JP2004263015A - 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形品の外観に優れた熱可塑性エラストマーを得る事が出来る熱可塑性エラストマーの製造方法を提供する。
【解決手段】ゴム成分および樹脂成分を含む熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、下記第一工程から第四工程の連続的な工程よりなる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
第一工程:ゴムベールを切断して塊状ゴムとする工程
第二工程:塊状ゴムを軟化溶融して混練押出機に供給する工程
第三工程:第二工程で軟化溶融されたゴム成分に対して、用いる樹脂成分および添加剤の全量または一部量並びに用いる架橋剤の一部量を供給する工程
第四工程:第三工程に続いて、第三工程とは異なる供給口より用いる架橋剤の残量を混練押出機に供給し、混練・架橋を行う工程
【選択図】 図1
【解決手段】ゴム成分および樹脂成分を含む熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、下記第一工程から第四工程の連続的な工程よりなる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
第一工程:ゴムベールを切断して塊状ゴムとする工程
第二工程:塊状ゴムを軟化溶融して混練押出機に供給する工程
第三工程:第二工程で軟化溶融されたゴム成分に対して、用いる樹脂成分および添加剤の全量または一部量並びに用いる架橋剤の一部量を供給する工程
第四工程:第三工程に続いて、第三工程とは異なる供給口より用いる架橋剤の残量を混練押出機に供給し、混練・架橋を行う工程
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はゴムと熱可塑性樹脂および架橋剤とを溶融混練する事により熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法に関する。更に詳しくは、本発明は成形品の外観に優れた熱可塑性エラストマーを得る事が出来る熱可塑性エラストマーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性エラストマーは加硫工程が不要であり、通常の熱可塑性樹脂の成形機で加工が可能という特長をいかして、自動車部品、家電部品、あるいは雑貨等を始めとする広い分野において用途が開発されている。この中でオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物としては、オレフィン系共重合体ゴムとオレフィン重合体樹脂とを溶融混練して得られる非架橋タイプの組成物や、有機過酸化物など架橋剤の存在下にオレフィン系共重合体ゴムとオレフィン重合体樹脂を溶融混練し、動的に架橋することにより得られる架橋タイプの組成物が知られている。
【0003】
架橋タイプのオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造方法としては、オレフィン系共重合体ゴムとオレフィン重合体樹脂を予め混練し、その後架橋剤を供給し動的に架橋反応を行う方法が多く用いられている。ところが、この方法は、架橋剤の供給量が増加するに従い、架橋剤の分散不良が発生し、熱可塑性エラストマー組成物内の架橋度にバラツキを生じ、ブツが生じる。これにより熱可塑性エラストマー成形品の外観に不良が発生するとの問題点を持っている。
【0004】
このような問題を解決する方法として、用いるゴム成分の全量及び樹脂成分の全量または一部量と用いる架橋剤の一部量を混練機に投入し、樹脂成分が溶融した時点から少なくとも2秒経過後に用いる架橋剤の残量を混練機に投入し、混練・架橋を行う方法が開示されている(特許文献1参照)。しかし、熱可塑性エラストマー組成物の用途拡大に応じて一層の改良が求められている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−194095号公報(第1頁〜第4頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明は、成形品の外観が優れた熱可塑性エラストマーを得る事ができる製造方法を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ゴム成分および樹脂成分を含む熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、下記第一工程から第四工程の連続的な工程よりなる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に係るものである。
第一工程:ゴムベールを切断して塊状ゴムとする工程
第二工程:塊状ゴムを軟化溶融して混練押出機に供給する工程
第三工程:第二工程で軟化溶融されたゴム成分に対して、用いる樹脂成分および添加剤の全量または一部量並びに用いる架橋剤の一部量を供給する工程
第四工程:第三工程に続いて、第三工程とは異なる供給口より用いる架橋剤の残量を混練押出機に供給し、混練・架橋を行う工程
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の第一工程は、ゴムベールを切断して塊状ゴムとする工程である。
【0009】
通常合成工程において生産されるゴムは、72cm×36cm×18cm程度の大きさのベールとして供給される。このベールは混練押出機に直接供給するには大きすぎるので、切断して塊状ゴムとする。続いて第二工程において、この塊状ゴムをゴムメルトフィーダーに供給して、塊状ゴムを軟化溶融し混練押出機に供給する。このように塊状ゴムを予め軟化溶融して混練押出機に供給することにより、混練押出機への塊状ゴムの供給が円滑に行われると共に、樹脂成分との混練性がよくなる。
【0010】
第三工程は、第二工程で軟化溶融されたゴム成分に対して、用いる樹脂成分および添加剤の全量または一部量並びに用いる架橋剤の一部量を供給する工程である。尚、本発明において、添加剤とは架橋剤を除いた、架橋助剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、滑剤、着色顔料、無機充填剤、鉱物油系軟化剤等を言う。
【0011】
樹脂成分および添加剤の全量または一部量並びに用いる架橋剤の一部量を供給して、ゴム成分と樹脂成分の架橋反応を行う。ここで供給する架橋剤の一部量は、架橋剤の全使用量を100部としたとき60部以下である事が好ましい。第三工程における架橋剤の供給量が多いとブツが発生し易く、成形品に外観不良を生じ易い、
【0012】
第四工程は、第三工程に続いて、第三工程とは異なる供給口より用いる架橋剤の残量を混練押出機に供給し、混練・架橋を行う工程である。
【0013】
用いる架橋剤の残量を供給し、ゴム成分と樹脂成分の架橋反応を進める工程である。第四工程における架橋剤の供給は、さらに分割して混練押出機の下流から供給してもよい。このように架橋剤を分割して、架橋反応を徐々に進行させてブツの発生を抑えると共に製品の要望に応じる架橋の程度に制御することができる。
【0014】
本発明における混練押出機としては、混練機能を有するスクリューあるいはローター等が装着された単軸押出機、2軸押出機あるはいは3軸以上の多軸押出機を用いることができる。また、これらの押出機を複数連結し、使用することもできる。第一工程に用いるゴムメルトフィーダーは、上記のような混練押出機の小型機を混練押出機の前段階に設けてもよいし、混練押出機と一体化してゴム成分の軟化溶融部分としてもよい。
【0015】
本発明において、添加剤とは前記のように架橋剤を除く、架橋助剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、滑剤、着色顔料、無機充填剤、鉱物油系軟化剤等を言うが、架橋助剤を使用する場合は、架橋剤を供給する前、あるいは架橋剤と同時に供給することが好ましい。また、架橋助剤以外の添加剤については、押出機のどの部分から供給しても良い。
【0016】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法において、用いるゴム成分は特に限定されるものではないが、オレフィン系共重合体ゴムが好適に用いられる。上記の「オレフィン系共重合体ゴム」とは、オレフィンから誘導される繰り返し単位を該ゴム中に50モル%以上含有する無定型でランダムな弾性共重合体を意味する。オレフィン系共重合体ゴムとして、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとエチレンとからなるグループから選ばれる2種類以上のモノマーの組み合わせを共重合して得られる共重合体を例示することができる。炭素原子数3〜20のα−オレフィンとして、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセンおよび1−エイコセンで例示される直鎖状のα−オレフィン;並びに、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセンおよび2,2,4−トリメチル−1−ペンテンで例示される分岐状のα−オレフィンを例示することができる。
【0017】
上記の炭素原子数3〜20のα−オレフィンとエチレンとからなるグループから選ばれる2種類以上のモノマーの組み合わせとして、エチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/1−ヘキセン、プロピレン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/1−ブテン、エチレン/プロピレン/1−ヘキセン、エチレン/プロピレン/1−オクテン、プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン、プロピレン/1−ブテン/1−オクテン、プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン、エチレン/プロピレン/1−ブテン/1−オクテン、およびエチレン/プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン/1−オクテンなる組み合わせを例示することができる。
【0018】
オレフィン系共重合体ゴムは、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとエチレンとからなるグループから選ばれる2種類以上のモノマーと、非共役ポリエンとの共重合体であってもよい。非共役ポリエンとしては、脂肪族非共役ポリエン、脂環族非共役ポリエンおよび芳香族非共役ポリエン等があげられる。脂肪族非共役ポリエンとしては直鎖状脂肪族非共役ポリエンおよび分岐状脂肪族非共役ポリエンが含まれる。また、これらの非共役ポリエンは、その分子中の水素原子がハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0019】
脂肪族非共役ポリエンの具体例としては、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,5,9−デカトリエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、3−メチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,6−ヘプタジエン、4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4−エチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカテトラエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエン等が挙げられる。
【0020】
脂環族非共役ポリエンの具体例としては、ビニルシクロヘキセン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、メチルテトラヒドロインデン等が挙げられる。
【0021】
上記のオレフィン系共重合体ゴムとして好ましくは、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム、またはプロピレン−1−ブテン共重合体ゴムである。
【0022】
本発明において、架橋タイプの熱可塑性エラストマー組成物を製造する場合に使用するゴムとしてはオレフィン系共重合体ゴムが好ましく、中でもエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムまたはエチレン−プロピレン共重合体ゴムが好ましい。ここで用いられる非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、または5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましく、中でも5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましい。オレフィン系共重合体ゴムとしては、プロピレンから誘導される単位の含有量が10〜55重量%、より好ましくは20〜40重量%、5−エチリデン−2−ノルボルネンから誘導される単位の含有量が1〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%のエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴムが特に好ましい(なお、該共重合体に含有されるエチレン、プロピレンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネンのそれぞれから誘導される単位の合計が100重量%となるよう選択する)。
【0023】
上記オレフィン系共重合体ゴムの製造方法は特に限定されず、公知の方法で製造することができる。該製造に用いられる触媒も特に限定されず、触媒として、従来型の固体触媒等のマルチサイト触媒や、メタロセン錯体を用いてなる触媒で例示されるシングルサイト触媒を例示することができる。該オレフィン系共重合体ゴムとして、市販のゴムを使ってもよい。
【0024】
上記のオレフィン系共重合体ゴムの100℃ムーニー粘度(ML1+4100℃)は、好ましくは30〜350、より好ましくは120〜350、最も好ましくは140〜300である。
【0025】
本発明において用いられるゴム成分や熱可塑性樹脂成分は、必要により、鉱物油系軟化剤と組み合わせて用いることができる。鉱物油系軟化剤の使用方法については、(i)鉱物油系軟化剤のみを押出機の任意の箇所から供給する方法でもよいし、(ii)鉱物油系軟化剤とオレフィン系共重合体ゴムとを混合して得られる油展オレフィン系共重合体ゴムとして用いる方法でもよい。オレフィン系共重合体ゴムの100℃ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜80の場合は(i)の方法が好ましく、該粘度が80〜350の場合は(ii)の方法が好ましい。該粘度が80〜170の場合は(i)と(ii)との併用も好ましく実施される。
【0026】
本発明において、前記(i)の場合は、鉱物油系軟化剤の添加量は、オレフィン系共重合体ゴム100重量部当たり鉱物油系軟化剤150重量部以下である。前記(ii)の場合は、オレフィン系共重合体ゴム100重量部当たり鉱物油系軟化剤を20〜150重量部、好ましくは30〜120重量部含有した油展オレフィン系共重合体ゴムが有用に用いられる。
【0027】
上記「鉱物油系軟化剤」とは、得られる熱可塑性エラストマー組成物の加工性や機械的特性を改良する目的で用いられる高沸点の石油留分を意味する。鉱物油系軟化剤として、パラフィン系留分、ナフテン系留分および芳香族系留分を例示することができ、パラフィン系留分が好ましい。芳香族成分の含有量が多い鉱物油系軟化剤は、得られる熱可塑性エラストマー組成物の汚染性が強くなり、得られる熱可塑性エラストマー組成物を透明な製品あるいは明色な製品に適用し難くなったり、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐光性が悪化したりするため、好ましくない。
【0028】
油展オレフィン系共重合体ゴムの製造方法、すなわち、鉱物油系軟化剤とゴムとを混合する方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。その方法として、(i)ロールやバンバリーミキサーで例示される混練装置を用いて、オレフィン系共重合体ゴムと鉱物油系軟化剤とを機械的に混練する方法や、(ii)オレフィン系共重合体ゴムと溶媒とからなる溶液に鉱物油系軟化剤を添加した後、スチームストリッピングで例示される方法によって脱溶媒する方法を例示することができる。油展オレフィン系共重合体ゴムの好ましい製造方法は上記(ii)の方法であり、該オレフィン系共重合体ゴムと溶媒とからなる溶液として、オレフィン系共重合体ゴムの製造で得られるオレフィン系共重合体ゴム溶液を用いるのが経済的である。
【0029】
本発明で用いる熱可塑性樹脂は、ゴムと共に溶融混練することにより熱可塑性エラストマー組成物となり得る熱可塑性樹脂であり、中でもオレフィン重合体樹脂が好ましい。オレフィン重合体樹脂とはオレフィンを重合して得られる樹脂であり、例えば、エチレン単独重合体;プロピレン単独重合体などのα−オレフィン単独重合体;エチレン−1−ブテン共重合体などのエチレン−α−オレフィン共重合体;プロピレン−(エチレンおよび/または1−ブテン)共重合体などのプロピレン−α−オレフィン共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体などのエチレン系共重合体などが挙げられる。
【0030】
これらのオレフィン重合体樹脂の中でも、プロピレン単独重合体および/またはプロピレン−α−オレフィン共重合体などのアイソタクチック結晶性を有するプロピレン系樹脂が好ましい。ここでいうα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。プロピレン−α−オレフィン共重合体の場合、一般にランダムコポリマーやブロックコポリマーが知られているが、いずれも使用できる。JIS K6758に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定したプロピレン系樹脂のメルトフローレートは好ましくは0.1〜100g/10分の範囲である。
【0031】
上記オレフィン重合体樹脂の製造方法は特に制限されず、公知の製造方法であってもよい。該製造に用いられる触媒も特に限定されず、触媒として、従来型の固体触媒等のマルチサイト触媒や、メタロセン錯体を用いて得られる触媒で例示されるシングルサイト触媒を例示することができる。該オレフィン重合体樹脂として、市販の樹脂を使ってもよい。
【0032】
また本発明では、1種または2種以上の熱可塑性樹脂を必要に応じて用いることができる。
【0033】
オレフィン系共重合体ゴム(A)と熱可塑性樹脂(B)の配合重量比(A)/(B)は、15〜95/85〜5が好ましい。架橋タイプ熱可塑性エラストマー組成物の製造の場合は、35〜90/65〜10、好ましくは60〜90/40〜10が用いられ、非架橋タイプ熱可塑性エラストマー組成物の製造の場合は、15〜80/85〜20、好ましくは15〜50/85〜50である。油展オレフィン系共重合体ゴムを用いる場合、上記ゴムの使用割合は、油展オレフィン系共重合体ゴムの使用割合を意味する。
【0034】
本発明の架橋剤として有機過酸化物が使用される。有機過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジクミルパーオキシド等がある。これらの中では臭気性、スコーチ性の点で特に2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。有機過酸化物の添加量はオレフィン系共重合体ゴムとオレフィン重合体樹脂の合計100重量部に対して0.005〜2.0重量部、好ましくは0.01〜0.6の範囲で選ぶことが出来る。0.005重量部未満では架橋反応の効果が小さく、2.0重量部を超えると反応の制御が難しく、また経済的にも有利ではない。また、有機過酸化物は、液状あるいは粉状物質と希釈して用いることができる。希釈剤としては、オイル、有機溶媒、無機フィラー(シリカ、タルク等)が使用できる。
【0035】
架橋タイプの熱可塑性エラストマー組成物を製造する際、有機過酸化物による動的架橋時に架橋助剤として、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミドP−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン等のパーオキサイド架橋助剤、またはジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性のビニルモノマーを併存させることが出来る。このような化合物の配合により、均一且つ緩和な架橋反応と、オレフィン系共重合体ゴムとオレフィン重合体樹脂との間で反応が起こり、機械的特性を向上させることが可能である。架橋助剤の添加量はオレフィン系共重合体ゴムとオレフィン重合体樹脂の合計100重量部に対して、0.01〜4.0重量部の範囲で選ぶことが出来る。好ましくは0.05〜2.0重量部である。0.01重量部未満では効果が現れ難く、4重量部超えることは経済的に有利ではない。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の内容を、本発明で用いられる混練押出機の概略構成例を示す図1および比較例で用いられる混練押出機の概略構成を示す図2を用いて、より具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0037】
実施例、比較例に用いた混練押出機、ゴム、熱可塑性樹脂、添加剤混合物、架橋剤は下記の通りである。
混練押出機:日本製鋼所製 TEX65
ゴム:油展エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(住友化学工業(株)製;商品名エスプレン670F、ムーニー粘度(ML1+4100℃ 63:ASTM D−927−57Tに従い測定)。
熱可塑性樹脂:ポリピロピレン(住友化学工業(株)製;商品名 ノーブレンY501N、MFR13g/10分:JIS K6758に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定)。
添加剤混合物:架橋助剤(住友化学工業(株)社製;商品名 スミファインBM)/酸化防止剤(住友化学工業(株)社製;商品名 スミライザーBP101)=0.9/0.25重量比より成る混合物。
架橋剤:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを鉱物油系オイル(出光興産製;商品名 ダイアナプロセスオイルPW380)で10重量%に希釈した。
【0038】
実施例1
ゴムをベール切断機11により、3cm大の塊状ゴムとした後、ゴムメルトフィーダー12を通して140kg/hrで連続的に押出機に供給した。樹脂成分14としてポリプロピレンおよび添加剤15を混練押出機に連続的に供給し、溶融混練した。供給量は、ポリプロピレンが22kg/hr、添加剤混合物が1.9kg/hrであった。架橋剤供給口17より架橋剤の一部量2.6kg/hrを、混練押出機に連続的に供給し、溶融混練した。さらに、架橋剤供給口18より、架橋剤を2.6kg/hrで押出機に連続的に供給し動的架橋を行った。製品排出口19より製品であるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物をスクリュー径25mmの短軸押出機を用い、幅80mm、長さ400mm、厚み0.2mmのシートに成形した。このシートに見られる径0.2mm以上のブツの個数を目視でカウントした結果5個であった。
【0039】
比較例1
原料投入口21よりゴム成分22、樹脂成分23としてポリプロピレンおよび添加剤24を混練押出機25に連続的に供給し、溶融混練した。供給量は、ゴム成分が140kg/hr、ポリプロピレンが22kg/hr、添加剤混合物が1.9kg/hrであった。さらに、架橋剤供給口26より、架橋剤を用いる量の全量である5.2kg/hrで押出機に連続的に供給し動的架橋を行った。製品排出口27より製品であるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を実施例1と同様に評価したところブツの個数を目視でカウントした結果19個であった。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、成形品の外観に優れた熱可塑性エラストマーを得る事が出来る熱可塑性エラストマーの製造方法を提供する事が出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる混練押出機の概略構成例を示す図である。
【図2】比較例で用いられる混練押出機の構成を示す図である。
【符号の説明】
11…ベール切断機、12…ゴムメルトフィーダー、13…混練押出機、14…樹脂成分、15…添加剤、16…架橋剤、17…架橋剤供給口、18…架橋剤供給口、19…製品排出口、21…原料投入口、22…ゴム成分、23…樹脂成分、24…添加剤、25…混練押出機、26…架橋剤供給口、27…架橋剤、28…製品排出口
【発明の属する技術分野】
本発明はゴムと熱可塑性樹脂および架橋剤とを溶融混練する事により熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法に関する。更に詳しくは、本発明は成形品の外観に優れた熱可塑性エラストマーを得る事が出来る熱可塑性エラストマーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性エラストマーは加硫工程が不要であり、通常の熱可塑性樹脂の成形機で加工が可能という特長をいかして、自動車部品、家電部品、あるいは雑貨等を始めとする広い分野において用途が開発されている。この中でオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物としては、オレフィン系共重合体ゴムとオレフィン重合体樹脂とを溶融混練して得られる非架橋タイプの組成物や、有機過酸化物など架橋剤の存在下にオレフィン系共重合体ゴムとオレフィン重合体樹脂を溶融混練し、動的に架橋することにより得られる架橋タイプの組成物が知られている。
【0003】
架橋タイプのオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造方法としては、オレフィン系共重合体ゴムとオレフィン重合体樹脂を予め混練し、その後架橋剤を供給し動的に架橋反応を行う方法が多く用いられている。ところが、この方法は、架橋剤の供給量が増加するに従い、架橋剤の分散不良が発生し、熱可塑性エラストマー組成物内の架橋度にバラツキを生じ、ブツが生じる。これにより熱可塑性エラストマー成形品の外観に不良が発生するとの問題点を持っている。
【0004】
このような問題を解決する方法として、用いるゴム成分の全量及び樹脂成分の全量または一部量と用いる架橋剤の一部量を混練機に投入し、樹脂成分が溶融した時点から少なくとも2秒経過後に用いる架橋剤の残量を混練機に投入し、混練・架橋を行う方法が開示されている(特許文献1参照)。しかし、熱可塑性エラストマー組成物の用途拡大に応じて一層の改良が求められている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−194095号公報(第1頁〜第4頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明は、成形品の外観が優れた熱可塑性エラストマーを得る事ができる製造方法を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ゴム成分および樹脂成分を含む熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、下記第一工程から第四工程の連続的な工程よりなる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に係るものである。
第一工程:ゴムベールを切断して塊状ゴムとする工程
第二工程:塊状ゴムを軟化溶融して混練押出機に供給する工程
第三工程:第二工程で軟化溶融されたゴム成分に対して、用いる樹脂成分および添加剤の全量または一部量並びに用いる架橋剤の一部量を供給する工程
第四工程:第三工程に続いて、第三工程とは異なる供給口より用いる架橋剤の残量を混練押出機に供給し、混練・架橋を行う工程
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の第一工程は、ゴムベールを切断して塊状ゴムとする工程である。
【0009】
通常合成工程において生産されるゴムは、72cm×36cm×18cm程度の大きさのベールとして供給される。このベールは混練押出機に直接供給するには大きすぎるので、切断して塊状ゴムとする。続いて第二工程において、この塊状ゴムをゴムメルトフィーダーに供給して、塊状ゴムを軟化溶融し混練押出機に供給する。このように塊状ゴムを予め軟化溶融して混練押出機に供給することにより、混練押出機への塊状ゴムの供給が円滑に行われると共に、樹脂成分との混練性がよくなる。
【0010】
第三工程は、第二工程で軟化溶融されたゴム成分に対して、用いる樹脂成分および添加剤の全量または一部量並びに用いる架橋剤の一部量を供給する工程である。尚、本発明において、添加剤とは架橋剤を除いた、架橋助剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、滑剤、着色顔料、無機充填剤、鉱物油系軟化剤等を言う。
【0011】
樹脂成分および添加剤の全量または一部量並びに用いる架橋剤の一部量を供給して、ゴム成分と樹脂成分の架橋反応を行う。ここで供給する架橋剤の一部量は、架橋剤の全使用量を100部としたとき60部以下である事が好ましい。第三工程における架橋剤の供給量が多いとブツが発生し易く、成形品に外観不良を生じ易い、
【0012】
第四工程は、第三工程に続いて、第三工程とは異なる供給口より用いる架橋剤の残量を混練押出機に供給し、混練・架橋を行う工程である。
【0013】
用いる架橋剤の残量を供給し、ゴム成分と樹脂成分の架橋反応を進める工程である。第四工程における架橋剤の供給は、さらに分割して混練押出機の下流から供給してもよい。このように架橋剤を分割して、架橋反応を徐々に進行させてブツの発生を抑えると共に製品の要望に応じる架橋の程度に制御することができる。
【0014】
本発明における混練押出機としては、混練機能を有するスクリューあるいはローター等が装着された単軸押出機、2軸押出機あるはいは3軸以上の多軸押出機を用いることができる。また、これらの押出機を複数連結し、使用することもできる。第一工程に用いるゴムメルトフィーダーは、上記のような混練押出機の小型機を混練押出機の前段階に設けてもよいし、混練押出機と一体化してゴム成分の軟化溶融部分としてもよい。
【0015】
本発明において、添加剤とは前記のように架橋剤を除く、架橋助剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、滑剤、着色顔料、無機充填剤、鉱物油系軟化剤等を言うが、架橋助剤を使用する場合は、架橋剤を供給する前、あるいは架橋剤と同時に供給することが好ましい。また、架橋助剤以外の添加剤については、押出機のどの部分から供給しても良い。
【0016】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法において、用いるゴム成分は特に限定されるものではないが、オレフィン系共重合体ゴムが好適に用いられる。上記の「オレフィン系共重合体ゴム」とは、オレフィンから誘導される繰り返し単位を該ゴム中に50モル%以上含有する無定型でランダムな弾性共重合体を意味する。オレフィン系共重合体ゴムとして、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとエチレンとからなるグループから選ばれる2種類以上のモノマーの組み合わせを共重合して得られる共重合体を例示することができる。炭素原子数3〜20のα−オレフィンとして、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセンおよび1−エイコセンで例示される直鎖状のα−オレフィン;並びに、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセンおよび2,2,4−トリメチル−1−ペンテンで例示される分岐状のα−オレフィンを例示することができる。
【0017】
上記の炭素原子数3〜20のα−オレフィンとエチレンとからなるグループから選ばれる2種類以上のモノマーの組み合わせとして、エチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/1−ヘキセン、プロピレン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/1−ブテン、エチレン/プロピレン/1−ヘキセン、エチレン/プロピレン/1−オクテン、プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン、プロピレン/1−ブテン/1−オクテン、プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン、エチレン/プロピレン/1−ブテン/1−オクテン、およびエチレン/プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン/1−オクテンなる組み合わせを例示することができる。
【0018】
オレフィン系共重合体ゴムは、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとエチレンとからなるグループから選ばれる2種類以上のモノマーと、非共役ポリエンとの共重合体であってもよい。非共役ポリエンとしては、脂肪族非共役ポリエン、脂環族非共役ポリエンおよび芳香族非共役ポリエン等があげられる。脂肪族非共役ポリエンとしては直鎖状脂肪族非共役ポリエンおよび分岐状脂肪族非共役ポリエンが含まれる。また、これらの非共役ポリエンは、その分子中の水素原子がハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0019】
脂肪族非共役ポリエンの具体例としては、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,5,9−デカトリエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、3−メチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,6−ヘプタジエン、4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4−エチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカテトラエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエン等が挙げられる。
【0020】
脂環族非共役ポリエンの具体例としては、ビニルシクロヘキセン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、メチルテトラヒドロインデン等が挙げられる。
【0021】
上記のオレフィン系共重合体ゴムとして好ましくは、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム、またはプロピレン−1−ブテン共重合体ゴムである。
【0022】
本発明において、架橋タイプの熱可塑性エラストマー組成物を製造する場合に使用するゴムとしてはオレフィン系共重合体ゴムが好ましく、中でもエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムまたはエチレン−プロピレン共重合体ゴムが好ましい。ここで用いられる非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、または5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましく、中でも5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましい。オレフィン系共重合体ゴムとしては、プロピレンから誘導される単位の含有量が10〜55重量%、より好ましくは20〜40重量%、5−エチリデン−2−ノルボルネンから誘導される単位の含有量が1〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%のエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴムが特に好ましい(なお、該共重合体に含有されるエチレン、プロピレンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネンのそれぞれから誘導される単位の合計が100重量%となるよう選択する)。
【0023】
上記オレフィン系共重合体ゴムの製造方法は特に限定されず、公知の方法で製造することができる。該製造に用いられる触媒も特に限定されず、触媒として、従来型の固体触媒等のマルチサイト触媒や、メタロセン錯体を用いてなる触媒で例示されるシングルサイト触媒を例示することができる。該オレフィン系共重合体ゴムとして、市販のゴムを使ってもよい。
【0024】
上記のオレフィン系共重合体ゴムの100℃ムーニー粘度(ML1+4100℃)は、好ましくは30〜350、より好ましくは120〜350、最も好ましくは140〜300である。
【0025】
本発明において用いられるゴム成分や熱可塑性樹脂成分は、必要により、鉱物油系軟化剤と組み合わせて用いることができる。鉱物油系軟化剤の使用方法については、(i)鉱物油系軟化剤のみを押出機の任意の箇所から供給する方法でもよいし、(ii)鉱物油系軟化剤とオレフィン系共重合体ゴムとを混合して得られる油展オレフィン系共重合体ゴムとして用いる方法でもよい。オレフィン系共重合体ゴムの100℃ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜80の場合は(i)の方法が好ましく、該粘度が80〜350の場合は(ii)の方法が好ましい。該粘度が80〜170の場合は(i)と(ii)との併用も好ましく実施される。
【0026】
本発明において、前記(i)の場合は、鉱物油系軟化剤の添加量は、オレフィン系共重合体ゴム100重量部当たり鉱物油系軟化剤150重量部以下である。前記(ii)の場合は、オレフィン系共重合体ゴム100重量部当たり鉱物油系軟化剤を20〜150重量部、好ましくは30〜120重量部含有した油展オレフィン系共重合体ゴムが有用に用いられる。
【0027】
上記「鉱物油系軟化剤」とは、得られる熱可塑性エラストマー組成物の加工性や機械的特性を改良する目的で用いられる高沸点の石油留分を意味する。鉱物油系軟化剤として、パラフィン系留分、ナフテン系留分および芳香族系留分を例示することができ、パラフィン系留分が好ましい。芳香族成分の含有量が多い鉱物油系軟化剤は、得られる熱可塑性エラストマー組成物の汚染性が強くなり、得られる熱可塑性エラストマー組成物を透明な製品あるいは明色な製品に適用し難くなったり、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐光性が悪化したりするため、好ましくない。
【0028】
油展オレフィン系共重合体ゴムの製造方法、すなわち、鉱物油系軟化剤とゴムとを混合する方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。その方法として、(i)ロールやバンバリーミキサーで例示される混練装置を用いて、オレフィン系共重合体ゴムと鉱物油系軟化剤とを機械的に混練する方法や、(ii)オレフィン系共重合体ゴムと溶媒とからなる溶液に鉱物油系軟化剤を添加した後、スチームストリッピングで例示される方法によって脱溶媒する方法を例示することができる。油展オレフィン系共重合体ゴムの好ましい製造方法は上記(ii)の方法であり、該オレフィン系共重合体ゴムと溶媒とからなる溶液として、オレフィン系共重合体ゴムの製造で得られるオレフィン系共重合体ゴム溶液を用いるのが経済的である。
【0029】
本発明で用いる熱可塑性樹脂は、ゴムと共に溶融混練することにより熱可塑性エラストマー組成物となり得る熱可塑性樹脂であり、中でもオレフィン重合体樹脂が好ましい。オレフィン重合体樹脂とはオレフィンを重合して得られる樹脂であり、例えば、エチレン単独重合体;プロピレン単独重合体などのα−オレフィン単独重合体;エチレン−1−ブテン共重合体などのエチレン−α−オレフィン共重合体;プロピレン−(エチレンおよび/または1−ブテン)共重合体などのプロピレン−α−オレフィン共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体などのエチレン系共重合体などが挙げられる。
【0030】
これらのオレフィン重合体樹脂の中でも、プロピレン単独重合体および/またはプロピレン−α−オレフィン共重合体などのアイソタクチック結晶性を有するプロピレン系樹脂が好ましい。ここでいうα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。プロピレン−α−オレフィン共重合体の場合、一般にランダムコポリマーやブロックコポリマーが知られているが、いずれも使用できる。JIS K6758に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定したプロピレン系樹脂のメルトフローレートは好ましくは0.1〜100g/10分の範囲である。
【0031】
上記オレフィン重合体樹脂の製造方法は特に制限されず、公知の製造方法であってもよい。該製造に用いられる触媒も特に限定されず、触媒として、従来型の固体触媒等のマルチサイト触媒や、メタロセン錯体を用いて得られる触媒で例示されるシングルサイト触媒を例示することができる。該オレフィン重合体樹脂として、市販の樹脂を使ってもよい。
【0032】
また本発明では、1種または2種以上の熱可塑性樹脂を必要に応じて用いることができる。
【0033】
オレフィン系共重合体ゴム(A)と熱可塑性樹脂(B)の配合重量比(A)/(B)は、15〜95/85〜5が好ましい。架橋タイプ熱可塑性エラストマー組成物の製造の場合は、35〜90/65〜10、好ましくは60〜90/40〜10が用いられ、非架橋タイプ熱可塑性エラストマー組成物の製造の場合は、15〜80/85〜20、好ましくは15〜50/85〜50である。油展オレフィン系共重合体ゴムを用いる場合、上記ゴムの使用割合は、油展オレフィン系共重合体ゴムの使用割合を意味する。
【0034】
本発明の架橋剤として有機過酸化物が使用される。有機過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジクミルパーオキシド等がある。これらの中では臭気性、スコーチ性の点で特に2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。有機過酸化物の添加量はオレフィン系共重合体ゴムとオレフィン重合体樹脂の合計100重量部に対して0.005〜2.0重量部、好ましくは0.01〜0.6の範囲で選ぶことが出来る。0.005重量部未満では架橋反応の効果が小さく、2.0重量部を超えると反応の制御が難しく、また経済的にも有利ではない。また、有機過酸化物は、液状あるいは粉状物質と希釈して用いることができる。希釈剤としては、オイル、有機溶媒、無機フィラー(シリカ、タルク等)が使用できる。
【0035】
架橋タイプの熱可塑性エラストマー組成物を製造する際、有機過酸化物による動的架橋時に架橋助剤として、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミドP−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン等のパーオキサイド架橋助剤、またはジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性のビニルモノマーを併存させることが出来る。このような化合物の配合により、均一且つ緩和な架橋反応と、オレフィン系共重合体ゴムとオレフィン重合体樹脂との間で反応が起こり、機械的特性を向上させることが可能である。架橋助剤の添加量はオレフィン系共重合体ゴムとオレフィン重合体樹脂の合計100重量部に対して、0.01〜4.0重量部の範囲で選ぶことが出来る。好ましくは0.05〜2.0重量部である。0.01重量部未満では効果が現れ難く、4重量部超えることは経済的に有利ではない。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の内容を、本発明で用いられる混練押出機の概略構成例を示す図1および比較例で用いられる混練押出機の概略構成を示す図2を用いて、より具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0037】
実施例、比較例に用いた混練押出機、ゴム、熱可塑性樹脂、添加剤混合物、架橋剤は下記の通りである。
混練押出機:日本製鋼所製 TEX65
ゴム:油展エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(住友化学工業(株)製;商品名エスプレン670F、ムーニー粘度(ML1+4100℃ 63:ASTM D−927−57Tに従い測定)。
熱可塑性樹脂:ポリピロピレン(住友化学工業(株)製;商品名 ノーブレンY501N、MFR13g/10分:JIS K6758に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定)。
添加剤混合物:架橋助剤(住友化学工業(株)社製;商品名 スミファインBM)/酸化防止剤(住友化学工業(株)社製;商品名 スミライザーBP101)=0.9/0.25重量比より成る混合物。
架橋剤:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを鉱物油系オイル(出光興産製;商品名 ダイアナプロセスオイルPW380)で10重量%に希釈した。
【0038】
実施例1
ゴムをベール切断機11により、3cm大の塊状ゴムとした後、ゴムメルトフィーダー12を通して140kg/hrで連続的に押出機に供給した。樹脂成分14としてポリプロピレンおよび添加剤15を混練押出機に連続的に供給し、溶融混練した。供給量は、ポリプロピレンが22kg/hr、添加剤混合物が1.9kg/hrであった。架橋剤供給口17より架橋剤の一部量2.6kg/hrを、混練押出機に連続的に供給し、溶融混練した。さらに、架橋剤供給口18より、架橋剤を2.6kg/hrで押出機に連続的に供給し動的架橋を行った。製品排出口19より製品であるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物をスクリュー径25mmの短軸押出機を用い、幅80mm、長さ400mm、厚み0.2mmのシートに成形した。このシートに見られる径0.2mm以上のブツの個数を目視でカウントした結果5個であった。
【0039】
比較例1
原料投入口21よりゴム成分22、樹脂成分23としてポリプロピレンおよび添加剤24を混練押出機25に連続的に供給し、溶融混練した。供給量は、ゴム成分が140kg/hr、ポリプロピレンが22kg/hr、添加剤混合物が1.9kg/hrであった。さらに、架橋剤供給口26より、架橋剤を用いる量の全量である5.2kg/hrで押出機に連続的に供給し動的架橋を行った。製品排出口27より製品であるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を実施例1と同様に評価したところブツの個数を目視でカウントした結果19個であった。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、成形品の外観に優れた熱可塑性エラストマーを得る事が出来る熱可塑性エラストマーの製造方法を提供する事が出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる混練押出機の概略構成例を示す図である。
【図2】比較例で用いられる混練押出機の構成を示す図である。
【符号の説明】
11…ベール切断機、12…ゴムメルトフィーダー、13…混練押出機、14…樹脂成分、15…添加剤、16…架橋剤、17…架橋剤供給口、18…架橋剤供給口、19…製品排出口、21…原料投入口、22…ゴム成分、23…樹脂成分、24…添加剤、25…混練押出機、26…架橋剤供給口、27…架橋剤、28…製品排出口
Claims (5)
- ゴム成分および樹脂成分を含む熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、下記第一工程から第四工程の連続的な工程よりなる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
第一工程:ゴムベールを切断して塊状ゴムとする工程
第二工程:塊状ゴムを軟化溶融して混練押出機に供給する工程
第三工程:第二工程で軟化溶融されたゴム成分に対して、用いる樹脂成分および添加剤の全量または一部量並びに用いる架橋剤の一部量を供給する工程
第四工程:第三工程に続いて、第三工程とは異なる供給口より用いる架橋剤の残量を混練押出機に供給し、混練・架橋を行う工程 - ゴム成分がエチレン−プロピレン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体からなるオレフィン系共重合体ゴムである請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- 架橋剤が有機過酸化物である請求項1または2記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- 熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンおよびプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1から3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- オレフィン系共重合体ゴム(A)と熱可塑性樹脂(B)の配合重量比(A)/(B)が15〜95/85〜5である請求項1から4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
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