JP2004265223A - 災害情報の提供方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】災害の発生が予想される地域において、過去の災害情報を迅速に提供する。
【解決手段】災害情報提供装置300は、あらかじめ災害データベース370、環境テーブル350を作成し、外部システムから受信した気象データを環境テーブル350と比較し、災害の発生が予想される地域を抽出し、その地域において過去に発生した災害情報を、災害データベース370から検索し、ユーザ端末400が過去に発生した災害情報の概要を提供する。また、ユーザ端末400が表示された過去に発生した災害情報を選択することで、詳細な災害履歴および災害時の気象状態を提供する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防災情報提供に関し、特に災害情報の提供方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
防災に関して提供される情報には、気象庁が提供する天気予報のような気象予報情報がある。また、気象庁では、降水量、風速等について、各々一定の数値を設定し、現在の気象データから、当該数値を越える地点および地域を提供する。これにより、当該数値を超える地域、その降水量、風速等の防災に関わる情報が提供され、警報および注意報は、このような情報をもとに発表されている。
【0003】
さらに、個人のニーズに対応した局所的な天気予報の提供方法も提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
ここで、気象データとは、気温、降水量、風速など気象に関する全ての情報をいう。この気象データには、観測装置および人手によって観測された実況値のみならず、数値予報解析等によって計算された予想値、地震による震度情報、津波情報等を含み、さらには、今後新たに利用されるであろう気象関連情報の全てを含むものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−24456
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、現在の気象データから災害のおそれのある地域に対し、警報、注意報等により災害の情報を提供している。しかしながら、災害のおそれのある地域において、過去に発生した災害、災害発生時の気象状態等の災害の履歴情報を提供することについては、何ら考慮されていない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、災害発生が予想される地域を現在の気象データから抽出し、その地域における過去の災害情報を迅速に提供できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、災害発生が予想される地域を、現在の気象データと気象条件から抽出し、その地域における過去の災害情報を災害データベースから検索し提供する。例えば、コンピュータを用いてネットワークに接続された端末に災害情報を提供する。前記コンピュータは、過去に発生した災害情報が記録された災害データベースと、災害の発生が予想される地域を抽出するために必要な気象条件を記録した環境テーブルとを備えている。また、前記コンピュータは、外部システムより、各地域の気象に関する情報を示す気象データを受信するステップと、前記気象データと前記環境テーブルとを比較し、環境テーブルの気象条件を満たす気象データの地域を抽出するステップと、前記抽出された地域において、過去に発生した災害を前記災害データベースから検索し、過去に発生した災害の概要を前記端末に提供するステップと、前記過去に発生した災害の詳細を前記端末に提供するステップと、前記過去に発生した災害の概要、または、前記過去に発生した災害の詳細を、前記端末が表示するステップとを行う。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。
【0010】
図1に、本発明の実施形態による災害情報提供システムの構成を示す。
【0011】
図示するように、本システムは、気象庁が観測した気象データを管理するための気象庁のコンピュータ100と、過去に発生した災害情報を管理する防災センタのコンピュータ200と、災害情報提供装置300と、複数のユーザ端末400とから構成される。気象庁のコンピュータ100と災害情報提供装置300は、例えば専用線などのネットワーク510により接続され、また、防災センタのコンピュータ200と災害情報提供装置300も、例えば専用線などのネットワーク520により接続される。なお、気象庁のコンピュータ100および防災センタのコンピュータ200は、外部のシステムであって、気象庁または防災センタに限定されるものではない。
【0012】
災害情報提供装置300は、気象庁から提供された気象データ、および、防災センタの災害情報から、災害発生が予想される地域を抽出し、その地域における過去の災害情報を、ユーザ端末400に提供する。災害情報提供装置300は、例えば、プログラムに従ってデータの加工・演算を行なうCPU301と、CPUが直接読み書き可能な主記憶装置302と、ハードディスク等の外部記憶装置303と、外部システムとデータ通信をするために通信装置304と、キーボード等の入力装置305、ディスプレイまたはプリンタ等の出力装置306とを有する一般的なコンピュータシステムを利用することができる。
【0013】
なお、災害情報提供装置300は、本実施の形態では1つであるが、例えば都道府県ごとに災害情報提供装置300を複数設けることも考えられる。
【0014】
ユーザ端末400は、災害情報提供装置300とインターネットネットなどのネットワーク530を介して接続され、災害情報提供装置300が提供する情報を表示または利用可能な端末装置である。ユーザ端末400は、図示しないが、CPU、主記憶装置、外部記憶装置、通信装置、ディスプレイまたはプリンタなどの出力装置、キーボードまたはマウスなどの入力装置を有する一般的なコンピュータシステムを利用することができる。
【0015】
なお、ユーザ端末400は、各地域に設置され、当該設置された地域における情報を表示するものとする。ユーザ端末400は、常時、現在の気象状態、現在の災害情報、過去の災害情報の概要などが表示されるモニタとしての機能と、随時、過去の災害情報の詳細を要求し、表示する機能とを有する。これらの機能は、ユーザ端末400の主記憶装置にロードされた所定のプログラムを、CPUが実行することにより実現される。
【0016】
図2に、本発明に係る災害情報提供装置300の機能構成図を示す。
【0017】
災害情報提供装置300において、主記憶装置302にロードされた所定のプログラムを、CPU301が実行することにより、次に述べる機能が実現される。災害情報提供装置300は、後述するデータベースおよびテーブルにデータを登録又は更新するデータ管理部310と、気象データおよび災害情報から、災害発生が予想される地域を抽出し、その地域における過去の災害情報を検索し表示する表示データ処理部320とを有する。
【0018】
データ管理部310は、気象庁から一定の時間間隔で送信される現在の気象データを受信し、気象データベース330に格納する受信処理部311と、環境テーブル350および災害対応テーブルにデータを登録又は更新するテーブル管理部312と、防災センタから提供される過去の発生した災害の災害情報を災害データベース370に登録する登録処理部313とを有する。
【0019】
表示データ処理部320は、現在の気象データから災害の発生が予想される地域を抽出する地域抽出処理部321と、抽出した地域において過去に発生した災害情報を災害データベースから検索する災害情報検索処理部322と、検索した災害情報の概要を表示する概要表示データ処理部323と、災害情報の詳細表示要求をユーザから受け付ける要求受付処理部324と、その要求内容に従って災害データベース370から詳細な災害情報を検索し表示する詳細表示データ処理部325とを有する。
【0020】
また、災害情報提供装置300の外部記憶装置303には、気象庁から受信した気象データを格納する気象データベース330と、災害の発生が予想される地域を抽出するための気象条件を格納する環境テーブル350と、災害の種類と気象状態との対応を示す災害対応テーブル360と、災害履歴および災害時の気象状態などの災害情報を格納する災害データベース370とが記憶されている。
【0021】
次に、気象データベース330について説明する。
【0022】
図3は、気象データベース330のデータフォーマットの例である。気象庁から提供される気象データは、観測地点および観測時刻毎に、降水量、風速などの気象に関する各項目の観測値が記録されている。
【0023】
気象データベース330のデータは、観測地を示す地点番号フィールド331、観測時刻フィールド332、降水量の計測期間フィールド333、降水量フィールド334、風向フィールド335、風速フィールド336、降雪量の計測期間フィールド337、降雪量フィールド338、最高気温フィールド339、最低気温フィールド340、湿度フィールド341などを有する。受信処理部311は、現在の気象データが気象庁から受信すると、そのタイミングで気象データを、気象データベース330に追加する。
【0024】
次に、環境テーブル350について説明する。
【0025】
図4は、環境テーブル350の一例を、模式的に示した図である。環境テーブル350は、地点フィールド351、地域フィールド352、1時間降水量フィールド353、3時間降水量フィールド354、24時間降水量フィールド355、風速フィールド356、最大瞬間風速フィールド357、1時間降雪量フィールド358、気温フィールド359を有する。
【0026】
環境テーブル350は、気象データから、災害の発生が予想される地域を抽出するために必要な気象条件を記録したテーブルである。気象条件は、降水量、風向など各種の気象に関する項目毎に設定された、災害の発生が予想される閾値のことをいう。例えば、降水量が1時間当たりNミリメートルを超えると、洪水が発生する可能性がある場合は、1時間当たりの降水量の気象条件(閾値)は、Nミリメートルとなる。
【0027】
また、気象条件(閾値)は、気象データに対応する地点または地域毎に設定可能とする。例えば、位置、地形の違いから、地域Aにおいては、洪水が発生す可能性がある降水量は、Nミリメートル以上であるが、地域BではMミリメール以上である場合があるからである。
【0028】
なお、環境テーブルのデータフォーマット350は、図4に示す項目に限られず、気象データから災害発生が予想される地域を抽出するために、必要となる全ての気象に関する項目を含むものとする。
【0029】
次に、災害対応テーブル360について説明する。災害対応テーブル360は、過去の災害情報を表示する際に、現在の発生が予想される災害と関連のある過去の災害情報を抽出し、表示するために必要なテーブルである。
【0030】
図5は、災害対応テーブル360の一例を、を模式的に示した図である。列361は、洪水、風害などの災害の種類を示し、行366は、降水量、風速などの気象に関する項目を示している。例えば、列362を参照すると、降水量に関連する災害は、洪水、土砂崩れ、台風であり、列363を参照すると、風速に関連する災害は、風害と台風であることがわかる。一方、行367を参照すると、台風は、降水量および風速の両方に関連する災害であることがわかる。
【0031】
この災害対応テーブル360により、現在の予想される災害と関連のある過去の災害情報のみを表示することが可能となる。
【0032】
次に、災害データベース370について説明する。
【0033】
災害データベース370は、災害履歴情報(図6参照)および災害時の気象状態情報(図7参照)から構成される。災害履歴情報は、災害の種類、発生地などの災害の概要を示す情報であり、災害時の気象状態情報は、災害が発生したときの降水量、風速などの気象状態を示す情報である。なお、本実施の形態においては、災害履歴情報と災害時の気象状況情報を1つの災害データベース370に格納しているが、両者を別々のデータベースとすることも考えられる。
【0034】
図6は、災害履歴情報のデータフォーマットの例である。災害履歴情報は、災害を識別するための災害識別子フィールド371と、洪水、風害などの災害の種類を示す種類フィールド372と、発生地フィールド373と、発生地域フィールド374と、発生時期フィールド375と、災害規模フィールド376と、被害状況フィールド377とを有する。なお、発生地域フィールド374に格納されている地域は、現在の気象データから過去に発生した災害情報を、本データベースから検索する時の検索キーとなる。
【0035】
図7は気象状態情報のデータフォーマットの例である。気象状態情報は、1時間降水量フィールド381、3時間降水量フィールド382、24時間降水量フィールド383、風速フィールド384、最大瞬間風速フィールド385、1時間降雪量フィールド386、気温フィールド387フィールドを有する。この災害時の気象状態情報は、災害の詳細を表示する場合に使用される。
【0036】
次に、災害情報を提供するときの処理の流れを説明する。災害情報の提供には、後述する概要データ提供処理と、詳細データ提供処理の2つの処理がある。
【0037】
なお、災害情報を提供するにあたり事前準備として、予め、災害情報提供装置300の登録処理部312が、過去に発生した災害の災害履歴情報、および、災害時の気象状態情報を災害データベース370に登録する。そして、テーブル管理部312は、現在の気象データから災害発生が予想される地域を抽出するために、気象条件(閾値)を、環境テーブル350に登録する。さらに、テーブル管理部312は、気象に関する各項目と、その各々に対応する災害の種類を、災害対応テーブル360に登録する。なお、環境テーブル350は、地域が新たに追加された場合、閾値が変更になった場合などに更新され、また災害対応テーブル360は、災害の種類が変更した場合などに更新される。
【0038】
以上の事前準備の後に、災害情報の提供処理が行われる。
【0039】
まず初めに、災害情報の概要データ提供処理について、図8のフローチャートを参照し説明する。受信処理部311は、現在の気象データを気象庁のコンピュータ100から受信しているか否かを判定する(ステップ601)。気象データは、一定の間隔で気象庁のコンピュータ100から送信されるものとし、新たな気象データを受信した場合には、気象データを気象データベース330に格納する(ステップ602)。なお、新たな気象データを受信していない場合には、再度、気象データを受信しているか否かを判定する。そして、地域抽出処理部321は、環境テーブル350を参照し、受信した気象データの気象に関する項目のなかで、1つでも環境テーブル350に登録された気象条件(閾値)を超える地点を抽出する(ステップ603)。なお、災害データベース370を検索するときの検索キーとしては、前記抽出された地点(351)を含む地域(352)を、検索キーとして使用する(図4参照)。
【0040】
次に、災害情報検索処理部322は、災害対応テーブル360を参照し、閾値を超えた気象に関する項目に対応する災害の種類を検索する(ステップ604)。そして、ステップ603で抽出された地点を含む地域を検索キーとして、災害データベース370から、その地域で過去に発生した災害情報を抽出する。そして、抽出した災害情報から、ステップ604で検索した災害の種類と同じ種類の災害情報のみに絞り込む(ステップ605)。
【0041】
次に、概要表示データ処理部323は、地域ごとに作成した概要表示データを作成し(ステップ606)、各地域のユーザ端末400に送信する(ステップ607)。概要表示データは、気象データから作成される現在の気象状態と、現在の災害情報と、過去の災害情報の概要とを有する。
【0042】
ユーザ端末400は、当該ユーザ端末が設置されている地域の概要表示データを受信する(ステップ608)。そして、ユーザ端末400は、概要表示データを出力装置に表示する(ステップ609)。なお、ユーザ端末は、モニタとして常時、概要表示データを出力装置に表示し、災害情報提供装置300が気象庁のコンピュータ100から新たな気象データを受信し、新たな概要表示データがユーザ端末400に送信されると、表示内容が新たな概要表示データに自動的に更新されるものとする。
【0043】
なお、本実施の形態においては、災害情報提供装置300が気象データを受信したタイミングで、概要表示データを各々のユーザ端末400に配信(送信)する方式としている。しかしながら、概要表示データをユーザ端末400に配信せずに災害情報提供装置300側で保持し、ユーザ端末400が定期的に災害情報提供装置300にアクセスすることにより、概要表示データを閲覧可能な状態とする方式としてもよい。また、災害情報提供装置300の出力装置306においても、概要表示データの表示をすることができるものとする。
【0044】
ここで概要表示データの表示方法としては、災害の種類および災害の範囲などをイメージとして地図上に表示することが考えられ、また、1つの地図上に現在の気象状態、現在の災害情報、過去の災害情報の概要の全てを表示する方法が考えられる。
【0045】
図10に、概要表示データを地図表示した出力画面の例を示す。本出力画面は、画面の左側が3段に分割され、上段810が降水量のレベルを示す記号を示し、中段840が現在の災害発生地域を表示する網掛けの種類を示し、下段850が過去の災害発生地域を表示する網掛けの種類を示す。この画面の左側以外の部分は、対象となる地域の地図が表示されている。
【0046】
図10の例では、現在の気象状態として、降水量を地点ごとに示し、降水量のレベルを示す記号810により、その量の多少を表している。
【0047】
現在の災害情報については、薄く網掛けした部分820に災害が発生するおそれがあることを示している。また、その災害の種類は、左側中段840を参照し、そこに表示されている網掛けの種類により、洪水であることがわかる。なお、地域によって、環境テーブル350に登録された気象条件(閾値)が異なるため、同じ記号の降水量であっても、災害となる地域と災害とならない地域とがある。
【0048】
過去の災害情報については、濃く網掛けした部分830において、過去に災害が発生したことを示している。現在の災害は、降水量に関係する災害(洪水)であるため、過去の災害情報についても降水量に関係する災害の種類が、画面の左側下段850に、表示される。降水量に関係する災害は、災害対応テーブル360(図5参照)を参照することにより洪水、土砂崩れ、台風が抽出され、これらは、網掛けの種類を変えて画面の左側下段850表示される。そして、現在の災害(洪水)が発生するおそれがある地域820において、過去に洪水、土砂崩れまたは台風による災害の発生があるか否かを、災害データベース370から検索し、過去に洪水、土砂崩れまたは台風の災害があった場合は、地図上に表示する。この場合は、濃く網掛けした部分830において、過去に洪水が発生したことを示している。
【0049】
なお、イメージによる地図表示だけでなく、災害の種類および発生地域などの項目を一覧として表示する方法、音声等による報知、または、プリンタによる印刷等も考えられる。
【0050】
次に、災害情報の詳細データ提供処理について、図9のフローチャートを参照し説明する。本システムを利用するユーザは、ユーザ端末400に表示されている過去の災害について、その詳細な災害情報を、随時、画面表示することが可能である。
【0051】
ユーザは、ユーザ端末400の出力装置に表示されている過去の災害発生地域から、任意に詳細表示したい地域を、入力手段により入力する。すると、ユーザ端末400は、この詳細表示要求を受け付けて、災害情報提供装置300へ送信する(ステップ701)。災害情報提供装置300の要求受付処理部324は、その詳細表示要求を受け付け(ステップ702)、災害データベース370から、該当する災害の詳細情報(いわゆる災害履歴情報および災害時の気象状状態)を検索する(ステップ703)。そして、詳細表示データ処理部325が、検索した災害時の詳細情報を、要求を受け付けたユーザ端末に送信する(ステップ704)。
【0052】
ユーザ端末400は、災害時の詳細情報を受信し(ステップ705)、出力装置にその情報を表示する(ステップ706)。なお、ユーザの操作により、随時もとの概要表示画面(図10参照)に、画面を切り換えることができるものとする。なお、災害時の詳細情報については、ユーザ端末400に詳細情報のデータを配信(送信)する方式、あるいは、詳細情報のデータをユーザ端末400に配信せずに災害情報提供装置300側で保持し、ユーザ端末400のアクセスによりデータの閲覧を可能にする方式などが考えられる。また、災害情報提供装置300の出力装置306においても、詳細情報のデータの表示をすることができるものとする。
【0053】
図11に、災害の詳細情報の出力画面の例を示す。本出力画面は、画面の上段に、災害の種類、災害の発生地、災害地域、発生時期、被害状況などの災害履歴情報370が、一覧として表示されている。また、画面の下段には、降水量、風速、気温、積雪量など災害時の気象状態情報380が、グラフにより表示されている。
【0054】
以上、本発明における災害情報の提供方法の実施の形態について説明した。
【0055】
本実施形態によれば、気象データの受信時に災害の発生が予想される地域を抽出し、その地域から過去に発生した災害情報の概要を検索して提供することで、迅速に防災に関わる詳細な情報提供を行うことができる。また、提供された過去の災害情報を選択することで、詳細な災害履歴および災害時の気象状態の提供も可能となる。
【0056】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0057】
例えば、本実施の形態では、ユーザ端末は、当該端末が設置されている地域の気象情報を表示することとしているが、ユーザの指定により、他の地域の気象情報を表示することも可能とする。また、地域についても、その範囲をユーザが任意に変更することができ、広い地域の気象状態を表示することも可能とし、逆に局所的な狭い地域の気象状態を表示することも可能とする。
【0058】
さらには、環境テーブル350の気象条件についても、ユーザ端末からユーザの操作により変更する手段を有することも考えられる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、災害発生が予想される地域を現在の気象データから抽出し、その地域における過去の災害情報を迅速に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る災害情報提供システムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る災害情報提供装置の機能構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る気象データベースのデータフォーマットである。
【図4】本発明の実施形態に係る環境テーブルのテーブル構造図である。
【図5】本発明の実施形態に係る災害対応テーブルのテーブル構造図である。
【図6】本発明の実施形態に係る災害データベースの災害履歴のデータフォーマットである。
【図7】本発明の実施形態に係る気象データベースの気象状況のデータフォーマットである。
【図8】本発明の実施形態に係る災害情報の概要表示処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る災害情報の詳細表示処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係る概要表示画面のイメージ図である。
【図11】本発明の実施形態に係る詳細表示画面のイメージ図である。
【符号の説明】
100…気象庁のコンピュータ、200…防災センタのコンピュータ、300…災害情報提供装置、310…データ管理部、320…表示データ処理部、330…気象データベース、350…環境テーブル、360…災害対応テーブル、370…災害データベース、400…ユーザ端末

Claims (3)

  1. コンピュータを用いてネットワークに接続された端末に災害情報を提供する方法において、
    前記コンピュータは、過去に発生した災害情報が記録された災害データベースと、災害の発生が予想される地域を抽出するために必要な気象条件を記録した環境テーブルとを備えており、
    前記コンピュータが、外部システムより各地域の気象に関する情報を示す気象データを受信するステップと、
    前記気象データと前記環境テーブルとを比較し、環境テーブルの気象条件を満たす気象データの地域を抽出するステップと、
    前記抽出された地域において、過去に発生した災害を前記災害データベースから検索し、過去に発生した災害の概要を前記端末に提供するステップと、
    前記過去に発生した災害の詳細を前記端末に提供するステップと、
    前記過去に発生した災害の概要、または、前記過去に発生した災害の詳細を、前記端末が表示するステップと、を行うこと
    を特徴とする災害情報の提供方法。
  2. 請求項1に記載の災害情報の提供方法において、
    前記コンピュータは、災害の種類と、前記気象データの項目とを対応付けした災害対応テーブルを備えており、
    前記コンピュータが、前記環境テーブルの気象条件を満たす気象データのデータ項目を特定するステップと、
    前記災害対応テーブルを参照して、特定されたデータ項目に対応する災害の種類を検索し、前記過去に発生した災害から、当該災害の種類の災害のみを抽出し、前記端末に提供するステップと、を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の災害情報の提供方法。
  3. 災害情報を出力する災害情報提供装置において、
    過去に発生した災害情報が記録された災害データベースと、
    災害の発生が予想される地域を抽出するために必要な気象条件を記録した環境テーブルと、
    外部システムより、各地域の気象に関する情報を示す気象データを受信する手段と、
    前記気象データと前記環境テーブルとを比較し、環境テーブルの気象条件を満たす気象データの地域を抽出する手段と、
    前記抽出された地域において、過去に発生した災害を前記災害データベースから検索し、過去に発生した災害の概要を抽出する手段と、
    前記過去に発生した災害の詳細を抽出する手段と
    前記過去に発生した災害の概要、または、前記過去に発生した災害の詳細を出力する手段とを有すること
    を特徴とする災害情報を出力する災害情報提供装置。
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