JP3804516B2 - 燃焼器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼器に関するもので、車両に搭載して有効である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
燃焼器の一般的な構造は、特願平1−244215号公報に記載の発明のごとく、燃料を保持する多孔質状のウィック、及び通電することにより発熱するグロープラグを燃焼室内に配設することにより構成されている。
【0003】
ところで、グロープラグは、所定温度(セラミックス製のグロープラグでは、約1200℃)以上まで上昇した状態では、ほぼ使用累積時間に比例して劣化し、所定温度以下では、温度変化が繰り返されるほど、早期に劣化していく。
【0004】
このため、車両用燃焼器のごとく、車載バッテリから電源の供給を受けている燃焼器では、グロープラグへの印可電圧がバッテリ電圧に連動して変動するので、グロープラグの発熱量が変化して温度が変化してグロープラグに冷熱サイクルが課せられてしまい、グロープラグが早期に劣化してしまうおそれが高い。
【0005】
これに対して、グロープラグの電気抵抗を大きくしてグロープラグへの通電量を減らしてグロープラグの温度変化を小さくするといった手段が考えられるが、この手段では、グロープラグの温度を着火温度まで上昇させるに必要な時間が長くなるので、燃焼器を始動(着火)させるに必要な時間が長くなり、燃焼器の始動(着火)性が低下する。
【0006】
一方、グロープラグの電気抵抗を小さくすれば、グロープラグの温度を着火温度まで上昇させるに必要な時間が短くなるので、燃焼器の始動(着火)性が向上するものの、前述のごとく、バッテリ電圧の変動を受けてグロープラグに冷熱サイクルが課せられてしまうとともに、所定温度以上まで上昇した状態の使用累積時間が長くなるので、早期に劣化してしまうおそれが高い。
【0007】
また、グロープラグの電気抵抗を小さくした状態で、バッテリからの供給電圧を定電圧回路(安定化電源回路)を介してグロープラグに供給する手段が考えられるが、この手段では、燃焼器を含めたシステム全体の製造原価上昇を招いてしまう。
【0008】
本発明は、上記点に鑑み、燃焼器の始動性が向上させつつ、グロープラグ等の発熱体の劣化を抑制することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、燃料を燃焼させる燃焼器であって、燃料が燃焼する燃焼室(130)を構成する燃焼筒(111)と、燃料を保持する多孔質状のウィック(140)と、ウィック(140)近傍に配設され、通電することにより発熱する第1、2発熱体(150、151)と、第1、2発熱体(150、151)への通電を制御する制御手段(210)とを備え、第1発熱体(150)は、第2発熱体(151)に比べて短い時間にて所定温度まで上昇する温度特性を有し、さらに、着火始動時には、第1、2発熱体(150、151)への通電を開始した時から第2発熱体(151)への通電を停止する前に第1発熱体(150)への通電を停止することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、温度上昇速度の異なる少なくとも2種類の発熱体(150、151)を有しているので、始動直後においては温度上昇の速い第1発熱体(150)にて燃料を早期に加熱することができる。
【0011】
このとき、第1発熱体(150)は第2発熱体(151)に比べて冷熱サイクルが課せられてしまう可能性、及び所定温度以上まで上昇した状態の使用累積時間が長くなる可能性が高いが、本発明では、着火始動時には、第1、2発熱体(150、151)への通電を開始した時から第2発熱体(151)への通電を停止する前に第1発熱体(150)への通電を停止するので、第1発熱体(150)が受ける冷熱サイクル(温度変化)、及び第1発熱体(150)の使用累積時間を小さくすることができる。したがって、第1発熱体(150)が早期に劣化してしまうことを防止できる。
【0012】
また、第1発熱体(150)への通電が停止した後は、第2発熱体(151)により燃料が加熱されるので、第1発熱体(150)にて着火生成された種火を失火させることなく定常燃焼状態まで保炎することができる。
【0013】
このとき、第2発熱体(151)への総通電時間は第1発熱体(150)への総通電時間より長くなるものの、第2発熱体(151)の温度上昇速度は、第1発熱体(150)より小さいので、第2発熱体(151)が所定温度まで上昇した状態における使用累積時間は、第1発熱体(150)が所定温度まで上昇した状態における使用累積時間と略同等とすることができる。
【0014】
しかも、第2発熱体(151)の温度上昇速度は、第1発熱体(150)より小さいので、第2発熱体(151)が受ける冷熱サイクルは第1発熱体(150)が受ける冷熱サイクルに比べて小さい。
【0015】
したがって、本発明では、燃焼器の始動(着火)性が向上させつつ、発熱体(150、151)の劣化を抑制することができる。
【0016】
なお、請求項2に記載の発明のごとく、第1発熱体(150)の相当断面直径寸法(d1)を第2発熱体(151)の相当断面直径寸法(d2)に比べて小さくすることにより、第1発熱体(150)の温度上昇速度を第2発熱体(151)の温度上昇速度より大きくしてもよい。
【0017】
また、請求項3に記載の発明のごとく、第2発熱体(151)の長手方向寸法(L2)を第1発熱体(150)の長手方向寸法(L1)に比べて大きくすることにより、第1発熱体(150)の温度上昇速度を第2発熱体(151)の温度上昇速度より大きくしてもよい。そして、このようにすれば、広い範囲でウィック(140)を加熱することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、第2発熱体(151)は、第1発熱体(150)を挟んでウィック(140)と反対側に配設されていることを特徴とする。
【0019】
これにより、通電時間の長い第2発熱体(151)が火炎の主流部に配置されることとなるので、保炎効果を確実なものとすることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明では、第1、2発熱体(150、151)を発熱させる場合には、第1発熱体(150)に印加する電圧を第2発熱体(152)に印加する電圧に比べて高くすることを特徴とする。
【0021】
これにより、より早期に燃焼器を着火させることができる。
【0022】
なお、請求項6に記載の発明のごとく、常温における第1発熱体(150)の電気抵抗値は、常温における第2発熱体(151)の電気抵抗値より小さくすることにより、第1発熱体(150)の温度上昇速度を第2発熱体(151)の温度上昇速度より大きくしてもよい。
【0023】
請求項7に記載の発明では、制御手段(210)は、第1発熱体(150)にはバッテリ(220)の出力電圧を直接に印加し、第2発熱体(151)にはバッテリ(220)の出力電圧を所定電圧に整えて印加することを特徴とする。
【0024】
これにより、第1発熱体(150)には、所定電圧に整える前の比較的に高い電圧を印加することができるので、燃料を早期に加熱することができる。
【0025】
また、第2発熱体(151)にはバッテリ電圧を所定電圧に整えて印加するので、第2発熱体(151)への印加電圧が低下することを防止でき、第2発熱体(151)を安定的に発熱させることができる。
【0026】
なお、バッテリ電圧を所定電圧に整えるための定電圧回路を付加することにより燃焼器を含めたシステム全体の製造原価上昇を招くが、第1、2発熱体(150、151)双方に定電圧回路を設ける場合に比べて製造原価上昇を抑制できる。
【0027】
請求項8に記載の発明では、制御手段(210)は、第1発熱体(150)にはバッテリ(220)の出力電圧を直接に印加し、一方、第2発熱体(151)の電気抵抗値が所定値以下のときはバッテリ(220)の出力電圧を直接に第2発熱体(151)に印加し、第2発熱体(151)の電気抵抗値が所定値を越えたときはバッテリ(220)の出力電圧を所定電圧に整えて第2発熱体(151)に印加することを特徴とする。
【0028】
ところで、バッテリ電圧を所定電圧に整えるための定電圧回路として、電流流れを切り換え(スイッチング)を行うタイプでは、スイッチングを行う際の電流値が大きいと、定電圧回路の劣化を招き易いが、本発明では、第2発熱体(151)に流れる電流が大きくなる前、すなわち第2発熱体(151)の電気抵抗値が所定値以下のときはバッテリ(220)の出力電圧をそのまま第2発熱体151に印加するので、定電圧回路の劣化を抑制できる。
【0029】
ところで、燃焼器の排気中に含まれ有害物質(エミッション)は、燃焼状態が不安定となる消火時に発生し易いが、請求項9に記載の発明では、ウィック(140)へ燃料を供給することを停止した時から所定時間が経過した後、第2発熱体(151)に所定時間だけ通電するので、ウィック(140)への燃料供給の停止とともに火炎が縮小して燃焼熱が減少しても、第2発熱体(151)に通電することによりウィック(140)に残留した燃料を第2発熱体(151)からの熱によって完全燃焼させることができる。したがって、消火時にいてもエミッションの発生を抑制できる。
【0030】
なお、請求項10に記載の発明のごとく、第2発熱体(151)の電気抵抗値の変化に基づいて燃焼室(130)内の燃焼状態を検出してもよい。
【0031】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る燃焼器を車両暖房装置用の燃焼式ヒータに適用したものであって、図1は本実施形態に係る燃焼式ヒータ(燃焼器)100の模式図である。
【0033】
なお、図1中、200は燃料タンクであり、201は燃料を燃焼式ヒータ(以下、ヒータと略す。)100に送り出す燃料ポンプであり、202は燃料タンク200とヒータ100とを結ぶ燃料通路を開閉するバルブである。また、203はヒータ100に燃焼用空気を送風するエアポンプ(送風機)であり、このエアポンプ203、バルブ202及び燃料ポンプ201は電子制御装置(ECU)210により制御されている。
【0034】
次に、ヒータ100について述べる。
【0035】
110は燃料(本実施形態では、軽油)を燃焼させる燃焼部と燃焼ガスが流通する排気通路120とを区画する円筒状の第1燃焼筒であり、この第1燃焼筒110は、燃料を着火燃焼させる燃焼室130側に位置する燃焼筒Aと、燃焼室130と反対側に位置する燃焼筒Bとを溶接することにより構成されている。
【0036】
111は燃焼室130を構成するとともに、第1燃焼筒110内において第1燃焼筒110の軸方向(紙面左右方向)と略平行な軸方向を有する円筒状の第2燃焼筒であり、この第2燃焼筒111の円筒部には、第2燃焼筒111(燃焼室130)内に燃焼用空気を供給する空気穴112が、第2燃焼筒111の軸方向と直交する方向に向けて開口している。
【0037】
また、第2燃焼筒111の軸方向一端側には、燃料を保持する略円盤状のウィック140が配設されており、このウィック140は、多数個の孔からなる金属メッシュ製のもので、その多数個の孔に燃料を一時的に保持することにより燃料の気化を促すものである。
【0038】
また、ウィック140の近傍には、図2に示すように、通電することにより発熱してウィック140に保持された燃料を加熱着火させるセラミックス製の第1、2グロープラグ(第1、2発熱体)150、151が配設されており、両グロープラグ150、151(以下、第1、2プラグ150、151と略す。)は、その長手方向が燃焼室の軸方向と直交する方向に延びる棒状のもので、第2燃焼筒111内外を貫通した状態で両プラグ150、151の長手方向とウィック140とが略平行となるように第2燃焼筒111に固定されている。
【0039】
ここで、両プラグ150、151の熱容量(外形寸法)を同等とするとともに、常温における第1プラグ150の電気抵抗値を第2プラグ151の電気抵抗値より小さくすることにより、図3に示すように、第1プラグ150が第2プラグ151に比べて短い時間にて所定温度まで上昇するような温度特性としている。
【0040】
そして、両プラグ150、151に供給される電流は、車両に搭載されたバッテリ220(図1参照)から供給されているとともに、その印加電圧はECU120により制御されている。
【0041】
なお、第2プラグ151は、着火時においては燃料を加熱する発熱体として機能し、着火後においては、サーミスタのごとく、電気抵抗の変化から燃焼室130の温度を検出して燃焼室130内の燃焼状態を検出する失火センサ(失火検出手段)として機能する。
【0042】
また、ウィック140を挟んで第1プラグ150と反対側には、図1に示すように、ウィック140に燃料を供給する燃料パイプ(燃料供給手段)141が接続されている。
【0043】
そして、160は第1燃焼筒110周りに形成された円筒状の排気通路120を覆うように形成された冷却水通路(ウォータジャケット)であり、この冷却水通路(流体通路)160を流通する冷却水(流体)と排気通路120を流通する燃焼ガスとを熱交換することより、ヒータ100の燃焼熱を取り出する熱交換部170を構成している。因みに、熱交換部170にて取り出された熱は、冷却水を介して車室内に放熱される。
【0044】
なお、121は燃焼ガスをヒータ100外に排出する排気口であり、161は冷却水の流入口であり、162は冷却水の流出口である。
【0045】
因みに、本実施形態では、燃焼室130と第1燃焼筒110(燃焼筒B)内の空間とを連通させるオリフィス(連通開口部)101の直径を、燃焼室130の直径、及び第1燃焼筒110(燃焼筒B)の直径より小さくすることで、燃焼室130内の火炎が過度に拡がることを防止して燃焼室130内で失火してしまうことを防止している。
【0046】
次に、本実施形態に係るヒータ100の概略作動を図4に示すフローチャートに従って述べる。
【0047】
燃焼器100の始動スイッチ(図示せず)が投入される略同時に、燃料ポンプ201及びエアポンプ203を稼動させるとともに、バッテリ220の出力電圧を直接に第1、2プラグ150に印加してウィック140を加熱昇温し、ウィック140に保持された燃料を加熱蒸発させる(S100〜S130)。
【0048】
このとき、図3に示すように、第1プラグ150が第2プラグ151に比べて短い時間にて所定温度まで上昇するので、第1、2プラグ150、151に通電を介した直後においては、主に第1プラグ150にてウィック140に保持された燃料が加熱される。
【0049】
そして、第1、2プラグ150、151に通電を開始した時、つまり電圧を印加した時から所定時間T1が経過したときには、第1プラグ150が所定温度(本実施形態では、約1200℃)まで上昇して燃料が着火したものと見なして第1プラグ150への通電のみを停止する(S140、S150)。
【0050】
さらに、第2プラグ151に通電を開始した時から所定時間T2が経過したときには、燃焼状態が定常燃焼状態に移行したものと見なして、発熱させるための第2プラグ151への通電を停止する(S160、S170)とともに、第2プラグ151に微弱電流を通電して、第2プラグ151にて発生する電圧降下量(失火検知電圧)を検出することにより燃焼室130内の温度(燃焼状態)を監視し始める(S180)。
【0051】
因みに、定常燃焼状態とは、燃料の燃焼に伴って発生する燃焼熱にてウィック140を加熱し、ウィック140に保持された燃料を蒸発させて自立的に、つまりプラグに通電することなく燃料が連続燃焼することを言う。
【0052】
なお、失火検知電圧が所定電圧Vo以下となり、失火したものと見なされたときには、燃焼器100が失火した旨の警告を乗員に対して発する。
【0053】
次に、燃焼器100の始動スイッチが遮断されたとき、つまり燃焼器100を停止させるときには、先ず、燃料ポンプ201を停止してウィック140への燃料供給を停止し(S190、S200)、図5に示すように、ウィック140へ燃料を供給することを停止した時から所定時間Toが経過した後、第2プラグ151のみに所定時間T3だけ通電する(S210〜S240)。そして、第2プラグ151への通電を停止した後、又は第2プラグ151への通電を停止すると同時にエアポンプ203を停止させる。
【0054】
次に、本実施形態の特徴を述べる。
【0055】
本実施形態によれば、温度上昇速度の異なる少なくとも2種類のプラグ150、151を有しているので、始動直後においては温度上昇の速い第1プラグ150にて燃料を早期に加熱することができる。
【0056】
このとき、第1プラグ150は第2プラグ151より電気抵抗が小さいので、第1プラグ150は第2プラグ151に比べてバッテリ電圧の変動を受けて冷熱サイクルが課せられてしまう可能性、及び所定温度以上まで上昇した状態の使用累積時間が長くなる可能性が高いが、本実施形態では、着火始動時には、第1、2プラグ150、151への通電を開始した時から第2プラグ151への通電を停止する前に第1プラグ150への通電を停止するので、第1プラグ150が受けるバッテリ電圧変動の影響、つまり冷熱サイクル、温度変化、及び第1プラグ150の使用累積時間を小さくすることができる。したがって、第1プラグ150が早期に劣化してしまうことを防止できる。
【0057】
また、第1プラグ150への通電が停止した後は、第2プラグ151により燃料が加熱されるので、第1プラグ150にて着火生成された種火を失火させることなく定常燃焼状態まで保炎することができる。
【0058】
このとき、第2プラグ151への総通電時間は第1プラグ150への総通電時間より長くなるものの、第2プラグ151の温度上昇速度は、第1プラグ150より小さいので、第2プラグ151が所定温度まで上昇した状態における使用累積時間は、第1プラグ150が所定温度まで上昇した状態における使用累積時間と略同等とすることができる。
【0059】
しかも、第2プラグ151の温度上昇速度は、第1プラグ150より小さいので、第2プラグ151が受けるバッテリ電圧変動の影響は第1プラグ150が受けるバッテリ電圧変動の影響に比べて小さい。
【0060】
したがって、本実施形態では、燃焼器100の始動性を向上させつつ、プラグ150、151等の発熱体の劣化を抑制することができる。
【0061】
ところで、燃焼器100の排気中に含まれ有害物質(エミッション)は、燃焼状態が不安定となる、着火時及び消火時に発生し易いが、本実施形態では、前述のごとく、着火時においては第1、2プラグ150、151により着火させるので、エミッションの発生を抑制できる。
【0062】
また、消火時においては、ウィック140へ燃料を供給することを停止した時から所定時間Toが経過した後、第2プラグ151のみに所定時間T3だけ通電するので、ウィック140への燃料供給の停止とともに火炎が縮小して燃焼熱が減少しても、第2プラグ151に通電することによりウィック140に残留した燃料を第2プラグ151からの熱によって完全燃焼させることができる。したがって、消火時にいてもエミッションの発生を抑制できる。
【0063】
(第2実施形態)
第1実施では、バッテリ電圧を第1、2プラグ150、151にそのまま印加したが、本実施形態は、図6に示すように、第1プラグ150にはバッテリ220の出力電圧をそのまま印加し、第2プラグ151には定電圧回路や安定化電源回路等によりバッテリ220の出力電圧を所定電圧に整えて印加するように構成したものである。
【0064】
これにより、第1プラグ150には、定電圧回路にて安定化される前の比較的に高い電圧を印加することができるので、燃料を早期に加熱することができる。
【0065】
また、第2プラグ151には定電圧回路によりバッテリ電圧を所定電圧に整えて印加するので、第2プラグ151への印加電圧が低下することを防止でき、第2プラグ151を安定的に発熱させることができる。
【0066】
なお、定電圧回路を付加することにより燃焼器100を含めたシステム全体の製造原価上昇を招くが、第1、2プラグ150、151双方に定電圧回路を設ける場合に比べて製造原価上昇を抑制できる。
【0067】
(第3実施形態)
第2実施形態では、第2プラグ151に常に定電圧回路によりバッテリ電圧を所定電圧に整えて印加したが、本実施形態は、図7に示すように、第2プラグ151の電気抵抗値が所定値以下のときはバッテリ220の出力電圧をそのまま第2プラグ151に印加し、第2プラグ151の電気抵抗値が所定値を越えたときはバッテリ220の出力電圧を所定電圧に整えて第2プラグ151に印加するようにしたものである。
【0068】
なお、本実施形態では、第2プラグ151の電気抵抗値が所定値に到達するまでの時間T1oを予め試験にて求め、この時間T1oに基づいて第2プラグ151にバッテリ電圧をそのまま印加する場合と定電圧回路によりバッテリ電圧を所定電圧に整えて印加する場合とを制御している。
【0069】
次に、本実施形態の特徴を述べる。
【0070】
定電圧回路として、電流流れを切り換え等のスイッチングを行うタイプでは、スイッチングを行う際の電流値が大きいと、定電圧回路の劣化を招き易いが、本実施形態では、第2プラグ151に流れる電流が大きくなる前、すなわち第2プラグ151の電気抵抗値が所定値以下のときはバッテリ220の出力電圧をそのまま第2プラグ151に印加するので、定電圧回路の劣化を抑制できる。
【0071】
(第4実施形態)
上述の実施形態では、プラグの電気抵抗値を相違させることにより第1プラグ150と第2プラグ151の温度上昇速度を相違させたが、本実施形態は、図8、9に示すように、両プラグ150、151の熱容量を相違させることにより両プラグ150、151の温度上昇速度を相違させたものである。
【0072】
なお、図8は第2プラグ151の長手方向寸法L2を第1プラグ150の長手方向寸法L1に比べて大きくすることにより、第1プラグ150の温度上昇速度を第2プラグ151の温度上昇速度より大きくしたものである。
【0073】
そして、図8に示す例では、第2プラグ151の長手方向寸法L2を第1プラグ150の長手方向寸法L1に比べて大きくしているので、広い範囲でウィック140を加熱することができる。
【0074】
また、図9に示す例では、第1プラグ150の相当断面直径寸法d1を第2プラグ151の相当断面直径寸法d2に比べて小さくすることにより、第1プラグ150の温度上昇速度を第2プラグ151の温度上昇速度より大きくしたものである。
【0075】
なお、相当断面直径寸法とは、断面積を円に換算したときの直径を言うものであり、本実施形態では断面が円であるので、直径寸法が相当断面直径寸法となる。
【0076】
(第5実施形態)
上述の実施形態では、第1、2プラグ150、151をウィック140に対して等距離に配置したが、本実施形態は、図10に示すように、第2プラグ151を第1プラグ150を挟んでウィック140と反対側に配置したものである。
【0077】
これにより、通電時間の長い第2プラグ151が火炎の主流部に配置されることとなるので、保炎効果を確実なものとすることができる。
【0078】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、車両用に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば定置置きの暖房装置にも適用することができる。
【0079】
また、第1、2プラグ150、151を発熱させる場合には、第1プラグ150に印加する電圧を第2プラグ151に印加する電圧に比べて高くすれば、より早期に燃焼器100を着火させることができる。
【0080】
また、第2プラグ151への電圧制御は、ディューティ制御するとともに、着火時は印加電圧に反比例させてOFF時間を設定し、失火検知時は周期的に通電して失火を検知するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃焼器の断面図である。
【図2】(a)は本発明の第1実施形態に係る燃焼器の燃焼筒の断面図であり、(b)は(a)の左側面図である。
【図3】(a)は着火時における第1プラグの温度変化を示すグラフであり、(b)は着火時における第2プラグの温度変化を示すグラフである。
【図4】本発明の第1実施形態に係る燃焼器の制御フローチャートである。
【図5】消火時における第2プラグの温度変化を示すグラフである。
【図6】(a)は着火時における第1プラグの温度変化を示すグラフであり、(b)は着火時における第2プラグの温度変化を示すグラフである。
【図7】(a)は着火時における第1プラグの温度変化を示すグラフであり、(b)は着火時における第2プラグの温度変化を示すグラフである。
【図8】本発明の第4実施形態に係るプラグの模式図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るプラグの模式図である。
【図10】(a)は本発明の第5実施形態に係る燃焼器の燃焼筒の断面図であり、(b)は(a)の左側面図である。
【符号の説明】
111…燃焼筒、130…燃焼室、140…ウィック、
150…第1グロープラグ、151…第2グロープラグ。
Claims (10)
- 燃料を燃焼させる燃焼器であって、
燃料が燃焼する燃焼室(130)を構成する燃焼筒(111)と、
燃料を保持する多孔質状のウィック(140)と、
前記ウィック(140)近傍に配設され、通電することにより発熱する第1、2発熱体(150、151)と、
前記第1、2発熱体(150、151)への通電を制御する制御手段(210)とを備え、
前記第1発熱体(150)は、前記第2発熱体(151)に比べて短い時間にて所定温度まで上昇する温度特性を有し、
さらに、着火始動時には、前記第1、2発熱体(150、151)への通電を開始した時から前記第2発熱体(151)への通電を停止する前に前記第1発熱体(150)への通電を停止することを特徴とする燃焼器。 - 前記第1、2発熱体(150、151)は棒状に形成されており、
さらに、前記第1発熱体(150)の相当断面直径寸法(d1)は、前記第2発熱体(151)の相当断面直径寸法(d2)に比べて小さいことを特徴とする請求項1に記載の燃焼器。 - 前記第1、2発熱体(150、151)は棒状に形成されており、
さらに、前記第2発熱体(151)の長手方向寸法(L2)は、前記第1発熱体(150)の長手方向寸法(L1)に比べて大きいことを特徴とする請求項1に記載の燃焼器。 - 前記第2発熱体(151)は、前記第1発熱体(150)を挟んで前記ウィック(140)と反対側に配設されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃焼器。
- 前記第1、2発熱体(150、151)を発熱させる場合には、前記第1発熱体(150)に印加する電圧を前記第2発熱体(151)に印加する電圧に比べて高くすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃焼器。
- 常温における前記第1発熱体(150)の電気抵抗値は、常温における前記第2発熱体(151)の電気抵抗値より小さいことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃焼器。
- 前記制御手段(210)は、前記第1発熱体(150)にはバッテリ(220)の出力電圧を直接に印加し、前記第2発熱体(151)には前記バッテリ(220)の出力電圧を所定電圧に整えて印加することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の燃焼器。
- 前記制御手段(210)は、前記第1発熱体(150)にはバッテリ(220)の出力電圧を直接に印加し、一方、前記第2発熱体(151)の電気抵抗値が所定値以下のときは前記バッテリ(220)の出力電圧を直接に前記第2発熱体(151)に印加し、前記第2発熱体(151)の電気抵抗値が所定値を越えたときは前記バッテリ(220)の出力電圧を所定電圧に整えて前記第2発熱体(151)に印加することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の燃焼器。
- 前記ウィック(140)へ燃料を供給することを停止した時から所定時間が経過した後、前記第2発熱体(151)に所定時間だけ通電することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の燃焼器。
- 前記第2発熱体(151)の電気抵抗値の変化に基づいて前記燃焼室(130)内の燃焼状態を検出することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の燃焼器。
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