JP4108011B2 - 瞬時電圧低下データ提供方法、推定損失額算出方法、及びプログラム、並びに装置 - Google Patents

瞬時電圧低下データ提供方法、推定損失額算出方法、及びプログラム、並びに装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、瞬時電圧低下データを活用する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、瞬時電圧低下(以下、瞬低と略す)による生産ラインの停止等、瞬低の影響がクローズ・アップされている。なお、瞬低が発生する要因の大半は落雷によるものであるため、電力事業者は、顧客へのサービスとして落雷情報の提供等を行っている。また、少なくとも瞬低に関するデータを用いて顧客にとって有益な情報を提供するための技術もいくつか存在する。
【0003】
例えば、電力系統の送電線設備や受電先としての電子工場などにおける電圧の瞬時低下確率を計算してその情報を配信することにより、系統運用者や電力ユーザの負担を軽減し、雷害に関する判断を容易にするための技術が存在する(例えば特許文献1参照)。
【0004】
すなわち、過去の落雷データを記憶する過去落雷データ記憶手段と、過去の瞬時電圧低下データを記憶する過去瞬時電圧低下データ記憶手段と、気象データと過去落雷データ記憶手段の記憶内容とを用いて、落雷の位置を予測する落雷移動先予測手段と、落雷移動先予測手段の予測結果と地理的因子による落雷危険度とを用いて、被雷可能性の高い送電線のデータを抽出する被雷送電線抽出手段と、抽出された送電線のデータと過去瞬時電圧低下データ記憶手段の記憶内容とを用いて、受電先の瞬時電圧低下確率を計算する瞬時低下確率計算手段とを備える、落雷による瞬時電圧低下予測システムが開示されている。
【0005】
また、顧客が給電情報と雷情報とを重ねた状態で閲覧するための技術も存在する(例えば特許文献2参照)。すなわち、電力を供給する者の施設に設置したサーバに蓄積されているデータの中から給電情報に関するデータ及び雷情報に関するデータをそれぞれ収集する給電情報収集手段及び雷情報収集手段と、給電情報収集手段及び雷情報収集手段によりそれぞれ収集されたデータを合成し現在の状態データおよび過去の状態データそれぞれに分けて情報を蓄積する情報合成手段と、給電情報収集手段と雷情報収集手段とが一定周期でデータを収集し、情報合成手段がデータ収集にリンクしてこれらの情報を合成するように管理するデータ収集管理手段と、情報合成手段により合成された現在の状態データを蓄積する現在状態データベースと、情報合成手段により合成された過去の状態データを蓄積する過去世代状態データベースと、需要家端末からの要求に基づいて現在状態データベースおよび過去世代状態データベースにアクセスし、アクセスした情報を需要家端末に提供する手段とからなる需要家への情報提供サーバが存在する。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−90887
【特許文献2】
特開2003−9392
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような技術では、どの設備(例えば送電線)に落雷が予想されるかということは分かるが、例えば顧客が、自己の生産ライン等が瞬低の影響を受ける可能性を知るためには、どの送電線に不具合があった場合に影響を受けるのかということを予め知っておかなければならない。例えば、顧客の生産ラインが設置されている場所から比較的離れている箇所で落雷があった又はあると予想される場合など、瞬低の危険度を直感的に知ることが困難である。
【0008】
また、上記の技術によると、顧客は直近の危険度を知ることはできるが、月や年単位の将来にわたっての危険度を知ることはできない。例えばある地域に新規に生産ラインの導入を検討している顧客が、当該地域における瞬低の頻度や影響をシミュレートするための情報を提供するといった観点は示されていない。
【0009】
従って、本発明の目的は、瞬低のデータを有効活用して顧客サービスを充実させるための新規な技術を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に係る瞬時電圧低下データ提供方法は、実績データ格納部に格納されている瞬時電圧低下の実績データに基づき、ユーザが指定した場所に対応する電気所において検出された瞬時電圧低下の原因と直接関連する設備を抽出し、当該設備のデータを記憶装置に格納するステップと、抽出された設備の位置データに基づき、少なくともユーザが指定した場所における瞬時電圧低下の要因となりうる地域を特定した地図データを生成し、地図データ格納部に格納する地図データ生成ステップと、地図データ格納部に格納された地図データを出力するステップとを含む。
【0011】
例えばある顧客の住所に対応する電気所において発生した瞬低のデータを抽出し、故障等により瞬低の原因となった設備(例えば送電線)を特定する。そして、その送電線が通っている地域を、顧客の住所において発生する瞬低の原因となりうる地域として地図上に示す。これにより、例えば落雷等の自然現象による送電線の事故等がどこの地域に発生した場合、顧客の住所において瞬低の影響があり得るかということが一目で分かるようになる。
【0012】
また、上記地図データ生成ステップにおいて、所定の期間における設備の事故件数を用いて地図データを生成するようにしてもよい。例えば事故件数に応じて地域を色分けした地図を示す。これにより、瞬低の原因となることの多い地域を特定することができ、顧客の住所における瞬低への影響頻度が分かる。
【0013】
また、上記地図データ生成ステップにおいて、瞬時電圧低下の実績データに含まれている電圧の低下率を示すデータを用いて地図データを生成するようにしてもよい。例えば電圧低下度の最大値や平均値に応じて地域を色分けした地図を示す。これにより、どこの地域に事故があった時に、顧客にとって大きな影響のある瞬低がおこり得るのかということが一目で分かるようになる。
【0014】
また、気象現象データを取得し、気象現象データ格納部に格納するステップと、気象現象データに基づき、瞬時電圧低下の要因となりうる地域に所定の気象現象が発生したことを検出した場合、その地域に設置されている設備を特定するステップと、特定された設備の位置データに基づき、その設備が設置されている気象現象影響地域を特定するステップと、特定された気象現象影響地域を示す地図データを生成し、気象現象影響地域地図データ格納部に格納するステップと、気象現象影響地域地図データ格納部に格納された気象現象影響地域を示す地図データを出力するステップとをさらに含むようにしてもよい。
【0015】
例えば落雷情報を取得し、上で述べた顧客の住所において発生する瞬低の原因となりうる地域に落雷があったことを検出した場合には、落雷のあった地域に設置されている送電線を特定し、その送電線が通過している地域を気象現象影響地域として特定する。そして、例えば気象現象影響地域が分かるように色付けした地図データを出力する。なお、顧客にとって、該当する送電線が通過している地域を全て知る必要は必ずしもないため、影響の有る地域であって落雷のあった地域のみを示すようにしてもよい。これにより、ユーザは、落雷等の気象現象が発生した場合に、瞬低の影響可能性をそのレベルと共に知ることができる。
【0016】
また、気象現象データを取得し、気象現象データ格納部に格納するステップと、気象現象データに基づき、瞬時電圧低下の要因となりうる地域に所定の気象現象が発生したことを検出した場合、その地域に設置されている設備を特定するステップと、特定された設備の位置データに基づき、その設備が設置されている気象現象影響地域を特定するステップと、上記地図データ格納部に格納された地図データを用いて、特定された気象現象影響地域を示す地図データを生成し、気象現象影響地域地図データ格納部に格納するステップと、気象現象影響地域地図データ格納部に格納された気象現象影響地域を示す地図データを出力するステップとをさらに含むようにしてもよい。
【0017】
例えば瞬低回数や、電圧低下率の最大値又は平均値によって色分け又は模様分けされた地図データに基づき、気象現象影響地域を示す地図データを生成して出力する。これにより、ユーザは、落雷等の気象現象が発生した場合に、瞬低の影響可能性を知ることができる。
【0018】
また、設備の位置における気象現象発生確率を取得し、記憶装置に格納するステップをさらに含み、上記地図データ生成ステップにおいて、気象現象発生確率を用いて地図データを生成するようにしてもよい。これにより、ユーザは、落雷等の気象現象の発生確率によって推定される瞬低の影響可能性を知ることができる。
【0019】
また、本発明の第2の態様に係る推定損失額算出方法は、ユーザが指定した場所に対応する電気所において検出された瞬時電圧低下のデータに基づき、ユーザが指定した場所に設置された生産ラインの推定停止回数を算出し、記憶装置に格納する影響回数カウント・ステップと、記憶装置に格納された生産ラインの推定停止回数に基づく推定損失額を算出し、記憶装置に格納するステップとを含む。
【0020】
これにより、顧客は、自己の有する生産ラインが瞬低の影響で停止することによって発生すると推定される損失額を把握することができ、例えば算出した損失コストと対策コストとを比較することにより瞬低対策を実施するか否かの判断基準とすることができる。
【0021】
また、上記影響回数カウント・ステップが、瞬時電圧低下のデータから特定される瞬時電圧低下時において、生産ラインを構成する各機器の稼動に影響があるか判定し、判定データを記憶装置に格納するステップと、記憶装置に格納された判定データに基づき、瞬時電圧低下時における生産ラインの稼動状態を判定し、稼動状態データを記憶装置に格納するステップとを含むようにしてもよい。
【0022】
生産ラインを構成する各機器が瞬低の影響を受けるか否かは、例えば瞬低における電圧の低下率と瞬低継続時間とによって判断でき、基準となる数値は機器によって異なっている。そのため、瞬低データに含まれる電圧の低下率と瞬低継続時間とに基づき、機器毎に影響があるかどうかを判定することにより、各瞬低発生時において生産ラインが停止すべき状態になったかどうかを適切に判定することができる。
【0023】
また、生産ラインの起動に要する時間を取得し、起動時間データを記憶装置に格納するステップをさらに含み、上記影響回数カウント・ステップにおいて、瞬時電圧低下のデータと稼動状態データとに基づき、生産ラインが一旦停止すべき状態になってから起動するまでの時間内に発生した瞬時電圧低下を検出し、当該瞬時電圧低下の影響を排除して生産ラインの推定停止回数をカウントするようにしてもよい。
【0024】
このように、生産ラインが停止状態にある際の瞬低については、生産ラインの停止回数のカウント対象から除外することにより、適切に生産ラインの推定停止回数をカウントすることができる。現実には、瞬低は短い時間内に何回も発生することが多い。例えば、生産ラインの起動時間が30分であるならば、その生産ラインが一旦停止状態になってから30分以内に発生した他の瞬低についてカウントすると、損害を過大に見積もることになってしまうためである。
【0025】
また、本発明に係る方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを作成することも可能であって、当該プログラムは、例えばフレキシブル・ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。また、ネットワークを介してデジタル信号として配信される場合もある。なお、処理途中のデータについては、コンピュータのメモリに一時保管される。
【0026】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1に、本発明の実施の形態におけるシステム概要図を示す。例えば、イントラネットなどのLAN(Local Area Network)である社内LAN100には、総合記録装置23と制御所システム21と給電所サーバ11と給電所端末13とプログラム端末15とオペレータ端末17と給電所システム9と通知サーバ7と営業サーバ5と営業端末19とが無線又は有線により接続されている。
【0027】
総合記録装置23は電気所2300に設置されており、総合記録装置23には、瞬低の発生を検出する瞬低検出部231と、検出された瞬低のデータを他のコンピュータに送信するデータ送信部233とが含まれている。また、総合記録装置23は、瞬低検出部231によって検出された瞬低のデータを格納するための瞬低データ格納部235を管理している。
【0028】
また、給電所サーバ11と給電所端末13とプログラム端末15とオペレータ端末17と給電所システム9と通知サーバ7と営業サーバ5とは、給電所500に設置されている。給電所サーバ11は、総合記録装置23から受信した瞬低のデータを格納するための瞬低データ格納部110を管理している。給電所端末13には、図示しないプリンタ装置が接続されており、給電所サーバ11から受信した瞬低のデータを帳票出力可能となっている。また、プログラム端末15には、瞬低のデータのフォーマットを変換する展開プログラム151と、瞬低のデータを編集して瞬低実績データや瞬低統計データ等を生成し、瞬低に関する各種資料を出力するための統計プログラム153とが含まれている。
【0029】
また、通知サーバ7には、瞬低が発生した際に、瞬低の発生を通知する顧客を選定する顧客選定部71と、瞬低の発生についてのデータを他のコンピュータと送受信するためのデータ通信部73とが含まれている。また、営業サーバ5は、給電所サーバ11から受信した瞬低のデータを格納するための瞬低データ格納部50を管理している。
【0030】
また、営業サーバ5には、瞬低データ格納部50に格納されているデータの検索処理を行う検索プログラム51と、ウェブ(Web)ページ・データの生成や管理及び送信等を行うWebサーバ部53と、落雷情報等の気象現象に基づき瞬低の予報データを生成する瞬低予報処理部55と、瞬低データ格納部50に格納されている瞬低の実績データに基づき顧客別の瞬低影響地域を示す地図データを生成する影響マップ生成部57と、瞬低データ格納部50に格納されている瞬低の実績データに基づき顧客の生産ラインの推定停止回数をカウントし、推定損失額を算出する損失額計算処理部59とが含まれている。損失額計算処理部59の処理の詳細については、後に示す第2の実施の形態の説明において述べる。
【0031】
また、オペレータ端末17には、図示しない検索プログラムと管理プログラムとが含まれており、ユーザは、営業サーバ5の瞬低データ格納部50に格納されているデータの検索及び管理が可能となっている。また、営業端末19は、例えば営業サーバ5にアクセスするための図示しないWebブラウザを有している。
【0032】
また、通知サーバ7と営業サーバ5とは、例えばインターネットであるネットワーク1に無線又は有線で接続されている。また、ネットワーク1には、顧客が利用するユーザ端末3が無線又は有線で接続されている。なお、給電所端末13、プログラム端末15、オペレータ端末17、営業端末19及びユーザ端末3は、例えばWebブラウザ機能を有するパーソナルコンピュータであり、各々1又は複数存在する。
【0033】
次に、図2乃至図16を用いて図1に示したシステムの処理内容について説明する。図2には、瞬低が発生した際、瞬低のデータを記録し、瞬低が発生したことを顧客に通知する処理フローが示されている。
【0034】
まず、瞬低の監視を行っている総合記録装置23の瞬低検出部231は、瞬低の発生を検出すると、瞬低データを生成し、瞬低データ格納部235に格納する(図2:ステップS1)。図示しないが、瞬低データには、例えば発生時刻、変電所名、母線名、継続時間及び低下率等が含まれている。
【0035】
そして、総合記録装置23のデータ送信部233は、瞬低データを制御所システム21に送信する(ステップS3)。制御所システム21は、瞬低データを総合記録装置23から受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS5)。
【0036】
そして、制御所システム21は、瞬低データを含む給電データを生成し、給電データを給電所システム9に送信する(ステップS7)。給電所システム9は、給電データを制御所システム21から受信し、図示しない表示装置に表示する(ステップS9)。そして、給電所システム9は、給電データに含まれる瞬低データを通知サーバ7に送信する(ステップS11)。また、給電所システム9は、瞬低が発生したことを示すデータを社内通報としてオペレータ端末17等の社内ユーザが使用する端末に送信する(ステップS13)。なお、オペレータ端末17等の端末は、瞬低が発生したことを示すデータを受信すると、例えば自動で、瞬低の発生を通知するメッセージを表示装置に表示する。
【0037】
通知サーバ7は、瞬低データを給電所システム9から受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS15)。そして、通知サーバ7の顧客選定部71は、今回の瞬低による影響を受けた顧客を選定する(ステップS17)。なお、瞬低の影響を受けた顧客は、図示していない顧客データ記憶部に格納されている顧客データに基づき特定される。顧客データには、顧客の名称や住所等の属性データに加え、当該顧客に送電している変電所に関連するデータが含まれている。
【0038】
そして、顧客選定部71は、予め所定の記憶装置に格納されている通知設定データを読み込み、一旦記憶装置に格納する(ステップS19)。通知設定データには、顧客に瞬低の通知を行う際に対策を依頼するための資料等を添付するか否かの設定や、瞬低の原因が判明した際に続報を通知するか否かの設定等のデータが含まれている。通知設定データは、顧客別に用意しておいてもよいし、その都度担当者からの設定入力に従って生成されるようにしてもよい。
【0039】
そして、顧客選定部71は、瞬低通知データを生成し、データ通信部73の機能を用いて顧客宛てに送信する(ステップS21)。例えばネットワーク1を介してユーザ端末3に対して送信する。瞬低通知データには、瞬低があったことを通知する旨のメッセージ等のデータが含まれている。ユーザ端末3は、瞬低通知データを通知サーバ7から受信し、表示装置に表示する(ステップS23)。なお、通知データの通信には、電子メールを用いてもよいが、なるべく早く通知がなされた方が顧客にとって有益であるため、リアルタイムの通信がより好ましい。
【0040】
このようにして、瞬低が発生したことが、顧客に通知される。これにより、瞬低の通知がなされた顧客は、生産ラインの不調等があった場合に、例えば機器の故障が原因ではなく瞬低が原因であったことを知ることができる。
【0041】
次に、図3乃至図6を用いて、瞬低が発生した際に記録される瞬低の実績データを用いて、瞬低影響マップ・データ及び瞬低予報データを生成し、顧客に提示する処理フローを説明する。なお、瞬低影響マップ・データ及び瞬低予報データの詳細については後述する。
【0042】
まず、瞬低の監視を行っている総合記録装置23の瞬低検出部231は、瞬低の発生を検出すると、瞬低データを生成し、瞬低データ格納部235に格納する(図3:ステップS31)。上で述べたように、瞬低データには、例えば発生時刻、変電所名、母線名、継続時間及び低下率等が含まれている。
【0043】
そして、総合記録装置23のデータ送信部233は、瞬低データを給電所サーバ11に送信する(ステップS33)。給電所サーバ11は、瞬低データを総合記録装置23から受信し、瞬低データ格納部110に格納する(ステップS35)。瞬低データ格納部110には、これまでに受信した瞬低データがログ形式で格納されており、例えば1件追加される。
【0044】
そして、給電所サーバ11は、瞬低データ格納部110に格納されている瞬低データを給電所端末13に送信する(ステップS37)。例えば給電所端末13を操作するユーザからの要求に従って送信する。給電所端末13は、瞬低データを給電所サーバ11から受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS39)。そして、給電所端末13は、図示しないプリンタ機能を用いて、受信した瞬低データに基づき瞬低データ帳票を出力する(ステップS41)。
【0045】
そして、給電所端末13は、瞬低データをプログラム端末15に送信する(ステップS43)。なお、プログラム端末15を操作するユーザからの要求に従って、給電所サーバ11が瞬低データ格納部110に格納されている瞬低データを送信する場合もある。
【0046】
プログラム端末15の展開プログラム151は、瞬低データを給電所端末13から受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS45)。そして、プログラム端末15の展開プログラム151は、受信した瞬低データのフォーマットを編集可能なテーブル・フォーマットに変換し、プログラム端末15のハードディスク等の記憶装置に格納する(ステップS47)。
【0047】
さらに、プログラム端末15の展開プログラム151は、瞬低データに対するユーザからの追加データの入力操作を受け付け、一旦記憶装置に格納する(ステップS49)。そして、展開プログラム151は、追加データを含む瞬低データ・テーブルを生成し、プログラム端末15のハードディスク等の記憶装置に格納する(ステップS51)。すなわち、ステップS47において生成されたテーブルを更新する。
【0048】
図4に、瞬低データ・テーブルのテーブル構成及び格納されるデータの一例を示す。図4の例には、番号の列400と日時の列402と電圧の列404と設備名の列406と号線の列408と原因の列410とA変電所データの列412とB変電所データの列414とC変電所データの列416とD変電所データの列418とが含まれている。また、A変電所データの列412とB変電所データの列414とC変電所データの列416とD変電所データの列418とには、各々低下率の列及び継続時間の列が含まれている。
【0049】
この瞬低データ・テーブルでは、瞬低の発生日時、すなわち日時の列402の値によって、瞬低を一意に特定できるようになっている。本実施の形態においては、テーブル・データは2段階の処理によって格納される。まず、ステップS47において、給電所端末13から受信した瞬低データに基づき、本テーブルにデータを格納する。上で述べたように、瞬低データには、例えば発生時刻、変電所名、母線名、継続時間及び低下率が含まれているため、瞬低データを発生時刻で集約すると、電圧の列404と設備名の列406と号線の列408と原因の列410とを除く部分にデータが格納されたテーブルを生成することができる。
【0050】
そして、ステップS49においてユーザから受け付けた追加データを電圧の列404と設備名の列406と号線の列408と原因の列410とに格納すると、図4に示したようなテーブルとなる。
【0051】
図3の説明に戻り、処理は端子Aを介して図5の処理に移行する。プログラム端末15の統計プログラム153は、瞬低データ、例えば展開プログラム151によって生成された瞬低データ・テーブル(図4)に格納されているデータに基づき、瞬低実績・統計データを生成し、図示しないプリンタ機能を用いて出力する(図5:ステップS61)。この処理については、ユーザからの指示に従って実行するようにしてもよいし、自動で実行するようにしてもよい。
【0052】
図6に、ステップS61(図5)において出力されるデータの一例を示す。図6に示した瞬時電圧低下調査データ一覧表には、顧客データ表示部600と一覧表示部601とが含まれている。一覧表示部601には、番号の列602と発生日時の列604と電圧の列606と設備名の列608と号線の列610と原因の列612と低下率の列614と継続時間の列616とが含まれている。
【0053】
顧客データ表示部600には、特定の顧客に関するデータが示されている。このうち、検出母線名に示されている変電所(電気所)において検出された瞬低データが、一覧表示部601に示されている。
【0054】
なお、図6のように顧客別に集計するほかにも、電圧低下率範囲別の件数や、継続時間範囲別の件数を集計して出力することも可能である。このように、様々な角度から瞬低データを集計・出力し、顧客に提供することにより、顧客サービスの充実を図ることができる。
【0055】
図5の説明に戻り、プログラム端末15は、ユーザからの指示に従い、瞬低データ・テーブル(図4)に格納されている瞬低データをオペレータ端末17に送信する(図5:ステップS63)。オペレータ端末17は、プログラム端末15から瞬低データを受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS65)。
【0056】
そして、オペレータ端末17は、ユーザからの指示に従い、瞬低データを営業サーバ5に送信する(ステップS67)。例えば営業サーバ5のWebサーバ部53のデータ登録機能を用いて、オペレータ端末17が営業サーバ5にFTP(File Transfer Protocol)やHTTP(HyperText Transfer Protocol)等に従って送信することによりこの処理が行われる。営業サーバ5の例えばWebサーバ部53は、瞬低データをオペレータ端末17から受信し、瞬低データ格納部50に格納する(ステップS69)。
【0057】
その後、顧客は、ユーザ端末3を操作して、顧客の住所を含む瞬低影響マップ生成要求を営業サーバ5に送信する(ステップS70)。営業サーバ5のWebサーバ部53は、ユーザ端末3から瞬低影響マップ生成要求を受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS71)。なお、瞬低影響マップ生成要求に含まれる顧客の住所のデータについては、後に説明する瞬低予報の通知において用いるように図示しない顧客データ格納部に格納するようにしてもよい。そして、営業サーバ5の影響マップ生成部57は、瞬低データ格納部50に格納されている瞬低データに基づき瞬低影響マップ生成処理を実施する(ステップS73)。この瞬低影響マップ生成処理については後に詳述する。
【0058】
Webサーバ部53は、影響マップ生成部57の処理結果である瞬低影響マップ・データをユーザ端末3に送信する(ステップS75)。ユーザ端末3は、営業サーバ5から瞬低影響マップ・データを受信し、表示装置に表示する(ステップS77)。
【0059】
このように顧客は自由に営業サーバ5にアクセスして、自らが影響を受ける地域についての地図データを受信することができるようになる。なお、瞬低影響マップについては、営業端末19やオペレータ端末17からも要求することができる。また、ユーザ端末3、営業端末19及びオペレータ端末17から、瞬低データ格納部50に格納されている様々なデータを検索プログラム51で検索して、瞬低影響マップだけではなく単純な瞬低実績リスト・データを取得することもできるようになっている。
【0060】
また、営業サーバ5の瞬低予報処理部55は、例えば落雷などの所定の気象状況発生時、若しくは定期的又は不定期に、予め登録された顧客(例えば顧客データ格納部に格納された顧客)に対して、瞬低予報処理を実施する(ステップS79)。瞬低予報処理については後に詳述する。顧客の登録については、ユーザ端末3、オペレータ端末17、営業端末19などから行うことができる。そして瞬低予報処理部55は、処理結果である瞬低予報データを、各顧客宛に例えば電子メールで送信する(ステップS79)。ユーザ端末3は、営業サーバ5から瞬低予報データを受信し、表示装置に表示する(ステップS81)。
【0061】
このように顧客は瞬低予報データを得ることができ、この情報を活用し、生産ラインの停止又は縮小、或いは自立運転のための自家用発電設備の設置等の瞬低対策を早期に行うことができるようになり、瞬低被害の軽減を図ることができる。また、瞬低対策の解除を適切なタイミングで行うことができるようになる。
【0062】
次に、図7乃至図11を用いて、瞬低影響マップ生成処理(図5:ステップS73)の詳細について説明する。なお、瞬低影響マップ生成処理は、特に断りのない限り、営業サーバ5の影響マップ生成部57が行う。
【0063】
まず、ステップS71(図5)において受信した顧客の住所に基づき、対応する変電所を特定し、ワーク・メモリ領域等の記憶装置に格納する(図7:ステップS101)。例えば、変電所がカバーするエリアについてのテーブル(図示せず)などを用いて、変電所を特定する。また、所定の期間内における、特定された変電所に関連するデータを瞬低データ格納部50から読み出し、記憶装置に格納する(ステップS103)。例えば、特定された変電所について図6の一覧表示部601に含まれるようなデータを読み出し、当該読み出したデータによりワーク・メモリ領域上に図示しない瞬低実績ワーク・テーブルを生成する。
【0064】
その後、瞬低の要因となった設備(瞬低関連設備(例えば送電線))毎に、特定された変電所の電圧低下率の平均値を算出する(ステップS105)。各瞬低関連設備が、どの程度の影響度を有するのかを把握するためであり、瞬低実績ワーク・テーブルから同一の瞬低関連設備のレコードをさらに抽出し、電圧低下率の総和をレコード数で除することにより計算する。なお、平均値ではなく、他の統計量(例えば最大値)を算出するようにしてもよい。
【0065】
そして、ワーク・メモリ領域内の地図ワーク・テーブルに、瞬低実績ワーク・テーブルに登録されている各瞬低関連設備が含まれている区分エリアに対応して、上で計算された電圧低下率の平均値のレベルを表すレベル・コードを登録する(ステップS107)。地図ワーク・テーブルは、予め定義されている地図上の区画(区分エリア)に対応して電圧低下率を表すレベル・コードと瞬低回数と当該区分エリア内に設置された瞬低関連設備とを登録するためのワーク・テーブルである。また、このステップにおいては、各設備の位置データを、設備DB(図示せず)から読み出し、各区分エリアの定義に基づき当該瞬低関連設備がいずれの区分エリアに含まれるかを決定し、区分エリアに対応して瞬低関連設備の識別情報(ID)も地図ワーク・テーブルに登録する。
【0066】
図8に、地図ワーク・テーブルのテーブル構成及び格納されるデータの一例を示す。図8の例には、エリアIDの列800とレベル・コードの列802と瞬低回数の列804と瞬低関連設備ID1の列805と瞬低関連設備ID2の列806とが含まれている。エリアIDの列800には、地図上の各区分エリアを一意に特定するコードが格納される。また、レベル・コードの列802には、電圧低下率のレベルを表すコードが格納される。
【0067】
本実施の形態においてレベル・コードには、地図上で表示される模様を示すコード(模様コード。ただし色コードであってもよい)を用いており、電圧低下率の平均が7%未満の区分エリアに対しては模様なしで表示するためのコードが登録され、7%以上15%未満の区分エリアには右上がりの斜線模様を表示するためのコードが登録され、15%以上30%未満の区分エリアには右下がりの斜線模様を表示するためのコードが登録され、30%以上の区分エリアには縦線模様を表示するためのコードが登録される。なお、複数の瞬低関連設備を含む区分エリアについては、電圧低下率の平均値の最も大きい瞬低関連設備についてのコードを登録するものとする。
【0068】
また、瞬低回数の列804には、所定の期間において当該区分エリアに含まれる瞬低関連設備が要因となって発生した瞬低の回数が格納される。瞬低関連設備ID1の列805及び瞬低関連設備ID2の列806には、各区分エリアに含まれる瞬低関連設備のIDが登録される。なお、図8では2つしか瞬低関連設備IDを登録する列を設けていないが、この数についてはより多くしても良い。
【0069】
図7の説明に戻り、瞬低関連設備が含まれている区分エリア毎に瞬低回数を計数し、ワーク・メモリ領域内の地図ワーク・テーブル(図8)に登録する(ステップS108)。例えば、瞬低実績ワーク・テーブルに登録されている各レコードについて、当該レコードに係る瞬低関連設備が含まれる区分エリアを特定し、当該区分エリアについての瞬低回数のカウント値(瞬低回数の列804(図8)の値)を1インクリメントする。
【0070】
そして、図示しない地図データ格納部に格納された地図データを読み出し、当該地図データ、地図ワーク・テーブル(図8)に登録されている各区分エリアのレベル・コード(模様コード)及び瞬低回数のデータを用いて、瞬低影響マップ・データを生成し、地図ワーク・テーブル(図8)と共に営業サーバ5の顧客データ格納部に格納する(ステップS109)。地図ワーク・テーブル(図8)については、地図テーブルとして顧客データ格納部に格納する。そして、瞬低影響マップ生成処理を終了して元の処理(図5)に戻る。このようにして、瞬低影響マップ生成処理が行われる。
【0071】
図9を用いて、電圧低下率のレベル表示を行うための処理を簡単に説明する。例えば、瞬低実績ワーク・テーブルには、第1の瞬低関連設備902のデータと、第2の瞬低関連設備904のデータとが含まれているものとする。図9の地図900においては、各升目が区分エリアを示している。また、第1の瞬低関連設備902は、D列1行乃至6行とC列6行及び7行の各区分エリアに存在しており、第2の瞬低関連設備904は、A列3行及び4行、B列2行及び3行、C列2行及び3行、D列3行、E列3行の各区分エリアに存在しているものとする。
【0072】
もし、ステップS107(図7)において、第1の瞬低関連設備902の電圧低下率の平均値が50%以上と計算された場合には、縦線模様を表示するためのコードが地図900上のD列1行乃至6行とC列6行及び7行の各区分エリアに対応して地図ワーク・テーブル(図8)に登録される。また、第1の瞬低関連設備902のIDも各区分エリアに対応して地図ワーク・テーブル(図8)に登録される。一方、第2の瞬低関連設備904の電圧低下率の平均値が20%以上50%未満であると計算された場合には、右下がりの斜線模様を表示するためのコードが地図900のA列3行及び4行、B列2行及び3行、C列2行及び3行、E列3行の各区分エリアに対応して地図ワーク・テーブル(図8)に登録される。また、第2の瞬低関連設備904のIDも各区分エリアに対応して地図ワーク・テーブル(図8)に登録される。なお、D列3行において第1の瞬低関連設備902と第2の瞬低関連設備904とが交差しているので、ここでは、電圧低下率の平均値が大きい第1の瞬低関連設備902のレベル・コード(模様コード)を優先する。従って、D列3行は縦線模様を表示するためのコードが登録される。
【0073】
このように生成された地図ワーク・テーブル(図8)と地図データとを用いれば、図9のように模様分けされた地図データを生成することができる。但し、図9において第1の瞬低関連設備902と第2の瞬低関連設備904とは説明の便宜上示しているのであって、実際にはこれらの設備については表示されない。
【0074】
また、瞬低回数については、瞬低実績ワーク・テーブルにおいて第1の瞬低関連設備902についてのレコードが抽出される毎に、地図900のD列1行乃至6行とC列6行及び7行の各区分エリアに対応するカウント値が1インクリメントされ、地図ワーク・テーブル(図8)に登録される。また、瞬低実績ワーク・テーブルにおいて第2の瞬低関連設備904についてのレコードが抽出される毎に、地図900のA列3行及び4行、B列2行及び3行、C列2行及び3行、D列3行、E列3行の各区分エリアに対応するカウント値が1インクリメントされ、地図ワーク・テーブル(図8)に登録される。従って、D列3行の区分エリアについては、第1の瞬低関連設備902と第2の瞬低関連設備904の両方の瞬低回数が累積されるようになる。
【0075】
このように、瞬低関連設備毎に電圧低下率や瞬低回数が議論されるため、過去において落雷等、瞬低の原因となる現象が発生しなかった区分エリアについても、顧客に影響を及ぼしたことのある瞬低関連設備が存在する場合には、レベル・コードや瞬低回数が登録される。
【0076】
なお、上では瞬低回数のみを議論していたが、例えば各区分エリアの落雷確率など、所定の気象現象の発生確率のデータを取得することができれば、当該発生確率と瞬低回数とから、各区分エリアにつきその区分エリアが顧客に影響を及ぼす期待値が計算され、当該期待値を地図ワーク・テーブル(図8)に登録して、さらに瞬低マップ・データにも含めるようにしてもよい。
【0077】
図10及び図11に、瞬低影響マップの表示画面の一例を示す。図10の例には、所定の大きさの区分エリアを規定するためのメッシュが施された地図上に、顧客地点マーク1000が示されている。そして、各区分エリア内の数字は、所定の期間における各区分エリアに対応する瞬低回数を表しており、各区分エリアの模様は、電圧低下率のレベルを表している。
【0078】
図10の例では、顧客地点マーク1000を含む区分エリアから2つ右の区分エリア1001には、模様も数字も示されていないことから、この地域において瞬低の原因となるような現象等が発生しても、当該顧客には影響がない可能性が高いことが分かる。
【0079】
また、顧客地点マーク1000を含む区分エリアから3つ右で且つ2つ下の区分エリア1002には、右上がりの斜線模様と「1」という数字(瞬低回数)が示されていることから、この地域において瞬低の原因となるような現象等が発生すると、当該顧客に影響する可能性が高いことが分かる。
【0080】
このように、例えばこの瞬低影響マップを見た顧客は、顧客の住所(生産ラインの設置場所等)からの距離に関わらず、各区分エリアにおける瞬低の原因となるような現象等が顧客に影響を及ぼす可能性とそのレベルとを直感的に把握することが可能となる。
【0081】
図11には、図10の太枠で囲まれた部分につき別途処理を行って詳細な表示を行わせる場合の例が示されている。図10に示した例に比べ、メッシュのエレメントが小さくなっており、詳細な状況が分かるようになっている。図の見方は図8と同様であり、ここでも、顧客地点から比較的近い場所に空白で示されている区分エリアがある一方で、右上の隅等、比較的遠い場所にも関わらず顧客において瞬低を生じさせる可能性のある区分エリアがあることが分かる。
【0082】
なお、図10及び図11に示した瞬低影響マップの例には、瞬低関連設備は示されていないが、地図上にルートを表示させるようにしてもよい。
【0083】
次に、図12乃至図17を用いて、瞬低予報処理(図5:ステップS79)の詳細について説明する。なお、瞬低予報処理は、特に断りのない限り、営業サーバ5の瞬低予報処理部55が行う。
【0084】
まず、図示しない気象情報サーバ等からその位置データを含む雷データを受信すると、図示しない気象データ格納部等の記憶装置に格納する(ステップS121)。なお、受信するデータは、例えば降雪や風速データ等、瞬低をもたらす危険性のある、雷以外の気象情報の場合もある。また、オペレータ端末17等から雷データ等が入力される場合もある。
【0085】
そして、図示しない顧客データ記憶部に格納されている顧客データから1件の顧客を特定し、当該顧客向けに生成された地図テーブル(図8)を顧客データ記憶部から読み込む(ステップS123)。読み込んだデータは、ワーク・メモリ領域等の記憶装置に一旦格納する。そして、雷データの位置データ及び区分エリアの定義に基づき落雷又は雷雲の発生した区分エリアを特定し、落雷又は雷雲が瞬低実績エリア(図10又は図11においてレベル・コード(模様コード)が設定されている区分エリア)に発生したか判定する(ステップS125)。すなわち、落雷又は雷雲の発生した各区分エリアが瞬低実績エリアと一致するか否かを、落雷又は雷雲が発生した区分エリアのIDで地図テーブルを検索し、レベル・コードが「模様なし」を表すコード以外のコードが登録されているか否かに基づき判断する。この際、各区分エリアに対応して落雷又は雷雲の発生した瞬低実績エリアであるか否かを表す落雷瞬低実績フラグと以下で説明する瞬低関連設備フラグと以下で説明する発令レベルとを登録する第2の地図ワーク・テーブルをワーク・メモリ領域に用意し、落雷又は雷雲の発生した検出瞬低実績エリアに対応して落雷瞬低実績フラグをオンにセットする。
【0086】
図13に第2の地図ワーク・テーブルの一例を示す。図13の例では、エリアIDの列1301と落雷瞬低実績フラグの列1302と瞬低関連設備フラグ1303と発令レベルの列1304とを含む。エリアIDについては図8に示したエリアIDと同じである。また、落雷瞬低実績フラグの列1302には初期的には全てオフ(「0」、以下同じ)のフラグがセットされており、落雷又は雷雲の発生した検出瞬低実績エリアについてはオン(「1」、以下同じ)にセットされる。瞬低関連設備フラグ1303には、初期的には全てオフのフラグがセットされており、以下で説明する特定の瞬低関連設備が存在する区分エリアに対応してオンがセットされる。発令レベルの列1304については、後に説明するステップにおいてセットされる。
【0087】
もし、第2の地図ワーク・テーブルの落雷瞬低実績フラグの列1302に少なくともオンのフラグが1つも存在しない状態、すなわち落雷又は雷雲が瞬低実績エリアに発生していないと判定された場合(ステップS125:Noルート)、後に述べるステップS143の処理に移行する。
【0088】
一方、第2の地図ワーク・テーブル(図13)の落雷瞬低実績フラグの列1302にオンのフラグが1つでも存在する状態、すなわち落雷又は雷雲が瞬低実績エリアに発生したと判定された場合(ステップS125:Yesルート)、落雷又は雷雲の発生した瞬低実績エリアの発令レベルを特定し、当該落雷又は雷雲の発生した瞬低実績エリアに対応してワーク・メモリ領域内の第2の地図ワーク・テーブル(図13)の発令レベルの列1304に格納する(ステップS127)。発令レベルとは、例えば各区分エリアにおける電圧低下率の平均値(又は最大値)に基づき特定されるレベルであり、瞬低影響マップ・データに含まれている電圧低下率のレベルのデータ(上で述べたレベル・コード)をそのまま用いてもよい。但し、本実施の形態においては、瞬低影響マップ・データよりも大まかなレベル分けで改めて発令レベルを設定するようにしている。
【0089】
電圧低下率の平均値の求め方及び各区分エリアへの電圧低下率レベルの設定方法については上で述べたとおりであるが、ここでは例えば電圧低下率が比較的大きい場合(例えば30%以上)は「警報」、比較的小さい場合(7%以上30%未満)は「注意報」と設定するものとする。
【0090】
ステップS127の処理のため、地図テーブルから落雷又は雷雲の発生した瞬低実績エリアのレベル・コードを読み出し、発令レベルに変換して、第2の地図ワーク・テーブル(図13)に登録する。
【0091】
そして、顧客に対して通知のみを行う設定がなされているか判定する(ステップS129)。例えば図示していない顧客データ記憶部に格納されている顧客データに基づき判定する。オペレータ端末17等から通知設定が入力される場合もある。
【0092】
通知のみであると判定された場合(ステップS129:Yesルート)、例えば最も高い発令レベルに応じて警報又は注意報データを生成し、顧客宛てに送信する(ステップS131)。そして、後に述べるステップS143の処理に移行する。
【0093】
一方、通知のみではないと判定された場合(ステップS129:Noルート)、落雷瞬低実績フラグがオンになっている、落雷又は雷雲の発生した各瞬低実績エリアに含まれる瞬低関連設備を地図テーブルに基づき特定し、一旦記憶装置に格納する(ステップS133)。1又は複数の瞬低関連設備が特定されると、さらに、特定された1又は複数の瞬低関連設備を含む全区分エリアを地図テーブルに基づき特定し、第2の地図ワーク・テーブル(図13)において、特定された区分エリアの瞬低関連設備フラグをオンにセットする(ステップS135)。
【0094】
そして、第2の地図ワーク・テーブル(図13)において、瞬低関連設備フラグがオンになっている区分エリアについて、地図テーブルからレベル・データを読み出し、当該レベル・データに基づき発令レベルを表す発令レベル・コード(模様コード。但し色コードであってもよい)を決定し、ワーク・メモリ領域内の第2の地図ワーク・テーブル(図13)における発令レベルの列1304に登録する(ステップS137)。この時点において、電圧低下率の平均値を計算し、当該値から発令レベルを決定しても良い。
【0095】
そして、図示しない地図データ格納部に格納された地図データを読み出し、当該地図データ、ステップS121において受信した雷データ及び上記第2の地図ワーク・テーブル(図13)に登録されている各区分エリアの発令レベル・コード(模様コード)を用いて予報マップ・データを生成し、ワーク・メモリ領域等の記憶装置に一旦格納する(ステップS139)。
【0096】
そして、例えば最高の発令レベルに応じた警報又は注意報データと予報マップ・データとを顧客宛てに送信する(ステップS141)。ここまでの処理によって、一件の顧客についての処理が終了したため、処理対象となっている全ての顧客についての処理が終了したか判定する(ステップS143)。全顧客についての処理が終了したと判定されなかった場合(ステップS143:Noルート)、ステップS123の処理に戻り、次の顧客を特定する。一方、全顧客についての処理が終了したと判定された場合(ステップS143:Yesルート)、元の処理(図5)に戻る。
【0097】
このようにして、瞬低予報データが生成・送信される。顧客は瞬低予報データに基づき、しかるべき処置を実施することができるようになる。
【0098】
図14及び図15に、ステップS121(図12)において受信した雷データに基づき生成される落雷マップの表示画面の一例を示す。図14の例には、所定の大きさの区分エリアを規定するためのメッシュが施された図10と同様の地図上に、「×」印で落雷発生地点が示されている。
【0099】
図15には、図14の太枠で囲まれた部分を詳細表示させた場合の例が示されている。図14に示した例に比べ、メッシュのエレメントが小さくなっており、詳細な状況が分かるようになっている。図の見方は図14と同様であるが、落雷発生地点が含まれていない。すなわち、この図で示された地域においては落雷が発生しておらず、例えばこの地域に生産ラインを設置している顧客は、通常、このような状況において自己に影響のある瞬低が起こり得ることを容易に予測できない。
【0100】
なお、説明の都合上このような落雷マップを示したが、実際には落雷データを使用できればよいため、必ずしも落雷マップを表示する処理を行う必要はない。
【0101】
図16及び図17に、瞬低予報マップの表示画面の一例を示す。図16の例には、所定の大きさの区分エリアを規定するためのメッシュが施された図14と同様の地図上に、顧客地点マーク1600が示されている。図16の例は、図14に示した「×」印地点において落雷が発生した場合の瞬低予報マップを表しており、図14に示したように、顧客の生産ラインの設置場所とは離れた区分エリアにおいて例えば落雷等の気象現象が発生したとしても、顧客に瞬低の影響を及ぼす可能性がある場合には、図16のように発令レベルに応じた模様が示される。
【0102】
一方、顧客の生産ラインの設置場所と隣接した区分エリアにおいて例えば落雷等の気象現象が発生したとしても、例えば図10において無地で示されている区分エリアでの落雷等、顧客に瞬低の影響を及ぼす可能性が少ない場合には、そのような区分エリアには模様が示されない。
【0103】
なお、本実施の形態においては、顧客に対応付けられた変電所における瞬低の要因となる可能性のある設備を含む区分エリア全てについて模様を設定しているが、落雷発生地点を含み且つ瞬低の要因となる可能性のある設備(瞬低関連設備)を含む区分エリアのみについて模様を設定して示すようにしてもよい。また、変電所から顧客の生産ラインの設置場所までの設備を含む区分エリアに模様を設定して示すようにしてもよい。
【0104】
図17には、図16の太枠で囲まれた部分につき別途処理を行って詳細な表示を行わせる場合の例が示されている。図16に示した例に比べ、メッシュのエレメントが細かくなっており、詳細な状況が分かるようになっている。図の見方は図16と同様であるが、ここで示されている地域には落雷地点は含まれていない(図15参照)のにも関わらず、発令レベルに基づく模様が設定されている区分エリアが示されている。顧客は、このようなマップを見ることにより、落雷の発生場所にとらわれずに、自己に影響を及ぼす瞬低の発生可能性及びそのレベルを知ることができる。
【0105】
以上のようにして、瞬低実績データを有効活用した新規な顧客サービスが実現できる。
【0106】
[実施の形態2]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る処理内容を図18乃至図27を用いて説明する。システムの構成としては、実施の形態1と同様に図1に示した構成を用いるが、主な処理は営業サーバ5の損失額計算処理部59によって行われる。
【0107】
図18に、損失額計算処理部59の機能ブロック図を示す。損失額計算処理部59には、グラフ生成部590と使用機器別影響判定部591と生産ライン停止判定・カウント部593と生産ライン使用機器データ格納部595とライン停止時損失額データ格納部597と損失額集計部599とが含まれている。生産ライン使用機器データ格納部595には、顧客の生産ライン及び生産ラインを構成する機器のデータが格納されている。ライン停止時損失額データ格納部597には、顧客の生産ラインやライン共用設備が1回停止した場合に発生する損失額(単位損失額)のデータが格納されている。
【0108】
これらの格納部には、推定損失額算出処理の際、顧客から入力されたデータを格納するようにしてもよいし、図示しない顧客データ格納部から読み込まれたデータを格納するようにしてもよい。また、その他の処理部(機能ブロック)の処理の詳細については、以下に示す推定損失額算出処理の処理フローの説明において述べる。
【0109】
図19に、推定損失額算出処理の処理フローを示す。この推定損失額算出処理では、瞬低実績データに基づき、瞬低による顧客の損失額をシミュレーションする。まず、営業サーバ5の検索プログラム51は、ユーザ端末3等からの推定損失額算出指示に基づき、特定の顧客に対応する変電所における所定期間の瞬低データを瞬低データ格納部50から抽出し、ワーク・メモリ領域内の瞬低ワーク・テーブルに格納する(ステップS151)。例えば1年間あたりの損失額をシミュレーションする場合には、1年間分のデータを抽出する。
【0110】
図20に、瞬低ワーク・テーブルの構成及び格納されるデータの一例を示す。図20の例には、発生日時の列2000と電圧低下率の列2002と継続時間の列2004とが含まれている。例えば図6の一覧表示部601に示されているデータのうち、発生日時の列604と低下率の列614と継続時間の列616とに格納されているデータを読み出し、当該読み出したデータによりワーク・メモリ領域上に瞬低ワーク・テーブルを生成する。
【0111】
図19の説明に戻り、損失額計算処理部59のグラフ生成部590(図18)は、瞬低ワーク・テーブル(図20)に格納されているデータに基づき瞬低実績グラフを生成し、図示しないプリンタ機能を用いて出力する(図19:ステップS153)。瞬低実績グラフは、例えば、顧客に対応する変電所(電気所)において所定の期間に検出された瞬低のデータ(回数、電圧低下率及び継続時間)を一覧で示すものである。
【0112】
また、生成したグラフのデータをユーザ端末3等に送信する場合もある。例えば顧客はグラフのデータを様々な分析等に利用することができる。なお、このグラフ生成処理については、ユーザからの指示に従って実行するようにしてもよいし、自動で実行するようにしてもよい。また、損失額算出処理に直接関係ないためスキップしてもよい。
【0113】
図21に、瞬低実績グラフの一例を示す。図21の例には、グラフ表示部2100が含まれており、グラフ表示部2100の縦軸は電圧低下率(%)を表し、横軸は継続時間(ミリ秒)を表している。そして、グラフ表示部2100には、所定期間に検出された瞬低が、縦軸の電圧低下率(%)及び横軸の継続時間(ミリ秒)に基づくプロットで示されている。さらに、グラフ表示部2100には、瞬低における電圧低下率及び継続時間に対する各電気機器の限界線が示されている。
【0114】
例えば限界線2102に着目すると、電磁開閉器は、電圧低下率が50%以上で且つ継続時間が10ミリ秒以上である瞬低が発生した場合には、停止等の不調を発生することが示されている。また、例えば限界線2104に着目すると、不足電圧継電器は、電圧低下率が30%以上で且つ継続時間が1000ミリ秒以上である瞬低が発生した場合には、停止等の不調を発生することが示されている。
【0115】
これにより、例えばプロット2106で表されるような瞬低が発生した場合、電磁開閉器は影響を受けるが不足電圧継電器は影響を受けないということが、ユーザは一目で分かるようになる。
【0116】
図19の説明に戻り、損失額計算処理部59の使用機器別影響判定部591(図18)は、生産ライン使用機器データ格納部595(図18)に格納されているデータを用いて、瞬低ワーク・テーブル(図20)に格納されているデータが示すような瞬低が発生した場合における使用機器毎の影響を判定し、判定データをワーク・メモリ領域内の機器別影響テーブルに格納する(ステップS155)。
【0117】
ここで使用する損失額計算処理部59の生産ライン使用機器データ格納部595(図18)に格納されているデータの例を、図22及び図23に示す。まず、図22に、生産ライン・テーブルの構成及び格納されるデータの一例を示す。図22の例には、Aラインの行2200とBラインの行2202と共用設備の行2204とが含まれている。
【0118】
図22に示した例によると、例えば、電磁開閉器又は可変速モータが瞬低の影響により停止等の不調を発生するとAラインのみが停止し、Aラインが停止した場合には、再開まで30分を要するということが登録されている。なお、生産ラインの停止は自動又はユーザからの指示に従って行われる。
【0119】
また、例えば工作機械が瞬低の影響により停止等の不調を発生するとBラインのみが停止し、Bラインが停止した場合には、再開まで30分を要するということが登録されている。また、共用設備であるボイラーが停止等の不調を発生すると、AラインとBラインとの両方が停止し、再開まで1時間を要するということが登録されている。なお、「−」の表示は、生産ラインに含まれていない又は含まれていても生産ラインの稼動に影響を及ぼさない(停止しなくてもよい)機器であることを示している。また、瞬低対策済みの機器についても同様に「−」が設定される。
【0120】
図23に、機器別限界値グラフの一例を示す。図23の例には、図21に示した瞬低実績グラフと同様に、瞬低における電圧低下率及び継続時間に対する各電気機器の限界線が示されている。ここでは例えば7種類の電気機器について示しているが、実際には生産ラインを構成するその他の機器についてのデータが含まれている。各電気機器の限界線の見方は、図21に示した瞬低実績グラフと同様である。
【0121】
このようなデータを用いて、瞬低ワーク・テーブル(図20)に格納されているデータが示すような瞬低が発生した場合における使用機器毎の影響を判定し、判定データをワーク・メモリ領域内の機器別影響テーブルに格納する。
【0122】
図24に、機器別影響テーブルの構成及び格納されるデータの一例を示す。図24の例には、瞬低発生時間の列2400とライン種別の列2402と電磁開閉器の列2404と可変速モータの列2406と工作機械の列2408とボイラーの列2410とライン停止の列2412と影響カウントの列2414とが含まれている。
【0123】
図24の例では、瞬低発生時間の列2400には例えば4件のデータが登録されているが、これは、瞬低ワーク・テーブル(図20)に格納されているデータの件数(瞬低回数)に対応している。すなわち、ここでは4件の瞬低についての影響をシミュレーションした結果が登録されている。
【0124】
例えば、1件目の「15:34」に発生した瞬低について検討する。まず、この瞬低は、瞬低ワーク・テーブル(図20)のデータ(1行目)より、電圧低下率が30%であり且つ継続時間が20ミリ秒であると特定できる。そして、機器別限界値グラフ(図23)に示したようなデータを用いて、生産ラインを構成する各機器について、電圧低下率が30%であり且つ継続時間が20ミリ秒である瞬低が発生した場合に影響を受けるかどうかを判定する。
【0125】
例えば、電磁開閉器については、図23の例によると電圧低下率が50%以上で且つ継続時間が10ミリ秒以上である瞬低が発生した場合に影響を受けるため、電圧低下率が30%である当該瞬低には影響を受けないと判定される。そして、電磁開閉器の列2404の1行目には「影響なし」と登録される。このようにして、各ラインを構成する機器についてそれぞれ影響を判定していく。1件の瞬低についての判定が終了すると、次の瞬低についても同様の処理を行う。そして例えば4件全ての瞬低についての処理が終了すると、瞬低発生時間の列2400、ライン種別の列2402、電磁開閉器の列2404、可変速モータの列2406、工作機械の列2408及びボイラーの列2410にデータが登録される。
【0126】
図19の説明に戻り、損失額計算処理部59の生産ライン停止判定・カウント部593(図18)は、生産ライン使用機器データ格納部595(図18)に格納されているデータを用いて、瞬低ワーク・テーブル(図20)に格納されているデータが示すような瞬低が発生した場合における各生産ラインの状態を判定し、判定データをワーク・メモリ領域内の機器別影響テーブル(図24)に格納する(ステップS157)。すなわち、機器別影響テーブルのライン停止の列2412(図24)にデータを登録する。
【0127】
例えば、図24に示した例の1行目(1件目の瞬低のAラインの行)では、ステップS155(図19)の処理によって電磁開閉器の列2404に「影響なし」、可変速モータの列2406に「影響あり」と登録されている。そして、図22に示した生産ライン・テーブルのAラインの行2200の値より、可変速モータが瞬低の影響を受けると、自ライン(Aライン)の停止がなされることが特定される。従って、機器別影響テーブルのライン停止の列2412(図24)の1行目には、判定結果として「あり」と登録される。このようにして、機器別影響テーブルのライン停止の列2412(図24)にデータが登録される。
【0128】
図19の説明に戻り、損失額計算処理部59の生産ライン停止判定・カウント部593(図18)は、瞬低の発生間隔と生産ラインの立ち上げ時間とに基づき、影響回数(実際のライン停止回数)をカウントし、結果データをワーク・メモリ領域内のライン停止回数テーブルに格納する(ステップS159)。ここでは、まず、機器別影響テーブルのライン停止の列2412(図24)のデータを用いてライン停止のカウントの可否を特定し、機器別影響テーブルの影響カウントの列2414(図24)に登録する。そして、カウントの可否データに基づきライン停止回数テーブルを生成し、カウントした結果を登録する。ライン停止回数テーブルについては後で説明する。
【0129】
なお、本実施の形態においては、生産ラインの停止中又は停止後の立ち上げ中に発生した瞬低については、実質的に影響を及ぼさないものとしてカウントの対象から除外するようにしている。生産ラインの停止回数によって損失額を計算するため、元々停止している生産ラインについて損失を重ねて計算しないようにするためである。
【0130】
まず、機器別影響テーブルのライン停止の列2412(図24)のデータを用いて、影響カウントの列2414の値(カウントの可否)を特定し、登録する。例えば図24の例の1行目では、Aラインの停止が登録されている(ライン停止の列2412の値が「あり」)。ここでは、最初のAライン停止であるため、影響カウントの列2414には「する」(カウント対象)と登録される。なお、2行目、3行目、6行目、11行目及び12行目については、ライン停止が発生していないため、処理の対象外とし、例えば「−」が影響カウントの列2414に登録される。
【0131】
また、図24の例の4行目にはAラインの停止が登録されている(ライン停止の列2412の値が「あり」)。ここで、瞬低の発生時間(瞬低発生時間の列2400の値)を確認すると、Aラインが停止(カウント対象の瞬低が発生(1行目のデータ))してから14分(15:48−15:34)経過していることが分かる。なお、図22に示した生産ライン・テーブルのデータを参照すると、Aラインの再開には30分を要するため、一旦Aラインが停止してから14分後にはAラインは未だ稼動していないことになる。そのため、図24の例の4行目のAラインの停止は、カウント対象から除外する。すなわち、影響カウントの列2414(図24)の4行目には「しない」と登録される。このようにして、Bラインや共用設備も含む各ライン停止についてカウントの可否が判定され、影響カウントの列2414(図24)に登録される。
【0132】
そして、カウントの可否データ(影響カウントの列2414(図24)の値)に基づきライン停止回数テーブルを生成し、カウントした結果を登録する。図25に、ライン停止回数テーブルのテーブル構成及び格納されるデータの一例を示す。
【0133】
図25の例には、瞬低発生時間の列2500とAライン停止の列2502とBライン停止の列2504と共用設備停止の列2506と備考の列2508とが含まれている。上から4行目までに登録されているデータは、機器別影響テーブルの影響カウントの列2414(図24)に登録されているデータに等しい。そして、図25の例では5行目にあたる最終行に、各列の「する」の個数(停止カウント数)が登録される。なお、備考の列2508の3行目に示されているように、共用設備の停止はAライン及びBラインの停止を意味するが、共用設備の停止を1回カウントする場合には、当該瞬低におけるAラインの停止及びBラインの停止をカウントしないようにして重複を避けている。
【0134】
図19の説明に戻り、損失額計算処理部59の損失額集計部599(図18)は、生産ライン毎の停止損失額に基づき、推定損失額を算出・出力する(ステップS161)。なお、生産ライン毎の停止損失額のデータは、ライン停止時損失額データ格納部597(図18)に格納されている。
【0135】
図26に、ライン停止時損失額データ格納部597(図18)に格納されているライン損失額テーブルのテーブル構成及び格納されるデータの一例を示す。図26の例には、原材料損失の列2600と製品損失の列2602と補修コストの列2604と生産減損失の列2606と人件費の列2608と他ライン加算分の列2610と割増係数の列2612と合計の列2614とが含まれている。原材料損失の列2600と製品損失の列2602と補修コストの列2604と生産減損失の列2606と人件費の列2608との各列には、損失額の内訳データが登録されている。数値の単位は、例えば100万円等、所定の金額単位である。
【0136】
なお、例えば共用設備が停止すると、複数の生産ラインの停止につながり損失額が大きくなるため、3行目の共用設備停止の行では、他ライン加算分の列2610に「17」という値が格納され、割増係数の列2612に所定の割増係数「1.3」という値が格納されている。
【0137】
また、合計の列2614には、各行の、原材料損失の列2600と製品損失の列2602と補修コストの列2604と生産減損失の列2606と人件費の列2608と他ライン加算分の列2610との値を加算した結果に割増係数の列2612の値を乗じた値が格納されている。
【0138】
図25に示したライン毎の停止回数と図26に示したライン毎の1回あたりの損失額とを用いて集計した推定損失額テーブルのテーブル構成及び格納されるデータの一例を図27に示す。図27の例には、停止回数の列2700と単位損失額の列2702と計の列2704とが含まれている。計の列2704には、最終行(合計額の行)を除き、停止回数の列2700の値に単位損失額の列2702の値を乗じた値が格納される。最終行の計の列2704には、最終行を除く行の、計の列2704の値の合計が格納される。すなわち、この値が、瞬低実績に基づく推定損失額である。このようにして、推定損失額算出処理が行われ、結果のデータが顧客に提供される。
【0139】
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図4、図6、図8、図13、図20、図22及び図24乃至図27に示したテーブル構成は一例であって、同様のデータを格納するためであれば、別の構成を採用するようにしてもよい。また、必要に応じて項目を追加又は削除するようにしてもよい。また、図9、図10、図11、図14、図15、図16、図17、図21及び図23に示した画面又はプリント出力構成は一例であって、同様の内容を別の態様にて表現することも可能である。
【0140】
また、給電所サーバ11、通知サーバ7及び営業サーバ5が各々複数のサーバによって構成されていてもよい。さらに、図1及び図18に示した機能ブロック構成は一例であって、実際のプログラム・モジュール構成とは異なる場合がある。
【0141】
また、図2、図3、図5、図7、図12及び図19に示した処理フローも一例であって、同様の処理結果が得られる範囲において処理の順序を入れ替えてもよいし、必要に応じてステップを追加又は削除してもよい。
【0142】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、瞬低のデータを有効活用して顧客サービスを充実させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るシステム概要図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る処理フロー(その1)を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る処理フロー(その2)を示す図である。
【図4】瞬低データ・テーブルの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る処理フロー(その3)を示す図である。
【図6】瞬時電圧低下調査データ一覧表の一例を示す図である。
【図7】瞬低影響マップ生成処理の処理フローを示す図である。
【図8】地図ワーク・テーブルの一例を示す図である。
【図9】電圧低下率のレベル表示の一例を示す図である。
【図10】瞬低影響マップの表示画面の一例(その1)を示す図である。
【図11】瞬低影響マップの表示画面の一例(その2)である。
【図12】瞬低予報処理の処理フローを示す図である。
【図13】第2の地図ワーク・テーブルの一例を示す図である。
【図14】落雷マップの表示画面の一例(その1)を示す図である。
【図15】落雷マップの表示画面の一例(その2)を示す図である。
【図16】瞬低予報マップの表示画面の一例(その1)を示す図である。
【図17】瞬低予報マップの表示画面の一例(その2)を示す図である。
【図18】損失額計算処理部の機能ブロックを示す図である。
【図19】推定損失額算出処理の処理フローを示す図である。
【図20】瞬低ワーク・テーブルの一例を示す図である。
【図21】瞬低実績グラフの一例を示す図である。
【図22】生産ライン・テーブルの一例を示す図である。
【図23】機器別限界値グラフの一例を示す図である。
【図24】機器別影響テーブルの一例を示す図である。
【図25】ライン停止回数テーブルの一例を示す図である。
【図26】ライン損失額テーブルの一例を示す図である。
【図27】推定損失額テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ネットワーク 3 ユーザ端末
5 営業サーバ 7 通知サーバ
9 給電所システム 11 給電所サーバ
13 給電所端末 15 プログラム端末
17 オペレータ端末 19 営業端末
21 制御所システム 23 総合記録装置
50,110,235 瞬低データ格納部
51 検索プログラム 53 Webサーバ部
55 瞬低予報処理部 57 影響マップ生成部
59 損失額計算処理部
71 顧客選定部 73 データ通信部
100 社内LAN 151 展開プログラム
153 統計プログラム 231 瞬低検出部
233 データ送信部 500 給電所
2300 電気所

Claims (8)

  1. 実績データ格納部に格納されている瞬時電圧低下の実績データに基づき、ユーザが指定した場所に対応する電気所において検出された瞬時電圧低下の原因と直接関連する設備を抽出し、当該設備のデータを記憶装置に格納するステップと、
    抽出された前記設備の位置データに基づき、少なくとも前記ユーザが指定した場所における瞬時電圧低下の要因となりうる地域を特定した地図データを生成し、地図データ格納部に格納する地図データ生成ステップと、
    前記地図データ格納部に格納された前記地図データを出力するステップと、
    を含み、コンピュータにより実行される瞬時電圧低下データ提供方法。
  2. 前記地図データ生成ステップにおいて、所定の期間における前記設備の事故件数を用いて地図データを生成することを特徴とする
    請求項1記載の瞬時電圧低下データ提供方法。
  3. 前記地図データ生成ステップにおいて、前記瞬時電圧低下の実績データに含まれている電圧の低下率を示すデータを用いて地図データを生成することを特徴とする
    請求項1又は2記載の瞬時電圧低下データ提供方法。
  4. 気象現象データを取得し、気象現象データ格納部に格納するステップと、
    前記気象現象データに基づき、瞬時電圧低下の要因となりうる前記地域に所定の気象現象が発生したことを検出した場合、
    前記地域に設置されている設備を特定するステップと、
    特定された前記設備の位置データに基づき、当該設備が設置されている気象現象影響地域を特定するステップと、
    特定された前記気象現象影響地域を示す地図データを生成し、気象現象影響地域地図データ格納部に格納するステップと、
    前記気象現象影響地域地図データ格納部に格納された前記気象現象影響地域を示す地図データを出力するステップと、
    をさらに含む請求項1記載の瞬時電圧低下データ提供方法。
  5. 気象現象データを取得し、気象現象データ格納部に格納するステップと、
    前記気象現象データに基づき、瞬時電圧低下の要因となりうる前記地域に所定の気象現象が発生したことを検出した場合、
    前記地域に設置されている設備を特定するステップと、
    特定された前記設備の位置データに基づき、当該設備が設置されている気象現象影響地域を特定するステップと、
    前記地図データ格納部に格納された前記地図データを用いて、特定された前記気象現象影響地域を示す地図データを生成し、気象現象影響地域地図データ格納部に格納するステップと、
    前記気象現象影響地域地図データ格納部に格納された前記気象現象影響地域を示す地図データを出力するステップと、
    をさらに含む請求項2又は3記載の瞬時電圧低下データ提供方法。
  6. 前記設備の位置における気象現象発生確率を取得し、前記記憶装置に格納するステップをさらに含み、
    前記地図データ生成ステップにおいて、前記気象現象発生確率を用いて地図データを生成することを特徴とする
    請求項1記載の瞬時電圧低下データ提供方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の瞬時電圧低下データ提供方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 実績データ格納部に格納されている瞬時電圧低下の実績データに基づき、ユーザが指定した場所に対応する電気所において検出された瞬時電圧低下の原因と直接関連する設備を抽出し、当該設備のデータを記憶装置に格納する手段と、
    抽出された前記設備の位置データに基づき、少なくとも前記ユーザが指定した場所における瞬時電圧低下の要因となりうる地域を特定した地図データを生成し、地図データ格納部に格納する地図データ生成手段と、
    前記地図データ格納部に格納された前記地図データを出力する手段と、
    を有する瞬時電圧低下データ提供装置。
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