JP2004264640A - 光通信用デバイスパッケージおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パッケージ内の気密性が確保できる光通信用デバイスパッケージの提供。
【解決手段】熱可塑性樹脂からなり光ファイバー13を挿入する光フィイバー挿入口11aを有する箱状に形成されたベース部材11と、熱可塑性樹脂からなり、ベース部材11上面に載置固定されるカバー部材12、熱可塑性樹脂の被覆、もしくは、熱可塑性樹脂のクラッドを有する光ファイバー13を有し、ベース部材11と光ファイバー13とカバー部材12とを熱可塑性樹脂を溶融させることで溶着接合する。
【選択図】 図1
【解決手段】熱可塑性樹脂からなり光ファイバー13を挿入する光フィイバー挿入口11aを有する箱状に形成されたベース部材11と、熱可塑性樹脂からなり、ベース部材11上面に載置固定されるカバー部材12、熱可塑性樹脂の被覆、もしくは、熱可塑性樹脂のクラッドを有する光ファイバー13を有し、ベース部材11と光ファイバー13とカバー部材12とを熱可塑性樹脂を溶融させることで溶着接合する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂材料から成り内部に空間を有し、光ファイバーが挿入される挿入口を有する光通信用デバイスパッケージおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光通信用デバイスパッケージはステンレス、コバール、等の金属材料が用いられていた。図7に従来の光通信デバイスパッケージの光ファイバー挿入口を説明する断面図を示す。光通信デバイスを収納するための上面側が開口した凹部71bを有する金属ベース部材と、同材質の金属カバー部材をベース部材の上面に溶接する構造であった。また、ベース部材に設けた光ファイバー挿入口は、光ファイバーの外径よりも大きく開口し、挿入口と光ファイバーとは、融点の低い材料、例えばはんだで隙間を埋めて接合する構成であった。ここで、ベース部材71に配置される光通信用デバイスに通電するための端子75は、ベース部材71の底部に設けた貫通孔71cからベース部材71の凹部71b内に挿入され、気密性と絶縁性を確保する目的から、リング状のガラス部品75aで端子75とベース部材71を約800℃の高温で接合することが行われていた。また、端子75には、光通信用デバイス77からの配線74がはんだ74aによって接合されている。また、光ファイバー挿入口71aとしてベース部材71に貫通穴を設け、メタライズ部73aを有する光ファイバー73と低融点金属材料の封止部品73bを光ファイバー挿入口71aに挿入する。封止部品73bを約300℃で加熱することで溶融状態とし、光ファイバー挿入口71aと光ファイバー73に設けたメタライズ部73aとが封止部品73bによって接合される。また、カバー部材72とベース部材71は、予め数μm厚のニッケルめっきと金めっきをおこなっておき、各々部材のめっき膜を介してベース部材71の上面とカバー部材72のベース部材71と対向する側の下面とが抵抗溶接される。石英製の光ファイバー73のメタライズ部73aは、金めっきが用いられている。
【0003】
また、特開平06−186501の実施例において示されているように、光ファイバー挿入口71aと光ファイバー73の固定には、エポキシ製の接着剤などの気密封止樹脂を充填することも行われていた。他の方法としては、特開2001−183555に示されるように、パッケージ凹部の側面に半田めっきを施し、光ファイバー保持部材をYAGレーザでスポット溶接した後、加熱を加えて半田を溶融することで、パッケージと光ファイバー保持部材との気密性を確保する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平06−186501号公報(第3頁、第1図)
【0005】
【特許文献2】
特開2001−183555号公報(第5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構造および製造方法において、ベース部材に配置される光通信用デバイスに通電するための端子は、リング状のガラス部品で固定されるため、気密性と絶縁性は確保されるが、ガラスの溶融点まで加熱するための炉や高耐熱性を有する治具が必要とされる。また、ガラスと熱膨張率差の少ない金属材料を用いなければ、冷却後のガラスにはクラックが生じるため、金属材料は限定され、加工しやすい材料を選択することはできない。したがって、ランニングコスト、治具費用、加工費用ともに高価なものとなっていた。また、金属材料からなるベース部材とカバー部材の溶接では、抵抗溶接による1000℃を越える発熱、溶融部の膨張、などに起因して、ベース部材に配置した光通信用デバイスが損傷する、もしくは、導通のための配線が外れる、などの問題が生じていた。また、光ファイバーを挿入口に低融点金属を用いて固定する際に約300℃の加熱が必要であり、ここで受ける光ファイバーの熱ダメージから、通信信号光のロス、光ファイバーの割れが生じていた。また、光ファイバーを挿入口に固定した後でなければ、耐熱性の低い光通信用デバイスの設置や配線ができないため、光ファイバーと光通信用デバイスとの組立をベース部材の凹部の狭い空間でおこなうか、長めに確保した光ファイバーと光通信用デバイスとをベース部材の外で組み立てた後、ベース部材の凹部にすべてが収納されるように光ファイバーの余長処理をおこなう必要があった。このことは、組立の作業性を悪くし、光通信用デバイスパッケージを小型化することを困難としていた。また、接着剤を用いてベース部材に光ファイバーを固定する構造においても、光ファイバーの挿入口としてベース部材に貫通穴を設け、光ファイバーを挿入口に通した後、接着剤を挿入口に充填して封止する構造では、光通信用デバイスと光ファイバーとを組み立てた後に挿入口にファイバーを通すといった作業効率の悪い組立方法をおこなっていた。さらに、接着剤の充填が不十分であると気密性が確保できず、製品の歩留まりを低下させる原因となっていた。
【0007】
別の組立方法として、光ファイバーを円筒部品に挿入し、低融点金属もしくは接着剤で光ファイバーを固定および間隙を充填した後に、円筒部品の外径とベース部材に設けた穴を勘合させて取り付ける工法がとられるが、作業効率が良くなった反面、ベース部材と光ファイバーが固定された円筒部品との勘合部における気密性を確保することが困難となる。
【0008】
本発明の目的は、気密性の高く組立作業性のよい光通信用デバイスパッケージおよびその製造方法を提供することにある。すなわち、熱可塑性樹脂材料から成り、凹部を有する箱状に形成されたベース部材と、ベース部材に設けたひとつ以上の光ファイバー挿入口と、熱可塑性樹脂材料の被覆、もしくは、熱可塑性樹脂材料のクラッドを有する光ファイバーと、ベース部材の上面に重なるカバー部材とで構成され、光ファイバー挿入口がカバー部材に対向してU字に開口する形状を有し、ベース部材とカバー部材の溶着接合部と、光ファイバーを介してベース部材とカバー部材が接合する溶着接合部を有する光通信用デバイスパッケージとしたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の光通信用デバイスパッケージは、熱可塑性樹脂材料から成り、凹部を有する箱状に形成されたベース部材と、ベース部材に設けたひとつ以上の光ファイバー挿入口と、光ファイバー、ベース部材の凹部および挿入口と重なるカバー部材とで構成される。光ファイバーの被覆、もしくは、クラッドは熱可塑性樹脂材料であり、光ファイバー挿入口がカバー部材に対向してU字に開口する形状を有し、ベース部材とカバー部材の溶着接合部と、光ファイバーを介してベース部材とカバー部材が接合する溶着接合部を有することを特徴とする。
【0010】
すなわち、ベース部材とカバー部材、光ファイバーの被覆もしくはクラッドに熱可塑性樹脂を用いることにより、接着剤を使用することなく、各々の溶着接合部を構成できた。また、ベース部材に設けた光ファイバー挿入口をU字型の溝にすることで、光ファイバーを容易に配置することができる。U字型の溝において、光ファイバーとの溶着接合部を形成するとともに、カバー部材と重ね合わせることで、カバー部材とも溶着接合部が形成され、光通信用デバイスパッケージの気密性が確保される。
【0011】
また本発明の光通信用デバイスパッケージは、前記ベース部材に、ベース部材の凹部の内側から外側に貫通する導電性端子を設けたことを特徴とする。
すなわち、従来の構造ではリング状のガラス部品を用いて、金属材料からなるベース部材との絶縁を確保した上で導電性端子を固定していた構造は、ベース部材を絶縁性の熱可塑性樹脂で構成することによって簡略化され、導電性端子をベース部材に直に固定することが可能となった。
【0012】
また本発明の光通信用デバイスパッケージは、前記ベース部材およびカバー部材がポリスチレン系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリエステル系、ポリアミド系の何れかからなる材料で構成されていることを特徴とする。
すなわち、これらの樹脂を用いることで、導電性端子に光通信用デバイスからの配線をワイヤーボンド、ハンダ接合、抵抗溶接、導電接着剤の加熱接着、等を可能とする剛性と耐熱性を有し、光通信用デバイスパッケージと実装ボードとの接合の際の加熱においても充分な耐熱性が確保できる。
【0013】
また本発明の光通信用デバイスパッケージは、前記光ファイバーの被覆またはクラッドの融点が、前記ベース部材の融点との差で30℃以内であることを特徴とする。
【0014】
すなわち、ベース部材と光ファイバーの双方が溶融することで、溶着接合部が安定して形成され、気密性が確保できる。
【0015】
また本発明の光通信用デバイスパッケージの製造方法は、熱可塑性樹脂材料から成り、凹部を有する箱状に形成されたベース部材に設けたひとつ以上の光ファイバー挿入口に、熱可塑性樹脂材料で被覆された光ファイバー、もしくは、熱可塑性樹脂材料からなるクラッドを有する光ファイバーを配置する工程と、
熱可塑性樹脂材料からなるカバー部材をベース部材の凹部開口側上面および光ファイバーに重ねる工程と、
カバー部材に熱もしくは振動を加えてカバー部材と光ファイバーとベース部材とを溶着する工程とを有することを特徴とする。
【0016】
ここで、光もしくは振動を加えてカバー部材と光ファイバーとベース部材とを溶着する方法としては、YAGレーザの基本波長、第二高調波、第三高調波や、半導体レーザ、等の光透過・光吸収を用いる、圧電振動子で発振される超音波振動で各々の部材の摩擦熱を用いる、等が含まれる。
【0017】
すなわち、カバー部材と光ファイバーとベース部材とを溶着することによって、機密性の高い光通信用デバイスパッケージが形成できる。
【0018】
また本発明の光通信用デバイスパッケージの製造方法は、前記光ファイバー挿入口に、光ファイバーを配置する工程の後に、光ファイバーに光もしくは振動を加えて光ファイバーとベース部材を溶着する工程を有することを特徴とする。
【0019】
すなわち、ベース部材に設けた光ファイバー挿入口と光ファイバーとの接合状態を検査した後に、次の工程でカバー部材とベース部材、および、カバー部材と光ファイバーとの溶着をおこなうことができる。確実性の高い組立をおこなうことで、光通信用デバイスパッケージの歩留まりが向上する。
【0020】
また本発明の光通信用デバイスパッケージの製造方法は、前記ベース部材に設けたひとつ以上の光ファイバー挿入口をU字形状とし、ベース部材の内壁から外壁に向かってU字形状の開口幅を狭くすることを特徴とする。
【0021】
すなわち、ベース部材に設けたU字形状の開口幅をベース部材の内壁から外壁に向かって狭くしたため、ベース部材と光ファイバーとの溶着は、外壁から内壁に向かって進行することとなり、また、外壁側ほど溶着部の体積が増えることで気密性が高くなる。あわせて、ベース部材に設けたU字形状の挿入口の長さが短くできる。
【0022】
また本発明の光通信用デバイスパッケージの製造方法は、前記カバー部材が光ファイバーと重なる部位に凸部を設け、凸部と光ファイバーとが他の部位より先に溶着することを特徴とする。
【0023】
すなわち、光ファイバーとカバー部材、カバー部材とベース部材の溶着が確実に行え、気密性が高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の光通信用デバイスパッケージの第1の実施形態の構成を示す。本発明の光通信用デバイスパッケージは、熱可塑性樹脂材料から成り、光通信用デバイス17を収納するための箱状のベース部材11と、熱可塑性樹脂材料で被覆された光ファイバー13と、ベース部材11の上面上に載置され、溶着される熱可塑性樹脂からなるカバー部材12とを有する。ベース部材11には光通信用デバイス17を収納するための上面側に開口した凹部状の収納部11bが設けられている。またベース部材11の側壁には光ファイバー挿入口11aが設けられている。光ファイバー挿入口11aはベース部材11の上面側、すなわちカバー部材12に対向する側が開口したU字形状であり、カバー部材12がベース部材上面に載置された際に光ファイバー13の被覆の外周面がカバー部材12の下面と接するように、光ファイバー13の被覆の外径とほぼ同じ幅と深さの溝である。光ファイバー挿入口11aは本実施形態では、互いに対向する一対の側壁にそれぞれ設けたが、一箇所でも複数箇所でも光ファイバー13の配置に合わせて適宜設ければよい。なお光ファイバー13は、本実施形態では熱可塑性樹脂材料からなる被覆を有するものであるが、クラッドが熱可塑性樹脂材料からなる光ファイバーを用いても良い。本発明に用いた光ファイバー13の詳細な構造については後述する。
【0025】
ベース部材11内に配置される光通信用デバイス17と外部との導通をとるための導電性端子15は、ベース部材11の凹状収納部11bの底部に露出し光通信用デバイス17を載置固定する導電性端子15bと、ベース部材11の凹状収納部11b内から側壁を貫通し外部に導出した端子部15aを有する。ここで、ベース部材11の内側と外側に貫通する導電性端子15の材質としては、銅、銅合金、アルミニウムなどが用いられる。本実施形態では、銅を用いた。
【0026】
この導電性端子15は金属箔で連続的に形成する、いわゆるフープ成形を適用し、ベース部材11の射出成形型内に配置し、型内に熱可塑性樹脂を射出し成形する、いわゆる射出インサート成形によりベース部材11に一体的に配置固定されている。具体的には、送りガイド穴を有する銅箔に、プレス機で導電性端子15a、15bをフープ成形した後、ベース部材射出成形型内に配置し、熱可塑性樹脂を射出インサート成形して複数個のベース部材11を連続して作製した。この後、送りガイド穴があるフレームと導電性端子15a、15bを切り離した。このような導電性端子の成形、熱可塑性樹脂の射出インサート成形により生産性が高められる。
【0027】
光通信用デバイス17と導電性端子15aとは配線14により電気的に接続されている。
【0028】
ベース部材およびカバー部材に用いられる材料としては、熱可塑性樹脂であればすべての材料が適用できるが、ポリスチレン系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリエステル系、ポリアミド系などのエンプラ、もしくは、スーパーエンプラと呼ばれる材料が剛性、耐熱性の面から適している。ここで、ポリスチレン系としてはシンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド系としてはリニア型および架橋型ポリフェニレンサルファイド、ポリエステル系としては液晶ポリマーの呼称の全芳香族ポリエステル、ポリアミド系としてはナイロン、などが含まれる。また、全ての熱硬化性樹脂に関して、ガラス、などのフィラー含有材料が含まれる。実施形態では、ベース部材11、カバー部材とも30%ガラスフィラーを含有するポリフェニレンサルファイド製とした。また、ベース部材とカバー部材は同じ種類の熱可塑性樹脂のほかに、異なる材料の組合せでも構成が可能である。
【0029】
光ファイバーの被覆材料としては、熱可塑性樹脂であればすべての材料が適用できるが、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマーの呼称の全方向族ポリエステル、ナイロン等がベース部材とカバー部材との接合性の面から適している。また、光ファイバーのクラッド材料としては、熱可塑性樹脂であればすべての材料が適用できるが、フッ素樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、メチルペンテン樹脂、等が適している。本実施形態ではポリフェニレンサルファイドの被覆を有する光ファイバーを用いた。また、本実施形態ではベース部材とカバー部材と光ファイバーの被覆材料は同じ種類の熱可塑性樹脂を用いたが、異なる材料の組合せでも構成が可能である。
【0030】
図4に本発明の光通信用デバイスパッケージの製造方法を説明するフロー図を示す。まず、フロー図410に従って工程を説明する。熱可塑性樹脂材料のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製したベース部材11の凹状収納部11bの導電性端子15bに、予め、ポリフェニレンサルファイドの被覆を施した光ファイバー13を結合しておいた光通信用デバイス17を、図示しない導電性接着剤を用いて固定した。この時、光通信用デバイス17と導電性端子15aとの間は配線14で接続される。そして熱可塑性樹脂材料のポリフェニレンサルファイドの被覆を施した光ファイバー13をこのベース部材11の光ファイバー挿入口11aに配置した(工程411)。
【0031】
そして、ベース部材11の凹部11bおよび光ファイバー挿入口11aと重なるように、ベース部材11と同一のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製したカバー部材12の下面を、ベース部材11の凹状収納部11b開口側である上面に重ねた。この時、ベース部材11の上面とベース部材11に対向するカバー部材の下面、光ファイバー挿入口11aの内周面と光ファイバー13の被覆の外周面、ベース部材11の上面から露出した光ファイバ−13の被覆の外周面とカバー部材12の下面とが接触する(工程412)。
【0032】
その後、ベース部材11と光ファイバー13とカバー部材12を挟み込む状態に、カバー部材12側に超音波振動子を配置し、30KHzの超音波振動を加えた。この超音波振動によって、カバー部材12の下面とベース部材11上面との界面、カバー部材12の下面と光ファイバー13の被覆の外周面との界面、光ファイバー13の被覆の外周面とベース部材11の光ファイバー挿入口11aの内周面の各々の界面に摩擦熱を生じさせ、各々部材の熱可塑性樹脂が融点に達し溶着が開始した。超音波振動を10秒加えて5秒停止の条件で断続的に5分間の加工をおこなったところ、光ファイバー13の被覆の外周面とベース部材11の光ファイバー挿入口11aとの界面にも摩擦熱が生じた。超音波振動を停止すると溶着が完了した(工程413)。
【0033】
カバー部材と光ファイバーとベース部材とを溶着する方法としては、圧電振動子で発振される超音波振動で各々の部材の摩擦熱を用いる方法の他に、YAGレーザの基本波長、第二高調波、第三高調波や、半導体レーザ、等の光吸収など、光もしくは振動を加える方法が用いられる。溶着に光透過・光吸収を用いる場合、カバー部材側からレーザを照射する際、カバー部材は透過し、ベース部材および光ファイバーは吸収するレーザ光の波長を選択する。カバー部材と同じ熱可塑性樹脂であっても、ベース部材および光ファイバーにはレーザ光を吸収させるための顔料を予め熱可塑性樹脂に混合するか、レーザ光を吸収する塗料をベース部材および光ファイバーに塗布することで選択的にレーザ光の吸収をおこすことができる。カバー部材を透過したレーザ光が、ベース部材および光ファイバーで吸収されると吸熱が生じ、各部材界面での光透過・光吸収の溶着がおこなわれる。また、溶着に摩擦熱を用いる場合は、超音波振動の横振動、縦振動、ねじり振動など、摩擦熱が効率よく生じる振動を選択する。
【0034】
溶着手段として、YAGレーザを用いて加工することを試みた。
【0035】
レーザ光を吸収する顔料を混合したポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)からなるベース部材11の凹状収納部11bの導電性端子15bに、予め、レーザ光を吸収する顔料を混合したポリフェニレンサルファイドの被覆を施した光ファイバー13を結合した光通信用デバイス17を、図示しない導電性接着剤を用いて固定した。この時、光通信用デバイス17と導電性端子15aとの間は配線14で接続した。光ファイバー13をベース部材11の光ファイバー挿入口11aに配置した。そして、ポリフェニレンサルファイドで作製したカバー部材12の下面をベース部材11の凹状収納部11bの開口側の上面に重ねた。
【0036】
ベース部材11の上面とカバー部材12の下面とが対向した部分に対して、カバー部材12のベース部材11と対向した面の反対側の面からYAGレーザを照射した。この時、YAGレーザはカバー部材12を透過するレーザ波長を選択した。カバー部材12を透過したYAGレーザは、ベース部材11の上面とカバー部材12の下面との界面で熱吸収が生じ、各々の部品の融点に達したところで溶融流体となった。また、レーザ光を吸収する顔料を混合したポリフェニレンサルファイドの被覆を施した光ファイバー13とカバー部材12の界面でも熱吸収が生じた。この溶融流体は、ベース部材11とカバー部材12と光ファイバー13との界面に流動し、毛管現象で各々部材の間隙が充填され、冷却の後に溶着が完了した(工程413)。
【0037】
工程413において、各部材を溶着する際の光通信用デバイス17のダメージを確認するために、光ファイバー13を計測器に接続し、光通信用デバイス17の特性をモニターしながらカバー部材12に超音波振動を与えた。カバー部材12とベース部材11、カバー部材12と光ファイバー13、光ファイバー13とベース部材11の光ファイバー挿入口11aの各々の界面において摩擦熱がポリフェニレンサルファイドの融点に達して接合がなされたが、接合前と接合後において、光通信用デバイス17の特性に変化はなかった。
【0038】
次に、フロー図420に従って工程を説明する。熱可塑性樹脂材料のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製したベース部材11の凹状収納部11bの導電性端子15aに、予め、ポリフェニレンサルファイドの被覆を施した光ファイバー13を結合しておいた光通信用デバイス17を、図示しない導電性接着剤を用いて固定した。この時、光通信用デバイス17と導電性端子15aとの間は配線14で接続される。そして熱可塑性樹脂材料のポリフェニレンサルファイドの被覆を施した光ファイバー13をこのベース部材11の光ファイバー挿入口11aに配置した(工程421)。
【0039】
光ファイバー13に超音波振動子を配置し、30KHzの超音波振動を加えた。ベース部材11の光ファイバー挿入口11aの内周面と光ファイバー13の被覆の外周面との界面に摩擦熱が生じ、各々部材の融点に達したところで溶融が開始し、超音波振動を停止すると溶着が完了した(工程422)。
ベース部材11と光ファイバー13との接合状態は、顕微鏡を用いて検査することで、隙間なく接合されていることが目視できた。
【0040】
そして、ベース部材11と同一のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製したカバー部材12をベース部材11の凹状収納部11aの開口側となる上面に重ねた(工程423)。
【0041】
その後、ベース部材11と光ファイバー13とカバー部材12を挟み込む状態に、カバー部材12側に超音波振動子を配置し、30KHzの超音波振動を加えた。この超音波振動によって、ベース部材11の上面とベース部材11に対向するカバー部材12の下面との界面、カバー部材12の下面とベース部材11の上面に露出した光ファイバー13の被覆の外周面との界面に摩擦熱を生じさせ、各々部材の融点に達したところで溶融が開始し、超音波振動を停止すると溶着が完了した(工程424)。
【0042】
以上の工程で作製した光通信用デバイスパッケージの封止状態を確認するため、フッ素系液体に浸漬し、リークテストをおこなったところ、すべてのパッケージが10−5atm・cc/sec以上の気密性であった。
【0043】
また、接合前と接合後において、光通信用デバイス17の特性に変化はなかった。
【0044】
また、フロー図420においても、カバー部材と光ファイバーとベース部材とを溶着する方法として、圧電振動子で発振される超音波振動で各々の部材の摩擦熱を用いる方法の他に、YAGレーザの基本波長、第二高調波、第三高調波や、半導体レーザ、等の光吸収など、光もしくは振動を加える方法を用いることができる。溶着に光透過・光吸収を用いる場合、カバー部材側からレーザを照射する際、ベース部材および光ファイバーにはレーザを吸収させるための顔料を予め熱可塑性樹脂に混合する、または、レーザ光を吸収する塗料をベース部材および光ファイバーに塗布しても良い。カバー部材を透過するレーザ波長を選択することで、光透過・光吸収の溶着がおこなわれる。
【0045】
このように本発明では、熱可塑性樹脂が熱や圧力を加えると溶融し、熱や圧力を取り除くと硬化する特性を利用し、ベース部材、光ファイバー、カバー部材を固定する構造とした。ベース部材とカバー部材の溶着接合部は、各々の熱可塑性樹脂材料が溶融後硬化した界面を介して気密性良く接合されているとともに、光通信用デバイスパッケージの特徴である光ファイバーの挿入口においても、ベース部材と光ファイバー、光ファイバーとカバー部材が各々の熱可塑性樹脂材料が溶融後硬化した界面を介して気密性良く接合されている。
【0046】
すなわち、ベース部材とカバー部材、光ファイバーの被覆もしくはクラッドに熱可塑性樹脂を用いることにより、接着剤を使用することなく、各々の溶着接合部を構成できた。また、ベース部材に設けた光ファイバー挿入口をU字型の溝にすることで、光ファイバーを容易に配置することができる。U字型の溝において、光ファイバーとの溶着接合部を形成するとともに、カバー部材と重ね合わせることで、カバー部材とも溶着接合部が形成され、光通信用デバイスパッケージの気密性が確保される。
【0047】
また、フロー図420に示した工程のように、ベース部材に設けた光ファイバー挿入口と光ファイバーとの接合状態を検査した後に、カバー部材とベース部材、および、カバー部材と光ファイバーとの溶着を行うという確実性の高い組立を行うことで、光通信用デバイスパッケージの歩留まりを向上させることができる。
【0048】
図2に本発明の光通信用デバイスパッケージの溶着後の各々界面を説明する断面図を示す。超音波振動を与えて接合したパッケージを切断して観察したところ、ベース部材11の上面とカバー部材12のベース部材11の上面と対向する下面との界面には溶着接合部16aが形成され、更に光ファイバー13を介してベース部材11とカバー部材12が接合された溶着接合部、つまり光ファイバー13の被覆部分とカバー部材12の下面およびベース部材11の光ファイバー挿入口11aとの界面の溶着接合部16bが形成されていた。
【0049】
図3に本発明の光通信用デバイスパッケージに用いた光ファイバー13の構造を示す。熱可塑性樹脂材料で被覆が形成された光ファイバー13の一例として石英製光ファイバー23は、石英のコア23aと石英のクラッド23b、熱可塑性樹脂の被覆23cで構成されている。また、クラッド部が熱可塑性樹脂材料が形成された光ファイバー13の一例としてプラスチック製光ファイバー33は、プラスチックのコア33aとプラスチックのクラッド33bで構成されている。
【0050】
ここで、クラッド33bにフッ素樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、またはメチルペンテン樹脂を用いた光ファイバー33をベース部材11とカバー部材12に接合することを試みた。プラスチック製光ファイバーの接合試験の結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
ベース部材11とカバー部材12には同一の材料を用い、略号としてシンジオタクチックポリスチレンをSPS、ポリフェニレンサルファイドをPPS、全芳香族ポリエステルをLCP、ナイロンをPAと記した。評価方法としては、フッ素系液体に浸漬するリークテストをおこない、10−5atm・cc/sec以上の気密性を○、10−3atm・cc/secの気密性を△、接合されないものを×とした。また、未評価の部分にはダッシュを記入した。この接合試験から、クラッド33bの融点とベース部材11およびカバー部材12の融点との差が小さいほど良好な接合ができる傾向にあり、各々部材の融点差がおよそ30℃以内となる組み合わせを選定することで気密性の高いパッケージが作製できた。
【0053】
また、石英製ファイバー23の被覆23cにポリアミド、全芳香族ポリエステル、またはポリフェニレンサルファイドを用い、ベース部材11とカバー部材12と接合してパッケージを作製し、前記と同様の接合試験をおこなったところ、被覆23cの融点とベース部材11およびカバー部材12の融点との差が小さいほど良好な接合ができる傾向にあり、各々部材の融点差がおよそ30℃以内となる組み合わせを選定することで気密性の高いパッケージが作製できた。
【0054】
図5に本発明の光通信用デバイスパッケージの第2の実施形態の光ファイバー挿入口を説明する外観図であり、図5(a)はベース部材の上面から見た図であり、図5(b)はベース部材の光ファイバー挿入口を設けた側壁側から見た図である。図示しないが光ファイバー挿入口以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0055】
光通信用デバイスを収納するための箱状に形成されたベース部材41は、凹状収納部41bと光ファイバー挿入口41aがU字形状に形成されている。光ファイバー挿入口41aは、図5に示すように凹状収納部41bの内壁から外壁に向けて開口幅が狭くなるように傾斜をつけた。溶着条件によって開口幅を調整する必要があるが、ここでは、外壁側の開口幅と深さは光ファイバーの被覆もしくはクラッド部の外径とほぼ一致させる。
【0056】
ここで、U字形状の挿入口41aの開口幅は、内壁側で2.8mm、外壁側で2.4mmとし、挿入口41aの長さ、すなわち挿入口41aを設けたベース部材41の壁の厚さが0.5mm、1mm、2mmであるものを用意した。また、ベース部材41は熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製し、熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイドで被覆した外径3mmの光ファイバーを光ファイバー挿入口41aに配置した。つぎに、30kHzの超音波振動を光ファイバーに加えて溶着をおこなった。さらに、熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製したカバー部材をベース部材41の上面に重ね合わせ、30kHzの超音波振動で溶着をおこなった。このパッケージのリークテストを行ったところ、すべてのパッケージが10−5atm・cc/sec以上の気密性であった。比較のため、U字形状の挿入口の開口幅と深さを内壁側、外壁側ともに2.6mmにし、挿入口の長さを0.5mm、1mm、2mmとしたベース部材を用意して前記同様のリークテストをおこなった。この結果、挿入口の長さが1mm、2mmであれば、10−5atm・cc/sec以上の気密性であったが、挿入口の長さが0.5mmの場合は10−3atm・cc/secの気密性であった。
【0057】
このようにベース部材に設けたU字形状の開口幅をベース部材の内壁から外壁に向かって狭くすることで、ベース部材と光ファイバーとの溶着は、外壁から内壁に向かって進行することとなり、ベース部材に設けたU字形状の挿入口の長さがを短くできる。すなわち、ベース部材の壁厚さが薄くなれば、光通信用デバイスパッケージの小型・省スペース化が実現できる。
【0058】
図6に本発明の光通信用デバイスパッケージの第3の実施形態のカバー部材に設けた凸部を説明する概観図を示す。カバー部材以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0059】
光通信用デバイスを収納するための箱状に形成されたベース部材51は、光ファイバー53の挿入口51aがU字形状に形成されている。また、カバー部材52のベース部材51と対向する下面側には光ファイバー53と重なる部位に凸部52aを設けた。凸部52aは、光ファイバーの外径とほぼ同じ幅で設けられる。光ファイバー53は、石英製ファイバー53aと熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイドの被覆53bとで構成されている。ここで、ベース部材51とカバー部材52は熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製した。
【0060】
ベース部材51の光ファイバー挿入口51aに光ファイバー53を配置し、カバー部材52の下面とベース部材51の上面、および、カバー部材52の凸部52aと光ファイバー53とが重なるように配置した。このとき、凸部52aと光ファイバー53の被覆53bの外周面は接しているが、カバー部材52とベース部材51とは接しておらず隙間があることを確認した。次に、カバー部材52に超音波振動子を加圧し、まず、カバー部材52の凸部52aと光ファイバー53の被覆53bとの溶着をおこなった。この後、さらに超音波振動子をカバー部材52側から加圧するとカバー部材52の下面とベース部材51の上面とが溶着された。
【0061】
以上の工程で作製した光通信用デバイスパッケージの封止状態を確認するため、フッ素系液体に浸漬し、リークテストをおこなったところ、すべてのパッケージが10−5atm・cc/sec以上の気密性であった。
【0062】
また、凸部52aを設けることにより、ベース部材51とカバー部材52は同じ種類の熱可塑性樹脂を用い、カバー部材52と光ファイバー53の被覆53bの融点が異なる熱可塑性樹脂を用いて接合することができる。すなわち、カバー部材52と光ファイバー53との溶着条件と、カバー部材52とベース部材51とのの溶着条件が各々で異なる場合において、カバー部材52と光ファイバー53との溶着を優先しておこない、続けて、カバー部材52とベース部材51の溶着を行うことで、光ファイバー53とカバー部材52、カバー部材52とベース部材51の溶着が確実に行え、気密性が高くなり信頼性を向上させることができた。
【0063】
第2、第3の実施形態においても、カバー部材、光ファイバー、ベース部材を溶着する方法としては超音波振動で各々の部材の摩擦熱を用いる方法のほかに、YAGレーザの基本波長、第二高調波、第三高調波や、半導体レーザ、等の光吸収など、振動もしくは光を加える方法を用いることができる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、熱可塑性樹脂材料から成り、内部に空間を有する容器をベース部材とカバー部材とで構成するとともに光ファイバーの挿入口を設け、また、熱可塑性樹脂材料で被覆された光ファイバー、もしくは、熱可塑性樹脂材料のクラッドを有する光ファイバーとベース部材、カバー部材を溶着することで気密性の高い光通信用デバイスパッケージおよびその製造方法を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光通信用デバイスパッケージの構成図である。
【図2】本発明の光通信用デバイスパッケージの各々界面を説明する断面図である。
【図3】本発明の光通信用デバイスパッケージに用いた光ファイバーの構成図である。
【図4】本発明の光通信用デバイスパッケージの製造方法を説明するフロー図である。
【図5】本発明の光通信用デバイスパッケージの第2の実施形態の光ファイバー挿入口を説明する概観図であり、図5(a)はベース部材の上面から見た図であり、図5(b)はベース部材の光ファイバー挿入口を設けた側壁側から見た図である。
【図6】本発明の光通信用デバイスパッケージの第3の実施形態のカバー部材に設けた凸部を説明する概観図である。
【図7】従来の光通信用デバイスパッケージの光ファイバー挿入口を説明する断面図である。
【符号の説明】
11、41・・・ベース部材
11a、41a・・・光ファイバー挿入口
11b・・・凹部
12、52・・・カバー部材
13、53・・・光ファイバー
15・・・導電性端子
16a、16b・・・溶着接合部
凸部・・・52a
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂材料から成り内部に空間を有し、光ファイバーが挿入される挿入口を有する光通信用デバイスパッケージおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光通信用デバイスパッケージはステンレス、コバール、等の金属材料が用いられていた。図7に従来の光通信デバイスパッケージの光ファイバー挿入口を説明する断面図を示す。光通信デバイスを収納するための上面側が開口した凹部71bを有する金属ベース部材と、同材質の金属カバー部材をベース部材の上面に溶接する構造であった。また、ベース部材に設けた光ファイバー挿入口は、光ファイバーの外径よりも大きく開口し、挿入口と光ファイバーとは、融点の低い材料、例えばはんだで隙間を埋めて接合する構成であった。ここで、ベース部材71に配置される光通信用デバイスに通電するための端子75は、ベース部材71の底部に設けた貫通孔71cからベース部材71の凹部71b内に挿入され、気密性と絶縁性を確保する目的から、リング状のガラス部品75aで端子75とベース部材71を約800℃の高温で接合することが行われていた。また、端子75には、光通信用デバイス77からの配線74がはんだ74aによって接合されている。また、光ファイバー挿入口71aとしてベース部材71に貫通穴を設け、メタライズ部73aを有する光ファイバー73と低融点金属材料の封止部品73bを光ファイバー挿入口71aに挿入する。封止部品73bを約300℃で加熱することで溶融状態とし、光ファイバー挿入口71aと光ファイバー73に設けたメタライズ部73aとが封止部品73bによって接合される。また、カバー部材72とベース部材71は、予め数μm厚のニッケルめっきと金めっきをおこなっておき、各々部材のめっき膜を介してベース部材71の上面とカバー部材72のベース部材71と対向する側の下面とが抵抗溶接される。石英製の光ファイバー73のメタライズ部73aは、金めっきが用いられている。
【0003】
また、特開平06−186501の実施例において示されているように、光ファイバー挿入口71aと光ファイバー73の固定には、エポキシ製の接着剤などの気密封止樹脂を充填することも行われていた。他の方法としては、特開2001−183555に示されるように、パッケージ凹部の側面に半田めっきを施し、光ファイバー保持部材をYAGレーザでスポット溶接した後、加熱を加えて半田を溶融することで、パッケージと光ファイバー保持部材との気密性を確保する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平06−186501号公報(第3頁、第1図)
【0005】
【特許文献2】
特開2001−183555号公報(第5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構造および製造方法において、ベース部材に配置される光通信用デバイスに通電するための端子は、リング状のガラス部品で固定されるため、気密性と絶縁性は確保されるが、ガラスの溶融点まで加熱するための炉や高耐熱性を有する治具が必要とされる。また、ガラスと熱膨張率差の少ない金属材料を用いなければ、冷却後のガラスにはクラックが生じるため、金属材料は限定され、加工しやすい材料を選択することはできない。したがって、ランニングコスト、治具費用、加工費用ともに高価なものとなっていた。また、金属材料からなるベース部材とカバー部材の溶接では、抵抗溶接による1000℃を越える発熱、溶融部の膨張、などに起因して、ベース部材に配置した光通信用デバイスが損傷する、もしくは、導通のための配線が外れる、などの問題が生じていた。また、光ファイバーを挿入口に低融点金属を用いて固定する際に約300℃の加熱が必要であり、ここで受ける光ファイバーの熱ダメージから、通信信号光のロス、光ファイバーの割れが生じていた。また、光ファイバーを挿入口に固定した後でなければ、耐熱性の低い光通信用デバイスの設置や配線ができないため、光ファイバーと光通信用デバイスとの組立をベース部材の凹部の狭い空間でおこなうか、長めに確保した光ファイバーと光通信用デバイスとをベース部材の外で組み立てた後、ベース部材の凹部にすべてが収納されるように光ファイバーの余長処理をおこなう必要があった。このことは、組立の作業性を悪くし、光通信用デバイスパッケージを小型化することを困難としていた。また、接着剤を用いてベース部材に光ファイバーを固定する構造においても、光ファイバーの挿入口としてベース部材に貫通穴を設け、光ファイバーを挿入口に通した後、接着剤を挿入口に充填して封止する構造では、光通信用デバイスと光ファイバーとを組み立てた後に挿入口にファイバーを通すといった作業効率の悪い組立方法をおこなっていた。さらに、接着剤の充填が不十分であると気密性が確保できず、製品の歩留まりを低下させる原因となっていた。
【0007】
別の組立方法として、光ファイバーを円筒部品に挿入し、低融点金属もしくは接着剤で光ファイバーを固定および間隙を充填した後に、円筒部品の外径とベース部材に設けた穴を勘合させて取り付ける工法がとられるが、作業効率が良くなった反面、ベース部材と光ファイバーが固定された円筒部品との勘合部における気密性を確保することが困難となる。
【0008】
本発明の目的は、気密性の高く組立作業性のよい光通信用デバイスパッケージおよびその製造方法を提供することにある。すなわち、熱可塑性樹脂材料から成り、凹部を有する箱状に形成されたベース部材と、ベース部材に設けたひとつ以上の光ファイバー挿入口と、熱可塑性樹脂材料の被覆、もしくは、熱可塑性樹脂材料のクラッドを有する光ファイバーと、ベース部材の上面に重なるカバー部材とで構成され、光ファイバー挿入口がカバー部材に対向してU字に開口する形状を有し、ベース部材とカバー部材の溶着接合部と、光ファイバーを介してベース部材とカバー部材が接合する溶着接合部を有する光通信用デバイスパッケージとしたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の光通信用デバイスパッケージは、熱可塑性樹脂材料から成り、凹部を有する箱状に形成されたベース部材と、ベース部材に設けたひとつ以上の光ファイバー挿入口と、光ファイバー、ベース部材の凹部および挿入口と重なるカバー部材とで構成される。光ファイバーの被覆、もしくは、クラッドは熱可塑性樹脂材料であり、光ファイバー挿入口がカバー部材に対向してU字に開口する形状を有し、ベース部材とカバー部材の溶着接合部と、光ファイバーを介してベース部材とカバー部材が接合する溶着接合部を有することを特徴とする。
【0010】
すなわち、ベース部材とカバー部材、光ファイバーの被覆もしくはクラッドに熱可塑性樹脂を用いることにより、接着剤を使用することなく、各々の溶着接合部を構成できた。また、ベース部材に設けた光ファイバー挿入口をU字型の溝にすることで、光ファイバーを容易に配置することができる。U字型の溝において、光ファイバーとの溶着接合部を形成するとともに、カバー部材と重ね合わせることで、カバー部材とも溶着接合部が形成され、光通信用デバイスパッケージの気密性が確保される。
【0011】
また本発明の光通信用デバイスパッケージは、前記ベース部材に、ベース部材の凹部の内側から外側に貫通する導電性端子を設けたことを特徴とする。
すなわち、従来の構造ではリング状のガラス部品を用いて、金属材料からなるベース部材との絶縁を確保した上で導電性端子を固定していた構造は、ベース部材を絶縁性の熱可塑性樹脂で構成することによって簡略化され、導電性端子をベース部材に直に固定することが可能となった。
【0012】
また本発明の光通信用デバイスパッケージは、前記ベース部材およびカバー部材がポリスチレン系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリエステル系、ポリアミド系の何れかからなる材料で構成されていることを特徴とする。
すなわち、これらの樹脂を用いることで、導電性端子に光通信用デバイスからの配線をワイヤーボンド、ハンダ接合、抵抗溶接、導電接着剤の加熱接着、等を可能とする剛性と耐熱性を有し、光通信用デバイスパッケージと実装ボードとの接合の際の加熱においても充分な耐熱性が確保できる。
【0013】
また本発明の光通信用デバイスパッケージは、前記光ファイバーの被覆またはクラッドの融点が、前記ベース部材の融点との差で30℃以内であることを特徴とする。
【0014】
すなわち、ベース部材と光ファイバーの双方が溶融することで、溶着接合部が安定して形成され、気密性が確保できる。
【0015】
また本発明の光通信用デバイスパッケージの製造方法は、熱可塑性樹脂材料から成り、凹部を有する箱状に形成されたベース部材に設けたひとつ以上の光ファイバー挿入口に、熱可塑性樹脂材料で被覆された光ファイバー、もしくは、熱可塑性樹脂材料からなるクラッドを有する光ファイバーを配置する工程と、
熱可塑性樹脂材料からなるカバー部材をベース部材の凹部開口側上面および光ファイバーに重ねる工程と、
カバー部材に熱もしくは振動を加えてカバー部材と光ファイバーとベース部材とを溶着する工程とを有することを特徴とする。
【0016】
ここで、光もしくは振動を加えてカバー部材と光ファイバーとベース部材とを溶着する方法としては、YAGレーザの基本波長、第二高調波、第三高調波や、半導体レーザ、等の光透過・光吸収を用いる、圧電振動子で発振される超音波振動で各々の部材の摩擦熱を用いる、等が含まれる。
【0017】
すなわち、カバー部材と光ファイバーとベース部材とを溶着することによって、機密性の高い光通信用デバイスパッケージが形成できる。
【0018】
また本発明の光通信用デバイスパッケージの製造方法は、前記光ファイバー挿入口に、光ファイバーを配置する工程の後に、光ファイバーに光もしくは振動を加えて光ファイバーとベース部材を溶着する工程を有することを特徴とする。
【0019】
すなわち、ベース部材に設けた光ファイバー挿入口と光ファイバーとの接合状態を検査した後に、次の工程でカバー部材とベース部材、および、カバー部材と光ファイバーとの溶着をおこなうことができる。確実性の高い組立をおこなうことで、光通信用デバイスパッケージの歩留まりが向上する。
【0020】
また本発明の光通信用デバイスパッケージの製造方法は、前記ベース部材に設けたひとつ以上の光ファイバー挿入口をU字形状とし、ベース部材の内壁から外壁に向かってU字形状の開口幅を狭くすることを特徴とする。
【0021】
すなわち、ベース部材に設けたU字形状の開口幅をベース部材の内壁から外壁に向かって狭くしたため、ベース部材と光ファイバーとの溶着は、外壁から内壁に向かって進行することとなり、また、外壁側ほど溶着部の体積が増えることで気密性が高くなる。あわせて、ベース部材に設けたU字形状の挿入口の長さが短くできる。
【0022】
また本発明の光通信用デバイスパッケージの製造方法は、前記カバー部材が光ファイバーと重なる部位に凸部を設け、凸部と光ファイバーとが他の部位より先に溶着することを特徴とする。
【0023】
すなわち、光ファイバーとカバー部材、カバー部材とベース部材の溶着が確実に行え、気密性が高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の光通信用デバイスパッケージの第1の実施形態の構成を示す。本発明の光通信用デバイスパッケージは、熱可塑性樹脂材料から成り、光通信用デバイス17を収納するための箱状のベース部材11と、熱可塑性樹脂材料で被覆された光ファイバー13と、ベース部材11の上面上に載置され、溶着される熱可塑性樹脂からなるカバー部材12とを有する。ベース部材11には光通信用デバイス17を収納するための上面側に開口した凹部状の収納部11bが設けられている。またベース部材11の側壁には光ファイバー挿入口11aが設けられている。光ファイバー挿入口11aはベース部材11の上面側、すなわちカバー部材12に対向する側が開口したU字形状であり、カバー部材12がベース部材上面に載置された際に光ファイバー13の被覆の外周面がカバー部材12の下面と接するように、光ファイバー13の被覆の外径とほぼ同じ幅と深さの溝である。光ファイバー挿入口11aは本実施形態では、互いに対向する一対の側壁にそれぞれ設けたが、一箇所でも複数箇所でも光ファイバー13の配置に合わせて適宜設ければよい。なお光ファイバー13は、本実施形態では熱可塑性樹脂材料からなる被覆を有するものであるが、クラッドが熱可塑性樹脂材料からなる光ファイバーを用いても良い。本発明に用いた光ファイバー13の詳細な構造については後述する。
【0025】
ベース部材11内に配置される光通信用デバイス17と外部との導通をとるための導電性端子15は、ベース部材11の凹状収納部11bの底部に露出し光通信用デバイス17を載置固定する導電性端子15bと、ベース部材11の凹状収納部11b内から側壁を貫通し外部に導出した端子部15aを有する。ここで、ベース部材11の内側と外側に貫通する導電性端子15の材質としては、銅、銅合金、アルミニウムなどが用いられる。本実施形態では、銅を用いた。
【0026】
この導電性端子15は金属箔で連続的に形成する、いわゆるフープ成形を適用し、ベース部材11の射出成形型内に配置し、型内に熱可塑性樹脂を射出し成形する、いわゆる射出インサート成形によりベース部材11に一体的に配置固定されている。具体的には、送りガイド穴を有する銅箔に、プレス機で導電性端子15a、15bをフープ成形した後、ベース部材射出成形型内に配置し、熱可塑性樹脂を射出インサート成形して複数個のベース部材11を連続して作製した。この後、送りガイド穴があるフレームと導電性端子15a、15bを切り離した。このような導電性端子の成形、熱可塑性樹脂の射出インサート成形により生産性が高められる。
【0027】
光通信用デバイス17と導電性端子15aとは配線14により電気的に接続されている。
【0028】
ベース部材およびカバー部材に用いられる材料としては、熱可塑性樹脂であればすべての材料が適用できるが、ポリスチレン系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリエステル系、ポリアミド系などのエンプラ、もしくは、スーパーエンプラと呼ばれる材料が剛性、耐熱性の面から適している。ここで、ポリスチレン系としてはシンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド系としてはリニア型および架橋型ポリフェニレンサルファイド、ポリエステル系としては液晶ポリマーの呼称の全芳香族ポリエステル、ポリアミド系としてはナイロン、などが含まれる。また、全ての熱硬化性樹脂に関して、ガラス、などのフィラー含有材料が含まれる。実施形態では、ベース部材11、カバー部材とも30%ガラスフィラーを含有するポリフェニレンサルファイド製とした。また、ベース部材とカバー部材は同じ種類の熱可塑性樹脂のほかに、異なる材料の組合せでも構成が可能である。
【0029】
光ファイバーの被覆材料としては、熱可塑性樹脂であればすべての材料が適用できるが、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマーの呼称の全方向族ポリエステル、ナイロン等がベース部材とカバー部材との接合性の面から適している。また、光ファイバーのクラッド材料としては、熱可塑性樹脂であればすべての材料が適用できるが、フッ素樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、メチルペンテン樹脂、等が適している。本実施形態ではポリフェニレンサルファイドの被覆を有する光ファイバーを用いた。また、本実施形態ではベース部材とカバー部材と光ファイバーの被覆材料は同じ種類の熱可塑性樹脂を用いたが、異なる材料の組合せでも構成が可能である。
【0030】
図4に本発明の光通信用デバイスパッケージの製造方法を説明するフロー図を示す。まず、フロー図410に従って工程を説明する。熱可塑性樹脂材料のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製したベース部材11の凹状収納部11bの導電性端子15bに、予め、ポリフェニレンサルファイドの被覆を施した光ファイバー13を結合しておいた光通信用デバイス17を、図示しない導電性接着剤を用いて固定した。この時、光通信用デバイス17と導電性端子15aとの間は配線14で接続される。そして熱可塑性樹脂材料のポリフェニレンサルファイドの被覆を施した光ファイバー13をこのベース部材11の光ファイバー挿入口11aに配置した(工程411)。
【0031】
そして、ベース部材11の凹部11bおよび光ファイバー挿入口11aと重なるように、ベース部材11と同一のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製したカバー部材12の下面を、ベース部材11の凹状収納部11b開口側である上面に重ねた。この時、ベース部材11の上面とベース部材11に対向するカバー部材の下面、光ファイバー挿入口11aの内周面と光ファイバー13の被覆の外周面、ベース部材11の上面から露出した光ファイバ−13の被覆の外周面とカバー部材12の下面とが接触する(工程412)。
【0032】
その後、ベース部材11と光ファイバー13とカバー部材12を挟み込む状態に、カバー部材12側に超音波振動子を配置し、30KHzの超音波振動を加えた。この超音波振動によって、カバー部材12の下面とベース部材11上面との界面、カバー部材12の下面と光ファイバー13の被覆の外周面との界面、光ファイバー13の被覆の外周面とベース部材11の光ファイバー挿入口11aの内周面の各々の界面に摩擦熱を生じさせ、各々部材の熱可塑性樹脂が融点に達し溶着が開始した。超音波振動を10秒加えて5秒停止の条件で断続的に5分間の加工をおこなったところ、光ファイバー13の被覆の外周面とベース部材11の光ファイバー挿入口11aとの界面にも摩擦熱が生じた。超音波振動を停止すると溶着が完了した(工程413)。
【0033】
カバー部材と光ファイバーとベース部材とを溶着する方法としては、圧電振動子で発振される超音波振動で各々の部材の摩擦熱を用いる方法の他に、YAGレーザの基本波長、第二高調波、第三高調波や、半導体レーザ、等の光吸収など、光もしくは振動を加える方法が用いられる。溶着に光透過・光吸収を用いる場合、カバー部材側からレーザを照射する際、カバー部材は透過し、ベース部材および光ファイバーは吸収するレーザ光の波長を選択する。カバー部材と同じ熱可塑性樹脂であっても、ベース部材および光ファイバーにはレーザ光を吸収させるための顔料を予め熱可塑性樹脂に混合するか、レーザ光を吸収する塗料をベース部材および光ファイバーに塗布することで選択的にレーザ光の吸収をおこすことができる。カバー部材を透過したレーザ光が、ベース部材および光ファイバーで吸収されると吸熱が生じ、各部材界面での光透過・光吸収の溶着がおこなわれる。また、溶着に摩擦熱を用いる場合は、超音波振動の横振動、縦振動、ねじり振動など、摩擦熱が効率よく生じる振動を選択する。
【0034】
溶着手段として、YAGレーザを用いて加工することを試みた。
【0035】
レーザ光を吸収する顔料を混合したポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)からなるベース部材11の凹状収納部11bの導電性端子15bに、予め、レーザ光を吸収する顔料を混合したポリフェニレンサルファイドの被覆を施した光ファイバー13を結合した光通信用デバイス17を、図示しない導電性接着剤を用いて固定した。この時、光通信用デバイス17と導電性端子15aとの間は配線14で接続した。光ファイバー13をベース部材11の光ファイバー挿入口11aに配置した。そして、ポリフェニレンサルファイドで作製したカバー部材12の下面をベース部材11の凹状収納部11bの開口側の上面に重ねた。
【0036】
ベース部材11の上面とカバー部材12の下面とが対向した部分に対して、カバー部材12のベース部材11と対向した面の反対側の面からYAGレーザを照射した。この時、YAGレーザはカバー部材12を透過するレーザ波長を選択した。カバー部材12を透過したYAGレーザは、ベース部材11の上面とカバー部材12の下面との界面で熱吸収が生じ、各々の部品の融点に達したところで溶融流体となった。また、レーザ光を吸収する顔料を混合したポリフェニレンサルファイドの被覆を施した光ファイバー13とカバー部材12の界面でも熱吸収が生じた。この溶融流体は、ベース部材11とカバー部材12と光ファイバー13との界面に流動し、毛管現象で各々部材の間隙が充填され、冷却の後に溶着が完了した(工程413)。
【0037】
工程413において、各部材を溶着する際の光通信用デバイス17のダメージを確認するために、光ファイバー13を計測器に接続し、光通信用デバイス17の特性をモニターしながらカバー部材12に超音波振動を与えた。カバー部材12とベース部材11、カバー部材12と光ファイバー13、光ファイバー13とベース部材11の光ファイバー挿入口11aの各々の界面において摩擦熱がポリフェニレンサルファイドの融点に達して接合がなされたが、接合前と接合後において、光通信用デバイス17の特性に変化はなかった。
【0038】
次に、フロー図420に従って工程を説明する。熱可塑性樹脂材料のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製したベース部材11の凹状収納部11bの導電性端子15aに、予め、ポリフェニレンサルファイドの被覆を施した光ファイバー13を結合しておいた光通信用デバイス17を、図示しない導電性接着剤を用いて固定した。この時、光通信用デバイス17と導電性端子15aとの間は配線14で接続される。そして熱可塑性樹脂材料のポリフェニレンサルファイドの被覆を施した光ファイバー13をこのベース部材11の光ファイバー挿入口11aに配置した(工程421)。
【0039】
光ファイバー13に超音波振動子を配置し、30KHzの超音波振動を加えた。ベース部材11の光ファイバー挿入口11aの内周面と光ファイバー13の被覆の外周面との界面に摩擦熱が生じ、各々部材の融点に達したところで溶融が開始し、超音波振動を停止すると溶着が完了した(工程422)。
ベース部材11と光ファイバー13との接合状態は、顕微鏡を用いて検査することで、隙間なく接合されていることが目視できた。
【0040】
そして、ベース部材11と同一のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製したカバー部材12をベース部材11の凹状収納部11aの開口側となる上面に重ねた(工程423)。
【0041】
その後、ベース部材11と光ファイバー13とカバー部材12を挟み込む状態に、カバー部材12側に超音波振動子を配置し、30KHzの超音波振動を加えた。この超音波振動によって、ベース部材11の上面とベース部材11に対向するカバー部材12の下面との界面、カバー部材12の下面とベース部材11の上面に露出した光ファイバー13の被覆の外周面との界面に摩擦熱を生じさせ、各々部材の融点に達したところで溶融が開始し、超音波振動を停止すると溶着が完了した(工程424)。
【0042】
以上の工程で作製した光通信用デバイスパッケージの封止状態を確認するため、フッ素系液体に浸漬し、リークテストをおこなったところ、すべてのパッケージが10−5atm・cc/sec以上の気密性であった。
【0043】
また、接合前と接合後において、光通信用デバイス17の特性に変化はなかった。
【0044】
また、フロー図420においても、カバー部材と光ファイバーとベース部材とを溶着する方法として、圧電振動子で発振される超音波振動で各々の部材の摩擦熱を用いる方法の他に、YAGレーザの基本波長、第二高調波、第三高調波や、半導体レーザ、等の光吸収など、光もしくは振動を加える方法を用いることができる。溶着に光透過・光吸収を用いる場合、カバー部材側からレーザを照射する際、ベース部材および光ファイバーにはレーザを吸収させるための顔料を予め熱可塑性樹脂に混合する、または、レーザ光を吸収する塗料をベース部材および光ファイバーに塗布しても良い。カバー部材を透過するレーザ波長を選択することで、光透過・光吸収の溶着がおこなわれる。
【0045】
このように本発明では、熱可塑性樹脂が熱や圧力を加えると溶融し、熱や圧力を取り除くと硬化する特性を利用し、ベース部材、光ファイバー、カバー部材を固定する構造とした。ベース部材とカバー部材の溶着接合部は、各々の熱可塑性樹脂材料が溶融後硬化した界面を介して気密性良く接合されているとともに、光通信用デバイスパッケージの特徴である光ファイバーの挿入口においても、ベース部材と光ファイバー、光ファイバーとカバー部材が各々の熱可塑性樹脂材料が溶融後硬化した界面を介して気密性良く接合されている。
【0046】
すなわち、ベース部材とカバー部材、光ファイバーの被覆もしくはクラッドに熱可塑性樹脂を用いることにより、接着剤を使用することなく、各々の溶着接合部を構成できた。また、ベース部材に設けた光ファイバー挿入口をU字型の溝にすることで、光ファイバーを容易に配置することができる。U字型の溝において、光ファイバーとの溶着接合部を形成するとともに、カバー部材と重ね合わせることで、カバー部材とも溶着接合部が形成され、光通信用デバイスパッケージの気密性が確保される。
【0047】
また、フロー図420に示した工程のように、ベース部材に設けた光ファイバー挿入口と光ファイバーとの接合状態を検査した後に、カバー部材とベース部材、および、カバー部材と光ファイバーとの溶着を行うという確実性の高い組立を行うことで、光通信用デバイスパッケージの歩留まりを向上させることができる。
【0048】
図2に本発明の光通信用デバイスパッケージの溶着後の各々界面を説明する断面図を示す。超音波振動を与えて接合したパッケージを切断して観察したところ、ベース部材11の上面とカバー部材12のベース部材11の上面と対向する下面との界面には溶着接合部16aが形成され、更に光ファイバー13を介してベース部材11とカバー部材12が接合された溶着接合部、つまり光ファイバー13の被覆部分とカバー部材12の下面およびベース部材11の光ファイバー挿入口11aとの界面の溶着接合部16bが形成されていた。
【0049】
図3に本発明の光通信用デバイスパッケージに用いた光ファイバー13の構造を示す。熱可塑性樹脂材料で被覆が形成された光ファイバー13の一例として石英製光ファイバー23は、石英のコア23aと石英のクラッド23b、熱可塑性樹脂の被覆23cで構成されている。また、クラッド部が熱可塑性樹脂材料が形成された光ファイバー13の一例としてプラスチック製光ファイバー33は、プラスチックのコア33aとプラスチックのクラッド33bで構成されている。
【0050】
ここで、クラッド33bにフッ素樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、またはメチルペンテン樹脂を用いた光ファイバー33をベース部材11とカバー部材12に接合することを試みた。プラスチック製光ファイバーの接合試験の結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
ベース部材11とカバー部材12には同一の材料を用い、略号としてシンジオタクチックポリスチレンをSPS、ポリフェニレンサルファイドをPPS、全芳香族ポリエステルをLCP、ナイロンをPAと記した。評価方法としては、フッ素系液体に浸漬するリークテストをおこない、10−5atm・cc/sec以上の気密性を○、10−3atm・cc/secの気密性を△、接合されないものを×とした。また、未評価の部分にはダッシュを記入した。この接合試験から、クラッド33bの融点とベース部材11およびカバー部材12の融点との差が小さいほど良好な接合ができる傾向にあり、各々部材の融点差がおよそ30℃以内となる組み合わせを選定することで気密性の高いパッケージが作製できた。
【0053】
また、石英製ファイバー23の被覆23cにポリアミド、全芳香族ポリエステル、またはポリフェニレンサルファイドを用い、ベース部材11とカバー部材12と接合してパッケージを作製し、前記と同様の接合試験をおこなったところ、被覆23cの融点とベース部材11およびカバー部材12の融点との差が小さいほど良好な接合ができる傾向にあり、各々部材の融点差がおよそ30℃以内となる組み合わせを選定することで気密性の高いパッケージが作製できた。
【0054】
図5に本発明の光通信用デバイスパッケージの第2の実施形態の光ファイバー挿入口を説明する外観図であり、図5(a)はベース部材の上面から見た図であり、図5(b)はベース部材の光ファイバー挿入口を設けた側壁側から見た図である。図示しないが光ファイバー挿入口以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0055】
光通信用デバイスを収納するための箱状に形成されたベース部材41は、凹状収納部41bと光ファイバー挿入口41aがU字形状に形成されている。光ファイバー挿入口41aは、図5に示すように凹状収納部41bの内壁から外壁に向けて開口幅が狭くなるように傾斜をつけた。溶着条件によって開口幅を調整する必要があるが、ここでは、外壁側の開口幅と深さは光ファイバーの被覆もしくはクラッド部の外径とほぼ一致させる。
【0056】
ここで、U字形状の挿入口41aの開口幅は、内壁側で2.8mm、外壁側で2.4mmとし、挿入口41aの長さ、すなわち挿入口41aを設けたベース部材41の壁の厚さが0.5mm、1mm、2mmであるものを用意した。また、ベース部材41は熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製し、熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイドで被覆した外径3mmの光ファイバーを光ファイバー挿入口41aに配置した。つぎに、30kHzの超音波振動を光ファイバーに加えて溶着をおこなった。さらに、熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製したカバー部材をベース部材41の上面に重ね合わせ、30kHzの超音波振動で溶着をおこなった。このパッケージのリークテストを行ったところ、すべてのパッケージが10−5atm・cc/sec以上の気密性であった。比較のため、U字形状の挿入口の開口幅と深さを内壁側、外壁側ともに2.6mmにし、挿入口の長さを0.5mm、1mm、2mmとしたベース部材を用意して前記同様のリークテストをおこなった。この結果、挿入口の長さが1mm、2mmであれば、10−5atm・cc/sec以上の気密性であったが、挿入口の長さが0.5mmの場合は10−3atm・cc/secの気密性であった。
【0057】
このようにベース部材に設けたU字形状の開口幅をベース部材の内壁から外壁に向かって狭くすることで、ベース部材と光ファイバーとの溶着は、外壁から内壁に向かって進行することとなり、ベース部材に設けたU字形状の挿入口の長さがを短くできる。すなわち、ベース部材の壁厚さが薄くなれば、光通信用デバイスパッケージの小型・省スペース化が実現できる。
【0058】
図6に本発明の光通信用デバイスパッケージの第3の実施形態のカバー部材に設けた凸部を説明する概観図を示す。カバー部材以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0059】
光通信用デバイスを収納するための箱状に形成されたベース部材51は、光ファイバー53の挿入口51aがU字形状に形成されている。また、カバー部材52のベース部材51と対向する下面側には光ファイバー53と重なる部位に凸部52aを設けた。凸部52aは、光ファイバーの外径とほぼ同じ幅で設けられる。光ファイバー53は、石英製ファイバー53aと熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイドの被覆53bとで構成されている。ここで、ベース部材51とカバー部材52は熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイド(30%ガラスフィラーを含有)で作製した。
【0060】
ベース部材51の光ファイバー挿入口51aに光ファイバー53を配置し、カバー部材52の下面とベース部材51の上面、および、カバー部材52の凸部52aと光ファイバー53とが重なるように配置した。このとき、凸部52aと光ファイバー53の被覆53bの外周面は接しているが、カバー部材52とベース部材51とは接しておらず隙間があることを確認した。次に、カバー部材52に超音波振動子を加圧し、まず、カバー部材52の凸部52aと光ファイバー53の被覆53bとの溶着をおこなった。この後、さらに超音波振動子をカバー部材52側から加圧するとカバー部材52の下面とベース部材51の上面とが溶着された。
【0061】
以上の工程で作製した光通信用デバイスパッケージの封止状態を確認するため、フッ素系液体に浸漬し、リークテストをおこなったところ、すべてのパッケージが10−5atm・cc/sec以上の気密性であった。
【0062】
また、凸部52aを設けることにより、ベース部材51とカバー部材52は同じ種類の熱可塑性樹脂を用い、カバー部材52と光ファイバー53の被覆53bの融点が異なる熱可塑性樹脂を用いて接合することができる。すなわち、カバー部材52と光ファイバー53との溶着条件と、カバー部材52とベース部材51とのの溶着条件が各々で異なる場合において、カバー部材52と光ファイバー53との溶着を優先しておこない、続けて、カバー部材52とベース部材51の溶着を行うことで、光ファイバー53とカバー部材52、カバー部材52とベース部材51の溶着が確実に行え、気密性が高くなり信頼性を向上させることができた。
【0063】
第2、第3の実施形態においても、カバー部材、光ファイバー、ベース部材を溶着する方法としては超音波振動で各々の部材の摩擦熱を用いる方法のほかに、YAGレーザの基本波長、第二高調波、第三高調波や、半導体レーザ、等の光吸収など、振動もしくは光を加える方法を用いることができる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、熱可塑性樹脂材料から成り、内部に空間を有する容器をベース部材とカバー部材とで構成するとともに光ファイバーの挿入口を設け、また、熱可塑性樹脂材料で被覆された光ファイバー、もしくは、熱可塑性樹脂材料のクラッドを有する光ファイバーとベース部材、カバー部材を溶着することで気密性の高い光通信用デバイスパッケージおよびその製造方法を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光通信用デバイスパッケージの構成図である。
【図2】本発明の光通信用デバイスパッケージの各々界面を説明する断面図である。
【図3】本発明の光通信用デバイスパッケージに用いた光ファイバーの構成図である。
【図4】本発明の光通信用デバイスパッケージの製造方法を説明するフロー図である。
【図5】本発明の光通信用デバイスパッケージの第2の実施形態の光ファイバー挿入口を説明する概観図であり、図5(a)はベース部材の上面から見た図であり、図5(b)はベース部材の光ファイバー挿入口を設けた側壁側から見た図である。
【図6】本発明の光通信用デバイスパッケージの第3の実施形態のカバー部材に設けた凸部を説明する概観図である。
【図7】従来の光通信用デバイスパッケージの光ファイバー挿入口を説明する断面図である。
【符号の説明】
11、41・・・ベース部材
11a、41a・・・光ファイバー挿入口
11b・・・凹部
12、52・・・カバー部材
13、53・・・光ファイバー
15・・・導電性端子
16a、16b・・・溶着接合部
凸部・・・52a
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂材料から成り、凹部11bを有する箱状に形成されたベース部材11と、前記ベース部材11に設けたひとつ以上の光ファイバー挿入口11aと、前記光ファイバー13、前記ベース部材11の凹部11bおよび挿入口11aと重なるカバー部材12とを有し、前記光ファイバー13の被覆、もしくは、クラッドは熱可塑性樹脂材料であり、前記光ファイバー挿入口11aが前記カバー部材12に対向してU字に開口する形状を有し、前記ベース部材11と前記カバー部材12の溶着接合部16aと、前記光ファイバー13を介して前記ベース部材11と前記カバー部材12が接合する溶着接合部16bを有することを特徴とする光通信用デバイスパッケージ。
- 前記ベース部材11に、該ベース部材11の凹部の内側から外側に貫通する導電性端子15を設けたことを特徴とする請求項1記載の光通信用デバイスパッケージ。
- 前記ベース部材11およびカバー部材12がポリスチレン系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリエステル系、ポリアミド系の何れかからなる材料で構成されていることを特徴とする請求項1記載の光通信用デバイスパッケージ。
- 前記光ファイバー13の被覆またはクラッドの融点が、前記ベース部材11の融点との差で30℃以内であることを特徴とする請求項3記載の光通信用デバイスパッケージ。
- 熱可塑性樹脂材料から成り、凹部11bを有する箱状に形成されたベース部材11に設けたひとつ以上の光ファイバー挿入口11aに、熱可塑性樹脂材料で被覆された光ファイバー13、もしくは、熱可塑性樹脂材料からなる光ファイバー13を配置する工程と、
熱可塑性樹脂材料からなるカバー部材12を前記ベース部材11の凹部11bの開口側上面および光ファイバー13に重ねる工程と、
前記カバー部材12に熱もしくは振動を加えて前記カバー部材12と前記光ファイバー13と前記ベース部材11とを溶着する工程とを有する光通信用デバイスパッケージの製造方法。 - 前記光ファイバー挿入口11aに、前記光ファイバー13を配置する工程の後に、前記光ファイバー13に光もしくは振動を加えて前記光ファイバー13と前記ベース部材11を溶着する工程を有する請求項5記載の光通信用デバイスパッケージの製造方法。
- 前記ベース部材41に設けたひとつ以上の光ファイバー挿入口41aをU字形状とし、前記ベース部材41の内壁から外壁に向かってU字形状の開口幅を狭くすることを特徴とする請求項5または6記載の光通信用デバイスパッケージの製造方法。
- 前記カバー部材52が光ファイバー53と重なる部位に凸部52aを設け、前記凸部52aと前記光ファイバー53とが他の部位より先に溶着することを特徴とする請求項5から7何れか一項記載の光通信用デバイスパッケージの製造方法。
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JP2006349995A (ja) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Hitachi Metals Ltd | 金属被覆光ファイバおよびその製造方法並びに光部品 |
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-
2003
- 2003-03-03 JP JP2003055412A patent/JP2004264640A/ja active Pending
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