JP2004268776A - 燃焼式ヒータ制御装置 - Google Patents

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Shoichi Ozaki
正一 尾崎
Masayoshi Okumura
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Abstract

【課題】着火完了までの所要時間を短縮して、暖房フィーリングの悪化を防止できる燃焼式ヒータ制御装置を提供する。
【解決手段】燃料を燃焼室131a内に供給する燃料供給手段170と、燃料に混合される空気を供給する空気供給手段180と、燃料を加熱して着火させる加熱手段136と、燃料供給手段170、空気供給手段180、加熱手段136を作動、停止させることによって燃料の着火状態あるいは消火状態を作り、着火状態時の燃焼ガスによって加熱される外部流体の温度Twを予め定めた下限側温度T1から目標温度T3の間に制御する制御装置200とを有する燃焼式ヒータ制御装置において、制御装置200は、燃料を消火状態としている間に、空気供給手段180および加熱手段136のうち、少なくとも加熱手段136を作動状態とする待機モードを実行する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用暖房装置に用いて好適な燃焼式ヒータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃焼式ヒータは、例えば非特許文献1に示されるように、車両用暖房装置のヒータコア回路内に配設され、燃料を燃焼させた時に生成される燃焼ガスによってエンジン冷却水を加熱し、冷却水温の立上げを早めてヒータコアの効きを向上させるようにしている。そして、エンジンが充分に暖機されるまでの間は、冷却水が所定の温度(非特許文献1では75℃〜85℃)の間に維持されるように、制御装置によって燃焼式ヒータの作動(燃焼量が最大側となるHi燃焼、燃焼量が中間側となるLo燃焼、OFF状態)が制御されるようにしている。
【0003】
更に具体的には、燃焼式ヒータは、冷却水温度が所定の温度の上限側(85℃)を超えた時にOFF状態とされ、冷却水温度の低下により所定温度の下限側(75℃)を下回る時に再び着火されることになる。この着火に際しては、プラグを予熱して燃料に着火し、燃焼量を拡大して更に安定化を図ることで着火完了としている。
【0004】
【非特許文献1】
AVENSIS New Car Features Supplement Aug.1999
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、着火完了までには上記のようにある程度の時間(プラグの予熱、着火、燃焼量拡大、安定化の時間)を要することから、この間に冷却水温度の低下が続き、暖房フィーリングが悪化するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、着火完了までの所要時間を短縮して、暖房フィーリングの悪化を防止できる燃焼式ヒータ制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0008】
請求項1に記載の発明では、燃料を燃焼室(131a)内に供給する燃料供給手段(170)と、燃料に混合される空気を供給する空気供給手段(180)と、燃料を加熱して着火させる加熱手段(136)と、燃料供給手段(170)、空気供給手段(180)、加熱手段(136)を作動、停止させることによって燃料の着火状態あるいは消火状態を作り、着火状態時の燃焼ガスによって加熱される外部流体の温度(Tw)を予め定めた下限側温度(T1)から目標温度(T3)の間に制御する制御装置(200)とを有する燃焼式ヒータ制御装置において、制御装置(200)は、燃料を消火状態としている間に、空気供給手段(180)および加熱手段(136)のうち、少なくとも加熱手段(136)を作動状態とする待機モードを実行することを特徴としている。
【0009】
これにより、燃料の消火状態において外部流体の温度(Tw)が低下し、下限側温度(T1)で再び着火して着火状態とする時に、加熱手段(136)における予熱時間(t1)を不要とすることができるので、燃料の着火完了までの時間を短縮することができ、外部流体の温度低下を抑制して暖房フィーリングの悪化を防止できる。
【0010】
そして、待機モードは、請求項2に記載の発明のように、外部流体の温度(Tw)が目標温度(T3)を超えた時点で、燃料供給手段(170)、空気供給手段(180)、加熱手段(136)のうち少なくとも燃料供給手段(170)および加熱手段(136)を停止させて着火状態から消火状態とする消火制御を実行した後に行い、次の着火に備えるようにすれば良い。
【0011】
また、例えば外部流体の流量が少ない場合には、消火状態において外部流体の温度(Tw)が目標温度(T3)からすぐに下限側温度(T1)に低下するので、請求項3に記載の発明のように、制御装置(200)は、外部流体の温度(Tw)が目標温度(T3)を超えた時点で、待機モードを実行してやれば、消火に要する時間を不要として、すぐに再着火が行えることになる。
【0012】
更に、請求項4に記載の発明では、制御装置(200)は、待機モードを実行している時の経過時間(τ)が予め定めた所定時間(τ1)を越えたと判定した時には、待機モードの実行を中止して、消火状態に戻すことを特徴としている。
【0013】
これにより、待機モードが所定時間(τ1)以上に継続される場合は、外部流体の温度(Tw)が下限側温度(T1)と目標温度(T3)との間で安定していると判断できるので、次の着火状態の形成が不要と考えられる。よって、待機モードの実行も不要となるので、待機モードを中止することでこの間における加熱手段(136)あるいは空気供給手段(180)を作動させるためのエネルギーを無駄にすることが無くなる。
【0014】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図7に示す。燃焼式ヒータ制御装置10は、エンジン冷却水(本発明の外部流体に対応)の熱を利用した車両用暖房装置を構成する加熱装置であり、例えば、冬場の寒冷地等でエンジン冷却水の温度が充分に昇温していない時に、燃料を燃焼させてエンジン冷却水を加熱するものである。
【0016】
まず、その基本構成について図1、図2を用いて説明する。燃焼式ヒータ制御装置10は、主に燃焼式ヒータ100と制御装置200とから成る。
【0017】
燃焼式ヒータ100は、ハウジング110、熱交換器120、燃焼チャンバ130等から構成されている。ハウジング110は、共にアルミダイキャストにより成形される熱交換器ハウジング111と燃焼エアハウジング112とから成る。熱交換器ハウジング111は、後述する熱交換器120および燃焼チャンバ130を内部に収容する有底の円筒状の半容器であり、底壁111cおよび側壁111dにはそれぞれ冷却水入口部111aと冷却水出口部111bとが設けられている。
【0018】
燃焼エアハウジング112は、偏平な有底の円筒状、あるいは蓋状の半容器である。側壁112cには、本発明における空気供給手段としてのエアモータ180によって供給される燃焼用空気を導入する空気入口部112aが設けられている。また、この空気入口部112aに対向する側の側壁112cには燃焼ガスを排出する燃焼ガス出口部112bが設けられ、隔壁112dにより燃焼エアハウジング112の内部空間が空気入口部112a側と燃焼ガス出口部112b側とに分割されている。尚、エアモータ180は、燃焼エアハウジング112に一体で設けられるようにしても良い。
【0019】
熱交換器120は、熱交換器ハウジング111と同様に、アルミダイキャストにより成形され、一端が開口し、側壁121および底壁122より成る有底の円筒状の半容器である。側壁121の内側には、後述する燃焼チャンバ130側に突出し、円筒軸方向に延びるガス側伝熱フィン123が円周方向に複数設けられている。また、側壁121の外側には、熱交換器ハウジング111側に突出し、円筒軸方向に延びる水側伝熱フィン124が円周方向に複数設けられている。
【0020】
熱交換器ハウジング111および熱交換器120は、開口側端部において接合され、熱交換器ハウジング111と熱交換器120との間にはエンジン冷却水が流通する冷却水流路150が形成されている。
【0021】
燃焼チャンバ130は、上記熱交換器120の内部に収容され、第1燃焼筒131、第2燃焼筒132、支持部133等から構成されている。
【0022】
第1燃焼筒131は、ステンレス材より成り、一端側が開口する円筒状部材であり、内側に第1燃焼室(本発明の燃焼室に対応)131aを形成している。第1燃焼筒131の反開口側の底壁面131dには、本発明における燃料供給手段としての燃料ポンプ170から供給される燃料が流通する燃料供給パイプ134が接続され、底壁面131dの内側には燃料気化部(以下、ウイック)135が設けられている。そして、ウイック135に近接する部位には、本発明における加熱手段としてのグロープラグ136が設けられており、このグロープラグ136によってウイック135に供給される燃料が加熱されるようにしている。また、第1燃焼筒131の側壁面131cには、空気入口部112aから流入する空気を第1燃焼室131a内に取入れる流入孔131bが複数設けられている。
【0023】
第2燃焼筒132は、上記第1燃焼筒131と同様に、ステンレス材より成り、開口部132cを有する円筒状部材であり、内側に第2燃焼室132aを形成している。そして、底壁面132dには、第1燃焼筒131の内径よりも小さく設定され、絞り孔を成すオリフィス132bが設けられている。
【0024】
第1燃焼筒131および第2燃焼筒132は互いに溶接接合され、オリフィス132bを介して第1燃焼室131aと第2燃焼室132aとが連通するようにしている。
【0025】
支持部133は、ステンレス材より成り、一端側が開口し、他端側にフランジ状の仕切り板133aを有する円筒状部材である。支持部133の一端側が第2燃焼筒132に溶接接合されている。そして、仕切り板133aの外周部が燃焼エアハウジング112と熱交換器120の両開口側端部の間で接合されることによって、燃焼チャンバ130は熱交換部120内に固定される。
【0026】
仕切り板133aは、燃焼エアハウジング112と熱交換器120のそれぞれの内部空間を分割しており、仕切り板133aの周方向の一ヶ所には、排気口133bが設けられ、燃焼エアハウジング112の燃焼ガス出口部112bと連通するようにしている。
【0027】
そして、上記熱交換器120と燃焼チャンバ130との間には、この燃焼チャンバ130から流出される燃焼ガスが流通する燃焼ガス流路140が形成され、燃焼ガス流路140は、排気口133bおよび燃焼ガス出口部112bに連通している。
【0028】
熱交換器ハウジング111の側壁111dには、冷却水流路150を流通するエンジン冷却水の温度Twを検出する水温センサ161が設けられており、この水温センサ161で検出された温度信号は、後述する制御装置200に出力されるようにしている。
【0029】
また、熱交換器120の底壁122には燃焼ガス流路140を流通する燃焼ガスによって加熱される壁温を検出する壁温センサ162が設けられており、この壁温センサ162で検出された温度信号は、後述する制御装置200に出力されるようにしている。尚、壁温センサ162によって検出される温度が予め定めた安全温度を越えると、制御装置200は燃焼式ヒータ100の作動を停止し、オーバーヒートを防止するようにしている。
【0030】
更に、燃焼エアハウジング112の隔壁112dには燃焼ガス出口部112bを流通する燃焼ガス(排気ガス)温度を検出する排気ガス温センサ163が設けられており、この排気ガス温センサ163で検出された温度信号は、後述する制御装置200に出力されるようにしている。尚、排気ガス温センサ163によって検出された温度によって、制御装置200は燃料の着火、消火、失火状態を判定し、失火の時は再着火を行うようにしている。
【0031】
一方、制御装置(以下、ECU)200には、図2に示す制御特性が予め記憶されており、この制御特性に基づいてECU200は、グロープラグ136、エアモータ180、燃料ポンプ170の作動を制御するようにしている。即ち、燃焼式ヒータ100の作動を制御するようにしている。
【0032】
制御特性は、水温センサ161によって検出されるエンジン冷却水の温度Twに対する、燃焼式ヒータ100の燃焼モードの関係を対応付けたものとしている。即ち、予め定めた判定温度T1、T2、T3に対して、燃焼式ヒータ100の燃焼量を最大側として着火状態を形成するHi燃焼と、中間的な燃焼量として着火状態を形成するLo燃焼と、消火状態とするOFF状態とを対応させている。尚、ここでは、T1を75℃、T2を80℃、T3を85℃と設定しており、T1は本発明における下限側温度に対応し、T3は本発明における目標温度に対応する。
【0033】
また、本発明においては消火状態とした後に、次の着火に備えるための待機モードを実行するところに特徴を持たせている。上記制御特性に基づく具体的な作動および待機モードの詳細については後述する。
【0034】
次に、以上の構成に基づく本実施形態の作動について、図3に示す制御フローチャートおよび図4〜図6に示すタイムチャートを加えて説明する。
【0035】
図3に示すフローチャートは、制御装置200が燃焼式ヒータ100の作動を制御するフローであり、まず、ステップS100で着火制御を実行する。即ち、着火制御は、図4に示すように、予め定めた予熱時間t1、着火、燃焼量拡大時間t2、安定化時間t3の間にグロープラグ136、エアモータ180、燃料ポンプ170をそれぞれ以下のように作動させる。
【0036】
まず、グロープラグ136を作動状態とし、予熱時間t1において燃料に着火可能となる温度までグロープラグ136を昇温させる。そして、予熱時間t1終了前にエアモータ180を低電圧側で作動状態とし、更にt1時間経過時点で燃料ポンプ170を低供給量側で作動状態とする。
【0037】
燃料ポンプ170が作動されることによって燃料供給パイプ134から供給される燃料が、ウイック135に付加される。そしてウイック135に付加された燃料は、グロープラグ136によって加熱、気化され、またエアモータ180の作動によって空気入口部112a、流入孔131bから第1燃焼室131a内に流入する空気と混合され、着火する。
【0038】
そして、着火、燃焼量拡大時間t2においてエアモータ180の印加電圧を最大側に上昇させ、燃料ポンプ170からの燃料供給量を最大側に増加させていく。更に、安定化時間t3において燃焼状態の安定化を図り、この安定化時間t3が経過した時点で、グロープラグ136の作動を停止する。
【0039】
因みに、ここでは予熱時間t1のスタート時点において、エアモータ180をまず作動させるようにしている。これは、エアモータ180の故障の有無を確認するためのもので、もし、エアモータ180に故障(作動しない場合)があると、制御装置200は、本作動制御を停止するようにしている。
【0040】
次に、ステップS110で、着火状態としてのHi燃焼を実行する。ここでは、上記ステップS100におけるエアモータ180および燃料ポンプ170の最大側での作動状態を継続することによって、Hi燃焼を実行することになる。
【0041】
このHi燃焼(後述するステップS130のLo燃焼も同じ)により、燃焼チャンバ130に燃焼ガスが生成され、この燃焼ガスによってエンジン冷却水は加熱される。
【0042】
即ち、燃焼火炎からの輻射熱で燃料が気化し、グロープラグ136が停止状態でも燃焼が継続され、更に、オリフィス132bで燃焼の安定化がなされ、第2燃焼室132aを経て、燃焼ガスが開口部132cから流出される。開口部132cから流出した燃焼ガスは、熱交換器120の底壁122に当たり流れ方向が放射状に広がり、更に反転し、燃焼ガス流路140を流通する。そして、燃焼ガスは、排気口133b、燃焼ガス出口部112bより排出される。
【0043】
この時、熱交換器120によって冷却水流路150を流通するエンジン冷却水と燃焼ガスとの間で熱交換が行われ、エンジン冷却水は加熱される訳である。尚、ガス側伝熱フィン123および水側伝熱フィン124によってそれぞれの伝熱面積が拡大され、熱交換が促進される。
【0044】
このようにしてエンジン冷却水は加熱され、温度上昇していく中で、ステップS120において、エンジン冷却水の温度Twが判定温度T2よりも高いか否かを判定し、高いと判定するとステップS130でLo燃焼を実行する。
【0045】
即ち、エアモータ180の印加電圧を最大側から中間側に可変し、また燃料ポンプ170の燃料供給量を同様に最大側から中間側に可変することで、今までの空気および燃料の供給量が低減されて、Lo燃焼となる訳である。尚、ステップS120で否、即ちエンジン冷却水の温度Twが判定温度T2よりもまだ低いと判定すれば、ステップS110のHi燃焼を継続する。
【0046】
そして、ステップS130のLo燃焼によってエンジン冷却水の温度Twが低下していき、判定温度T1を下回ったと判定した場合(ステップS140の判定でNoの場合)は、Hi燃焼に切替える(ステップS110)。また、エンジン冷却水の温度Twが判定温度T1以上と判定し(ステップS140の判定でYesの場合)、且つ判定温度T3以下と判定した場合(ステップS150でNoの判定の場合)は、Lo燃焼を継続する。
【0047】
更に、ステップS110のHi燃焼、ステップS130のLo燃焼を経て、エンジン冷却水の温度Twが、判定温度T3を越えたと判定した場合(ステップS150でYesと判定した場合)は、ステップS160で消火制御を行う。
【0048】
消火制御においては、図5に示すように、まず燃料ポンプ170の作動を停止する。そして、ウイック135に残る燃料を燃焼させるためにグロープラグ136を一時的に作動させる。これにより、Hi燃焼およびLo燃焼(着火状態)は停止され、消火状態となる。更に、燃焼チャンバ130内の燃料の排出および冷却を行うために、エアモータ180を低電圧側で作動させる。
【0049】
そして、ステップS170で本発明の特徴部となる待機モードを実行する。待機モードは、上記で説明した図5中の消火制御の右側(時間軸の経過方向)に示すものであり、グロープラグ136、エアモータ180、燃料ポンプ170のうち、グロープラグ136を作動状態とし、エアモータ180を低電圧側で作動させるモードとしている。この待機モードにおいては、グロープラグ136の予熱が行われ、その予熱状態が継続されることになる。
【0050】
そして、エンジン冷却水の温度Twが、判定温度T1よりも高いと判定している間は(ステップS180でYesと判定した場合)、ステップS170の待機モードを継続する。しかし、ステップS160における消火制御によって、エンジン冷却水の温度Twが低下していき、判定温度T1を下回ったと判定すると(ステップS180でNoと判定した場合)、ステップS190で再着火制御を行う。
【0051】
再着火制御においては、図6に示すように、ステップS170の待機モードに続いて燃料ポンプ170を低供給量側で作動させる。この時、既に待機モードにおいてグロープラグ136が作動され、予熱されていることから、燃料ポンプ170の作動と共に速やかに着火が行われることになる。そして、エアモータ180の印加電圧を最大側に可変し、また燃料ポンプ180の燃料供給量を最大側に可変する。この制御は、図4で説明した着火制御の着火、燃焼量拡大時間T2におけるものと同一である。更に、安定化時間t3において、エアモータ180、燃料ポンプ170の作動を継続させ、安定化時間t3が経過した時点でグロープラグ136を停止する。この安定化時間t3における制御も、上記図4で説明した着火制御時のものと同一である。即ち、再着火制御においては、着火制御に対して予熱時間t1を設けないものに対応する。再着火制御が成された後は、ステップS110に戻り、Hi燃焼からの制御を繰り返すことになる。
【0052】
以上のように、本発明においては消火制御の後にグロープラグ136およびエアモータ180を作動状態とする待機モードを設けるようにしているので、図7に示すように、消火状態においてエンジン冷却水の温度Twが低下し、判定温度T1で再び着火して着火状態とする時に、グロープラグ136における予熱時間t1を不要とすることができ、この予熱時間t1に相当する分だけ燃料の着火完了までの時間を短縮することができる。よって、エンジン冷却水の温度低下を抑制して(着火時における温度と判定温度T3との差を小さくして)暖房フィーリングの悪化を防止できる。
【0053】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図8、図9に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、制御フローのステップS160を廃止し、図8に示すように、ステップS150でエンジン冷却水の温度Twが判定温度T3以上と判定した時点で、ステップS170の待機モードを実行するようにしたものである。
【0054】
待機モードは、上記第1実施形態の図5で説明したものと内容は同一である。即ち、図9に示すように、ステップS130におけるLo燃焼に続いて、グロープラグ136を作動し、エアモータ180を低電圧側で作動させ、燃料ポンプ170の作動を停止するものである。
【0055】
これは、例えばエンジン冷却水の流量がアイドル時のように少ない場合に、消火状態においてエンジン冷却水の温度Twが判定温度T3からすぐに判定温度T1に低下するような場合に用いて好適であり、消火制御に要する時間を不要として、すぐにステップS190の再着火制御が行えることになる。
【0056】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図10に示す。第3実施形態は、上記第1実施形態に対して、待機モードを実行している経過時間τに応じて、この待機モードを中止して、消火制御による消火状態に戻すようにしたものである。
【0057】
具体的には、図10に示す制御フローのステップS180の後に、ステップS200で、待機モードが実行されてからの経過時間τを計時し、予め定めた所定時間τ1(具体的には3〜5分が好適である)を越えたと判定した場合は、待機モードをOFFにする。そして、ステップS220でエンジン冷却水の温度Twが判定温度T1を下回った判定すれば、ステップS100の着火制御から繰り返すようにしている。
【0058】
これにより、待機モードが所定時間τ1以上に継続される場合は、エンジン冷却水の温度Twが判定温度T1と判定温度T3との間で安定していると判断できるので、次の着火状態の形成が不要と考えられる。よって、待機モードの実行も不要となるので、待機モードを中止することでこの間におけるグロープラグ136およびエアモータ180を作動させるためのエネルギー(電気)を無駄にすることが無くなる。
【0059】
(その他の実施形態)
上記第1〜第3実施形態においては、待機モードの実行にあたり、グロープラグ136とエアモータ180とを作動させるものとして説明したが、グロープラグ136のみを作動状態としたものとしても良く、次の着火時(再着火制御)における着火完了までの時間を短縮することができる。
【0060】
また、第3実施形態の待機モードをOFFにする制御部分を第2実施形態に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す全体構成図である。
【図2】水温センサ検出温度に対する燃焼モードを示す制御特性図である。
【図3】本発明の第1実施形態における燃焼式ヒータの作動を制御する際の制御フローチャートである。
【図4】着火制御における(a)はグロープラグの印加電圧、(b)はエアモータの印加電圧、(c)は燃料供給量を示すタイムチャートである。
【図5】消火制御および待機モードにおける(a)はグロープラグの印加電圧、(b)はエアモータの印加電圧、(c)は燃料供給量を示すタイムチャートである。
【図6】再着火制御における(a)はグロープラグの印加電圧、(b)はエアモータの印加電圧、(c)は燃料供給量を示すタイムチャートである。
【図7】本発明における作用効果を示すタイムチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態における燃焼式ヒータの作動を制御する際の制御フローチャートである。
【図9】第2実施形態の待機モードにおける(a)はグロープラグの印加電圧、(b)はエアモータの印加電圧、(c)は燃料供給量を示すタイムチャートである。
【図10】本発明の第3実施形態における燃焼式ヒータの作動を制御する際の制御フローチャートである。
【符号の説明】
10 燃焼式ヒータ制御装置
100 燃焼式ヒータ
131a 第1燃焼室(燃焼室)
136 グロープラグ(加熱手段)
170 燃料ポンプ(燃料供給手段)
180 エアモータ(空気供給手段)
200 制御装置

Claims (4)

  1. 燃料を燃焼室(131a)内に供給する燃料供給手段(170)と、
    前記燃料に混合される空気を供給する空気供給手段(180)と、
    前記燃料を加熱して着火させる加熱手段(136)と、
    前記燃料供給手段(170)、前記空気供給手段(180)、前記加熱手段(136)を作動、停止させることによって前記燃料の着火状態あるいは消火状態を作り、前記着火状態時の燃焼ガスによって加熱される外部流体の温度(Tw)を予め定めた下限側温度(T1)から目標温度(T3)の間に制御する制御装置(200)とを有する燃焼式ヒータ制御装置において、
    前記制御装置(200)は、前記燃料を消火状態としている間に、前記空気供給手段(180)および前記加熱手段(136)のうち、少なくとも前記加熱手段(136)を作動状態とする待機モードを実行することを特徴とする燃焼式ヒータ制御装置。
  2. 前記制御装置(200)は、前記外部流体の温度(Tw)が前記目標温度(T3)を超えた時点で、前記燃料供給手段(170)、前記空気供給手段(180)、前記加熱手段(136)のうち少なくとも前記燃料供給手段(170)および前記加熱手段(136)を停止させて前記着火状態から前記消火状態とする消火制御を実行した後に、前記待機モードを実行することを特徴とする請求項1に記載の燃焼式ヒータ制御装置。
  3. 前記制御装置(200)は、前記外部流体の温度(Tw)が前記目標温度(T3)を超えた時点で、前記待機モードを実行することを特徴とする請求項1に記載の燃焼式ヒータ制御装置。
  4. 前記制御装置(200)は、前記待機モードを実行している時の経過時間(τ)が予め定めた所定時間(τ1)を越えたと判定した時には、前記待機モードの実行を中止して、前記消火状態に戻すことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の燃焼式ヒータ制御装置。
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