JP2004091775A - オレフィン系重合体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オレフィン系重合体に層状無機化合物を十分に微分散させ、ガスバリア性が改良された組成物を提供する。
【解決手段】 (a)オレフィン系重合体、(b)極性官能基を分子内に含有する有機カチオンにより有機化された層状無機化合物、および(c)当該(a)オレフィン系重合体と相容性を有し、極性官能基を分子内に有する極性重合体、からなるオレフィン系重合体組成物であって、当該組成物中の当該(b)有機化された層状無機化合物の層間距離が20オングストローム以上であることを特徴とする、オレフィン系重合体組成物。
【選択図】 図4

Description

 本発明はオレフィン系重合体と層状無機化合物を含有してなる組成物に関する。
 一般にオレフィン系重合体は、成形性、柔軟性、耐衝撃性、防湿性、耐薬品性及び経済性から包装材料、構造材料等に広く用いられているが、水蒸気以外のガスに対するバリア性が低く、そのままでは食品保存等の用途には使用できないという問題があった。この欠点を解消するために、ガスバリア性の高い材料、たとえばポリアミド樹脂やエチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂等との積層化等によりガスバリア性を高める手法が一般に広く用いられている。この方法はガスバリア性を高める方法としては最も効果的な方法であるが、特別の装置が必要であり汎用性に乏しい。また、樹脂自体のガスバリア性を向上させる方法としては、ポリオレフィンに上記ガスバリア性樹脂をブレンドする試みがなされている。しかし、2種ないしはそれ以上の樹脂をブレンドして十分なガスバリアを得るためには比較的大量にガスバリア性樹脂をブレンドする必要があり、ポリオレフィンの長所である耐水蒸気透過性、成形性、低温ヒートシール性等の特性を損なう恐れがあった。
 一方、層状珪酸塩などの層状無機化合物をオレフィン系樹脂に分散させ、ガスバリア性等の物性の改良を行うことも従来から行われている。例えば、特開平10−298358号公報(特許文献1)において、テトラアルキルアンモニウム塩等の有機カチオンで置換された層状珪酸塩をオレフィン系樹脂に分散させてなるガスバリア性樹脂成形体が開示されている。同公報の実施例1〜3に示された成形体の酸素透過係数は、マトリックス樹脂として使用したホモポリプロピレンの酸素透過係数を100としたとき、60(実施例1)、70(実施例2)、55(実施例3)であるが、ガスバリア性向上効果は必ずしも満足できるものではない。
 また、特開平10−279752号公報(特許文献2)において、一部もしくは全部が不飽和カルボン酸またはその無水物でグラフト変性されたポリオレフィン樹脂とポリアミドと層状珪酸塩からなるガスバリア性樹脂組成物が報告されている。同公報には、層状珪酸塩が層状微分散したポリアミド分散層がマトリックスを形成するポリオレフィン中に層状に分散することによってガスバリア性が著しく向上すると説明されており、同公報の実施例1〜3に示された成形体の酸素透過係数は、マトリックス樹脂の酸素透過係数を100としたとき、30(実施例1)、20(実施例2)、20(実施例3)であり、ガスバリア性が有利に改善されていることが理解できる。しかし、成形体を構成するマトリックス樹脂として、ポリオレフィン樹脂とは相溶性が低いポリアミドを10〜20重量部必要とする。本公報に記載された発明では、ポリアミドとの相溶性を良好なものとするために、ポリオレフィンとしてカルボン酸またはその無水物で変性されたものを使用しているが、ポリアミドの分散状態は必ずしも良好ではなく、ポリオレフィン樹脂としての優れた機械特性が十分に生かされているわけではない。
 また、特開2001−64454号公報(特許文献3)には、結晶構造中のカチオンがカチオン系界面活性剤で交換されており、かつ結晶側面がアニオン性界面活性能を有する化合物で化学修飾されてなる有機化層状珪酸塩をポリオレフィン系樹脂に配合してなる、ガスバリア性に優れたポリオレフィン系複合材料が記載されている。同公報には、結晶側面を修飾する化合物とポリオレフィンの相互作用により層状珪酸塩の分散性が向上すると説明されており、同公報の実施例1〜4に示された成形体の酸素透過係数は、マトリックス樹脂の酸素透過係数を100としたとき、39(実施例1、4)、46(実施例2)、43(実施例3)であり、ガスバリア性の向上は、上記した特許文献2には及ばない。
 このようにポリオレフィンのガスバリア性を向上させる目的で層状粘土鉱物を複合した組成物がいくつか報告されているが、未だ十分な効果は得られていないのが現状である。これは、マトリックス樹脂であるオレフィン系樹脂が疎水性であるのに対して、層状粘土鉱物は親水性が高いため、層状粘土鉱物を層分離させかつ均一にオレフィン系樹脂に微分散させることが極めて困難であるためである。
 オレフィン系樹脂に層状粘土鉱物を分散させた複合体に関して、上記したものとは別に、以下のものが知られている。
(イ)特開平10−182892号公報(特許文献4)
 官能基を含有するポリオレフィン系オリゴマーと、この官能基と水素結合した層状粘土鉱物をポリオレフィン樹脂に分散させた粘土複合材料を開示する。
(ロ)特開平10−30039号公報(特許文献5)
 不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性された変性ポリオレフィンまたは該変性ポリオレフィンを含有するポリオレフィンに、テトラアルキルアンモニウムカチオンを挿入した層状珪酸塩を配合してなるポリオレフィン系複合材料を開示する。
(ハ)特開2000−281841号公報(特許文献6)
 層状珪酸塩、有機カチオン、不飽和単量体変性ポリオレフィンおよびポリオレフィン系樹脂を含有し、X線回折法で測定した層状珪酸塩の層間距離が40オングストローム以上である複合材料を開示する。
(ニ)特開2002−37940号公報(特許文献7)
 メルトフローレートが特定の範囲内にある結晶性ポリプロピレン、エチレン性不飽和結合含有カルボン酸誘導体でグラフト変性された結晶性ポリプロピレンおよびアルキルアンモニウムイオンで有機化された層状珪酸塩を含むポリプロピレン樹脂組成物を開示する。
(ホ)特開2000−159941号公報(特許文献8)
 水酸基、メルカプト基、エーテル基、カルボニル基、ニトロ基等の置換基を有していてもよい炭素数が1〜12のアミノ化合物と膨潤性珪酸塩を分散媒中で混合することによって調製した層間化合物をポリオレフィン樹脂に配合してなる組成物を開示する。
 しかるに、上記した(イ)〜(ホ)の各文献に記載されたものは、いずれも、剛性、耐衝撃性等に代表される機械的特性や耐熱性の向上を目的として提案されたものであり、ガスバリア性向上に関する検討はなされていない。
特開平10−298358号公報 特開平10−279752号公報 特開2001−64454号公報 特開平10−182892号公報 特開平10−30039号公報 特開2000−281841号公報 特開2002−37940号公報 特開2000−159941号公報
 上記したように、ポリオレフィンのガスバリア性を向上させる目的で層状粘土鉱物と複合化した組成物がいくつか報告されているが、未だ十分な効果は得られていないのが現状である。
 しかして本発明は、オレフィン系重合体に層状無機化合物を十分に微分散させ、ガスバリア性が改良された組成物を提供することを課題とする。
 本発明者らは、鋭意検討した結果、オレフィン系重合体に層状粘土鉱物を分散させるに際し、オレフィン系重合体と相容性を有し、極性官能基を分子内に有する極性重合体を使用するとともに、極性官能基を分子内に含有する有機カチオンにより有機化された層状無機化合物を使用することによって初めて、上記の目的を達成可能であることを見出し、さらに検討した結果、本発明を完成させるに至った。
 すなわち、本発明は、(a)オレフィン系重合体、(b)極性官能基を分子内に含有する有機カチオンにより有機化された層状無機化合物、および(c)当該(a)オレフィン系重合体と相容性を有し、極性官能基を分子内に有する極性重合体(以下、これを「樹脂系相溶化剤」と略称することがある)からなるオレフィン系重合体組成物であって、当該組成物中の当該(b)有機化された層状無機化合物の層間距離が20オングストローム以上であることを特徴とする、オレフィン系重合体組成物を提供する。
 上記したように、ガスバリア性の向上とは別に、機械的特性の向上を目的として、オレフィン系樹脂に層状粘土鉱物を分散させた複合体に関する文献は種々知られているが、いずれの文献も、オレフィン系重合体と相容性を有し、極性官能基を分子内に有する極性重合体と、極性官能基を分子内に含有する有機カチオンにより有機化された層状無機化合物を併用すること、そしてその結果としてガスバリア性に優れたポリオレフィン重合体組成物を提供するという本発明の技術思想を開示または示唆するものではない。
 本発明によれば、オレフィン系重合体中に層状無機化合物が十分に微分散しており、オレフィン系重合体が有する優れた機械特性を保持したままガスバリア性が大きく向上したオレフィン系重合体組成物が提供される。
 本発明のオレフィン系重合体組成物を構成する、成分(a)のオレフィン系重合体としては、従来から公知のものを特に制限なく使用することができ、例えば、炭素数2ないし20のα−オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、シクロペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、シクロヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、シクロヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、シクロオクテン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘプテン、ビニルシクロオクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン等の単独重合体、または共重合体が挙げられる。オレフィン系重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−デセン共重合体、および上記α−オレフィンと環状オレフィン、例えばノルボルネン、テトラシクロドデセン等との共重合体などが挙げられる。これらのオレフィン系樹脂は単独で使用することもできるし、2種類以上の混合物として使用することもできる。これらのオレフィン系樹脂のうちではポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン等の結晶化度が40%以上と高い樹脂、またはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体等のガラス転移点の高い樹脂が、ガスバリア性が優れるため好ましい。なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレンが成形性、剛性が優れている点で最も好ましい。ポリプロピレンは、単独重合体、エチレンおよび/または1−ブテンとのランダム共重合体、およびブロック共重合体のいずれでも採用できるが、成形品の強度とガスバリア性の点から、単独重合体を使用することが好ましい。
 さらに、オレフィン系重合体としては、例えば、ポリエチレンあるいはポリプロピレンを硬質相とし、EPDM、EPRあるいはブチルゴムを軟質相とするポリマーブレンド系エラストマーあるいはポリマーアロイ系エラストマーなどのオレフィン系エラストマーを使用することもできる。
 オレフィン系エラストマーとしては、市販されているものを使用することができる。例えば、上記したポリマーブレンド系エラストマーあるいはポリマーアロイ系エラストマーとして、「ミラストマー」または「グドマー」〔商品名、三井石油化学(株)社製〕などが挙げられる。
 オレフィン系重合体は、本発明の趣旨を損なわない範囲で主鎖、側鎖、片末端または両末端にカルボキシル基またはその塩、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基、エステル基、エーテル基、スルホン酸基またはその誘導体、アミド基、メルカプト基、ハロゲン原子等の極性官能基を含有していてもよい。極性官能基の含有量としては、特に制限はないが、オレフィン系重合体を構成する構造単位の全量に対し0.05モル%未満であることが好ましく、0.04モル%以下であることがより好ましい。
 極性官能基を有するオレフィン系重合体は、製造工程において、i)極性官能基を含有する化合物を重合停止剤として反応させる方法、ii)極性官能基を含有する化合物を共重合または付加させる方法などによって製造することができる。
 上記した、極性官能基を含有する化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等のα,β−不飽和カルボン酸のアルキルエステル;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類;グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和化合物;イタコン酸、マレイン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸;無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸の無水物;アクリルアミン、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピル、アミノスチレン等のアミノ基含有不飽和化合物;3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基含有不飽和化合物;アクリルアミド、ビニルオキサゾリン;1−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン、1−アセチルオキシ−1,3−ブタジエン、2−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン、2−アセチルオキシ−1,3−ブタジエン、1−ヒドロキシ−2−メチル−1,3−ブタジエン、1−アセチルオキシ−2−メチル−1,3−ブタジエン、1−ヒドロキシ−3−メチル−1,3−ブタジエン、1−アセチルオキシ−3−メチル−1,3−ブタジエン、2−ヒドロキシ−3−メチル−1,3−ブタジエン、2−アセチルオキシ−3−メチル−1,3−ブタジエンなどの極性官能基を含有する共役ジエン等が挙げられる。極性官能基を含有する化合物としては、1種類のものを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 また、オレフィン系重合体として、必要に応じて有機過酸化物などの架橋剤の存在下、溶融状態において動的に処理(動的加硫)したオレフィン系重合体を使用することもできる。
 オレフィン系重合体の数平均分子量は、特に制限されるものではないが、通常、10,000〜1,000,000の範囲内であり、好ましくは、30,000〜500,000の範囲内である。
 本発明で使用するオレフィン系重合体としては、上述したオレフィン系重合体と各種の重合体との組成物、さらに所望により各種添加物を配合してなる組成物なども好適に使用される。
 ここでいう各種の重合体とは、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体またはその水素添加物、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体またはその水素添加物、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレン共重合体またはその水素添加物、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体またはその水素添加物、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリイソプレン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体またはその水素添加物、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体またはその水素添加物、ポリスチレン−ポリイソブテン−ポリスチレントリブロック共重合体、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリイソブテン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体等のスチレン系エラストマー;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS等のスチレン系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアセタール樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂等を添加することができる。各種の重合体の使用量は上記のオレフィン系重合体100重量部に対して100重量部以下であることが好ましい。各種の重合体の使用量が上記の範囲を超えるとオレフィン系重合体としての機械的特性、耐薬品性を損なう場合がある。
 また、上記の各種添加物としては、例えば、補強材(例えば、カーボンブラック、炭素繊維、ガラス繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、液晶ポリエステル繊維等)、充填材、可塑剤、各種オイル、各種鉱物油、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、着色剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、発泡剤、結晶核剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤、低収縮剤、増粘剤、離型剤、防曇剤、ブルーイング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
 次に本発明のオレフィン系重合体組成物の構成成分(b)である層状無機化合物について説明する。
 本発明で使用する層状無機化合物は粘土鉱物を主とするもので、例えば、膨潤性ケイ酸塩、燐酸ジルコニウム等が挙げられるが、工業的汎用性、取り扱いやすさ、得られるオレフィン系重合体組成物の物性等の観点から、膨潤性ケイ酸塩が好適に使用される。
 ここでいう膨潤性ケイ酸塩とは、主として酸化ケイ素の四面体シートと金属水酸化物の八面体シートからなり、水、水と任意の割合で混和する極性溶媒または水と該極性溶媒の混合溶媒中で膨潤する性質を有するケイ酸塩である。その例としては、スメクタイト族粘土、膨潤性雲母、マイカなどが挙げられる。
 スメクタイト族粘土としては、天然品または合成品が使用される。該スメクタイト族粘土の具体例としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト、ベントナイトまたはこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
 また、膨潤性雲母としては、天然品または合成品が使用される。これらは、水、水と任意の割合で混和する極性溶媒または水と該極性溶媒の混合溶媒中で膨潤する性質を有している。膨潤性雲母としては、例えば、リチウム型テニオライト、ナトリウム型テニオライト、リチウム型四ケイ素雲母、ナトリウム型四ケイ素雲母等、またはこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
 上記の膨潤性雲母の中にはバーミキュライト類と似通った構造を有するものもあり、この様なバーミキュライト類相当品等も使用し得る。バーミキュライトに類するものには、トリオクトヘドラルバーミキュライト、ジオクトヘドラルバーミキュライトなどが挙げられる。
 また、マイカとしては、例えば、マスコバイト、フィロゴパイト、バイオタイト、レピドライト、パラゴナイト、テトラシリシックマイカなどが挙げられる。
 また、マイカにフッ素処理を行って膨潤性マイカとした物、あるいは水熱合成によって得られたものも挙げられる。
 層状無機化合物は、1種類のものを使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
 層状無機化合物としては、上記したものの内で、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライトおよび層間にナトリウムイオンを有する膨潤性雲母が、入手が容易であることに加えて、オレフィン系重合体組成物としたときの分散性に優れており、得られるオレフィン系重合体組成物の物性改善効果の点から好ましい。
 層状無機化合物は、極性官能基を分子内に含有する有機カチオンによって有機化されていることが必要である。
 そのような有機カチオンが有する極性官能基としては、例えば、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、シロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、カルボキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、酸無水物基、ニトロ基、ハロゲン原子、エポキシ基などが挙げられるが、これらの中でも水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、酸無水物基が好ましく、水酸基が特に好ましい。
 有機カチオンとしては、アンモニウムイオン類、ホスホニウムイオン類、スルホニウムイオン類またはアミノ酸類の正電荷を有する有機化合物等の有機オニウムイオンが好ましい。このうち、工業的汎用性等の観点からアンモニウムイオン類あるいはホスホニウムイオン類が好ましい。
 アンモニウムイオンあるいはホスホニウムイオンとしては、例えば下記の化学式(1)で示されるものが好ましい。
Figure 2004091775
(式中、Mは窒素原子またはリン原子を表し、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ水素原子、ベンゼン環上に極性官能基を有していてもよいベンジル基または極性官能基で置換されていてもよい炭素数が1〜30のアルキル基を表す。ただしR〜Rの少なくとも1つは極性官能基を有するベンジル基または極性官能基で置換された炭素数が1〜30のアルキル基を表す。また、R〜Rにおいて、極性官能基を有していてもよいベンジル基の数は2個以下であることが好ましい。)
 上記において、炭素数1〜30のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。
 また、ベンジル基や炭素数が1〜30のアルキルが有していてもよい極性官能基としては、例えば、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、カルボキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、酸無水物基、ニトロ基、ハロゲン原子、エポキシ基などが挙げられる。
 アンモニウムイオンあるいはホスホニウムイオンの対アニオンとしては、通常、Cl-、Br-、I-、NO3 -、OH-、CH3COO-、HSO4 -、HCO3 -などが挙げられるが、Cl-、Br、I、NO3 -またはOH-が好ましい。
 有機カチオンとしては、上述した極性官能基を分子内に含有する有機カチオンに加えて、極性官能基を分子内に含有しない有機カチオンを使用することもできる。
 アンモニウムイオンの具体例としては、極性官能基を分子内に含有しないものとして、ヘキシルアンモニウムイオン、オクチルアンモニウムイオン、2−エチルヘキシルアンモニウムイオン、ドデシルアンモニウムイオン、オクタデシルアンモニウムイオン、ラウリルアンモニウムイオン、ステアリルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、トリオクチルアンモニウムイオン、ジステアリルアンモニウムイオン、ジステアリルジメチルアンモニウムイオン、ブチルアンモニウムイオン、ジメチルブチルアンモニウムイオン、1,2−ジメチルプロピルアンモニウムイオン、メチルヘキシルアンモニウムイオン、3−ペンチルアンモニウムイオン、ジメチルエチルアンモニウムイオン、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、2−オクチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、テトラメチルエチルアンモニウムイオン、ジメチルプロピルアンモニウムイオン、ジエチルプロピルアンモニウムイオン、ジブチルプロピルアンモニウムイオン、テトラメチルプロピルアンモニウムイオン、イソアミルアンモニウムイオン、エチルイソアミルアンモニウムイオン、2−ヘキセニルアンモニウムイオン、ジイソプロピルエチルアンモニウムイオン、エチルジメチルプロピルアンモニウムイオン、ジイソブチルアンモニウムイオン、モノ−C6-20−アルキルトリメチルアンモニウムイオン、ジアルキルジメチルアンモニウムイオン、ジヤシアルキルジメチルアンモニウムイオン、ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、トリラウリルメチルアンモニウムイオン、ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリブチルアンモニウムイオンなどが挙げられる。
 ホスホニウムイオンの具体例としては、極性官能基を分子内に含有しないものとして、トリメチルドデシルホスホニウムイオン、トリメチルヘキサデシルホスホニウムイオン、トリメチルオクタデシルホスホニウムイオン、トリブチルドデシルホスホニウムイオン、トリブチルヘキサデシルホスホニウムイオンなどが挙げられる。
 また、スルホニウムイオンとしては、例えば、トリメチルスルホニウムイオン、ジメチルドデシルスルホニウムイオン、ジメチルヘキサデシルスルホニウムイオン、ジメチルオクタデシルスルホニウムイオン、トリエチルスルホニウムイオン、ジエチルドデシルスルホニウムイオン、ジエチルヘキサデシルスルホニウムイオン、ジエチルオクタデシルスルホニウムイオン、トリブチルスルホニウムイオン、ジブチルドデシルホスホニウムイオン、ジブチルヘキサデシルスルホニウムイオン、トリフェニルスルホニウムイオンなどが挙げられる。
 極性官能基を分子内に含有する有機カチオンの具体例としては、以下のものを挙げることができる。
 水酸基を有するアンモニウムイオン、水酸基を有するホスホニウムイオンあるいは水酸基を有するスルホニウムイオンとしては、上記で例示したアンモニウムイオン、ホスホニウムイオンあるいはスルホニウムイオンにおいて、アルキル基またはベンジル基の1ないし4個がヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基(例えば、2−ヒドロキシエチル基)、ヒドロキシプロピル基(例えば、3−ヒドロキシプロピル基)で置換されてなるイオンが具体例として挙げられる。アルコキシ基またはアリールオキシ基を有するアンモニウムイオン、アルコキシ基またはアリールオキシ基を有するホスホニウムイオンあるいはアルコキシ基またはアリールオキシ基を有するスルホニウムイオンとしては、上記で例示したアンモニウムイオン、ホスホニウムイオンあるいはスルホニウムイオンにおいて、アルキル基またはベンジル基の1ないし4個が(CH2CH2O)R基、(CH2CH(CH3)O)pR基あるいは(CH2CH2CH2O)R基(ここでpは1〜50の整数を表し、Rは水素原子、炭素数が1〜30のアルキル基あるいはアラルキル基を表す)で表されるポリオキシアルキレン基で置換されたイオンが具体例として挙げられる。また、アシルオキシ基を有するアンモニウムイオン、アシルオキシ基を有するホスホニウムイオンあるいはアシルオキシ基を有するスルホニウムイオンとしては、例えば、上記で例示した水酸基を有するアンモニウムイオン、水酸基を有するホスホニウムイオンあるいは水酸基を有するスルホニウムイオンにおいて、該水酸基をアセチル基、ベンゾイル基等のアシル基で保護したものが具体例として挙げられる。
 また、カルボキシル基、酸無水物基またはアルコキシカルボニル基を有するアンモニウムイオンとしては、例えばアミノ酸類から誘導されるカチオンなどが具体例として挙げられる。
 ここでいうアミノ酸類は炭素数が4〜30であるものが好ましく、具体的にはリシン、アルギニン、γ−アミノシクロヘキシルカルボン酸、p−アミノヒドロシンナミック酸、ロイシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファンなどが挙げられる。
 なお、上記のアミノ酸類において、カルボキシル基は、メチルエステル、エチルエステル、ベンジルエステル等の保護された形態であってもよい。
 上記した有機カチオンを層状無機化合物に添加することによって、有機化された層状無機化合物を得ることができる。
 有機カチオンの添加に先立ち、層状無機化合物は膨潤化されていることが好ましい。膨潤化処理は、具体的には、層状無機化合物を(i)水、(ii)水と任意の割合で混和する極性有機溶媒または(iii)水と該極性有機溶媒の混合溶媒中に浸漬することによって実施することができる。この際、十分に攪拌を行うことが望ましい。
 極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール,1,4−ブタンジオール等のジオール類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。
 有機化された層状無機化合物は、濾過、遠心分離等の常法に従って取得することができる。取得された層状無機化合物は、過剰量の有機カチオンを十分に洗浄して除去した後、乾燥することが望ましい。
 有機カチオンの添加量は、例えば、カラム浸透法(「粘土ハンドブック」第576〜577頁、技法堂出版 参照)や、メチレンブルー吸着量測定法(日本ベントナイト工業会標準試験法、JBAS−107−91 参照)等の方法で層状無機化合物の陽イオン交換容量(CEC)を測定し、該測定値に基づいて決定することができる。有機カチオンの添加量は、CECに対して1当量以上であることが好ましく、1当量から10当量の範囲内であることがより好ましい。
 次に本発明のオレフィン系重合体組成物の構成成分(c)である樹脂系相溶化剤について説明する。
 本発明で使用する樹脂系相溶化剤は、成分(a)として使用するオレフィン系重合体と相容性を有し、極性官能基を分子内に有する極性重合体である。
 例えば、成分(c)として上記成分(a)オレフィン系重合体と相容性を有しないものを用いた場合、オレフィン系重合体中で上述の(b)層状無機化合物を十分に分散させることができず、得られるオレフィン系重合体組成物のガスバリア性を改良することができないので、好ましくない。
 オレフィン系重合体と相溶性を有する重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系重合体;ポリブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体;ポリスチレン等のスチレン系重合体;ポリビニルメチルエーテル;ポリメタクリル酸メチル;スチレン−アクリロニトリル共重合体;スチレン−共役ジエンブロック共重合体またはその水素添加物、ポリエステル系重合体などが挙げられるが、樹脂系相溶化剤(c)としては、これらの重合体を基本構造とし、極性官能基を分子内に有する極性重合体を使用することができる。
 上記したポリオレフィン系重合体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、シクロペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、シクロヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、シクロヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、シクロオクテン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘプテン、ビニルシクロオクテン等のオレフィン系化合物;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルー1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等のジエン系化合物類の単独重合体または共重合体などが挙げられる。また、ポリオレフィン系重合体中に含まれる脂肪族炭素−炭素二重結合を水素添加したものを使用することもできる。
 スチレン系重合体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−,m−またはp−メチルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン、o−,m−またはp−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等の芳香族ビニル化合物の単独重合体または共重合体などが挙げられる。
 また、ポリエステル系重合体としては、例えば、エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ジ(ヒドロキメチル)ベンゼン等のジオール成分と、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸成分との縮重合で得られる重合体などが挙げられる。また、乳酸等のヒドロキシカルボン酸の単独または共縮重合体も好適に用いられる。さらにはカプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合体も好適に用いられる。
 樹脂系相溶化剤(c)における極性官能基は、得られるオレフィン系重合体組成物において、層状無機化合物の凝集、不均一分散を抑制し、層状無機化合物が十分に微分散されるようにするために、層状無機化合物と親和性あるいは反応性を有していることが好ましい。樹脂系相溶化剤(c)における極性官能基としては、例えば、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、カルボキシル基またはその塩、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、酸無水物基、アルデヒド基、アセタール基、アミド基、イミド基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホン酸基またはその誘導体、エポキシ基などが挙げられるが、水酸基、カルボキシル基またはその塩、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、酸無水物基、エポキシ基が好ましく、カルボキシル基またはその塩、アルコキシカルボニル基、酸無水物基がより好ましく、カルボキシル基またはその塩、酸無水物基が特に好ましい。
 樹脂系相溶化剤(c)は、1種類の極性官能基のみを有していてもよいし、2種以上の極性官能基を有していてもよい。
 樹脂系相溶化剤(c)中の極性官能基の含有量は、樹脂系相溶化剤として使用される極性重合体を構成する繰り返し単位の総モル数に対して0.05モル%以上50モル%以下であることが好ましい。使用するオレフィン系重合体(a)、層状無機化合物(b)の種類、それらの使用量にもよるが、樹脂系相溶化剤(c)中の極性官能基の含有量が樹脂系相溶化剤として使用される極性重合体を構成する繰り返し単位の総モル数に対して0.05モル%未満の場合、オレフィン系重合体(a)中に層状無機化合物(b)を均一に分散させる効果が不十分となる場合があり、逆に樹脂系相溶化剤(c)中の極性官能基の含有量が樹脂系相溶化剤として使用される極性重合体を構成する繰り返し単位の総モル数に対して50モル%を超えると、オレフィン系重合体組成物を製造あるいは加工する際にゲル等が発生する場合がある。
 極性官能基は、(c)樹脂系相溶化剤として使用される極性重合体の分子鎖の片末端または両末端、分子鎖の途中または側鎖のいずれに含まれていてもよい。
 極性重合体における極性官能基の分布に制限はなく、例えば、規則的な分布、ブロック状の分布、ランダム状の分布、テーパー状の分布、これらの全部または一部が混在している分布などであってもよい。
 樹脂系相溶化剤(c)として使用される極性重合体は、製造工程において、i)極性官能基を含有する化合物を重合停止剤として反応させる方法、ii)極性官能基を含有する化合物を共重合あるいは付加させる方法などによって製造することができる。
 極性官能基を含有する化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等のα,β−不飽和カルボン酸のアルキルエステル;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類;グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和化合物;イタコン酸、マレイン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸;無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸の無水物;アクリルアミン、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピル、アミノスチレン等のアミノ基含有不飽和化合物;3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基含有不飽和化合物;ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール;ホルムアルデヒド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル;アクリルアミド、ビニルオキサゾリン、酢酸ビニル、などが挙げられ、これらの内の1種、または2種以上を使用することができる。
 樹脂系相溶化剤(c)として使用される極性重合体は、必要に応じて、ケン化されていてもよいし、アルカリ金属やアルカリ土類金属との塩の形態となっていてもよい。さらには、樹脂系相溶化剤(c)として使用される極性重合体は、多価金属によって架橋された、アイオノマーの構造を有していてもよい。
 樹脂系相溶化剤(c)として使用される極性重合体の数平均分子量は、通常500〜500,000の範囲内であり、1,000〜300,000の範囲内であることが好ましい。
 上記した、極性重合体の具体例を以下に示す。
(イ)カルボキシル基またはその塩を有する極性重合体
 エチレン/アクリル酸共重合体、プロピレン/アクリル酸共重合体、エチレン/プロピレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、プロピレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/プロピレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/ブテン/アクリル酸共重合体、エチレン/ブテン/メタクリル酸共重合体、エチレン/ヘキセン/アクリル酸共重合体、エチレン/ヘキセン/メタクリル酸共重合体、エチレン/オクテン/アクリル酸共重合体、エチレン/オクテン/メタクリル酸共重合体、またはこれらの金属塩。
(ロ)酸無水物基を有する極性重合体
 エチレン/無水マレイン酸共重合体、プロピレン/無水マレイン酸共重合体、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/無水マレイン酸共重合体、エチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/ヘキセン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/オクテン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体。
 無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン/プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン/プロピレン/ブタジエン共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン/オクテン共重合体、無水マレイン酸変性ポリスチレン。
 無水マレイン酸変性(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体)、無水マレイン酸変性(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体)、無水マレイン酸変性〔ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体〕、無水マレイン酸変性(ポリスチレン−ポリイソブテン−ポリスチレントリブロック共重合体)。
(ハ)アルコキシカルボニル基を有する重合体
 エチレン/エチルアクリレート共重合体、プロピレン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/プロピレン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/エチルメタクリレート共重合体、プロピレン/エチルメタクリレート共重合体、エチレン/プロピレン/エチルメタクリレート共重合体、エチレン/ブテン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/ブテン/エチルメタクリレート共重合体、エチレン/ヘキセン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/ヘキセン/エチルメタクリレート共重合体、エチレン/オクテン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/オクテン/エチルメタクリレート共重合体。
(ニ)水酸基を有する極性重合体
 エチレン/アリルアルコール共重合体、プロピレン/アリルアルコール共重合体、エチレン/プロピレン/アリルアルコール共重合体、エチレン/メタリルアルコール共重合体、プロピレン/メタリルアルコール共重合体、エチレン/プロピレン/メタリルアルコール共重合体、エチレン/ブテン/アリルアルコール共重合体、エチレン/ブテン/メタリルアルコール共重合体、エチレン/ヘキセン/アリルアルコール共重合体、エチレン/ヘキセン/メタリルアルコール共重合体、エチレン/オクテン/アリルアルコール共重合体、エチレン/オクテン/メタリルアルコール共重合体。
 エチレン/2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、プロピレン/2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、エチレン/プロピレン/2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、エチレン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、プロピレン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、エチレン/プロピレン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、エチレン/ブテン/2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、エチレン/ブテン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、エチレン/ヘキセン/2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、エチレン/ヘキセン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、エチレン/オクテン/2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、エチレン/オクテン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体。
 片末端あるいは両末端ヒドロキシポリエチレン、片末端あるいは両末端ヒドロキシポリプロピレン、片末端あるいは両末端ヒドロキシポリエチレン/プロピレン共重合体、片末端あるいは両末端ヒドロキシポリエチレン/プロピレン/ブタジエン共重合体、片末端あるいは両末端ヒドロキシポリスチレン。
 片末端あるいは両末端ヒドロキシポリブタジエン、片末端あるいは両末端ヒドロキシポリイソプレン、片末端あるいは両末端ヒドロキシポリ(イソプレン/ブタジエン)またはこれらの水素添加物。
 片末端あるいは両末端ヒドロキシ(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体)、片末端あるいは両末端ヒドロキシ(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体)、片末端あるいは両末端ヒドロキシ(ポリスチレン−ポリ(ブタジエン/イソプレン)−ポリスチレントリブロック共重合体)またはこれらの水素添加物。片末端あるいは両末端ヒドロキシ(ポリスチレン−ポリイソブテン−ポリスチレン共重合体)。
(ホ)エポキシ基を有する重合体
 エチレン/グリシジルアクリレート共重合体、プロピレン/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/プロピレン/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、プロピレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/プロピレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/ブテン/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/ブテン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/ヘキセン/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/ヘキセン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/オクテン/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/オクテン/グリシジルメタクリレート共重合体。
 なお、上記した(ロ)の酸無水物基を有する極性重合体をアルカリ等で中和することにより、カルボキシル基またはその塩を有する重合体を得ることができる。また、上記した(ロ)の酸無水物基を有する極性重合体をアンモニアやアミン類で中和し、必要に応じて脱水することにより、アミド基を有する重合体あるいはイミド基を有する重合体を得ることができる。
 樹脂系相溶化剤(c)としては、上記した極性重合体の1種、または2種以上の混合物を使用することができる。
 本発明のオレフィン系重合体組成物を構成する、成分(a)のオレフィン系重合体、成分(b)の層状無機化合物、および成分(c)の樹脂系相溶化剤の重量比は、使用する各成分の種類、得られるオレフィン系重合体組成物として要求される物性に応じて適宜決定されるが、通常、以下の範囲である。
 成分(b)/成分(a)=0.01/100〜200/100、かつ
 成分(c)/成分(a)=0.01/100〜5000/100。
 層状無機化合物(b)の使用量が上記の範囲を越えると、得られるオレフィン系重合体組成物の成形性等の物性が低下する場合がある。逆に、層状無機化合物(b)の使用量が上記の範囲より少ないと、層状無機化合物の添加による機械的物性やガスバリア性の改良効果が発揮されない場合がある。層状無機化合物(b)の使用量は、以下の範囲であることが好ましい。
 成分(b)/成分(a)=0.03/100〜150/100 (重量比)
 また、樹脂系相溶化剤(c)の使用量が上記の範囲を越えると、得られるオレフィン系重合体組成物の成形性等の物性が低下する場合がある。逆に、樹脂系相溶化剤(c)の使用量が上記の範囲より少ないと、層状無機化合物をオレフィン系重合体(a)中に十分に微分散させることが困難となり、層状無機化合物の添加による機械的物性やガスバリア性の改良効果が発揮されない場合がある。樹脂系相溶化剤(c)の使用量は、以下の範囲であることが好ましい。
 成分(c)/成分(a)=0.03/100〜3000/100 (重量比)
 本発明のオレフィン系重合体組成物には、本発明の趣旨を損なわない限り、通常のオレフィン系重合体組成物に配合される各種添加物を添加しても差し支えない。ここでいう各種添加物としては、紫外線吸収剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、可塑剤、各種オイル、各種鉱物油、発泡剤、結晶核剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、架橋剤、難燃剤、防カビ剤、低収縮剤、増粘剤、離型剤、防曇剤、ブルーイング剤、シランカップリング剤、補強材(例えば、カーボンブラック、炭素繊維、ガラス繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、液晶ポリエステル繊維など)、充填材、酸化防止剤、抗菌剤などが挙げられる。
 また、本発明のオレフィン系樹脂には、本発明の趣旨を損なわない限り、通常のオレフィン系重合体組成物に配合される他の重合体を添加しても差し支えない。ここでいう重合体としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS等のスチレン系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアセタール樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂等を添加することができる。
 本発明のオレフィン系重合体組成物は、成分(a)のオレフィン系重合体、成分(b)の層状無機化合物および成分(c)の樹脂系相溶化剤、並びに必要に応じて、各種添加物や他の重合体を、常法に従って溶融混練することによって調製することができる。溶融混練は、例えば、バンバリーミキサー、プラストミル、一軸押出機、二軸押出機等を使用して実施することができる。
 混練に際し、各成分の添加順序には特に制限はないが、
(イ)オレフィン系重合体(a)、層状無機化合物(b)および樹脂系相溶化剤(c)を一括して混合し、溶融混練りする方法、あるいは
(ロ)オレフィン系重合体(a)と樹脂系相溶化剤(c)を溶融混練して組成物とした後、層状無機化合物(b)を添加し、溶融混練する方法、
(ハ)層状無機化合物(b)と樹脂系相溶化剤(c)を溶融混練して組成物とした後、オレフィン系重合体(a)を添加し、溶融混練する方法、
などが挙げられるが、(ハ)として示される方法が好ましい。
 なお、(ハ)の方法においては、(b)層状無機化合物と(c)樹脂系相溶化剤からなる組成物を一旦ペレット状とした後、(a)オレフィン系重合体を添加し、溶融混練してもよいし、溶融混練によって調製した(b)層状無機化合物と(c)樹脂系相溶化剤からなる溶融状態の組成物に、(a)オレフィン系重合体をサイドフィード等によって添加し、混練してもよい。
 また、溶融混練以外にも、例えば、
(ニ)有機溶媒中で上記(a)オレフィン系重合体、(b)層状無機化合物および(c)樹脂系相溶化剤を混合する方法、
(ホ)有機溶媒に分散させた状態の(b)層状無機化合物を(a)オレフィン系重合体と(c)樹脂系相溶化剤に添加する方法、
等によっても、本発明のスチレン系エラストマー組成物を調製することができる。
 また、必要に応じて使用される各種添加物や他の重合体は、予めオレフィン系重合体(a)あるいは樹脂系相溶化剤(c)に配合しておいてもよいし、オレフィン系重合体(a)、樹脂系相溶化剤(c)とは別個の成分として配合してもよい。
 上記のようにして調製される、本発明のオレフィン系重合体組成物においては、(b)層状無機化合物の層間距離が20オングストローム以上となっていることが必要である。
 本発明においては、前記(b)層状無機化合物として、極性官能基を有する有機カチオンによって有機化されたものを使用すること、前記(c)樹脂系相溶化剤を使用することに加えて、オレフィン系重合体組成物中で当該(b)層状無機化合物が上記のような層間距離を有することによって初めて、ガスバリア性が改良されたオレフィン系重合体組成物を得ることが可能となる。
 また、(b)層状無機化合物の層間距離が大きくなるに伴い、本発明のオレフィン系重合体組成物は、ガスバリア性が向上する傾向を有することが見出された。
 本発明のオレフィン系重合体組成物において、層状無機化合物の層間距離は25オングストローム以上であることが好ましく、30オングストローム以上であることがより好ましく、35オングストローム以上であることがさらに好ましく、44オングストローム以上であることが非常に好ましい。
 ここで、(b)層状無機化合物の層間距離は、広角X線回折を利用して検出される、層状無機化合物の(001)面に対応するピークに基づいて求めることができる。
 本発明において、層状無機化合物における層間距離は、具体的には以下の方法で求める。
層状無機化合物の層間距離測定:
 オレフィン系重合体組成物から作製したフィルム(直径:4.5mm、厚さ:0.1mm)を用い、広角X線回折(XRD)測定装置[RINT 2400 X-RAY DIFFRACTOMETER(日本理学製)]を使用して、測定角度(2θ):2〜12度、スキャン速度:0.2度/分の条件で、X線回折パターンを測定する。
 層状無機化合物に由来する、X線回折ピークの(001)面に対応するピークに基づいて、下記の式を用いて、層間距離d(オングストローム)を算出する。
 d=λ/2sinθ
 λ=1.54 (オングストローム)
 本発明のオレフィン系重合体組成物においては、有機化された(b)層状無機化合物の各層が完全に剥離した状態であることが非常に好ましい。従って、本発明においては、(b)層状無機化合物の層間距離には上限を設けていない。
 本発明においては、オレフィン系重合体組成物を広角X線回折によって測定した際に、(b)層状無機化合物に由来するピークが完全に消失したことを以って、(b)層状無機化合物の各層が完全に剥離した状態であると判断する。このような状態の本発明のオレフィン系重合体組成物は、オレフィン系重合体のガスバリア性が非常に良好であるので、非常に好ましい。また、このような状態の本発明のオレフィン系重合体組成物は、含まれる(b)層状無機化合物が少量であっても当該組成物中に良好に分散するので、層状無機化合物を多量に組成物に添加した場合に生じるオレフィン系重合体の成形性等の諸特性を損なうといった問題がなく、しかも低コストで、ガスバリア性、機械的特性を改良することが可能である。
 本発明のオレフィン系重合体組成物は、射出成形、押出成形、圧縮成形、インフレーション成形、ブロー成形、カレンダー成形、回転成形等の、通常用いられる成形法によって、フィルム、シート、成形容器、ブロー容器等の成形品に加工することができる。
 この場合、溶融混練によって調製されたオレフィン系重合体組成物そのまま成形に利用してもよいし、一旦ペレット化した後に成形してもよい。
 また、本発明のオレフィン系重合体組成物は、他の材料と複合化することによって、各種積層構造体に加工することも可能である。他の材料としては、例えば、本発明のオレフィン系重合体組成物以外の他の各種熱可塑性樹脂またはその組成物、熱硬化性樹脂、紙、布帛、金属、木材、セラミックスなどが挙げられる。
 本発明のオレフィン系重合体組成物から得られる積層構造体としては、何ら限定されるものではないが、例えば、本発明のオレフィン系重合体組成物よりなる層の1層と他の材料よりなる層の1層が積層した2層構造体、他の材料よりなる2つの表面層(表裏面層)の間に本発明のオレフィン系重合体組成物よりなる層が中間層として存在する3層構造体、他の材料よりなる1つの層の表裏面に本発明のオレフィン系重合体組成物よりなる層が積層された3層構造体などを挙げることができる。
 積層構造体は、公知の方法、例えば、(i)前記した他の材料を本発明のオレフィン系重合体組成物で溶融被覆して積層構造体を製造する方法、(ii)2つ以上の他の材料の間に本発明のオレフィン系重合体組成物を溶融下に導入して接着、一体化させる方法、(iii)他の材料を金型内に配置(インサート)した状態で本発明のオレフィン系重合体組成物を溶融下に金型内に充填して接着、一体化させる方法、(iv)他の材料が熱可塑性である場合は本発明のオレフィン系重合体組成物と他の材料を共押出成形して接着、一体化させる方法などによって製造することができる。
 また、本発明のオレフィン系重合体組成物は、必要に応じ、各種製品や上記の積層構造体の製造において、ホットメルト接着剤として使用することもできる。
 本発明の熱可塑性オレフィン系重合体組成物を使用してなるホットメルト接着剤においては、その形態は特に制限されず、例えば、ペレットなどの粒状体、棒状体、フィルム、シート、板状体などの任意の形状をとり得る。
 本発明のオレフィン系重合体組成物においては、(b)層状無機化合物が十分に微分散されているので、ガスバリア性が著しく向上している。また、機械的特性も良好である。
 ガスバリア性は、例えば、酸素透過係数で表現することができる。一方、本発明のオレフィン系重合体組成物の酸素透過係数Pは、(b)層状無機化合物の分散状態との相関性が認められ、分散状態を示す指標と捉えることができる。従って、使用する各成分の種類、物性および使用量が同じであれば、オレフィン系重合体組成物中で(b)層状無機化合物の分散状態が良好であるほど、すなわち、(b)層状無機化合物の層間距離が大きくなるほど、好ましくは、(b)層状無機化合物の各層が完全に剥離し、かつ(b)層状無機化合物が組成物中で微分散すると、酸素透過係数Pの値は小さくなり、ガスバリア性は良好になると考えてよい。
 中でも望ましい実施態様においては、本発明のオレフィン系重合体組成物の酸素透過係数Pと、成分(a)のオレフィン系重合体の酸素透過係数PPOと、オレフィン系重合体組成物における層状無機化合物の重量分率ΦFとの間に、下記の関係式(1)が成立する。ここで、「オレフィン系重合体組成物の酸素透過係数P」および「(a)オレフィン系重合体の酸素透過係数PPO」とは、後述の「酸素透過係数PおよびPPOの測定方法」で説明するように、オレフィン系重合体組成物および(a)オレフィン系重合体をそれぞれフィルム状に成形して測定した酸素透過係数を意味する。
 P<0.4×PPO×(1−ΦF)/(1+ΦF/2)   (1)
(式中、ΦFは、層状無機化合物の無機成分のみの重量分率である)
 かかる関係式(1)が成立する場合、本発明のオレフィン系重合体組成物のガスバリア性向上は十分なレベルにある。特に、このような本発明のオレフィン系重合体組成物は、ガスバリア性が要求される物品、すなわちガスバリア性物品用の材料として実用に供することができるものである。
 本発明においては、(a)オレフィン系重合体の酸素透過係数PPOおよびオレフィン系重合体組成物の酸素透過係数Pは、具体的には以下の方法で求めることができる。
酸素透過係数PおよびP PO の測定方法:
 オレフィン系重合体組成物から作製した厚さが0.1mmのフィルムを使用して、ガス透過性試験装置〔柳本ガスクロマトグラフG2800T(株式会社柳本製作所製)〕を用い、35℃、50%RHの条件下でJIS K7126(等圧法)に記載の方法に準じて酸素透過量を測定し、この値から酸素透過係数Pを算出する。また、(a)オレフィン系重合体から作製した厚さが0.1mmのフィルムを使用して、同様の方法で酸素透過係数PPOを算出する。
 オレフィン系重合体組成物の酸素透過係数Pと、(a)オレフィン系重合体の酸素透過係数PPOとの間に上記の関係式(1)が成立しない組成物は、求めるガスバリア性を発現するために多量の(b)層状無機化合物の添加が必要であり、その結果、オレフィン系重合体組成物の成形性等の諸特性の低下の問題が生じるため好ましくない。
 本発明により得られるオレフィン系重合体組成物は、ガスバリア性物品(例えば、各種食品包装容器、農業用包装材、医療用包装材、ガソリンタンク、化粧品容器、薬剤容器、医薬品包装材、ラミネート品、各種容器用のフィルムやシート、キャップなどの蓋材等)、自動車部品等の各種物品への用途に使用することができる。
 中でも、本発明により得られるオレフィン系重合体組成物は、ガスバリア性と機械的特性とが共に生かされる、蓋材、包装材料用の材料として特に適している。
 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されるものではない。
 なお、実施例および比較例においては、酸素透過係数の測定およびオレフィン系重合体組成物中の層状無機化合物の層間距離の測定は、上述の方法で行った。
 ジ(2−ヒドロキシエチル)メチルドデシルアンモニウムイオンで処理した合成雲母〔(株)コープケミカル製、商品名:MEE;無機物含有量:70重量%〕10gとエチレン/アクリル酸共重合樹脂〔樹脂系相溶化剤;(株)日本ポリケム製、商品名:ノバテックEAA A210K〕23gを、ラボプラストミル〔(株)東洋精機製作所製〕を使用して溶融混練した〔スクリュー回転数:100rpm〕後、低密度ポリエチレン〔LDPE;日本ポリケム(株)製、商品名:ノバテックLD LC604〕67gを加え、さらに溶融混練し〔スクリュー回転数:100rpm〕、室温まで冷却してオレフィン系重合体組成物を得た。
 得られたオレフィン系重合体組成物を使用して、プレス成形を行い、フィルムを作製した。得られたフィルムの酸素透過係数Pを前記した方法で測定したところ、5,100cc・20μm/m・day・atmであった。また、オレフィン系重合体組成物中の層状無機化合物の層間距離を前記した方法で測定したところ、X線回折パターンにおいて、合成雲母に由来するピークは完全に消失しており、層間距離が44オングストローム以上であることが確認できた。
対照例1
 低密度ポリエチレン〔LDPE;(株)日本ポリケム製、商品名:ノバテックLD LC604〕を、ラボプラストミル〔(株)東洋精機製作所製〕を使用して溶融し、室温まで冷却した後にプレス成形を行い、フィルムを作製した。得られたフィルムの酸素透過係数PLDPE〔これは前出の関係式(1)におけるPpoに該当する〕を前記した方法で測定したところ、35,300cc・20μm/m・day・atmであった。
比較例1
 ジ(2−ヒドロキシエチル)メチルドデシルアンモニウムイオンで処理した合成雲母〔(株)コープケミカル製、商品名:MEE;無機物含有量:70重量%〕10gに代えて無処理合成雲母〔層状無機化合物;(株)コープケミカル製、商品名:ME100〕10gを使用したこと以外は実施例1と同様にしてオレフィン系重合体組成物を得た。
 得られたオレフィン系重合体組成物を使用して、プレス成形を行い、フィルムを作製した。得られたフィルムの酸素透過係数Pを前記した方法で測定したところ、18,000cc・20μm/m・day・atmであった。また、オレフィン系重合体組成物中の層状無機化合物の層間距離を前記した方法で測定したところ、12.1オングストロームであった。
 エチレン/アクリル酸共重合樹脂〔(株)日本ポリケム製、商品名:ノバテックEAA A210K〕23gに代えてグリシジルメタクリレート(GMA)とエチレンの共重合体〔住友化学工業(株)社製、商品名:ボンドファーストE〕23gを使用したこと以外は実施例1と同様にしてオレフィン系重合体組成物を得た。
 得られたオレフィン系重合体組成物を使用して、プレス成形を行い、フィルムを作製した。得られたフィルムの酸素透過係数Pを前記した方法で測定したところ、13,600cc・20μm/m2・day・atmであった。また、オレフィン系重合体組成物中の層状無機化合物の層間距離を前記した方法で測定したところ、29.0オングストロームであった。
 ジ(2−ヒドロキシエチル)メチルドデシルアンモニウムイオンで処理した合成雲母〔(株)コープケミカル製、商品名:MEE;無機物含有量:70重量%〕10gとエチレン/メタアクリル酸共重合樹脂〔三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名:ニュクレル N1560〕23gを、ラボプラストミル〔(株)東洋精機製作所製〕を使用して溶融混練した〔スクリュー回転数:100rpm〕後、オレフィン系エラストマー〔デュポン・ダウ・エラストマー製、商品名:エンゲージ EG8200〕67gを加え、さらに溶融混練し〔スクリュー回転数:100rpm〕、室温まで冷却してオレフィン系重合体組成物を得た。
 得られたオレフィン系重合体組成物を使用して、プレス成形を行い、フィルムを作製した。得られたフィルムの酸素透過係数Pを前記した方法で測定したところ、21,000cc・20μm/m・day・atmであった。また、オレフィン系重合体組成物中の層状無機化合物の層間距離を前記した方法で測定したところ、X線回折パターンにおいて、合成雲母に由来するピークは完全に消失しており、層間距離が44オングストローム以上であることが確認できた。
対照例2
 オレフィン系エラストマー〔デュポン・ダウ・エラストマー製、商品名:エンゲージ EG8200〕をラボプラストミル〔(株)東洋精機製作所製〕を使用して溶融し、室温まで冷却した後にプレス成形を行い、フィルムを作製した。得られたフィルムの酸素透過係数PEngage〔これは前出の関係式(1)におけるPpoに該当する〕を前記した方法で測定したところ、126,000cc・20μm/m・day・atmであった。
比較例2
 ジ(2−ヒドロキシエチル)メチルドデシルアンモニウムイオンで処理した合成雲母〔(株)コープケミカル製、商品名:MEE;無機物含有量:70重量%〕10gに代えて無処理合成雲母〔層状無機化合物;(株)コープケミカル製、商品名:ME100〕10gを使用したこと以外は実施例3と同様にしてオレフィン系重合体組成物を得た。
 得られたオレフィン系重合体組成物を使用して、プレス成形を行い、フィルムを作製した。得られたフィルムの酸素透過係数Pを前記した方法で測定したところ、68,500cc・20μm/m・day・atmであった。また、オレフィン樹脂組成物中の層状無機化合物の層間距離を前記した方法で測定したところ、12.1オングストロームであった。
 エチレン/メタアクリル酸共重合樹脂〔三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名:ニュクレル N1560〕23gに代えてグリシジルメタクリレート(GMA)とエチレンの共重合体〔住友化学工業(株)製、商品名:ボンドファースト E〕23gを使用したこと以外は実施例3と同様にしてオレフィン系重合体組成物を得た。
 得られたオレフィン系重合体組成物を使用して、プレス成形を行い、フィルムを作製した。得られたフィルムの酸素透過係数Pを前記した方法で測定したところ、51,000cc・20μm/m・day・atmであった。また、オレフィン樹脂組成物中の層状無機化合物の層間距離を前記した方法で測定したところ、29.0オングストロームであった。
 ジ(2−ヒドロキシエチル)メチルドデシルアンモニウムイオンで処理した合成雲母〔(株)コープケミカル製、商品名:MEE;無機物含有量:70重量%〕10gと無水マレイン酸変性ポリプロピレン〔(株)三洋化成工業製、商品名:ユーメックス1001〕23gを、ラボプラストミル〔(株)東洋精機製作所製〕を使用して溶融混練した〔スクリュー回転数:100rpm〕後、ポリプロピレン〔日本ポリオレフィン(株)製、商品名:サンアロマーPL500A〕67gを加え、さらに溶融混練し〔スクリュー回転数:100rpm〕、室温まで冷却してオレフィン系重合体組成物を得た。
 得られたオレフィン系重合体組成物を使用して、プレス成形を行い、フィルムを作製した。得られたフィルムの酸素透過係数Pを前記した方法で測定したところ、1,100cc・20μm/m・day・atmであった。また、オレフィン系重合体組成物中の層状無機化合物の層間距離を前記した方法で測定したところ、X線回折パターンにおいて、合成雲母に由来するピークは完全に消失しており、層間距離が44オングストローム以上であることが確認できた〔図1に、このオレフィン系重合体組成物から得られたフィルム(厚さ:0.1mm)のX線回折パターンを示す〕。
 さらに、本発明のオレフィン系重合体組成物における分散状態を確認するため、以下の観察を行った。
 実施例5で得られたオレフィン系重合体組成物から得られたシート(厚さ:1mm)をウルトラミクロトーム(商品名、ライカ社製)を使用して凍結超薄切片とした後、四酸化オスミウムで染色し、透過型電子顕微鏡(TEM; H−800NA型、日立製作所製;測定条件:加速電圧100KV)観察を行った。断面写真を図4に示す。
 図4において、実施例5のオレフィン系重合体組成物では、層状無機化合物が完全に層間剥離し、十分に分散していることが理解できる。
対照例3
 ポリプロピレン〔日本ポリオレフィン(株)製、商品名:サンアロマーPL500A〕をラボプラストミル〔(株)東洋精機製作所製〕を使用して溶融し、室温まで冷却した後にプレス成形を行い、フィルムを作製した。得られたフィルムの酸素透過係数PPP〔これは前出の関係式(1)におけるPpoに該当する〕を前記した方法で測定したところ、9,300cc・20μm/m・day・atmであった。
比較例3(1)
 ジ(2−ヒドロキシエチル)メチルドデシルアンモニウムイオンで処理した合成雲母〔(株)コープケミカル製、商品名:MEE;無機物含有量:70重量%〕10gに代えて無処理合成雲母〔層状無機化合物;(株)コープケミカル製、商品名:ME100〕10gを使用したこと以外は実施例5と同様にしてオレフィン系重合体組成物を得た。
 得られたオレフィン系重合体組成物を使用して、プレス成形を行い、フィルムを作製した。得られたフィルムの酸素透過係数Pを前記した方法で測定したところ、6,200cc・20μm/m・day・atmであった。また、オレフィン系重合体組成物中の層状無機化合物の層間距離を前記した方法で測定したところ、12.1オングストロームであった〔図2に、このオレフィン系重合体組成物から得られたフィルム(厚さ:0.1mm)のX線回折パターンを示す〕。
比較例3(2)
 ジ(2−ヒドロキシエチル)メチルドデシルアンモニウムイオンで処理した合成雲母〔(株)コープケミカル製、商品名:MEE;無機物含有量:70重量%〕10gに代えてジメチルジオクタデシルアンモニウムイオンで処理した合成雲母〔(株)コープケミカル製、商品名:MAE〕10gを使用したこと以外は実施例5と同様にしてオレフィン系重合体組成物を得た。
 得られたオレフィン系重合体組成物を使用して、プレス成形を行い、フィルムを作製した。得られたフィルムの酸素透過係数Pを前記した方法で測定したところ、2,500cc・20μm/m・day・atmであった。また、オレフィン系重合体組成物中の層状無機化合物の層間距離を前記した方法で測定したところ、32.0オングストロームであった〔図3に、このオレフィン系重合体組成物から得られたフィルム(厚さ:0.1mm)のX線回折パターンを示す〕。
 本発明によれば、ガスバリア性が向上し、機械的特性も良好なオレフィン系重合体組成物が提供される。
実施例5で得られたオレフィン系重合体組成物からなるフィルムの広角X線回折パターンである。 比較例3(1)で得られたオレフィン系重合体組成物からなるフィルムの広角X線回折パターンである。2つのピークのうち、左側のピークは層状無機化合物の(001)面に対応するピークであり、右側のピークは層状無機化合物の(002)面に対応するピークである。 比較例3(2)で得られたオレフィン系重合体組成物からなるフィルムの広角X線回折パターンである。2つのピークのうち、左側のピークは層状無機化合物の(001)面に対応するピークであり、右側のピークは層状無機化合物の(002)面に対応するピークである。 実施例5で得られたオレフィン系重合体組成物からなるシートの超薄切片断面を透過型電子顕微鏡にて観察した写真である。 実施例5で得られたオレフィン系重合体組成物中での層状無機化合物(合成雲母)の分散状態を示した模式図である。

Claims (14)

  1.  (a)オレフィン系重合体、
    (b)極性官能基を分子内に含有する有機カチオンにより有機化された層状無機化合物、および
    (c)当該(a)オレフィン系重合体と相容性を有し、極性官能基を分子内に有する極性重合体、からなるオレフィン系重合体組成物であって、
    当該組成物中の当該(b)有機化された層状無機化合物の層間距離が20オングストローム以上であることを特徴とする、オレフィン系重合体組成物。
  2.  広角X線回折測定パターンにおいて、前記(b)層状無機化合物に由来するピークが完全に消失していることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系重合体組成物。
  3.  成分(c)の極性重合体が、極性官能基を分子内の構造単位の全量に対し0.05モル%以上含有する重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のオレフィン系重合体組成物。
  4.  前記有機カチオンが、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基および酸無水物基から選ばれる少なくとも1種の極性官能基を分子内に含有する有機カチオンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン系重合体組成物。
  5.  前記有機カチオンが、水酸基を分子内に含有する有機カチオンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン系重合体組成物。
  6.  成分(a)のオレフィン系重合体が、極性官能基を分子内の構造単位の全量に対し0.05モル%未満の割合で含有するオレフィン系重合体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のオレフィン系重合体組成物。
  7.  成分(c)の極性重合体が有する極性官能基が、カルボキシル基、カルボキシル基の塩または酸無水物基から選ばれる少なくとも1種の官能基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン系重合体組成物。
  8.  成分(a)、成分(b)および成分(c)の重量割合が、
    成分(b)/成分(a)=0.01/100〜200/100、かつ
    成分(c)/成分(a)=0.01/100〜5000/100
    である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のオレフィン系重合体組成物。
  9.  オレフィン系重合体組成物の酸素透過係数Pと、成分(a)のオレフィン系重合体の酸素透過係数PPOと、成分(b)の層状無機化合物がオレフィン系重合体組成物において占める重量分率ΦFとの間に下記の関係式(1)が成立する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のオレフィン系重合体組成物。
      P<0.4×PPO×(1−ΦF)/(1+ΦF/2)   (1)
  10.  (a)オレフィン系重合体、
    (b)極性官能基を分子内に含有する有機カチオンにより有機化された層状無機化合物、および
    (c)当該(a)オレフィン系重合体と相容性を有し、極性官能基を分子内に有する極性重合体
    を溶融混練によって配合することからなる、請求項1記載のオレフィン系重合体組成物の製造方法。
  11.  (b)極性官能基を分子内に含有する有機カチオンにより有機化された層状無機化合物と(c)極性重合体とを溶融混練して組成物を調製すること、および
    当該組成物と(a)オレフィン系重合体とを溶融混練すること
    からなる、請求項1記載のオレフィン系重合体組成物の製造方法。
  12.  請求項1〜9のいずれか1項に記載されたオレフィン系重合体組成物からなる物品。
  13.  請求項1〜9のいずれか1項に記載されたオレフィン系重合体組成物からなるガスバリア性物品。
  14.  蓋材または包装材料である、請求項12または13の物品。
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