JP2004270372A - 融雪瓦屋根構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】瓦本体の上面に積雪した雪を効率的に溶かすことができ、豪雪地においても、雪下ろしという過酷な作業を回避できる融雪瓦屋根構造を提供する。
【解決手段】野地板1上に敷設され、上面に複数枚の瓦を載置する複数の瓦載置部3を有した発泡材からなる瓦下地材2と、この瓦下地材の各瓦載置部の棟側に設けられた瓦掛止部6と、前記瓦下地材の各瓦載置部に設けられた温水管挿通溝8と、この温水管挿通溝に挿通され、一端側が温水供給源と連通する温水供給管、他端側が温水帰還管に連通する温水管13と、前記瓦掛止部に掛止される掛止部を有し、前記瓦下地材の瓦載置部に載置される瓦本体9と、この瓦本体の下面に一体に設けられ、前記温水管に接触もしくは近接する複数の凸部12と、前記瓦下地材の瓦載置部と前記瓦本体の下面との間にできる隙間に充填される熱伝導性の充填材14とを具備したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】野地板1上に敷設され、上面に複数枚の瓦を載置する複数の瓦載置部3を有した発泡材からなる瓦下地材2と、この瓦下地材の各瓦載置部の棟側に設けられた瓦掛止部6と、前記瓦下地材の各瓦載置部に設けられた温水管挿通溝8と、この温水管挿通溝に挿通され、一端側が温水供給源と連通する温水供給管、他端側が温水帰還管に連通する温水管13と、前記瓦掛止部に掛止される掛止部を有し、前記瓦下地材の瓦載置部に載置される瓦本体9と、この瓦本体の下面に一体に設けられ、前記温水管に接触もしくは近接する複数の凸部12と、前記瓦下地材の瓦載置部と前記瓦本体の下面との間にできる隙間に充填される熱伝導性の充填材14とを具備したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に、寒冷地における家屋の屋根に好適する融雪瓦屋根構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
発泡スチロール等の発泡材からなる方形の瓦下地材の表面に複数枚の瓦を載置する瓦載置部を有した瓦下地材は、断熱性に優れていると共に、瓦載置部は瓦の形状に倣った凹部に形成されているため、瓦を安定した状態に載置でき、耐震性及び耐風性に優れていることから普及している。
【0003】
この瓦下地材は、例えば、1157mm×951mmの方形であり、1枚の瓦下地材に例えば12枚の瓦を載置できるようになっている。そして、瓦屋根施工においては、瓦下地材の裏面を屋根の野地面の勾配面に接合し、接着剤または接着剤とビス止め併用によって固定した後、瓦下地材の表面の瓦載置部に瓦を載せ、接着剤または接着剤とビス止め併用によって固定し、瓦の上下部及び左右部を互いに重ね合わせることにより、瓦屋根を葺いている。
【0004】
従って、瓦下地材を用いた瓦屋根構造は、断熱効果に優れているため、夏季において室内の冷房効率が向上し、冬季には暖房効率が向上し、省エネの面で優れている。
【0005】
しかしながら、豪雪地においては、降雪によって瓦屋根上に大量に積雪した場合、積雪重量に家屋が耐えきれない場合もあり、豪雪地においては、屋根の雪下ろしが欠くことができない。
【0006】
そこで、瓦屋根の瓦下地材と瓦本体との間に温水管を配管し、この温水管の一端側をボイラー等の温水供給源に接続し、温水管に温水を流すことにより、瓦屋根に積雪された雪を融雪して軒側に流すようにした融雪瓦屋根構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
実公平3−52390号公報(実用新案登録請求の範囲及び第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1は、温水管の表面と瓦本体の下面との接触面積が少ないために、温水管の表面温度が瓦本体に伝達し難く、瓦本体が十分に加温されない。従って、瓦本体の上面に積雪された雪のうち、瓦本体の上面に接触している雪は熔けても、積雪の上層部まで熔けずにトンネル状態となって上層部は積雪状態で残ってしまうという問題がある。
【0009】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、瓦下地材の上面に配管した温水管の表面温度を瓦本体に効率的に伝達させ、瓦本体の上面に積雪した雪を効率的に溶かすことができる融雪瓦屋根構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述した目的を達成するために、請求項1は、に敷設され、上面に複数枚の瓦を載置する複数の瓦載置部を有した発泡材からなる瓦下地材と、この瓦下地材の各瓦載置部の棟側に設けられた瓦掛止部と、前記瓦下地材の各瓦載置部に設けられた温水管挿通溝と、この温水管挿通溝に挿通され、一端側が温水供給源と連通する温水供給管、他端側が温水帰還管に連通する温水管と、前記瓦掛止部に掛止される掛止部を有し、前記瓦下地材の瓦載置部に載置される瓦本体と、この瓦本体の下面に一体に設けられ、前記温水管に接触もしくは近接する複数の凸部と、前記瓦下地材の瓦載置部と前記瓦本体の下面との間にできる隙間に充填される熱伝導性の充填材とを具備したことを特徴とする融雪瓦屋根構造にある。
【0011】
請求項2は、請求項1の前記充填材は、瓦本体を瓦下地材に接着固定する接着剤を兼ねていることを特徴とする。
【0012】
前記構成によれば、瓦下地材の瓦載置部に載置される瓦本体の下面に一体に設けられた凸部が温水管に接触もしくは近接しており、さらに、瓦下地材の瓦載置部と瓦本体の下面との間にできる隙間に熱伝導性の充填材が充填されているため、温水管の表面温度を充填材を介して瓦本体に伝達させることができる。従って、瓦本体の上面に積雪した雪を効率的に溶かすことができる。
【0013】
さらに、前記充填材を、瓦本体を瓦下地材に接着固定する接着剤と兼ねることにより、瓦本体を瓦下地材に強固に固定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図4は第1の実施形態を示し、図1は瓦屋根の縦断側面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は瓦本体の裏面側を示す斜視図、図4は図1のB部を拡大した縦断側面図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、家屋の屋根の野地板1の上面には下地材2が敷設されている。この瓦下地材2は、断熱性及び防水性を有する発泡スチロールなどの樹脂発泡材からなり、例えば、1157mm×951mmの方形である。瓦下地材2の上面には横方向に3枚、縦方向に4枚で、1枚の瓦下地材2に12枚の瓦を載置できるように円弧状凹面からなる瓦載置部3が設けられている。瓦下地材2の下面4は野地板1に接着剤5によって固定されている。
【0017】
瓦下地材2の各瓦載置部3の上縁部(棟側)には横方向に延長する凹溝からなる瓦掛止部6が設けられ、縦方向(棟軒方向)には瓦下地材2に侵入した雨水を排水するための排水溝7が設けられている。さらに、瓦下地材2の上面における各瓦載置部3には横方向に複数本、本実施形態においては2本の温水管挿通溝8が設けられている。この温水管挿通溝8は後述する温水管の外径より若干幅広で、排水溝7と略同一深さに形成されている。
【0018】
図3は和瓦の瓦本体9を示し、瓦本体9の下面は円弧状凸面10に形成され、その上縁部には複数個の瓦掛止突起11が一体に突設されている。さらに、円弧状凸面10には複数個、本実施形態においては4個の平面視で矩形状の凸部12が一体に設けられている。これら凸部12は円弧状凸面10に対して下面が平坦面になるように側面視で略台形状に形成されている。そして、瓦本体9の上下方向(棟軒方向)の凸部12の間隔は瓦載置部3に形成された温水管挿通溝8の上下方向の間隔と一致している。
【0019】
さらに、瓦下地材2の瓦載置部3に形成された温水管挿通溝8には温水管13が挿通されている。この温水管13は合成樹脂または軽金属からなり、一端側は温水ボイラー等の温水供給源に連通する温水供給管(図示しない)に連通し、他端側は温水帰還管(図示しない)に連通している。そして、温水供給源から供給された温水が温水管13の内部を循環するようになっている。なお、温水管13の内部を循環する流体は地熱利用あるいは廃熱利用でもよい。
【0020】
前述のように構成された瓦下地材2の各瓦載置部3には瓦本体9の瓦掛止突起11が瓦掛止部6に掛止された状態で載置されている。瓦載置部3は上面が円弧状凹面に形成され、瓦本体9の下面は円弧状凸面10に形成され、凹面と凸面の嵌合によって瓦本体9が安定した状態に載置されている。また、瓦本体9の凸部12は瓦載置部3に形成された温水管挿通溝8内の温水管13の表面に接触または近接している。
【0021】
さらに、各瓦載置部3の上面及び温水管13が挿通された温水管挿通溝8と瓦本体9の下面との間の隙間には熱伝導性の充填材14が充填されている。この充填材14は、例えば、アクリル系接着材にアルミニウム、銅、鉄等の金属粉、砂あるいは廃棄物等を混入したものであって、流動性を有し、隙間の隅々まで侵入して隙間を埋めることができ、しかも、常温で硬化することから瓦本体9を瓦下地材2に固定する接着剤を兼ねている。
【0022】
従って、温水ボイラー等の温水供給源からポンプ等によって温水管13に温水を循環すると、温水によって温水管13が加温され、この温水管13と接触している瓦本体9の凸部12及び充填材14を介して熱伝導して瓦本体9の上面が加温される。
【0023】
瓦本体9の上面が加温されると、降雪時には瓦本体9の上面に積雪し難く、また、積雪後に温水管13に温水を流通して瓦本体9を加温すると、瓦本体9の上面に積雪した雪を効率的に溶かすことができる。また、各瓦載置部3の上面と瓦本体9の下面との間の隙間が熱伝導性の充填材14によって充填されているため、瓦本体9の略全体を均一に加温することができる。従って、瓦本体9の上面に積雪された雪のうち、瓦本体9の上面に接触している雪は熔けても、積雪の上層部まで熔けずにトンネル状態となって上層部は積雪状態で残ってしまうという問題を回避できる。
【0024】
ここで、発明者の実験例について説明すると、温水ボイラーから供給される温水の温度が80℃であるとすると、温水管13に接触もしくは近接している瓦本体9の表面温度は5〜10℃となる。従って、瓦本体9の上面に大量の積雪があって、これが凍結してもその下層から徐々に融雪し、融雪水は屋根樋を通じて流下される。従って、豪雪地においても、雪下ろしという過酷な作業を回避できる。
【0025】
なお、前記実施形態においては、和瓦について説明したが、S瓦、スパニッシュ瓦、スレート瓦等あらゆる瓦に適用できる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、瓦下地材の瓦載置部に載置される瓦本体の下面に一体に設けられた凸部が温水管に接触もしくは近接しており、さらに、瓦下地材の瓦載置部と瓦本体の下面との間にできる隙間に熱伝導性の充填材が充填されているため、温水管の表面温度を充填材を介して瓦本体に伝達させることができる。従って、瓦本体の上面に積雪した雪を効率的に溶かすことができる。豪雪地においても、雪下ろしという過酷な作業を回避できる。
【0027】
さらに、前記充填材を、瓦本体を瓦下地材に接着固定する接着剤と兼ねることにより、瓦本体を瓦下地材に強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す瓦屋根の縦断側面図。
【図2】同実施形態を示し、図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】同実施形態を示し、瓦本体の裏面側を示す斜視図。
【図4】同実施形態を示し、図1のB部を拡大した縦断側面図。
【符号の説明】
1…野地板、2…瓦下地材、3…瓦載置部、6…瓦掛止部、8…温水管挿通溝、9…瓦本体、12…凸部、13…温水管、14…充填材
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に、寒冷地における家屋の屋根に好適する融雪瓦屋根構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
発泡スチロール等の発泡材からなる方形の瓦下地材の表面に複数枚の瓦を載置する瓦載置部を有した瓦下地材は、断熱性に優れていると共に、瓦載置部は瓦の形状に倣った凹部に形成されているため、瓦を安定した状態に載置でき、耐震性及び耐風性に優れていることから普及している。
【0003】
この瓦下地材は、例えば、1157mm×951mmの方形であり、1枚の瓦下地材に例えば12枚の瓦を載置できるようになっている。そして、瓦屋根施工においては、瓦下地材の裏面を屋根の野地面の勾配面に接合し、接着剤または接着剤とビス止め併用によって固定した後、瓦下地材の表面の瓦載置部に瓦を載せ、接着剤または接着剤とビス止め併用によって固定し、瓦の上下部及び左右部を互いに重ね合わせることにより、瓦屋根を葺いている。
【0004】
従って、瓦下地材を用いた瓦屋根構造は、断熱効果に優れているため、夏季において室内の冷房効率が向上し、冬季には暖房効率が向上し、省エネの面で優れている。
【0005】
しかしながら、豪雪地においては、降雪によって瓦屋根上に大量に積雪した場合、積雪重量に家屋が耐えきれない場合もあり、豪雪地においては、屋根の雪下ろしが欠くことができない。
【0006】
そこで、瓦屋根の瓦下地材と瓦本体との間に温水管を配管し、この温水管の一端側をボイラー等の温水供給源に接続し、温水管に温水を流すことにより、瓦屋根に積雪された雪を融雪して軒側に流すようにした融雪瓦屋根構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
実公平3−52390号公報(実用新案登録請求の範囲及び第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1は、温水管の表面と瓦本体の下面との接触面積が少ないために、温水管の表面温度が瓦本体に伝達し難く、瓦本体が十分に加温されない。従って、瓦本体の上面に積雪された雪のうち、瓦本体の上面に接触している雪は熔けても、積雪の上層部まで熔けずにトンネル状態となって上層部は積雪状態で残ってしまうという問題がある。
【0009】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、瓦下地材の上面に配管した温水管の表面温度を瓦本体に効率的に伝達させ、瓦本体の上面に積雪した雪を効率的に溶かすことができる融雪瓦屋根構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述した目的を達成するために、請求項1は、に敷設され、上面に複数枚の瓦を載置する複数の瓦載置部を有した発泡材からなる瓦下地材と、この瓦下地材の各瓦載置部の棟側に設けられた瓦掛止部と、前記瓦下地材の各瓦載置部に設けられた温水管挿通溝と、この温水管挿通溝に挿通され、一端側が温水供給源と連通する温水供給管、他端側が温水帰還管に連通する温水管と、前記瓦掛止部に掛止される掛止部を有し、前記瓦下地材の瓦載置部に載置される瓦本体と、この瓦本体の下面に一体に設けられ、前記温水管に接触もしくは近接する複数の凸部と、前記瓦下地材の瓦載置部と前記瓦本体の下面との間にできる隙間に充填される熱伝導性の充填材とを具備したことを特徴とする融雪瓦屋根構造にある。
【0011】
請求項2は、請求項1の前記充填材は、瓦本体を瓦下地材に接着固定する接着剤を兼ねていることを特徴とする。
【0012】
前記構成によれば、瓦下地材の瓦載置部に載置される瓦本体の下面に一体に設けられた凸部が温水管に接触もしくは近接しており、さらに、瓦下地材の瓦載置部と瓦本体の下面との間にできる隙間に熱伝導性の充填材が充填されているため、温水管の表面温度を充填材を介して瓦本体に伝達させることができる。従って、瓦本体の上面に積雪した雪を効率的に溶かすことができる。
【0013】
さらに、前記充填材を、瓦本体を瓦下地材に接着固定する接着剤と兼ねることにより、瓦本体を瓦下地材に強固に固定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図4は第1の実施形態を示し、図1は瓦屋根の縦断側面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は瓦本体の裏面側を示す斜視図、図4は図1のB部を拡大した縦断側面図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、家屋の屋根の野地板1の上面には下地材2が敷設されている。この瓦下地材2は、断熱性及び防水性を有する発泡スチロールなどの樹脂発泡材からなり、例えば、1157mm×951mmの方形である。瓦下地材2の上面には横方向に3枚、縦方向に4枚で、1枚の瓦下地材2に12枚の瓦を載置できるように円弧状凹面からなる瓦載置部3が設けられている。瓦下地材2の下面4は野地板1に接着剤5によって固定されている。
【0017】
瓦下地材2の各瓦載置部3の上縁部(棟側)には横方向に延長する凹溝からなる瓦掛止部6が設けられ、縦方向(棟軒方向)には瓦下地材2に侵入した雨水を排水するための排水溝7が設けられている。さらに、瓦下地材2の上面における各瓦載置部3には横方向に複数本、本実施形態においては2本の温水管挿通溝8が設けられている。この温水管挿通溝8は後述する温水管の外径より若干幅広で、排水溝7と略同一深さに形成されている。
【0018】
図3は和瓦の瓦本体9を示し、瓦本体9の下面は円弧状凸面10に形成され、その上縁部には複数個の瓦掛止突起11が一体に突設されている。さらに、円弧状凸面10には複数個、本実施形態においては4個の平面視で矩形状の凸部12が一体に設けられている。これら凸部12は円弧状凸面10に対して下面が平坦面になるように側面視で略台形状に形成されている。そして、瓦本体9の上下方向(棟軒方向)の凸部12の間隔は瓦載置部3に形成された温水管挿通溝8の上下方向の間隔と一致している。
【0019】
さらに、瓦下地材2の瓦載置部3に形成された温水管挿通溝8には温水管13が挿通されている。この温水管13は合成樹脂または軽金属からなり、一端側は温水ボイラー等の温水供給源に連通する温水供給管(図示しない)に連通し、他端側は温水帰還管(図示しない)に連通している。そして、温水供給源から供給された温水が温水管13の内部を循環するようになっている。なお、温水管13の内部を循環する流体は地熱利用あるいは廃熱利用でもよい。
【0020】
前述のように構成された瓦下地材2の各瓦載置部3には瓦本体9の瓦掛止突起11が瓦掛止部6に掛止された状態で載置されている。瓦載置部3は上面が円弧状凹面に形成され、瓦本体9の下面は円弧状凸面10に形成され、凹面と凸面の嵌合によって瓦本体9が安定した状態に載置されている。また、瓦本体9の凸部12は瓦載置部3に形成された温水管挿通溝8内の温水管13の表面に接触または近接している。
【0021】
さらに、各瓦載置部3の上面及び温水管13が挿通された温水管挿通溝8と瓦本体9の下面との間の隙間には熱伝導性の充填材14が充填されている。この充填材14は、例えば、アクリル系接着材にアルミニウム、銅、鉄等の金属粉、砂あるいは廃棄物等を混入したものであって、流動性を有し、隙間の隅々まで侵入して隙間を埋めることができ、しかも、常温で硬化することから瓦本体9を瓦下地材2に固定する接着剤を兼ねている。
【0022】
従って、温水ボイラー等の温水供給源からポンプ等によって温水管13に温水を循環すると、温水によって温水管13が加温され、この温水管13と接触している瓦本体9の凸部12及び充填材14を介して熱伝導して瓦本体9の上面が加温される。
【0023】
瓦本体9の上面が加温されると、降雪時には瓦本体9の上面に積雪し難く、また、積雪後に温水管13に温水を流通して瓦本体9を加温すると、瓦本体9の上面に積雪した雪を効率的に溶かすことができる。また、各瓦載置部3の上面と瓦本体9の下面との間の隙間が熱伝導性の充填材14によって充填されているため、瓦本体9の略全体を均一に加温することができる。従って、瓦本体9の上面に積雪された雪のうち、瓦本体9の上面に接触している雪は熔けても、積雪の上層部まで熔けずにトンネル状態となって上層部は積雪状態で残ってしまうという問題を回避できる。
【0024】
ここで、発明者の実験例について説明すると、温水ボイラーから供給される温水の温度が80℃であるとすると、温水管13に接触もしくは近接している瓦本体9の表面温度は5〜10℃となる。従って、瓦本体9の上面に大量の積雪があって、これが凍結してもその下層から徐々に融雪し、融雪水は屋根樋を通じて流下される。従って、豪雪地においても、雪下ろしという過酷な作業を回避できる。
【0025】
なお、前記実施形態においては、和瓦について説明したが、S瓦、スパニッシュ瓦、スレート瓦等あらゆる瓦に適用できる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、瓦下地材の瓦載置部に載置される瓦本体の下面に一体に設けられた凸部が温水管に接触もしくは近接しており、さらに、瓦下地材の瓦載置部と瓦本体の下面との間にできる隙間に熱伝導性の充填材が充填されているため、温水管の表面温度を充填材を介して瓦本体に伝達させることができる。従って、瓦本体の上面に積雪した雪を効率的に溶かすことができる。豪雪地においても、雪下ろしという過酷な作業を回避できる。
【0027】
さらに、前記充填材を、瓦本体を瓦下地材に接着固定する接着剤と兼ねることにより、瓦本体を瓦下地材に強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す瓦屋根の縦断側面図。
【図2】同実施形態を示し、図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】同実施形態を示し、瓦本体の裏面側を示す斜視図。
【図4】同実施形態を示し、図1のB部を拡大した縦断側面図。
【符号の説明】
1…野地板、2…瓦下地材、3…瓦載置部、6…瓦掛止部、8…温水管挿通溝、9…瓦本体、12…凸部、13…温水管、14…充填材
Claims (2)
- 野地板上に敷設され、上面に複数枚の瓦を載置する複数の瓦載置部を有した発泡材からなる瓦下地材と、
この瓦下地材の各瓦載置部の棟側に設けられた瓦掛止部と、
前記瓦下地材の各瓦載置部に設けられた温水管挿通溝と、
この温水管挿通溝に挿通され、一端側が温水供給源と連通する温水供給管、他端側が温水帰還管に連通する温水管と、
前記瓦掛止部に掛止される掛止部を有し、前記瓦下地材の瓦載置部に載置される瓦本体と、
この瓦本体の下面に一体に設けられ、前記温水管に接触もしくは近接する複数の凸部と、
前記瓦下地材の瓦載置部と前記瓦本体の下面との間にできる隙間に充填される熱伝導性の充填材と、
を具備したことを特徴とする融雪瓦屋根構造。 - 前記充填材は、瓦本体を瓦下地材に接着固定する接着剤を兼ねていることを特徴とする融雪瓦屋根構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003064971A JP2004270372A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | 融雪瓦屋根構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003064971A JP2004270372A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | 融雪瓦屋根構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004270372A true JP2004270372A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33126122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003064971A Pending JP2004270372A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | 融雪瓦屋根構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004270372A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110107106A (zh) * | 2019-04-17 | 2019-08-09 | 上海市房地产科学研究院(上海市住宅修缮工程质量检测中心) | 一种历史建筑小青瓦屋面施工工艺 |
-
2003
- 2003-03-11 JP JP2003064971A patent/JP2004270372A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110107106A (zh) * | 2019-04-17 | 2019-08-09 | 上海市房地产科学研究院(上海市住宅修缮工程质量检测中心) | 一种历史建筑小青瓦屋面施工工艺 |
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