JP2004263167A - スルホン酸基を含有する芳香族ポリエーテル系化合物、その複合体、およびそれらの製造方法。 - Google Patents

スルホン酸基を含有する芳香族ポリエーテル系化合物、その複合体、およびそれらの製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、高分子電解質膜として有用なスルホン酸基を導入した芳香族ポリエーテル系化合物により、高温での寸法安定性、加工性、イオン伝導性にすぐれた、特にイオン伝導膜として有用な高分子材料を得ることにある。
【解決手段】 ポリマー構造中にジオキシビフェニレン構造ユニットを52wt%以上含有する芳香族ポリエーテル系化合物に、スルホン酸を導入することにより上記目的が達成され、各種電池電解質、表示素子、センサー、信号伝達媒体、コンデンサー、電気透析、電気分解用膜などへ応用が可能となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高分子電解質膜として有用なスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物に関するものである。
液体電解質のかわりに高分子固体電解質をイオン伝導体として用いる電気化学的装置の例として、水電解槽や燃料電池を上げることができる。これらに用いられる高分子膜は、カチオン交換膜としてプロトン導電率とともに化学的、熱的、電気化学的および力学的に十分安定なものでなくてはならない。このため、長期にわたり使用できるものとしては、主に米デュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」を代表例とするパーフルオロカーボンスルホン酸膜が使用されてきた。しかしながら、ナフィオン膜を100℃を越える条件で運転しようとすると、膜の含水率が急激に落ちるほか、膜の軟化も顕著となる。このため、将来が期待されるメタノールを燃料とする燃料電池においては、膜内のメタノール透過による性能低下がおこり、十分な性能を発揮することはできない。また、現在主に検討されている水素を燃料として80℃付近で運転する燃料電池においても、膜のコストが高すぎることが燃料電池技術の確立の障害として指摘されている。また、水電解槽への使用においては生成ガスの拡散現象による電流効率の損失も問題とされている。
このような欠点を克服するため、非フッ素系芳香族環含有ポリマーにスルホン酸基を導入した高分子電解質膜が種々検討されている。ポリマー骨格としては、耐熱性や化学的安定性を考慮すると、ポリアリーレンエーテルケトン類やポリアリーレンエーテルスルホン類などの、芳香族ポリエーテル系化合物を有望な構造としてとらえることができ、ポリアリールエーテルスルホンをスルホン化したもの(例えば、非特許文献1参照。)、ポリエーテルエーテルケトンをスルホン化したもの(例えば、特許文献1参照。)、等が報告されている。このなかで、4,4’−ビフェノールをモノマーとして含むスルホン化ポリアリーレンエーテルも報告されているが(例えば、特許文献2参照)、高温高湿下でポリマーが膨潤する問題を抱えており、特にスルホン化率が高くなる組成においてその傾向が顕著となる。また、これらポリマーのスルホン化反応により芳香環上に導入されたスルホン酸基は一般に熱により脱離しやすい傾向にあり、これを改善する方法として電子吸引性芳香環上にスルホン酸基を導入したモノマーを用いて重合することで、熱的に安定性の高いスルホン化ポリアリールエーテルスルホン系化合物が報告されている(例えば、特許文献3参照。)。この場合、モノマーの反応性が低いために、ポリマーを得るのに長時間の重合を必要とする問題が生じている(例えば、非特許文献2参照)。そこでは、共重合する他のモノマーとして4,4’−ビフェノールを用いることが記載されているが、ここにおいても高温高湿下でポリマーが膨潤する問題を抱えており、特にスルホン化率が高くなる組成においてその傾向が顕著となる。
特開平6−93114号公報(第15−17頁) 国際公開特許WO00/24796 米国特許出願公開第2002/0091225号明細書(第1−2頁) ジャーナル・オブ・メンブラン・サイエンス(Journal of Membrane Science)、(オランダ)1993年、83巻、P.211−220 エーシーエス・ポリマー・プレプリント(ACS Polymer Preprints)、(米国)、2000年、41(2)巻、P.1388−1389
本発明の目的は、高分子電解質膜として有用なスルホン酸基を導入した芳香族ポリエーテル系化合物により、高温での寸法安定性、加工性、イオン伝導性にすぐれた、特にイオン伝導膜として有用な高分子材料を得ることにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、芳香環上にスルホン酸を導入した芳香族ポリエーテル系化合物において、ポリマー構造中に特定量以上のジオキシビフェニレン構造ユニット(−O−Ph−Ph−O−)を導入することにより、具体的にはジオキシビフェニレン構造ユニットを52wt%以上とする芳香族ポリエーテル系化合物にスルホン酸基を導入することにより、上記目的が達成されることを見いだすに至った。従来技術の項で紹介したビフェノール含有ポリエーテルスルホンにスルホン酸基が導入されたポリマーは、ポリマー骨格として4,4’−ビフェノールと4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの重合で形成されるものであり、このときのジオキシビフェニレンユニットの含有量は46.0wt%である。このため、十分なイオン伝導性を引き出すために必要なスルホン酸基量を導入すると、高湿度条件下での膨潤性が大きくなり、特に高温高湿条件での寸法保持性の低下が顕著となってしまう。
すなわち本発明は、下記(1)〜(11)により達成される。
(1)ポリマー構造中にビフェニレンユニット(―O−Ph−Ph−O−)を52wt%以上含む芳香族ポリエーテル系高分子に対して、スルホン酸基を導入した構造であることを特徴とする化合物。
(2)スルホン酸基含有量が、0.2〜6.0meq/gの範囲にあることを特徴とする第1の発明に記載の化合物。
(3)第1の発明乃至第2の発明に記載の化合物を50〜100質量%含むことを特徴とする組成物。
(4)第1の発明乃至第3の発明に記載の化合物を含有することを特徴とするイオン伝導膜。
(5)第4の発明に記載のイオン伝導膜と電極とを含有することを特徴とする複合体。
(6)第5の発明に記載の複合体を含有することを特徴とする燃料電池。
(7)メタノールを燃料とすることを特徴とする第6の発明に記載の燃料電池
(8)第5の発明に記載の複合体を含有することを特徴とする水電解装置。
(9)第1の発明乃至第2の発明に記載の化合物を含有することを特徴とする接着剤。
(10)一般式(1)とともに一般式(2)で表される化合物とビスフェノール系化合物をモノマーとして含む芳香族求核置換反応により重合することを特徴とする第1の発明乃至第3の発明に記載の芳香族ポリエーテル系化合物の製造方法。
Figure 2004263167
ただし、Yはスルホン基またはケトン基、Xは1価のカチオン種、Zは塩素またはフッ素を示す。
(11)第1の発明乃至第3の発明に記載の化合物と、溶剤とを含有する溶液を、キャスト厚が10〜1000μmの範囲となるようにキャストする工程と、キャストした溶液を乾燥させる工程とを含むことを特徴とする第4の発明に記載のイオン伝導膜の製造方法。
本発明のスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物により、イオン伝導性だけでなく耐熱性、加工性に優れた、特に高温高湿下での寸法安定性に優れた燃料電池などの高分子電解質として際立った性能を示す材料を提供することができる。これらの特性を活かして、本発明のスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物は、各種電池電解質、表示素子、センサー、信号伝達媒体、コンデンサー、電気透析、電気分解用膜などへの使用も考えられる。
以下本発明について詳細に説明する。本発明は、芳香環上にスルホン酸を導入した芳香族ポリエーテル系化合物により、高温での寸法安定性、加工性、イオン伝導性にすぐれた、特にイオン伝導膜として有用な高分子材料を提供するものであり、本発明のスルホン酸基を含有する芳香族ポリエーテル系化合物は、特に高温高湿条件下でも寸法変化や溶出することが少ない特徴を有している。すなわち、芳香環上にスルホン酸を導入したポリアリーレンエーテル系化合物において、ポリマー構造中に特定量以上のジオキシビフェニレン構造ユニットを導入することにより、上記目的を達成したものである。一般に、スルホン酸基を導入した芳香族ポリエーテル化合物はイオン伝導性を発現するために多くのスルホン酸基を導入する必要があるが、スルホン酸基の導入はイオン伝導性を高めると同時にポリマーの膨潤性も増加し、燃料電池として高温条件での運転に問題が生じていた。本発明は、ポリマー中に特定量以上のジオキシビフェニレン構造ユニットを導入することにより、高いイオン伝導性を発現するためにスルホン酸基導入率を高めても膨潤性を抑制することができ、特に高温でその寸法安定性が明確となる特徴を示すことを見いだしたものである。しかも、加工性においても良好な特性を示すものであった。
すなわち、本発明のスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物は、ポリマー構造中にジオキシビフェニレンユニット(−O−Ph−Ph−O−)を52wt%以上含む芳香族ポリエーテル系高分子に対して、スルホン酸基を導入した構造であることを特徴とする化合物である。ここで芳香族ポリエーテル系高分子とは、主として芳香環から構成される高分子において、芳香環ユニットが連結する様式としてエーテル結合が含まれているものをいう。エーテル結合以外に、直接結合、ケトン、スルホン、スルフィド、各種アルキレン、イミド、アミド、エステル、ウレタン等、芳香族系ポリマーの形成に一般的に使用される結合様式が存在していても良い。エーテル結合は主構成成分の繰り返し単位あたり1個以上あることが好ましく、2個以上あることが特に好ましい。芳香環は炭化水素系芳香環だけでなく、ヘテロ環などを含んでいても良い。また、芳香環ユニットと共に一部脂肪族系ユニットがポリマーを構成していてもかまわない。芳香族ユニットは、アルキル基、アルコキシ基、芳香族基、アリロキシ基等の炭化水素系基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン化アルキル基、カルボキシル基、ホスホン酸基、水酸基等、任意の置換基を有していても良い。
本発明のスルホン酸基を含有する芳香族ポリエーテル系化合物は、ポリマー構造中にジオキシビフェニレンユニット(単位あたりの分子量が184.19に相当)が52wt%以上存在する上記芳香族ポリエーテル系高分子に、スルホン酸基が導入された構造を有している。ジオキシビフェニレンユニットが52wt%以上であることにより、十分なイオン伝導性を引き出すために必要な量のスルホン酸基を導入しても、湿度による膨潤が小さく、特に高温高湿下での寸法安定性に優れた特性を示す。ビフェニレンユニットが54wt%以上であればより好ましい。ビフェニレンユニットが52wt%未満であると、同様の条件にスルホン酸基を導入した場合、高温高湿条件では膨潤による寸法変化が大きくなってしまう。
本発明のスルホン酸基を含有する芳香族ポリエーテル系化合物におけるスルホン酸基は芳香環上に直接導入されていても良く、芳香環の置換基を介して導入されていても良い。スルホン酸基は、プロトンをともなう酸型で存在する他、金属塩、アミン系塩等、各種の塩として存在しても良い。導入するスルホン酸基量は、イオン伝導性高分子膜として使用する場合には0.2〜6.0meq/gの範囲で導入されていることが好ましい。0.2meq/gよりも少ない場合は、十分なイオン伝導性が発現しなくなる。6.0meq/gより多くなると、耐水性が低下する傾向となる。このうち、1.0〜3.0meq/gの範囲にあることが好ましく、1.5〜2.3meq/gの範囲にあることが特に好ましい。
本発明に関わる芳香族ポリエーテル系化合物は、活性化ジハロゲン化芳香族化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物の芳香族求核置換反応、またはハロゲン化芳香族ヒドロキシ化合物の芳香族求核置換反応を利用して合成することができる。モノマーの少なくとも1種にスルホン酸基を導入しておくこと、または芳香族ポリエーテルとして重合した後に適当なスルホン化剤を用いた反応により、スルホン酸基をポリマー中に導入することができる。
芳香族求核置換反応で使用できる活性化ジハロゲン化芳香族化合物の構造はとくに制限されるものではないが、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロジフェニルケトン、4,4’−ジフルオロジフェニルケトン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、等を挙げることができる。活性化ジハロゲン化芳香族化合物にビフェニレンユニットが含まれない場合には、分子量の低いジハロゲン化芳香族化合物を用いることが特に好ましい。これら活性化ジハロゲン化芳香族化合物は、単独で使用することができるが、複数のジハロゲン化芳香族化合物を併用することも可能である。芳香族ジヒドロキシ化合物としては、4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)−4,4’−ビフェニル、4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ハイドロキノン、レゾルシン等があげられるが、この他にも芳香族求核置換反応によるポリアリーレンエーテル系化合物の重合に用いることができる各種芳香族ジオールを使用することもできる。これら芳香族ジオールは、単独で使用することができるが、複数の芳香族ジオールを併用することも可能である。本発明の芳香族ポリエーテルにビフェニレンユニットを導入するには、4,4’−ビフェノールの使用によるものが特に好ましい。また、ハロゲン化芳香族ヒドロキシ化合物としても特に制限されることはないが、4−ヒドロキシ−4’−クロロベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−4’−フルオロベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−4’−クロロジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−フルオロジフェニルスルホン、4−クロロ−4’−(p−ヒドロキシフェニル)ジフェニルスルホン、4−フルオロ−4’−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾフェノン、等を例として挙げることができる。これらは、単独で使用することができるほか、2種以上の混合物として使用することもできる。さらに、活性化ジハロゲン化芳香族化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物の反応においてこれらのハロゲン化芳香族ヒドロキシ化合物を共に反応させて芳香族ポリエーテル系化合物を合成しても良い。
芳香族求核置換反応において、スルホン酸基含有モノマーを用いて重合する場合には、任意のモノマーにスルホン酸基を導入したものを用いても良いが、その場合、例えば3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルケトン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、およびそれらのスルホン酸基が1価カチオン種との塩になったものが挙げられる。1価カチオン種としては、ナトリウム、カリウムや他の金属種や各種アミン類等でも良く、これらに制限される訳ではない。
本発明における芳香族求核置換反応による重合は、上記モノマー混合物を塩基性化合物の存在下で反応させることで重合体を得ることができる。重合は、0〜350℃の温度範囲で行うことができるが、50〜250℃の温度であることが好ましい。0℃より低い場合には、十分に反応が進まない傾向にあり、350℃より高い場合には、ポリマーの分解も起こり始める傾向がある。反応は、無溶媒下で行うこともできるが、溶媒中で行うことが好ましい。使用できる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、スルホランなどを挙げることができるが、これらに限定されることはなく、芳香族求核置換反応において安定な溶媒として使用できるものであればよい。これらの有機溶媒は、単独でも2種以上の混合物として使用されても良い。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等があげられるが、芳香族ジオール類を活性なフェノキシド構造にしうるものであれば、これらに限定されず使用することができる。芳香族求核置換反応においては、副生物として水が生成する場合がある。この際は、重合溶媒とは関係なく、トルエンなどを反応系に共存させて共沸物として水を系外に除去することもできる。水を系外に除去する方法としては、モレキュラーシーブなどの吸水剤を使用することもできる。芳香族求核置換反応を溶媒中で行う場合、得られるポリマー濃度として5〜50重量%となるようにモノマーを仕込むことが好ましい。5重量%よりも少ない場合は、重合度が上がりにくい傾向がある。一方、50重量%よりも多い場合には、反応系の粘性が高くなりすぎ、反応物の後処理が困難になる傾向がある。重合反応終了後は、反応溶液より蒸発によって溶媒を除去し、必要に応じて残留物を洗浄することによって、所望のポリマーが得られる。また、反応溶液を、ポリマーの溶解度が低い溶媒中に加えることによって、ポリマーを固体として沈殿させ、沈殿物の濾取によりポリマーを得ることもできる。
モノマーの少なくとも1種にスルホン酸基を含有する芳香族求核置換反応を用いて本発明のスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物を合成する際には、モノマーとして下記一般式(1)とともに一般式(2)で表される化合物とビスフェノール系化合物を用いて製造することが特に好ましい。
Figure 2004263167
ただし、Yはスルホン基またはケトン基、Xは1価のカチオン種、Zは塩素またはフッ素から選ぶことができ、異なる組み合わせとしても良い。
本発明に使用できる芳香族ポリエーテル系化合物は、フリーデルクラフツ反応として知られる芳香族求電子置換反応によっても合成することができる。この際の求電子的攻撃を受ける芳香族モノマーとしてはジフェニルエーテル、1,4−ジフェノキシベンゼン、1,3−ジフェノキシベンゼン、4,4’−ジフェノキシジフェニル、3,3’−ジフェノキシジフェニル、ビス(4−フェニルフェノキシ)−1,4−ベンゼン、ビス(4−フェニルフェノキシ)−4,4’−ビフェニル、4−フェノキシビフェニル、ビス(4−フェノキシフェニル)エーテル、ビス(3−フェノキシフェニル)エーテル、4,4’−ビス(4−フェノキシフェニル)ジフェニルエーテル、4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、ビス[4−(4−フェノキシベンゾイル)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−フェノキシベンゾイル)フェニル]エーテル、ビフェニル、ターフェニル、クオーターフェニル等一般に本反応で使用されるものを使用することができ、2種以上を組み合わせて使用することもできる。このうち、例えば4,4’−ビス(4−フェノキシフェニル)ジフェニルエーテルのようにその構造内にジオキシビフェニレン構造を含有するものを主成分とすることが好ましい。求電子的攻撃をするモノマーとしては、芳香族ジカルボン酸クロリドを使用することができる。これらの例としては、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロリド、1,5−ナフタレンジカルボン酸クロリド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロリド、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、等一般に本反応で使用されるものを用いることができ、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、4−フェノキシ安息香酸クロリドなどの自己縮合型モノマーを併用して重合することもできる。
上記芳香族求電子置換反応条件は特に限定されることはないが、例えば塩化アルミニウムを触媒とするフリーデルクラフツ反応を用いることができる。このとき溶媒としては、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン含有炭化水素、ニトロベンゼン、二硫化炭素などが使用することができる。これ以外にも、フッ化水素/三フッ化ホウ素系等の他溶媒系や、塩化亜鉛、臭化アルミニウム、塩化第二鉄、四塩化チタンなどの他の触媒系、等を用いることもできる。また、芳香族ジカルボン酸をモノマーとしてポリリン酸中等で脱水重縮合することもできる。
芳香族求核置換反応、芳香族求電子置換反応のいずれにおいても、スルホン酸基を有しない形で得られた芳香族ポリエーテル系化合物は、スルホン化反応を行うことによりスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物とすることができる。スルホン酸基を含有する芳香族ポリエーテル系化合物を製造するために用いられるスルホン化剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、濃硫酸や発煙硫酸(例えば、Solid State Ionics,106,P.219(1998)に開示)、クロル硫酸(例えば、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,22,P.295(1984に開示))、無水硫酸錯体(例えば、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,22,P.721(1984)、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,23,P.1231(1985)等に開示)などを好適に使用することができる
また、該周知のスルホン化剤に加えて、特許第2884189号公報に記載のスルホン化剤、すなわち、1,3,5−トリメチルベンゼン−2−スルホン酸、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4−ジスルホン酸、1,2,4−トリメチルベンゼン−5−スルホン酸、1,2,4−トリメチルベンゼン−3−スルホン酸、1,2,3−トリメチルベンゼン−4−スルホン酸、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン−5−スルホン酸、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン−4−スルホン酸、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン−3−スルホン酸、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン−3,6−ジスルホン酸、1,2,3,4,5−ペンタメチルベンゼン−6−スルホン酸、1,3,5−トリエチルベンゼン−2−スルホン酸、1−エチル−3,5−ジメチルベンゼン−4−スルホン酸、1−エチル−3,4−ジメチルベンゼン−6−スルホン酸、1−エチル2,5−ジメチルベンゼン−3−スルホン酸、1,2,3,4−テトラエチルベンゼン−5−スルホン酸、1,2,4,5−テトラエチルベンゼン−3−スルホン酸、1,2,3,4,5−ペンタエチルベンゼン−6−スルホン酸、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2−スルホン酸、1−プロピル−3,5−ジメチルベンゼン−4−スルホン酸などを用いることも可能である。
上記のスルホン化剤の中でも、スルホン酸基の両側のオルト位に低級アルキル基が置換された化合物、たとえば、1,3,5−トリメチルベンゼン−2−スルホン酸、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン−3−スルホン酸、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン−4−スルホン酸、1,2,3,4,5−ペンタメチルベンゼン−6−スルホン酸、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4−ジスルホン酸、1,3,5−トリエチルベンゼン−2−スルホン酸、等が特に好ましく、さらには、1,3,5−トリメチルベンゼン−2−スルホン酸が最も好ましい。
ここで、本発明のスルホン酸基を含有する芳香族ポリエーテル系化合物を製造する際は、芳香族ポリエーテル系化合物100質量部に対して、これらのスルホン化剤は30〜50,000質量部の範囲で加えることが好ましく、50〜10,000質量部の範囲で加えればさらに好ましい。スルホン化剤の添加量が30質量部未満の場合には、スルホン化反応が十分に進行しない傾向があり、スルホン化剤の添加量が50,000質量部を越える場合には、反応後のスルホン化剤処理に多くの労力が必要となる傾向がある。
また、本発明のスルホン酸基を含有する芳香族ポリエーテル系化合物を製造するために用いられる有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、芳香族ポリエーテル系化合物および/またはスルホン化剤を溶解し、スルホン化反応に悪影響を及ぼさないものであれば従来公知のものを使用することができる。具体例としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、などのハロゲン化脂肪族炭化水素類、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、等のハロゲン化芳香族炭化水素類、ニトロメタン、ニトロベンゼン、などのニトロ化合物、トリメチルベンゼン、トリブチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、などのアルキルベンゼン類、スルホラン、等の複素環化合物類、オクタン、デカン、シクロヘキサン、等の直鎖、分岐鎖または環状の脂肪族炭化水素類が挙げられる。
これらの溶剤は、一種または二種以上を混合してもよく、その使用量は、芳香族ポリエーテル系化合物およびスルホン化剤の種類により適宜選択されるが、通常はスルホン化剤100質量部に対して100〜2,000質量部の範囲にあることが好ましい。溶剤の量が100質量部未満の場合には、均一なスルホン化反応を進めることが困難となる傾向があり、溶剤の量が2,000質量部を超える場合には、反応後の溶剤とスルホン化剤との分離、溶剤の回収に多くの労力が必要となる傾向がある。
スルホン酸基導入量は必要に応じ、芳香族ポリエーテル系化合物に対して、スルホン化剤、反応温度、反応時間等のスルホン化条件を設定することによりコントロールすることができる。反応温度は−20〜150℃の範囲、反応時間は0.1〜100時間の範囲でスルホン化反応を行うことが好ましい。反応温度が−20℃未満では、スルホン化反応の反応速度が遅くなり、反応温度が150℃を超えると、スルホン化の制御が困難となってしまう問題がある。また、本発明のスルホン酸基を含有する芳香族ポリエーテル系化合物を得るためには、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下でスルホン化を行うことが好ましい。得られる重合体が酸化劣化することを防止するためである。
また、本発明のスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物は、後で述べる方法により測定したポリマー対数粘度が0.1以上であることが好ましい。対数粘度が0.1よりも小さいと、イオン伝導膜として成形したときに、膜が脆くなりやすくなる。還元比粘度は、0.3以上であることがさらに好ましい。一方、還元比粘度が5を超えると、ポリマーの溶解が困難になるなど、加工性での問題が出てくるので好ましくない。なお、対数粘度を測定する溶媒としては、一般にN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどの極性有機溶媒を使用することができるが、これらに溶解性が低い場合には濃硫酸を用いて測定することもできる。
本発明のスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物は、単体として使用することができるが、他のポリマーとの組み合わせによる樹脂組成物として使用することもできる。これらのポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン12などのポリアミド類、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル類、ポリメチルアクリレート、ポリアクリル酸エステル類などのアクリレート系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンやジエン系ポリマーを含む各種ポリオレフィン、ポリウレタン系樹脂、酢酸セルロース、エチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリアリレート、アラミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾールなどの芳香族系ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などの熱硬化性樹脂等、特に制限はない。ポリベンズイミダゾールやポリビニルピリジンなどの塩基性ポリマーとの樹脂組成物は、ポリマー寸法性の向上のために好ましい組み合わせと言える、これらの塩基性ポリマー中に、さらにスルホン酸基を導入しておくと、組成物の加工性がより好ましいものとなる。これら樹脂組成物として使用する場合には、本発明のスルホン酸基を含有する芳香族ポリエーテル系化合物は、樹脂組成物全体の50質量%以上100質量%未満含まれていることが好ましい。より好ましくは70質量%以上100質量%未満である。本発明のスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物の含有量が樹脂組成物全体の50重量%未満の場合には、この樹脂組成物を含むイオン伝導膜のスルホン酸基濃度が低くなり良好なイオン伝導性が得られない傾向にあり、また、スルホン酸基を含有するユニットが非連続相となり伝導するイオンの移動度が低下する傾向にある。なお、本発明の組成物は、必要に応じて、例えば酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋剤、粘度調整剤、静電気防止剤、抗菌剤、消泡剤、分散剤、重合禁止剤、などの各種添加剤を含んでいても良い。
本発明のスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物およびその樹脂組成物は、押し出し、紡糸、圧延またはキャストなど任意の方法で繊維やフィルムなどの成形体とすることができる。中でも適当な溶媒に溶解した溶液から成形することが好ましい。この溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミドなどの非プロトン性極性溶媒や、メタノール、エタノール等のアルコール類から適切なものを選ぶことができるがこれらに限定されるものではない。これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。溶液中の化合物濃度は0.1〜50重量%の範囲であることが好ましい。溶液中の化合物濃度が0.1重量%未満であると良好な成形物を得るのが困難となる傾向にあり、50重量%を超えると加工性が悪化する傾向にある。溶液から成形体を得る方法は従来から公知の方法を用いて行うことができる。たとえば、加熱、減圧乾燥、化合物を溶解する溶媒と混和することができる化合物非溶媒への浸漬等によって、溶媒を除去し成形体を得ることができる。溶媒が、有機溶媒の場合には、加熱又は減圧乾燥によって溶媒を留去させることが好ましい。この際、必要に応じて他の化合物と複合された形で繊維状、フィルム状、ペレット状、プレート状、ロッド状、パイプ状、ボール状、ブロック状などの様々な形状に成形することもできる。溶解挙動が類似する化合物と組み合わせた場合には、良好な成形ができる点で好ましい。このようにして得られた成形体中のスルホン酸基はカチオン種との塩の形のものを含んでいても良いが、必要に応じて酸処理することによりフリーのスルホン酸基に変換することもできる。
本発明のスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物およびその樹脂組成物からイオン伝導膜を作製することができる。イオン伝導膜を成形する手法として最も好ましいのは、溶液からのキャストであり、キャストした溶液から上記のように溶媒を除去してイオン伝導膜を得ることができる。溶媒の除去は、乾燥によることがイオン伝導膜の均一性からは好ましい。また、化合物や溶媒の分解や変質を避けるため、減圧下でできるだけ低い温度で乾燥することもできる。また、溶液の粘度が高い場合には、基板や溶液を加熱して高温でキャストすると溶液の粘度が低下して容易にキャストすることができる。キャストする際の溶液の厚みは特に制限されないが、10〜1000μmであることが好ましい。より好ましくは50〜500μmである。溶液の厚みが10μmよりも薄いとイオン伝導膜としての形態を保てなくなる傾向にあり、1000μmよりも厚いと不均一な高分子電解質膜ができやすくなる傾向にある。溶液のキャスト厚を制御する方法は公知の方法を用いることができる。例えば、アプリケーター、ドクターブレードなどを用いて一定の厚みにしたり、ガラスシャーレなどを用いてキャスト面積を一定にして溶液の量や濃度で厚みを制御することができる。キャストした溶液は、溶媒の除去速度を調整することでより均一な膜を得ることができる。例えば、加熱する場合には最初の段階では低温にして蒸発速度を下げたりすることができる。また、水などの非溶媒に浸漬する場合には、溶液を空気中や不活性ガス中に適当な時間放置しておくなどして化合物の凝固速度を調整することができる。本発明のイオン伝導膜は目的に応じて任意の膜厚にすることができるが、イオン伝導性の面からはできるだけ薄いことが好ましい。具体的には5〜200μmであることが好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましく、5〜20μmであることが最も好ましい。イオン伝導膜の厚みが5μmより薄いとイオン伝導膜の取扱が困難となり燃料電池を作製した場合に短絡等が起こる傾向にあり、200μmよりも厚いとイオン伝導膜の電気抵抗値が高くなり燃料電池の発電性能が低下する傾向にある。イオン伝導膜として使用する場合、膜中のスルホン酸基は金属塩になっているものを含んでいても良いが、適当な酸処理によりフリーのスルホン酸に変換することもできる。この場合、硫酸、塩酸、等の水溶液中に加熱下あるいは加熱せずに膜を浸漬処理することで行うことも効果的である。また、イオン伝導膜のイオン伝導率は1.0x10-3S/cm以上であることが好ましい。イオン伝導率が1.0x10-3S/cm以上である場合には、そのイオン伝導膜を用いた燃料電池において良好な出力が得られる傾向にあり、1.0x10-3S/cm未満である場合には燃料電池の出力低下が起こる傾向にある。
本発明のイオン伝導膜は、メタノールを燃料とするダイレクトメタノール型燃料電池にも有用であることが特徴である。平均厚さ50μmの膜を作製し、5Mメタノール水溶液を用いて25℃で測定したメタノール透過速度が7mmol/m2・sec以下の値を示すイオン伝導膜が好ましい。メタノール透過速度は4mmol/m2・sec以下であればさらに好ましく、1mmol/m2・sec以下であればより好ましい。このようなメタノール透過性を示すときに特に優れた発電特性を示すためである。なお、膜厚が異なるとメタノール透過速度は一般に大きく異なる傾向を示す。このためメタノール透過性評価は平均厚み50μmの試料を作製して評価しているが、実際に燃料電池用イオン伝導膜として使用する際には、特に膜厚を限定しているわけではない。平均厚み50μmの膜とは、実質上は平均厚み48μmから平均厚み52μmの範囲に入っているものを示すものとする。
また、上述した本発明のイオン伝導膜またはフィルム等を電極に設置することによって、本発明のイオン伝導膜またはフィルム等と電極との接合体を得ることができる。この接合体の作製方法としては、従来から公知の方法を用いて行うことができ、例えば、電極表面に接着剤を塗布しイオン伝導膜と電極とを接着する方法またはイオン伝導膜と電極とを加熱加圧する方法等がある。この中でも本発明のスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物およびその樹脂組成物を主成分とした接着剤を電極表面に塗布して接着する方法が好ましい。イオン伝導膜と電極との接着性が向上し、また、イオン伝導膜のイオン伝導性を損なうことが少なくなると考えられるためである。
上述したイオン伝導膜またはフィルム等と電極との接合体を用いて、燃料電池を作製することもできる。本発明のイオン伝導膜またはフィルム等は、耐熱性、加工性、イオン伝導性に優れているため、高温での運転にも耐えることができ、作製が容易で、良好な出力を有する燃料電池を提供することができる。また、上述したイオン伝導膜またはフィルム等と電極との接合体を用いて水電解装置を作成することもできる。本発明のイオン伝導膜またはフィルム等は、耐熱性、加工性、イオン伝導性とともにガスバリア性に優れているため、電流効率の損失が少ない良好な水電解装置を提供することができる。
以下本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。なお、各種測定は次のように行った。
溶液粘度:ポリマー粉末を0.5g/dlの濃度でN−メチルピロリドンに溶解し、30℃の恒温槽中でウベローデ型粘度計を用いて粘度測定を行い、対数粘度ln[ta/tb]/c)で評価した(taは試料溶液の落下秒数、tbは溶媒のみの落下秒数、cはポリマー濃度)。
TGA:島津製作所製熱重量測定計(TGA-50)を用い、アルゴン雰囲気中、昇温速度10℃/minで測定を行った(途中、150℃で30分保持して水分を十分除去する)。
イオン伝導性測定:自作測定用プローブ(ポリテトラフルオロエチレン製)上で短冊状膜試料の表面に白金線(直径:0.2mm)を押しあて、80℃95%RHの恒温・恒湿オーブン(株式会社ナガノ科学機械製作所、LH−20−01)中に試料を保持し、白金線間のインピーダンスをSOLARTRON社1250FREQUENCY RESPONSE ANALYSERにより測定した。極間距離を変化させて測定し、極間距離とC−Cプロットから見積もられる抵抗測定値をプロットした勾配から以下の式により膜と白金線間の接触抵抗をキャンセルした導電率を算出した。
導電率[S/cm]=1/膜幅[cm]x膜厚[cm]x抵抗極間勾配[Ω/cm]
高温高湿寸法安定性試験:TOMY製High Pressure Steam Sterilizer BS-325を用い、130℃飽和蒸気雰囲気条件に4時間放置した試料の形態変化を調べた。
ポリマー骨格構造中のジオキシビフェニレン基量の測定方法:ポリマー重合時にモノマー仕込み比が明確な場合は、そこから骨格構造中のジオキシビフェニレン基量を計算できるが、H−NMR測定によりジオキシビフェニレン含有量を求めることもできる。この際、イオン交換容量(IEC)から求めたスルホン酸基量や赤外スペクトルなどによる構造情報を参考にすることも有用である。
H−NMR測定:Varian社Gemini−200NMR分光器を使用し、DMSO−d6溶液、80℃で測定した。
メタノール透過速度:イオン交換膜の液体燃料透過速度はメタノールの透過速度として、以下の方法で測定した。25℃に調整した5M(モル/リットル)のメタノール水溶液に24時間浸漬した平均厚み50μmのイオン交換膜(平均厚みが48μmから52μmの範囲に入っているものを平均厚み50μmの膜とする)をH型セルに挟み込み、セルの片側に100mlの5Mメタノール水溶液を、他方のセルに100mlの超純水(18MΩ・cm)を注入し、25℃で両側のセルを撹拌しながら、イオン交換膜を通って超純水中に拡散してくるメタノール量をガスクロマトグラフを用いて測定することで算出した(イオン交換膜の面積は、2.0cm2)。
イオン交換容量(IEC):窒素雰囲気下で一晩乾燥した試料の重量を量り、水酸化ナトリウム水溶液と撹拌処理した後、塩酸水溶液による逆滴定でもとめた。
発電評価:Pt/Ru触媒担持カーボン(田中貴金属工業株式会社TEC61E54)に少量の超純水およびイソプロピルアルコールを加えて湿らせた後、デュポン社製20%ナフィオン溶液(品番:SE−20192)を、Pt/Ru触媒担持カーボンとナフィオンの重量比が2.5:1になるように加えた。次いで撹拌してアノード用触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを、ガス拡散層となる東レ製カーボンペーパーTGPH−060に白金の付着量が2mg/cm2になるようにスクリーン印刷により塗布乾燥して、アノード用電極触媒層付きカーボンペーパーを作製した。また、Pt触媒担持カーボン(田中貴金属工業株式会社TEC10V40E)に少量の超純水およびイソプロピルアルコールを加えて湿らせた後、デュポン社製20%ナフィオン溶液(品番:SE−20192)を、Pt触媒担持カーボンとナフィオンの重量比が2.5:1となるように加え、撹拌してカソード用触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを、撥水加工を施した東レ製カーボンペーパーTGPH−060に白金の付着量が1mg/cm2となるように塗布・乾燥して、カソード用電極触媒層付きカーボンペーパーを作製した。上記2種類の電極触媒層付きカーボンペーパーの間に、膜試料を、電極触媒層が膜試料に接するように挟み、ホットプレス法により130℃、8MPaにて3分間加圧、加熱することにより、膜−電極接合体とした。この接合体をElectrochem社製評価用燃料電池セルFC25−02SPに組み込み、燃料電池発電試験機(株式会社東陽テクニカ製)を用いて発電試験を行った。発電は、セル温度40℃で、アノードおよびカソードにそれぞれ40℃に調整した2mol/lのメタノール水溶液(1.5ml/min)および高純度酸素ガス(80ml/min)を供給しながら行った。
実施例1
3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン2ナトリウム塩(略号:S−DCDPS)15.225g(0.03099mole)、2,6−ジシアノベンゾニトリル(略号:DCBN)8.695g(0.05057mole)、4,4’−ビフェノール15.1873g(0.08156mole)、炭酸カルシウム12.963g(0.09379mole)を300ml四つ口フラスコに計り取り、窒素を流した。110mlのNMPを入れて、150℃で一時間撹拌した後、反応温度を195−200℃に上昇させて系の粘性が十分上がるのを目安に反応を続けた(約6時間)。放冷の後、沈降しているモレキュラーシーブを除いて水中にストランド状に沈殿させた。得られたポリマーは、沸騰水中で1時間洗浄した後、乾燥した。ポリマーの対数粘度は0.78を示した。このポリマーの骨格構造中のジオキシビフェニレン基量は56.0wt%である。ポリマー1gをNMP5mlに溶解し、ホットプレート上ガラス板に約200μm厚にキャストし、フィルム状になるまでNMPを留去した後、水中に一晩以上浸漬した。得られたフィルムは、希硫酸(濃硫酸6ml、水300ml)中で1時間沸騰水処理して塩をはずした後、純水でさらに1時間煮沸することで酸成分を除去した。得られたフィルムのIRスペクトルを図1に示す。本フィルムの滴定でもとめたIECは、1.85meq/gであり、イオン伝導性を測定したところ、0.20S/cmの値を示した。本フィルムの熱重量測定による3%重量減少温度(200℃での試料重量を基準にして測定)は391℃であった。本フィルムを130℃飽和蒸気雰囲気条件に4時間放置したが、フィルム形態を良好に保持していた。また、厚みが50μmとなるように作製したフィルムを用いて、メタノール透過性を測定したところ、5.9mmol/m2・secの値を示した。
実施例2
実施例1においてS−DCDPSとDCBNの比率をS−DCDPS:DCBN=44:56(モル比)として、同様の評価を行った。本ポリマー骨格構造のジオキシビフェニレン基量は、54.8wt%である。ポリマー対数粘度は0.77であった。作製したフィルムの滴定でもとめたIECは、2.02meq/g、イオン伝導率は0.28S/cm、3%重量減少温度は381℃であった。本フィルムを130℃飽和蒸気雰囲気条件に4時間放置したが、フィルム形態を良好に保持していた。
比較例1
実施例1において、S−DCDPS11.872g(0.02417mole)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(略号:DCDPS)8.482g(0.02954mole)、4,4‘−ビフェノール10.000g(0.05370mole)、炭酸カルシウム8.536g(0.06176mole)、NMP100mlとして、同様の評価を行った。本ポリマー骨格構造のジオキシビフェニレン基量は、46.0wt%である。11時間重合したポリマー対数粘度は0.71であった。作製したフィルムの滴定でもとめたIECは、1.69meq/g、イオン伝導率は0.19S/cm、3%重量減少温度は372℃であった。本フィルムを130℃飽和蒸気雰囲気条件に4時間放置したが、フィルムが融着し、形態の崩れが認められた。
比較例2
比較例1において,S−DCDPSとDCDPSの代わりにS−DCDPS10.553g(0.02148mole)、DCDPS3.855g(0.01343mole)、DCBN3.233g(0.01880mole)として、同様の評価を行った。本ポリマー骨格構造のジオキシビフェニレン基量は、51.3wt%である。7時間重合したポリマー対数粘度は0.66であった。作製したフィルムの滴定でもとめたIECは、1.71meq/g、イオン伝導率は0.17S/cm、3%重量減少温度は377℃であった。本フィルムを130℃飽和蒸気雰囲気条件に4時間放置したが、フィルムの融着がおこり、形態の崩れが認められた。
実施例3
比較例2において、S−DCDPS10.025g(0.02041mole)、DCDPS1.851g(0.00644mole)、DCBN4.619g(0.02685mole)として、同様の評価を行った。本ポリマー骨格構造のジオキシビフェニレン基量は、53.7wt%である。7時間重合したポリマー対数粘度は0.62であった。作製したフィルムの滴定でもとめたIECは、1.73meq/g、イオン伝導率は0.16S/cm、3%重量減少温度は372℃であった。本フィルムを130℃飽和蒸気雰囲気条件に4時間放置したが、フィルムの融着は認められなかった。
実施例4
実施例1において、S−DCDPSを使用せず、DCBNを14.029g(0.08156mole)として、同様に重合を行った。2時間の反応で、対数粘度1.65のポリマーが得られた。本ポリマーのジオキシビフェニレン基量は64.6wt%である。ポリマー1gを濃硫酸20mlとともに65℃に加熱して7時間攪拌した。ポリマー溶液を水中に注いでポリマーを回収し、洗液が中性になるまで水洗を繰り返した後乾燥した。得られたスルホン化ポリマーの収量は1.1gであった。滴定でもとめたIECは、1.61meq/gであった。本試料を130℃飽和蒸気雰囲気条件に4時間放置したが、形態の明確な変化は認められなかった。
実施例5
実施例1で得られたポリマーから作製したフィルムを用いて、発電評価を実施した。電流密度0.15A/cm2において電圧0.28Vを示し、良好な発電特性を示した。
実施例6
40%Pt/Ir触媒担持カーボンとナフィオン(登録商標)(EW=1100)を、重量比で2.5:1となるように、Pt/Ir触媒担持カーボンにデュポン社製20%ナフィオン(登録商標)溶液を加えることで調整した。次いで、撹拌することでアノード用触媒ペーストを調製した。また、Pt/Ir触媒担持カーボンの代わりに40%Pt触媒担持カーボンを用いて、同様の手法により、カソード用触媒ペーストを調整した。この触媒ペーストを、スクリーン印刷により、東レ製カーボンペーパーTGPH−060に塗布乾燥して、アノードおよびカソード電極をそれぞれ作製した。両電極間に実施例1で得られたポリマーから作製したフィルムを、電極触媒層が膜試料と接するように挟み、130℃にて3分間、加圧・加熱することにより、電極とイオン交換膜を接合した。この接合体をElectrochem社製の測定セルFC25−02SPに組み込んだ後、アノード側より超純水を流しながら両電極間に電圧を徐々に印加した所、アノード側から酸素ガス、カソード側から水素ガスが発生した。
本発明のスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物により、イオン伝導性だけでなく耐熱性、加工性に優れた、特に高温高湿下での寸法安定性に優れた燃料電池などの高分子電解質として際立った性能を示す材料を提供することができる。これらの特性を活かして、本発明のスルホン酸基含有芳香族ポリエーテル系化合物は、各種電池電解質、表示素子、センサー、信号伝達媒体、コンデンサー、電気透析、電気分解用膜など幅広い用途分野に利用することができ、産業界に寄与することが大である。
S−DCDPS:DCBN=38:62で得られたスルホン化ポリアリールエーテルのIRスペクトル。

Claims (11)

  1. ポリマー構造中にジオキシビフェニレンユニット(−O−Ph−Ph−O−)を52wt%以上含む芳香族ポリエーテル系高分子に対して、スルホン酸基を導入した構造であることを特徴とする化合物。
  2. スルホン酸基含有量が、0.2〜6.0meq/gの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. 請求項1乃至2に記載の化合物を50〜100質量%含むことを特徴とする組成物。
  4. 請求項1乃至3に記載の化合物を含有することを特徴とするイオン伝導膜。
  5. 請求項4に記載のイオン伝導膜と電極とを含有することを特徴とする複合体。
  6. 請求項5に記載の複合体を含有することを特徴とする燃料電池。
  7. メタノールを燃料とすることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
  8. 請求項5に記載の複合体を含有することを特徴とする水電解装置。
  9. 請求項1乃至2に記載の化合物を含有することを特徴とする接着剤。
  10. 一般式(1)とともに一般式(2)で表される化合物とビスフェノール系化合物をモノマーとして含む芳香族求核置換反応により重合することを特徴とする請求項1乃至3に記載の芳香族ポリエーテル系化合物の製造方法。
    Figure 2004263167
    ただし、Yはスルホン基またはケトン基、Xは1価のカチオン種、Zは塩素またはフッ素を示す。
  11. 請求項1乃至3に記載の化合物と、溶剤とを含有する溶液を、キャスト厚が10〜1000μmの範囲となるようにキャストする工程と、キャストした溶液を乾燥させる工程とを含むことを特徴とする請求項4に記載のイオン伝導膜の製造方法。
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