JP2001260012A - ウェーハ研磨用ヘッド及びこれを用いた研磨装置 - Google Patents

ウェーハ研磨用ヘッド及びこれを用いた研磨装置

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JP2001260012A
JP2001260012A JP2000073093A JP2000073093A JP2001260012A JP 2001260012 A JP2001260012 A JP 2001260012A JP 2000073093 A JP2000073093 A JP 2000073093A JP 2000073093 A JP2000073093 A JP 2000073093A JP 2001260012 A JP2001260012 A JP 2001260012A
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wafer
head
polishing
subcarrier
diaphragm
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JP2000073093A
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Tatsunobu Kobayashi
達宜 小林
Hiroshi Tanaka
弘志 田中
Etsuro Morita
悦郎 森田
Seishi Harada
晴司 原田
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Mitsubishi Materials Silicon Corp
Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Silicon Corp
Mitsubishi Materials Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/27Work carriers
    • B24B37/30Work carriers for single side lapping of plane surfaces

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設置スペースの小さいウェーハ研磨用ヘッド
及びこれを用いた研磨装置を提供する。 【解決手段】 ヘッド本体2に対してダイヤフラム5を
介してサブキャリア6(フローティング部8)をフロー
ティング支持するウェーハ研磨用ヘッド1において、ヘ
ッド本体2の外径よりもサブキャリア6の外径を大きく
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェーハな
どのウェーハ表面を研磨する装置に用いられるウェーハ
研磨用ヘッド及びこれを用いた研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造装置の高集積化に伴う
パターンの微細化が進んでおり、特に多層構造の微細な
パターンの形成が容易かつ確実に行われるために、パタ
ーンが形成される半導体ウェーハ自体及びパターンを形
成する過程における半導体ウェーハの表面を極力平坦化
させることが重要となってきている。例えば、パターン
の形成は光リソグラフィを用いて行っているが、パター
ンが微細化するにつれて光リソグラフィの焦点深度は浅
くなる。そして、パターンの精度を確保するため、また
露光時の焦点調節を容易にするためには、ウェーハ表面
での凹凸の差を焦点深度以下に納められるようにするこ
と(平坦化すること)が要求される。また、ベアウェー
ハの研磨においても、ウェーハの大径化に伴い、平坦化
への要求が厳しくなってきている。その場合、半導体ウ
ェーハ(以下、単にウェーハという)の表面を研磨する
ために平坦化の度合いが高い化学的機械的研磨法(CM
P法)が脚光を浴びている。
【0003】CMP法とは、SiO2を用いたアルカリ
性スラリーやSeO2を用いた中性スラリー、あるいは
Al23を用いた酸性スラリー、砥粒剤等を用いたスラ
リー等(以下、これらを総称して砥粒剤という)を用い
て化学的・機械的にウェーハ表面を研磨し、平坦化する
方法である。そして、CMP法を用いてウェーハの表面
を研磨する装置としては、例えば図3に示されるものが
ある。
【0004】図3において、研磨装置100は、研磨す
べきウェーハWを保持したウェーハ研磨用ヘッド101
と、円盤状に形成されたプラテン103上面に全面にわ
たって貼付された研磨パッド102とを備えている。こ
のうちウェーハ研磨用ヘッド101は、ヘッド駆動機構
であるカルーセル104下部に複数取り付けられたもの
であり、スピンドル111によって回転可能に支持さ
れ、研磨パッド102上で遊星回転されるようになって
いる。なおこの場合、プラテン103の中心位置とウェ
ーハ研磨用ヘッド101の公転中心とを偏心させて設置
することも可能である。
【0005】プラテン103は、基台105の中央に水
平に配置されており、この基台105内に設けられたプ
ラテン駆動機構106により軸線まわりに回転されるよ
うになっている。基台105の側方には支柱107が設
けられているとともに、支柱107の間には、カルーセ
ル駆動機構110を支持する上側取付板109が配置さ
れている。カルーセル駆動機構110は、下方に設けら
れたカルーセル104を軸線まわりに回転させる機能を
有している。
【0006】基台105からは、突き合わせ部112が
上方に突出するように配置されており、突き合わせ部1
12の上端には、間隔調整機構113が設けられてい
る。一方、突き合わせ部112の上方には、係止部11
4が対向配置されている。この係止部114は、上側取
付板109に固定されるとともに、上側取付板109か
ら下方に突出する構成となっている。そして、この間隔
調整機構113を調節し、突き合わせ部112と係止部
114とを当接させることにより、ウェーハ研磨用ヘッ
ド101と研磨パッド102との距離寸法を適切なもの
としている。そして、ウェーハ研磨用ヘッド101に保
持されたウェーハWと研磨パッド102表面とを当接さ
せるとともに、カルーセル104とプラテン103とを
回転させることによってウェーハWは研磨される。
【0007】次に、ウェーハ研磨用ヘッド101の一例
を図4の正断面図に示す。ウェーハ研磨用ヘッド101
は、天板部123と天板部123の外周下方に設けられ
た筒上の周壁部124とからなるヘッド本体122と、
ヘッド本体122内に張られたダイヤフラム125と、
ダイヤフラム125とヘッド本体122との間に形成さ
れる流体室134内の圧力(例えば空気圧等)を調整す
る圧力調整機構138と、ダイヤフラム125に固定さ
れるウェーハWの一面を保持するためのサブキャリア1
26と、ダイヤフラム125に、サブキャリア126の
外周面とヘッド本体122の内壁面との間に位置するよ
うに設けられるリテーナリング127とを備えている。
ここで、サブキャリア126及びリテーナリング127
は、ダイヤフラム125とともにヘッド軸線方向に変位
可能に設けられている。ダイヤフラム125は、例えば
繊維補強ゴムなどの可撓性を有する部材によって構成さ
れる。また、圧力調整機構138は、流体室134内の
圧力すなわちダイヤフラム125とともに変位するサブ
キャリア126をヘッド軸線方向に変位させる力を調節
して、サブキャリア126に保持されるウェーハWを研
磨パッド102に当接させる圧力を研磨に適した範囲内
に調節するためのものである。
【0008】このように、サブキャリア126とリテー
ナリング127とは、ダイヤフラム125によってヘッ
ド本体122に対してフローティング支持されるフロー
ティング部128とされている。すなわち、これらフロ
ーティング部128は、ダイヤフラム125が流体室1
34内の加圧空気の圧力または研磨パッド102からフ
ローティング部128が受ける当接圧力を受けて変形す
ることで、ダイヤフラム125の変形に伴って位置変位
可能に支持されている。
【0009】ここで、周壁部124の内壁の下部には、
全周にわたって段部124aが形成されている。そし
て、ダイヤフラム125は、その外周部を、段部124
aの上面と、円環形状をなすダイヤフラム固定リング1
35との間に挟み込んだ状態で、ダイヤフラム固定ボル
ト135aによってダイヤフラム固定リング135ごと
段部124aに螺着されることで、ヘッド本体122に
取り付けられている。そして、サブキャリア126及び
リテーナリング127は、それぞれダイヤフラム125
の上面に配置されるキャリア固定リング136及びリテ
ーナリング固定リング137に対して、間にダイヤフラ
ム125を挟み込んだ状態でそれぞれキャリア固定ボル
ト136a、リテーナリング固定ボルト137aによっ
て螺着されることで、ダイヤフラム125の下面に取り
付けられている。なお、これらダイヤフラム固定ボルト
135a、キャリア固定ボルト136a、リテーナリン
グ固定ボルト137aは、ダイヤフラム125に設けら
れたボルト挿通孔hを通じてダイヤフラム125の上下
に挿通されている。
【0010】このウェーハ研磨用ヘッド101を用いた
ウェーハの研磨作業は、図示せぬインサート等を介して
サブキャリア126に付着固定されたウェーハWを、研
磨パッド102に当接させて行う。ウェーハWを研磨パ
ッド102に当接させる圧力は、流体室134に供給す
る空気の圧力を変化させることで調整可能となってい
る。このようにして上記従来の研磨装置100は、ウェ
ーハWの当接圧力の均一化を図ることができ、ウェーハ
研磨面の均一性を向上させている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】研磨装置100におい
ては、ウェーハ研磨用ヘッドを多数設置し、同時に多数
のウェーハWの研磨を行うことで、ウェーハWの製造コ
ストの低減を図っている。そして、さらなる製造コスト
の低減のために、ウェーハ研磨用ヘッド101の設置数
を増やすことが要求されている。近年はウェーハWが大
型化し、同時に研磨できるウェーハWの枚数が少なくな
ってきているので、この要求はより切実なものとなって
いる。しかし、従来のウェーハ研磨用ヘッド101は、
ウェーハWを保持するフローティング部128をヘッド
本体122の開口部でダイヤフラム125を介してフロ
ーティング支持しており、フローティング部128の外
周にヘッド本体122が大きく張り出す構造となってい
る。このように、ウェーハ研磨用ヘッド101は大きな
設置スペースが必要で、設置数を増やすことは困難であ
るのが現状である。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、設置スペースの小さいウェーハ研磨用ヘッド
及びこれを用いた研磨装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の請求項1記載のウェーハ研磨用ヘッドにお
いては、プラテン上に貼付された研磨パッドにウェーハ
の一面を当接させてこれらを相対移動させることで前記
ウェーハを研磨する研磨装置に用いられて、前記ウェー
ハを保持して前記研磨パッドに当接させるウェーハ研磨
用ヘッドであって、天板部と該天板部の外周下方に設け
られた筒状の周壁部とからなるヘッド本体と、前記ヘッ
ド本体内に張られたダイヤフラムと、該ダイヤフラム
に、このダイヤフラムとともに前記ヘッド軸線方向に変
位可能に設けられて前記ウェーハを保持するフローティ
ング部と、前記ヘッド本体と前記フローティング部との
間の、前記ダイヤフラムによって外部と仕切られてなる
第一の流体室の内圧を調整する第一の圧力調整機構とを
備え、前記フローティング部は、前記ヘッド本体と略同
心にして設けられ、外径が前記ヘッド本体の外径よりも
大きい大略円盤形状をなしていることを特徴とする。
【0014】このように構成されるウェーハ研磨用ヘッ
ドにおいては、ヘッド本体の外径に対して、ウェーハを
保持するフローティング部の外径が大きいので、ウェー
ハ研磨用ヘッドのウェーハの外側への張り出しをなくし
てウェーハ保持ヘッドの設置スペースを小さくすること
ができる。ここで、従来のウェーハ研磨用ヘッドでは、
ヘッド本体に対してフローティング部をダイヤフラムに
よってフローティング支持する関係上、フローティング
部とヘッド本体との間には、外部に通じる隙間が形成さ
れる(フローティング部をサブキャリアとリテーナリン
グとによって構成し、これらをそれぞれ独立してダイヤ
フラムに取り付ける場合にはサブキャリアとリテーナリ
ングとの間にも隙間が形成される)。この隙間は、フロ
ーティング部がヘッド本体に対して相対的に移動する際
に、ダイヤフラムの変形によって容積が変化してその内
圧が変化するので、場合によっては研磨パッド上の砥粒
剤やその他の異物が隙間内に吸い込まれてしまう。ま
た、この隙間には、毛細管現象によっても砥粒剤やその
他の異物が吸い込まれてしまう。そして、研磨を続ける
うちに、砥粒剤が変質して固形物や半固形物を生じ、こ
の砥粒剤やその他の異物が再び研磨パッド上に吐き出さ
れて、ウェーハにスクラッチ等の損傷を生じさせたり、
研磨レートを悪化させたり、均一な研磨を阻害する原因
となる。そのため、定期的にウェーハ研磨用ヘッドを分
解して洗浄する必要があった。本発明のウェーハ研磨用
ヘッドでは、フローティング構造によって形成される隙
間(フローティング部の移動に伴って容積が変化する隙
間)は、フローティング部上面とヘッド本体との間に形
成されており、研磨パッドから離間されている。また、
この隙間の開口部と研磨パッドとの間はフローティング
部の外周部によって遮られているので、隙間内に異物が
吸い込まれにくくなる。これにより、ウェーハにスクラ
ッチ等の損傷を生じにくくすることができ、またウェー
ハ研磨用ヘッドにおいてフローティング部をヘッド本体
から取り外して洗浄を行う頻度を低減させて、研磨装置
の稼働率を向上させることができる。
【0015】請求項2記載のウェーハ研磨用ヘッドにお
いては、前記フローティング部が、前記ヘッド本体と略
同心にして配置される大略円盤形状のサブキャリアと、
該サブキャリアの外周部分にこのサブキャリアと略同心
にして取り付けられて、ウェーハ研磨時には前記研磨パ
ッドに当接し、前記ウェーハの周囲をおさえて係止する
リテーナリングとを有しており、前記サブキャリアの下
面には、可撓性を有し、前記サブキャリアの下面との間
に第二の流体室を形成するとともに下面で前記ウェーハ
を受ける膜体が設けられ、前記サブキャリアには、前記
第二の流体室内の圧力を調整して前記ウェーハを前記研
磨パッドに向けて押圧する力を調整する第二の圧力調整
機構が接続されていることを特徴とする。
【0016】このように構成されるウェーハ研磨用ヘッ
ドにおいては、サブキャリアの下面には、ウェーハを受
ける膜体が設けられており、これらの間には第二の流体
室が形成されている。そして第二の流体室内の圧力を第
二の圧力調整機構によって調節することで、ウェーハを
研磨パッドに向けて押圧する力を調整するようになって
いる。すなわち、このウェーハ保持ヘッドに保持される
ウェーハは、膜体によってフローティング支持されるよ
うになっているので、リテーナリングがサブキャリアに
固定されていてサブキャリアに対してフローティング支
持されていない構造でも、リテーナリングとウェーハと
を独立してフローティング支持することができ、ウェー
ハの研磨を良好に行うことができる。そして、リテーナ
リングをサブキャリアにフローティング支持する構造が
不要なので、研磨パッドに面する部分からフローティン
グ構造によって形成される隙間(異物が吸い込まれる隙
間)を無くすことができる。また、リテーナリングは、
研磨時に常に研磨パッドに当接されて損耗する消耗品で
ある。従来のウェーハ研磨用ヘッドはリテーナリングが
ダイヤフラムに固定されていて、リテーナリングを交換
するには一旦ウェーハ研磨用ヘッドを分解する必要があ
るので、メンテナンス作業に時間がかかり、研磨装置の
稼働率が頭打ちとなっているのが現状である。ここで、
ウェーハ研磨用ヘッドごと交換すればメンテナンスに要
する時間を短縮することができるが、この場合には予備
のウェーハ研磨用ヘッドを用意しておく必要があり、コ
ストアップの要因となる。本発明のウェーハ研磨用ヘッ
ドにおいては、リテーナリングはサブキャリアに取り付
けられているので、ウェーハ研磨用ヘッドを分解せずに
リテーナリングを交換することができる。
【0017】請求項3記載のウェーハ研磨用ヘッドにお
いては、前記フローティング部は、外径が前記ヘッド本
体の外径よりも大きく、該ヘッド本体と略同心にして配
置される大略円盤形状のサブキャリアと、該サブキャリ
アの外周部分にこのサブキャリアと略同心にして取り付
けられて、ウェーハ研磨時には前記研磨パッドに当接
し、前記ウェーハの周囲をおさえて係止するリテーナリ
ングとを有しており、前記サブキャリアにおいて前記ヘ
ッド本体の外周に張り出す部分が第一の張り出し部とさ
れ、前記リテーナリングは、前記サブキャリアに対し
て、前記第一の張り出し部の上面側からボルト止めされ
ることによって取り付けられていることを特徴とする。
【0018】このように構成されるウェーハ研磨用ヘッ
ドにおいては、リテーナリングは、サブキャリアに対し
て、ヘッド本体の外周側に張り出す第一の張り出し部の
上面側からボルト止めによって固定されるので、サブキ
ャリアへのリテーナリングの着脱が容易となる。そし
て、リテーナリングをサブキャリアに固定するボルトが
サブキャリアの上面にあって研磨パッドから離間してお
り、またボルトと研磨パッドとの間は第一の張り出し部
によって遮られているので、ボルト由来の金属汚染(ボ
ルトから溶けだした金属による汚染)を低減することが
できる。また、第一の張り出し部にカバーを設けてボル
トの周囲を覆うことで、ボルト由来の金属汚染をさらに
効果的に低減することができる。
【0019】請求項4記載のウェーハ研磨用ヘッドにお
いては、前記フローティング部において、前記ヘッド本
体の外周側に張り出す部分が第一の張り出し部とされ、
該第一の張り出し部の上面に、前記ヘッド本体と前記フ
ローティング部との間の隙間を側方から覆うカバーが設
けられていることを特徴とする。このように構成される
ウェーハ研磨用ヘッドにおいては、ヘッド本体とフロー
ティング部との間に形成される隙間が、フローティング
部の第一の張り出し部に設けられるカバーによって側方
を覆われているので、隙間内に異物が吸い込まれにくく
なる。また、第一の張り出し部にカバーが設けられるこ
とによって隙間内への空気の出入り口は上方に向くこと
となり、さらに異物を吸い込みにくくなるとともに、も
しカバーによって覆われる空間内に異物を吸い込んだと
しても、異物は重力によってカバーに覆われる空間内に
向けて引き戻されるので、異物が外部に吐き出されにく
くなる。
【0020】請求項5記載のウェーハ研磨用ヘッドにお
いては、前記フローティング部が、前記ダイヤフラムに
対して剛性を有する中間部材を介して取り付けられてお
り、前記フローティング部は、前記中間部材に対して着
脱を可能にして取り付けられていることを特徴とする。
【0021】従来のウェーハ研磨用ヘッドのようにフロ
ーティング部をダイヤフラムに直接取り付けているウェ
ーハ研磨用ヘッドでは、一旦ウェーハ研磨用ヘッドを分
解しなければフローティング部を取り外すことはできな
かった。また、ダイヤフラムは可撓性を有しているの
で、フローティング部を取り付ける際に歪みが生じた
り、フローティング部が最初に設定した組付位置からず
れてしまいやすい。そして、フローティング部の組付精
度は、作業者や作業条件によって異なってくるので、こ
れらの組付精度を一定とすることは困難で、ウェーハの
加工精度を安定させることが困難となっているのが現状
である。本発明のウェーハ研磨用ヘッドにおいては、フ
ローティング部が中間部材を介してダイヤフラムに取り
付けられているので、ウェーハ研磨用ヘッドを分解する
ことなく、ヘッド本体にフローティング部を着脱するこ
とができる。また、中間部材が剛性を有しているので、
ウェーハ研磨用ヘッドを組み立てる際に、従来のように
フローティング部を可撓性を有するダイヤフラムに直接
組付ける場合に比べて、フローティング部の組付精度が
安定する。そして、ダイヤフラムに対する中間部材の組
付精度を確保しておけば、フローティング部を再度装着
する際にも簡単な調整だけでフローティング部の組付精
度を確保することが可能となる。また、中間部材はフロ
ーティング部のヘッド軸線方向の位置を調節するスペー
サとして用いることもできる。すなわち、中間部材を、
そのスペーサとなる部分の厚みの異なる中間部材と交換
することで、例えば研磨するウェーハの厚みに合わせ
て、フローティング部のウェーハ保持位置の調整をする
ことができる。そして、中間部材においてスペーサとな
る部分の厚みを表示する表示部を設けることで、フロー
ティング部のセッティングを目視によって確認すること
ができ、調整ミスを低減することができる。ここで、表
示部は中間部材の一部のみである必要はなく、例えば中
間部材の全面を表示部とすることができる。そして、ス
ペーサとなる部分の厚み(ヘッド本体とフローティング
部との間の距離やこれらの相対位置、もしくは対応する
ウェーハの厚みとして表すこともできる)は、数値や目
印の数、形状などで表したり、スペーサとなる部分の厚
みに応じて中間部材を色分けするなどして示すことがで
きる。そして、この表示部を、中間部材においてウェー
ハ研磨用ヘッドの外部に露出される部分(例えば後述す
る第二の張り出し部の外周部)に設けることで、フロー
ティング部のセッティングをより容易に確認することが
できる。また、例えば中間部材を、外径がヘッド本体よ
りも大きく、ヘッド本体と略同心にして設けられる大略
円盤形状に形成し、中間部材においてヘッド本体の外周
に張り出す部分を第二の張り出し部として、フローティ
ング部を、中間部材に対して、第二の張り出し部の上面
からボルト止めすることによって取り付けてもよい。こ
れによって中間部材に対するフローティング部の着脱が
容易となり、またフローティング部を中間部材に固定す
るボルトが中間部材の上面にあって研磨パッドから離間
しており、またボルトと研磨パッドとの間は第二の張り
出し部によって遮られているので、ボルト由来の金属汚
染(ボルトから溶けだした金属による汚染)を低減する
ことができる。また、第二の張り出し部の上面に、ヘッ
ド本体と中間部材との間の隙間を側方から覆うカバーを
設けてもよい。これによって、ヘッド本体と中間部材と
の間に形成される隙間が、中間部材の第二の張り出し部
に設けられるカバーによって側方を覆われているので、
隙間内に異物が吸い込まれにくくなる。また、第二の張
り出し部にカバーが設けられることによって隙間内への
空気の出入り口は上方に向くこととなり、さらに異物を
吸い込みにくくなるとともに、もしカバーによって覆わ
れる空間内に異物を吸い込んだとしても、異物が外部に
吐き出されにくくなる。そして、このカバーによって中
間部材にフローティング部を固定するボルトを覆うこと
でボルト由来の金属汚染をさらに効果的に低減すること
ができる。
【0022】請求項6記載の研磨装置においては、表面
に研磨パッドが貼付されたプラテンと、研磨すべきウェ
ーハの一面を保持して他面を前記研磨パッドに当接させ
るウェーハ研磨用ヘッドとを備え、前記ウェーハを前記
研磨パッドに当接させた状態で前記プラテンと前記ウェ
ーハとを相対移動させることで該ウェーハの研磨を行う
研磨装置であって、前記ウェーハ研磨用ヘッドとして、
請求項1から5のいずれかに記載のウェーハ研磨用ヘッ
ドを用いることを特徴とする。
【0023】このように構成される研磨装置において
は、上記請求項1から5のいずれかに記載のウェーハ研
磨用ヘッドのもたらす作用を得てウェーハの研磨を行う
ことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】〔第一の実施の形態〕以下、本発
明の第一の実施の形態におけるウェーハ研磨用ヘッド及
びこれを用いた研磨装置について図面を参照して説明す
る。図1は本発明の第一の実施の形態のウェーハ研磨用
ヘッドを示す正断面図である。本発明の研磨装置は、例
えば図3に示す従来の研磨装置100とほぼ同様の構成
からなるものであって、ウェーハ研磨用ヘッドとして本
発明のウェーハ研磨用ヘッド1を用いたものである。
【0025】図1において、ウェーハ研磨用ヘッド1
は、天板部3及び筒状に形成された周壁部4とからなる
ヘッド本体2と、ヘッド本体2内に張られたダイヤフラ
ム5と、ダイヤフラム5の下面にヘッド本体2と略同心
にして固定される大略円盤形状のサブキャリア6と、サ
ブキャリア6の外周下部にサブキャリア6と略同心にし
て設けられた円環状のリテーナリング7とを備えてい
る。サブキャリア6は、その外径がヘッド本体2の外径
よりも大きく、下面に張られた膜体27(後述)を介し
てウェーハWの一面を保持するものである。リテーナリ
ング7は、研磨時には研磨パッド102の表面に当接
し、ウェーハWの周囲をおさえて係止する他、研磨パッ
ド102の表面に適切な力で押圧されることで、ウェー
ハWの周辺での研磨パッド102の変形を低減させ、研
磨されるウェーハWの周辺だれ(ふちだれ)を防止する
ものである。これらサブキャリア6及びリテーナリング
7は、ダイヤフラム5の弾性変形によってヘッド軸線方
向に移動可能となるようフローティング支持されるフロ
ーティング部8を構成している。
【0026】ヘッド本体2は、円板状の天板部3と、天
板部3の外周下方に固定された筒状の周壁部4とによっ
て構成されており、ヘッド本体2の下端部は開口されて
中空になっている。天板部3は、研磨装置1のスピンド
ル111に連結されるためのシャフト部9に同軸に固定
されている。シャフト部9には、第一、第二の流路11
a、11bが鉛直方向に形成されている。天板部3の下
面には、ヘッド軸線方向に延在するストッパーボルト1
2が設けられている。ストッパーボルト12の下端に
は、側方に突出させて、サブキャリアに設けられる内フ
ランジ6b(後述)と係合され得る段部12aが設けら
れている。また、周壁部4の内壁下部には全周にわたっ
て段部4aが形成されている。そして、本実施の形態で
は、周壁部4の外周面には、ヘッド本体2とフローティ
ング部8との間に形成される隙間k内に異物が侵入しな
いようにこの隙間kを覆う大略円環形状のカバー13が
設けられている。カバー13は、例えば周壁部4の外周
面に対してボルト止め等によって固定される基部13a
と、基部13aの外周側の下方に張り出し、サブキャリ
ア6の外周面まで回り込んでこれを覆うカバー部13b
を有している。カバー13を周壁部4に固定するボルト
bとしては、金属汚染を招かないように、例えば樹脂製
のものを用いることができる。
【0027】ダイヤフラム5は、例えば繊維補強ゴムな
どの可撓性を有する部材によって構成されており、内周
側が開口される円環形状をなしている。ダイヤフラム5
は、その外周部を略円環形状をなすダイヤフラム固定リ
ング15と周壁部4の段部4aの上面との間に挟み込ん
だ状態で、ダイヤフラム固定リング15をダイヤフラム
固定ボルト15aによって段部4aに螺着することで、
ヘッド本体2に取り付けられている。
【0028】また、ヘッド本体2とサブキャリア6との
間の、ダイヤフラム5によって外部と仕切られてなる空
間は第一の流体室14とされており、第一の流体室14
は、シャフト部9に形成された第一の流路11aを通じ
て第一の圧力調整機構16に接続されている。第一の圧
力調整機構16は、第一の流体室14内に流体(例えば
空気)を供給または排出することによって第一の流体室
14の内圧を調整するものであって、これによってダイ
ヤフラム5の変形とともに変位するフローティング部8
をヘッド軸線方向に変位させる力を調節している。第一
の圧力調整機構16は、フローティング部8において研
磨パッド102に当接されるリテーナリング7を研磨パ
ッド102に押し付ける力の調節を主目的としている。
【0029】第一の流体室14内には、シャフト部9に
形成された第二の流路11bとサブキャリア6に形成さ
れた流通孔24(後述)とを接続する配管17が設けら
れている。配管17は少なくとも一部が可撓性を有する
素材からなるものであって、この可撓性を有する素材か
らなる部分は、ダイヤフラム5の変形に伴うサブキャリ
ア6のヘッド軸線方向の変位を許容するよう、適度に弛
みをもって設けられている。また第二の流路11bには
第二の圧力調整機構18が接続されている。
【0030】サブキャリア6は、例えばセラミック、ま
たはより軽量なアルミ材等の高剛性材料からなるもので
あって、その外径がヘッド本体2の外径よりも大きい大
略円盤形状をなしている。サブキャリア6においてヘッ
ド本体2よりも外周側に張り出す部分は、第一の張り出
し部21とされる。サブキャリア6の上面のうち、ヘッ
ド本体2の開口部分内に位置する部分には、サブキャリ
ア6と略同心にして、ヘッド本体2内に収容される略リ
ング状の突部6aが形成されている。また、突部6aの
内周側には上側凹部cが形成されており、外周側に比べ
て一段低く形成されている。そして、上側凹部cによっ
てサブキャリア6の上部に形成される空間も第一の流体
室14とされている。突部6aは、ダイヤフラム5の上
面に配置される略円環形状をなすキャリア固定リング2
2に対して、ダイヤフラム5を挟み込んだ状態でキャリ
ア固定ボルト22aによって螺着されており、これによ
ってサブキャリア6はダイヤフラム5の下面に取り付け
られる。ここで、突部6aがサブキャリア6の上面(外
周側の上面)から突出する高さは、ヘッド本体2の段部
4aの、ヘッド軸線方向の厚みよりも大きくとられてお
り、これによってサブキャリア6の上面と周壁部4の下
端との間には、サブキャリア6のヘッド軸線方向への変
位を許容する隙間kが形成されている。
【0031】また、この突部6aの上部には、内周側に
向けて張り出して、内フランジ6bが全周にわたって形
成されている。内フランジ6bは、ヘッド本体2内に設
けたストッパーボルト12の段部12aと係合され得る
ものであって、ダイヤフラム5が下方にたわんでも、内
フランジ6bとストッパーボルト12の段部12aとが
係合することで、サブキャリア6のヘッド軸線方向の変
位を適正範囲内に規制し、ダイヤフラム5に過剰な負荷
が加わらないようにしている。また、突部6aの外周側
の側面6cはサブキャリア6の軸線に略平行な面とさ
れ、ヘッド本体2の周壁部4の内周面との間にわずかな
隙間をもって設けられている。側面6cは、周壁部4の
内周面に対して、ヘッド軸線方向に摺動され得るように
なっており、これによってサブキャリア6のヘッド軸線
方向への変位を許容しつつ、ヘッド軸線に直交する方向
への変位を規制している。ここで、突部6aの上部は、
下部に対して外径が狭められており、これによって周壁
部4との間に、サブキャリア6がヘッド軸線方向に変位
する際のダイヤフラム5の変形を許容する空間を確保し
ている。
【0032】サブキャリア6の下面には、サブキャリア
6と略同心にして略円形の下側凹部23が形成されてい
る。また、サブキャリア6の外周下部には、全周にわた
って切り欠きが形成されており、これによってサブキャ
リア6の軸線に略直交して下方を向く第一取付面24
と、サブキャリア6の軸線に略平行で外周側を向く第二
取付面25が形成されている。これら第一、第二取付面
24、25には、リテーナリング7が着脱を可能にして
取り付けられる。ここで、サブキャリア6に対してリテ
ーナリング7をボルト止めする構造を採用する場合に
は、第一の張り出し部21には上下に貫通してボルト挿
通孔21aが形成される。そしてリテーナリング7は、
このボルト挿通孔21aに挿通されるリテーナリング固
定ボルト21bによってサブキャリア6に固定される。
このボルト挿通孔21aは、第一の張り出し部21の全
周に例えば等間隔をあけて複数形成されており、また、
ヘッド本体12に取り付けられたカバー13によって覆
われている。
【0033】ここで、リテーナリング7は、上下の面が
略平行に形成されており、上面7aをサブキャリア6の
第一取付面24に取り付けられるようになっている。ま
た、リテーナリング7の内周面7bは、上面7aに対し
て略直交しており、第二取付面25との間に膜体27の
外周部27a(後述)を挟み込んでこれを固定するよう
になっている。ここで、リテーナリング7は、上面7a
とサブキャリア6の第一取付面24との間に適当な厚さ
のシムを挟み込んで装着することも可能であり、これに
よってサブキャリア6の下面に張られる膜体27下面か
らのリテーナリング7の突出量を、研磨するウェーハW
の厚みに応じて調整することができる。またリテーナリ
ング7が摩耗してその上下方向の厚みが薄くなっても、
膜体27下面からのリテーナリング7の突出量を最適な
範囲内に収めて、リテーナリング7の寿命を延ばすこと
ができる。
【0034】外周側を向く第二取付面25には、全周に
わたって嵌合溝26が形成されている。嵌合溝26は、
その底面の幅に対して開口部側の幅が狭められた形状を
なしており、サブキャリア6の下面に張られる膜体27
の端縁27b(後述)がはめ込まれるものである。そし
て、第二取付面25は、リテーナリング7がサブキャリ
ア6に取り付けられることで、リテーナリング7の内周
面7bとの間に膜体27の外周部27aを挟み込んで固
定するようになっている。これによって膜体27は、サ
ブキャリア6に対して気密に取り付けられている。ここ
で、膜体27は、例えばダイヤフラム5と同じく繊維補
強ゴムなどの可撓性を有する素材からなり、その外周部
27aは、平面状をなす内周部に対して上面側に立ち上
げられ、端縁27bを内周側に向けて折り返された形状
とされている。端縁27bは他の部分に比べて肉厚に形
成されており、これによって端縁27bはサブキャリア
6の嵌合溝26に係合されるようになっている。
【0035】サブキャリア6には、下面に形成される下
側凹部23から上面に形成される上側凹部cの略中央ま
で通じる第一の流通孔28が形成されている。この第一
の流通孔28の上面側の端部には、前記した配管17が
接続されている。また、サブキャリア6においてウェー
ハWを保持する側の面である下面には、可撓性を有し、
その下面でウェーハWを受ける膜体27が張られてお
り、これによって膜体27とサブキャリア6の下面との
間に第二の流体室29が形成されている。第二の流体室
29は、第一の流通孔28、配管17、第二の流路11
bを通じて、第二の圧力調整機構18に接続されてい
る。第二の圧力調整機構18は、第二の流体室29にお
いて流体(例えば空気)の供給または吸引を行って第二
の流体室29の内圧を調整するものである。第二の圧力
調整機構18は、ウェーハWの研磨時において第二の流
体室29の内圧を上げることで膜体27を介してウェー
ハWの全面を研磨パッド102に向けて均等圧力で押圧
し、また第二の流体室29の内圧を外気圧よりも低下さ
せて膜体27をサブキャリア6の下側凹部23内に向け
て窪ませることで、膜体27をウェーハWを吸着する吸
盤として作用させるものである。
【0036】第二の圧力調整機構18は、第二の流体室
29の内圧を調整することでフローティング部8からウ
ェーハWを研磨パッド102に向けて押圧する力を調節
して、ウェーハWをリテーナリング7とは独立してフロ
ーティング支持している。ここで、ウェーハWを研磨パ
ッド102に押し付ける力は、第二の流体室29の内圧
を、フローティング部8に対する反力として取ることで
生じており、リテーナリング7が研磨パッド102に当
接される圧力は、第二の流体室29の内圧に応じて変化
する。第一、第二の圧力調整機構16、18による第
一、第二の流体室14、29の内圧の調整は、このよう
な関係を考慮して行われる。
【0037】このように構成されたウェーハ研磨用ヘッ
ド1は、シャフト部9を研磨装置のスピンドル111に
連結することによって研磨装置に取り付けられる。この
ウェーハ研磨用ヘッド1を用いてウェーハWの研磨を行
う場合、まずウェーハWは、図示せぬローディング装置
等によってサブキャリア6の下面に設けられた膜体27
に当接される。この状態で、第二の圧力調整機構18に
よって第二の流体室29内の内圧を下げて膜体27を下
側凹部23内に向けて窪ませ、ウェーハWを吸着する吸
盤として作用させることで、ウェーハWの保持を行う。
次に、ウェーハ研磨用ヘッド1によってウェーハWを回
転駆動されるプラテン103に張られた研磨パッド10
2の表面に当接させる。ウェーハWはリテーナリング7
によって周囲を係止されつつ、その表面をプラテン10
3の上面に貼付された研磨パッド102に当接させられ
る。ここで、研磨パッド102としては、従来よりウェ
ーハの研磨に使用されていたものであればいずれの材質
のものを用いても良く、例えばポリエステル等からなる
不織布にポリウレタン樹脂等の軟質樹脂を含浸させたベ
ロアタイプ研磨パッド、ポリエステル等の不織布を基材
としてその上に発泡ポリウレタン等からなる発泡樹脂層
を形成したスエードタイプ研磨パッド、あるいは独立発
泡させたポリウレタン等からなる発泡樹脂シートが使用
される。
【0038】このように、第一の圧力調整機構16によ
るサブキャリア6及びリテーナリング7の研磨パッド1
02への押圧圧力、並びに第二の圧力調整機構18によ
り膜体27に加えられる背圧によってウェーハWを研磨
パッド102へ押圧する圧力を調節しつつ、プラテン1
03を回転させるとともにカルーセル104及びウェー
ハ研磨用ヘッド1を自転させ、これと同時に、図示しな
い研磨剤供給手段から研磨剤を研磨パッド4の表面やウ
ェーハWの被研磨面に供給させることによりウェーハW
は研磨される。
【0039】このように構成されるウェーハ研磨用ヘッ
ド1、及びこれを用いる研磨装置によれば、ヘッド本体
2の外径に対して、ウェーハWを保持するフローティン
グ部8の外径が大きいので、ウェーハ研磨用ヘッド1の
ウェーハWの外側への張り出しをなくしてウェーハ保持
ヘッド1の設置スペースを小さくすることができる。ま
た、フローティング構造によって形成される隙間kは、
サブキャリア6の上面とヘッド本体2との間に形成され
ていて研磨パッド102から離間されており、この隙間
kの開口部と研磨パッド102との間はサブキャリア6
の第一の張り出し部21によって遮られるとともにカバ
ー13によって周囲を覆われているので、隙間k内に異
物が吸い込まれにくくなる。これにより、ウェーハWに
スクラッチ等の損傷を生じにくくすることができ、また
ウェーハ研磨用ヘッド1においてフローティング部8を
ヘッド本体2から取り外して洗浄を行う頻度を低減させ
て、研磨装置の稼働率を向上させることができる。
【0040】また、ウェーハWは、膜体27によってフ
ローティング支持されるようになっているので、リテー
ナリング7がサブキャリア6に固定されていてサブキャ
リア6に対してフローティング支持されていない構造で
ありながら、リテーナリング7とウェーハWとを独立し
てフローティング支持することができ、ウェーハWの研
磨を良好に行うことができる。そして、リテーナリング
7をサブキャリア6にフローティング支持する構造が不
要なので、研磨パッド102に面する部分からフローテ
ィング構造によって形成される隙間を無くすことができ
る。また、リテーナリング7は、ダイヤフラム5ではな
く、サブキャリア6に取り付けられているので、ウェー
ハ研磨用ヘッド1を分解せずにリテーナリング7を交換
することができ、作業効率を向上させて、研磨装置の稼
働率を向上させることができる。
【0041】そして、リテーナリング7は、サブキャリ
ア6に対して、ヘッド本体2の外周側に張り出す第一の
張り出し部21の上面側からボルト止めされることによ
って固定されるので、サブキャリア6へのリテーナリン
グ7の着脱が容易となり、またリテーナリング7をサブ
キャリア6に固定するリテーナリング固定ボルト21b
がサブキャリア6の上面にあって研磨パッド102から
離間しており、またリテーナリング固定ボルト21bと
研磨パッド102との間は第一の張り出し部21によっ
て遮られているので、リテーナリング固定ボルト21b
由来の金属汚染を低減することができる。
【0042】〔第二の実施の形態〕以下、本発明の第二
の実施の形態におけるウェーハ研磨用ヘッド及びこれを
用いた研磨装置について図面を参照して説明する。図2
は本発明の第二の実施の形態のウェーハ研磨用ヘッドを
示す正断面図である。ここで、本発明の研磨装置は、図
3に示す従来の研磨装置100とほぼ同様の構成からな
り、ウェーハ研磨用ヘッドとして本発明のウェーハ研磨
用ヘッド31を用いたものである。また、以下の説明に
おいて、第一の実施の形態のウェーハ研磨用ヘッド1と
ほぼ同様の部分については同一符号を付して説明する。
【0043】本発明の第二の実施の形態にかかるウェー
ハ研磨用ヘッド31は、ウェーハ研磨用ヘッド1におい
て、サブキャリア6の代わりにサブキャリア36を用
い、サブキャリア36を、ダイヤフラム5に対して、剛
性を有する中間部材32を介して取り付けたものであ
る。ここでサブキャリア36とリテーナリング7は、フ
ローティング部8aを構成している。またヘッド本体2
と中間部材32との間の、ダイヤフラム5によって外部
と仕切られてなる空間は、第一の流体室14とされてお
り、第一の圧力調整機構16によって内圧を調整される
ようになっている。
【0044】中間部材32は、剛性を有する素材、例え
ばステンレス鋼、セラミック、アルミ材等からなり、外
径がヘッド本体2の外径よりも大きい大略円盤形状をな
している。中間部材32は、ヘッド本体2と略同心にし
て取り付けられており、ヘッド本体2よりも外周側に張
り出す部分は、第二の張り出し部41とされる。ここ
で、中間部材32はフローティング部8aのヘッド軸線
方向の位置を調節するスペーサを兼ねており、中間部材
32には、スペーサとなる部分の厚みを表示する表示部
Iが設けられている。本実施の形態では、スペーサとな
る部分の厚みは、後述する突部32aの上面から第二の
取付基準面38までの厚みである。表示部Iは中間部材
32の一部のみである必要はなく、例えば中間部材32
の全面を表示部とすることができる。また、スペーサと
なる部分の厚み(ヘッド本体2とフローティング部8a
との間の距離やこれらの相対位置、もしくは対応するウ
ェーハWの厚みとして表すこともできる)は、表示部I
に数値や目印の数、形状などで表したり、スペーサとな
る部分の厚みに応じて中間部材32を色分けするなどし
て示すことができる。本実施の形態では、中間部材32
において外部に露出される部分である第二の張り出し部
41の外周面を表示部Iとし、中間部材32を、スペー
サとなる部分の厚みに応じて色分けしたものとする。
【0045】中間部材32の上面のうち、ヘッド本体2
の開口部分内に位置する部分には、中間部材32と略同
心にして、ヘッド本体2内に収容される略リング状の突
部32aが形成されている。また、突部32aの内周側
には上側凹部cが形成されて外周側に比べて一段低く形
成されている。そして、上側凹部cによって中間部材3
2の上部に形成される空間も第一の流体室14とされて
いる。突部32aは、ダイヤフラム5の上面に配置され
る略円環形状をなす中間部材固定リング33に対して、
ダイヤフラム5を挟み込んだ状態で中間部材固定ボルト
33aによって螺着されており、これによって中間部材
32はダイヤフラム5の下面に取り付けられる。ここ
で、突部32aが中間部材32の上面(外周側の上面)
から突出する高さは、ヘッド本体2の段部4aの、ヘッ
ド軸線方向の厚みよりも大きくとられており、これによ
って中間部材32の上面と周壁部4の下端との間には、
中間部材32のヘッド軸線方向への変位を許容する隙間
k1が形成されている。そして、上側凹部cの底面中央
には、中間部材32の下面側まで通じる第二の流通孔3
9が形成されており、この第二の流通孔39の上端には
管路17が接続されている。
【0046】また、この突部32aの上端には、内周側
に向けて張り出して、内フランジ32bが全周にわたっ
て形成されている。内フランジ32bは、ヘッド本体2
内に設けたストッパーボルト12の段部12aと係合さ
れ得るものであって、ダイヤフラム5が下方にたわんで
も、内フランジ32bとストッパーボルト12の段部1
2aとが係合することで、サブキャリア36のヘッド軸
線方向の変位を適正範囲内に規制し、ダイヤフラム5に
過剰な負荷が加わらないようにしている。また、突部3
2aの外周側の側面32cは、ヘッド軸線に略平行な面
とされ、ヘッド本体2の周壁部4の内周面との間にわず
かな隙間をもって設けられている。側面32cは、周壁
部4の内周面に対して、ヘッド軸線方向に摺動され得る
ようになっており、これによって中間部材32のヘッド
軸線方向への変位を許容しつつ、ヘッド軸線に直交する
方向への変位を規制している。ここで、突部32aの上
部は下部に対して外径が狭められており、これによって
周壁部4との間に、中間部材32がヘッド軸線方向に変
位する際のダイヤフラム5の変形を許容する空間を確保
している。
【0047】ここで、本実施の形態では、第二の張り出
し部41の上面には、ヘッド本体2と中間部材32との
間に形成される隙間k1を側方から覆う大略円環形状の
カバー34が設けられている。カバー34は、例えば第
二の張り出し部41の上面に対してボルト止め等によっ
て固定される基部34aと、基部34aからヘッド本体
2の外周面(周壁部4の外周面)に沿ってヘッド軸線方
向に立ち上げられるカバー部34bとを有している。カ
バー部34bと基部34aとの間には、補強用のリブ3
4cが、カバー34の周方向に適宜間隔を開けて複数設
けられている。また、基部34aを第二の張り出し部4
1に固定するボルトbには、金属汚染を招かないよう
に、例えば樹脂製のボルトを用いることができる。
【0048】中間部材32の下面には、中間部材32と
略同心にして、サブキャリア36に設けられた係合凹部
42(後述)と係合する略円形の係合突部35が形成さ
れている。この係合突部35の外周面は、ヘッド軸線に
略平行とされ、第一の取付基準面37とされている。ま
た、中間部材32の下面のうち、係合突部35より外周
側に位置する面は、ヘッド軸線に略直交しており、第二
の取付基準面38とされている。これら第一、第二の取
付基準面37、38は、中間部材32にサブキャリア3
6を取り付ける際の取付基準面となる。ここで、第一の
取付基準面37の上端から第二の取付基準面38の内周
側にかけて逃げが形成されており、また、係合突部35
の下面はサブキャリア36の係合凹部42の底面とは非
接触状態とされており、これによって中間部材32に対
するサブキャリア36の取付精度が確保されている。
【0049】サブキャリア36は、サブキャリア6にお
いて、上面に突部6aを設けるかわりに、このサブキャ
リアと略同心にして中間部材32の係合突部35に嵌合
する係合凹部42を形成したものである。サブキャリア
36は、中間部材32に対して、ヘッド本体2と略同心
にして、着脱を可能にして取り付けられている。係合凹
部42の内側面はサブキャリア36の軸線に略平行とさ
れ、中間部材32の第一の取付基準面37と当接される
第三の取付基準面43とされている。また、サブキャリ
ア36の上面は、サブキャリア36の軸線に略直交して
おり、中間部材32の第二の取付基準面38と当接され
る第四の取付基準面44とされている。
【0050】サブキャリア36は、第三の取付基準面4
3を中間部材32の第一の取付基準面37に面接触さ
せ、第四の取付基準面44を中間部材32の第二の取付
基準面38に面接触させることで、中間部材32と略同
心となるように位置決めされる。そして、これら中間部
材32の取付基準面またはサブキャリア36の取付基準
面、もしくはこれら両方には、これらの間を気密、液密
に封止する封止材40が配されている。本実施の形態で
は、封止材40としてOリングが用いられ、中間部材3
2の第一の取付基準面37に、その全周にわたって封止
材40がはめ込まれる溝40aを形成している(溝40
aはサブキャリア36の第三の取付基準面43側に設け
てもよい)。ここで、中間部材32に対してサブキャリ
ア36をボルト止めする構造を採用する場合には、第二
の張り出し部41には上下に貫通してボルト挿通孔41
aが形成される。そしてサブキャリア36は、このボル
ト挿通孔41aに挿通されるキャリア固定ボルト41b
によって中間部材32に固定される。このボルト挿通孔
41aは、第二の張り出し部41の全周に例えば等間隔
をあけて複数形成されており、また、第二の張り出し部
41に取り付けられたカバー34によって覆われてい
る。
【0051】サブキャリア36の下面には、サブキャリ
ア36と略同心にして下側凹部23が形成されている。
そして、サブキャリア36には、下側凹部23から係合
凹部42の底面の略中央まで通じる第一の流通孔28が
形成されている。サブキャリア36の外周下部には、全
周にわたって切り欠きが形成されて第一、第二取付面2
4、25が形成されており、これら第一、第二取付面2
4、25にはリテーナリング7が着脱を可能にして取り
付けられる。ここで、サブキャリア36に対してリテー
ナリング7をボルト止めする構造を採用する場合には、
第一の張り出し部21には上下に貫通してボルト挿通孔
21aが形成される。そしてリテーナリング7は、この
ボルト挿通孔21aに挿通されるリテーナリング固定ボ
ルト21bによってサブキャリア36に固定される。こ
のボルト挿通孔21aは、リテーナリング固定ボルト2
1bの頭部を収容するようになっており、これによって
サブキャリア36を中間部材32に取り付けた際に、リ
テーナリング固定ボルト21bが中間部材32とサブキ
ャリア36との間に収容されて外部とは隔離されるよう
になっている。ボルト挿通孔21aは、第一の張り出し
部21の全周に例えば等間隔をあけて複数形成されてい
る。(例えばボルト挿通孔21aにリテーナリング固定
ボルト21bの頭部を収容させる代わりに、図2で二点
鎖線で示すように、中間部材32の下面においてボルト
挿通孔21aに対向する位置に穴D(溝でもよい)を形
成して、この穴にリテーナリング固定ボルト21bの頭
部を収容するようにしてもよい。)
【0052】また、サブキャリア36の下面には膜体2
7が張られている。膜体27はサブキャリア6に対する
取り付け構造と同様の構造によってサブキャリア36に
取り付けられている。サブキャリア36の下面と膜体2
7との間には、第二の流体室29が形成されている。第
二の流体室29は、第一の流通孔28、係合凹部42と
中間部材32の係合突部35との間に形成される隙間
と、中間部材32の第二の流通孔39、配管17を通じ
て、第二の圧力調整機構18に接続されている。
【0053】このように構成されるウェーハ研磨用ヘッ
ド31、及びこれを用いた研磨装置は、ウェーハ研磨用
ヘッド1及びこれを用いた研磨装置と同様の操作によっ
てウェーハWを研磨するものである。
【0054】このように構成されるウェーハ研磨用ヘッ
ド31、及びこれを用いた研磨装置によれば、サブキャ
リア36がダイヤフラム5に対して剛性を有する中間部
材32を介して取り付けられており、サブキャリア36
は中間部材32に対して着脱を可能にして取り付けられ
ているので、ウェーハ研磨用ヘッド31を分解すること
なくヘッド本体2にサブキャリア36を着脱することが
できる。これによりメンテナンスの作業効率を向上させ
て研磨装置の稼働率を向上させることができる。また、
中間部材32が剛性を有しているので、ウェーハ研磨用
ヘッド31を組み立てる際に、従来のようにサブキャリ
アを可撓性を有するダイヤフラム5に直接組付ける場合
に比べて、サブキャリア36の組付精度が安定し、ウェ
ーハWの研磨を良好に行うことができる。そして、ダイ
ヤフラム5に対する中間部材32の組付精度を確保して
おけば、サブキャリア36を再度装着する際にも簡単な
調整だけでサブキャリア36の組付精度を確保すること
が可能となる。
【0055】また、中間部材32を、そのスペーサとな
る部分の厚みの異なる中間部材32と交換することで、
例えば研磨するウェーハWの厚みに合わせて、フローテ
ィング部8aのウェーハ保持位置の調整をすることがで
きる。そして、中間部材32においてスペーサとなる部
分の厚みを表示する表示部Iを設けたので、フローティ
ング部のセッティングを目視によって確認することがで
き、調整ミスを低減することができる。また、表示部I
が、中間部材32においてウェーハ研磨用ヘッド31の
外部に露出される部分である第二の張り出し部41の外
周面に設けられ、また表示部Iがスペーサとなる部分の
厚みに応じて色分けされているので、ウェーハ研磨用ヘ
ッド31を分解することなく、フローティング部8aの
セッティングをより容易に確認することができ、作業効
率を向上させることができる。
【0056】また、サブキャリア36が、中間部材32
に対して、第二の張り出し部41の上面からボルト止め
することによって取り付けられているので、中間部材3
2に対するサブキャリア36の着脱が容易となる。さら
に、キャリア固定ボルト41bが中間部材32の上面側
にあって研磨パッド102から離間しており、またキャ
リア固定ボルト41bと研磨パッド102との間は第二
の張り出し部41によって遮られているので、キャリア
固定ボルト41b由来の金属汚染を低減することができ
る。
【0057】また、第二の張り出し部41の上面に、ヘ
ッド本体2と中間部材32との間の隙間k1を側方から
覆うカバー34が設けられているので、隙間k1内に異
物が吸い込まれにくくなる。また、第二の張り出し部4
1にカバー34が設けられることによって隙間k1内へ
の空気の出入り口は上方に向くこととなり、さらに異物
を吸い込みにくくなるとともに、もしカバー34によっ
て覆われる空間内に異物を吸い込んだとしても、異物が
重力によってカバー34に覆われる空間内に向けて引き
戻されるので、異物が外部に吐き出されにくくなる。そ
してこのカバー34によってキャリア固定ボルト41b
を覆うことで、キャリア固定ボルト41b由来の金属汚
染をさらに効果的に低減することができる。また、カバ
ー34を中間部材32の外周側に張り出させずにすむた
め、カバー34を設けてもウェーハ研磨用ヘッド31の
外径を大きくせずにすみ、設置スペースを小さくするこ
とができる。
【0058】また、リテーナリング7をサブキャリア3
6の上面側からボルト止めしており、またサブキャリア
36の上面は中間部材32によって覆われるので、リテ
ーナリング固定ボルト21bは外部から隔離されること
になり、さらにリテーナリング固定ボルト21b由来の
金属汚染を低減することができる。
【0059】ここで、第一の実施の形態に示すウェーハ
研磨用ヘッド1においては、ヘッド本体2とサブキャリ
ア6との間に形成される隙間kをカバー13によって覆
った例を示したが、これに限られることなく、カバー1
3の代わりに、第二の実施の形態に示すカバー34を用
いることができる。これによって、隙間k内への空気の
出入り口は上方に向くこととなり、さらに異物を吸い込
みにくくなるとともに、もしカバー35によって覆われ
る空間内に異物を吸い込んだとしても、異物は重力によ
ってカバー35に覆われる空間内に向けて引き戻される
ので、異物が外部に吐き出されにくくなる。また、リテ
ーナリング固定ボルト21aがカバー34によって覆わ
れるので、金属汚染を低減することができる。
【0060】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のウェーハ研磨用
ヘッド、及びこれを用いた研磨装置によれば、ヘッド本
体の外径に対して、ウェーハを保持するフローティング
部の外径が大きいので、ウェーハ研磨用ヘッドのウェー
ハの外側への張り出しをなくしてウェーハ保持ヘッドの
設置スペースを小さくすることができる。また、フロー
ティング構造によって形成される隙間は、フローティン
グ部上面とヘッド本体との間に形成されていて研磨パッ
ドから離間されており、また、この隙間の開口部と研磨
パッドとの間はフローティング部の外周部によって遮ら
れているので、隙間内に異物が吸い込まれにくくなる。
これにより、ウェーハにスクラッチ等の損傷を生じにく
くすることができ、またウェーハ研磨用ヘッドにおいて
フローティング部をヘッド本体から取り外して洗浄を行
う頻度を低減させて、研磨装置の稼働率を向上させるこ
とができる。
【0061】請求項2記載のウェーハ研磨用ヘッド、及
びこれを用いた研磨装置によれば、ウェーハは、膜体に
よってフローティング支持されるようになっているの
で、リテーナリングがサブキャリアに固定されていてサ
ブキャリアに対してフローティング支持されていない構
造でも、リテーナリングとウェーハとを独立してフロー
ティング支持することができ、ウェーハの研磨を良好に
行うことができる。そして、リテーナリングをサブキャ
リアに対してフローティング支持する必要がなく、研磨
パッドに面する部分からフローティング構造によって形
成される隙間を無くすことができる。また、リテーナリ
ングはサブキャリアに取り付けられているので、ウェー
ハ研磨用ヘッドを分解せずにリテーナリングを交換する
ことができ、作業効率を向上させて、研磨装置の稼働率
を向上させることができる。
【0062】請求項3記載のウェーハ研磨用ヘッド、及
びこれを用いた研磨装置によれば、リテーナリングは、
サブキャリアに対して、ヘッド本体の外周側に張り出す
第一の張り出し部の上面側からボルト止めされることに
よって固定されるので、サブキャリアへのリテーナリン
グの着脱が容易となる。またリテーナリングをサブキャ
リアに固定するボルトがサブキャリアの上面にあって研
磨パッドから離間しており、またボルトと研磨パッドと
の間は第一の張り出し部によって遮られているので、ボ
ルト由来の金属汚染(ボルトから溶けだした金属による
汚染)を低減することができる。また、第一の張り出し
部にカバーを設けてボルトの周囲を覆うことで、ボルト
由来の金属汚染をさらに効果的に低減することができ
る。
【0063】請求項4記載のウェーハ研磨用ヘッド、及
びこれを用いた研磨装置によれば、ヘッド本体とフロー
ティング部との間に形成される隙間が、フローティング
部の第一の張り出し部に設けられるカバーによって側方
を覆われているので、隙間内に異物が吸い込まれにくく
なる。また、第一の張り出し部にカバーが設けられるこ
とによって隙間内への空気の出入り口は上方に向くこと
となり、さらに異物を吸い込みにくくなるとともに、も
しカバーによって覆われる空間内に異物を吸い込んだと
しても、異物は重力を受けてカバーに覆われる空間内に
押し戻されるので、異物が外部に吐き出されにくくな
る。
【0064】請求項5記載のウェーハ研磨用ヘッド、及
びこれを用いた研磨装置によれば、フローティング部が
中間部材を介してダイヤフラムに取り付けられているの
で、ウェーハ研磨用ヘッドを分解することなく、ヘッド
本体にフローティング部を着脱することができ、作業効
率を向上させて、研磨装置の稼働率を向上させることが
できる。また、中間部材が剛性を有しているのでフロー
ティング部の組付精度が安定し、ウェーハWの研磨を良
好に行うことができる。そして、ダイヤフラムに対する
中間部材の組付精度を確保しておけば、フローティング
部を再度装着する際にも簡単な調整だけでフローティン
グ部の組付精度を確保することが可能となる。また、中
間部材はフローティング部のヘッド軸線方向の位置を調
節するスペーサとして用いることもでき、中間部材を厚
みの異なる中間部材と交換することで、フローティング
部のウェーハ保持位置の調整をすることができる。そし
て、中間部材に、スペーサとなる部分の厚みを表示する
表示部を設けることで、フローティング部のセッティン
グを目視によって確認することができ、調整ミスを低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態におけるウェーハ
研磨用ヘッドを示す正断面図である。
【図2】 本発明の第二の実施の形態におけるウェーハ
研磨用ヘッドを示す正断面図である。
【図3】 従来の研磨装置を概略的に示す正面図であ
る。
【図4】 従来のウェーハ研磨用ヘッドを示す正断面図
である。
【符号の説明】
1、31 ウェーハ研磨用ヘッド 2 ヘッド本体 3 天板部 4 周壁部 5 ダイヤフラム 6、36 サブ
キャリア 7、37 リテーナリング 8、8a フロ
ーティング部 14 第一の流体室 16 第一の圧
力調整機構 18 第二の圧力調整機構 21 第一の張
り出し部 27 膜体 29 第二の流
体室 32 中間部材 34 カバー 102 研磨パッド 103 プラテ
ン W ウェーハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 弘志 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 森田 悦郎 東京都千代田区大手町一丁目5番1号 三 菱マテリアルシリコン株式会社内 (72)発明者 原田 晴司 東京都千代田区大手町一丁目5番1号 三 菱マテリアルシリコン株式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA12 AB04 AB08 AC04 BA05 BB04 CB05 CB09 DA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラテン上に貼付された研磨パッドにウ
    ェーハの一面を当接させてこれらを相対移動させること
    で前記ウェーハを研磨する研磨装置に用いられて、前記
    ウェーハを保持して前記研磨パッドに当接させるウェー
    ハ研磨用ヘッドであって、 天板部と該天板部の外周下方に設けられた筒状の周壁部
    とからなるヘッド本体と、 前記ヘッド本体内に張られたダイヤフラムと、 該ダイヤフラムに、このダイヤフラムとともに前記ヘッ
    ド軸線方向に変位可能に設けられて前記ウェーハを保持
    するフローティング部と、 前記ヘッド本体と前記フローティング部との間の、前記
    ダイヤフラムによって外部と仕切られてなる第一の流体
    室の内圧を調整する第一の圧力調整機構とを備え、 前記フローティング部は、前記ヘッド本体と略同心にし
    て設けられ、外径が前記ヘッド本体の外径よりも大きい
    大略円盤形状をなしていることを特徴とするウェーハ研
    磨用ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記フローティング部が、前記ヘッド本
    体と略同心にして配置される大略円盤形状のサブキャリ
    アと、該サブキャリアの外周部分にこのサブキャリアと
    略同心にして取り付けられて、ウェーハ研磨時には前記
    研磨パッドに当接し、前記ウェーハの周囲をおさえて係
    止するリテーナリングとを有しており、 前記サブキャリアの下面には、可撓性を有し、前記サブ
    キャリアの下面との間に第二の流体室を形成するととも
    に下面で前記ウェーハを受ける膜体が設けられ、 前記サブキャリアには、前記第二の流体室内の圧力を調
    整して前記ウェーハを前記研磨パッドに向けて押圧する
    力を調整する第二の圧力調整機構が接続されていること
    を特徴とする請求項1記載のウェーハ研磨用ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記フローティング部は、外径が前記ヘ
    ッド本体の外径よりも大きく、該ヘッド本体と略同心に
    して配置される大略円盤形状のサブキャリアと、該サブ
    キャリアの外周部分にこのサブキャリアと略同心にして
    取り付けられて、ウェーハ研磨時には前記研磨パッドに
    当接し、前記ウェーハの周囲をおさえて係止するリテー
    ナリングとを有しており、 前記サブキャリアにおいて前記ヘッド本体の外周に張り
    出す部分が第一の張り出し部とされ、 前記リテーナリングは、前記サブキャリアに対して、前
    記第一の張り出し部の上面側からボルト止めされること
    によって取り付けられていることを特徴とする請求項1
    または2のいずれかに記載のウェーハ研磨用ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記フローティング部において、前記ヘ
    ッド本体の外周側に張り出す部分が第一の張り出し部と
    され、 該第一の張り出し部の上面に、前記ヘッド本体と前記フ
    ローティング部との間の隙間を側方から覆うカバーが設
    けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    かに記載のウェーハ研磨用ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記フローティング部が、前記ダイヤフ
    ラムに対して剛性を有する中間部材を介して取り付けら
    れており、 前記フローティング部は、前記中間部材に対して着脱を
    可能にして取り付けられていることを特徴とする請求項
    1から3のいずれかに記載のウェーハ研磨用ヘッド。
  6. 【請求項6】 表面に研磨パッドが貼付されたプラテン
    と、研磨すべきウェーハの一面を保持して他面を前記研
    磨パッドに当接させるウェーハ研磨用ヘッドとを備え、
    前記ウェーハを前記研磨パッドに当接させた状態で前記
    プラテンと前記ウェーハとを相対移動させることで該ウ
    ェーハの研磨を行う研磨装置であって、前記ウェーハ研
    磨用ヘッドとして、請求項1から5のいずれかに記載の
    ウェーハ研磨用ヘッドを用いることを特徴とする研磨装
    置。
JP2000073093A 1999-09-02 2000-03-15 ウェーハ研磨用ヘッド及びこれを用いた研磨装置 Withdrawn JP2001260012A (ja)

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EP00118225A EP1080841A3 (en) 1999-09-02 2000-09-01 Carrier head, polishing apparatus using the carrier head, and method for sensing polished surface state
KR1020000051464A KR20010030213A (ko) 1999-09-02 2000-09-01 연마 헤드, 이것을 이용한 연마 장치, 및 연마 상태 검출방법

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005012600A1 (en) * 2003-08-05 2005-02-10 Ebara Corporation Electrolytic processing apparatus and electrolytic processing method
JP2006082169A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Toshiba Corp 研磨方法及び研磨装置
JP2010036284A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Tokyo Seimitsu Co Ltd 金属コンタミレス研磨ヘッド

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