JP2004263749A - 建設機械のリモコン弁油圧回路 - Google Patents

建設機械のリモコン弁油圧回路 Download PDF

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Abstract

【課題】機械の非操作時には、オペレータの手を煩わすことなく自動的にパイロット一次圧を低下させ、エンジンへの負荷を減少して燃料消費量を低減する。
【解決手段】パイロット油圧源11からリモコン弁13に至るパイロット一次側油路12にタンク17へ連通する分岐油路20を設ける。この分岐油路20の途中に第1の電磁弁21を介装するとともに、該第1の電磁弁21の下流に第2の電磁弁23を介装する。操作検出手段19により機械が非操作状態であることを検出したときは、コントローラ30の制御により前記第1の電磁弁21を切り換えて分岐油路20を開放し、パイロット一次圧を低下させる。油温検出手段25により油温が所定温度を超えたことを検出したときは、コントローラ30の制御により第2の電磁弁23を「絞り小位置」(ニ)に切り換えて、必要以上の圧力低下を抑止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建設機械のリモコン弁油圧回路に関するものであり、特に、油圧ショベル等の建設機械に装備されたアクチュエータを制御するリモコン弁油圧回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧ポンプからアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向制御弁と、パイロット油圧源からのパイロット一次圧を導入してパイロット二次圧を導出し、該パイロット二次圧により前記方向制御弁のストローク量を制御するリモコン弁とを備えた建設機械は一般的に広く知られている。しかし、リモコン弁を操作しない機械の非操作時に於いても、パイロット油圧源から常に所定圧力の圧油を導入しているので、駆動源であるエンジンに連続して負荷がかかり、燃料消費量が増大するという不具合があった。また、パイロット油圧源からのパイロット一次圧が一定圧力であるため、負荷の大なる作業時に操作レバーを大きく傾倒させた状態では、アクチュエータの動作速度が速すぎて微操作が困難であった。
【0003】
これらの不具合を解消するために、前記パイロット一次圧を高い圧力と低い圧力に選択設定する切換手段である高圧設定リリーフ弁と低圧設定リリーフ弁と電磁切換弁とを設け、アクチュエータを作動させる速度に応じて前記電磁切換弁を切り換えて、パイロット一次圧を変更設定できるようにしたリモコン弁油圧回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−287175号公報(第2〜6頁、図1)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1記載のリモコン弁油圧回路は、アクチュエータを作動させる速度に応じてオペレータが手動でスイッチをオン・オフし、電磁切換弁を切り換えて高圧設定リリーフ弁と低圧設定リリーフ弁とを選択するため、パイロット圧の変更が煩雑であった。
【0006】
そこで、機械の非操作時には、オペレータの手を煩わすことなく自動的にパイロット一次圧を低下させ、エンジンへの負荷を減少して燃料消費量を低減するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、油圧ポンプからアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向制御弁と、パイロット油圧源からのパイロット一次圧を導入してパイロット二次圧を導出し、該パイロット二次圧により前記方向制御弁のストローク量を制御するリモコン弁とを備えた建設機械に於いて、前記パイロット油圧源からリモコン弁に至るパイロット一次側油路にタンクへ連通する分岐油路を設け、該分岐油路の途中に第1の電磁弁を介装するとともに、該第1の電磁弁の下流に第2の電磁弁を介装し、前記第1の電磁弁により分岐油路の開閉を行い、第2の電磁弁により絞りの開口を変化させるように構成した建設機械のリモコン弁油圧回路、
及び、機械の操作を検出する手段を設け、機械の非操作時は上記第1の電磁弁を開放位置にして、パイロット油圧源からのパイロット一次圧を通過させ、機械の操作時は上記第1の電磁弁を閉止位置にして、前記パイロット油圧源からのパイロット一次圧を遮断して所定圧力まで上昇させるような制御手段を備えた建設機械のリモコン弁油圧回路、
及び、油温を検出する手段を設け、該油温が所定温度以下のときは上記第2の電磁弁を絞りの開口が大である位置にし、該油温が所定温度を超えたときは上記第2の電磁弁を絞りの開口が小である位置にして油圧の低下を抑止するような制御手段を備えた建設機械のリモコン弁油圧回路を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って詳述する。図1は建設機械の一例として油圧ショベルのリモコン弁油圧回路を示し、パイロット油圧源11から吐出された圧油はパイロット一次側油路12を経てリモコン弁13に供給される。パイロット一次側油路12にはリリーフ弁14が接続されており、パイロット油圧源11から吐出された圧油は、該リリーフ弁14にて設定された所定圧力(例えば40K)まで上昇してパイロット一次圧となる。
【0009】
アクチュエータへの圧油の流れを制御する方向制御弁(図示せず)は、方向制御弁群15の中に複数個配置されており、前記パイロット油圧源11から吐出されたパイロット一次圧の一部が、油路16を経て接続点Pから方向制御弁群15へ導出され、方向制御弁群15の中にある全ての方向制御弁が中立位置にあるときは、前記パイロット一次圧が各方向制御弁のスプールの一部分を通過してタンク17に戻る。尚、方向制御弁群15の中には前記接続点P付近に圧力スイッチ等の圧力センサ(図示せず)を設けてあり、後述の操作検出手段としている。
【0010】
前記パイロット油圧源11からパイロット一次側油路12を経てリモコン弁13にパイロット一次圧が導入されるが、前記リモコン弁13の操作レバー18を操作しないときは、リモコン弁13のパイロット二次側油路(図示せず)にパイロット二次圧は発生しない。従って、方向制御弁群15の中にある全ての方向制御弁は中立位置となり、前記パイロット一次圧が各方向制御弁のスプールの一部分を通過してタンク17に戻るため、前述した圧力センサはオフの状態である。
【0011】
これに対して、操作レバー18を傾倒操作したときは、リモコン弁13のパイロット二次側油路を経て、前記方向制御弁群15の中の該当する方向制御弁のパイロットポートへパイロット二次圧が導出される。従って、パイロット二次圧が導出された方向制御弁のスプールが動いて、前記パイロット一次圧が遮断されるため、前記接続点P付近の圧力が上昇して前述した圧力センサがオンの状態に切り換わる。
【0012】
即ち、前記操作レバー18によって機械の操作が行われていないときは前記圧力センサがオフであり、機械の操作が行われたときは圧力センサがオンとなる。従って、前記圧力センサが機械の操作を検出する操作検出手段19となる。コントローラ30は操作検出手段19からの操作検出信号を受け、機械が非操作状態であるか或いは機械が操作状態であるかを判別する。
【0013】
ここで、前記パイロット油圧源11からリモコン弁13に至るパイロット一次側油路12の途中に、タンク17へ連通する分岐油路20を設け、この分岐油路20の途中に第1の電磁弁21を介装する。該第1の電磁弁21はノーマル状態では「閉止位置」(イ)となっており、コントローラ30からの信号によりソレノイド22が励磁されると「開放位置」(ロ)に切り換わる。
【0014】
更に、該第1の電磁弁21の下流に第2の電磁弁23を介装する。該第2の電磁弁23は開口面積の異なる2つの絞りを有し、ノーマル状態では開口面積の大きな「絞り大位置」(ハ)となっており、コントローラ30からの信号によりソレノイド24が励磁されると開口面積の小さな「絞り小位置」(ニ)に切り換わる。即ち、第1の電磁弁21が切り換わって分岐油路20の開閉を行い、第2の電磁弁23により絞りの開口面積を変化させるように構成してある。
【0015】
また、圧油の油温を検出するために、例えば温度センサ等の油温検出手段25を設け、該油温検出手段25にて検出された油温検出信号が前記コントローラ30へ入力される。コントローラ30は油温検出手段25からの油温検出信号を受け、油温が予め設定された所定温度以下であるか或いは油温が所定温度を超えたかを判別する。
【0016】
次に、リモコン弁油圧回路の作用について説明する。パイロット油圧源11から吐出された圧油は、前記リリーフ弁14にて設定された所定圧力(例えば40K)にてパイロット一次圧が供給される。前記操作レバー18を傾倒操作しない状態では、前記操作検出手段19により、コントローラ30は機械の非操作時であること判別する。
【0017】
機械の非操作時は、コントローラ30から信号を出力して前記第1の電磁弁21のソレノイド22を励磁し、図2に示すように、第1の電磁弁21を「開放位置」(ロ)に切り換える。従って、分岐油路20が開放されるため、パイロット油圧源11から吐出された圧油の一部がパイロット一次側油路12から分岐油路20に分岐し、第1の電磁弁21の「開放位置」(ロ)を通過して、第2の電磁弁23の「絞り大位置」(ハ)を経てタンク17に戻る。即ち、パイロット一次圧は第2の電磁弁23の比較的大きな絞りによって適当な圧力まで下降する。
【0018】
このように、リモコン弁13を操作しない機械の非操作時に於いては、パイロット油圧源11からのパイロット一次圧が予め設定した比較的低い圧力に下降するため、駆動源であるエンジンにかかる負荷が低下し、燃料消費量を減少することができる。
【0019】
ここで、一般的に油温と油圧との関係を述べれば、油温の上昇に伴って油圧は下降する。このため、機械の非操作時に、第1の電磁弁21を開放してパイロット一次圧を低下させた場合、油温が高くなり過ぎるとパイロット一次圧が必要以上に低下する。これを防止するために、前記油温検出手段25の検出信号から油温が所定温度を超えたとコントローラ30が判別したときは、コントローラ30から信号を出力して前記第2の電磁弁22のソレノイド24を励磁し、図3に示すように、第2の電磁弁23を「絞り小位置」(ニ)に切り換える。
【0020】
該第2の電磁弁23は、「絞り大位置」(ハ)のときよりも「絞り小位置」(ニ)のときの方が絞りの開口面積が小さいので、第2の電磁弁23を「絞り小位置」(ニ)に切り換えることにより、必要以上の圧力低下を抑止できる。このように、機械の非操作時には、第1の電磁弁21を開放してパイロット一次圧を低下させるとともに、油温の高さに応じて第2の電磁弁22の絞り位置を切り換えることにより、自動的にパイロット一次圧を最適な圧力に低下させることができる。
【0021】
そして、オペレータが操作レバー18を操作して機械を操作したときは、前記方向制御弁群15の中の該当する方向制御弁が切り換わり、前記操作検出手段19からの操作検出信号を受けて、コントローラ30は機械の操作時であることを判別する。然るときは、コントローラ30からの信号を停止して前記第1の電磁弁21のソレノイド22の励磁をやめ、図1に示したように、第1の電磁弁21を「閉止位置」(イ)に戻す。
【0022】
従って、分岐油路20が閉止されるため、パイロット油圧源11から吐出された圧油は、リリーフ弁14にて設定された所定圧力に上昇する。即ち、パイロット一次圧がアイドリング状態から作業可能状態に復帰する。
【0023】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0024】
【発明の効果】
本発明は上記一実施の形態に詳述したように、請求項1記載の発明は、パイロット油圧源からリモコン弁に至るパイロット一次側油路にタンクへ連通する分岐油路を設け、第1の電磁弁により分岐油路の開閉を行い、第2の電磁弁により絞りの開口を変化させるように構成したので、前記第1の電磁弁を開放すればパイロット一次圧を低下させることができ、駆動源であるエンジンの負荷を低下させて、燃料消費量を減少できる。また、第2の電磁弁により絞りの開口を変化させることにより、複数の異なった圧力設定を選択することができる。
【0025】
請求項2記載の発明は、機械の操作を検出する手段を設け、機械の非操作時は制御手段の制御によって上記第1の電磁弁を開放位置に切り換えるため、パイロット油圧源からのパイロット一次圧を自動的に低下させることができる。従って、請求項1記載の発明の効果に加えて、機械の非操作時は自動的にパイロット一次圧を低下させ、オペレータが特別な操作を施すことなく、燃料低減効果が期待できる。
【0026】
請求項3記載の発明は、油温を検出する手段を設け、油温が所定温度を超えたときは制御手段の制御によって上記第2の電磁弁を絞りの開口が小である位置に切り換えるため、油圧が必要以上低下するのを抑止できる。従って、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、油温の変動に拘わらず機械の非操作時のパイロット一次圧を必要最小限の圧力に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、初期状態のリモコン弁油圧回路図。
【図2】本発明の一実施の形態を示し、機械の非操作時のリモコン弁油圧回路図。
【図3】本発明の一実施の形態を示し、機械の非操作時に油温が上昇した状態のリモコン弁油圧回路図。
【符号の説明】
11 パイロット油圧源
12 パイロット一次側油路
13 リモコン弁
14 リリーフ弁
15 方向制御弁群
16 油路
17 タンク
18 操作レバー
19 操作検出手段
20 分岐油路
21 第1の電磁弁
22 ソレノイド
23 第2の電磁弁
24 ソレノイド
25 油温検出手段
30 コントローラ

Claims (3)

  1. 油圧ポンプからアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向制御弁と、パイロット油圧源からのパイロット一次圧を導入してパイロット二次圧を導出し、該パイロット二次圧により前記方向制御弁のストローク量を制御するリモコン弁とを備えた建設機械に於いて、前記パイロット油圧源からリモコン弁に至るパイロット一次側油路にタンクへ連通する分岐油路を設け、該分岐油路の途中に第1の電磁弁を介装するとともに、該第1の電磁弁の下流に第2の電磁弁を介装し、前記第1の電磁弁により分岐油路の開閉を行い、第2の電磁弁により絞りの開口を変化させるように構成したことを特徴とする建設機械のリモコン弁油圧回路。
  2. 機械の操作を検出する手段を設け、機械の非操作時は上記第1の電磁弁を開放位置にして、パイロット油圧源からのパイロット一次圧を通過させ、機械の操作時は上記第1の電磁弁を閉止位置にして、前記パイロット油圧源からのパイロット一次圧を遮断して所定圧力まで上昇させるような制御手段を備えた請求項1記載の建設機械のリモコン弁油圧回路。
  3. 油温を検出する手段を設け、該油温が所定温度以下のときは上記第2の電磁弁を絞りの開口が大である位置にし、該油温が所定温度を超えたときは上記第2の電磁弁を絞りの開口が小である位置にして油圧の低下を抑止するような制御手段を備えた請求項1または2記載の建設機械のリモコン弁油圧回路。
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