JP2004269563A - 樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭酸ガスを発泡剤に用いた場合にもガス抜けが少なく、安定に発泡できる樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】互いに非相溶な2種類の樹脂と変性処理を施した層状ケイ酸塩からなる樹脂組成物であって、一方の樹脂が構成するマトリックス(海部)中にもう一方の樹脂からなる島部が分散された海島構造を示し、海部と島部の界面に前記の変性処理を施した層状ケイ酸塩が存在することを特徴とする樹脂組成物。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに非相溶な2種類の樹脂と変性処理を施した層状ケイ酸塩からなる樹脂組成物であって、一方の樹脂が構成するマトリックス(海部)中にもう一方の樹脂からなる島部が分散された海島構造を示し、海部と島部の界面に前記の変性処理を施した層状ケイ酸塩が存在することを特徴とする樹脂組成物。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、断熱材、緩衝材などの発泡体に使用される樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン、ポリプロピレンなどに代表されるポリオレフィン樹脂は、包装用資材、自動車材料、家電製品材料、断熱材、緩衝材などの発泡体材料など、様々な用途に用いられている。
これらのポリオレフィン樹脂を発泡体用途として使用する場合、その剛性不足を補うためにポリスチレン樹脂をブレンドする方法が特許文献1特に記載されている。ポリエチレンおよびポリスチレン両者の相溶性を向上させる試みとして、特許文献2には、水添したスチレンーブタジエンブロック共重合体を相溶化剤として用いたブレンド樹脂の発泡体が開示されている。しかし、これらの例では、両者は非相溶性であるために、微細混合が充分ではなく、相互の界面は接着一体化していないために、押し出し発泡の際、破壊が発生しやすく、安定に発泡できないという問題があった。
【0003】
他方、ポリオレフィン系発泡体の製造の際に添加される発泡剤としては、ブタン、ペンタン、ジクロロジフルオロメタンのような低沸点の炭化水素化合物またはハロゲン化炭化水素化合物がこれまで広く使われている。これらは樹脂への溶解性および樹脂による保持性が優れている反面、可燃性であり、また健康や環境面への配慮から他の発泡剤への転換が望まれている。
これに対して、炭酸ガス、窒素ガスなどの不活性ガスは、不燃性であると共に環境を害することが少ないので好ましい発泡剤と言える。しかし、不活性ガスは、樹脂との親和性が良好でないことから、樹脂への溶解性に乏しいと共に成形時にガス抜けが起こるために、得られた発泡体中の気泡径および気泡分散が不均一になりがちであって、品質の一定した発泡体を製造することは難しいと言われている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭60−1338号公報
【特許文献2】
特開昭62−174237号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、炭酸ガスを発泡剤に用いた場合にもガス抜けが少なく、安定に発泡できる樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、互いに非相溶な2種類の樹脂、ブロックコポリマー、および変性処理を施した層状ケイ酸塩(以下、変性層状ケイ酸塩、という)、必要により樹脂オリゴマーを溶融混練することによって、前記2種類の樹脂からなる海島構造の界面に、変性層状ケイ酸塩が介在した樹脂組成物を製造することができることを見出した。
そして、この樹脂組成物は、炭酸ガスのガス透過係数(PCO2)と空気のガス透過係数(Pair)が非常に小さく、炭酸ガスを発泡剤に用いた場合にも、安定して発泡成型体を得られることを見出した。さらに、上記の島部の平均円相当径(D)(単位:μm)が0.70以下の場合には、その効果がさらに著しく高くなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、発明は以下に示すとおりである。
(1) 互いに非相溶な2種類の樹脂と変性処理を施した層状ケイ酸塩(以下、変性層状ケイ酸塩、と略す)とからなる樹脂組成物であって、一方の樹脂が構成するマトリックス(海部)中にもう一方の樹脂からなる島部が分散された海島構造を示し、海部と島部の界面に前記の変性層状ケイ酸塩が存在することを特徴とする樹脂組成物。
(2) 樹脂オリゴマーを、さらに含有することを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物。
(3) ブロックコポリマーを、さらに含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 下記式より求められる、島部の平均円相当径(D)(単位:μm)が0.70以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
D=(4S/π)1/2
(式中、Sは、島部ドメインの面積、πは、円周率である。)
(5) 互いに非相溶な2種類の樹脂が、ポリスチレンとポリエチレンであり、樹脂オリゴマーが、末端に極性基を有するオレフィン系オリゴマーであることを特徴とする(2)〜(4)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(6) 層状ケイ酸塩が、下記式で表される合成フッ素化雲母であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
Na(またはK)Mg2.5Si4O10(FαOH1−α)2
(0.8≦α≦1.0)
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物中における海島構造について説明する。海島構造は、図1の模式図に示すように、海部を構成するマトリックス樹脂中に、他方の樹脂からなる微小な島部が分散したものである。
海部を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフルオロカーボン、ポリパーフロロカーボン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートと言った芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンなどの樹脂を挙げることができる。
【0009】
本発明において、海部を構成する樹脂の好ましい例であるポリオレフィン樹脂について詳細に説明する。本発明で用いられるポリオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1などのαオレフィンの単独重合体、2種以上の前記の単量体からなるランダムまたはブロック共重合体である。このような重合体の例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリイソブテン、エチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。また、アペル(登録商標)(三井化学社製)、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン社製)などに代表される環状ポリオレフィンも好ましく用いられる。
【0010】
ポリエチレン樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレンにα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度または中密度ポリエチレン(MDPE)、エチレン−α−オレフィン共重合プラストマーまたはエラストマー、高密度ポリエチレン(HDPE)などが挙げられる。
本発明における、他の好ましい例であるポリスチレン樹脂としては、スチレンの単独重合体、スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物と、これと共重合可能な化合物、例えば、αメチルスチレン、無水マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸やメタクリル酸エステルなどとの共重合体などが挙げられる。
【0011】
一方、海島構造の島部を構成する材料は、海部を構成する樹脂と同じく熱可塑性樹脂であることが好ましいが、互いに非相溶な2種類の樹脂が海島構造を形成するには、2種の樹脂の溶解度パラメーターの差が適切な範囲内にあるものを選択する。溶解度パラメーターの差が小さすぎると、両樹脂が分子レベルで完全に溶け合ってしまうために海島構造とはならない。
このような組み合わせとなる2種類の樹脂の例としては、ポリスチレンとポリオレフィン、ポリスチレンとPMMA、ポリスチレンと各種ゴム、ナイロン系樹脂とポリオレフィンなどが挙げられるが、これに限定されるものではなく、一般に非相溶であるとされる2種類の樹脂のあらゆる組み合わせを用いることができる。押し出し発泡用のポリオレフィン樹脂としては、マトリックス樹脂(海部)としてポリエチレン樹脂を用い、島部の樹脂としてポリスチレンを用いた樹脂組成物が好適に用いられる。
【0012】
本発明における樹脂組成物を製造するには、互いに非相溶な2種類の樹脂にブロックコポリマーを添加することが好ましい。ブロックコポリマーを添加することによって、変性処理を施した層状ケイ酸塩を、図1に示すように、樹脂組成物の海島構造の海部と島部の界面に存在させることが容易になる。
ブロックコポリマーは、いわゆるA―B型に限定されず、A−B−A、B−A−Bなどの構造も好ましく用いられる。このようなブロックコポリマーの例として、水添ブタジエンーポリスチレン系ブロックコポリマーであるタクテック(登録商標)(旭化成社製)などが挙げられる。ブロックコポリマーは、本発明における樹脂組成物中の互いに非相溶な2種類の樹脂がおのおのの末端で結合したものを指す。ブロックコポリマーのそれぞれのブロックが、海島構造を形成している互いに非相溶な2種類の樹脂と全く同じモノマー組成である必要はなく、それぞれの樹脂に相溶するものであればよい。例えば、マトリックス樹脂がポリエチレンで、島部樹脂がポリスチレンの場合、ブロックコポリマーとしては、スチレンーブタジエンブロックコポリマー、スチレンー水添ブタジエンブロックコポリマー、スチレンーイソプレンのブロックコポリマーなどが使用できる。
【0013】
本発明の樹脂組成物中に樹脂オリゴマーが含まれると、後述する変性層状ケイ酸塩が樹脂組成物の海島構造の海部と島部の界面に存在する効果は高くなり、さらに島部の平均円相当径(D/μm)は小さくなるので好ましい。
本発明に用いられる樹脂オリゴマー成分は、重量平均分子量で5000以下の低分子量物である。モノマーユニットとしては、マトリックス樹脂(海部)と同じであることが好ましい。オリゴマーの主鎖または側鎖を化学修飾した変性オリゴマーが好適に用いられる。化学修飾の種類は限定されないが、水酸基、カルボン酸基、カルボン酸誘導体、カルボン酸無水物、ニトロ基、イミド基などの極性基により変性されたものが好ましい。
【0014】
樹脂オリゴマーがポリオレフィン樹脂オリゴマーの場合には、特にカルボン酸変性品が好ましく、中でも無水型ではない水素結合型のカルボン酸変性基の分率が高い変性品がより好ましい。カルボン酸変性基は、オリゴマー分子の末端に存在することが好ましい。両末端が変性基である樹脂オリゴマーも好適に用いられる。構造に分岐がある場合は、末端が3個以上存在する場合がある。この場合、基本的にはどの末端に変性基を含有してもよいが、主鎖の末端に変性基があることが好ましい。複数の末端に変性基を持つもの、および異なる種類の変性基を複数含む樹脂オリゴマーも用いられる。これらの条件を満たす変性樹脂オリゴマーとして、例えば、ハイワックスHW2203A、HW1105A(どちらも三井化学社製)などの変性ポリオレフィン樹脂オリゴマーが挙げられる。
【0015】
本発明の樹脂組成物において、2種の樹脂が構成する海島部分の界面に変性層状ケイ酸塩が存在することが必要である。変性層状ケイ酸塩が海部と島部の界面に介在することによって、炭酸ガスによる発泡の際のガス抜けが少なくなる。海部と島部の界面とは、樹脂組成物のTEM写真において、海部と島部の間に存在する50nm程度以内の領域を指す。本発明において添加した変性層状ケイ酸塩のうちの70%以上が界面に存在することが好ましい。
【0016】
変性層状ケイ酸塩は、層状ケイ酸塩を変性させることによって得られる。層状ケイ酸塩としては、タルク、ピロフィライト、スメクタイト、バーミキュライト、マイカなどの2:1型の粘土鉱物が好ましい。スメクタイトの種類としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、バイデライト、サポナイトなどが挙げられる。これらは天然鉱物を精製したもの、水熱合成、溶融合成または焼成合成によって得られたものなどが用いられる。中でもスメクタイトおよび合成マイカが好ましい。
【0017】
下記式で示す合成フッ素化雲母を層状ケイ酸塩として用いた場合は、得られる樹脂組成物中の変性層状ケイ酸塩の分散性は高くなる。
Na(またはK)Mg2.5Si4O10(FαOH1−α)2
(0.8≦α≦1.0)
したがって、後述する平均円相当径(D)がほぼ同じ値であっても、炭酸ガス発泡に対する安定性の効果は高くなる。
【0018】
本発明において、層状ケイ酸塩の変性法には限定は無く、様々な方法を用いることができる。例えば、層状ケイ酸塩の各層の負電荷と水素結合できる化合物を層間に挿入する方法、層状ケイ酸塩の末端のシラノール基をカップリング剤処理する方法などが挙げられる。層間挿入法のための化合物には限定はなく、変性合物および無機化合物、例えば、長鎖のアルコール、カルボン酸、界面活性剤、シランカップリング剤などが用いられるが、中でも、界面活性剤が好ましい。
【0019】
界面活性剤として、アニオン性、カチオン性、ノニオン性および両性の界面活性剤を用いることができ、好ましくはカチオン性およびノニオン性界面活性剤、より好ましくはカチオン性界面活性剤である。
カチオン性界面活性剤の例としては、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(またはクロライド)、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアミンなどのアミン類などが挙げられる。アミンの場合は適量の酸を添加することによって使用可能となる。
【0020】
非イオン性界面活性剤には限定は無いが、親水部として、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)またはその共重合体、水酸基など、疎水部として、長鎖の飽和または不飽和のアルキル基などを有するものなどが挙げられる。例えば、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテルなどのポリエチレングリコールのエーテル、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコールラウレートなどのポリエチレングリコールのカルボン酸エステルなどが挙げられる。
【0021】
界面活性剤による層状ケイ酸塩の変性法としては、水またはアルコールに膨潤させた層状ケイ酸塩と、エタノール、メタノール、水などの溶剤に溶解した界面活性剤を混合した後、得られる変性層状ケイ酸塩を濾別、洗浄、乾燥する方法が挙げられる。
本発明における変性層状ケイ酸塩の層間距離(h0)は、下記式に基づいて算出される。
【0022】
h0(nm)=d(nm)−0.95
ここで、0.95nmは、層状ケイ酸塩のシート1枚の厚みであり、どの層状ケイ酸塩を用いても値は殆ど変わらない。dは、X線回折測定によって、層状ケイ酸塩の001面の底面反射に相当するピーク位置(2θ)から、下記のBraggの式を用いて算出することができる。
d=0.154/2sinθ (4)
h0は、用いる界面活性剤の疎水部の鎖長によって制御することができる。鎖長が長いほどh0は大きくなる。カチオン性界面活性剤を用いる場合は、アンモニウム塩のヘッドグループ(1級、2級または3級)によってもh0を変化させることができる。同じ界面活性剤を用いる場合でも、イオン交換量(charge exchange capacity:CEC)の異なる層状ケイ酸塩を用いることによって、h0を制御することができる。
【0023】
本発明における樹脂組成物の海島構造の海部と島部の界面に変性層状ケイ酸塩が介在するためには、適正範囲のh0の変性層状ケイ酸塩を用いることが好ましい。具体的には8.9オングストローム以上14.6オングストローム以下であることが好ましい。h0が8.9オングストローム未満または14.6オングストロームを越えると、変性層状ケイ酸塩が樹脂組成物中で凝集するために、海島構造の海部と島部の界面に介在することができなくなる場合がある。
【0024】
変性層状ケイ酸塩が海島構造の界面に介在するか否かは、四酸化ルテニウムなどの染色剤で染色した樹脂組成物のTEM写真から判定することができる。具体例を示しながら説明する。
図2に、実施例1の樹脂組成物の海島構造を表すTEM写真を示す。四酸化ルテニウムで選択的に染色されて濃く見える島部がポリスチレン相であり、白っぽく見えるのがマトリックス層(海部)であるポリエチレンである。ポリスチレン相とポリエチレン相の界面に黒く見える変性層状ケイ酸塩が存在していることがわかる。一方、図3に、比較例3の樹脂組成物のTEM写真を示す。この場合、変性層状ケイ酸塩は海島構造の界面には存在せず、島部の内部に存在している。
【0025】
次に、本発明における平均円相当径(D)(単位:μm)の算出法について説明する。Dは下記式から算出する。
D=(4S/π)1/2
ここで、Sは、樹脂組成物の透過型電子顕微鏡写真をスキャナで取り込んでデジタル化し、高速画像処理装置IP−1000(旭化成製)により画像解析を行い、海部と島部を2値化した後の島部ドメインの面積である。πは、円周率である。
【0026】
以下にこれを図を用いて具体的に説明する。図4は、実施例2の樹脂組成物のTEM写真、図5は、その画像処理像である。海部であるポリエチレン中で島部であるポリスチレン相が小さく分散している様子が観察される。この場合のDは0.7である。一方、図6は、比較例3の樹脂組成物のTEM写真、図7は、その画像処理像である。図4および5に比べて島部であるポリスチレン相が大きい。この場合のDの値は1.04である。
【0027】
本発明におけるDは0.8μm以下であることが好ましく、0.70μm以下である場合には、炭酸ガスを発泡剤として用いた場合の押し出し発泡の安定性が著しく高くなる。Dを0.70μm以下にするためには、全体の樹脂組成物中の樹脂オリゴマーおよび変性層状ケイ酸塩の量を適正に制御する必要がある。
本発明の樹脂組成物を製造する場合の、樹脂組成物中の成分の組成比について説明する。まず基本となる組成である、互いに非相溶な2種類の樹脂(ここでは、樹脂Aおよび樹脂Bとする)とブロックコポリマーの3成分の組成比を適正にすることが好ましい。具体的には、樹脂A/樹脂B/ブロックコポリマー(以下、この系を、基本樹脂、という)を、質量比で50〜70/20〜40/1〜4に設定することが好ましい。
【0028】
例えば、ポリオレフィン樹脂発泡体用途として用いるためには、マトリックス樹脂Aをポリオレフィンとして、ポリスチレンを島部に相当する樹脂とし、スチレンー水添ブタジエン(一般名:SEBS)をブロックコポリマーとして用いることが好ましく、この場合の組成比は上記のように、特にポリエチレン/ポリスチレン/SEBS=50〜70/20〜40/1〜4に設定することが好ましい。
【0029】
この3成分からなる基本樹脂に対して、変性層状ケイ酸塩、および必要に応じて用いる樹脂オリゴマーの割合を適正に配合することが好ましい。適正な組成比としては、質量比で基本樹脂/樹脂オリゴマー/変性層状ケイ酸塩=80〜99.9/0.1〜15/0.01〜18が好ましく、より好ましくは80〜90/1〜12/1〜10であり、最も好ましくは80〜84/6〜12/3〜4である。この場合には本発明におけるDが0.70μm以下になる。
【0030】
本発明の樹脂組成物は、従来のブレンド樹脂に比べて海島構造の島部の平均円相当径(D)が著しく小さいため、炭酸ガス発泡用樹脂以外にも、高い耐衝撃性が必要とされる樹脂分野にも適用することができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法には限定はなく、通常の当該分野で用いられる方法が使用できる。好ましくは2軸の押し出し機を用いて溶融混練する。
本発明の樹脂組成物には、当該分野において通常用いられる酸化防止剤、滑剤、着色剤、難燃剤などの添加剤を添加することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(1)変性層状ケイ酸塩の分布状態の観察
樹脂組成物からULTRACUT N (Reichert社製)およびクライオユニットFC4E(Reichert社製)を用いて、厚さ約60nmの超薄切片を作製する。次に、超薄切片を四酸化ルテニウム蒸気に曝露することによってポリスチレン相を選択的に染色した後、透過型電子顕微鏡H−7100(日立製作所製)を用いて、加速電圧120kVで観察を行う。電子顕微鏡観察により、相分離構造および層状ケイ酸塩の分散状態を確認する。
【0032】
(2)ガス透過係数測定
本発明の樹脂組成物の炭酸ガスによる発泡適性の指標として、炭酸ガスのガス透過係数(PCO2)と空気のガス透過係数(PAir)の比(PCO2/PAir)を用いる。PCO2/PAirが小さい程、発泡時のガス抜けが少なく、発泡適性が高い。ガス透過係数測定はガス透過測定装置(東洋精機社製)を用い30℃で測定する。
【0033】
【実施例1】
カチオン性界面活性剤ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド (Aldrich社製)4.7gをエタノール100gに溶解した(A液とする)。層状ケイ酸塩として合成フッ素化マイカ(CEC=120meq/100g、コープケミカル社製)10gを脱イオン水500gにホモミキサーを用いて分散させた(B液とする)。A液とB液を50℃で24時間混合した。得られた沈殿を濾別し、エタノールで数回洗浄後、100℃で5時間真空乾燥して変性層状ケイ酸塩を得た。
【0034】
得られた変性層状ケイ酸塩4.0g、ポリスチレン(分子量210000:A&Mスチレン社製GPS680)30.0g、高密度ポリエチレン(分子量210000:旭化成社製B880)50.0g、スチレンー水添ブタジエンブロックコポリマー(分子量:旭化成社製タフテックH1051、以後SEBSと略す)4g、および樹脂オリゴマーとして変性ポリオレフィンオリゴマー(HW2203A:三井化学社製)をラボプラストミル(東洋精機社製)で混合した。
【0035】
混合条件は以下の通りである。回転速度:50rpm、温度:200℃、混合時間:10分。その後プレス機を用いて100ミクロンの厚みに圧延し、樹脂組成物シートを得た。条件は以下の通りである。温度200℃、プレス時間5分、プレス圧(20kgf/cm2)。
【0036】
【実施例2】
各成分の組成比を変える以外は実施例1と全く同じ条件で樹脂組成物シートを得た。
【0037】
【実施例3】
実施例1のドデシルトリメチルアンモニウムクロライドをオクタデシルアミン(Aldrich社製)4.8gに変えること、それからそのエタノール溶液に市販の35重量%塩酸を1.25g添加すること以外は全く実施例1と同じ方法で樹脂組成物シートを得た。
【0038】
【実施例4】
実施例1の合成フッ素化マイカを天然のモンモリロナイト(商品名:クニピアF、CEC=110meq/100g、クニミネ工業社製)に変える以外は実施例1と全く同じ方法で樹脂組成物を得た。
【0039】
【比較例1】
変性層状ケイ酸塩、樹脂オリゴマー成分を使わないこと以外は全く実施例1と同様の方法で樹脂組成物を作成した。
【0040】
【比較例2】
変性層状ケイ酸塩を使わないこと以外は全く実施例1と同様の方法で樹脂組成物を作成した。
表1に実施例および比較例の各組成比および平均円相当径(D)およびPCO2/PAirの値をまとめて示す。実施例1−4はPCO2/PAirの値が比較例に比べて小さいことがわかる。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明により、炭酸ガスの透過性が低い樹脂組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂組成物中の海島構造を表す模式図。
【図2】実施例1の海島構造中の変性層状ケイ酸塩の存在状態を示すTEM写真。
【図3】比較例3の海島構造中の変性層状ケイ酸塩の存在状態を示すTEM写真。
【図4】実施例2の樹脂組成物のTEM写真。
【図5】実施例2の樹脂組成物の画像処理(2値化)図。
【図6】比較例3の樹脂組成物のTEM写真。
【図7】比較例3の樹脂組成物の画像処理(2値化)図。
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、断熱材、緩衝材などの発泡体に使用される樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン、ポリプロピレンなどに代表されるポリオレフィン樹脂は、包装用資材、自動車材料、家電製品材料、断熱材、緩衝材などの発泡体材料など、様々な用途に用いられている。
これらのポリオレフィン樹脂を発泡体用途として使用する場合、その剛性不足を補うためにポリスチレン樹脂をブレンドする方法が特許文献1特に記載されている。ポリエチレンおよびポリスチレン両者の相溶性を向上させる試みとして、特許文献2には、水添したスチレンーブタジエンブロック共重合体を相溶化剤として用いたブレンド樹脂の発泡体が開示されている。しかし、これらの例では、両者は非相溶性であるために、微細混合が充分ではなく、相互の界面は接着一体化していないために、押し出し発泡の際、破壊が発生しやすく、安定に発泡できないという問題があった。
【0003】
他方、ポリオレフィン系発泡体の製造の際に添加される発泡剤としては、ブタン、ペンタン、ジクロロジフルオロメタンのような低沸点の炭化水素化合物またはハロゲン化炭化水素化合物がこれまで広く使われている。これらは樹脂への溶解性および樹脂による保持性が優れている反面、可燃性であり、また健康や環境面への配慮から他の発泡剤への転換が望まれている。
これに対して、炭酸ガス、窒素ガスなどの不活性ガスは、不燃性であると共に環境を害することが少ないので好ましい発泡剤と言える。しかし、不活性ガスは、樹脂との親和性が良好でないことから、樹脂への溶解性に乏しいと共に成形時にガス抜けが起こるために、得られた発泡体中の気泡径および気泡分散が不均一になりがちであって、品質の一定した発泡体を製造することは難しいと言われている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭60−1338号公報
【特許文献2】
特開昭62−174237号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、炭酸ガスを発泡剤に用いた場合にもガス抜けが少なく、安定に発泡できる樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、互いに非相溶な2種類の樹脂、ブロックコポリマー、および変性処理を施した層状ケイ酸塩(以下、変性層状ケイ酸塩、という)、必要により樹脂オリゴマーを溶融混練することによって、前記2種類の樹脂からなる海島構造の界面に、変性層状ケイ酸塩が介在した樹脂組成物を製造することができることを見出した。
そして、この樹脂組成物は、炭酸ガスのガス透過係数(PCO2)と空気のガス透過係数(Pair)が非常に小さく、炭酸ガスを発泡剤に用いた場合にも、安定して発泡成型体を得られることを見出した。さらに、上記の島部の平均円相当径(D)(単位:μm)が0.70以下の場合には、その効果がさらに著しく高くなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、発明は以下に示すとおりである。
(1) 互いに非相溶な2種類の樹脂と変性処理を施した層状ケイ酸塩(以下、変性層状ケイ酸塩、と略す)とからなる樹脂組成物であって、一方の樹脂が構成するマトリックス(海部)中にもう一方の樹脂からなる島部が分散された海島構造を示し、海部と島部の界面に前記の変性層状ケイ酸塩が存在することを特徴とする樹脂組成物。
(2) 樹脂オリゴマーを、さらに含有することを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物。
(3) ブロックコポリマーを、さらに含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 下記式より求められる、島部の平均円相当径(D)(単位:μm)が0.70以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
D=(4S/π)1/2
(式中、Sは、島部ドメインの面積、πは、円周率である。)
(5) 互いに非相溶な2種類の樹脂が、ポリスチレンとポリエチレンであり、樹脂オリゴマーが、末端に極性基を有するオレフィン系オリゴマーであることを特徴とする(2)〜(4)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(6) 層状ケイ酸塩が、下記式で表される合成フッ素化雲母であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
Na(またはK)Mg2.5Si4O10(FαOH1−α)2
(0.8≦α≦1.0)
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物中における海島構造について説明する。海島構造は、図1の模式図に示すように、海部を構成するマトリックス樹脂中に、他方の樹脂からなる微小な島部が分散したものである。
海部を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフルオロカーボン、ポリパーフロロカーボン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートと言った芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンなどの樹脂を挙げることができる。
【0009】
本発明において、海部を構成する樹脂の好ましい例であるポリオレフィン樹脂について詳細に説明する。本発明で用いられるポリオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1などのαオレフィンの単独重合体、2種以上の前記の単量体からなるランダムまたはブロック共重合体である。このような重合体の例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリイソブテン、エチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。また、アペル(登録商標)(三井化学社製)、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン社製)などに代表される環状ポリオレフィンも好ましく用いられる。
【0010】
ポリエチレン樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレンにα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度または中密度ポリエチレン(MDPE)、エチレン−α−オレフィン共重合プラストマーまたはエラストマー、高密度ポリエチレン(HDPE)などが挙げられる。
本発明における、他の好ましい例であるポリスチレン樹脂としては、スチレンの単独重合体、スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物と、これと共重合可能な化合物、例えば、αメチルスチレン、無水マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸やメタクリル酸エステルなどとの共重合体などが挙げられる。
【0011】
一方、海島構造の島部を構成する材料は、海部を構成する樹脂と同じく熱可塑性樹脂であることが好ましいが、互いに非相溶な2種類の樹脂が海島構造を形成するには、2種の樹脂の溶解度パラメーターの差が適切な範囲内にあるものを選択する。溶解度パラメーターの差が小さすぎると、両樹脂が分子レベルで完全に溶け合ってしまうために海島構造とはならない。
このような組み合わせとなる2種類の樹脂の例としては、ポリスチレンとポリオレフィン、ポリスチレンとPMMA、ポリスチレンと各種ゴム、ナイロン系樹脂とポリオレフィンなどが挙げられるが、これに限定されるものではなく、一般に非相溶であるとされる2種類の樹脂のあらゆる組み合わせを用いることができる。押し出し発泡用のポリオレフィン樹脂としては、マトリックス樹脂(海部)としてポリエチレン樹脂を用い、島部の樹脂としてポリスチレンを用いた樹脂組成物が好適に用いられる。
【0012】
本発明における樹脂組成物を製造するには、互いに非相溶な2種類の樹脂にブロックコポリマーを添加することが好ましい。ブロックコポリマーを添加することによって、変性処理を施した層状ケイ酸塩を、図1に示すように、樹脂組成物の海島構造の海部と島部の界面に存在させることが容易になる。
ブロックコポリマーは、いわゆるA―B型に限定されず、A−B−A、B−A−Bなどの構造も好ましく用いられる。このようなブロックコポリマーの例として、水添ブタジエンーポリスチレン系ブロックコポリマーであるタクテック(登録商標)(旭化成社製)などが挙げられる。ブロックコポリマーは、本発明における樹脂組成物中の互いに非相溶な2種類の樹脂がおのおのの末端で結合したものを指す。ブロックコポリマーのそれぞれのブロックが、海島構造を形成している互いに非相溶な2種類の樹脂と全く同じモノマー組成である必要はなく、それぞれの樹脂に相溶するものであればよい。例えば、マトリックス樹脂がポリエチレンで、島部樹脂がポリスチレンの場合、ブロックコポリマーとしては、スチレンーブタジエンブロックコポリマー、スチレンー水添ブタジエンブロックコポリマー、スチレンーイソプレンのブロックコポリマーなどが使用できる。
【0013】
本発明の樹脂組成物中に樹脂オリゴマーが含まれると、後述する変性層状ケイ酸塩が樹脂組成物の海島構造の海部と島部の界面に存在する効果は高くなり、さらに島部の平均円相当径(D/μm)は小さくなるので好ましい。
本発明に用いられる樹脂オリゴマー成分は、重量平均分子量で5000以下の低分子量物である。モノマーユニットとしては、マトリックス樹脂(海部)と同じであることが好ましい。オリゴマーの主鎖または側鎖を化学修飾した変性オリゴマーが好適に用いられる。化学修飾の種類は限定されないが、水酸基、カルボン酸基、カルボン酸誘導体、カルボン酸無水物、ニトロ基、イミド基などの極性基により変性されたものが好ましい。
【0014】
樹脂オリゴマーがポリオレフィン樹脂オリゴマーの場合には、特にカルボン酸変性品が好ましく、中でも無水型ではない水素結合型のカルボン酸変性基の分率が高い変性品がより好ましい。カルボン酸変性基は、オリゴマー分子の末端に存在することが好ましい。両末端が変性基である樹脂オリゴマーも好適に用いられる。構造に分岐がある場合は、末端が3個以上存在する場合がある。この場合、基本的にはどの末端に変性基を含有してもよいが、主鎖の末端に変性基があることが好ましい。複数の末端に変性基を持つもの、および異なる種類の変性基を複数含む樹脂オリゴマーも用いられる。これらの条件を満たす変性樹脂オリゴマーとして、例えば、ハイワックスHW2203A、HW1105A(どちらも三井化学社製)などの変性ポリオレフィン樹脂オリゴマーが挙げられる。
【0015】
本発明の樹脂組成物において、2種の樹脂が構成する海島部分の界面に変性層状ケイ酸塩が存在することが必要である。変性層状ケイ酸塩が海部と島部の界面に介在することによって、炭酸ガスによる発泡の際のガス抜けが少なくなる。海部と島部の界面とは、樹脂組成物のTEM写真において、海部と島部の間に存在する50nm程度以内の領域を指す。本発明において添加した変性層状ケイ酸塩のうちの70%以上が界面に存在することが好ましい。
【0016】
変性層状ケイ酸塩は、層状ケイ酸塩を変性させることによって得られる。層状ケイ酸塩としては、タルク、ピロフィライト、スメクタイト、バーミキュライト、マイカなどの2:1型の粘土鉱物が好ましい。スメクタイトの種類としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、バイデライト、サポナイトなどが挙げられる。これらは天然鉱物を精製したもの、水熱合成、溶融合成または焼成合成によって得られたものなどが用いられる。中でもスメクタイトおよび合成マイカが好ましい。
【0017】
下記式で示す合成フッ素化雲母を層状ケイ酸塩として用いた場合は、得られる樹脂組成物中の変性層状ケイ酸塩の分散性は高くなる。
Na(またはK)Mg2.5Si4O10(FαOH1−α)2
(0.8≦α≦1.0)
したがって、後述する平均円相当径(D)がほぼ同じ値であっても、炭酸ガス発泡に対する安定性の効果は高くなる。
【0018】
本発明において、層状ケイ酸塩の変性法には限定は無く、様々な方法を用いることができる。例えば、層状ケイ酸塩の各層の負電荷と水素結合できる化合物を層間に挿入する方法、層状ケイ酸塩の末端のシラノール基をカップリング剤処理する方法などが挙げられる。層間挿入法のための化合物には限定はなく、変性合物および無機化合物、例えば、長鎖のアルコール、カルボン酸、界面活性剤、シランカップリング剤などが用いられるが、中でも、界面活性剤が好ましい。
【0019】
界面活性剤として、アニオン性、カチオン性、ノニオン性および両性の界面活性剤を用いることができ、好ましくはカチオン性およびノニオン性界面活性剤、より好ましくはカチオン性界面活性剤である。
カチオン性界面活性剤の例としては、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(またはクロライド)、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアミンなどのアミン類などが挙げられる。アミンの場合は適量の酸を添加することによって使用可能となる。
【0020】
非イオン性界面活性剤には限定は無いが、親水部として、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)またはその共重合体、水酸基など、疎水部として、長鎖の飽和または不飽和のアルキル基などを有するものなどが挙げられる。例えば、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテルなどのポリエチレングリコールのエーテル、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコールラウレートなどのポリエチレングリコールのカルボン酸エステルなどが挙げられる。
【0021】
界面活性剤による層状ケイ酸塩の変性法としては、水またはアルコールに膨潤させた層状ケイ酸塩と、エタノール、メタノール、水などの溶剤に溶解した界面活性剤を混合した後、得られる変性層状ケイ酸塩を濾別、洗浄、乾燥する方法が挙げられる。
本発明における変性層状ケイ酸塩の層間距離(h0)は、下記式に基づいて算出される。
【0022】
h0(nm)=d(nm)−0.95
ここで、0.95nmは、層状ケイ酸塩のシート1枚の厚みであり、どの層状ケイ酸塩を用いても値は殆ど変わらない。dは、X線回折測定によって、層状ケイ酸塩の001面の底面反射に相当するピーク位置(2θ)から、下記のBraggの式を用いて算出することができる。
d=0.154/2sinθ (4)
h0は、用いる界面活性剤の疎水部の鎖長によって制御することができる。鎖長が長いほどh0は大きくなる。カチオン性界面活性剤を用いる場合は、アンモニウム塩のヘッドグループ(1級、2級または3級)によってもh0を変化させることができる。同じ界面活性剤を用いる場合でも、イオン交換量(charge exchange capacity:CEC)の異なる層状ケイ酸塩を用いることによって、h0を制御することができる。
【0023】
本発明における樹脂組成物の海島構造の海部と島部の界面に変性層状ケイ酸塩が介在するためには、適正範囲のh0の変性層状ケイ酸塩を用いることが好ましい。具体的には8.9オングストローム以上14.6オングストローム以下であることが好ましい。h0が8.9オングストローム未満または14.6オングストロームを越えると、変性層状ケイ酸塩が樹脂組成物中で凝集するために、海島構造の海部と島部の界面に介在することができなくなる場合がある。
【0024】
変性層状ケイ酸塩が海島構造の界面に介在するか否かは、四酸化ルテニウムなどの染色剤で染色した樹脂組成物のTEM写真から判定することができる。具体例を示しながら説明する。
図2に、実施例1の樹脂組成物の海島構造を表すTEM写真を示す。四酸化ルテニウムで選択的に染色されて濃く見える島部がポリスチレン相であり、白っぽく見えるのがマトリックス層(海部)であるポリエチレンである。ポリスチレン相とポリエチレン相の界面に黒く見える変性層状ケイ酸塩が存在していることがわかる。一方、図3に、比較例3の樹脂組成物のTEM写真を示す。この場合、変性層状ケイ酸塩は海島構造の界面には存在せず、島部の内部に存在している。
【0025】
次に、本発明における平均円相当径(D)(単位:μm)の算出法について説明する。Dは下記式から算出する。
D=(4S/π)1/2
ここで、Sは、樹脂組成物の透過型電子顕微鏡写真をスキャナで取り込んでデジタル化し、高速画像処理装置IP−1000(旭化成製)により画像解析を行い、海部と島部を2値化した後の島部ドメインの面積である。πは、円周率である。
【0026】
以下にこれを図を用いて具体的に説明する。図4は、実施例2の樹脂組成物のTEM写真、図5は、その画像処理像である。海部であるポリエチレン中で島部であるポリスチレン相が小さく分散している様子が観察される。この場合のDは0.7である。一方、図6は、比較例3の樹脂組成物のTEM写真、図7は、その画像処理像である。図4および5に比べて島部であるポリスチレン相が大きい。この場合のDの値は1.04である。
【0027】
本発明におけるDは0.8μm以下であることが好ましく、0.70μm以下である場合には、炭酸ガスを発泡剤として用いた場合の押し出し発泡の安定性が著しく高くなる。Dを0.70μm以下にするためには、全体の樹脂組成物中の樹脂オリゴマーおよび変性層状ケイ酸塩の量を適正に制御する必要がある。
本発明の樹脂組成物を製造する場合の、樹脂組成物中の成分の組成比について説明する。まず基本となる組成である、互いに非相溶な2種類の樹脂(ここでは、樹脂Aおよび樹脂Bとする)とブロックコポリマーの3成分の組成比を適正にすることが好ましい。具体的には、樹脂A/樹脂B/ブロックコポリマー(以下、この系を、基本樹脂、という)を、質量比で50〜70/20〜40/1〜4に設定することが好ましい。
【0028】
例えば、ポリオレフィン樹脂発泡体用途として用いるためには、マトリックス樹脂Aをポリオレフィンとして、ポリスチレンを島部に相当する樹脂とし、スチレンー水添ブタジエン(一般名:SEBS)をブロックコポリマーとして用いることが好ましく、この場合の組成比は上記のように、特にポリエチレン/ポリスチレン/SEBS=50〜70/20〜40/1〜4に設定することが好ましい。
【0029】
この3成分からなる基本樹脂に対して、変性層状ケイ酸塩、および必要に応じて用いる樹脂オリゴマーの割合を適正に配合することが好ましい。適正な組成比としては、質量比で基本樹脂/樹脂オリゴマー/変性層状ケイ酸塩=80〜99.9/0.1〜15/0.01〜18が好ましく、より好ましくは80〜90/1〜12/1〜10であり、最も好ましくは80〜84/6〜12/3〜4である。この場合には本発明におけるDが0.70μm以下になる。
【0030】
本発明の樹脂組成物は、従来のブレンド樹脂に比べて海島構造の島部の平均円相当径(D)が著しく小さいため、炭酸ガス発泡用樹脂以外にも、高い耐衝撃性が必要とされる樹脂分野にも適用することができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法には限定はなく、通常の当該分野で用いられる方法が使用できる。好ましくは2軸の押し出し機を用いて溶融混練する。
本発明の樹脂組成物には、当該分野において通常用いられる酸化防止剤、滑剤、着色剤、難燃剤などの添加剤を添加することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(1)変性層状ケイ酸塩の分布状態の観察
樹脂組成物からULTRACUT N (Reichert社製)およびクライオユニットFC4E(Reichert社製)を用いて、厚さ約60nmの超薄切片を作製する。次に、超薄切片を四酸化ルテニウム蒸気に曝露することによってポリスチレン相を選択的に染色した後、透過型電子顕微鏡H−7100(日立製作所製)を用いて、加速電圧120kVで観察を行う。電子顕微鏡観察により、相分離構造および層状ケイ酸塩の分散状態を確認する。
【0032】
(2)ガス透過係数測定
本発明の樹脂組成物の炭酸ガスによる発泡適性の指標として、炭酸ガスのガス透過係数(PCO2)と空気のガス透過係数(PAir)の比(PCO2/PAir)を用いる。PCO2/PAirが小さい程、発泡時のガス抜けが少なく、発泡適性が高い。ガス透過係数測定はガス透過測定装置(東洋精機社製)を用い30℃で測定する。
【0033】
【実施例1】
カチオン性界面活性剤ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド (Aldrich社製)4.7gをエタノール100gに溶解した(A液とする)。層状ケイ酸塩として合成フッ素化マイカ(CEC=120meq/100g、コープケミカル社製)10gを脱イオン水500gにホモミキサーを用いて分散させた(B液とする)。A液とB液を50℃で24時間混合した。得られた沈殿を濾別し、エタノールで数回洗浄後、100℃で5時間真空乾燥して変性層状ケイ酸塩を得た。
【0034】
得られた変性層状ケイ酸塩4.0g、ポリスチレン(分子量210000:A&Mスチレン社製GPS680)30.0g、高密度ポリエチレン(分子量210000:旭化成社製B880)50.0g、スチレンー水添ブタジエンブロックコポリマー(分子量:旭化成社製タフテックH1051、以後SEBSと略す)4g、および樹脂オリゴマーとして変性ポリオレフィンオリゴマー(HW2203A:三井化学社製)をラボプラストミル(東洋精機社製)で混合した。
【0035】
混合条件は以下の通りである。回転速度:50rpm、温度:200℃、混合時間:10分。その後プレス機を用いて100ミクロンの厚みに圧延し、樹脂組成物シートを得た。条件は以下の通りである。温度200℃、プレス時間5分、プレス圧(20kgf/cm2)。
【0036】
【実施例2】
各成分の組成比を変える以外は実施例1と全く同じ条件で樹脂組成物シートを得た。
【0037】
【実施例3】
実施例1のドデシルトリメチルアンモニウムクロライドをオクタデシルアミン(Aldrich社製)4.8gに変えること、それからそのエタノール溶液に市販の35重量%塩酸を1.25g添加すること以外は全く実施例1と同じ方法で樹脂組成物シートを得た。
【0038】
【実施例4】
実施例1の合成フッ素化マイカを天然のモンモリロナイト(商品名:クニピアF、CEC=110meq/100g、クニミネ工業社製)に変える以外は実施例1と全く同じ方法で樹脂組成物を得た。
【0039】
【比較例1】
変性層状ケイ酸塩、樹脂オリゴマー成分を使わないこと以外は全く実施例1と同様の方法で樹脂組成物を作成した。
【0040】
【比較例2】
変性層状ケイ酸塩を使わないこと以外は全く実施例1と同様の方法で樹脂組成物を作成した。
表1に実施例および比較例の各組成比および平均円相当径(D)およびPCO2/PAirの値をまとめて示す。実施例1−4はPCO2/PAirの値が比較例に比べて小さいことがわかる。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明により、炭酸ガスの透過性が低い樹脂組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂組成物中の海島構造を表す模式図。
【図2】実施例1の海島構造中の変性層状ケイ酸塩の存在状態を示すTEM写真。
【図3】比較例3の海島構造中の変性層状ケイ酸塩の存在状態を示すTEM写真。
【図4】実施例2の樹脂組成物のTEM写真。
【図5】実施例2の樹脂組成物の画像処理(2値化)図。
【図6】比較例3の樹脂組成物のTEM写真。
【図7】比較例3の樹脂組成物の画像処理(2値化)図。
Claims (6)
- 互いに非相溶な2種類の樹脂と変性処理を施した層状ケイ酸塩とからなる樹脂組成物であって、一方の樹脂が構成するマトリックス(海部)中にもう一方の樹脂からなる島部が分散された海島構造を示し、海部と島部の界面に前記の変性処理を施した層状ケイ酸塩が存在することを特徴とする樹脂組成物。
- 樹脂オリゴマーを、さらに含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- ブロックコポリマーを、さらに含有することを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
- 下記式より求められる、島部の平均円相当径(D)(単位:μm)が0.70以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
D=(4S/π)1/2
(式中、Sは、島部ドメインの面積、πは、円周率である。) - 互いに非相溶な2種類の樹脂が、ポリスチレンとポリエチレンであり、樹脂オリゴマーが、末端に極性基を有するオレフィン系オリゴマーであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 層状ケイ酸塩が、下記式で表される合成フッ素化雲母であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
Na(またはK)Mg2.5Si4O10(FαOH1−α)2
(0.8≦α≦1.0)
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