて第1レバー部材204との隙間を狭くすることによりケーブル掛止部210から掛止部材203が外れることを防止する。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−219122号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
パーキングブレーキケーブル201をリンク装置200に組付ける際、パーキングブレーキケーブル201を撓み変形させて第1ガイド205、第3ガイド207、第2ガイド208に沿って湾曲させながら、ケーブル掛止部210に掛止部材203を案内する構造になっている。
【0005】
この場合、パーキングブレーキケーブル201が硬い場合、組み付けの際にパーキングブレーキケーブル201に大きな挿入力を加える必要がある。このようなことから、パーキングブレーキケーブル201を円滑に挿入するのに時間がかかるという問題点があった。
そこで、本発明は、前述の問題に鑑みてなされたものであり、掛止部材をケーブル掛止部に簡単に接続できるパーキングブレーキケーブル及びパーキングブレーキケーブル接続構造の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の問題を解決するために、本発明に係るパーキングブレーキケーブルは、ブレーキシュー側部材に所定の状態で差し込み、その所定の状態からケーブルを回転させて引っ張ることで、前記ブレーキシュー側部材に係止する係止部材を、前記ケーブルの差込側の先端部に設けている。
【0007】
また、本発明に係るパーキングブレーキケーブル接続構造は、パーキングブレーキケーブルのケーブル先端に設けた係止部材が所定の状態で差し込まれ、その所定の状態からケーブルを回転して引っ張ることで、前記係止部材と嵌合する形状の被係止部をブレーキシュー側部材に設けている。
これにより、パーキングブレーキケーブルの先端部に設けた係止部材をブレーキシュー側部材に所定の状態で差し込み、その所定の状態からケーブルを回転させて引っ張ることで、ブレーキシュー側部材に係止部材が係止して、パーキングブレーキケーブルがブレーキシュー側部材に接続された状態になる。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、パーキングブレーキケーブルをブレーキシュー側部材に簡単に接続することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態であるディスクブレーキの内部にパーキングブレーキ用のドラムブレーキを組み込んだドラムインディスクブレーキである。
バッキングプレート10には一対の第1ブレーキシュー11と第2ブレーキシュー12とが対向して配設され、それぞれシューホルドダウン装置13,14により拡開可能に保持されている。
【0010】
ブレーキシュー11,12の一方の端部間、具体的には図1において上側の端部間には、拡開機構30及びリターンスプリングとして引張コイルスプリング21が配設されている一方、他方の端部間にはストラット22及び引張コイルスプリング23が配設されている。ストラット22はシュー間隙調整機構を備えており、ねじにより軸方向へ伸縮するようになっている。
【0011】
図2中(A)乃至(C)及び図3中(A)乃至(C)は拡開機構30の構成を示す。この図2及び図3に示すように、拡開機構30は、一端部において連結ピン31により相対回動可能に連結された第1レバー部材50及び第2レバー部材70を備えている。ここで、連結ピン31は、バッキングプレート10と略平行となる姿勢で配設されている。
【0012】
第1レバー部材50は2枚の金属板にて構成されている。第1レバー部材50において一端部側は、2枚の金属板が互いに密着するように一体的に重ね合わされて本体部51を形成し、その本体部51が前記連結ピン31により回動自在に支持されている。そして、その本体部51には、前記第1ブレーキシュー11と係合する係合部(凹部)52が形成されている。また、第1レバー部材50の他端部には、前記本体部51から延びてケーブル掛止部60が設けられている。
【0013】
ケーブル掛止部60は、パーキングブレーキケーブル90の掛止部材92を掛止できるように形成されている。
図4中(A)乃至(C)は、そのパーキングブレーキケーブル90の構成を示す。この図4に示すように、パーキングブレーキケーブル90は、ケーブル91の先端近傍に掛止部材92が取り付けられている。掛止部材92は、ケーブルエンド91aが覗くようにケーブル91が貫通されている略円柱形状の本体部92aと、その本体部92aにおいて、ケーブル91の先端側の外周面端部に、径方向に突出した突起部92b,92cとを有している。突起部92bと突起部92cとは、本体部92aの外周面上で相対向するように設けられている。この突起部92b,92cは、図4に示すように、円柱形状(円柱ピン形状)をなしている。
【0014】
ここで、本体部92aは直径L1、高さL2を有しており、一方の突起部92bの端部と他方の突起部92cの端部との間隔は距離L3となっている。
ケーブル掛止部60は、このような構成をなすパーキングブレーキケーブル90が掛止できるような形状になっている。すなわち、ケーブル掛止部60は、図2及び図3に示すように、前記掛止部材92の本体部92aを内側で保持する板状の側壁部61,62それぞれに、当該パーキングブレーキケーブル90の引っ張り方向(図2中(B)に示す矢印A1方向)に平行に延びた有底のスリット部である溝63,64が形成されている。そして、ケーブル掛止部60には、図5に示すように、溝63,64の開口部が広くなるように傾斜部65が形成されている。
【0015】
ここで、側壁部61,62の内側面の間隔は、前記掛止部材92の本体部92aの直径L1と同じ間隔L4又は前記直径L1よりも多少大きな間隔L4になっている。また、溝63,64の幅は、前記突起部92b,92cの直径と同じ或いは多少大きくなっている。また、側壁部61,62の板厚は、例えば前記掛止部材92の突起部92b,92cの長さとほぼ等しい厚さになっている。また、側壁部61,62の長さ(前記本体部51から延びる長さ)は、前記前記掛止部材92の本体部92aの直径L1よりも長くなっている。
【0016】
一方、第2レバー部材70は2枚の金属板にて構成されている。第2レバー部材70は、一端部71が、2枚の金属板が互いに密着するように一体的に重ね合わされており、他端部72が、2枚の金属板で前記第1レバー部材50の本体部51を挟んだ形状をなし、連結ピン31により回動自在に支持されている。また、第2レバー部材70の中央部73は、前記第1レバー部材50のケーブル掛止部60を内側に収納可能に離間された形状をなしている。
【0017】
第2レバー部材70の一端部71には、第2ブレーキシュー12と係合する係合部(凹部)74が設けられている。また、第2レバー部材70を構成する2枚の金属板は、前記中央部73でケーブル掛止部60を閉塞するようにした板状の連結部75で連結されている。
連結部75は、図2中(B)に示すように、前記ケーブル掛止部60から所定間隔L5だけ離間されて第1レバー部材50に設けられている。この連結部75には、嵌合部材であるキャップ80が取り付けられる取り付け孔76が形成されている。取り付け孔76は、パーキングブレーキケーブル90の掛止部材92がケーブル掛止部60に装着された状態において、当該掛止部材92に対向するような位置に形成されている。また、取り付け孔76の直径は、少なくともパーキングブレーキケーブル90のケーブル91の直径よりも大きな径となっている。
【0018】
この取り付け孔76にキャップ80の首下部80aがはめ込まれる。首下部80aの長さは、キャップ80を連結部75の取り付け孔76に取り付けた際に、連結部75から前記ケーブル掛止部60に突出するのに十分な長さとなっている。このキャップ80は、例えば樹脂、ゴム、金属等で形成されている。
以上のように拡開機構30が構成されている。
【0019】
前記拡開機構30は、図1に示すように、バッキングプレート10に形成された切欠15内において、図示しない車両のキャリアに複数のボルト100により一体的に固設されるアンカ部材101上に配設されている。この場合、拡開機構30を構成する第1及び第2レバー部材50,70がボルト100上のボルト頭に当接されている。アンカ部材101には、パーキングブレーキケーブル90を挿通させるための挿通穴(ケーブル挿入部に相当)102が設けられている。挿通穴102は、例えば前記パーキングブレーキケーブル90の掛止部材92を挿通できることを条件として、必要十分な大きさとして形成されている。
【0020】
前記ケーブル掛止部60は、バッキングプレート10に対して略垂直な方向で、すなわち、パーキングブレーキケーブル90の挿通方向で、その挿通孔102と略一致するように配置されている。図2に示すように、この挿通孔102から挿通されたパーキングブレーキケーブル90の先端の掛止部材92がケーブル掛止部60に掛止されている。
【0021】
このようにケーブル掛止部60に掛止部材92により接続されたパーキングブレーキケーブル90が、車室内の操作部材(操作レバーなど)の操作に従ってバッキングプレート10と略直角な方向、すなわち図2中(B)に示す矢印A1方向に引っ張られると、連結ピン31を支点として第1レバー部材50がバッキングプレート10側へ回動することにより第1ブレーキシュー11が外側へ押し出され、図示しないディスクロータの内周面に押圧されて制動力を発生する。
【0022】
同時にその反力で第1ブレーキシュー11との係合部52を支点として連結ピン31が図2中(B)において右方向へ移動し、これにより、第2レバー部材70も同右方向へ移動し、第2ブレーキシュー12が外側へ押し出されて、図示しないディスクロータの内周面に押圧されて制動力を発生する。
前記ディスクロータは、平板状のディスク部の内側に円筒形状のドラム部を一体に備えており、ブレーキシュー11,12はそのドラム部の内周面に押圧される。
【0023】
次に、拡開機構30へのパーキングブレーキケーブル90の装着工程を説明する。図6乃至図8は、その装着工程を示す。
先ず図6中(A)及び(B)に示すように、前記突起部92b,92cがケーブル掛止部60の側壁部61,62と平行になるように前記掛止部材92を所定の状態にして、当該掛止部材92を前記挿通孔102を介して側壁部61,62の間に挿入する。
【0024】
そして、図7中(A)及び(B)に示すように、掛止部材92から突出しているケーブルエンド91aが前記連結部75の取り付け孔76に挿通されるまで掛止部材92を差し込む。このとき、掛止部材92の一部(図7において下端一部)が側壁部61,62の間に位置された状態になっている。
ここで、前記側壁部61,62の間の空間が挿通孔102を介して外方に臨むようになっている。よって、パーキングブレーキケーブル90に何ら外力をうけることなく、掛止部材92を差し込むことができる。
【0025】
そして、図8中(A)及び(B)に示すように、パーキングブレーキケーブル90のケーブル91を回転させながら引っ張る。このとき、パーキングブレーキケーブル90のケーブル91を略90度回転させることで、図8中(A)及び(B)に示すように、前記掛止部材92の突起部92b,92cそれぞれが前記ケーブル掛止部60の溝63,64の開口部近傍に位置されるようになる。そして、ケーブル91が引っ張られることで、前記掛止部材92の突起部92b,92cそれぞれが前記ケーブル掛止部60の溝63,64内に入り込み、場合によっては、当該溝63,64の開口部に設けた傾斜部65に案内されて、前記掛止部材92の突起部92b,92cそれぞれが前記ケーブル掛止部60の溝63,64内に入り込む。
【0026】
この結果、図2に示すように、前記突起部92b,92cが前記溝63,64の底部に係止されて、前記掛止部材92が前記ケーブル掛止部60に装着された状態になる。
その後、図2に示すように、前記連接部75の取り付け孔76にキャップ80を嵌め込む。
【0027】
以上のように、拡開機構30にパーキングブレーキケーブル90を装着することができる。
そして、このような装着後、前述したように、パーキングブレーキケーブル90が引っ張られると、第1及び第2ブレーキシュー11,12が外側へ押し出されることで、第1及び第2ブレーキシュー11,12が図示しないディスクロータの内周面に押圧されて、制動力を発生する。
【0028】
なお、拡開機構30からパーキングブレーキケーブル90を取り外す場合、その取り外し工程は、前述した装着工程と逆の工程とすればよい。
次に効果を説明する。
前述したように、パーキングブレーキケーブル90の掛止部材92を拡開機構30に所定の状態で差し込み、その所定の状態からケーブル91を回転させて引っ張ることで、拡開機構30の一部であるケーブル掛止部60の溝63,64に掛止部材92の突起部92b,92cを嵌合させている。
【0029】
このように、差し込み操作、回転操作及び引っ張り操作だけで、パーキングブレーキケーブル90を拡開機構30に接続することができるので、その接続は簡単である。
また、パーキングブレーキケーブル90を拡開機構30に接続する過程において、パーキングブレーキケーブル90が他の部材と不要に接触することもなく、何ら外力をうけることもない。これにより、パーキングブレーキケーブル90を拡開機構30にさらに簡単に接続することができたといえる。よって、パーキングブレーキケーブル90が硬い場合であっても、パーキングブレーキケーブル90を回転させることは特に困難ではないのでパーキングブレーキケーブル90を拡開機構30に簡単に接続することができる。
【0030】
特にパーキングブレーキケーブル90が硬いほど、回転させやすいので、効果的である。
また、前記溝63,64の開口部には、その開口部が広くなるように傾斜部65を設けている。これが案内構造として作用して、突起部92b,92cが溝63,64内に案内され、円滑に溝63,64内に進入するようになる。
【0031】
また、前記ケーブル掛止部60を閉塞するようにした板状の連結部75を設けている。これにより、ケーブル掛止部60から掛止部材92が外れてしまうことを防止することができる。
また、ケーブル掛止部60に掛止部材92を装着した後、連結部75にキャップ80を取り付けることで、ケーブル掛止部60から掛止部材92が外れてしまうことを防止している。また、他の部材が位置されていない第2のレバー部材70の背面からキャップ80を装着することになるので、作業者は、容易に連結部75に対してキャップ80を着脱することができる。
【0032】
例えば、図2中(B)において、キャップ80の首下部80aの端部からケーブルエンド91aの先端までの距離L6が、ケーブルエンド91aの先端から掛止部材92の突起部92b,92cの下端までの距離L7未満になるように、キャップ80の首下部80aの長さL8を決定する。このようにすることで、突起部92b,92cが溝63,64内を開口部近傍まで移動したとき、ケーブルエンド91aの先端が、キャップ80の首下部80aの端部に当たるようになる。この場合、キャップ80は、パーキングブレーキケーブル90の差し込み方向への掛止部材92の移動量が、溝63,64の長さ未満になるようにその移動を規制している。
【0033】
このように、キャップ80を所定寸法に決定することで、図9中(A)及び(B)に示すように、たとえパーキングブレーキケーブル90が緩んで掛止部材92がパーキングブレーキケーブル90の引っ張り方向とは反対方向に移動してきたとしても、ケーブル掛止部60から掛止部材92が外れてしまうことを確実に防止できる。
【0034】
このようなことから、キャップ80は、パーキングブレーキケーブル90が緩んだりして、パーキングブレーキケーブル90のケーブルエンド91aの先端が当たっても、連結部75から外れないような連結部75への嵌合力を有するように設計する。この場合、少なくとも作業者の作業力の力で、連結部75に対してキャップ80を着脱できるような嵌合力になるように設計する。
【0035】
また、拡開機構30へのパーキングブレーキケーブル90の装着工程では、図7中(A)及び(B)から図8中(A)及び(B)への変化として示すように、パーキングブレーキケーブル90を回転させながら引っ張っている。これにより、掛止部材92の突起部92b,92cそれぞれがケーブル掛止部60の溝63,64の開口部近傍に位置して、その後、掛止部材92の突起部92b,92cそれぞれがケーブル掛止部60の溝63,64内に入り込むようになっている。このとき、掛止部材92の突起部92b,92cが、連結部75とケーブル掛止部60との間を移動している。なお、このとき、前記突起部92b,92cよりパーキングブレーキケーブル90の先端側の部位は、前記キャップ80が装着されるための取り付け孔76内に収容されている。
【0036】
ここで、前記突起部92b,92cの形成位置を、掛止部材92においてケーブル91の先端側の端部に設ける一方、連結部75とケーブル掛止部60との前記間隔L5を、その突起部92b,92cの直径より多少大きい程度の間隔にする。これにより、ケーブル掛止部60に掛止部材92を装着させる際の、掛止部材92の突起部92b,92cが移動するための連結部75とケーブル掛止部60との間の空間を必要十分に確保することができる。これにより、連結部75とケーブル掛止部60との間隔を最小限に抑えることができ、拡開機構30の小型化を実現することができる。
【0037】
また、たとえキャップ80を装着しないような場合でも、パーキングブレーキケーブル90が緩んだときの掛止部材92の突起部92b,92cの動き可能代を小さく抑えることができるので、ケーブル掛止部60に掛止部材92を装着した後に、掛止部材92がケーブル掛止部60から外れてしまうことを防止することができる。
【0038】
また、拡開機構30へのパーキングブレーキケーブル90の装着工程では、図7中(A)及び(B)や図8中(A)及び(B)に示すように、本体部92aは、その一部が側壁部61,62の間に位置されたまま、回転操作される。しかし、本体部92aを円柱形状にしているので、その回転操作を容易にすることができる。
【0039】
また、前記突起部92b,92cを円柱形状(円柱ピン形状)にしている。これにより、拡開機構30にパーキングブレーキケーブル90を装着した後の実使用時に、パーキングブレーキケーブル90を引いても、第1のレバー部材50の相対回転運動に、前記突起部92b,92cが追従してしまうこともない。すなわち、第1のレバー部材50が相対回転運動する際に、溝63,64の底部に対して突起部92b,92cが相対回転するので、第1のレバー部材50の相対回転運動に前記突起部92b,92c、さらには掛止部材92が追従してしまうこともない。この結果、パーキングブレーキケーブル90が撓み変形してしまうこともなく、その引っ張り方向に常に直線的に延びた状態に保たれる。また、突起部92b,92cにもねじり力が働かないので、前記突起部92b,92cを円柱形状(円柱ピン形状)にすることは、突起部92b,92cの強度に有利に作用する。
【0040】
次に他の実施の形態を説明する。
すなわち、前記ケーブル掛止部60の溝63,64は前述の形状に限定されるものではない。図10中(A)及び(B)は、前記ケーブル掛止部60の溝63,64の他の形状を示す。
例えば、図10中(A)に示すように、前記溝63,64の形状を、その途中に湾曲部63a,64bを設けた形状にする。ここでは、前記溝63,64の途中一部が湾曲部63a,64bとなっているが、溝63,64全体が湾曲形状であってもよい。また、溝63,64の途中に往復して蛇行するような蛇行部を設けたり、或いは溝63,64全体が往復して蛇行するようにした形状であってもよい。
【0041】
このような形状にすることで、突起部92b,92cが溝63,64の入口側に戻りにくくなる。これにより、たとえパーキングブレーキケーブル90が緩んだとしても、ケーブル掛止部60から掛止部材92が外れてしまうことを防止することができる。
なお、パーキングブレーキケーブル90を引っ張り、ケーブル掛止部60に掛止部材92を装着させる際に、この溝63,64を湾曲形状分だけ、掛止部材92がその引っ張り方向と垂直方向に変位するようになるが、その変位量は少ない。よって、溝63,64を湾曲形状としても、装着する際の作業者の負担増にもならない。
【0042】
また、図10中(B)に示すように、前記溝63,64の底部に、溝内に向かうように、突起(引っ掛かり)63b,64bを設ける。このような形状にすることで、突起部92b,92cが溝63,64の底部に嵌合するようになるので、突起部92b,92cを溝63,64の開口部側に戻りにくくすることができる。これにより、たとえパーキングブレーキケーブル90が緩んだとしても、ケーブル掛止部60から掛止部材92が外れてしまうことを防止することができる。
【0043】
なお、図10中(A)及び(B)は一例であり、少なくとも突起部92b,92cを溝63,64の開口部側に戻りにくくすることで、突起部92b,92cが溝63,64から抜け出すことを防止できる構造であれば、溝63,64は他の形状であってもよい。
また、前記パーキングブレーキケーブル90の掛止部材92は前述の形状に限定されるものではない。図11中(A)乃至(C)は、掛止部材92の他の形状を示す。
【0044】
図11中(A)に示すように、本体部93aを四角柱形状にする。また、突起部93b,93cを四角柱形状にする。例えば、本体部93aを四角柱形状にすることで、掛止部材93がケーブル掛止部60に装着された際の、掛止部材93の回転方向へのがたつきを防止することができる。これにより、例えば、溝63,64と、当該溝63,64内に収納されている突出部93b,93cとが、前記掛止部材93の回転方向で不要に接触してしまうことを防止でき、例えば、突出部93b,93cが破損してしまうことを防止できる。
【0045】
また、図11中(B)に示すように、掛止部材94を全体として平板形状にする。この場合、掛止部材94をケーブル掛止部60に装着した際、掛止部材94の端部94b,94cが溝63,64に嵌合するようになる。このような形状にすることで、掛止部材94を構造を簡単にして、安価に提供することができる。
また、図11中(C)に示すように、掛止部材95を全体として楕円柱形状にする。すなわち、掛止部材95を、その中央部95dを膨らませた形状にしている。この場合、掛止部材95をケーブル掛止部60に装着した際、掛止部材95の端部95b,95cが溝63,64に嵌合するようになる。このような形状にすることで、掛止部材95を構造を簡単にして、安価に提供することができる。さらに、掛止部材95は、溝63,64の幅よりも大きい幅を有する中央部95dにより、溝63,64の間での動きが制限されるので、がたつきが防止される。
【0046】
また、前記キャップ80は、前述の形状に限定されるものではない。図12中(B)及び(C)は掛止部材92の他の形状を示す。なお、図12中(A)は、前述の実施の形態のキャップ80の形状を示す。
例えば、図12中(A)に示すような形状のキャップ80の首下部80aの直径を、前記連結部75の取り付け孔76の直径よりも大きくする。これにより、首下部80aが取り付け孔76にしまりばめで強固に固定されるようになる。よって、キャップ80は、そのしまりばめの抵抗力により、パーキングブレーキケーブル90が緩んでケーブルエンド91aがキャップ80の首下部80aに当たるような場合でも、外れにくくなる。例えば、キャップ80は、樹脂、ゴムや金属等、しまりばめで固定できるものであれば、どのような材質や形状であってもよい。
【0047】
また、図12中(B)に示すように、キャップ80の首下部80aの先端に、当該首下部81aよりも大きな直径を有する突起部81bを設ける。このような形状にすることにより、キャップ81を外れにくくすることができる。
また、図12中(C)に示すように、キャップ82の頭部82cを四角形状にする。また、同図12中(C)に示すように、首下部82aの先端に設けた突起部82bを円錐形状にする。このような形状にすることにより、キャップ82を外れにくくすることができる。さらに、キャップ82を取り付ける際には、突起部82bが前記取り付け孔76に挿入し易くなる。これにより、作業者のキャップ82の取り付け作業を容易にして、作業性を向上させることができる。また、キャップ82の頭部82cが四角形状になっているので、キャップ82を取り外す際、その四角形状の角部に爪が挿入し易くなる。これにより、作業者のキャップ82の取り外し作業を容易にして、作業性を向上させることができる。例えば、キャップ82の突起部82bは、樹脂やゴム等、弾性変形するものであれば、材質や形状であってもよい。
【0048】
なお、前述の実施の形態では、ドラムインディスクブレーキのパーキングブレーキ構造に本発明を適用した場合を説明した。しかし、これに限定されないことはいうまでもない。例えば、ドラムブレーキのパーキングブレーキ構造に本発明を適用することもできる。
【0049】
また、前述の実施の形態では、突起部92b,92cが溝63,64から抜け出すことを防止する抜け止め防止構造として、溝63,64を特殊な形状にしたり、連結部75に設けた取り付け孔76にキャップ80,81,82,83を取り付けることで、実現している。しかし、他の構造により、前記抜け止め防止構造を実現できることはいうまでもない。
また、前述の実施の形態では、溝63,64の入口近傍に設けた傾斜部65により、溝63,64内に突起部92b,92cを案内する案内構造を実現しているが、他の構造により、前記案内構造を実現できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるドラムインディスクブレーキの構成を示す図である。
【図2】前記ドラムインディスクブレーキの拡開機構を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側方からみた断面図である。
【図3】前記拡開機構の第1及び第2レバー部材を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
【図4】前記拡開機構に装着されるパーキングブレーキケーブルの先端部の構成を示す図で、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は斜視図である。
【図5】前記第1レバー部材の構成を示す正面図である。
【図6】前記拡開機構へのパーキングブレーキケーブルの装着工程中の、拡開機構にパーキングブレーキケーブルを装着する際の工程の説明に使用した図である。
【図7】前記拡開機構へのパーキングブレーキケーブルの装着工程中の、拡開機構にパーキングブレーキケーブルの掛止部材を差し込んだ工程の説明に使用した図である。
【図8】前記拡開機構へのパーキングブレーキケーブルの装着工程中の、掛止部材の回転操作工程の説明に使用した図である。
【図9】前記第2レバー部材の連結部にキャップを取り付けたことによる効果の説明に使用した図である。
【図10】前記第1レバー部材のケーブル掛止部に形成した溝の形状を示す正面図で、(A)は湾曲部を有する溝の形状を示す正面図であり、(B)は底部に突起を有する溝の形状を示す正面図である。
【図11】前記パーキングブレーキケーブルの掛止部材の形状を示す斜視図で、(A)は本体部が四角柱形状であり、突出部が四角柱形状である掛止部材の形状を示す斜視図であり、(B)は全体が平板形状の掛止部材を示す斜視図であり、(C)は全体が楕円柱形状の掛止部材を示す斜視図である。
【図12】前記キャップの形状を示す斜視図であり、(A)は首下部を円柱形状のみの構成としたキャップの形状を示す斜視図であり、(B)は首下部の先端に突起部を設けた構成としたキャップの形状を示す斜視図であり、(C)はそのような突起部を円錐形状としたキャップの形状を示す斜視図である。
【図13】特許文献1(特開2000−219122号公報)に記載されているケーブル直角引きパーキングブレーキの構造を示す図である。
【符号の説明】
11,12 ブレーキシュー
30 拡開機構
50,70 レバー部材
60 ケーブル掛止部
61,62 側壁部
63,64 溝
65 傾斜部
75 連結部
76 取り付け孔
80 キャップ
90 パーキングブレーキケーブル
91 ケーブル
92 掛止部材
92b,92c 突起部
Claims (12)
- ブレーキシュー側部材に所定の状態で差し込み、その所定の状態からケーブルを回転させて引っ張ることで、前記ブレーキシュー側部材に係止する係止部材を、前記ケーブルの差込側の先端部に設けたことを特徴とするパーキングブレーキケーブル。
- 前記係止部材は、前記ケーブルに取り付けられた本体部と、前記本体部から前記ケーブルの径方向に突出し、前記ブレーキシュー側部材に係止する突起部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のパーキングブレーキケーブル。
- 前記請求項1又は2に記載のパーキングブレーキケーブルのケーブル先端に設けた係止部材が所定の状態で差し込まれ、その所定の状態からケーブルを回転して引っ張ることで、前記係止部材と嵌合する形状の被係止部をブレーキシュー側部材に設けたことを特徴とするパーキングブレーキケーブル接続構造。
- 前記係止部材の差込経路が外方に臨んで形成されていることを特徴とする請求項3記載のパーキングブレーキケーブル接続構造。
- 前記被係止部は、前記係止部材の前記ケーブルに取り付けられた本体部から前記ケーブルの径方向に突出した突起部が嵌入される、前記ケーブルの引っ張り方向に延びた有底のスリット部であることを特徴とする請求項3又は4に記載のパーキングブレーキケーブル接続構造。
- 前記突起部が前記スリット部から抜け出すことを防止する抜け止め防止構造を備えたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のパーキングブレーキケーブル接続構造。
- 前記抜け止め防止構造を前記スリット部を湾曲形状にすることで実現したことを特徴とする請求項6記載のパーキングブレーキケーブル接続構造。
- 前記抜け止め防止構造は、前記スリット部の内側に突出した突起であることを特徴とする請求項6記載のパーキングブレーキケーブル接続構造。
- 前記抜け止め防止構造は、前記パーキングブレーキケーブルの差し込み方向への前記係止部材の移動を規制する移動規制手段であることを特徴とする請求項6記載のパーキングブレーキケーブル接続構造。
- 前記スリット部の長さ未満の移動量になるように、前記係止部材の移動を規制していることを特徴とする請求項9記載のパーキングブレーキケーブル接続構造。
- 前記スリット部内に前記突起部を案内する案内構造を備えたことを特徴とする請求項5乃至10のいずれかに記載のパーキングブレーキケーブル接続構造。
- 前記突起部が前記スリット部から抜け出すことを防止する抜け止め防止構造を備えており、
前記抜け止め構造は、前記ケーブルが回転した際の前記係止部材の回転移動を可能にする空間を形成する板部に設けた孔に、嵌合部材を嵌合させて、前記空間に貫通した前記嵌合部材の先端部を前記パーキングブレーキケーブルの所定の部位に接触させて、前記パーキングブレーキケーブルの差し込み方向への前記係止部材の移動を規制することを特徴とする請求項5記載のパーキングブレーキケーブル接続構造。
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JP2003065427A Pending JP2004270882A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | パーキングブレーキケーブル及びパーキングブレーキケーブル接続構造 |
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-
2003
- 2003-03-11 JP JP2003065427A patent/JP2004270882A/ja active Pending
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