JP2004267310A - 呼吸用空気供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空気圧縮機で生成され、清浄装置で清浄化された加熱圧縮空気を防護マスクに導くにつき、簡単な構造で呼吸に適した所望の温度に下げる。
【解決手段】圧縮空気発生装置で発生させた圧縮空気を、冷媒を凝縮、蒸発させて循環させる冷却除湿装置によって冷却除湿するとともに、加熱器で加熱し、この加熱空気を弊害物除去装置によって呼吸用空気として害になる弊害物を除去した呼吸用空気としてホースを通して作業者に供給する呼吸用空気供給装置において、圧縮空気を通す系路として加熱器を通す系路の他にこれを迂回する系路を設け、その合流点に両系路から送られて来る圧縮空気を混合する混合弁を設けたことを特徴とする呼吸用空気供給装置。
【選択図】 図1
【解決手段】圧縮空気発生装置で発生させた圧縮空気を、冷媒を凝縮、蒸発させて循環させる冷却除湿装置によって冷却除湿するとともに、加熱器で加熱し、この加熱空気を弊害物除去装置によって呼吸用空気として害になる弊害物を除去した呼吸用空気としてホースを通して作業者に供給する呼吸用空気供給装置において、圧縮空気を通す系路として加熱器を通す系路の他にこれを迂回する系路を設け、その合流点に両系路から送られて来る圧縮空気を混合する混合弁を設けたことを特徴とする呼吸用空気供給装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、過酷な環境下で作業する作業者にその呼吸用空気を供給する呼吸用空気供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有害化学物質や放射能物質が漂う作業場、災害現場、粉塵の舞う作業場といった過酷な環境の下で作業する作業者は、国の厚生労働省空気清浄度基準に従った防護措置を取らなければならない。この基準には、作業環境の過酷度に応じてレベル1からレベル4まであり、ダイオキシンの存在が予測される焼却施設の特定の管理区域における運転点検作業、解体作業といったレベル3以上の作業の場合には、環境外で生成した清浄空気を導入して呼吸しなければならないことになっている。更に、レベル4では、作業衣服も、暴露防止衣服(防護服)の着用が義務付けられている。
【0003】
このうち、呼吸用空気に関しては、環境外に置かれた空気圧縮機で生成された圧縮空気をホース等で導くことになるが、空気圧縮機では高温の空気が生成されるから、多量の水分を含んでおり、このままでは呼吸用空気に適さない。又、油分や雑菌及び臭気成分等も含んでおり、これらも除去する必要がある。圧縮空気に含まれる水分を除去するには、実公昭51−46364号公報に見られるように、空気を冷却して水分を露出させることが行われているが、このようにして除湿された空気はそのままでは温度が低く、呼吸用空気に適さない。このため、外気に近い温度(常温)まで再度加熱して用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、作業者が快適な状態で作業するには、この呼吸用空気も、すべてにおいて常温にすることは適切ではない。例えば、夏場等であれば、冷たい空気の方が好まれるであろうし、特に、防護服を着用する場合、冷気を防護服内に通すと、作業環境が向上する。このように除湿されて清浄化された空気の温度を下げるには、冷気をこの空気に混合することになるが、この冷気も清浄化されたものでなければならない。又、混合するにしても、どのようにして混合するかも問題となる。本発明は、このような課題を解決するものであり、簡単な装置構成で加熱空気と冷気とを任意に混合して所望の温度にできるようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題の下、本発明は、請求項1に記載した、圧縮空気発生装置で発生させた圧縮空気を、冷媒を凝縮、蒸発させて循環させる冷却除湿装置によって冷却除湿するとともに、加熱器で加熱し、この加熱空気を弊害物除去装置によって呼吸用空気として害になる弊害物を除去した呼吸用空気としてホースを通して作業者に供給する呼吸用空気供給装置において、圧縮空気を通す系路として加熱器を通す系路の他にこれを迂回する系路を設け、その合流点に両系路から送られて来る圧縮空気を混合する混合弁を設けたことを特徴とする呼吸用空気供給装置を提供したものである。
【0006】
本発明は、以上のように、圧縮空気発生装置で発生させた圧縮空気を冷却除湿装置によって冷却除湿して弊害物除去装置に送るに際し、加熱器を通す系路とこれを迂回する系路とを設け、その合流点に両系路から送られて来た圧縮空気を混合する混合弁を設けたものであるから、この混合弁を調整することで、弊害物除去装置に送られる空気の温度を任意に調整できる。即ち、加熱器を迂回した系路を通る空気は冷却除湿装置によって十分に冷却されており、加熱器で加熱された温度も十分に加熱されたものであるから、これを混合すれば任意の温度に調整できる。
【0007】
尚、混合弁の設置個所は、両経路の合流点に限られるものではなく、請求項2に記載した、混合弁が両系路の分流点に設けられるものであり、両系路に分流する圧縮空気の量を変えるものであってもよい。又、冷却された圧縮空気の加熱方法として、請求項3に記載した、加熱器が、凝縮前の高温の冷媒で圧縮空気を加熱するものとすれば、装置構成が簡単になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はレベル4に対応した呼吸用空気供給装置の説明図であるが、レベル4では、防護服1をまとった作業者2が呼吸する呼吸用空気は、圧縮空気発生装置3で発生させた圧縮空気を冷却除湿装置4によって冷却除湿するとともに、加熱器5で加熱し、この加熱空気を弊害物除去装置6によって呼吸用空気として害になる弊害物を除去したものであり、これを可撓性のホース7で防護マスク8に導く(9はホース7が長くなる場合等に使用されるリール)。この場合、圧縮空気発生装置3、冷却除湿装置4、加熱器5及び弊害物除去装置6は、それぞれ一つのセットとして設けられており、更に、各々のセットを組み合わせて一つのユニットとすることもある。
【0009】
図2は圧縮空気発生装置3のブロック図であるが、圧縮空気発生装置3は、原動機10で駆動される空気圧縮機11を主体とするものであり、これで生成した圧縮空気は、冷却器12で冷却され、空気タンク13に貯留される。これにおいて、原動機10は、空気タンク13内の圧力を圧力スイッチ14で検出して自動運転されるし、空気タンク13には、圧力計15や安全弁16及びドレンバルブ17等が設けられている。
【0010】
図3は冷却除湿装置4のブロック図であるが、冷却除湿装置4は、フレオン、アンモニアといった冷媒を配管18を通して循環ポンプ19によって凝縮器20(21は凝縮器20を冷却する電動ファン)、蒸発器(冷却器)22と循環させるものであり、本例では、凝縮器20の前の配管18を利用して加熱器23としている。これにおいて、冷却器22は、熱シールされたケース24の中に凝縮器20を経由した配管18を通すもので構成しており、加熱器23は、同じく熱シールされたケース25の中に循環ポンプ19を経由した配管18を通すもので構成している。
【0011】
尚、凝縮器20へ至る系路には、これを短絡して冷却器22に送る配管18も設けられており、この配管18には、これを流れる冷媒の圧力を検出して循環ポンプ19を制御する圧力スイッチ26や電動ファン21の作動を制御するファンスイッチ27がジョイント28で連結されて設けられている。更に、冷媒の流量を調整するコントロールバルブ29も設けられている。
【0012】
この他、凝縮器20から冷却器22に至る配管18中には、ストレーナ30や凝縮器20で凝縮された冷媒を蒸発し易い状態にまで圧力を下げるキャピラリーチューブ31も設けられている。又、冷却器22を通過した配管18には、ジョイント28や流量を絞るキャピラリーチューブ31を介して蒸発圧力を検出する圧力計32も設けられている。更に、冷却器22を構成するケース24には、中に溜まったドレンを自動的に排出するオートドレントラップ33がバルブ33′を介して設けられている。
【0013】
以上により、循環ポンプ19で加圧された冷媒は、凝縮器20で凝縮され、キャピラリーチューブ31で膨張させられて冷却器22に送られて蒸発させられるが、このとき、気化熱を奪うから、冷却器22のケース24の中は冷却される。一方、熱を奪って加温された冷媒は、循環ポンプ19で圧縮されることによって更に昇温され、凝縮器20へと循環するが、このとき、凝縮器20の前にケース25に配管18を通した加熱器23を挿設しておけば、そのケース25の中はこの冷媒が持つ熱で加熱される。従って、空気タンク13に貯留されている圧縮空気を冷却器22のケース24に導けば、この圧縮空気は冷却され、更に、これを加熱器23に導けば、加熱されることになる。
【0014】
本発明は、冷却された圧縮空気が通る空気系路34として、上記した加熱器23を通る系路34aとこれを迂回する系路34bとを並列に設けたものである。この両系路34a、34bは、分流と合流をさせられているから、例えば、この合流点に両系路34a、34bで送られた来た圧縮空気を混合する混合弁35を設ける。この混合弁35の構造は問わないが、例えば、図5の説明図で示すものがある。これは、合流点に軸35aを中心に回転する弁体35bを有するものであり、この弁体35bは、これを空気系路34の管軸と直角にすると、中の空気の流通を完全に遮断し、平行にすると全開する構造になっているものである。
【0015】
従って、弁体35bの位置(回動角度)を調整することで、両系路34a、34bを通る冷暖の圧縮空気は、一杯に加熱されたものから最大に冷却されたものまで任意に混合できることになる。この場合の弁体35bの角度調整としては、例えば、これにレバー36を取り付け、このレバー36を手動で動かして調整するものが考えられる。尚、混合弁35の設置個所としては、両経路34a、34bの合流点に代えて分流点でもよい(図示省略)。この場合は、両経路34a、34bに分流される圧縮空気の量が調整されることになる。
【0016】
以上のようにして温度調整された圧縮空気は弊害物除去装置6へ送られる。この弊害物除去装置6は、呼吸用空気としては害になる圧縮空気中の塵芥、オイルミスト、臭気、雑菌等を除去するものであり、それぞれ系路上流から塵芥除去フィルター37、オイルミスト除去フィルター38、臭気除去フィルター39、除菌フィルター40が設けられたものである。これらを透過して来た圧縮空気は、呼吸用空気として弊害となるものをすべて除去されたものであり、これを圧力調整器41で呼吸に適した圧力に調整する。
【0017】
弊害物除去装置6にはアウトレット42が設けられており、これに可撓性のホース7を繋いで呼吸用空気を作業者2が着用している防護マスク8に導き、この空気を作業者は呼吸する。そして、ホース7を長く出す必要があるときには、リール9を使用すればよい。又、上記したアウトレット42は、通常複数設けられており、一つの呼吸用空気供給装置からは複数の作業者が呼吸用空気の供給を受けられるようになっている。尚、ホース7の途中に分配器(図示省略)を設け、この分配器からホース7を分岐して設けてもよい。
【0018】
この場合、作業者2は移動する必要があるから、上記した圧縮空気発生装置3、冷却除湿装置4、加熱器5及び弊害物除去装置6を車輪付きのパッケージ43に納めて一つのユニットとしておけば便利である。更に、この清浄化された空気は、防護服1の中に導くことも可能であり、こうすると、作業者2は、この温度の空気に浴することができる。暑い夏期等に冷たい空気を取り入れると、作業環境が向上する。
【0019】
ところで、以上の混合弁35は、作業者が体感に基づいて手動で操作するのが原則であるが、作業者2は、この呼吸用空気発生装置の位置から離れた個所で作業していることが多い。従って、混合弁35の調整を一々当該装置まで行って操作するのは面倒である(他の作業者に操作して貰うのも色々と問題がある)。このため、混合弁35を遠隔操作できるとすれば便利であり、それには、混合弁35を流体シリンダや電動シリンダ或いはサーボモータといったアクチュエータで作動できるようにしておく(図示省略)。
【0020】
そして、作業者2は、このアクチュエータに信号を送るダイアル式操作具等(ボテンシオメータ方式等がある)を身に付けておき、ダイアル式操作具等を操作してその設定量をアクチュエータに送る。すると、アクチュエータは、送られた設定量に対応して混合弁35の開度を設定するものにしておけばよい。このときのダイアル式操作具等からアクチュエータへの送信は、有線又は無線方式ということになるが、前者の場合は導線をホース7に付設しておけばよい。この他、適当な個所に温度センサを取り付けておき、その検出値でアクチュエータを制御するといった全自動方式も考えられる。
【0021】
更に、ホース7は長く延ばすことがあるから、中を通る空気は外気で加熱又は冷却され、作業者2が呼吸する空気の温度は混合弁35で設定した温度(アウトレット42における温度)と違ってくることがある。このことは、ホース7の伸延量、即ち、作業者2が位置を変える度合いが大きいほど大きくなる。そこで、ホースを断熱材で被覆しておけば、外気温度に左右され難くなり、温度調整が必要となる頻度が減少する。
【0022】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、呼吸用空気としての空気を加熱された空気と冷却された空気を任意に混合することができるから、作業者にとって最適な温度のものを得ることができ、作業条件の向上に寄与する。この場合において、加熱された空気と冷却された空気は、装置に組み込まれる加熱器を通す系路とこれを迂回する系路からのものであるから、これを混合弁で混合するとすれば、簡単な装置構成で可能であるとともに、これらの空気は同質のものであるから、その後の処理、措置を共通にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す呼吸用空気供給装置の説明図である。
【図2】本発明の一例を示す呼吸用空気供給装置を構成する圧縮空気発生装置のブロック
【図3】本発明の一例を示す呼吸用空気供給装置を構成する冷却除湿装置のブロック図である。
【図4】本発明の一例を示す呼吸用空気供給装置を構成する弊害物除去装置のブロック図
【図5】本発明の一例を示す混合弁の説明図である。
【符号の説明】
2 作業者
3 圧縮空気発生装置
4 冷却除湿装置
5 加熱器
6 弊害物除去装置
8 防護マスク
34 空気系路
34a 加熱器を通す系路
34b 加熱器を迂回する系路
35 混合弁
37 塵芥除去フィルター
38 オイルミスト除去フィルター
39 臭気除去フィルター
40 除菌フィルター
41 圧力調整器
【発明の属する技術分野】
本発明は、過酷な環境下で作業する作業者にその呼吸用空気を供給する呼吸用空気供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有害化学物質や放射能物質が漂う作業場、災害現場、粉塵の舞う作業場といった過酷な環境の下で作業する作業者は、国の厚生労働省空気清浄度基準に従った防護措置を取らなければならない。この基準には、作業環境の過酷度に応じてレベル1からレベル4まであり、ダイオキシンの存在が予測される焼却施設の特定の管理区域における運転点検作業、解体作業といったレベル3以上の作業の場合には、環境外で生成した清浄空気を導入して呼吸しなければならないことになっている。更に、レベル4では、作業衣服も、暴露防止衣服(防護服)の着用が義務付けられている。
【0003】
このうち、呼吸用空気に関しては、環境外に置かれた空気圧縮機で生成された圧縮空気をホース等で導くことになるが、空気圧縮機では高温の空気が生成されるから、多量の水分を含んでおり、このままでは呼吸用空気に適さない。又、油分や雑菌及び臭気成分等も含んでおり、これらも除去する必要がある。圧縮空気に含まれる水分を除去するには、実公昭51−46364号公報に見られるように、空気を冷却して水分を露出させることが行われているが、このようにして除湿された空気はそのままでは温度が低く、呼吸用空気に適さない。このため、外気に近い温度(常温)まで再度加熱して用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、作業者が快適な状態で作業するには、この呼吸用空気も、すべてにおいて常温にすることは適切ではない。例えば、夏場等であれば、冷たい空気の方が好まれるであろうし、特に、防護服を着用する場合、冷気を防護服内に通すと、作業環境が向上する。このように除湿されて清浄化された空気の温度を下げるには、冷気をこの空気に混合することになるが、この冷気も清浄化されたものでなければならない。又、混合するにしても、どのようにして混合するかも問題となる。本発明は、このような課題を解決するものであり、簡単な装置構成で加熱空気と冷気とを任意に混合して所望の温度にできるようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題の下、本発明は、請求項1に記載した、圧縮空気発生装置で発生させた圧縮空気を、冷媒を凝縮、蒸発させて循環させる冷却除湿装置によって冷却除湿するとともに、加熱器で加熱し、この加熱空気を弊害物除去装置によって呼吸用空気として害になる弊害物を除去した呼吸用空気としてホースを通して作業者に供給する呼吸用空気供給装置において、圧縮空気を通す系路として加熱器を通す系路の他にこれを迂回する系路を設け、その合流点に両系路から送られて来る圧縮空気を混合する混合弁を設けたことを特徴とする呼吸用空気供給装置を提供したものである。
【0006】
本発明は、以上のように、圧縮空気発生装置で発生させた圧縮空気を冷却除湿装置によって冷却除湿して弊害物除去装置に送るに際し、加熱器を通す系路とこれを迂回する系路とを設け、その合流点に両系路から送られて来た圧縮空気を混合する混合弁を設けたものであるから、この混合弁を調整することで、弊害物除去装置に送られる空気の温度を任意に調整できる。即ち、加熱器を迂回した系路を通る空気は冷却除湿装置によって十分に冷却されており、加熱器で加熱された温度も十分に加熱されたものであるから、これを混合すれば任意の温度に調整できる。
【0007】
尚、混合弁の設置個所は、両経路の合流点に限られるものではなく、請求項2に記載した、混合弁が両系路の分流点に設けられるものであり、両系路に分流する圧縮空気の量を変えるものであってもよい。又、冷却された圧縮空気の加熱方法として、請求項3に記載した、加熱器が、凝縮前の高温の冷媒で圧縮空気を加熱するものとすれば、装置構成が簡単になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はレベル4に対応した呼吸用空気供給装置の説明図であるが、レベル4では、防護服1をまとった作業者2が呼吸する呼吸用空気は、圧縮空気発生装置3で発生させた圧縮空気を冷却除湿装置4によって冷却除湿するとともに、加熱器5で加熱し、この加熱空気を弊害物除去装置6によって呼吸用空気として害になる弊害物を除去したものであり、これを可撓性のホース7で防護マスク8に導く(9はホース7が長くなる場合等に使用されるリール)。この場合、圧縮空気発生装置3、冷却除湿装置4、加熱器5及び弊害物除去装置6は、それぞれ一つのセットとして設けられており、更に、各々のセットを組み合わせて一つのユニットとすることもある。
【0009】
図2は圧縮空気発生装置3のブロック図であるが、圧縮空気発生装置3は、原動機10で駆動される空気圧縮機11を主体とするものであり、これで生成した圧縮空気は、冷却器12で冷却され、空気タンク13に貯留される。これにおいて、原動機10は、空気タンク13内の圧力を圧力スイッチ14で検出して自動運転されるし、空気タンク13には、圧力計15や安全弁16及びドレンバルブ17等が設けられている。
【0010】
図3は冷却除湿装置4のブロック図であるが、冷却除湿装置4は、フレオン、アンモニアといった冷媒を配管18を通して循環ポンプ19によって凝縮器20(21は凝縮器20を冷却する電動ファン)、蒸発器(冷却器)22と循環させるものであり、本例では、凝縮器20の前の配管18を利用して加熱器23としている。これにおいて、冷却器22は、熱シールされたケース24の中に凝縮器20を経由した配管18を通すもので構成しており、加熱器23は、同じく熱シールされたケース25の中に循環ポンプ19を経由した配管18を通すもので構成している。
【0011】
尚、凝縮器20へ至る系路には、これを短絡して冷却器22に送る配管18も設けられており、この配管18には、これを流れる冷媒の圧力を検出して循環ポンプ19を制御する圧力スイッチ26や電動ファン21の作動を制御するファンスイッチ27がジョイント28で連結されて設けられている。更に、冷媒の流量を調整するコントロールバルブ29も設けられている。
【0012】
この他、凝縮器20から冷却器22に至る配管18中には、ストレーナ30や凝縮器20で凝縮された冷媒を蒸発し易い状態にまで圧力を下げるキャピラリーチューブ31も設けられている。又、冷却器22を通過した配管18には、ジョイント28や流量を絞るキャピラリーチューブ31を介して蒸発圧力を検出する圧力計32も設けられている。更に、冷却器22を構成するケース24には、中に溜まったドレンを自動的に排出するオートドレントラップ33がバルブ33′を介して設けられている。
【0013】
以上により、循環ポンプ19で加圧された冷媒は、凝縮器20で凝縮され、キャピラリーチューブ31で膨張させられて冷却器22に送られて蒸発させられるが、このとき、気化熱を奪うから、冷却器22のケース24の中は冷却される。一方、熱を奪って加温された冷媒は、循環ポンプ19で圧縮されることによって更に昇温され、凝縮器20へと循環するが、このとき、凝縮器20の前にケース25に配管18を通した加熱器23を挿設しておけば、そのケース25の中はこの冷媒が持つ熱で加熱される。従って、空気タンク13に貯留されている圧縮空気を冷却器22のケース24に導けば、この圧縮空気は冷却され、更に、これを加熱器23に導けば、加熱されることになる。
【0014】
本発明は、冷却された圧縮空気が通る空気系路34として、上記した加熱器23を通る系路34aとこれを迂回する系路34bとを並列に設けたものである。この両系路34a、34bは、分流と合流をさせられているから、例えば、この合流点に両系路34a、34bで送られた来た圧縮空気を混合する混合弁35を設ける。この混合弁35の構造は問わないが、例えば、図5の説明図で示すものがある。これは、合流点に軸35aを中心に回転する弁体35bを有するものであり、この弁体35bは、これを空気系路34の管軸と直角にすると、中の空気の流通を完全に遮断し、平行にすると全開する構造になっているものである。
【0015】
従って、弁体35bの位置(回動角度)を調整することで、両系路34a、34bを通る冷暖の圧縮空気は、一杯に加熱されたものから最大に冷却されたものまで任意に混合できることになる。この場合の弁体35bの角度調整としては、例えば、これにレバー36を取り付け、このレバー36を手動で動かして調整するものが考えられる。尚、混合弁35の設置個所としては、両経路34a、34bの合流点に代えて分流点でもよい(図示省略)。この場合は、両経路34a、34bに分流される圧縮空気の量が調整されることになる。
【0016】
以上のようにして温度調整された圧縮空気は弊害物除去装置6へ送られる。この弊害物除去装置6は、呼吸用空気としては害になる圧縮空気中の塵芥、オイルミスト、臭気、雑菌等を除去するものであり、それぞれ系路上流から塵芥除去フィルター37、オイルミスト除去フィルター38、臭気除去フィルター39、除菌フィルター40が設けられたものである。これらを透過して来た圧縮空気は、呼吸用空気として弊害となるものをすべて除去されたものであり、これを圧力調整器41で呼吸に適した圧力に調整する。
【0017】
弊害物除去装置6にはアウトレット42が設けられており、これに可撓性のホース7を繋いで呼吸用空気を作業者2が着用している防護マスク8に導き、この空気を作業者は呼吸する。そして、ホース7を長く出す必要があるときには、リール9を使用すればよい。又、上記したアウトレット42は、通常複数設けられており、一つの呼吸用空気供給装置からは複数の作業者が呼吸用空気の供給を受けられるようになっている。尚、ホース7の途中に分配器(図示省略)を設け、この分配器からホース7を分岐して設けてもよい。
【0018】
この場合、作業者2は移動する必要があるから、上記した圧縮空気発生装置3、冷却除湿装置4、加熱器5及び弊害物除去装置6を車輪付きのパッケージ43に納めて一つのユニットとしておけば便利である。更に、この清浄化された空気は、防護服1の中に導くことも可能であり、こうすると、作業者2は、この温度の空気に浴することができる。暑い夏期等に冷たい空気を取り入れると、作業環境が向上する。
【0019】
ところで、以上の混合弁35は、作業者が体感に基づいて手動で操作するのが原則であるが、作業者2は、この呼吸用空気発生装置の位置から離れた個所で作業していることが多い。従って、混合弁35の調整を一々当該装置まで行って操作するのは面倒である(他の作業者に操作して貰うのも色々と問題がある)。このため、混合弁35を遠隔操作できるとすれば便利であり、それには、混合弁35を流体シリンダや電動シリンダ或いはサーボモータといったアクチュエータで作動できるようにしておく(図示省略)。
【0020】
そして、作業者2は、このアクチュエータに信号を送るダイアル式操作具等(ボテンシオメータ方式等がある)を身に付けておき、ダイアル式操作具等を操作してその設定量をアクチュエータに送る。すると、アクチュエータは、送られた設定量に対応して混合弁35の開度を設定するものにしておけばよい。このときのダイアル式操作具等からアクチュエータへの送信は、有線又は無線方式ということになるが、前者の場合は導線をホース7に付設しておけばよい。この他、適当な個所に温度センサを取り付けておき、その検出値でアクチュエータを制御するといった全自動方式も考えられる。
【0021】
更に、ホース7は長く延ばすことがあるから、中を通る空気は外気で加熱又は冷却され、作業者2が呼吸する空気の温度は混合弁35で設定した温度(アウトレット42における温度)と違ってくることがある。このことは、ホース7の伸延量、即ち、作業者2が位置を変える度合いが大きいほど大きくなる。そこで、ホースを断熱材で被覆しておけば、外気温度に左右され難くなり、温度調整が必要となる頻度が減少する。
【0022】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、呼吸用空気としての空気を加熱された空気と冷却された空気を任意に混合することができるから、作業者にとって最適な温度のものを得ることができ、作業条件の向上に寄与する。この場合において、加熱された空気と冷却された空気は、装置に組み込まれる加熱器を通す系路とこれを迂回する系路からのものであるから、これを混合弁で混合するとすれば、簡単な装置構成で可能であるとともに、これらの空気は同質のものであるから、その後の処理、措置を共通にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す呼吸用空気供給装置の説明図である。
【図2】本発明の一例を示す呼吸用空気供給装置を構成する圧縮空気発生装置のブロック
【図3】本発明の一例を示す呼吸用空気供給装置を構成する冷却除湿装置のブロック図である。
【図4】本発明の一例を示す呼吸用空気供給装置を構成する弊害物除去装置のブロック図
【図5】本発明の一例を示す混合弁の説明図である。
【符号の説明】
2 作業者
3 圧縮空気発生装置
4 冷却除湿装置
5 加熱器
6 弊害物除去装置
8 防護マスク
34 空気系路
34a 加熱器を通す系路
34b 加熱器を迂回する系路
35 混合弁
37 塵芥除去フィルター
38 オイルミスト除去フィルター
39 臭気除去フィルター
40 除菌フィルター
41 圧力調整器
Claims (4)
- 圧縮空気発生装置で発生させた圧縮空気を、冷媒を凝縮、蒸発させて循環させる冷却除湿装置によって冷却除湿するとともに、加熱器で加熱し、この加熱空気を弊害物除去装置によって呼吸用空気として害になる弊害物を除去した呼吸用空気としてホースを通して作業者に供給する呼吸用空気供給装置において、圧縮空気を通す系路として加熱器を通す系路の他にこれを迂回する系路を設け、その合流点に両系路から送られて来る圧縮空気を混合する混合弁を設けたことを特徴とする呼吸用空気供給装置。
- 混合弁が両系路の分流点に設けられるものであり、両系路に分流する圧縮空気の量を変えるものである請求項1の呼吸用空気供給装置。
- 加熱器が、凝縮前の冷媒で圧縮空気を加熱するものである請求項1又は2の呼吸用空気供給装置。
- 弊害物除去装置が、上流側から塵芥除去フィルター、オイルミスト除去フィルター、臭気除去フィルター、除菌フィルター及び圧力調整器を有するものである請求項1〜3いずれかの呼吸用空気供給装置。
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