JP2004267237A - エンボス付おしぼり用原紙及びおしぼり用原紙の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は原反ロールから繰り出される連続紙からのエンボス付おしぼり用原紙及びおしぼり用原紙の加工方法に関し、一枚の紙を素材としているにも係わらず強度を確保しうるようにすることを目的とする。
【解決手段】周面上に多数の断面菱形の突起部32−1, 34−1を有する回転ローラ32, 34間を原反からの連続紙を通し、連続紙上に斜紋状のエンボスパターンを付与する。回転ローラ32, 34上の突起部32−1, 34−1は回転方向に間隔をおいた斜紋線に沿って高さが低くされており、回転ローラ32, 34の通過後の連続上には紙の実質的全幅に沿って軽エンボス若しくは無エンボスの帯状領域が長手方向に間隔をおいて形成される。軽エンボス若しくは無エンボスの帯状領域によって幅方向における強度低下を緩和することができる。
【選択図】 図8
【解決手段】周面上に多数の断面菱形の突起部32−1, 34−1を有する回転ローラ32, 34間を原反からの連続紙を通し、連続紙上に斜紋状のエンボスパターンを付与する。回転ローラ32, 34上の突起部32−1, 34−1は回転方向に間隔をおいた斜紋線に沿って高さが低くされており、回転ローラ32, 34の通過後の連続上には紙の実質的全幅に沿って軽エンボス若しくは無エンボスの帯状領域が長手方向に間隔をおいて形成される。軽エンボス若しくは無エンボスの帯状領域によって幅方向における強度低下を緩和することができる。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は原反ロールから繰り出される連続紙からのエンボス付おしぼり用原紙及びおしぼり用原紙の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
おしぼり用原紙の製造に際しては原反ロールからの紙は外周面の全面に多数の突起部を有した回転ローラ間を通過されることにより紙の全面にエンボスが付される。エンボスが付されたおしぼり用原紙は二つ折りとかC字折りとか適宜折り畳まれることによりおしぼり原紙となる。このようにして得られたエンボス付おしぼり用原紙は薬液を含浸の上更に折り畳まれるか、ロール巻きされ、プラスチックフィルム袋に封入されることにより折りおしぼり又は巻きおしぼりとされる(折りおしぼりについて特許文献1参照)。
【0003】
原反としては不織布が多用されてきたが、コストの観点から紙を主体とするものが多くなってきている。そして、拭い取り性や肌触りの良さ及びボリューム感の観点から坪量で20gm2といった薄手の紙を2枚重ねとしかつその間に熱接着性シートを介在させ、これら3層を熱接着させたものをロール状に巻き取って原反としていた。しかしながら、このような3層構造の構造では薄紙使用のため紙自体のコストが嵩むし、熱接着性シートの使用もコスト増の要因となっている。また、熱接着性シート(プラスチック)を使用しているため、再利用のための処理がしにくい。そこで、坪量で40−70 gm2といった比較的に厚手の紙(例えば衛生紙)1枚を素材としたおしぼりも使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
紙を素材とする場合、おしぼり用に水分を付与することを考慮すると、強度上どうしても長繊維パルプから抄紙されたものを使用することになる。この場合に抄紙方向に繊維が並ぶため長さ方向における紙の強度は充分であるが幅方向には強度が足りなくなり、エンボスを付した場合に幅方向の強度の低下が著しくなる。即ち、エンボス加工においては、全周面に突起部を多数有した回転ローラ間に紙を通過させることにより紙面の全面に凹凸模様を付しているが、突起部によって個々の繊維が屈曲せしめられるため、横方向での繊維が散けてしまい、これが横方向強度の大幅低下を惹起させるのである。
【0005】
この発明は以上述べた問題点に鑑みなされたものであり、一枚の紙を素材としているにも係わらず強度を確保しうるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、紙を素材としたエンボス付おしぼり用原紙において、エンボスは各々が紙面の実質的に全幅に延び、紙の長手方向に間隔をおいた帯状領域にて軽く付されているか無エンボスとされていることを特徴とするエンボス付おしぼり用原紙が提供される。
【0007】
請求項1の発明の作用・効果を説明すると、軽エンボス若しくは無エンボスの前記多数の部分的な領域が帯状をなして紙面の全幅に延びていることにより、幅方向の強度低下を抑制することができる。即ち、おしぼりを広げて幅方向に引っ張った場合においても、紙面の全幅を占める帯状の軽エンボス若しくは無エンボスの領域が効くため簡単に破れてしまうことがなく、しかも軽エンボス若しくは無エンボスは帯状の領域に限定されるためエンボス効果を実質的に損なうことがない。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明において、請求項1に記載の発明において、軽エンボス若しくは無エンボスの前記帯状領域は紙面に傾斜していることを特徴とするエンボス付おしぼり用原紙が提供される。
【0009】
請求項2の発明の作用・効果を説明すると、軽エンボス若しくは無エンボスの前記帯状領域を傾斜させることにより、帯状の軽エンボス若しくは無エンボス領域による幅方向の強度低下の抑制をより効率的に行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明において、軽エンボス若しくは無エンボスの前記帯状領域は方向が異なるものが少なくとも2群交差するように設けられていることを特徴とするエンボス付おしぼり用原紙が提供される。
【0011】
請求項3の発明の作用・効果を説明すると、軽エンボス若しくは無エンボスの前記帯状領域を交差するように設けることにより、帯状の軽エンボス若しくは無エンボス領域による幅方向の強度低下の抑制効果を最大限効率よく得ることがでできる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、素材となる紙は縦方向の折線によって折り曲げられており、前記エンボスは縦方向の折線によって折り曲げられた後の上下層が重ねられた紙に付されていることを特徴とするエンボス付おしぼり用原紙が提供される。
【0013】
請求項4の発明の作用・効果を説明すると、素材となる紙へのエンボスは縦方向の折線によって折り曲げられた後の上下層が重ねられた状態において付されていることから、エンボスローラの突起部が上下層に同時に作用し、上下層のエンボスの凹凸が完全に重なり、綺麗なエンボスを付すことができ、見栄えのよいしかも拭き取り性の良好なおしぼりとすることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、原反ロールから繰り出される連続紙を少なくとも一方における外周面に突起部を分布させた一対の回転ローラ間を通過させることによりエンボスを付する方法において、少なくとも一方の周面は各々が実質的に全軸長に亘って延び回転方向に間隔をおいた部位において前記突起部が低くされるように一対の回転ローラを準備し、この準備された一対の回転ローラ間において前記連続紙を通過させ、連続紙にエンボスを付すことを特徴とするおしぼり用原紙の加工方法が提供される。
【0015】
請求項5の発明の作用・効果を説明すると、一対の回転ローラの少なくとも一方の突起部を高さの削減(突起部を完全に削り取ってしまうことも含まれる)その部位のエンボスが浅くなるか無エンボスとなり、全面にわたって軽エンボス若しくは無エンボスの領域を分布させたおしぼり用原紙を簡単に得ることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明において、前記一対の回転ローラ間を通過せしめられるに先立って原反ロールから繰り出される連続紙は回転ローラ長手方向の折線にて上下層間で折り重ねられ、折り重ねられた連続紙に前記一対の回転ローラ間でエンボスが付されることを特徴とするおしぼり用原紙の加工方法が提供される。
【0017】
請求項6の発明の作用・効果を説明すると、素材となる紙へのエンボスは縦方向の折線によって折り曲げられた後の上下層が重ねられた紙に付されていることから、エンボスローラの突起部が上下層に同時に作用し、上下層のエンボスの凹凸が完全に重なり、綺麗なエンボスを付すことができ、見栄えのよいしかも拭き取り性の良好なおしぼりとすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下この発明による 図1及び図2はこの発明の実施形態におけるおしぼり用原紙の加工ラインを示しており、原反ロール10と、スリッタ12と、ガイドローラ14と、折舟16と、給水装置18と、エンボスユニット20と、巻取ユニット22とを備えている。
【0019】
原反ロール10は連続紙Sを巻芯24上に巻回して構成される。連続紙の素材はこの発明においてはリサイクルが容易という観点から紙としており、また、紙としては坪量で40−70 gm2といった比較的に厚手の紙(例えば衛生紙)が好ましい。そして、紙としてはその原料調整工程において湿潤強度剤を添加した所謂内添式の耐水紙であることが更に好ましい。即ち、内添式の耐水紙においては原料パルプの調整過程においてメラミン系や尿素系の湿潤強度付与剤(大抵は樹脂)が添加され、おしぼり製造時の水分付与時の強度低下が少ない利点があり、また、おしぼりにしたときのボリューム感及びソフト感を確保できる。エンボスの併用は湿潤強度剤の使用量を軽減できるためコスト的に有利であり、また、湿潤強度剤の使用量を軽減はリサイクルにおいても有利となる。
【0020】
図1及び図2においてスリッタ12は回転刃26と受けロール28とを対面配置して構成される。原反ロール10からの紙などの連続紙Sは回転刃26と受けロール28との間に供給され、図1に示すように連続紙Sは長手方向に沿って二つの部分S1に分割される。
【0021】
図1に示すように折舟16は二つ並んで設けられ、連続紙Sにおける二つに分割された部分S1をそれぞれがC折りにする。即ち、折舟16は連続紙を長手方向の折線によって折り重ねられた上下層を得るもので、この発明の長手方向折り手段として機能するものである。そして、この発明はC折りだけでなく、二つ折り若しくは他の長手方向折線に沿って折り重ねられた連続紙(例えば三つ折り、四つ折り、Z折り)に応用することが可能である。図3は連続紙を二つ折りにする折舟を模式的に示しており、折舟は矢印のように折舟に入ってくる分割後の連続紙S1を受ける下向き傾斜底面16−1と、連続紙S1が徐々に二つ折りとなるように巾を窄めてゆく狭窄面16−2と、巾狭窄された連続紙を受ける水平底面16−3と、連続紙S1を最終的に上下層S1’, S1”より成る二つ折り形状にする上面16−4とからなる。C折りのための折舟も構造的には同様であり、巾方向に対称形状となっている点のみ相違するだけである。
【0022】
給水装置18はパイプ状ダクト29と、連続紙に対向したダクト29の下面に連続紙の幅方向に間隔をおいて形成される複数のノズル(図示せず)とから構成される。ノズルからのWの如き水散布により紙全面に満遍なく給水することができる。紙やエアーレイ不織布などの連続紙に給水することによりそれを構成するセルロース若しくは合成繊維の流動性を高め、後述のエンボスによる上下層の密着性を高めることができる。
【0023】
エンボスユニット20は一対の回転ローラ32, 34から構成され、回転ローラ32, 34はその外周面に後述のエンボス用突起部を有しており、紙Sが回転ローラ32, 34間を通過されることにより紙にエンボスが付され、巻き取りユニット22により巻き取られる。即ち、巻取ユニット22は一対の支持ローラ40, 42とプレスローラ44とからなり、エンボスされたC折りなどの長手方向折線に沿って折り重ねられた連続紙は巻取ユニット22において小分けされた、巻きおしぼり装置用の素材供給ロール46として巻き取られる。周知のようにロール46に巻き取られたおしぼり用紙は巻きおしぼりや折りおしぼりの製造装置に送られ、所定長さに切断され、薬液を含む水分を付与後に、ロールに巻くことにより巻きおしぼりとされるか、折り畳むことにより折りおしぼりとされる。
【0024】
次に、エンボスユニット20を構成する回転ローラ32, 34により連続紙に付されるエンボスパターンについて説明すると、図4に示すように回転ローラ32, 34はその外周面に多数の突起部32−1, 34−1を形成している。図5は従来の回転ローラ32の周面の展開図であり、全面に突起部32−1が形成される。図中、Wは紙幅方向(回転ローラ32の軸線方向に対応する)を表し、Lは紙の長さ方向(回転ローラの回転方向に対応する)を表す。図示のように突起部32−1は菱形の断面形状をなし、回転ローラ32の外周面においてその軸線(紙幅方向W)に対して角度αで傾斜した方向D1の等間隔平行直線と角度αで反対方向D2に傾斜した等間隔平行直線の交差部に形成される。即ち、突起部32−1, 34−1は方向D1, D2に並ぶように配置されるが、突起部32−1, 34−1が並ぶこの方向D1, D2をこの明細書では斜紋方向と称するものとする。
【0025】
方向D1, D2が回転ローラ32, 34の軸線(紙幅方向W)に対してなす角度α(紙面上に付されるエンボスパターンにおける斜紋方向)はこの発明では10度から30度とされる。出願人の実験データによれば、この角度範囲に設定することによりエンボスによる紙幅方向の強度低下を少なくすることができることが分かっている。
【0026】
図5に示すような突起部32−1及び 34−1の斜紋状配置は突起部32−1及び 34−1を傾斜方向が反対になるようにはす歯カッタ(軸線に対する傾斜角度α)によって2段階にて切削を行うことに由来するものである。即ち、回転ローラ32について説明すると、第1段階の切削工程においてはす歯カッタをワークとしての回転ローラ32の軸線(紙幅方向W)に対して方向D1に傾斜させて切削を行うことによりワークの外周面上に方向D1に延びる多数の等間隔平行直線に沿った溝が形成される。そして、第2段階の切削においてははす歯カッタによりワークとしての回転ローラ32の軸線(紙幅方向W)に対して反対方向D2に傾斜した等間隔平行直線に沿った溝がワークの外周面に切削される。そのため、ワークの外周面上には第1段階及び第2段階のいずれの加工においてもはす歯カッタに当たらなかった交差部位が図5に示すように菱状断面の突起部32−1として残るのである。回転ローラ34についてもはす歯カッタにより同様に交差方向の斜め溝の2段階の切削加工が行われ、第1段階及び第2段階のいずれにおいてもはす歯カッタが当たらなかったワークとしての回転ローラ34の周面状に菱形断面形状の突起部34−1が形成される。
【0027】
図4(イ)に示すように回転ローラ32, 34の突起部32−1, 34−1は回転ローラ32, 34の回転Rによって歯車様に噛合う。即ち、上部回転ローラ32の一つの突起部32−1が下部回転ローラ34の一対の突起部34−1間の隙間に入り込み、下部回転ローラ34の一つの突起部34−1が上部ローラ32の一対の突起部32−1間の隙間に入り込むような構造になっている。そして、図6は従来技術における上下の回転ローラ32, 34の外周面に設けた突起部32−1, 34−1の噛合状態を展開図にて示したものである。
【0028】
従来技術においては回転ローラ32, 34は図6に示すようにその外周面の全面に突起部32−1, 34−1を有しており、そのため回転ローラ32, 34間を通過される連続紙にはその全面にエンボス模様が形成される。図7は突起部32−1, 34−1を図6のように全面配置した従来方式の場合に回転ローラ32, 34によるエンボス加工により紙面上に得られるエンボス模様を模式的に示す。回転ローラ32の突起部32−1により図7の紙面の下向きにエンボス突起(実線の丸印)が形成され、回転ローラ34の突起部34−1により図7の紙面の上向きにエンボス突起(破線の丸印)が形成される。エンボス部の形状はもとより突起部32−1, 34−1の断面形状(菱形)に順ずる(又は多少角のとれた形状となる)が図7では簡明のため円形にて図示している。従来技術においては全面において突起部32−1, 34−1の高さは同一(突起部32−1, 34−1の同一高さを図4(イ)においてはh1にて示す)であったため、紙面の全面に均等にエンボスが付される。全面にエンボスを付した場合、回転ローラ32, 34の軸線方向、即ち、紙の幅方向Wにおける強度が足りなくなり、使用時にユーザがおしぼりを開いて引っ張った場合などに簡単に破けてしまう問題が生じやすかった。即ち、紙は長さ方向Lに繊維が揃っているため、紙の長さ方向Lにおいてはエンボスによる繊維の屈曲に係わらず強度低下は実質的に起こらない。しかしながら、紙の幅方向Wにおいてはエンボスによる繊維の屈曲により繊維の横方向に散けるような力が加わり、どうしても強度低下があったのである。
【0029】
以上の問題点に鑑み、この発明では紙の全幅に沿った帯状の無エンボス領域若しくは浅エンボス領域を設けることにより幅方向の強度確保を図っている。図8は第1の実施形態における回転ローラ32, 34の周面上での突起部の配置を示し、回転方向(紙の長手方向L)では回転ローラ32, 34間で交互に所定間隔で低突起化部を設けていると共に、低突起化部は斜紋方向の双方D1, D2に交差するように配している。即ち、図中D1A, D2Aは回転ローラ32において突起部の高さを低くするラインを示しており、方向D1, D2の各々において通常高さの突起部32−1の12個毎に1個の高さの低い突起部32−1’を設けている。そして、低突起化するラインD1A, D2Aは回転ローラ32の実質的全幅Wに延びている。同様に、回転ローラ34においても斜紋方D1, D2と平行であるが長手方向に所定間隔をおいて突起部の高さを低くしており、図中D1B, D2Bは突起部の高さを低くするラインを示しており、方向D1, D2の各々において通常高さの突起部34−1の12個毎に1個の高さの低い突起部34−1’を設けており、そして、低突起化するラインD1B, D2Bは回転ローラ34の実質的全幅Wに延びている。図4(ロ)は図8の配置における上下の回転ローラ32, 34の突起部の相対配置を模式的に示しており、高さがh2のように低くされた突起部32−1’, 34−1’は回転方向に間隔をおいて設けられている隣接するように設けられている。突起部32−1’, 34−1’の高さh2としては通常高さの突起部32−1, 34−1の高さh1と比較して10〜30%の低下となり、幾分の凹凸が残る程度の軽エンボスが行われるようにされるか、場合によっては全然無エンボスとなるようにしてもよい。
【0030】
図9は図8に説明したように突起部32−1, 32−1’, 34−1, 34−1’を配した回転ローラ32, 34間を紙を通過させたとき紙に付されるエンボスパターンを示している。図8に関し説明したように上下の回転ローラ32及び34において、それぞれが軸線方向に傾斜しつつ延び、回転方向に間隔をおき、上下の回転ローラ32, 34で交互に、相互に交差するラインD1A, D2A及びD1B, D2Bにおいて低突起化されてる。そのため、紙面にはそれぞれが全幅に傾斜しながら延び、長手方向に間隔をおき、相互に傾斜した帯状領域において軽エンボス部若しくは無エンボス部が出現され、残余の領域については突起部32−1, 34−1の高さは変わらないため通常の深さのエンボスとなる。従って、紙面の全幅に延びる帯状の軽エンボス若しくは無エンボス帯を長手方向に間隔をおいて交差するように設けることより、帯状の軽エンボス若しくは無エンボス帯が強度低下抑制機能を達成し、おしぼり開いて幅方向に引っ張るような使用の場合においても簡単に破れることをなくすることができる。そして、エンボス模様自体は紙面の実質的全面に設けられているため従来と実質的に遜色のないエンボス効果をも確保することができる。
【0031】
図10はこの発明の別実施形態におけるエンボスパターンを示しており、無エンボス領域又は軽エンボス領域は各々が紙面の幅方向Wに真っ直ぐ設けられている。このようなエンボスパターンを得るため上下の回転ローラ32, 34は各々が軸線方向に平行に延び円周方向に等間隔のラインに沿って突起部32−1, 34−1 がその高さを低くされている。図10に示すようなエンボスパターンにおいても紙は夫々が幅方向の全長に延び、長手方向に間隔をおいて帯状の無エンボス若しくは軽エンボス域を有している。このような幅方向の無エンボス部若しくは軽エンボス部の存在によってもおしぼりを広げて引っ張った場合において簡単には千切れてしまわないようにすることができ、必要な強度を維持することができる点で優れており、また、エンボスの効果も実質的に損なわれることはない。
【0032】
以上説明の実施形態においては、エンボスユニット20(図1及び図2)は回転ローラ32,34はいずれもその外周面に図4の突起部32−1, 34−1を有している。しかしながら、エンボスユニットとして上下の回転ローラのうちの一方のみ、例えば上部ローラ32にのみ突起部が設けられ、下部ローラには突起部は設けられないものが使用されうる。図11はそのようなエンボスユニットによるこの発明のエンボスパターンの一実施例を示しており、エンボスパターンは上面からの○印のように付与される。そして、この実施形態においても回転ローラに設けられる突起部は交差方向(図5のD1, D2方向)に平行で回転方向に等間隔のラインにおいて突起部(図5の突起部32−1)が低くされている。そのため、各々が幅方向Wに傾斜しながら延び、長さ方向Lに間隔をおいた交差帯状領域において無エンボス部若しくは浅エンボス部が設けられ、おしぼり用紙の幅方向の強度維持を図ることができる。
【0033】
図12は図11の実施形態を幾分変形した実施形態を示し、この場合もエンボスユニットは回転ローラのうちの一方のみ、例えば、上部ローラのみエンボス付与用の突起を有したものである。この実施形態においては、図11のようにD1, D2方向に無エンボス若しくは浅エンボス部を設けることに加え、紙面の幅方向Wに真っ直ぐな方向にも無エンボス若しくは浅エンボス部を設けたことを特徴としている。
【0034】
本発明によれば、以上の各実施形態の説明のように回転ローラ32, 34はその少なくとも一方の外周面において、突起部32−1, 34−1が軸線方向の実質的全長に平行若しくは傾斜して延び、回転方向に間隔をおいたラインに沿って高さが低くされ、これにより、紙面には、各々が幅方向に平行若しくは傾斜して延び、長手方向に間隔をおいた帯状領域において無エンボス若しくは軽エンボスとされている。そして、この帯状領域以外の紙面上の部位には回転ローラ32, 34の突起部32−1, 34−1により通常深さのエンボスが付されているが、この発明では回転ローラ32, 34間でのエンボスは、原反10からの紙を長手方向の折線によってC折りなどとすることにより上下層を重ねた状態で行っているためエンボス部(浅エンボス部も含む)により綺麗なエンボスを付すことができる。即ち、図13に模式的に示すように連続紙S1はC折りによって下層S1’と上層S1”との2重層をなしているが(図3も参照)、この2重層が回転ローラ32, 34間を矢印fのように通されるため、上下の回転ローラ32, 34の突起部32−1, 3401は2重層における下層S1’と上層S1”上層とに同時に作用する。即ち、上部回転ローラ32の突起部32−1が2重層の上層S1’を図の下向き突出させ、この下向きに突出された上層S1’の部分により下層S1”が突起部34−1の間において下向きに突出せしめる。また、下部回転ローラ34の1つの突起部34−1が2重層の上層S1’を図の下向き突出させ、この下向きに突出された上層S1’の部分により下層S1”が突起部32−1の間において上向きに突出せしめられる。そのため、上下層S1’, S1”は密着状態を維持しつつ回転ローラ32, 34の周面の突起部32−1, 34−1に応じた凹凸が付刻される。従って、上下層S1’, S1”には完全に同一位相のエンボスによる凹凸模様が形成せしめられ、長手方向における折線の部位を含めた全面においても上下層の良好な密着性を得ることができる。そのため、綺麗なエンボス状態を得ることができる。また、上下層の密着性が良好なため、ロール34として巻回状態においてストレートな肩部が得られ、綺麗な巻き姿することができ、巻きおしぼりの原紙として使用した場合において繰り出し時の引っかかりなどのトラブルを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はC折りエンボスシートのロール巻き装置の平面図である。
【図2】図2は図1の装置の側面図である。
【図3】図3は二つ折り用の折舟の模式的斜視図である。
【図4】図4はエンボスユニットの模式的拡大断面図であり、(イ)は高さが均一の突起部を有した従来構成を示し、(ロ)は部分的に低突起化したこの発明の構成を示す。
【図5】図5は従来の突起部の配置を示すための一つ回転ローラ(上部ローラ)の周面展開図である。
【図6】図6は従来における上下に噛合する突起部を有した上下回転ローラの周面展開図である。
【図7】図7は図6の突起部配置の回転ローラにより紙面付されるエンボスパターンを模式的に示す図である。
【図8】図8は図6と同様であるが、この発明により部分的に低突起化した場合の上下回転ローラの周面展開図である。
【図9】図9は図8の突起部配置の回転ローラにより紙面に付されるエンボスパターンを模式的に示す図である。
【図10】図10はこの発明の別実施形態における回転ローラにより紙面に付されるエンボスパターンを模式的に示す図である。
【図11】図11は片方のみに突起部を持つ回転ローラにより紙面に付されるエンボスパターンを模式的に示す図である。
【図12】図12は図11と同様には片方のみに突起部を持つ回転ローラにより紙面に付される、更に別の実施形態におけるエンボスパターンを模式的に示す図である。
【図13】図13はC折りされた紙に対するこの発明の上下層同時エンボス工程を模式的に説明する図である。
【符号の説明】
10…原反ロール
12…スリッタ
14…ガイドローラ
16…折舟
18…給水装置
20…エンボスユニット
22…巻取ユニット
32, 34…回転ローラ
32−1, 34−1…突起部
32−1’, 34−1’…低突起部
【発明の属する技術分野】
この発明は原反ロールから繰り出される連続紙からのエンボス付おしぼり用原紙及びおしぼり用原紙の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
おしぼり用原紙の製造に際しては原反ロールからの紙は外周面の全面に多数の突起部を有した回転ローラ間を通過されることにより紙の全面にエンボスが付される。エンボスが付されたおしぼり用原紙は二つ折りとかC字折りとか適宜折り畳まれることによりおしぼり原紙となる。このようにして得られたエンボス付おしぼり用原紙は薬液を含浸の上更に折り畳まれるか、ロール巻きされ、プラスチックフィルム袋に封入されることにより折りおしぼり又は巻きおしぼりとされる(折りおしぼりについて特許文献1参照)。
【0003】
原反としては不織布が多用されてきたが、コストの観点から紙を主体とするものが多くなってきている。そして、拭い取り性や肌触りの良さ及びボリューム感の観点から坪量で20gm2といった薄手の紙を2枚重ねとしかつその間に熱接着性シートを介在させ、これら3層を熱接着させたものをロール状に巻き取って原反としていた。しかしながら、このような3層構造の構造では薄紙使用のため紙自体のコストが嵩むし、熱接着性シートの使用もコスト増の要因となっている。また、熱接着性シート(プラスチック)を使用しているため、再利用のための処理がしにくい。そこで、坪量で40−70 gm2といった比較的に厚手の紙(例えば衛生紙)1枚を素材としたおしぼりも使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
紙を素材とする場合、おしぼり用に水分を付与することを考慮すると、強度上どうしても長繊維パルプから抄紙されたものを使用することになる。この場合に抄紙方向に繊維が並ぶため長さ方向における紙の強度は充分であるが幅方向には強度が足りなくなり、エンボスを付した場合に幅方向の強度の低下が著しくなる。即ち、エンボス加工においては、全周面に突起部を多数有した回転ローラ間に紙を通過させることにより紙面の全面に凹凸模様を付しているが、突起部によって個々の繊維が屈曲せしめられるため、横方向での繊維が散けてしまい、これが横方向強度の大幅低下を惹起させるのである。
【0005】
この発明は以上述べた問題点に鑑みなされたものであり、一枚の紙を素材としているにも係わらず強度を確保しうるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、紙を素材としたエンボス付おしぼり用原紙において、エンボスは各々が紙面の実質的に全幅に延び、紙の長手方向に間隔をおいた帯状領域にて軽く付されているか無エンボスとされていることを特徴とするエンボス付おしぼり用原紙が提供される。
【0007】
請求項1の発明の作用・効果を説明すると、軽エンボス若しくは無エンボスの前記多数の部分的な領域が帯状をなして紙面の全幅に延びていることにより、幅方向の強度低下を抑制することができる。即ち、おしぼりを広げて幅方向に引っ張った場合においても、紙面の全幅を占める帯状の軽エンボス若しくは無エンボスの領域が効くため簡単に破れてしまうことがなく、しかも軽エンボス若しくは無エンボスは帯状の領域に限定されるためエンボス効果を実質的に損なうことがない。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明において、請求項1に記載の発明において、軽エンボス若しくは無エンボスの前記帯状領域は紙面に傾斜していることを特徴とするエンボス付おしぼり用原紙が提供される。
【0009】
請求項2の発明の作用・効果を説明すると、軽エンボス若しくは無エンボスの前記帯状領域を傾斜させることにより、帯状の軽エンボス若しくは無エンボス領域による幅方向の強度低下の抑制をより効率的に行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明において、軽エンボス若しくは無エンボスの前記帯状領域は方向が異なるものが少なくとも2群交差するように設けられていることを特徴とするエンボス付おしぼり用原紙が提供される。
【0011】
請求項3の発明の作用・効果を説明すると、軽エンボス若しくは無エンボスの前記帯状領域を交差するように設けることにより、帯状の軽エンボス若しくは無エンボス領域による幅方向の強度低下の抑制効果を最大限効率よく得ることがでできる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、素材となる紙は縦方向の折線によって折り曲げられており、前記エンボスは縦方向の折線によって折り曲げられた後の上下層が重ねられた紙に付されていることを特徴とするエンボス付おしぼり用原紙が提供される。
【0013】
請求項4の発明の作用・効果を説明すると、素材となる紙へのエンボスは縦方向の折線によって折り曲げられた後の上下層が重ねられた状態において付されていることから、エンボスローラの突起部が上下層に同時に作用し、上下層のエンボスの凹凸が完全に重なり、綺麗なエンボスを付すことができ、見栄えのよいしかも拭き取り性の良好なおしぼりとすることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、原反ロールから繰り出される連続紙を少なくとも一方における外周面に突起部を分布させた一対の回転ローラ間を通過させることによりエンボスを付する方法において、少なくとも一方の周面は各々が実質的に全軸長に亘って延び回転方向に間隔をおいた部位において前記突起部が低くされるように一対の回転ローラを準備し、この準備された一対の回転ローラ間において前記連続紙を通過させ、連続紙にエンボスを付すことを特徴とするおしぼり用原紙の加工方法が提供される。
【0015】
請求項5の発明の作用・効果を説明すると、一対の回転ローラの少なくとも一方の突起部を高さの削減(突起部を完全に削り取ってしまうことも含まれる)その部位のエンボスが浅くなるか無エンボスとなり、全面にわたって軽エンボス若しくは無エンボスの領域を分布させたおしぼり用原紙を簡単に得ることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明において、前記一対の回転ローラ間を通過せしめられるに先立って原反ロールから繰り出される連続紙は回転ローラ長手方向の折線にて上下層間で折り重ねられ、折り重ねられた連続紙に前記一対の回転ローラ間でエンボスが付されることを特徴とするおしぼり用原紙の加工方法が提供される。
【0017】
請求項6の発明の作用・効果を説明すると、素材となる紙へのエンボスは縦方向の折線によって折り曲げられた後の上下層が重ねられた紙に付されていることから、エンボスローラの突起部が上下層に同時に作用し、上下層のエンボスの凹凸が完全に重なり、綺麗なエンボスを付すことができ、見栄えのよいしかも拭き取り性の良好なおしぼりとすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下この発明による 図1及び図2はこの発明の実施形態におけるおしぼり用原紙の加工ラインを示しており、原反ロール10と、スリッタ12と、ガイドローラ14と、折舟16と、給水装置18と、エンボスユニット20と、巻取ユニット22とを備えている。
【0019】
原反ロール10は連続紙Sを巻芯24上に巻回して構成される。連続紙の素材はこの発明においてはリサイクルが容易という観点から紙としており、また、紙としては坪量で40−70 gm2といった比較的に厚手の紙(例えば衛生紙)が好ましい。そして、紙としてはその原料調整工程において湿潤強度剤を添加した所謂内添式の耐水紙であることが更に好ましい。即ち、内添式の耐水紙においては原料パルプの調整過程においてメラミン系や尿素系の湿潤強度付与剤(大抵は樹脂)が添加され、おしぼり製造時の水分付与時の強度低下が少ない利点があり、また、おしぼりにしたときのボリューム感及びソフト感を確保できる。エンボスの併用は湿潤強度剤の使用量を軽減できるためコスト的に有利であり、また、湿潤強度剤の使用量を軽減はリサイクルにおいても有利となる。
【0020】
図1及び図2においてスリッタ12は回転刃26と受けロール28とを対面配置して構成される。原反ロール10からの紙などの連続紙Sは回転刃26と受けロール28との間に供給され、図1に示すように連続紙Sは長手方向に沿って二つの部分S1に分割される。
【0021】
図1に示すように折舟16は二つ並んで設けられ、連続紙Sにおける二つに分割された部分S1をそれぞれがC折りにする。即ち、折舟16は連続紙を長手方向の折線によって折り重ねられた上下層を得るもので、この発明の長手方向折り手段として機能するものである。そして、この発明はC折りだけでなく、二つ折り若しくは他の長手方向折線に沿って折り重ねられた連続紙(例えば三つ折り、四つ折り、Z折り)に応用することが可能である。図3は連続紙を二つ折りにする折舟を模式的に示しており、折舟は矢印のように折舟に入ってくる分割後の連続紙S1を受ける下向き傾斜底面16−1と、連続紙S1が徐々に二つ折りとなるように巾を窄めてゆく狭窄面16−2と、巾狭窄された連続紙を受ける水平底面16−3と、連続紙S1を最終的に上下層S1’, S1”より成る二つ折り形状にする上面16−4とからなる。C折りのための折舟も構造的には同様であり、巾方向に対称形状となっている点のみ相違するだけである。
【0022】
給水装置18はパイプ状ダクト29と、連続紙に対向したダクト29の下面に連続紙の幅方向に間隔をおいて形成される複数のノズル(図示せず)とから構成される。ノズルからのWの如き水散布により紙全面に満遍なく給水することができる。紙やエアーレイ不織布などの連続紙に給水することによりそれを構成するセルロース若しくは合成繊維の流動性を高め、後述のエンボスによる上下層の密着性を高めることができる。
【0023】
エンボスユニット20は一対の回転ローラ32, 34から構成され、回転ローラ32, 34はその外周面に後述のエンボス用突起部を有しており、紙Sが回転ローラ32, 34間を通過されることにより紙にエンボスが付され、巻き取りユニット22により巻き取られる。即ち、巻取ユニット22は一対の支持ローラ40, 42とプレスローラ44とからなり、エンボスされたC折りなどの長手方向折線に沿って折り重ねられた連続紙は巻取ユニット22において小分けされた、巻きおしぼり装置用の素材供給ロール46として巻き取られる。周知のようにロール46に巻き取られたおしぼり用紙は巻きおしぼりや折りおしぼりの製造装置に送られ、所定長さに切断され、薬液を含む水分を付与後に、ロールに巻くことにより巻きおしぼりとされるか、折り畳むことにより折りおしぼりとされる。
【0024】
次に、エンボスユニット20を構成する回転ローラ32, 34により連続紙に付されるエンボスパターンについて説明すると、図4に示すように回転ローラ32, 34はその外周面に多数の突起部32−1, 34−1を形成している。図5は従来の回転ローラ32の周面の展開図であり、全面に突起部32−1が形成される。図中、Wは紙幅方向(回転ローラ32の軸線方向に対応する)を表し、Lは紙の長さ方向(回転ローラの回転方向に対応する)を表す。図示のように突起部32−1は菱形の断面形状をなし、回転ローラ32の外周面においてその軸線(紙幅方向W)に対して角度αで傾斜した方向D1の等間隔平行直線と角度αで反対方向D2に傾斜した等間隔平行直線の交差部に形成される。即ち、突起部32−1, 34−1は方向D1, D2に並ぶように配置されるが、突起部32−1, 34−1が並ぶこの方向D1, D2をこの明細書では斜紋方向と称するものとする。
【0025】
方向D1, D2が回転ローラ32, 34の軸線(紙幅方向W)に対してなす角度α(紙面上に付されるエンボスパターンにおける斜紋方向)はこの発明では10度から30度とされる。出願人の実験データによれば、この角度範囲に設定することによりエンボスによる紙幅方向の強度低下を少なくすることができることが分かっている。
【0026】
図5に示すような突起部32−1及び 34−1の斜紋状配置は突起部32−1及び 34−1を傾斜方向が反対になるようにはす歯カッタ(軸線に対する傾斜角度α)によって2段階にて切削を行うことに由来するものである。即ち、回転ローラ32について説明すると、第1段階の切削工程においてはす歯カッタをワークとしての回転ローラ32の軸線(紙幅方向W)に対して方向D1に傾斜させて切削を行うことによりワークの外周面上に方向D1に延びる多数の等間隔平行直線に沿った溝が形成される。そして、第2段階の切削においてははす歯カッタによりワークとしての回転ローラ32の軸線(紙幅方向W)に対して反対方向D2に傾斜した等間隔平行直線に沿った溝がワークの外周面に切削される。そのため、ワークの外周面上には第1段階及び第2段階のいずれの加工においてもはす歯カッタに当たらなかった交差部位が図5に示すように菱状断面の突起部32−1として残るのである。回転ローラ34についてもはす歯カッタにより同様に交差方向の斜め溝の2段階の切削加工が行われ、第1段階及び第2段階のいずれにおいてもはす歯カッタが当たらなかったワークとしての回転ローラ34の周面状に菱形断面形状の突起部34−1が形成される。
【0027】
図4(イ)に示すように回転ローラ32, 34の突起部32−1, 34−1は回転ローラ32, 34の回転Rによって歯車様に噛合う。即ち、上部回転ローラ32の一つの突起部32−1が下部回転ローラ34の一対の突起部34−1間の隙間に入り込み、下部回転ローラ34の一つの突起部34−1が上部ローラ32の一対の突起部32−1間の隙間に入り込むような構造になっている。そして、図6は従来技術における上下の回転ローラ32, 34の外周面に設けた突起部32−1, 34−1の噛合状態を展開図にて示したものである。
【0028】
従来技術においては回転ローラ32, 34は図6に示すようにその外周面の全面に突起部32−1, 34−1を有しており、そのため回転ローラ32, 34間を通過される連続紙にはその全面にエンボス模様が形成される。図7は突起部32−1, 34−1を図6のように全面配置した従来方式の場合に回転ローラ32, 34によるエンボス加工により紙面上に得られるエンボス模様を模式的に示す。回転ローラ32の突起部32−1により図7の紙面の下向きにエンボス突起(実線の丸印)が形成され、回転ローラ34の突起部34−1により図7の紙面の上向きにエンボス突起(破線の丸印)が形成される。エンボス部の形状はもとより突起部32−1, 34−1の断面形状(菱形)に順ずる(又は多少角のとれた形状となる)が図7では簡明のため円形にて図示している。従来技術においては全面において突起部32−1, 34−1の高さは同一(突起部32−1, 34−1の同一高さを図4(イ)においてはh1にて示す)であったため、紙面の全面に均等にエンボスが付される。全面にエンボスを付した場合、回転ローラ32, 34の軸線方向、即ち、紙の幅方向Wにおける強度が足りなくなり、使用時にユーザがおしぼりを開いて引っ張った場合などに簡単に破けてしまう問題が生じやすかった。即ち、紙は長さ方向Lに繊維が揃っているため、紙の長さ方向Lにおいてはエンボスによる繊維の屈曲に係わらず強度低下は実質的に起こらない。しかしながら、紙の幅方向Wにおいてはエンボスによる繊維の屈曲により繊維の横方向に散けるような力が加わり、どうしても強度低下があったのである。
【0029】
以上の問題点に鑑み、この発明では紙の全幅に沿った帯状の無エンボス領域若しくは浅エンボス領域を設けることにより幅方向の強度確保を図っている。図8は第1の実施形態における回転ローラ32, 34の周面上での突起部の配置を示し、回転方向(紙の長手方向L)では回転ローラ32, 34間で交互に所定間隔で低突起化部を設けていると共に、低突起化部は斜紋方向の双方D1, D2に交差するように配している。即ち、図中D1A, D2Aは回転ローラ32において突起部の高さを低くするラインを示しており、方向D1, D2の各々において通常高さの突起部32−1の12個毎に1個の高さの低い突起部32−1’を設けている。そして、低突起化するラインD1A, D2Aは回転ローラ32の実質的全幅Wに延びている。同様に、回転ローラ34においても斜紋方D1, D2と平行であるが長手方向に所定間隔をおいて突起部の高さを低くしており、図中D1B, D2Bは突起部の高さを低くするラインを示しており、方向D1, D2の各々において通常高さの突起部34−1の12個毎に1個の高さの低い突起部34−1’を設けており、そして、低突起化するラインD1B, D2Bは回転ローラ34の実質的全幅Wに延びている。図4(ロ)は図8の配置における上下の回転ローラ32, 34の突起部の相対配置を模式的に示しており、高さがh2のように低くされた突起部32−1’, 34−1’は回転方向に間隔をおいて設けられている隣接するように設けられている。突起部32−1’, 34−1’の高さh2としては通常高さの突起部32−1, 34−1の高さh1と比較して10〜30%の低下となり、幾分の凹凸が残る程度の軽エンボスが行われるようにされるか、場合によっては全然無エンボスとなるようにしてもよい。
【0030】
図9は図8に説明したように突起部32−1, 32−1’, 34−1, 34−1’を配した回転ローラ32, 34間を紙を通過させたとき紙に付されるエンボスパターンを示している。図8に関し説明したように上下の回転ローラ32及び34において、それぞれが軸線方向に傾斜しつつ延び、回転方向に間隔をおき、上下の回転ローラ32, 34で交互に、相互に交差するラインD1A, D2A及びD1B, D2Bにおいて低突起化されてる。そのため、紙面にはそれぞれが全幅に傾斜しながら延び、長手方向に間隔をおき、相互に傾斜した帯状領域において軽エンボス部若しくは無エンボス部が出現され、残余の領域については突起部32−1, 34−1の高さは変わらないため通常の深さのエンボスとなる。従って、紙面の全幅に延びる帯状の軽エンボス若しくは無エンボス帯を長手方向に間隔をおいて交差するように設けることより、帯状の軽エンボス若しくは無エンボス帯が強度低下抑制機能を達成し、おしぼり開いて幅方向に引っ張るような使用の場合においても簡単に破れることをなくすることができる。そして、エンボス模様自体は紙面の実質的全面に設けられているため従来と実質的に遜色のないエンボス効果をも確保することができる。
【0031】
図10はこの発明の別実施形態におけるエンボスパターンを示しており、無エンボス領域又は軽エンボス領域は各々が紙面の幅方向Wに真っ直ぐ設けられている。このようなエンボスパターンを得るため上下の回転ローラ32, 34は各々が軸線方向に平行に延び円周方向に等間隔のラインに沿って突起部32−1, 34−1 がその高さを低くされている。図10に示すようなエンボスパターンにおいても紙は夫々が幅方向の全長に延び、長手方向に間隔をおいて帯状の無エンボス若しくは軽エンボス域を有している。このような幅方向の無エンボス部若しくは軽エンボス部の存在によってもおしぼりを広げて引っ張った場合において簡単には千切れてしまわないようにすることができ、必要な強度を維持することができる点で優れており、また、エンボスの効果も実質的に損なわれることはない。
【0032】
以上説明の実施形態においては、エンボスユニット20(図1及び図2)は回転ローラ32,34はいずれもその外周面に図4の突起部32−1, 34−1を有している。しかしながら、エンボスユニットとして上下の回転ローラのうちの一方のみ、例えば上部ローラ32にのみ突起部が設けられ、下部ローラには突起部は設けられないものが使用されうる。図11はそのようなエンボスユニットによるこの発明のエンボスパターンの一実施例を示しており、エンボスパターンは上面からの○印のように付与される。そして、この実施形態においても回転ローラに設けられる突起部は交差方向(図5のD1, D2方向)に平行で回転方向に等間隔のラインにおいて突起部(図5の突起部32−1)が低くされている。そのため、各々が幅方向Wに傾斜しながら延び、長さ方向Lに間隔をおいた交差帯状領域において無エンボス部若しくは浅エンボス部が設けられ、おしぼり用紙の幅方向の強度維持を図ることができる。
【0033】
図12は図11の実施形態を幾分変形した実施形態を示し、この場合もエンボスユニットは回転ローラのうちの一方のみ、例えば、上部ローラのみエンボス付与用の突起を有したものである。この実施形態においては、図11のようにD1, D2方向に無エンボス若しくは浅エンボス部を設けることに加え、紙面の幅方向Wに真っ直ぐな方向にも無エンボス若しくは浅エンボス部を設けたことを特徴としている。
【0034】
本発明によれば、以上の各実施形態の説明のように回転ローラ32, 34はその少なくとも一方の外周面において、突起部32−1, 34−1が軸線方向の実質的全長に平行若しくは傾斜して延び、回転方向に間隔をおいたラインに沿って高さが低くされ、これにより、紙面には、各々が幅方向に平行若しくは傾斜して延び、長手方向に間隔をおいた帯状領域において無エンボス若しくは軽エンボスとされている。そして、この帯状領域以外の紙面上の部位には回転ローラ32, 34の突起部32−1, 34−1により通常深さのエンボスが付されているが、この発明では回転ローラ32, 34間でのエンボスは、原反10からの紙を長手方向の折線によってC折りなどとすることにより上下層を重ねた状態で行っているためエンボス部(浅エンボス部も含む)により綺麗なエンボスを付すことができる。即ち、図13に模式的に示すように連続紙S1はC折りによって下層S1’と上層S1”との2重層をなしているが(図3も参照)、この2重層が回転ローラ32, 34間を矢印fのように通されるため、上下の回転ローラ32, 34の突起部32−1, 3401は2重層における下層S1’と上層S1”上層とに同時に作用する。即ち、上部回転ローラ32の突起部32−1が2重層の上層S1’を図の下向き突出させ、この下向きに突出された上層S1’の部分により下層S1”が突起部34−1の間において下向きに突出せしめる。また、下部回転ローラ34の1つの突起部34−1が2重層の上層S1’を図の下向き突出させ、この下向きに突出された上層S1’の部分により下層S1”が突起部32−1の間において上向きに突出せしめられる。そのため、上下層S1’, S1”は密着状態を維持しつつ回転ローラ32, 34の周面の突起部32−1, 34−1に応じた凹凸が付刻される。従って、上下層S1’, S1”には完全に同一位相のエンボスによる凹凸模様が形成せしめられ、長手方向における折線の部位を含めた全面においても上下層の良好な密着性を得ることができる。そのため、綺麗なエンボス状態を得ることができる。また、上下層の密着性が良好なため、ロール34として巻回状態においてストレートな肩部が得られ、綺麗な巻き姿することができ、巻きおしぼりの原紙として使用した場合において繰り出し時の引っかかりなどのトラブルを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はC折りエンボスシートのロール巻き装置の平面図である。
【図2】図2は図1の装置の側面図である。
【図3】図3は二つ折り用の折舟の模式的斜視図である。
【図4】図4はエンボスユニットの模式的拡大断面図であり、(イ)は高さが均一の突起部を有した従来構成を示し、(ロ)は部分的に低突起化したこの発明の構成を示す。
【図5】図5は従来の突起部の配置を示すための一つ回転ローラ(上部ローラ)の周面展開図である。
【図6】図6は従来における上下に噛合する突起部を有した上下回転ローラの周面展開図である。
【図7】図7は図6の突起部配置の回転ローラにより紙面付されるエンボスパターンを模式的に示す図である。
【図8】図8は図6と同様であるが、この発明により部分的に低突起化した場合の上下回転ローラの周面展開図である。
【図9】図9は図8の突起部配置の回転ローラにより紙面に付されるエンボスパターンを模式的に示す図である。
【図10】図10はこの発明の別実施形態における回転ローラにより紙面に付されるエンボスパターンを模式的に示す図である。
【図11】図11は片方のみに突起部を持つ回転ローラにより紙面に付されるエンボスパターンを模式的に示す図である。
【図12】図12は図11と同様には片方のみに突起部を持つ回転ローラにより紙面に付される、更に別の実施形態におけるエンボスパターンを模式的に示す図である。
【図13】図13はC折りされた紙に対するこの発明の上下層同時エンボス工程を模式的に説明する図である。
【符号の説明】
10…原反ロール
12…スリッタ
14…ガイドローラ
16…折舟
18…給水装置
20…エンボスユニット
22…巻取ユニット
32, 34…回転ローラ
32−1, 34−1…突起部
32−1’, 34−1’…低突起部
Claims (6)
- 紙を素材としたエンボス付おしぼり用原紙において、エンボスは各々が紙面の実質的に全幅に延び、紙の長手方向に間隔をおいた帯状領域にて軽く付されているか無エンボスとされていることを特徴とするエンボス付おしぼり用原紙。
- 請求項1に記載の発明において、軽エンボス若しくは無エンボスの前記帯状領域は紙面に傾斜していることを特徴とするエンボス付おしぼり用原紙。
- 請求項2に記載の発明において、軽エンボス若しくは無エンボスの前記帯状領域は方向が異なるものが少なくとも2群交差するように設けられていることを特徴とするエンボス付おしぼり用原紙。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、素材となる紙は縦方向の折線によって折り曲げられており、前記エンボスは縦方向の折線によって折り曲げられた後の上下層が重ねられた紙に付されていることを特徴とするエンボス付おしぼり用原紙。
- 原反ロールから繰り出される連続紙を少なくとも一方における外周面に突起部を分布させた一対の回転ローラ間を通過させることによりエンボスを付する方法において、少なくとも一方の周面は各々が実質的に全軸長に亘って延び回転方向に間隔をおいた部位において前記突起部が低くされるように前記一対の回転ローラを準備し、この準備された一対の回転ローラ間において前記連続紙を通過させ、連続紙にエンボスを付すことを特徴とするおしぼり用原紙の加工方法。
- 請求項5に記載の発明において、前記一対の回転ローラ間を通過せしめられるに先立って原反ロールから繰り出される連続紙は回転ローラ長手方向の折線にて上下層間で折り重ねられ、折り重ねられた連続紙に前記一対の回転ローラ間でエンボスが付されることを特徴とするおしぼり用原紙の加工方法。
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