JP2004265771A - 燃料電池の暖機システム - Google Patents

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紳二 小川
Yukihiko Takeda
幸彦 武田
Akira Yamanaka
章 山中
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Abstract

【課題】短時間で効率良く起動することが可能な燃料電池(F/C)の暖機システムを提供すること。
【解決手段】F/CECU50は、車両ECU51がF/C1の停止を指令しているときであっても、F/C1の温度が20℃より低い場合には、F/C1を断続運転して発電し、発電した電力により電気ヒータ11を発熱させて冷却水を加熱するとともに、F/C1の発電時の自己発熱により、F/C1を昇温させる。これにより、F/C1の温度を約20℃以上に保ち、車両ECU51がF/C1の運転を指令したときには、短時間で効率良く起動することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の暖機システムに関し、特に、燃料電池に停止指令が発せられているときの暖機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、下記特許文献1に開示された燃料電池の暖機システムがある。この暖機システムでは、燃料電池の起動冷機時には、自己の発熱や他の加熱源等からの熱を利用して、発電に適した温度帯域まで燃料電池を昇温するようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−94202号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の燃料電池の暖機システムでは、燃料電池が極めて低温下で停止していたときには、燃料電池が自己発熱できず昇温が困難な場合や、他の加熱源の熱を利用しても短時間では昇温できず起動時の効率が悪化する場合があるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記点を鑑みてなされたものであって、短時間で効率良く起動することが可能な燃料電池の暖機システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
燃料電池(1)と、
燃料電池(1)を加温あるいは冷却する冷却水を循環する冷却水循環回路(3)と、
冷却水循環回路(3)に設けられ、通電により発熱して冷却水循環回路(3)を循環する冷却水を加熱する加熱手段(11)と、
燃料電池(1)の運転および停止を指令する運転指令手段(51)と、
運転指令手段(51)が燃料電池(1)の停止を指令しているときに、燃料電池(1)の温度が所定温度より低い場合には、加熱手段(11)を発熱制御する制御手段(50)とを備えることを特徴としている。
【0007】
これによると、運転指令手段(51)が停止指令中は、制御手段(50)が加熱手段を発熱制御して冷却水を加熱し、燃料電池の温度を所定温度以上に保つことが可能である。したがって、運転指令手段(51)が運転指令を発したときには、燃料電池(1)を短時間に効率良く起動することが可能である。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、制御手段(50)は、運転指令手段(51)が燃料電池(1)の停止を指令しているときであっても、燃料電池(1)の温度が前記所定温度より低い場合には、燃料電池(1)を運転して発電し、発電した電力により加熱手段(11)を発熱させることを特徴としている。
【0009】
これによると、燃料電池(1)の発電した電力による加熱手段(11)の発熱と、燃料電池(1)の発電時の自己発熱とにより、燃料電池(1)の温度を所定温度以上に保つことが可能である。
【0010】
また、請求項3に記載の発明では、制御手段(50)は、運転指令手段(51)が燃料電池(1)の停止を指令しているときに、燃料電池(1)の温度が前記所定温度より低い場合には、燃料電池(1)を断続的に運転することを特徴としている。
【0011】
これによると、低出力の発電を継続する場合よりも効率のよい発電により、燃料電池(1)の温度を所定温度以上に保つことが可能である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明では、
燃料電池(1)が発電した電力を蓄電する蓄電手段(20)を有し、
制御手段(50)は、運転指令手段(51)が燃料電池(1)の停止を指令しており、かつ燃料電池(1)の温度が前記所定温度より低いときに、蓄電手段(20)の蓄電量が所定量(B1)より多い場合には、蓄電手段(20)が蓄電した電力により加熱手段(11)を発熱させることを特徴としている。
【0013】
これによると、蓄電手段(20)の蓄電量が所定量(B1)より多い場合には、燃料電池(1)において発電することなく燃料電池(1)の温度を所定温度以上に保つことが可能である。
【0014】
また、請求項5に記載の発明では、
燃料電池(1)が発電した電力を蓄電する蓄電手段(20)を有し、
制御手段(50)は、運転指令手段(51)が燃料電池(1)の停止を指令しており、かつ燃料電池(1)の温度が前記所定温度より低いときに、蓄電手段(20)の蓄電量が所定量(B2)より少ない場合には、燃料電池(1)を運転して発電し、発電した電力を蓄電手段(20)に蓄電することを特徴としている。
【0015】
これによると、蓄電手段(20)の蓄電量が所定量(B2)より少ない場合には、燃料電池(1)において発電して蓄電手段(20)に蓄電するとともに、燃料電池(1)の発電時の自己発熱により燃料電池(1)の温度を所定温度以上に保つことが可能である。
【0016】
また、請求項6に記載の発明では、
冷却水循環回路(3)に設けられ、燃料電池(1)から流出する冷却水の温度を検出する温度検出手段(6)を有し、
制御手段(50)は、温度検出手段(6)の検出温度を燃料電池(1)の温度として、加熱手段(11)を発熱制御することを特徴としている。
【0017】
これによると、燃料電池(1)から流出する冷却水の温度は略燃料電池の温度であるので、制御手段(50)は加熱手段(11)を精度よく発熱制御することが可能である。
【0018】
また、請求項7に記載の発明では、
燃料電池(1)と、
燃料電池(1)の周辺環境温度を検出する環境温度検出手段(61)と、
燃料電池(1)を加温あるいは冷却する冷却水を循環する冷却水循環回路(3)と、
冷却水循環回路(3)に設けられ、通電により発熱して前記冷却水循環回路(3)を循環する冷却水を加熱する加熱手段(11)と、
燃料電池(1)の運転および停止を指令する運転指令手段(51)と、
運転指令手段(51)が燃料電池(1)の停止を指令しているときに、環境温度検出手段(61)の検出温度に基づいて、加熱手段(11)を発熱制御する制御手段(50)とを備えることを特徴としている。
【0019】
これによると、燃料電池(1)の周辺環境温度に基づき、燃料電池(1)の周辺への放熱に対応して加熱手段(11)を発熱させ、燃料電池(1)の温度を所定温度以上に保つことが可能である。したがって、運転指令手段(51)が運転指令を発したときには、燃料電池(1)を短時間に効率良く起動することが可能である。
【0020】
また、請求項8に記載の発明では、制御手段(50)は、運転指令手段(51)が燃料電池(1)の停止を指令しているときであっても、環境温度検出手段(61)の検出温度に基づいて燃料電池(1)を運転して発電し、発電した電力により加熱手段(11)を発熱させることを特徴としている。
【0021】
これによると、周辺環境温度に基づいて燃料電池(1)が発電した電力による加熱手段(11)の発熱と、燃料電池(1)の発電時の自己発熱とにより、燃料電池(1)の温度を所定温度以上に保つことが可能である。
【0022】
また、請求項9に記載の発明では、制御手段(50)は、運転指令手段(51)が燃料電池(1)の停止を指令しているときに、環境温度検出手段(61)の検出温度に応じた特性にしたがって、燃料電池(1)を断続的に運転することを特徴としている。
【0023】
これによると、低出力の発電を継続する場合よりも効率のよい発電により、燃料電池(1)の温度を所定温度以上に保つことが可能である。
【0024】
また、請求項10に記載の発明では、燃料電池(1)は、断熱構造の筐体(2)内に配設されていることを特徴としている。
【0025】
これによると、燃料電池(1)が低温環境下に置かれたとしても、外部に放熱し難い。したがって、燃料電池(1)の温度を所定温度以上に保つことが容易である。
【0026】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係の一例を示す。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0028】
(第1の実施形態)
図1は本実施形態の燃料電池システムAの概略構成を示す模式図である。本発明は車両用(移動用)および定置用のいずれの燃料電池システムにも適用可能であるが、本実施形態では、燃料電池システムAを車両搭載用として適用した場合について説明する。
【0029】
1は燃料電池(以下、F/C)であり、本実施形態では、比較的低温(例えば60〜80℃)で効率良く発電動作する高分子膜電解質タイプの燃料電池を採用している。F/C1は、断熱構造の筐体である断熱ボックス2内に配設されており、F/C1を保温することができるようになっている。なお、F/C1における空気給排気系および水素給排気系の図示は省略している。
【0030】
F/C1には、F/C1を加温あるいは冷却するための冷却水をF/C1の外部に循環するための循環回路(冷却水循環回路)3が接続している。循環回路3には、循環回路3内に冷却水を循環する循環手段としてのポンプ4と、冷却水から熱を外部に放出する放熱手段としてのラジエータ5とが設けられている。
【0031】
循環回路3の最上流側部には、F/C1から流出する冷却水の温度を検出する温度検出手段としての水温センサ6が配設されている。水温センサ6は、冷却水の温度を後述する燃料電池制御装置(F/CECU)50に出力するようになっている。また、循環回路3のポンプ4およびラジエータ5配設部より下流側部には、冷却水を加熱する加熱手段である電気ヒータ11を備える熱交換器10が設けられている。
【0032】
F/C1の図示しない端子には配線19が延設されており、この配線19を介して、F/C1が発電した電力を蓄える蓄電手段としてのバッテリ20、車両に搭載されたモータ30等の負荷、および前述の電気ヒータ11等が接続している。なお、バッテリ20、モータ30、電気ヒータ11等は、F/C1に電気的に常時接続しているのではなく、図示しないスイッチ手段により、電気回路は適宜開閉されるようになっている。
【0033】
符号50を付した構成が、本実施形態の制御手段である燃料電池制御装置(以下、F/CECU)であり、符号51を付した構成が、車両制御装置(以下、車両ECU)である。
【0034】
車両ECU51は、車両のイグニッションスイッチの状態や、車両の走行状態等に応じて、F/C1やバッテリ20からモータ30等への給電、F/C1からバッテリ20への充電(蓄電)等を制御するようになっている。また、車両ECU51は、これらの制御に合わせて、F/CECU50にF/C1を運転状態もしくは停止状態とする旨の指令を出力するようになっている。車両ECU51は、本実施形態における運転指令手段である。
【0035】
F/CECU50は、車両ECU51からの指令情報、水温センサ6からの温度情報、バッテリ20からの蓄電量情報等を入力し、これらの情報に基づいて制御信号を出力し、F/C1、ポンプ4、および電気ヒータ11回路を開閉する図示しないスイッチ手段等を制御するようになっている。
【0036】
次に、上記構成に基づき、本実施形態のF/CシステムAの作動について説明する。
【0037】
F/CECU50は、車両ECU51からF/C1の運転指令を入力しているときには、F/C1を通常運転制御し、車両ECU51からF/C1の停止指令を入力しているときには、F/C1を待機制御する。通常運転制御は、所望の電力が供給できるように、F/C1において発電を実行する。
【0038】
ここで、F/CECU50が行なう待機制御について説明する。図2は、F/CECU50の待機制御の概略制御動作を示すフローチャートである。
【0039】
車両ECU51からF/C1の運転指令が中止され停止指令を入力しているときには、F/CECU50は、まず、30分間F/CECU50を除くシステム(F/C1、ポンプ4、電気ヒータ11等)を停止する(ステップS100)。
30分経過したら、ポンプ4をオンして循環回路3内に冷却水を循環する(ステップS110)。そして、水温センサ6からの情報に基づいて冷却水温が20℃未満であるか否か判断する(ステップS120)。
【0040】
冷却水温が20℃未満である場合には、バッテリ20の残量(蓄電量)が所定量B1より多いか否か判断する(ステップS130)。バッテリ20の残量が所定量B1より多い場合には、図示しないスイッチ手段を制御して、5分間バッテリ20の電力により電気ヒータ11に通電し、冷却水を加熱する(ステップS140)。
【0041】
ステップS130において、バッテリ20の残量が所定量B1以下であると判断した場合には、バッテリ20の残量(蓄電量)が所定量B2より多いか否か判断する(ステップS150)。バッテリ20の残量が所定量B2より多い場合には、5分間F/C1を運転するとともに、図示しないスイッチ手段を制御して、F/C1が発電した電力により電気ヒータ11に通電し、冷却水を加熱する(ステップS160)。
【0042】
バッテリ20の残量が所定量B2以下である場合には、5分間F/C1を運転するとともに、図示しないスイッチ手段を制御して、F/C1が発電した電力をバッテリ20に充電(蓄電)する(ステップS170)。なお、バッテリ20残量における所定量B2は、車両の始動等を考慮して設定された停止指令時の蓄電下限量であり、所定量B1は、充分な余裕を考慮して設定された停止指令時の蓄電上限量である。
【0043】
ステップS140、S160、S170のいずれかを実行したら、水温センサ6からの情報に基づいて冷却水温が50℃未満であるか否か判断する(ステップS180)。冷却水温が50℃未満である場合には、ステップS120へリターンする。ステップS120、S180のいずれかで否と判断した場合には、ポンプ4をオフし(ステップS190)、ステップS100へリターンする。
【0044】
上述の構成および作動によれば、車両ECU51からF/C1の停止指令が発せられているときであっても、冷却水温が20℃未満のときには、下記のようにF/C1を加温して、F/C1の温度を略20℃以上に保つことができる。
【0045】
バッテリ20の充電量が所定量B1より多い場合は、充分に余裕のあるバッテリ20の電力により電気ヒータ11を発熱してF/C1を加温する。バッテリ20の充電量が所定量B1以下で、かつ所定量B2より多い場合は、F/C1の発電電力により電気ヒータ11を発熱するとともに、発電時の自己発熱により、F/C1を加温する。また、バッテリ20の充電量が所定量B2以下の場合は、F/C1の発電電力によりバッテリ20を充電しつつ、発電時の自己発熱により、F/C1を加温する。
【0046】
また、F/C1は、断熱ボックス2内に収納されているので、F/C1を保温し易い。
【0047】
これらにより、運転指令を発せられたときには、F/C1を短時間に効率良く再起動することができる。
【0048】
図3は、本実施形態の燃料電池の暖機システムが作動したときの作動例を示すグラフである。図3に実線で示すように、車両ECU51から運転指令が出ている場合には、F/C1の温度は効率良く発電することが可能な60〜80℃を維持している。運転指令が中止され停止指令が出されると、F/C1の温度は低下するもの、上述の待機制御により約20〜50℃に維持される。そして、再度運転指令が出た場合には、効率良く再起動して、短時間のうちに、効率良く発電することが可能な60〜80℃の温度帯域に到達する。
【0049】
図3において、一点鎖線で示した曲線が、従来技術における作動例である。運転指令が中止され停止指令が出されると、F/Cの温度は低下し、例えば、外気温度に到達する。この温度が氷点下であるような場合には、再度運転指令が出たととしても、F/Cが起動できずに自己発熱昇温が不能となる場合(下側の一点鎖線)がある。また、他の熱源からの加熱があっても上記温度帯域に到達するのに時間を要し(上側の一点鎖線)、効率良く再起動することが不可能である。
【0050】
また、待機制御時には、F/C1の温度が20℃以上を維持するようにF/C1を低出力で連続運転するのではなく、断続的に運転することができるので、効率のよい発電を行なうことが可能である。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図4および図5に基づいて説明する。本第2の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、待機制御動作が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。
【0052】
図4は本実施形態の燃料電池システムAの概略構成を示す模式図である。図4に示すように、本実施形態では、F/C1を収納した断熱ボックス2内に、F/C1の周辺の環境温度を検出する環境温度検出手段としての温度センサ61を備えている。そして、温度センサ61は、断熱ボックス2内のF/C1の周囲の温度情報をF/CECU50に出力するようになっている。
【0053】
なお、図4では、水温センサ6からの情報は待機制御に用いないため、水温センサ6の図示を省略している。
【0054】
次に、F/CECU50が行なう本実施形態の待機制御について説明する。図5は、F/CECU50の待機制御の概略制御動作を示すフローチャートである。
【0055】
車両ECU51からF/C1の運転指令が中止され停止指令を入力しているときには、F/CECU50は、まず、温度センサ61からの情報に基づいて、F/C1の周囲の温度を検出する(ステップS200)。次に、予め設定されたマップから、検出した周囲温度に対応するF/C1断続運転の停止時間Cおよび運転時間Dを算出する(ステップS210)。上記マップは、F/C1の周囲温度と、この周囲温度のときにF/C1を所定温度(例えば20℃)以上に維持するために必要な断続運転条件(停止時間Cと運転時間D)とのマップである。
【0056】
停止時間Cおよび運転時間Dを算出したら、F/CECU50を除くシステム(F/C1、ポンプ4、電気ヒータ11等)をC時間停止(ステップS220)した後、F/C1およびポンプ4をD時間運転して、F/C1で発電した電力により電気ヒータ11を発熱させる(ステップS230)。そしてその後、ステップS200へリターンする。
【0057】
上述の構成および作動によれば、車両ECU51からF/C1の停止指令が発せられているときであっても、F/C1の周辺温度に基づいて、F/C1が発電した電力による電気ヒータ11の発熱と、F/C1発電時の自己発熱とによりF/C1を加温して、F/C1の温度を所定温度(例えば略20℃)以上に保つことができる。したがって、運転指令を発せられたときには、F/C1を短時間に効率良く再起動することができる。
【0058】
また、待機制御時には、F/C1の温度が20℃以上を維持するようにF/C1を低出力で連続運転するのではなく、断続的に運転することができるので、効率のよい発電を行なうことが可能である。
【0059】
(他の実施形態)
上記第1の実施形態では、ステップS140、S160、S170において、電気ヒータ11への通電やF/C1の運転を所定時間(5分間)行なうものであったが、この時間は、冷却水温等に応じて可変するものであってもよい。
【0060】
また、上記第2の実施形態では、F/C1の周辺の環境温度を検出する環境温度検出手段として、F/C1を収納した断熱ボックス2内に、温度センサ61を設けたが、周辺の環境温度として外気温度や車両のエンジンルーム内温度を検出し、ステップ210では、これらの温度に対応したマップを採用して、F/C1の断続運転条件を算出するものであってもよい。
【0061】
また、上記各実施形態では、F/C1は、断熱ボックス2内に配設したが、F/C1からの放熱が問題にならなければ、断熱ボックス2は設けなくてもかまわない。
【0062】
また、上記各実施形態における、30分、5分、20℃、50℃、60℃、80℃等の実数値は例示であって、車両や燃料電池等の諸特性に応じて、適宜設定し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態における燃料電池制御装置50の待機制御の概略制御動作を示すフローチャートである。
【図3】燃料電池1の暖機システムが作動したときの作動例を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施形態における燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
【図5】第2の実施形態における燃料電池制御装置50の待機制御の概略制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池(F/C)
2 断熱ボックス(筐体)
3 循環回路(冷却水循環回路)
6 水温センサ(温度検出手段)
11 電気ヒータ(加熱手段)
20 バッテリ(蓄電手段)
50 燃料電池制御装置(F/CECU、制御手段)
51 車両制御装置(車両ECU、運転指令手段)
61 温度センサ(環境温度検出手段)

Claims (10)

  1. 燃料電池(1)と、
    前記燃料電池(1)を加温あるいは冷却する冷却水を循環する冷却水循環回路(3)と、
    前記冷却水循環回路(3)に設けられ、通電により発熱して前記冷却水循環回路(3)を循環する冷却水を加熱する加熱手段(11)と、
    前記燃料電池(1)の運転および停止を指令する運転指令手段(51)と、
    前記運転指令手段(51)が前記燃料電池(1)の停止を指令しているときに、前記燃料電池(1)の温度が所定温度より低い場合には、前記加熱手段(11)を発熱制御する制御手段(50)とを備えることを特徴とする燃料電池の暖機システム。
  2. 前記制御手段(50)は、前記運転指令手段(51)が前記燃料電池(1)の停止を指令しているときであっても、前記燃料電池(1)の温度が前記所定温度より低い場合には、前記燃料電池(1)を運転して発電し、発電した電力により前記加熱手段(11)を発熱させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の暖機システム。
  3. 前記制御手段(50)は、前記運転指令手段(51)が前記燃料電池(1)の停止を指令しているときに、前記燃料電池(1)の温度が前記所定温度より低い場合には、前記燃料電池(1)を断続的に運転することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池の暖機システム。
  4. 前記燃料電池(1)が発電した電力を蓄電する蓄電手段(20)を有し、
    前記制御手段(50)は、前記運転指令手段(51)が前記燃料電池(1)の停止を指令しており、かつ前記燃料電池(1)の温度が前記所定温度より低いときに、前記蓄電手段(20)の蓄電量が所定量(B1)より多い場合には、前記蓄電手段(20)が蓄電した電力により前記加熱手段(11)を発熱させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の燃料電池の暖機システム。
  5. 前記燃料電池(1)が発電した電力を蓄電する蓄電手段(20)を有し、
    前記制御手段(50)は、前記運転指令手段(51)が前記燃料電池(1)の停止を指令しており、かつ前記燃料電池(1)の温度が前記所定温度より低いときに、前記蓄電手段(20)の蓄電量が所定量(B2)より少ない場合には、前記燃料電池(1)を運転して発電し、発電した電力を前記蓄電手段(20)に蓄電することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の燃料電池の暖機システム。
  6. 前記冷却水循環回路(3)に設けられ、前記燃料電池(1)から流出する前記冷却水の温度を検出する温度検出手段(6)を有し、
    前記制御手段(50)は、前記温度検出手段(6)の検出温度を前記燃料電池(1)の温度として、前記加熱手段(11)を発熱制御することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の燃料電池の暖機システム。
  7. 燃料電池(1)と、
    前記燃料電池(1)の周辺環境温度を検出する環境温度検出手段(61)と、前記燃料電池(1)を加温あるいは冷却する冷却水を循環する冷却水循環回路(3)と、
    前記冷却水循環回路(3)に設けられ、通電により発熱して前記冷却水循環回路(3)を循環する冷却水を加熱する加熱手段(11)と、
    前記燃料電池(1)の運転および停止を指令する運転指令手段(51)と、
    前記運転指令手段(51)が前記燃料電池(1)の停止を指令しているときに、前記環境温度検出手段(61)の検出温度に基づいて、前記加熱手段(11)を発熱制御する制御手段(50)とを備えることを特徴とする燃料電池の暖機システム。
  8. 前記制御手段(50)は、前記運転指令手段(51)が前記燃料電池(1)の停止を指令しているときであっても、前記環境温度検出手段(61)の検出温度に基づいて前記燃料電池(1)を運転して発電し、発電した電力により前記加熱手段(11)を発熱させることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池の暖機システム。
  9. 前記制御手段(50)は、前記運転指令手段(51)が前記燃料電池(1)の停止を指令しているときに、前記環境温度検出手段(61)の検出温度に応じた特性にしたがって、前記燃料電池(1)を断続的に運転することを特徴とする請求項8に記載の燃料電池の暖機システム。
  10. 前記燃料電池(1)は、断熱構造の筐体(2)内に配設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1つに記載の燃料電池の暖機システム。
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