JP2004262050A - 感熱塗工液およびそれを用いた感熱記録シートおよび感熱記録シートの製法 - Google Patents

感熱塗工液およびそれを用いた感熱記録シートおよび感熱記録シートの製法 Download PDF

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朗 平澤
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Abstract

【課題】耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能である感熱発色層を有する感熱記録シートを容易に形成できる感熱塗工液、それを用いた感熱記録シートおよび感熱記録シートを容易に製造できる方法の提供。
【解決手段】感熱発色成分と、液状撥水性物質マイクロカプセルを含む感熱塗工液をシート基材3面の所定箇所に塗工して感熱発色層3を形成した後、この感熱発色層3中の液状撥水性物質マイクロカプセルを破壊することにより課題を解決できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱塗工液およびそれを用いた感熱記録シートおよび感熱記録シートの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、情報の多様化ならびに増大、省資源、無公害などの社会からの要請に伴って情報記録分野においても種々の記録材料が研究開発され実用に供されているが、中でも感熱記録材料は、一般にシート基材とこのシート基材上に形成されている感熱発色層とからなり、熱ヘッド、熱ペン、レーザ光などで加熱することにより感熱発色層中の発色剤が瞬時に反応し、記録画像、印字が形成される。
(1)単に加熱するだけで発色画像、印字が形成され、煩雑な現像工程が不要であること、(2)比較的簡単でコンパクトな装置を用いて製造できること、得られた記録材料の取り扱いが容易で維持費が安いこと、(3)シート基材として紙が用いられる場合が多く、この際には安価であるのみならず、得られた記録材料の感触も普通紙に近いなどの利点があるため、計測用記録計、低ならびに高速ファクシミリ分野、プリンタ、コンピュータ端末機(ハンディターミナル)、POSシステムのラベル分野、自動券売機分野などにおいて広く用いられている。
【0003】
特に、近年においては各種チケット用、レシート用、金融機関のATM用途、ガス、電気、水道など公共料金の検針票用などへの用途拡大が著しい。しかし、検針票用の感熱記録材料は戸外で使用されており、雨などの水滴で感熱紙表面が濡れ、そのまま感熱記録面を内側にして折畳み、そのまま乾燥すると感熱記録面同士が貼り付き破れて記録面が見られなくなるという問題がある(水湿潤ブロッキングという。以下、水湿潤ブロッキングに対する耐性を「耐水ブロッキング性」という)。これは一般に感熱紙に用いられるバインダーが水溶性樹脂や合成樹脂エマルジョンであり、これらが湿潤時に粘着性を帯びるためである。
【0004】
この問題を解決するために、保護層の樹脂がポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンとメラミンホルムアルデヒドを組み合わせることで、感熱記録材料の耐水性を向上させる提案があるが(特許文献1参照)、ポリビニルアルコールの未架橋物が残り、それが水湿潤ブロッキングを引き起こす。
この他にこの問題を解決するために、種々の提案があるが(例えば、特許文献2〜5参照)、未だ不十分であったり、コストアップとなる問題がある。
一方、銀行のATM用途やガス、電気、水道など公共料金の検針票用などのハンディターミナル用感熱記録材料は感熱記録面にあらかじめ記録欄用の枠、発行者名および各種の情報を印刷しておくことが行われるが、これらに用いられる印刷インクによっては長期にプリンタを使用したときにサーマルヘッド上に堆積し重要な印字障害を生じさせることがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−300817号公報
【特許文献2】
特許第2935154号公報
【特許文献3】
特開平8−300822号公報
【特許文献4】
特開平11−78240号公報
【特許文献5】
特願2001−398335
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、従来の問題を解決し、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能である感熱発色層を有する感熱記録シートを容易に形成できる感熱塗工液を提供することであり、
本発明の第2の目的は、この感熱塗工液を用いてシート基材面の所定部に感熱発色層を形成した感熱記録シートを提供することであり、
本発明の第3の目的は、この感熱記録シートを容易に製造できる方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、感熱発色成分と、液状撥水性物質マイクロカプセルを含む感熱塗工液を用い、この塗工液をシート基材面の所定箇所に塗工して感熱発色層を形成することにより、前記課題を達成できることを見いだし、本発明を想到した。
【0008】
すなわち、本発明の請求項1の感熱塗工液は、感熱発色成分と、液状撥水性物質マイクロカプセルを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の感熱塗工液を用いて公知の印刷法などによりシート基材面の所定部に塗布して感熱発色層を形成し、カレンダーロール、ガイドロールなどで感熱発色層に圧力がかかると感熱発色層中のマイクロカプセルが破壊されて液状撥水性物質が放出されて感熱発色層表面に遊離してくるために、耐水性および耐水ブロッキング性に優れ、戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能である感熱発色層を有する感熱記録シートを容易に形成できる。
【0010】
本発明の請求項2は、シート基材面の所定箇所に、請求項1記載の感熱塗工液を用いて形成された感熱発色層を有し、前記感熱発色層中の液状撥水性物質マイクロカプセルの有効量が破壊されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の感熱記録シートは、構成が簡単で安価であり、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能である。
【0012】
本発明の請求項3の感熱記録シートは、請求項2記載の感熱記録シートにおいて、検針票であることを特徴とする。
【0013】
本発明の検針票は、構成が簡単で安価であり、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるなど検針票として要求される各種特性を備えている。
【0014】
本発明の請求項4、シート基材面の所定箇所に、請求項1記載の感熱塗工液を塗工して感熱発色層を形成した後、この感熱発色層中の液状撥水性物質マイクロカプセルを破壊することを特徴とする感熱記録シートの製法である。
【0015】
本発明の感熱塗工液を用いて公知の印刷法などによりシート基材面の所定部に塗布して感熱発色層を形成した後、例えばカレンダーロール、ガイドロールなどで感熱発色層に圧力をかけたり、加熱したり、光照射したりすると感熱発色層中のマイクロカプセルが容易に破壊されて液状撥水性物質が放出されて感熱発色層表面に遊離してくる。そのめに、本発明の感熱記録シートは、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので、戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の感熱塗工液を用いて形成された感熱発色層を有する感熱記録シートの一例である検針票の1実施を説明する説明図である。
図1に示したように、検針票1は、シート基材2面の所定箇所に本発明の感熱塗工液を用いて形成された感熱発色層3を有し、感熱発色層3面の所定箇所にあらかじめグラビア印刷方式、オフセット印刷方式などの公知の方法により記録欄用の枠4、発行者名5および各種の情報6を印刷してある。
そして、感熱発色層3の上には製造時にカレンダーロール、ガイドロールなどで感熱発色層3に圧力がかかって感熱発色層3中のマイクロカプセルが破壊されて液状撥水性物質が放出されて感熱発色層3表面にシリコーンオイル、弗素系オイル、流動パラフィンなどの液状撥水性物質が遊離してくる。そのために、検針票1は、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので、戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能である。
ガス、電気、水道など公共料金の検針時に検針結果や料金などの必要事項が図示しないハンディターミナルによりプリントされる。
【0017】
感熱発色層は公知の感熱発色成分を用いて公知の方法により形成することができる。感熱発色成分としては、たとえばロイコ染料とフェノール性物質に代表される電子受容性物質との反応によるもの、イミノ化合物とイソシアナート化合物との反応によるものや長鎖脂肪酸鉄塩と多価フェノールとの反応によるものなどいずれでもよい。
【0018】
本発明で用いる液状撥水性物質は常温で液状の撥水性を有するものであればよく特に限定されない、しかし、例えばシリコーンオイル、弗素系オイル、流動パラフィンなどは入手も容易で安価であるので好ましく使用できる。
【0019】
液状撥水性物質を芯物質とするマイクロカプセルは公知の方法で作ることができる。カプセル壁材はゼラチン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ尿素、ポリスルホンアミド、ポリスルホネート、ポリウレアなどである。カプセル生成法は従来慣用されている、例えば、インサイチュウ法、界面重合法、コアセルベーション法、オリフィス法などを挙げることができる。例えば、芯物質を酸触媒および乳化・分散機能を有するスチレン−無水マレイン酸の部分加水分解物と、ポリマを形成する反応成分としてメラミンまたは尿素とホルマリンのプレポリマを用い、インサイチュ法によってカプセル壁材であるメラミンまたは尿素−ホルマリン樹脂を形成し、マイクロカプセルを生成する方法により、液状撥水性物質を芯物質とするマイクロカプセルを水系に分散した状態で作ることができる。
【0020】
本発明で使用する感熱発色成分は公知のものでよく、例えば、クリスタルバイオレットラクトン、3,6−ビス−ジフェニルアミノフルオランなどの青系発色剤、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−ペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジメチルフルオランなどの黒系発色剤など従来の公知の発色剤およびその組み合わせを用いることができる。
【0021】
本発明の塗料のビヒクル(バインダー)は公知の塗料用ビヒクルを用いることができ、塗料のタイプは溶剤型、赤外線、紫外線、電子線などの放射線を照射して硬化する放射線硬化型、水性インク、特殊インクなどいずれでもよく、特に限定されるものではない。電子線硬化型や紫外線硬化型ビヒクルとしては、公知のアクリル系光重合性モノマーおよび/またはアクリル系光重合性オリゴマーから任意に選んで用いることができる。
【0022】
本発明の感熱塗工液にはさらに所望に応じて以下の添加物を添加できる。
顔料としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂などが利用される。
その他にヘッド摩耗防止、スティッキング防止などの目的で、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、また、感度向上剤としてメタタールフェニル、パラベンジルビスフェニル、ヒドロキシナフトエ酸のエステル類、ステアリン酸アミド、トリベンジルアミン、ナフタレン誘導体、ジベンジルテレフタレート、蓚酸ジベンジル、蓚酸ビス(パラメチルベンジル)などの各種蓚酸エステル等を用いることができる。
さらに、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤または界面活性剤、蛍光染料などが所望に応じて利用される。
感熱塗工液にはさらに、所望に応じて慣用されている添加成分、例えば、反応性希釈剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤、着色剤、滑剤などを含有させることもできる。
【0023】
本発明の感熱塗工液(水溶液)中の液状撥水性物質マイクロカプセルの配合量は特に限定されないが、感熱塗工液(水溶液)全体100質量部中に液状撥水性物質マイクロカプセル1〜30質量部(液状撥水性物質として約0.4質量部〜13質量部)、好ましくは2〜25質量部含むことが好ましい。液状撥水性物質マイクロカプセル1質量部未満では耐水性および耐水ブロッキング性が改善されない恐れがあり、30質量部を超えると表面が滑り過ぎる恐れがある。
【0024】
本発明の感熱塗工液全体における固形分の割合は20〜50質量%、好ましくは30〜40質量%、さらに好ましくは35質量%程度に調製される。
ここで質量%とは乾燥質量%を表すものであり、以下の実施例においても同様である。
【0025】
本発明の感熱塗工液の塗工法は特に限定されるものではなく、例えば、刷毛塗りなど手動で塗工する方法、あるいは自動的に塗工する方法を挙げることができる。例えばグラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、リバ−スロールコーター、キスロールコーター、キャストコーター、カーテンコーターなどの塗工手段によりシート基材面の所定箇所に塗工し、乾燥、紫外線照射するなどして硬化することにより本発明の感熱記録シートを製造することができる。感熱塗工液は各コーターに適する濃度に水や最適な溶剤等で希釈されることもある。
【0026】
本発明の塗工液の塗工量は、膜厚が0.01〜7.0μm程度になるような塗工量であればよく、特に限定されないが、例えば0.5〜30g/m 、好ましくは3〜20g/m 、さらに好ましくは5〜15g/m である。
【0027】
本発明で用いるシート基材は、その材料として、一般的に使用されるプラスチック材料(例えばポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合(ABS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースプロピオネート(CP)など)又は紙(例えば上質紙、アート紙、コート紙など)等を好適に用いることができる。
プラスチック基材はコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理などの表面処理を施したものなどが好ましく使用できる。
【0028】
通常の紙としては、木材パルプと顔料を主成分として構成される。木材パルプとしてはLBKP、NBKP、などの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどのパルプを含み、必要に応じて従来の顔料やバインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留り向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機などの各種装置で製造が可能であり、酸性、中性、アルカリ性で抄造できる。
【0029】
【実施例】
以下本発明の内容を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明は実施例になんら限定されるものではない。
(実施例1)
(液状撥水性物質マイクロカプセルMC−1の調製)
スチレン無水マレイン酸共重合体<商品名:Scripset−520(モンサント社製)>を少量の水酸化ナトリウムとともに溶解し、これを5質量%、pH4.5に調製した水溶液200質量部中に、シリコーンオイル<商品名:SH200(東レダウコーニングシリコーン社製)>200質量部を乳化・分散させて平均粒径2〜3μmの乳化物を得た。次に、この乳化物にメラミン−ホルマリン初期重合物<商品名:Sumirez Resin513(住友化学社製)>60質量部を加え、系の温度を75℃にて2時間攪拌し、液状撥水性物質を内包した液状撥水性物質マイクロカプセルMC−1を得た。
【0030】
(液状撥水性物質マイクロカプセルMC−2の調製)
スチレン無水マレイン酸共重合体<商品名:Scripset−520(モンサント社製)>を少量の水酸化ナトリウムとともに溶解し、これを5質量%、pH4.6に調製した水溶液200質量部中に、流動パラフィン<商品名:ダフニーオイルCP(出光興産社製)>200質量部を乳化・分散させて平均粒径3〜4μmの乳化物を得た。次に、この乳化物にメラミン−ホルマリン初期重合物<商品名:Sumirez Resin513(住友化学社製)>60質量部を加え、系の温度を75℃にて2時間攪拌し、液状撥水性物質を内包した液状撥水性物質マイクロカプセルMC−2を得た。
【0031】
<感熱発色液Aの調製>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを25質量部とソープフリーラテックス<商品名:Nipol SX1105(日本ゼオン社製)>を3質量部(固形分)およびイオン交換水65質量部を混合し、サンドミルで5時間分散させ、感熱発色液Aを得た。
<感熱発色液Bの調製>
1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペタン12.5質量部と炭酸カルシウム<商品名:ブリリアント15(白石カルシウム社製)>12.5質量部、それにソープフリーラテックス<商品名:Nipol SX1105(日本ゼオン社製)>を3質量部(固形分)およびイオン交換水65質量部を混合し、サンドミルで5時間分散させ、感熱発色液Bを得た。
<感熱発色液Cの調製>
増感剤<商品名:PMB−2(日華化学社製)>25質量部とソープフリーラテックス<商品名:Nipol SX1105(日本ゼオン社製)>を3質量部(固形分)それにイオン交換水65質量部を混合し、サンドミルで平均粒子径が1μmになるまで分散させ、感熱発色液Cを得た。
【0032】
上記液状撥水性物質マイクロカプセルMC−1および感熱発色液A〜Cを、MC−1:5質量部(固形分)、A:20質量部(固形分)、B:45質量部(固形分)、C:20質量部(固形分)を混合撹拌した。この混合液に、ステアリン酸系滑剤<商品名:ハイドリンZ−7−30(中京油脂社製)>10質量部(固形分)を混合し、本発明の感熱塗工液を得た。
【0033】
得られた本発明の感熱塗工液をフォーム上質紙<商品名:Npiフォーム55kg(日本製紙社製)>上に乾燥塗工量6g/m に塗工後乾燥させた。乾燥後のカレンダーロールにて平滑性と光沢性の付与およびMC−1の破壊を行い、シリコーンオイルを感熱発色層にしみ出させて、本発明の感熱記録シートを得た。
得られた本発明の感熱記録シートから屋外検針票用感熱記録シートを作成し、屋外検針票用感熱記録シートについて、下記の試験法により、(1)動的発色性試験、(2)スティッキング性試験、(3)耐水ブロッキング性試験を行った。結果を表1に示す。
【0034】
<試験法>
(1)動的発色性試験
感熱紙印字評価試験装置<商品名:TH−PMG(大倉電機社製)>で、印加電圧:12V、パルス幅:0.5および0.7msecの条件で印字を行い、発色濃度を反射濃度計<商品名:マクベスRD−918(サカタインクス社製)>で測定を行う。
【0035】
(2)スティッキング性試験
(1)の動的発色性試験で使用した装置を用いて、パルス幅:1.0msecでベタ発色200ライン後、320msecの停止時間を5回繰り返すことによりスティッキングの有無を評価した。
(評価基準)
スティッキングの発生なし:○
スティッキングの発生あり:×
【0036】
(3)耐水ブロッキング性試験
戸外検針票用感熱記録シートの記録面に水滴を垂らした後、記録面を重ね合わせて折りたたみ、100gの荷重をかけ、温度23℃、湿度50%RHの環境下で24時間放置後、貼り付き具合を評価した。
(評価基準)
貼り付きなし :◎
わずかに記録面がはがれる(実用上使用可) :○
貼り付きが激しく記録紙が破れた(実用上使用不可):×
【0037】
(実施例2)
実施例1で使用したMC−1および感熱発色液A〜Cの配合比率を、MC−110質量部(固形分)、A:20質量部(固形分)、B:40質量部(固形分)、C:20質量部(固形分)とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の感熱記録シートを作成し、それから本発明の戸外検針票用感熱記録シートを作成した。得られた本発明の戸外検針票用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0038】
(実施例3)
実施例1で使用したMC−1および感熱発色液A〜Cの配合比率を、MC−115質量部(固形分)、A:17.5質量部(固形分)、B:40質量部(固形分)、C:17.5質量部(固形分)とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の感熱記録シートを作成し、それから本発明の戸外検針票用紙とは明らかな違いが見られる用感熱記録シートを作成した。得られた本発明の戸外検針票用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0039】
(実施例4)
実施例1で使用したMC−1および感熱発色液A〜Cの配合比率を、MC−125質量部(固形分)、A:17.5質量部(固形分)、B:35質量部(固形分)、C:17.5質量部(固形分)としステアリン酸系滑剤<商品名:ハイドリンZ−7−30(中京油脂社製)>:5質量部(固形分)とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の感熱記録シートを作成し、それから本発明の戸外検針票用感熱記録シートを作成した。得られた本発明の戸外検針票用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0040】
(実施例5)
実施例1で使用したMC−1をMC−2に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の感熱記録シートを作成し、それから本発明の戸外検針票用感熱記録シートを作成した。得られた本発明の戸外検針票用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0041】
(実施例6)
実施例5で使用したステアリン酸系滑剤を別のステアリン酸系滑剤<商品名:ハイドリンE−366(中京油脂社製)>に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の感熱記録シートを作成し、それから本発明の戸外検針票用感熱記録シートを作成した。得られた本発明の戸外検針票用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0042】
(実施例7)
実施例4で使用したMC−1をMC−2に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の感熱記録シートを作成し、それから本発明の戸外検針票用感熱記録シートを作成した。得られた本発明の戸外検針票用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0043】
(比較例1)
実施例1で使用したMC−1を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較の感熱記録シートを作成し、それから比較の戸外検針票用感熱記録シートを作成した。得られた比較の戸外検針票用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0044】
(比較例2)
実施例1で感熱発色層を形成後、感熱発色層中のMC−1を破壊しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較の感熱記録シートを作成し、それから比較の戸外検針票用感熱記録シートを作成した。得られた比較の戸外検針票用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0045】
(比較例3)
実施例5で使用したMC−2を使用しなかった以外は、実施例5と同様の操作を行い、比較の感熱記録シートを作成し、それから比較の戸外検針票用感熱記録シートを作成した。得られた比較の戸外検針票用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2004262050
【0047】
表1から、実施例1〜7の感熱記録シートは(1)動的発色性試験、(2)スティッキング性試験、(3)耐水ブロッキング性試験のいずれにおいても優れていることが判る。
それに対して、比較例1〜3の感熱記録シートは(3)耐水ブロッキング性試験が劣っている。
【0048】
【発明の効果】
本発明の請求項1の感熱塗工液は、感熱発色成分と、液状撥水性物質マイクロカプセルを含むことを特徴とするものであり、公知の印刷法などによりシート基材面の所定部に塗布して感熱発色層を形成し、例えばカレンダーロール、ガイドロールなどで感熱発色層に圧力などがかかると感熱発色層中のマイクロカプセルが容易に破壊されて液状撥水性物質が放出されて感熱発色層表面に遊離してくるために、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので、戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能である感熱発色層を有する感熱記録シートを容易に形成できるという顕著な効果を奏する。
【0049】
本発明の請求項2は、シート基材面の所定箇所に、請求項1記載の感熱塗工液を用いて形成された感熱発色層を有し、前記感熱発色層中の液状撥水性物質マイクロカプセルの有効量が破壊されていることを特徴とするものであり、構成が簡単で安価であり、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるという顕著な効果を奏する。
【0050】
本発明の請求項3の感熱記録シートは、請求項2記載の感熱記録シートにおいて、検針票であることを特徴とするものであり、本発明の検針票は、構成が簡単で安価であり、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるなど検針票として要求される各種特性を備えているというさらなる顕著な効果を奏する。
【0051】
本発明の請求項4、シート基材面の所定箇所に、請求項1記載の感熱塗工液を塗工して感熱発色層を形成した後、この感熱発色層中の液状撥水性物質マイクロカプセルを破壊することを特徴とする感熱記録シートの製法であり、本発明の感熱塗工液を用いて公知の印刷法などによりシート基材面の所定部に塗布して感熱発色層を形成した後、例えばカレンダーロール、ガイドロールなどで感熱発色層に圧力をかけたり、加熱したり、光照射したりすると感熱発色層中のマイクロカプセルが容易に破壊されて液状撥水性物質が放出されて感熱発色層表面に遊離してくるために、本発明の感熱記録シートを容易に製造できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱塗工液を用いて形成された感熱発色層を有する感熱記録シートの一例である検針票の1実施を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 検針票
2 シート基材
3 感熱発色層
4 記録欄用の枠
5 発行者名
6 各種の情報

Claims (4)

  1. 感熱発色成分と、液状撥水性物質マイクロカプセルを含むことを特徴とする感熱塗工液。
  2. シート基材面の所定箇所に、請求項1記載の感熱塗工液を用いて形成された感熱発色層を有し、前記感熱発色層中の液状撥水性物質マイクロカプセルの有効量が破壊されていることを特徴とする感熱記録シート。
  3. 検針票であることを特徴とする請求項2記載の感熱記録シート。
  4. シート基材面の所定箇所に、請求項1記載の感熱塗工液を塗工して感熱発色層を形成した後、この感熱発色層中の液状撥水性物質マイクロカプセルを破壊することを特徴とする感熱記録シートの製法。
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