JP2004264037A - 圧力センサ - Google Patents

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Toshimitsu Ariga
俊光 有賀
Kazuteru Kakegawa
和輝 掛川
Kazuo Takahashi
和生 高橋
Yoshihiko Soga
嘉彦 曽我
Takeshi Misaizu
剛 美斉津
Takayuki Hayashi
貴之 林
Naoyuki Endo
尚之 遠藤
Hiroshi Yokoyama
宏 横山
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Abstract

【課題】圧電素子から確実に電荷信号を取り出すことができ、圧力センサの小径化、小型化を図ることができて内燃機関のシリンダヘッド等に容易に取り付けて使用可能とする。
【解決手段】筒状に形成された本体10の前端部にダイアフラム12が封着され、ダイアフラムが受ける圧力を圧力伝達部材14、15を介してダイアフラムの後方に配置された圧電素子30に伝達し、圧電素子に生じる電荷信号を検知することにより圧力を計測する圧力センサであって、前記圧電素子30として、厚さ方向を正負の電極とし、軸心中央に貫通孔を有する一対の圧電素子30a、30bを、同極側を向かい合わせて導電材からなる電極板16を中間に挟圧する配置として設け、前記電極板16の中央部にリードピン40の一端を接続し、前記圧電素子30a、30bの開口部および前記本体10の貫通孔を通過して前記リードピン40の他端側を本体10の後端側へ引き出して、前記圧電素子30a、30bの電極面に生じる電荷信号を検知可能に設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は圧力センサに関し、より詳細には内燃機関のシリンダ内のような高温、高圧環境下において好適に使用できる圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関のシリンダ内のような高温、高圧環境下において圧力を検知するセンサとして圧電素子を備えた圧力センサが従来知られている。圧電素子は小型で、50kHzまで平坦で高速な応答特性を備えていること、高温で連続使用が可能であるといった優れた特性を備えるものであり、圧力検知用の素子として種々の圧電素子が提案されてきた(最近のエンジン圧力計測用センサについて、自動車技術、Vol.50、No.10、1996、P51〜58参照)。たとえば、水晶を使用するもの、リン酸ガリウムを使用するもの、ニオブ酸リチウムを使用するもの、ランガサイトを使用するもの等がある(特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
圧電素子を用いた圧力センサの構成には種々のタイプがあるが、圧力伝達部材を用いて検知しようとする圧力(外力)を圧電素子に作用させ、圧電素子の表面に表れる電荷信号を検知するように構成する方法が基本的な構成である。圧力センサの構成例としては、2枚の圧電素子を同極側を向かい合わせにして電極を挟むように配置し、電極から電荷信号を取り出すようにしたもの(特許文献2参照)、ダイアフラムの変位を受圧ロッドを介してリング状に形成された圧電センサに伝達し、圧電素子の出力信号を取り出すようにしたもの(特許文献3参照)、シリンダヘッドに装着されるスパークプラグに圧電素子を取り付けたもの(特許文献4参照)等がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−172680号公報
【特許文献2】
特開平10−54773号公報
【特許文献3】
特開平7ー77474号公報
【特許文献4】
特開平11−94675号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、圧電素子を用いた圧力センサには、内燃機関のシリンダ内の圧力を計測する場合に用いられるように、高温、高圧下で使用でき、十分な耐久性を備えるといった厳しい条件を満足すること、また、安定した応答特性を備え、出力感度も優れるといった種々の要件が求められる。また、内燃機関のエンジンに取り付けて圧力を検知するといった場合には、圧力センサとして所要の機能を備えるとともに、機械的な振動に耐えることができ、また、シリンダ等に取り付けやすくするため小型化が求められる。
【0006】
本発明はこれらの圧電素子を用いた圧力センサに求められる課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、内燃機関のシリンダ内圧力のように、高温環境下で、圧力が大きく変動し、機械的振動が大きな環境においても安定して確実な感度を備え、耐久性にすぐれて的確に圧力を検知することができるとともに、組み立て等の製造が容易で、小型化を図ることができて取り付け等が容易となる圧力センサを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、筒状に形成された本体の前端部にダイアフラムが封着され、ダイアフラムが受ける圧力を圧力伝達部材を介してダイアフラムの後方に配置された圧電素子に伝達し、圧電素子に生じる電荷信号を検知することにより圧力を計測する圧力センサであって、前記圧電素子として、厚さ方向を正負の電極とし、軸心中央に貫通孔を有する一対の圧電素子を、同極側を向かい合わせて導電材からなる電極板を中間に挟圧する配置として設け、前記電極板の中央部にリードピンの一端を接続し、前記圧電素子の開口部および前記本体の貫通孔を通過して前記リードピンの他端側を本体の後端側へ引き出して、前記圧電素子の電極面に生じる電荷信号を検知可能に設けたことを特徴とする。
【0008】
また、前記圧力伝達部材が、前記ダイアフラムの後部にダイアフラムと一体あるいは別体に配置された台座と、台座と前記圧電素子との中間に配置された半球とを備え、前記台座の前記半球が当接する後部には、前記半球が3点または線接触する凹部が設けられ、前記半球は、前記凹部に当接する面が球面に形成され、前記圧電素子に対向する面が平坦面に形成されていることを特徴とする。台座と半球を組み合わせた構成によって圧力伝達部材を構成することにより、台座が僅かに傾いた場合でも圧電素子に確実に圧力を伝達することが可能となる。
また、前記ダイアフラムが、前記台座と一体形成され、あるいは本体の前端部に本体とは別体に形成されるダイアフラムリングと一体形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記圧電素子を厚さ方向に加圧した状態で支持するための予圧手段として、前記本体の軸線方向に内挿可能に、前記圧電素子の後方に配置されたインナーボディと、前記本体の内周面に設けられたねじ部に螺合し、前記インナーボディを軸線方向に押圧する予圧調節ねじとが設けられていることを特徴とする。インナーボディは予圧調節ねじによる押圧力を圧電素子に伝達するものであり、単一部品からなるものであってもよいし、複数部品を組み合わせたものであってもよい。
また、前記インナーボディの外周面には、前記圧電素子を外挿するようにインナーボディの端面から筒状に延出する、セラミックからなる絶縁スリーブが固定され、インナーボディの軸心側には、リードピンをガイドして支持する挿通孔が設けられた、セラミックからなる位置決め絶縁スリーブが内挿されていることを特徴とする。
また、前記予圧調節ねじは、本体のねじ部に固定されていることが効果的である。
【0010】
また、前記圧電素子が、ランガサイト系単結晶からなることが、高温、高圧環境下で好適な圧力を検出できる点で有効である。
また、前記圧電素子が、厚さ方向の正負の電極面に電極膜が形成されていないものであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る圧力センサの一実施形態の構成を示す断面図である。本実施形態の圧力センサは内燃機関のシリンダヘッドに取り付けてシリンダ内の圧力を計測するためのものである。円筒状に形成された本体10の内部にランガサイトの単結晶からなる圧電素子30が装着され、圧電素子30に電気的に接続して取り付けられたリードピン40により圧電素子30の電荷信号を検知してシリンダ内の圧力を計測するように構成されている。本実施形態の本体10の外周径は約5mm、内周径は約3mm、全長は約30mmである。
【0012】
両端が開口する円筒状に形成された本体10のシリンダヘッドへの取り付け側部分は本体10の基体側よりも若干細径に形成され、本体10をシリンダヘッドにねじ込んで固定することができるように、外周面にねじ11aが形成されている。
本体10のシリンダへの取り付け側の前端部にはダイアフラム12が封着される。13はダイアフラム12を本体10の前端面に封着するためのダイアフラムリングである。ダイアフラム12は、ダイアフラムリング13と本体10の前端面との間に周縁部を挟圧して、ダイアフラムリング13と本体10の前端面に溶接することによって封着される。本実施形態においては、本体10、ダイアフラム12およびダイアフラムリング13はいずれもステンレス材からなる。
【0013】
ダイアフラム12は本体10をシリンダヘッドにねじ込んで固定することにより、ダイアフラムリング13の開口部13aを介してシリンダ内と連通し、シリンダ内の圧力を受けることになる。
ダイアフラム12の後面(シリンダに連通する面とは反対面)にはシリンダ内の圧力を圧電素子に伝達するための圧力伝達部材である台座14が固定されている。
【0014】
図2にダイアフラム12の近傍部分の各部材の構成を拡大して示す。ダイアフラム12にはシリンダ内の圧力変動にともなって大きな外力が繰り返し作用するから台座14はダイアフラム12に堅固に固定されている必要がある。また、台座14はダイアフラム12が受ける圧力(外力)を圧電素子30に伝達する作用をなすものであるから、圧電素子30に圧力を的確に伝達できる構成となっている必要がある。
【0015】
ダイアフラム12と台座14との固定方法としてはロウ付け等の適宜固定方法を利用することが可能であるが、本実施形態においては、活性化金属を用いてダイアフラム12と台座14とを接合した。台座14はステンレス材を用いてブロック状に形成した部材であり、活性化金属を用いることによってダイアフラム12と台座14とを強固に接合することができる。
ダイアフラム12と台座14とを銀ロウによって接合した接合品と、活性化金属を用いて接合した接合品についてダイアフラム12と台座14との接合強度を試験した。試験は、各々の試料をダイアフラム側から直径1.1mmの金属柱で50kgfの圧力を加えて剥離状態を調べる方法によるものである。試験の結果、銀ロウを用いた接合品はすぐに剥離してしまうのに対して、活性化金属による接合品は50kgfの圧力にも耐えることができ、十分な接合強度を備えていることを確かめることができた。
【0016】
活性化金属による接合膜厚は10μm程度できわめて薄いから、ダイアフラム12からの圧力を効率的に圧電素子30の側へ伝達することが可能である。このことは、圧電素子30による検知感度を向上させ、直線性、再現性の向上に有効に作用するという利点がある。また、活性化金属を用いることでダイアフラム12と台座14とが強固に接合でき、圧力センサの耐久性を向上させることが可能になる。
また、ダイアフラムリング13と本体10の前端面との間にダイアフラム12を挟んで一体的に溶接する構成としたことで、ダイアフラムと本体とが一体に形成される構成の場合に比較して、ダイアフラム12の厚さを機械的強度の限界にまで薄くして厚み精度を向上させることができ、圧電素子30の検知感度の向上、直線性、再現性を向上させることが可能となる。
【0017】
本実施形態ではダイアフラム12とダイアフラムリング13と台座14とを別体に形成し、活性化金属を用いてダイアフラム12と台座14とを一体的に接合するといった方法で組み立てているが、ダイアフラム12とダイアフラムリング13を一体形成したもの、ダイアフラム12と台座14とを一体形成したものを使用して組み立てることも可能である。図3(a)は、ダイアフラムリング13、ダイアフラム12、台座14が接合により一体形成された状態、図3(b)は、ダイアフラムリング13、ダイアフラム12、台座14がそれぞれ別体に形成されたものから組み立てる方法、図3(c)はダイアフラムリング13とダイアフラム12が一体形成されたものと台座14とから組み立てる方法、図3(d)はダイアフラム12と台座14とが一体形成されたものとダイアフラムリング13とから組み立てる方法を示している。図3(c)、(d)の場合も活性化金属を使用することでこれら各組み立て部品を強固に接合することが可能となる。
【0018】
なお、本実施形態ではダイアフラムリング13の開口部の内周縁に、突起13bを周設している。この突起13bはダイアフラム12が破壊されたときに台座14が本体10から抜け落ちないようにするストッパとして設けたものである。台座14の外周面には、突起13bに当接する突縁14bが設けられている。ダイアフラム12が破壊されたときには、ダイアフラムリング13の突起13bに突縁14bが当接し、台座14が本体10から抜け落ちることが防止される。
【0019】
図2に示すように、台座14の後方には、ダイアフラム12からの圧力を圧電素子30に伝達する圧力伝達部材として作用する半球15が配置されている。この半球15もステンレス材からなり、台座14に対向する外面が球面15aに、圧電素子30に対向する外面が平坦面15bに形成されたものである。
台座14の後部には、内面が円錐面14aに形成された凹部が設けられている。台座14の後部に形成する凹部の内面を円錐面14aに形成しているのは、台座14から半球15に作用する圧力(外力)が、半球15の中心(軸線方向)に向けて確実に作用するようにするためである。台座14の凹部の内面を円錐面14aに形成すれば、半球15が台座14に当接する際には、必ず3点若しくは線状に円錐面14aに当接するから、台座14からの圧力は確実に半球15の中心方向へ伝達され、圧電素子30に対する押圧力として伝達されると共に、面圧を分散することにより台座14の経時的変形を防止することができる。
【0020】
このように、圧電素子30に圧力を伝達する部材を円錐面14aを備えた台座14と半球15との組合せによって形成することにより、シリンダからダイアフラム12が受ける圧力(外力)が大きく変動し、それとともに台座14が僅かに傾いたような場合でも、台座14と半球15との当接状態を確実に維持することを可能とし、台座14からの圧力を半球15を介して圧電素子30に確実に伝達することが可能としている。半球15は台座14から伝達された圧力を平坦面15bに形成された後面により圧電素子30に面的に作用させることによって、圧電素子30の検知感度を向上させ、直線性、再現性を向上させている。
【0021】
圧電素子30は半球15の後面の平坦面15bに、一対の同形のリング状に形成された第1の圧電素子30aと第2の圧電素子30bを、同極側を向かい合わせて配置することによって構成されている。第1の圧電素子30aと第2の圧電素子30bをともにリング状に形成しているのは、第1、第2の圧電素子30a、30bからの電荷信号を取り出すリードピンを第1、第2の圧電素子30a、30bの中央部分から取り出す配置とするためである。本実施形態では円板状に形成され、厚さ方向を正負の電極としたランガサイトの単結晶からなる素子の中央部を円形にくり抜いて第1、第2の圧電素子30a、30bとしている。
【0022】
16は第1と第2の圧電素子30a、30bの中間に配置した薄い導電材からなる電極板であり、表面にはメッキによるAu膜等の導電膜があってもよい。電極板16は第1と第2の圧電素子30a、30bの電極面に発生した電荷信号を取り出すために設けられている。第1の圧電素子30aと第2の圧電素子30bの電荷信号をこれらに共通に配置された電極板16から取り出すため、第1の圧電素子30aと第2の圧電素子30bとは同極側が電極板16に接する配置、すなわち同極側を向かい合わせた配置とする。なお、第1と第2の圧電素子30a、30bは同極側が電極板16に接する側とすればよく、極性はどちらであってもよい。
本実施形態のように、2枚の圧電素子30a、30bを向かい合わせた配置とし、圧電素子30a、30bの中間に配置された電極板16から電荷信号を取り出す配置とすることにより、1枚の圧電素子を使用した場合にくらべて約2倍の感度を得ることができる。
【0023】
リードピン40は、一端が電極板16の中央部にカシメ、溶接、バネ支持、ろう付け等により接続され、他端側が本体10の後端側へ引き出されるように配置される。リードピン40は第1、第2の圧電素子30a、30bの中央部に形成された開口部よりも細径に形成され、第1、第2の圧電素子30a、30bとは接触しない状態で引き出される。このように、第1と第2の圧電素子30a、30bの中心位置から本体10の内側を通過させるようにしてリードピン40を引き出す配置とすることにより、圧力センサの小径化を図ることが可能となり、圧力センサをコンパクトに形成することが可能になる。
【0024】
第1、第2の圧電素子30a、30bからリードピン40によって電荷信号を効率的に出力できるようにするためには、電極板16と第1、第2の圧電素子30a、30bとが確実に電気的に接続される必要がある。圧電素子と電極端子との電気的接続については、圧電素子の電極面に蒸着等の成膜操作によって導電膜を形成し、導電膜を介して電極端子と電気的に接続する方法が確実な電気的接続方法とされている。
第1、第2の圧電素子30a、30bと電極板16との電気的接続をこのような方法によることももちろん可能であるが、本実施形態においては、第1、第2の圧電素子30a、30bの電極面の平面度を高めるとともに、面粗度を抑えることによって、圧電素子の電極面に導電膜を成膜することなく、第1、第2の圧電素子30a、30bによって電極板16を挟圧するだけで圧電素子30とリードピン40とが確実に電気的に接続されるようにした。
【0025】
第1、第2の圧電素子30a、30bの電極面の平坦度を直径2.65mmに対して0.1μm以下、面粗度Ra=0.1μm以下とした場合で、圧電素子30に予圧トルク0.08Nmを加えた状態で、往復特性での直線性0.4〜1.1%(フルスケール)、出力感度5pC/barを得た。この出力感度レベルにおいては、前述のような良好な直線性が得られるため、増幅回路を介することにより十分な出力特性が得られることを確認している。なお、ここで言う直線性とは、図5に示すように、圧力−出力の基準直線に対する加圧時と減圧時の出力曲線のズレ巾の最大値を百分率で示したものである。
このように、圧電素子30の電極面の平坦性および面粗度を良好にすることにより、圧電素子30の電極面に導電性の電極膜を形成することなく、所要の出力信号を得ることができるので、電極膜の形成工程を省略して、圧電素子の製造工程を簡略化することが可能になる。
【0026】
リードピン40は第1、第2の圧電素子30a、30bの電極面に生じた電荷信号を電極板16から取り出す作用をなすから、電極板16は本体10等の圧電素子30を支持する支持部材に対して電気的に絶縁されている必要がある。本実施形態においては、第1、第2の圧電素子30a、30bの外周囲を筒体状に形成された絶縁スリーブ18によって包囲し、本体10から第1、第2の圧電素子30a、30bおよび電極板16を電気的に絶縁している。絶縁スリーブ18はアルミナ等のセラミック材によって形成されている。本実施形態では、半球15の外径、第1、第2の圧電素子30a、30bの外周径を絶縁スリーブ18の内周径より数十μm小さい寸法とし、絶縁スリーブ18に半球15および第1、第2の圧電素子30a、30bが摺入されるように形成している。
【0027】
第1、第2の圧電素子30a、30bは、半球15と第1の圧電素子30aとの接触を確実にしてダイアフラム12からの圧力(外力)が圧電素子30に確実に伝達されるようにすること、第1、第2の圧電素子30a、30bと電極板16との電気的接続を確実にすること、ダイアフラム12から伝達される圧力(外力)振動によるノイズを減少させる等の目的から、一定の圧力で厚さ方向に押圧された状態(予圧された状態)で本体10内に装着される。
19は第1、第2の圧電素子30a、30bに予圧を伝達する作用をなすとともに、前記絶縁スリーブ18を支持して本体10に内挿された第1のインナーボディである。前記絶縁スリーブ18は基端側でこの第1のインナーボディ19の外周面に活性化金属や銀ろう等を用いて接合されている。
【0028】
図2に示すように、絶縁スリーブ18は全長の約2分の1の範囲にわたって第1のインナーボディ19に接合され、第1、第2の圧電素子30a、30bは第1のインナーボディ19から筒状に延出する絶縁スリーブ18の部位に内挿されている。絶縁スリーブ18の基端側を第1のインナーボディ19の外周面に比較的広い範囲にわたって接合しているのは、絶縁スリーブ18の共振を防止し、第1、第2の圧電素子30a、30bの出力信号のノイズを抑えるようにするためである。なお、本実施形態においては、絶縁スリーブ18をアルミナ製としている。アルミナは500℃以上といった高温領域においても、絶縁抵抗値が1013Ω・cmといった高抵抗を維持でき、電気的絶縁体としての信頼性が高いという利点がある。
【0029】
図1において、20は第1のインナーボディ19の後端面に前端面を当接させて配置されている第2のインナーボディである。第2のインナーボディ20も本体10の軸線方向に可動に本体10に内挿して装着されている。
21は第2のインナーボディ20に内包するようにして装着されている位置決め絶縁スリーブである。位置決め絶縁スリーブは電極板16から本体10の後端側へ引き出されるリードピン40をガイドして支持するためのものである。したがって、位置決め絶縁スリーブ21は電気的絶縁体によって形成するとともに、中心位置にリードピン40を挿通する挿通孔が設けられているものである。本実施形態では、位置決め絶縁スリーブ21をアルミナ等の高温時の絶縁抵抗を維持できる材料とし、第2のインナーボディ20に位置決め絶縁スリーブ21を内挿するとともに、挿通孔にリードピン40を挿入して組み立てている。
【0030】
22は第2のインナーボディ20の後方に配置された予圧調節ねじである。本体10を軸線方向に貫通して設けられた貫通孔の内周面には、第2のインナーボディ20の後端側から本体10の後部側にかけてねじ部11bが設けられている。予圧調節ねじ22はこのねじ部11bに螺合するように設けられている。
予圧調節ねじ22は前端面を第2のインナーボディ20の後端面に当接させ、軸線方向にねじ込むことによって、第1のインナーボディ19を介して第1、第2の圧電素子30a、30bを半球15の後端面に押接し、第1、第2の圧電素子30a、30bに予圧を加えることができ、ねじ込み位置によって予圧力を調節することができる。これら第1のインナーボディ19、第2のインナーボディ20および予圧調節ねじ22が予圧手段を構成している。
【0031】
第1、第2の圧電素子30a、30bを所定圧力で加圧した状態で予圧調節ねじ22を本体10の挿通孔内で固定することにより、圧電素子30の感度および直線性を向上させることができる。予圧調節ねじ22はたとえば、本体10の内周面にレーザ溶接することによって本体10に固定することができる。
予圧調節ねじ22を本体10に溶接した状態と溶接しない状態とで、第1、第2の圧電素子30a、30bに予圧トルク0.06Nmを加えた条件で、直線性と感度について比較試験を行った。表1にその試験結果を示す。
【0032】
【表1】
Figure 2004264037
試験結果は、いずれのサンプルの場合も、予圧調節ねじ22を本体10に溶接することによって直線性および感度が向上したことを示す。予圧調節ねじ22を本体10に溶接して固定したことによって、予圧の加圧状態の変動を防止し、ねじ22の剛性を向上させて安定した出力が得られるものと考えられる。
【0033】
リードピン40の後端部は第2のインナーボディ20および予圧調節ねじ22に設けられた挿通孔を通過し、本体10の後端側に引き出され、本体10の貫通孔内にセットされるレセプタクル23に支持される。なお、第2のインナーボディ20および予圧調節ねじ22に設けられた挿通孔は、第2のインナーボディ20および予圧調節ねじ22の内周面にリードピン40が接触して電気的に短絡しないよう、リードピン40の径よりも大径に形成されている。
レセプタクル23には検知器のコネクタが接続され、リードピン40から出力される第1、第2の圧電素子30a、30bの電荷信号が検知される。
【0034】
図1に示すように、本実施形態の圧力センサは、半球15、第1、第2の圧電素子30a、30b、第1のインナーボディ19、第2のインナーボディ20等の各組み立て部品が、本体10内に挿入して装着することができるように、外径寸法等が設計されている。したがって、圧力センサを組み立てる際には、本体10の前端側にダイアフラム12を溶接して封着した後、本体10の後端側から全ての組み立て部品を挿入するようにして組み立てることができ、組み立て操作が容易にでき、また、予圧調節ねじ22によって予圧を調節して最終的に組み立てることができるという利点がある。
【0035】
前述したように、本実施形態においては圧力検知用の圧電素子30としてランガサイト単結晶を使用している。圧電素子30としてランガサイト(LaGaSiO14)を使用しているのは、ランガサイトが焦電性を有しないこと、およびランガサイトにはキュリー点が存在しないことから、高温での使用が可能であり、広い温度範囲において安定した圧電特性を維持することができるため、内燃機関のシリンダ内の圧力を計測する場合のように、高温環境下での圧力計測にとくに好適に使用できるからである。
【0036】
本実施形態の圧力センサは内燃機関のシリンダヘッドに本体10のねじ11aをねじ込むようにして固定することができる。本体10は5mm程度の細径に形成されているものであるから、シリンダヘッドに容易に取り付けることができる。実験によると、圧力センサの感度はダイアフラム12の径および厚み、ダイアフラム12に固定する台座14の径、予圧トルクに依存することが認められた。図4はダイアフラム12の径が3.2mm、厚さが0.1mm、圧電素子の径が2.65mmの場合に、台座14の径によって感度がどのように変動するかを測定した結果を示す。図4に示す実験結果は、台座14の径が1.9mm〜2.3mm範囲で出力感度が良好になることを示す。また、ダイアフラム12の厚さが0.2mmの場合についても1.5mm〜2.0mm程度の範囲で出力感度が良好になることが認められた。これらの実験結果より、台座14の径寸法はダイアフラム12の径寸法の50%〜70%とすることが適正であると考えられる。なお、予圧トルクについては、予圧トルクを0.05〜0.3Nmまで変化させて出力感度を測定したが、予圧トルクによってさほど大きな変化は得られなかった。予圧トルクとしては、0.05Nm程度以上加えれば好適に使用することができるものと考えられる。
【0037】
上記実施形態の圧力センサは、内燃機関のシリンダ内の圧力測定用として構成した例であるが、本発明に係る圧力センサは、シリンダ内の圧力測定用に限らず、広い温度範囲においてすぐれた直線性、応答特性を備えるものであり、排気圧や燃料噴射圧など種々用途の圧力測定用として利用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明に係る圧力センサによれば、上述したように、圧電素子から確実に電荷信号を取り出すことができ、また、圧力センサの小径化、小型化を図ることができて内燃機関のシリンダヘッド等に容易に取り付けることができ、確実な圧力の計測を可能とする圧力センサとして提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧力センサの一実施形態の構成を示す断面図である。
【図2】圧力センサのダイアフラム近傍の部材を拡大して示す断面図である。
【図3】ダイアフラムとダイアフラムリングと台座との組み合わせ方法を示す説明図である。
【図4】台座径と感度の関係を示すグラフである。
【図5】加圧時と減圧時における出力曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
10 本体
11a ねじ
11b ねじ部
12 ダイアフラム
13 ダイアフラムリング
13b 突起
14 台座
14a 円錐面
14b 突縁
15 半球
15a 球面
15b 平坦面
16 電極
18 絶縁スリーブ
19 第1のインナーボディ
20 第2のインナーボディ
21 位置決め絶縁スリーブ
22 予圧調節ねじ
23 レセプタクル
30 圧電素子
30a 第1の圧電素子
30b 第2の圧電素子
40 リードピン

Claims (8)

  1. 筒状に形成された本体の前端部にダイアフラムが封着され、ダイアフラムが受ける圧力を圧力伝達部材を介してダイアフラムの後方に配置された圧電素子に伝達し、圧電素子に生じる電荷信号を検知することにより圧力を計測する圧力センサであって、
    前記圧電素子として、厚さ方向を正負の電極とし、軸心中央に貫通孔を有する一対の圧電素子を、同極側を向かい合わせて導電材からなる電極板を中間に挟圧する配置として設け、
    前記電極板の中央部にリードピンの一端を接続し、前記圧電素子の開口部および前記本体の貫通孔を通過して前記リードピンの他端側を本体の後端側へ引き出して、前記圧電素子の電極面に生じる電荷信号を検知可能に設けたことを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記圧力伝達部材が、前記ダイアフラムの後部にダイアフラムと一体あるいは別体に配置された台座と、台座と前記圧電素子との中間に配置された半球とを備え、
    前記台座の前記半球が当接する後部には、前記半球が3点または線接触する凹部が設けられ、
    前記半球は、前記凹部に当接する面が球面に形成され、前記圧電素子に対向する面が平坦面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
  3. 前記ダイアフラムが、前記台座と一体形成され、あるいは本体の前端部に本体とは別体に形成されるダイアフラムリングと一体形成されていることを特徴とする請求項2記載の圧力センサ。
  4. 前記圧電素子を厚さ方向に加圧した状態で支持するための予圧手段として、
    前記本体の軸線方向に内挿可能に、前記圧電素子の後方に配置されたインナーボディと、
    前記本体の内周面に設けられたねじ部に螺合し、前記インナーボディを軸線方向に押圧する予圧調節ねじとが設けられていることを特徴とする請求項1、2または3記載の圧力センサ。
  5. 前記インナーボディの外周面には、前記圧電素子を外挿するようにインナーボディの端面から筒状に延出する、セラミックからなる絶縁スリーブが固定され、インナーボディの軸心側には、リードピンをガイドして支持する挿通孔が設けられた、セラミックからなる位置決め絶縁スリーブが内挿されていることを特徴とする請求項4記載の圧力センサ。
  6. 前記予圧調節ねじが、本体のねじ部に固定されていることを特徴とする請求項4または5記載の圧力センサ。
  7. 前記圧電素子が、ランガサイト系単結晶からなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の圧力センサ。
  8. 前記圧電素子が、厚さ方向の正負の電極面に電極膜が形成されていないものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の圧力センサ。
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