JP2004270354A - 岩盤削孔用ガイドロッド及び岩盤削孔装置 - Google Patents

岩盤削孔用ガイドロッド及び岩盤削孔装置 Download PDF

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Susumu Hirano
享 平野
Masayuki Yamashita
雅之 山下
Satoru Kimura
哲 木村
Junichi Tsukada
純一 塚田
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Nishimatsu Construction Co Ltd
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Abstract

【課題】岩盤に削孔した先行孔の孔壁が多少荒れていても、ガイドロッドを容易に挿入可能とする。
【解決手段】岩盤を削孔するビット3が先端に設けられた削孔ロッド4と平行に備えられ、岩盤に削孔した先行孔h1に挿入するガイドロッド7の先端に、ロッド径より外径が大きく、ロッド軸線方向に沿った外周溝9aが複数形成された大径部9を設ける。従って、先行孔h1にガイドロッド7を挿入する過程において、ロッド先端の大径部9の外周溝9aにより孔壁とのクリアランスが取れるので、少々の孔荒れでもガイドロッド7を容易に挿入できる。そして、大径部9の外周溝9aの存在によって、孔底にガイドロッド7の先端を固定できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、岩盤に連続孔を削孔する際に用いられるガイドロッドと、そのガイドロッドを備える岩盤削孔装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
岩盤掘削において、発破に代わる割岩工法が採用される。割岩工法は、割岩ツールを装着した自走式機械を用いて岩盤を破砕して掘削する。その場合、岩盤に連続孔を削孔しておく必要がある。
連続孔の削孔は、岩盤に削孔した先行孔にガイド部材を挿入し、このガイド部材を基準にしてビットにより連続孔を順次削孔していく。
次に連続孔削孔に関する従来技術を説明する。
【0003】
まず、特許文献1により、先行孔に挿入するガイドチューブを先端に備えるガイドロッドと、ビットを先端に備える削孔ロッド(ドリルロッド)とをロッドブラケットで連結した岩盤削孔装置(プレスリットジャンボー)が公知となっている。削孔ロッドはロッドブラケットに対し回転ながら前進するが、ロッドブラケットが固定されるガイドロッドは削孔時にガイドセルに対し固定状態に保持される。
特許文献1に開示の技術によれば、ロッドブラケットを使用することにより孔曲がりを抑制でき、連続孔を確実に形成できる。
【0004】
また、特許文献2により、ビットの横に並んだ状態にガイドロッドを取り付けた削孔ロッドが公知となっている。削孔ロッドはガイドロッドと一体のブラケットに対し回転し、ガイドロッドは削孔ロッドと一緒に前進する。
特許文献2に開示の技術によっても、ロッドブラケットを使用することにより孔曲がりを抑制でき、連続孔を確実に形成できる。
【0005】
さらに、特許文献3により、ガイドセル(架台)に備えたブラケットにガイドロッドを固定した岩盤削孔装置が公知となっている。
特許文献3に開示の技術によれば、ガイドロッドが削孔ビットとの接触により回転することで、ガイドロッド及びビットの損傷を防ぎつつ、一定間隔の連続孔を削孔できる。また、ガイドセルのブラケットに対し容易にガイドロッドを着脱できる。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−3104号公報(第2図)
【特許文献2】
特開昭62−248795号公報(第6図)
【特許文献3】
特開平8−291688号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上の従来技術では次のような問題がある。
まず、特許文献1から特許文献3に開示の技術のいずれによっても、ガイドロッドを先行孔の孔底まで挿入する必要があり、先行孔の孔壁が荒れた場合、ガイドロッドがうまく挿入できない確率が高くなる。
【0008】
また、特許文献1及び特許文献2に開示の技術のいずれによっても、ガイドロッドに固定または一体のブラケットに対し削孔ロッドを回転自在に組み込んだ構造により、これが削孔ロッドの回転に負荷となり、削孔効率が低下する。
特許文献2に開示の技術では、削孔ロッドと一緒にガイドロッドが前進するので、先行孔の方向にガイドセルを正確に合わせる必要がある。
特許文献3に開示の技術では、先行孔の孔壁が荒れてガイドロッドが回転できなくなると、ビットとの接触でガイドロッドが損傷する。
【0009】
本発明の課題は、岩盤に削孔した先行孔の孔壁が多少荒れていても、ガイドロッドを容易に挿入可能とすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば、図1及び図2に示すように、
岩盤削孔装置に備えられ、岩盤に削孔した先行孔h1に挿入するガイドロッド7であって、
ロッド先端に、ロッド径より外径が大きく、ロッド軸線方向に沿った外周溝9aが複数形成された大径部9を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、岩盤に削孔した先行孔にガイドロッドを挿入する過程において、ロッド先端の大径部の外周溝により孔壁とのクリアランスが取れるので、少々の孔荒れでもガイドロッドを容易に挿入できる。
そして、大径部外周溝の存在により孔底にガイドロッド先端を固定できる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の岩盤削孔用ガイドロッド7であって、例えば、図1及び図2に示すように、
前記外周溝9aは前記大径部9の円周方向において等間隔に多数形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、先端大径部に外周溝が円周方向等間隔に多数形成されているので、孔壁の何処に少々の孔荒れがあってもガイドロッドを容易に挿入できる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、岩盤削孔装置であって、例えば、図1に示すように、
岩盤を削孔するビット3が先端に設けられた削孔ロッド4と、
請求項1または請求項2に記載のガイドロッド7とをほぼ平行に備えることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、岩盤に削孔した先行孔にガイドロッドを挿入する過程において、ロッド先端の大径部の外周溝により孔壁とのクリアランスが取れるので、少々の孔荒れでもガイドロッドを容易に挿入できるとともに、先行孔を基準に削孔ロッドのビットにより連続孔を削孔できる。
そして、大径部外周溝の存在により孔底にガイドロッド先端を固定できるので、孔間隔を一定に保ったまま連続孔を削孔できる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の岩盤削孔装置であって、例えば、図1に示すように、
装置本体に、前記ガイドロッド7を固定状態に支持するブラケット5を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、装置本体のブラケットに固定状態のガイドロッドを先行孔に挿入してから、削孔ロッドを前進させることで連続孔を削孔できる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の岩盤削孔装置であって、例えば、図1に示すように、
前記削孔ロッド4を回転自在に保持するとともに、前記ガイドロッド7をスライド自在に保持するロッド保持部材8を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、ロッド保持部材によりガイドロッドに対し平行に維持した状態で削孔ロッドを前進させて孔間隔を一定に保ったまま連続孔を削孔できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
実施形態において、岩盤削孔装置は、図1に示すように、ガイドセル1上に削岩機2を前進後退動作可能に備えている。ガイドセル1は図示しない自走式機械に装備されており、削岩機2は図示しない駆動装置によりガイドセル1上を前進後退動作する。
【0021】
削岩機2は、先端にビット3が固定して設けられた削孔ロッド4を装着したもので、この削孔ロッド4を回転駆動する。削孔ロッド4は、ガイドセル1の先端に設けたブラケット5に回転自在に支持されている。なお、ガイドセル1の先端面にはパッド6が設けられている。
【0022】
また、ブラケット5には、削孔ロッド4と平行で前方に突出するガイドロッド7が固定して備えられている。さらに、ガイドロッド5と削孔ロッド4を平行に連結するロッド保持部材8が設けられている。ロッド保持部材8は、削孔ロッド4を回転自在に保持する一方、ガイドロッド5をスライド自在に保持する。
【0023】
そして、ガイドロッド5の先端には、ロッド径より外径が大きな大径部9が固定して備えられている。大径部9は、図2に拡大して示したように、ロッド軸線方向に沿った外周溝9aを円周方向等間隔に多数形成したもので、従って、その間に多数の突条9bが残されている。図示例では、一個所の突条9bを無くしてその両側の外周溝9aを含む切欠部9cが形成されており、この切欠部9cは前記ビット3が隣接する側に位置する。なお、寸法について例えば、ガイドロッド5は直径45mm、大径部9は直径102mmで長さ150mm程度である。
【0024】
次に、岩盤への削孔作業を説明する。
始めに、ガイドロッドを備えない岩盤削孔装置(図示せず)によって、岩盤に所定の先行孔h1(図1参照)を削孔しておく。
そして、図示しない自走式機械の駆動によりガイドセル1を移動して、図1に示すように、ガイドセル1から前方に突出したガイドロッド7を岩盤の先行孔h1に挿入していき、ガイドセル1の先端を岩盤にパッド6を介して突き当てる。
【0025】
このとき、図2に示したように、ガイドロッド7先端の大径部9の多数(図示例では6本)の外周溝9a及び切欠部9cと先行孔h1の孔壁との間にクリアランスが確保されるため、孔壁の何処かに多少の孔荒れがあってもガイドロッド7を容易に挿入できる。
また、ガイドロッド7先端の大径部7は、外周溝9aの存在による多数(図示例では7本)の突条9bによって孔底に固定される。
【0026】
次いで、削岩機2を駆動して削孔ロッド4を回転させると同時に、図示しない駆動装置の駆動で削岩機2を前進させていく。従って、削孔ロッド4先端のビット3により岩盤に連続孔h2が削孔されていく。
このとき、削孔ロッド4はロッド保持部材8によりガイドロッド7と平行に維持されるため、間隔を一定に保ったまま連続孔h2が削孔される。
【0027】
以上の削孔時、ガイドロッド7先端の大径部7を外周溝9aの存在による多数(図示例では7本)の突条9bによって孔底に固定できるため、先行孔h1を基準にして、削孔ロッド4のビット3により孔間隔を一定に保ったまま精度良く連続孔h2を削孔できる。
【0028】
なお、ガイドロッド先端の大径部について、外周溝や突条の形状は実施形態に限られない。
また、その他の部材や具体的構造等についても適宜に変更可能なことは勿論である。
【0029】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ロッド先端の大径部の外周溝により孔壁とのクリアランスが取れることから、少々の孔荒れでもガイドロッドを容易に挿入でき、また、大径部外周溝の存在によって孔底にガイドロッド先端を固定できる。
【0030】
請求項2に記載の発明によれば、先端大径部の外周溝が円周方向等間隔に多数あることから、孔壁の何処に少々の孔荒れがあってもガイドロッドを容易に挿入できる。
【0031】
また、請求項3に記載の発明によれば、先端大径部の外周溝により孔壁とのクリアランスが取れることから、少々の孔荒れでもガイドロッドを容易に挿入できるとともに、先行孔を基準に削孔ロッドのビットにより連続孔を削孔できる。
そして、大径部外周溝の存在により孔底にガイドロッド先端を固定できることから、孔間隔を一定に保ったまま連続孔を削孔できる。
【0032】
請求項4に記載の発明によれば、装置本体のブラケットに固定状態のガイドロッドを先行孔に挿入してから、削孔ロッドを前進させることで連続孔を削孔できる。
【0033】
請求項5に記載の発明によれば、ロッド保持部材によりガイドロッドに対し平行に維持した状態で削孔ロッドを前進させて孔間隔を一定に保ったまま連続孔を削孔できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の構成を示す削孔状態の概略断面図である。
【図2】ガイドロッド大径部の正面図である。
【符号の説明】
1 ガイドセル
2 削岩機
3 ビット
4 削孔ロッド
5 ブラケット
6 パッド
7 ガイドロッド
8 ロッド保持部材
9 大径部
9a 外周溝
9b 突条
9c 切欠部
h1 先行孔
h2 連続孔

Claims (5)

  1. 岩盤削孔装置に備えられ、岩盤に削孔した先行孔に挿入するガイドロッドであって、
    ロッド先端に、ロッド径より外径が大きく、ロッド軸線方向に沿った外周溝が複数形成された大径部を設けたことを特徴とする岩盤削孔用ガイドロッド。
  2. 前記外周溝は前記大径部の円周方向において等間隔に多数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の岩盤削孔用ガイドロッド。
  3. 岩盤を削孔するビットが先端に設けられた削孔ロッドと、
    請求項1または請求項2に記載のガイドロッドとをほぼ平行に備えることを特徴とする岩盤削孔装置。
  4. 装置本体に、前記ガイドロッドを固定状態に支持するブラケットを備えることを特徴とする請求項3に記載の岩盤削孔装置。
  5. 前記削孔ロッドを回転自在に保持するとともに、前記ガイドロッドをスライド自在に保持するロッド保持部材を備えることを特徴とする請求項4に記載の岩盤削孔装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007170034A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Okumura Corp 連続孔削孔機
CN102226375A (zh) * 2011-05-19 2011-10-26 中国矿业大学 易塌孔钻孔成形方法

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