JP2004268155A - ガラス基板研磨ヘッド及びこれを用いた研磨装置、ガラス基板研磨方法、ガラス基板 - Google Patents

ガラス基板研磨ヘッド及びこれを用いた研磨装置、ガラス基板研磨方法、ガラス基板 Download PDF

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圭介 武田
Jiro Kajiwara
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Abstract

【課題】研磨作業に伴う部品の消耗を少なくする。
【解決手段】ガラス基板研磨ヘッド1を、研磨装置との接続部をなすヘッド基部2と、ヘッド基部2の下方に設けられて下端でガラス基板Bの上面を受けるサブキャリア3と、ヘッド基部2とサブキャリア3との間に介装されてサブキャリア3を上下方向への変位を可能にして支持する支持機構4とを有する構成とする。サブキャリア3の下端側には、サブキャリア3に受けられるガラス基板Bの外周縁を受けるテンプレート5を設け、サブキャリア3とテンプレート5との間には、テンプレート5をその上下方向の位置を調整可能にして支持する上下位置調整機構6を介装する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置等に用いられるガラス基板の表面を研磨する研磨装置に用いられるガラス基板研磨ヘッド及びこれを用いた研磨装置、ガラス基板研磨方法、ガラス基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置等に用いられるガラス基板は、その表面に高い平坦度が要求されるものであって、平坦化の度合いが高い化学的機械的研磨法(CMP法)を用いて研磨されることによって表面が高精度の平坦面とされる。
ガラス基板研磨ヘッドは、CMP法を用いてガラス基板表面を研磨する研磨装置において、ガラス基板を研磨に適した状態にして保持するために用いられるものであって、例えばガラス基板の上面側を保持して前記ガラス基板の研磨に供される。
【0003】
CMP法を用いる研磨装置としては、例えば後述する特許文献1に示されるものがある。
特許文献1に記載の研磨装置は、半導体ウェーハ等の基板を研磨するためのものであって、基板を研磨パッドの表面に当接させた状態で研磨パッド上にスラリーを供給しつつ基板と研磨パッドとを相対移動させることで基板の表面を研磨するものである。
この研磨装置では、研磨パッド上に基板を保持する研磨ヘッドとして、キャリアと、基板が保持される下面を有するサブキャリアと、サブキャリアの外周に設けられるリテーナリングとを有し、サブキャリアとリテーナリングとを、キャリアに対して垂直方向に変位可能にして設けた研磨ヘッドを用いている。
【0004】
この研磨ヘッドにおいて、サブキャリアの基板保持面の下側には柔軟部が設けられ、この柔軟部には穴が設けられていて、圧力流体が柔軟部とサブキャリアとの間に導かれてこの圧力流体によって直接基板を押圧する構成とされている。
また、この研磨ヘッドにおいて、リテーナリングは、第二の可撓性膜体またはサブキャリアとキャリアとの間に延びるガスケットによって支持されており、サブキャリアと独立して傾斜または研磨パッドの研磨面を押圧する構成とされている。
【0005】
【特許文献1】
WO 02/18101 A2
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、基板の外周縁を受けるリテーナリングは研磨パッドに常に当接しているので、基板の研磨を繰り返すうちにリテーナリングも削り取られてしまいリテーナリングの消耗が生じてしまう。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、研磨作業を繰り返しても部品の消耗が少ないガラス基板研磨ヘッド及び研磨装置、ガラス基板研磨方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、以下の構成を採用した。
すなわち、本発明にかかるガラス基板研磨ヘッドは、研磨装置に装着されてガラス基板の上面側を保持して前記ガラス基板の研磨に供するガラス基板研磨ヘッドであって、前記研磨装置との接続部をなすヘッド基部と、該ヘッド基部の下方に設けられて下端で前記ガラス基板の上面を受けるサブキャリアと、前記ヘッド基部と前記サブキャリアとの間に介装されて該サブキャリアを上下方向への変位を可能にして支持する支持機構と、前記サブキャリアの下端側に設けられて前記サブキャリアに受けられるガラス基板の外周縁を受けるテンプレートと、前記サブキャリアと前記テンプレートとの間に介装されて該テンプレートをその上下方向の位置を調整可能にして支持する上下位置調整機構とを有していることを特徴としている。
【0009】
このように構成されるガラス基板研磨ヘッドでは、ガラス基板の上面をサブキャリアによって受け、ガラス基板の外周縁をテンプレートによって受けることでガラス基板を保持する。そして、研磨にあたっては、サブキャリアを介してガラス基板の上面を押圧してガラス基板を研磨パッドに押し付けることでガラス基板に研磨圧力を加える。
このガラス基板研磨ヘッドでは、上下位置調整機構によって、サブキャリアとは独立してテンプレートの上下方向の位置を調整することができる。これにより、ガラス基板の研磨の際にテンプレートのみを上昇させて研磨パッドに対するテンプレートの当接圧力を低減するか、テンプレートを研磨パッドから離間させて、テンプレートの摩耗を防止することができる。
【0010】
また、このガラス基板研磨ヘッドは、サブキャリアが、支持機構に支持されるサブキャリア本体と、サブキャリア本体の下面の少なくとも周縁部を覆ってサブキャリア本体の周縁部との間に第一の流体室を形成する第一の可撓性膜体とを有し、テンプレートは第一の可撓性膜体において第一の流体室を形成する領域の下面に装着され、第一の流体室にはその内圧を調整して第一の可撓性膜体を弾性変形させる第一の圧力調整機構が接続され、上下位置調整機構が、第一の流体室、第一の可撓性膜体、及び第一の圧力調整機構によって構成されていてもよい。
【0011】
このように構成されるガラス基板研磨ヘッドにおいては、上下位置調整機構が、第一の流体室と第一の可撓性膜体と第一の圧力調整機構とによって構成されており、第一の圧力調整機構によって第一の流体室の内圧を調整して第一の可撓性膜体において第一の流体室を形成する領域に加わる圧力を調整することで第一の可撓性膜体の変形量を調整して、第一の可撓性膜体に装着されるテンプレートの上下方向の位置を調整することができる。
【0012】
ここで、CMP法では、スラリーを用いてガラス基板の研磨を行うため、ガラス基板研磨ヘッドにスラリーが付着する。ガラス基板研磨ヘッド内にスラリーが侵入すると、ガラス基板研磨ヘッドの性能が低下するので、従来は、ガラス基板研磨ヘッドの性能を維持するためにガラス基板研磨ヘッドの分解清掃を適宜時期に行っている。
そこで、上記構成のガラス基板研磨ヘッドにおいて、サブキャリア本体の下端全体を第一の可撓性膜体によって覆う構成とした場合には、ガラス基板研磨ヘッドの下端においてスラリーの侵入する隙間がなくなるので、ガラス基板研磨ヘッドの洗浄頻度を少なくすることができ、また洗浄も容易となる。
【0013】
また、このガラス基板研磨ヘッドにおいて、サブキャリアには、下端に受けられるガラス基板の上面を押圧してサブキャリアから剥離させる剥離機構が設けられていてもよい。
この場合には、剥離機構を作動させることでサブキャリアに受けられたガラス基板をサブキャリアから離間する向きに押圧して剥離させることができ、ガラス基板の剥離を確実に行うことができるとともに、ガラス基板の剥離作業を自動化することができる。
【0014】
また、このガラス基板研磨ヘッドにおいて、サブキャリア本体と第一の可撓性膜体との間には、第一の流体室よりも中央側に第二の流体室が形成され、第二の流体室には、その内圧を、第一の流体室の内圧とは独立して調整する第二の圧力調整機構が接続され、第一の可撓性膜体においてガラス基板を受ける領域には、第二の流体室側から下面まで通じる貫通孔が設けられていてもよい。
【0015】
この場合には、第二の圧力調整機構によって第二の流体室の内圧を正圧とすることで、第二の流体室の内圧がガラス基板の研磨圧力として作用し、第二の流体室の内圧を調整することでガラス基板に加わる研磨圧力を調整することができる。
また、第二の流体室の内圧を負圧とすることで、第一の可撓性膜体に設けられた貫通孔を通じてガラス基板の上面を吸着してガラス基板をガラス基板研磨ヘッドに吸着保持することができる。
【0016】
ここで、第二の流体室の内圧を第一の可撓性膜体を介してガラス基板に伝達する構成では、第一の可撓性膜体の表面の微細な凹凸がガラス基板における研磨圧力の分布に反映してガラス基板に加わる研磨圧力にむらが生じてしまいガラス基板を高精度な平坦面とすることが困難となる。
しかし、上記の構成では、第一の可撓性膜体においてガラス基板を受ける領域に第二の流体室から下面まで通じる貫通孔を設けているので、第二の流体室内の流体が貫通孔を通じて第一の可撓性膜体とガラス基板との間に流入し、ガラス基板が直接流体によって押圧されることとなり、ガラス基板全体に均等に研磨圧力を加えることができ、ガラス基板を高精度な平坦面とすることができる。
【0017】
また、上記のガラス基板研磨ヘッドを、第二の流体室内に流体を供給するパージ機構を有する構成としてもよい。
この場合には、第二の流体室内に供給された流体によって第二の流体室内がパージされるとともに、この流体が第一の可撓性膜体に形成された貫通孔を通じて第一の可撓性膜体の下面側まで送り込まれて、貫通孔及び第一の可撓性膜体もパージすることができる。このため、ガラス基板研磨ヘッドを分解することなく洗浄することが可能となる。
【0018】
また、このガラス基板研磨ヘッドにおいて、支持機構は、ヘッド基部に対してサブキャリアを吊り下げ支持するとともにヘッド基部とサブキャリアとの間に第三の流体室を形成する第二の可撓性膜体と、第三の流体室の内圧を第一の流体室の内圧とは独立して調整する第三の圧力調整機構とを有する構成としてもよい。
この場合には、サブキャリアは、ヘッド基部に対して上下方向の変位及び傾斜を可能にして支持されることとなり、また第三の圧力調整機構によって第三の流体室の内圧を調整することで、研磨パッドに対するサブキャリアの当接圧力を調整することができるので、ガラス基板を研磨パッドに対して適切な圧力でかつ常に面接触させた状態で研磨することが可能となる。
【0019】
また、このガラス基板研磨ヘッドには、サブキャリアの上下方向への移動を許容しつつヘッド基部に対するサブキャリアの回転を規制する駆動力伝達機構が設けられていてもよい。
この場合には、サブキャリアをフローティング支持しつつ、研磨装置からヘッド基部を介してサブキャリアに駆動力を確実に伝達することができ、研磨効率を向上させることができる。
【0020】
本発明にかかる研磨装置は、ガラス基板の上面側をガラス基板研磨ヘッドで保持してガラス基板の研磨を行う研磨装置であって、前記ガラス基板研磨ヘッドとして、請求項1から9のいずれかに記載のガラス基板研磨ヘッドを用いることを特徴としている。
この構成の研磨装置によれば、請求項1から9のいずれかに記載のガラス基板研磨ヘッドを用いてガラス基板の研磨を行うことができる。
【0021】
本発明にかかるガラス基板研磨方法は、ガラス基板の上面を受けるサブキャリアと、該サブキャリアに受けられるガラス基板の外周縁を受けるテンプレートとを有するガラス基板研磨ヘッドによって前記ガラス基板を保持して、該ガラス基板の下面を研磨パッドの表面に当接させた状態で該研磨パッド上にスラリーを供給しつつ前記ガラス基板と前記研磨パッドとを相対移動させることで前記ガラス基板の表面を研磨するガラス基板研磨方法であって、前記サブキャリアを介して前記ガラス基板に研磨圧力を付与しつつ、前記サブキャリアとは独立して前記テンプレートの上下方向の位置を調整して、前記研磨パッドに対する前記テンプレートの当接圧力を低減するか、前記テンプレートを前記研磨パッド表面から離間させた状態で研磨を行うことを特徴としている。
【0022】
このガラス基板研磨方法においては、ガラス基板にはサブキャリアを介して研磨圧力を付与しつつ、研磨パッドに対するテンプレートの当接圧力を低減するか、テンプレートを研磨パッドから離間させているので、テンプレートの摩耗を防止することができる。
【0023】
このガラス基板研磨方法においては、サブキャリアとガラス基板の上面との間に流体を供給してこの流体圧によってガラス基板に研磨圧力を付与することが好ましい。
この場合には、ガラス基板が直接流体によって押圧されるので、ガラス基板全体に均等に研磨圧力を加えることができ、ガラス基板を高精度な平坦面とすることができる。
【0024】
また、本発明にかかるガラス基板は、請求項1から6に記載のガラス基板研磨ヘッドを用いて研磨したものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるガラス基板研磨ヘッド及び研磨装置の一実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。ここで、図1は本実施形態にかかるガラス基板研磨ヘッド及び研磨装置の構成を示す側断面図、図2は図1の拡大図、図3は図1の拡大図である。なお、以下では、縦680mm、横880mmのガラス基板Bの研磨に用いる研磨装置及びガラス基板研磨ヘッドについて説明する。
【0026】
本実施形態にかかる研磨装置は、例えば、水平面上で回転されるプラテンPLと、プラテンPLの上面に貼り付けられる研磨パッドPと、ガラス基板Bを下端で保持するガラス基板研磨ヘッドと、ガラス基板研磨ヘッドを研磨パッドPに対向する位置で回転駆動させつつ研磨パッドPに対して相対的に移動させる駆動機構Dとを有しており、ガラス基板研磨ヘッドとして、本実施形態にかかるガラス基板研磨ヘッド1を用いたものである。
また、本実施の形態では、駆動機構Dは、ガラス基板研磨ヘッド1を研磨パッドP上から研磨パッドP外の位置まで搬送可能な構成としている。
【0027】
ガラス基板研磨ヘッド1は、研磨装置との接続部をなすヘッド基部2と、ヘッド基部2の下方に設けられて下端でガラス基板Bの上面を受けるサブキャリア3と、ヘッド基部2とサブキャリア3との間に介装されてサブキャリア3を上下方向への変位を可能にして支持する支持機構4とを有している。
また、サブキャリア3の下端側には、サブキャリア3に受けられるガラス基板Bの外周縁を受けるテンプレート5が設けられ、サブキャリア3とテンプレート5との間には、テンプレート5をその上下方向の位置を調整可能にして支持する上下位置調整機構6が介装されている。
【0028】
ヘッド基部2は、研磨装置の駆動機構Dに保持される取付軸11と、取付軸11に対して略同軸にして設けられる円形平板状の天板部12とを有している。
【0029】
図2に示すように、サブキャリア3は、支持機構4によって取付軸11と略同軸にして支持される円盤形状のサブキャリア本体21と、サブキャリア本体21の下面の少なくとも周縁部を覆ってサブキャリア本体21の周縁部との間に第一の流体室22を形成する第一の可撓性膜体23と、サブキャリア本体21に対して着脱を可能にして設けられて第一の可撓性膜体23の周縁をサブキャリア本体21の側面との間に挟みこんで固定するクランプリング24とを有している。
【0030】
本実施の形態では、第一の可撓性膜体23は、サブキャリア本体21の下端全体を覆う構成とされており、周縁部ではサブキャリア本体21との間に第一の流体室22を形成し中央部では下面でガラス基板Bの上面を受けるようになっている。
テンプレート5は、中央部にガラス基板Bと同形状の開口部(縦約680mm、横約880mm)が設けられるごく薄い円形平板とされており、第一の可撓性膜体23の下面に対してサブキャリア本体21と同軸にして装着されている。サブキャリア本体21の下面においてテンプレート5に対向する領域には第一の凹部21aが設けられており、第一の凹部21aと第一の可撓性膜体23とによって、第一の流体室22が形成されている。
【0031】
第一の可撓性膜体23は、例えば繊維補強ゴムなど、布やシート等の補強材が設けられたゴム膜とされていて、その強度と耐久性が十分に確保されている。本実施の形態では、第一の可撓性膜体23の直径は1270mmとしている。
また、クランプリング24は、サブキャリア本体21に対して例えばボルト止め等によって着脱を可能にして装着されている。
【0032】
第一の流体室22には、その内圧を調整して第一の可撓性膜体23を弾性変形させる第一の圧力調整機構25が接続されている。本実施の形態では、ガラス基板研磨ヘッド1には、第一の流体室22からサブキャリア本体21、天板部12を通じて取付軸11まで通じる第一の管路26が設けられており、取付軸11には、第一の管路26が接続されるロータリージョイント(図示せず)が設けられている。第一の圧力調整機構25は、このロータリージョイントを介して、駆動装置Dによる取付軸11の回転駆動を許容しつつ第一の管路26に接続されている。
【0033】
第一の圧力調整機構25は、例えば流体の送出、吸引を行うポンプによって構成されるものであって、第一の管路26を通じて第一の流体室22内に流体を送り込むことで第一の流体室22の内圧を上昇させて第一の可撓性膜体23において第一の流体室22を形成する領域(すなわちテンプレート5が装着される領域)を下方に向けて変位させ、第一の管路26を通じて第一の流体室22内の流体を吸い出すことで、第一の流体室22の内圧を低下させて第一の可撓性膜体23において第一の流体室22を形成する領域を上方に向けて変位させるものである。
本実施の形態では、上記第一の流体室22、第一の可撓性膜体23、及び第一の圧力調整機構25とが、前記上下位置調整機構6を構成している。
【0034】
サブキャリア本体21と第一の可撓性膜体23との間には、第一の流体室22よりも中央側に、第一の流体室22とは独立した第二の流体室31が形成されている。
本実施の形態では、図2に示すように、サブキャリア本体21の下面において第一の凹部21aよりも径方向内側に第二の凹部21bが設けられており、第二の凹部21bと第一の可撓性膜体23とによって第二の流体室31が形成されている。ここで、サブキャリア本体21の下面において第一の凹部21aと第二の凹部21bとの間に位置する領域21cは、第一の可撓性膜体23の上面に当接されて第一の流体室22と第二の流体室31とを隔てる仕切りとして作用する。
【0035】
第二の流体室31には、その内圧を、第一の流体室22の内圧とは独立して調整する第二の圧力調整機構32が接続されている。本実施の形態では、ガラス基板研磨ヘッド1には、第二の流体室31からサブキャリア本体21、天板部12を通じて取付軸11まで通じる第二の管路33が設けられており、第二の圧力調整機構32は、取付軸11に設けられる前記ロータリージョイントを介して、駆動装置Dによる取付軸11の回転駆動を許容しつつ第二の管路33に接続されている。
第二の圧力調整機構32は、例えば流体の送出、吸引を行うポンプによって構成されるものであって、第二の管路33を通じて第二の流体室31内に流体を送り込むことで第二の流体室31の内圧を上昇させ、第二の管路33を通じて第二の流体室31内の流体を吸い出すことで、第二の流体室31の内圧を低下させるものである。
【0036】
図2に示すように、第一の可撓性膜体23においてガラス基板Bを受ける領域には、第二の流体室31側から下面まで通じる貫通孔23aが設けられており、この貫通孔23aによって第二の流体室31と第一の可撓性膜体23の下面側との間での流体の通過が許容されており、第二の流体室31内の流体圧力を、第一の可撓性膜体23に受けられるガラス基板Bの研磨パッドPに対する押圧力として作用させることができるようになっている。
本実施の形態では、この貫通孔23aは直径1mmとされており、第一の可撓性膜体23においてガラス基板Bを受ける領域に、例えば等間隔をあけて複数設けられている。
【0037】
サブキャリア3には、下端に受けられるガラス基板Bの上面を押圧してサブキャリア3から剥離させる剥離機構41が設けられている。
剥離機構41は、図3に示すように、サブキャリア本体21においてガラス基板Bの上面に対向する位置に上下方向への移動を可能にして設けられる押圧ピン42と、押圧ピン42を押し下げて押圧ピン42の下端によってガラス基板Bの上面を押圧させる押圧ピン駆動機構43とを有している。
また、本実施の形態では、第一の可撓性膜体23には、押圧ピン42の下端に対向する位置に、押圧ピン42の通過を許容する開口部23bが設けられており、開口部23bを通じて押圧ピン42が直接ガラス基板Bの上面を押圧することができるようになっている。
【0038】
サブキャリア本体21には、その上面から第二の流体室31内まで通じる挿通孔21dが設けられており、この挿通孔21dには、その上面側から押圧ピン42が挿通されている。
押圧ピン42は、下端部42aが挿通孔21dの最小径よりも小径とされていて、挿通孔21dを通じて下端をサブキャリア本体21の下面よりも突出可能とされている一方、上端部42bが挿通孔21dの最小径よりも大径とされていて、挿通孔21dを通過することがないようにされている。
【0039】
また、押圧ピン42の上端には、側方に張り出す突起部材44が設けられており、サブキャリア本体21の上面において挿通孔21dの近傍には、突起部43の上方への移動、すなわち押圧ピン42の上方への移動を規制するストッパー45が設けられている。
【0040】
また、押圧ピン42の上端部42bとサブキャリア本体21の上面との間には、押圧ピン42を上方に向けて付勢する付勢部材46が設けられており、これによって押圧ピン42が押圧ピン駆動機構43によって押し下げられていない状態では押圧ピン42が第二の流体室31内に押し戻されるようになっている。本実施の形態では、付勢部材46として、下端がサブキャリア本体21の上面に受けられ上端が押圧ピン42の上端部42bに受けられるコイルスプリングが用いられている。
【0041】
また、押圧ピン42の上端部42bとサブキャリア本体21の上面との間には、押圧ピン42の上下方向への移動を許容しつつ挿通孔21dと押圧ピン42との間を封止して第二の流体室31と後述する第三の流体室61とを仕切る封止部材47が設けられている。本実施の形態では、封止部材47として、下端がサブキャリア本体21の上面に気密、液密に接続され、上端が押圧ピン42の上端部42bに気密、液密に接続されるベローズが用いられている。
【0042】
また、本実施の形態ではヘッド基部2の天板部12には、押圧ピン駆動機構43として、押圧ピン42に対向する位置に、シリンダロッド43aの先端を押圧ピン42に向けた状態にしてエアシリンダまたは油圧シリンダを設けている。
押圧ピン駆動機構43は、シリンダロッド43aを下降させることで押圧ピン42を押し下げ、シリンダロッド43aを上昇させることで押圧ピン42の押圧を解除して付勢部材46による押圧ピン42の押し戻しを許容するようになっている。
この押圧ピン駆動機構43は、ヘッド基部2の取付軸11に設けられるロータリージョイントを介して、駆動装置Dによる取付軸11の回転駆動を許容しつつ研磨装置に設けられる図示せぬ制御装置に接続されており、この制御装置によってその動作を制御されるようになっている。
【0043】
上記の剥離機構41は、ガラス基板研磨ヘッド1においてサブキャリア3に受けられるガラス基板Bに対向する領域内(すなわち第二の流体室31に対向する領域内)の複数箇所に設けられている。本実施の形態では、第二の流体室31の周縁部に対向する位置(すなわちサブキャリア3に保持されるガラス基板Bの周縁部に対向する位置)の四隅に設けるとともに、これら剥離機構41を頂点とする四角形の各辺の中間部にそれぞれ設けている(すなわち計8基設置している)。
【0044】
また、ガラス基板研磨ヘッド1には、第二の流体室31内に流体を供給するパージ機構51が設けられている。本実施の形態ではパージ用の気体または液体を供給する流体供給源52を第二の管路33に接続しており、第二の管路33を通じてパージ用の気体または液体を第二の流体室31内に供給することができるようになっている。
【0045】
支持機構4は、ヘッド基部2に対してサブキャリア3を吊り下げ支持するとともにヘッド基部2とサブキャリア3との間に第三の流体室61を形成する第二の可撓性膜体62とを有している。
【0046】
本実施の形態では、サブキャリア3は、取付基部63を介して第二の可撓性膜体62に接続されている。取付基部63は、中央に開口部が設けられた円盤状をなしており、上面に第二の可撓性膜体62が取り付けられるとともに、下面にサブキャリア3が同軸にして取り付けられている。ここで、取付基部63の開口部には、第一、第二の管路26、33が挿通されており、押圧ピン駆動機構43のシリンダロッド43aは、この開口部を通じて押圧ピン42を押圧するようになっている。
【0047】
第二の可撓性膜体62は、例えば補強材が設けられたゴム膜等からなる円環状の部材であって、その内周縁または外周縁のうちの一方を、ヘッド基部2の天板部12の下面と第一のクランプ部材64との間に挟み込まれ、他方を取付基部63の上面と第二のクランプ部材65との間に挟み込まれることで、ヘッド基部2に対するサブキャリア3の上下方向の変位を許容しつつ、ヘッド基部2とサブキャリア3との間を気密、液密に封止して第三の流体室61を形成するものである。本実施の形態では、第二の可撓性膜体62は、内周縁を天板部12に取り付けられ、外周縁を取付基部63に取り付けられている。
【0048】
また、第三の流体室61には、その内圧を、第一、第二の流体室22、31の内圧とは独立して調整する第三の圧力調整機構66が接続されている。本実施の形態では、ガラス基板研磨ヘッド1には、天板部12下面から天板部12を通じて取付軸11まで通じる第三の管路67が設けられており、第三の圧力調整機構66は、取付軸11に設けられる前記ロータリージョイントを介して、駆動装置Dによる取付軸11の回転駆動を許容しつつ第三の管路67に接続されている。
【0049】
第三の圧力調整機構66は、例えば流体の送出、吸引を行うポンプによって構成されるものであって、第三の管路67を通じて第三の流体室61内に流体を送り込むことで第三の流体室61の内圧を上昇させ、第三の管路67を通じて第三の流体室61内の流体を吸い出すことで、第三の流体室61の内圧を低下させるものである。
ここで、第三の流体室61の内圧は、サブキャリア3の上面を押圧してサブキャリア3の研磨パッドPに対する押圧力として作用して、第二の流体室31の内圧とともにガラス基板Bの研磨圧力に関係するものであって、ガラス基板Bに加えたい研磨圧力の大きさに応じて適宜の圧力に調整される。
【0050】
また、ガラス基板研磨ヘッド1には、前記支持機構4に加えて、サブキャリア3の上下方向への移動を許容しつつヘッド基部2に対するサブキャリア3の回転を規制する駆動力伝達機構68が設けられている。
駆動力伝達機構68は、例えばガラス基板研磨ヘッド1において軸線周りの同一円周上の複数箇所に設けられるものであって、本実施の形態では、駆動力伝達機構68は、同一円周上に等間隔をあけて6箇所に設けられている。
【0051】
駆動力伝達機構68は、ヘッド基部2の天板部12の下面から略垂直に突出させて設けられる係合ピン69を有している。取付基部63には、挿通孔63aが上下に貫通させて設けられており、係合ピン69は、この挿通孔63aに下方から挿通されて上端を天板部12に取り付けられている。
【0052】
係合ピン69の外周部には、挿通孔63a内での係合ピン69の水平方向の位置決めを行う位置決め部材70が装着されている。位置決め部材70は、係合ピン69が挿通されるとともに外周面に全周にわたって溝が形成される筒状のブッシュ71と、この溝に装着されて外周部で挿通孔63aの内周面を受けるOリング72とを有している。
この位置決め部材70は、挿通孔63aの内周面に対する上下方向への摺動を許容しつつ、Oリング72の弾性力によって挿通孔63aの内周面を押圧して、挿通孔63aに対する係合ピン69の水平方向の位置決めを行うようになっている。
【0053】
また、係合ピン69の下端は挿通孔63aから下方に突出させられているとともに、挿通孔63aよりも大径の拡径部69aが設けられており、これによって取付基部63が天板部12から係合ピン69の下端までの間でのみ上下移動可能とされている。
【0054】
以下、このように構成される研磨装置によるガラス基板の研磨方法について説明する。
まず、駆動装置Dによってガラス基板研磨ヘッド1を研磨パッドP外にあるガラス基板装着位置に搬送する。ガラス基板装着位置には、これから研磨する面を下向きにしてガラス基板Bを配置しておく。
次いで、このガラス基板Bを、ガラス基板研磨ヘッド1によって保持する。
具体的には、剥離機構41の押圧ピン42の下端を第二の流体室31内に位置させた状態で、ガラス基板Bの上面をガラス基板研磨ヘッド1の第一の可撓性膜体23の下面中央部によって受け、ガラス基板Bの外周縁をテンプレート5の内周縁によって受け、この状態で、第二の圧力調整機構32によって第二の流体室31の内圧を負圧にすることで、第一の可撓性膜体23の貫通孔23aを通じてガラス基板Bの上面に負圧を加えてガラス基板Bを吸着保持する。
【0055】
続いて、駆動装置Dによってガラス基板研磨ヘッド1を研磨パッドP上に搬送し、保持するガラス基板Bの下面を研磨パッドPの表面に当接させたのちに、第二の圧力調整機構32によって第二の流体室31の内圧を適宜の正圧にしてガラス基板Bの吸着を解除する。この状態では、ガラス基板Bは、外周縁をテンプレート5に受けられることによってガラス基板研磨ヘッド1に保持されている。
【0056】
このようにガラス基板Bの下面を研磨パッドPの表面に当接させた状態で、研磨パッドP上にスラリーを供給しながら、駆動機構Dによってガラス基板研磨ヘッド1を軸線回りに回転駆動させつつ研磨パッドPに対して相対的に移動させることで、ガラス基板研磨ヘッド1に保持されるガラス基板Bの下面の研磨を行う。
【0057】
このガラス基板研磨ヘッド1では、サブキャリア3は、支持機構4によってヘッド基部2に対して上下方向の変位及び傾斜を可能にして支持されているので、サブキャリア3に保持されるガラス基板Bは、研磨パッドPに対して常に面接触することとなり、全面にわたって均一に研磨圧力が加えられる。
また、このガラス基板研磨ヘッド1には、サブキャリア3の上下方向への移動を許容しつつヘッド基部2に対するサブキャリア3の回転を規制する駆動力伝達機構68が設けられているので、ヘッド基部2に対して支持機構4によるサブキャリア3のフローティング支持を許容しつつ、研磨装置からヘッド基部2を介してサブキャリア3に駆動力を確実に伝達することができ、研磨効率が高い。
【0058】
このガラス基板研磨ヘッド1では、サブキャリア3を介して加わる第三の流体室61の内圧と、第二の流体室31から第一の可撓性膜体23の貫通孔23aを通じてガラス基板Bの上面に加えられる流体の圧力とによってガラス基板Bの上面を押圧して、ガラス基板Bを研磨パッドPに押し付けており、研磨にあたっては、第二、第三の流体室31、61の内圧を調整することで、ガラス基板Bに加える研磨圧力を適正にする。
そして、このガラス基板研磨ヘッド1では、第二の流体室31内から貫通孔23aを通じて第一の可撓性膜体23とガラス基板Bとの間に流入した流体によって直接ガラス基板Bを押圧しているので、第一の可撓性膜体23を介してガラス基板Bに第二の流体室31の内圧を加える場合とは異なり、第一の可撓性膜体23の表面の凹凸の影響を受けることなしに、ガラス基板B全体に均等に研磨圧力を加えることができ、ガラス基板Bを高精度な平坦面とすることができる。
【0059】
このガラス基板研磨ヘッド1は、前記のように、テンプレート5の上下方向の位置を調整する上下方向位置調整機構6を有している。
上下位置調整機構6は、第一の流体室22と第一の可撓性膜体23と第一の圧力調整機構25とによって構成されており、第一の圧力調整機構25によって第一の流体室22の内圧を調整して第一の可撓性膜体23に加わる圧力を調整することで、第一の可撓性膜体23の変形量(上下方向の変位量)を調整して、第一の可撓性膜体23に装着されるテンプレート5の上下方向の位置を調整することができる。
【0060】
そして、ガラス基板Bの研磨中は、前記のようにガラス基板Bに適正な研磨圧力を加えて研磨を良好に行いつつ、上下位置調整機構6によって、サブキャリア3とは独立してテンプレート5の上下方向の位置を調整し、研磨パッドPに対するテンプレート5の当接圧力を低減させるか、もしくはテンプレート5を研磨パッドPから離間させることで、テンプレート5の摩耗を防止することができ、研磨作業に伴う部品の消耗を少なくすることができる。
【0061】
上記のようにしてガラス基板Bの研磨を終えたのちは、ガラス基板研磨ヘッド1によって再びガラス基板Bを吸着して保持し、研磨済みのガラス基板Bをガラス基板研磨ヘッド1ごと研磨パッドP外に設けられるガラス基板取り外し位置まで搬送したのちに、ガラス基板研磨ヘッド1によるガラス基板Bの保持を解除してガラス基板Bを取り外す。
【0062】
このガラス基板研磨ヘッド1には、サブキャリア3の下端に受けられるガラス基板Bをサブキャリア3から剥離させる剥離機構41が設けられている。この剥離機構41は、図示せぬ押圧機構43を動作させて押圧機構43のシリンダロッド43aを下降させて、押圧ピン42の上端を押圧して押圧ピン42を押し下げることで、押圧ピン42の下端でサブキャリア3に保持されるガラス用基板Bの上面を押圧して剥離させるものである。
このガラス基板研磨ヘッド1では、剥離機構41を作動させることで研磨を終えたガラス基板Bをサブキャリア3から確実に剥離させることができるとともに、ガラス基板Bの剥離作業を自動化することができる。
【0063】
上記のように研磨済みのガラス基板Bの剥離を終えた後は、研磨作業を終了するか、上記の手順に従って新たなガラス基板Bの研磨作業を行う。
ここで、CMP法では、スラリーを用いてガラス基板Bの研磨を行うため、ガラス基板研磨ヘッド1にスラリーが付着する。ガラス基板研磨ヘッド1内にスラリーが侵入すると、ガラス基板研磨ヘッド1の性能が低下するので、適宜時期にガラス基板研磨ヘッド1の洗浄を行う。
【0064】
本実施の形態にかかるガラス基板研磨ヘッド1では、サブキャリア本体21の下端が第一の可撓性膜体23によって覆われており、テンプレート5が第一の可撓性膜体23の下面に装着されていて、ガラス基板研磨ヘッド1の下端においてスラリーの侵入する隙間がなくなるので、ガラス基板研磨ヘッド1の洗浄頻度を少なくすることができ、また洗浄も容易となる。
【0065】
さらに、このガラス基板研磨ヘッド1では、第一の可撓性膜体23はサブキャリア本体21に対してクランプリング24によって固定しており、クランプリング24をサブキャリア本体21に対して着脱することで容易に第一の可撓性膜体23を着脱することができ、第一の可撓性膜体23の交換や、ガラス基板研磨ヘッド1の洗浄やメンテナンスが容易となる。
ここで、第一の可撓性膜体23は、補強材が設けられたゴム膜とされているので、第一の可撓性膜体23に、自重及びサブキャリア本体21に装着する際の引張り応力に十分耐えられる強度と、長期間の使用及び着脱の繰り返しにも耐えられる耐久性とをもたせることができる。
【0066】
さらに、ガラス基板研磨ヘッド1は、第二の流体室31内に流体を供給するパージ機構51を有しており、このパージ機構51によって第二の流体室31内に流体を供給することで、第二の流体室31内がパージされるとともに、第二の流体室31内から第一の可撓性膜体23に形成された貫通孔23aを通じて第一の可撓性膜体23の下面側まで送り込まれた流体によって、第一の可撓性膜体23の貫通孔23a及び下面側がパージされ、ガラス基板研磨ヘッドを分解することなく洗浄することが可能となる。
【0067】
ここで、上記実施の形態では、パージ機構51として、第二の管路33に接続される流体供給源52を設けた例を示したが、これに限られることなく、流体供給源52は、独立した管路によって第二の流体室31に接続されていてもよい。また、流体供給源52を独立して設ける代わりに、第二の圧力調整機構32を流体供給源52として利用してもよい。
【0068】
【発明の効果】
本発明にかかるガラス基板研磨ヘッド及びこれを用いた研磨装置によれば、ガラス基板研磨ヘッドは、上下位置調整機構によって、サブキャリアとは独立してテンプレートの上下方向の位置を調整することができるので、ガラス基板の研磨の際にテンプレートのみを上昇させて研磨パッドに対するテンプレートの当接圧力を低減するか、テンプレートを研磨パッドから離間させることで、テンプレートの摩耗を防止して、研磨作業に伴う部品の消耗を少なくすることができる。
【0069】
また、本発明にかかるガラス基板研磨方法によれば、ガラス基板にはサブキャリアを介して研磨圧力を付与しつつ、研磨パッドに対するテンプレートの当接圧力を低減するか、テンプレートを研磨パッドから離間させているので、テンプレートの摩耗を防止して、研磨作業に伴う部品の消耗を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる研磨装置及びガラス基板研磨ヘッドの構成を示す縦断面図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】図1の一部拡大図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板研磨ヘッド 2 ヘッド基部
3 サブキャリア 4 支持機構
5 テンプレート 6 上下位置調整機構
21 サブキャリア本体 22 第一の流体室
23 第一の可撓性膜体 23a 貫通孔
24 クランプリング 25 第一の圧力調整機構
31 第二の流体室 32 第二の圧力調整機構
41 剥離機構 51 パージ機構
61 第三の流体室 62 第二の可撓性膜体
66 第三の圧力調整機構 68 駆動力伝達機構
B ガラス基板

Claims (10)

  1. 研磨装置に装着されてガラス基板の上面側を保持して前記ガラス基板の研磨に供するガラス基板研磨ヘッドであって、
    前記研磨装置との接続部をなすヘッド基部と、
    該ヘッド基部の下方に設けられて下端で前記ガラス基板の上面を受けるサブキャリアと、
    前記ヘッド基部と前記サブキャリアとの間に介装されて該サブキャリアを上下方向への変位を可能にして支持する支持機構と、
    前記サブキャリアの下端側に設けられて前記サブキャリアに受けられるガラス基板の外周縁を受けるテンプレートと、
    前記サブキャリアと前記テンプレートとの間に介装されて該テンプレートをその上下方向の位置を調整可能にして支持する上下位置調整機構とを有していることを特徴とするガラス基板研磨ヘッド。
  2. 前記サブキャリアが、前記支持機構に支持されるサブキャリア本体と、
    該サブキャリア本体の下面の少なくとも周縁部を覆って前記サブキャリア本体の周縁部との間に第一の流体室を形成する第一の可撓性膜体とを有し、
    前記テンプレートは前記第一の可撓性膜体において前記第一の流体室を形成する領域の下面に装着され、
    前記第一の流体室にはその内圧を調整して前記第一の可撓性膜体を弾性変形させる第一の圧力調整機構が接続され、
    前記上下位置調整機構が、前記第一の流体室、前記第一の可撓性膜体、及び前記第一の圧力調整機構によって構成されていることを特徴とする請求項1記載のガラス基板研磨ヘッド。
  3. 前記サブキャリアには、下端に受けられるガラス基板の上面を押圧して前記サブキャリアから剥離させる剥離機構が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス基板研磨ヘッド。
  4. 前記サブキャリア本体と前記第一の可撓性膜体との間には、前記第一の流体室よりも中央側に第二の流体室が形成され、
    該第二の流体室には、その内圧を、前記第一の流体室の内圧とは独立して調整する第二の圧力調整機構が接続され、
    前記第一の可撓性膜体において前記ガラス基板を受ける領域には、前記第二の流体室側から下面まで通じる貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のガラス基板研磨ヘッド。
  5. 前記第二の流体室内に流体を供給するパージ機構を有していることを特徴とする請求項4記載のガラス基板研磨ヘッド。
  6. 前記支持機構は、前記ヘッド基部に対して前記サブキャリアを吊り下げ支持するとともに前記ヘッド基部と前記サブキャリアとの間に第三の流体室を形成する第二の可撓性膜体と、
    前記第三の流体室の内圧を前記第一の流体室の内圧とは独立して調整する第三の圧力調整機構とを有していることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のガラス基板研磨ヘッド。
  7. ガラス基板の上面側をガラス基板研磨ヘッドで保持してガラス基板の研磨を行う研磨装置であって、
    前記ガラス基板研磨ヘッドとして、請求項1から6のいずれかに記載のガラス基板研磨ヘッドを用いることを特徴とする研磨装置。
  8. ガラス基板の上面を受けるサブキャリアと、該サブキャリアに受けられるガラス基板の外周縁を受けるテンプレートとを有するガラス基板研磨ヘッドによって前記ガラス基板を保持して、該ガラス基板の下面を研磨パッドの表面に当接させた状態で該研磨パッド上にスラリーを供給しつつ前記ガラス基板と前記研磨パッドとを相対移動させることで前記ガラス基板の表面を研磨するガラス基板研磨方法であって、
    前記サブキャリアを介して前記ガラス基板に研磨圧力を付与しつつ、前記サブキャリアとは独立して前記テンプレートの上下方向の位置を調整して、
    前記研磨パッドに対する前記テンプレートの当接圧力を低減するか、前記テンプレートを前記研磨パッド表面から離間させた状態で研磨を行うことを特徴とするガラス基板研磨方法。
  9. 前記サブキャリアと前記ガラス基板の上面との間に流体を供給してこの流体圧によって前記ガラス基板に研磨圧力を付与することを特徴とする請求項8記載のガラス基板研磨方法。
  10. 請求項1から6に記載のガラス基板研磨ヘッドを用いて研磨したガラス基板。
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